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岳(ガク) 1

 本屋に漫画本を買いに行ったら、目に留まった漫画。以前雑誌「ダ・ヴィンチ」で「マンガ大賞2008」受賞作品として紹介されていて気になっていた。本屋で1巻を立ち読みできたのだが、読んでみてこれは買って読みたいと思い、急遽購入。

岳 (1)
石塚 真一/小学館・ビッグコミックス/2005

 舞台は長野県の日本アルプス。世界各国の山を登り、帰国したクライマー・島崎三歩。三歩は長野県北部警察署山岳遭難救助隊と協力して、山岳救助ボランティアとして活動している。山の厳しい自然に立ち向かい、救助を続ける。それは時に悲惨な結末を迎える。それでも三歩は山の魅力を語るのだった…。


 私は一度だけ、登山をしたことがある。地元の1500m級の山に、中学生の時遠足として登った。遠足というよりも、完全に登山だった。ごろごろした岩を登るのがきつくて、何でこんなことをしなきゃいけないんだと思いながら登っていたが、山頂からの景色を見ると、来てよかったなと感じたことを覚えている。遠くまで見渡せる景色、下に広がる雲海。飛行機に乗ったわけではないのに雲よりも高いところにいることを、不思議に感じた。その後、私は下山に非常に時間をかけてしまい、バスで待っているクラスメイトに迷惑をかけた思い出もある(そのごろごろした岩の上を、下を見ながら降りるのが怖かった)。それ以来、ハイキングで行ける低い山は除いて、登山をしたことはない。

 この漫画で描かれる登山は、はっきり言って過酷だ。無事救助できることもあるが、残念ながら助からない、助けたくても助けられない場合もある。その辺の描き方が手抜きされていないくて、胸を打つ。救助に向かう三歩は異常なほど明るくて驚かされる。「良く頑張った」が決め台詞。しかし、ただの明るいヤツじゃない。第3歩「写真」で、充分な装備もなく冬山に登った大学生を心配するシーンや、第4歩「イナズマ」で遭難者の遺族に殴られるシーンなどの眼や表情を見ると、山の過酷な現実をちゃんと知っているのだ。生と死が交錯する環境であることを。第5歩「頂上」の冒頭のように、他の登山者にはそれを悟られ、不安を感じさせないようにしているだけなのかもしれない。確かに、救助される時は楽しい話をしてもらった方が、不安にならなくていいと思う。この第4・5歩は本当に読み応えあり。

 それでも三歩は山に登る(実際、山に住んでいるのだが)。山をあまり好きになれない新人救助隊員・椎名久美に対しても、山の魅力を語り、実際に登って実感してもらおうとする。そして願う。
「みんな来ればいいのに」(153ページ)
山の魅力って、なんだろう?自然、登らないと見ることの出来ない景色、登った辛さを乗り越えての爽快感…。自然であれ、自分の心の中であれ、なにか美しいものがある。だからそれを見たい。なのかなぁ?そうであれば、私も登ってみたい。過酷な冬山登山はしたくないけど、初心者が登れるような山であれば、もう一度登山してみたい。でも、すぐには叶わないと思うので、この漫画を読んで登山気分になろうと思う。

 現在6巻まで刊行中。今月末には7巻も。じっくり読んでいきたい漫画です。
by halca-kaukana057 | 2008-06-24 21:48 | 本・読書

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)
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