人気ブログランキング |

そんなヴィオラが大好きです ブラームス&シューマン編

 ヴィオラをこよなく愛するシリーズ、時間が空いてしまいました。教育テレビの感想ばっかり書いているからこんなことに…。でも、ネタがある限り少しずつでも続けていきます。

 今回はブラームスとシューマンと、ヴィオラ。ブラームスとシューマンの関係はご存知のとおり深い。若きブラームスを世に紹介したのがシューマン。そして、シューマンの妻・クララとブラームスは仲が良く、ブラームスはクララによく自分の作品を見せていたのだそうだ。恋仲まで噂されてしまう2人。そんなブラームスとシューマンを、ヴィオラ曲で考えてみる。


 まず、ブラームスのヴィオラが主役の曲と言えば2番まである「ヴィオラ・ソナタ」(第1番ヘ短調op.120-1、第2番変ホ長調op.120-2)。元々はクラリネット・ソナタだったが、クラリネットの音域ならヴィオラでも演奏できるのでヴィオラ編曲版も作ってしまった。私は原曲であるクラリネット・ソナタはまだちゃんと聴いたことは無いのだが、中音域が活きるほの暗く、渋い曲。この渋さはブラームスだ。クラリネットの柔らかい音よりも、ヴィオラの太い音の方がよりブラームスらしい渋さが増しているのではないかと思う。

 渋さだけでなく、暗い情熱が表現されているのもこの2曲の特徴。ヴィオラの音=太い・甘い・渋いというイメージを持っていたが、ヴァイオリンのような熱のこもった表現も出来るんだと気がついた。ヴァイオリンにはない、図太さ・硬さも関係しているのだと思う。ヴィオラの表現の幅って結構広いんだと、だんだん分かってきました。



 一方シューマンからは「おとぎの絵本」op.113。ヴィオラとピアノのための曲。「おとぎの絵本(Märchenbilder)」なんてタイトルが、いかにもドイツロマン派のシューマンらしい。ちなみに、シューマンは「おとぎ話」op.132というヴィオラ、クラリネット、ピアノのための曲も作曲している。好きな楽器ばかりでたまりません。

 かなり昔「本当は怖いグリム童話」なんて本が有名になった。子ども向けのロマンスたっぷりの童話も、本当は血なまぐさいドロドロした怖いお話だったという話。シューマンのこの曲も、そんな曲。シューマンお得意の夢見るようなメロディーから、不安がよぎり激しい感情に襲われる第3曲、悲しげな第4曲と進む。喜怒哀楽の感情を表現し尽くすロマン派の音楽という視点で考えれば、タイトルと曲のイメージのギャップに驚くこともないかも。ドイツのメルヒェン(Märchen)と、ロマン派音楽を上手く組み合わせた作品とも言えるかも。そんな曲を表現できるのはやっぱりヴィオラだと思う。ロマンティックな甘い温かい音、恐怖を煽る硬い強い音。悲しみ・静けさを表す暗い低い音。ヴィオラの音域はとても広いとは言えないけど、音の表情は本当はとても豊か。表に出さない(出せない・出させない?)だけなんです。きっと。

 ブラームスとシューマン、それぞれの個性がヴィオラでも出ている。渋い、でも暗い情熱を持ったブラームス。ロマンティックだけど狂気も感じられるシューマン。ヴィオラの表現の幅に驚いた3作品でした。


 そんなブラームス「ヴィオラ・ソナタ」とシューマン「おとぎの絵本」を聴いたCDはこれ。
Debussy, Janácek, Nielsen, Ravel, Schumann, Brahms: Violin & Viola Sonatas
クリスティアン・テツラフ(Vn)/ラーシュ・アンデシュ・トムテル(Va)/レイフ・オヴェ・アンスネス(P)
 2枚組みのCDで、一枚目はドビュッシーやヤナーチェク、ニールセン、ラヴェルのヴァイオリン・ソナタ。ヴァイオリンは以前このブログでも特集したテツラフ。二枚目がこのヴィオラ曲3曲。
ヴィオラを弾くトムテルのことはよくわからないのだが(情報不足で申し訳ない)、名前を見ると北欧の方…?で、ピアノはご存知アンスネス。トムテルのヴィオラも芯が太い。

 ちなみに、以前ブラームスは苦手と書きましたが、今はもう好きな部類に入ります。交響曲のあの重さも、今ではカッコイイと思えます。
by halca-kaukana057 | 2007-06-20 23:03 | 音楽

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31