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くちぶえ番長

 前回の「哀愁的東京」に続き、重松清の作品をもうひとつ。

くちぶえ番長
重松 清/新潮社・新潮文庫/2007



 小学4年のツヨシのクラスに、「マコト」という転校生がやってくる。一輪車が上手く、弱いものいじめをする上級生にも怖気づくことなく立ち向かってゆく、女の子。さらに、転校初日の自己紹介では「この学校の番長になる」と宣言。「弱きを助け、強きをくじく」マコトの姿に、ツヨシや多くの人々が感化されてゆく…。


 「小学4年生」で連載されたというこの作品。いまどきの小学生は重松清も読むのか…。確かに「エイジ」や「ナイフ」は中学生向きの作品だったけど、今度は小学生。小学生は勿論、大人も楽しめる温かい作品です。「哀愁的東京」とは全く雰囲気が違います。

 何と言ってもマコトの潔さが爽快。ツヨシの学校のいじめっ子グループ・ガムガム団にもひるむことなく立ち向かい、変わった転校生を標的にした女子グループの嫌がらせも気にしない。のけ者にされている女子を助け、クラス委員のツヨシにも活を入れる。その姿にツヨシもクラスメイトも影響を受けて変わっていく。マコトみたいな子が、子供の頃そばにいたら毎日が楽しかっただろうな、と思う。(ちなみに、何となくマコトはツンデレキャラだと思ったのは私だけでしょうか…)

 そんなマコトにも、抱えている陰がある。その陰には、ツヨシも関係がある。そのことに関してツヨシの父が重要な役割を果たすのだが、このツヨシの父もナイスキャラ。ちょっと間抜けだが、素敵なお父さんだ。マコトが「番長になる」と宣言した理由がまた心を打つ。そのマコトの陰に関係する、お盆のエピソードが私は大好きだ。ウルウルしてしまう…。是非、今お盆中に読むことをオススメします。


 大人なら、ちょっと懐かしい感覚で読めるはず。夏休みの読書にぴったりです。
by halca-kaukana057 | 2007-08-17 22:08 | 本・読書

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


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