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本屋の森のあかり 3

 書店を舞台に書店員たちが奮闘する日常と、本とのつながりを描いた漫画「本屋の森のあかり」ももう3巻です。

本屋の森のあかり 3
磯谷 友紀/講談社・講談社コミックスキス/2008


 3巻では、登場人物たちが様々な岐路を迎えます。出版社のベテラン営業・大山女史。コミック売り場のヌシ的存在のアルバイト店員・紀子。仕事は出来るが、事あるごとに副店長・寺山と比べられてしまう緑。そしてあかりも、寺山への想いを…。

 そんな岐路に立つ登場人物たちの悩む姿と、文学作品のひとコマを重ねる。些細な壁でも、生きていくのって辛いなぁと感じることもある。そんな時、そんな自分に寄り添ってくれる文学作品・本があればいいなと、この3巻を読んで感じた。自分に似ているかもしれない文学作品の登場人物や舞台、言葉。結果がどうあれ、自分とともに歩んでくれる作品があればいい。そして、その作品が自分の人生の一部分にすっと染みこめばいいなと思った。特に、大山さんの11話。長年親しまれている文学作品も、時代とともに装丁や型は変わってしまう。でも、児童文学・絵本の表紙や装丁はなかなか変わらない。変わり行く人間と、変わらない本。そして、「本はずっと側にいる」。"本"というものが存在するのは、こういう理由があるからかもしれない。

 緑がメインの14話は、新訳で話題のドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」を取り上げています。長そう…と敬遠していたのですが、面白そう。ゆっくり手を出してみようか。この漫画は、これまで読んだ事のない文学作品に興味を持つきっかけにもなる。2巻で出てきた「ドリトル先生」シリーズは今読んでいるところ。大山さんの「星の王子様」も、じっくり読み直したいなぁ。

 一方、寺山への想いを募らせるあかりも、大きな岐路に立たされます。あかりもあかりらしいし、寺山も寺山らしい。4巻でまた変化があるのだろうか。

 3巻では、読みきり「まりさんと魔法の靴」も収録。作者デビュー直後の作品らしいです。とても爽やかで、丁寧な印象を受けました。「あかり」との関連か、少しだけ文学作品も出てきます。うまいなぁ、この設定。

 少し前に連載誌「Kiss」で表紙&巻頭カラーになっている回を読んだのですが、その回(取り上げた作品は「鏡の国のアリス」)も面白かった。4巻でその回が読めるのが楽しみです。
by halca-kaukana057 | 2008-05-22 16:41 | 本・読書

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)
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