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合唱大国・フィンランドを堪能する その2・タピオラ合唱団編

 かなり前に「合唱大国・フィンランドを堪能する」という記事でフィンランド(北欧・バルト諸国全体)の合唱がすごいという話をした。かなり間が開きましたが、今日はその続き。フィンランド・北欧音楽にとても詳しく、このブログでお世話になっているsuomestaさんのお薦め、タピオラ合唱団のフィンランド民謡集です。



「Sininen ja Valkoinen」
タピオラ合唱団/エルッキ・ポホヨラ(合唱指揮)
タピオラ・シンフォニエッタ/ヨルマ・パヌラ(オーケストラ指揮)/ONDINE
(リンク先で試聴可能。またはアメリカのタワーレコードのサイトで)



 タピオラ合唱団は小学校の音楽教師だったエルッキ・ポホヨラ氏(以前オラモ/バーミンガム市響のシベリウス交響曲全集の記事で触れたフィンランド屈指の音楽一家・ポホヨラ家出身。リーサ・ポホヨラは妹にあたる)が1960年代に創設した児童合唱団。初めは小学校内の合唱団だったが、そのうちフィンランド中から子どもたちが集まるようになった。世界中の合唱コンクールで何度も優勝し、国際的に活躍している。CDも数多く、そのうち一枚がこれ。以前紹介したカンドミノ合唱団は無伴奏合唱ですが、このCDではタピオラ・シンフォニエッタによるオーケストラ伴奏がついています。その指揮があのヨルマ・パヌラ。

 CDタイトルの「Sininen ja Valkoinen」とは、フィンランド語で「青と白」(「sininen(シニネン)」が青、「valkoinen(ヴァルコイネン)」は白の意。「ja(ヤ)」はandのこと)。つまり、フィンランド国旗の色でありフィンランドを象徴する色。このCDにも「Taivas on Sininen ja Valkoinen」(空は青く、そして白い)という民謡がある。フィンランドの民謡には、自分たちの土地、国を称える歌がかなり多く、この歌もそのひとつ。

 このCD、そんなフィンランドの方々のフィンランド愛が強く表れています。何と言っても1曲目の「Maamme(我が祖国)」。フィンランド国歌です。25曲目、トリを飾るのは「Finlandia-Hymni」…「第2の国歌」とも呼ばれるシベリウスの「フィンランディア」に歌詞を付けた「フィンランディア賛歌」。フィンランド愛国CDと言ってもいいぐらい、フィンランド(スオミ)愛が強いCDです。

 少年少女で結成されているタピオラ合唱団ですが、声が澄み切っている。世界中の合唱コンクールで優勝しまくる理由も分かる。男声合唱の低い声が基本的に私は好きなのですが、この柔らかく透明な声も好きだ。児童合唱団だからこそ出せる声。合唱もいいが、時々出てくるソロパートでも見事な腕前。特に「Taivas on Sininen ja Valkoinen」と「Orvon Huokas(夕暮れの歌:ここでひとり私は歌う)」のソロはとても美しい。オケの伴奏も合唱に負けじととてもきれいです。

 あと、以前のカンドミノ合唱団のCDではブックレットに日本語訳の歌詞しか載っておらず、フィンランド語の歌詞が読みたいと思っていたのですがこのCDにはちゃんとありました(訳は英語)。声の美しさもそうですが、フィンランド語特有の発音・響きも堪能したい。やっぱりフィンランド語は響きが面白い。合唱・歌に何故かしっくり来る。

 タピオラ合唱団のこと、ポホヨラ氏自身のことについては「世界をつなぐ歌の橋 -タピオラ合唱団の音楽教育」(エルッキ・ポホヨラ著、松原千振訳、音楽の友社、1994)という本で詳しく書かれています。合唱で、音楽で大事にすることとは何かについてかなり深く書かれています。合唱団の子どもたちもかなりハードな練習をしているそうですが、この歌声はその賜物。合唱曲を作曲した現代フィンランドの作曲家のことも多く書かれていて興味深い。

 フィンランドの合唱はやっぱり凄い。民謡だけじゃなくて、シベリウス以降の作曲家の合唱曲(合唱入り管弦楽曲も含む)も。その辺はまだ聴いている最中。
by halca-kaukana057 | 2007-03-16 21:38 | フィンランド・Suomi/北欧

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)
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