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こことは違う世界に出会う時 読んだ本2冊

 読んだいくつかの本をひとつのテーマでまた紹介してみます。今回のテーマは「こことは違う世界に出会う時」。自分が今いる世界…と言うとちょっと大げさですが、あまり触れたことのない分野や考えたことのないことに触れてみたら…?そんな2冊です。


 まずは、全く違う分野に触れてみる編。
星と生き物たちの宇宙―電波天文学/宇宙生物学の世界
平林 久・黒谷 明美/集英社・集英社新書/2000

 電波天文衛星「はるか」のプロジェクト・マネージャーである平林久先生と、宇宙での生物実験に携わってきた黒谷明美先生による、電波天文学と宇宙生物学の本。同じ宇宙を学問の舞台としていても、電波天文学と宇宙生物学は全く異なる分野。その2つの分野の専門家が、メールでお互いの研究について紹介し語り合う。この全く異なる分野を同時に扱うとは、どんな本なんだ…?と思ったのですが、面白い。

 私も電波での観測による天文学は興味があっても、宇宙での生物実験にはあまり興味が無かった。黒谷先生が関わったロシアの宇宙ステーション「ミール」やスペースシャトル、人工衛星SFUでのカエルやイモリの実験について、「こういう実験だったのか」とようやく知ることが出来た。何しろ高校では生物を学んだことがなかったので(化学を少しと地学を学んだ)、分からないままの部分も。それでも、「宇宙」というひとつのキーワードから知っていること、知らないこと、あまり触れたことがないことを学ぶのは楽しいと感じました。ひとつのきっかけから学問が広がる瞬間の知的興奮がたまりません。

 この本、メールでのやりとりを本にしたため、文章もかなり砕けていて親しみやすい。顔文字も頻繁に出てきます。さらに、平林先生の怒涛の駄洒落が…。この本とは全く話題がずれるのですが、是非平林先生に「N響アワー」にゲスト出演して、池辺晋一郎先生と駄洒落合戦していただきたい、なんて…。さらに、両先生ともイラストが得意なので、可愛らしいイラストも満載。宇宙・科学だけでなく、文学や和歌の話も出てくるので文系だから科学はちょっと…という方もどうぞ。ところでこの本、発売当時に本屋で見つけて「面白い」と思ったのに買わず、読まずにいた。それから8年。あの時何故すぐに読まなかったのだろう?と今になって思う。「はるか」や天文学についての記述もあるのにスルー。何故読まなかったんだ、8年前の自分…。



 次は全く違う世界を想像してみる編。
もしもあなたが猫だったら?―「思考実験」が判断力をみがく (中公新書 1924)
竹内 薫/中央公論新社・中公新書/2007

 物理と哲学の分野から、「思考実験」をしてみようという本。もしもあなたが猫だったら?もしも重力がちょっとだけ強かったら?もしもテレポーテーションされてしまったら?そんな「もしも」が現実になったらどうなるだろう?どんなものが見え、人間はどうなるだろう?宇宙はどうなるだろう?そんなことを考えてみる本です。

 書いてあることはかなり難しいです。電磁波や重力、次元、量子論、エントロピーに相対性理論。プラトンの哲学も。それなのに、文章が本当に読みやすくて分かりやすい。ひとつひとつ「もしも~だったら?」と考えながら読み進めることが出来るので、無理なく読めた。読む前はエントロピーなんて言葉は聞いたことしかなかったのに(注意:私は文系です。理系学問は好きですが、根本は文系です)。これまで宇宙論に興味があっても、さっぱり分からずにいた。でも、色々な本を読みながら少しずつ手を付けていって、この本でようやく「わかってきた」という手ごたえを得ることが出来ました。もちろんそれは宇宙論の入り口でしかないのですが、難しい理論もまずは一歩。一日にして成らず。学問の面白さを実感。そして、色々な観点で考えてみることがいかに大切かを実感。絶対のモノがあるんじゃなくて、様々な視点や現象によって変わる。世の中を柔らかい考え方で見ることが出来るようになりたい。

 それにしても、物理学と哲学は相性がいいなと思う。物質の現象の根本と、人間の知・心の根本。根本を追求するという点で似ている。学問も、それぞれが別々の分野に固まっているのではなく、もっと境界があいまいなのかもしれない。あいまいにした方が面白いのかもしれない。…収集がつかなくなるかも知れないけど。

 こことは違う世界に出会ったのと同時に、学問の面白さにも触れた2冊でした。

 最後にちょっとつぶやき。この頃ノンフィクションや新書を中心に読んでいるのですが、そろそろ小説やフィクションを読みたくなってきました。現在ドリトル先生シリーズを読んでいるのですが、小説に飢えています。まだ新書はあるのですが、積読にして他の本読もうかな…。
by halca-kaukana057 | 2008-02-28 22:01 | 本・読書

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)
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