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そんなヴィオラが大好きです バルトーク編

 ヴィオラシリーズ、今回はバルトークです。近・現代になって「独奏楽器」として演奏され始めたヴィオラ。ヴィオラがソロを務める曲も20世紀になってようやく増え始めます。そんな20世紀のヴィオラが主役の曲を、バルトークの作品から。

 「ヴィオラ協奏曲 Sz120(遺作)」。イギリスのヴィオラ奏者・プリムローズから依頼されて作曲を始めたバルトーク。しかし、草稿の段階でバルトークは死去してしまいます。弟子のシェルイによって補完され、現在の形に至ります(完全なバルトークの作品とは言えない気も…)。最近ではシェルイ版では不完全だと、様々な版が存在するんだとか。私はシェルイ版しか聴いたことが無いので、シェルイ版で話を進めようと思います。


 か細い、不安げなヴィオラソロで始まる冒頭。バルトークらしい変拍子と不安定な調性はいつ聴いてもカッコイイ。不安そうで、でも背筋をピンと伸ばして暗闇に向き合うような印象を受けた(何故か)第1楽章。カデンツァはバッハっぽい?穏やかで、薄暗い第2楽章。躍動的な第3楽章。ヴィオラがたくましく、太く鳴ります。

 ヴィオラという楽器は、近・現代の曲の雰囲気に合う楽器なんじゃないかと、この曲を聴いていて思う。留まることなく移り変わる調性とリズムによって表現される野生的なものや荒々しさ、哀しみや不安、力強さ。ヴィオラの音域と、弦楽器の音色はそういう場面で活きるのではないかと。これが似ている音域のクラリネットではのんびりした音になってしまうし、もう少し低いファゴットではおっとりした音になってしまう。同じ弦楽器でもヴァイオリンは地を這うような低音がもっと欲しいと感じるし、チェロではかっこよすぎる。他の楽器ではどこか「微妙…」と感じてしまう。程よい緊張感と、低めの音域。ヴィオラの特徴はこれだけじゃない、表現を極めればもっと色々な顔を見せられると思う。でも、ヴィオラの出す音は近・現代曲に合うのではないか…と思った。

 聴いた盤はこの2つ。
バルトーク:ヴィオラ協奏曲
ボルフラム・クリスト(Va)/小澤征爾指揮、ベルリン・フィル/ユニバーサルクラシック
 か細い表現が上手いなぁと感じた。切なく、ほの暗いんだ…。


バルトーク:ヴィオラ協奏曲
キム・カシュカシャン(Va)/ペーター・エトヴェシュ指揮、オランダ放送室内管弦楽団/EMC・ユニバーサルクラシック
 ヴィオラと言えばカシュカシャンも忘れちゃいけない。こちらはダイナミックな表現が上手い。


 なお、これにてヴィオラシリーズは終了します。また面白いヴィオラ曲を見つけたら再開するかも。ヴィオラへの熱意は続きます。
by halca-kaukana057 | 2007-07-09 22:37 | 音楽

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)
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