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東山魁夷の青い北欧

 今日のNHK教育「新日曜美術館」の特集は東山魁夷。今年生誕100年だったんですね。
新日曜美術館:東山魁夷 風景は青く響く(2008年5月4日放送)

 以前「スオミの風景を追い求めて」(2007.12.6)の記事で書いたとおり、私は魁夷の作品が好きだ。フィンランドをはじめとする北欧各国を描いた作品の、透き通るような空気感がとても好きだ。その魁夷独特の透明感のある風景画の作風は、北欧への旅で得たものだった。魁夷の作品に多い青色の表現も、この北欧の旅で深められたものだったそうだ。北欧の風景そのものは、日本でも見ることが出来るもので、魁夷はがっかりしたのだそうだ。しかし、違う点はあった。白夜の季節の、日によって移り変わる青。空気や湿度、光で、青は微妙に変化する。北欧旅行の後も青を追い求め、青を描き続けた魁夷。私は魁夷の作品の、そんなところが好きだったんだ。風景だけを描いているのではない。その土地でしか感じることの出来ない空気、気温、雰囲気。絵からその土地の風を出すことは出来ないが、絵から感じることは出来る。フィンランドに行った事がなくても、絵を見れば「こんな土地なのかな」と感じ、想像することは出来る。感じられるように表現し、伝えることが出来た魁夷のすごさをあらためて感じます。

 青い色は、静寂や落ち着き、心の内面を思わせる。そういう青の特徴もつかみ、風景に魁夷自身が感じたこと、追い求めていることを表現していたんだろうなぁと思う。魁夷にそういう視点を与えた北欧旅行…魁夷が北欧旅行に行かなかったら、きっと作品は違うものになっていたと思う。

 番組内では、魁夷がフィンランドで買ったレコードの話題も。フィンランド民謡である「カンガスアラの夏の日に(Kesäpäivä Kangasalla)」。祖国の自然の美しさを歌った曲。YouTubeに男声アカペラ版がありました。
YouTube:Kesäpäivä Kangasalla
ちなみに、番組内ではカンドミノ合唱団の「ここ北極星のもとに」、シベリウス「カレリア組曲」も流れてました。


 これから、北欧は白夜の季節に。長い冬を越えて、待ちに待った季節がやってきます。魁夷の作品を観ながら、フィンランド・北欧の"青"を感じたいと思います。


 東山魁夷と言えば、現在東京国立近代美術館で生誕100年記念特別展が開催中。
生誕100年 東山魁夷展

 それと、芸術新潮5月号も東山魁夷特集。魁夷の生い立ちや作風の遍歴、上記東山魁夷展のみどころなど。ドイツ留学時代の恐竜のスケッチ(?!)に、ノートの落書き(!?)、さらには若い頃8歳下の弟のために書いた連続絵葉書絵物語「バラバルト」も。魁夷ってこんな可愛いイラストも描くんだ…と興味津々。

 さらに、ついにこの本を入手しました。
f0079085_2151582.jpg

「白夜の旅」(新潮文庫、1980)
北欧旅行のエッセイ集。絶版のため、なかなか探せずにいた。古本屋でようやく見つけました。当時280円。これから読むのが楽しみ。このまま"東山魁夷まつり"状態に突入か?
by halca-kaukana057 | 2008-05-04 21:55 | フィンランド・Suomi/北欧

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)
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