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すばる望遠鏡の宇宙 ハワイからの挑戦

 以前紹介した小平圭一さんの「宇宙の果てまで」の記事の最後でちょっとだけ触れた本。すばる望遠鏡に関する本では一番新しい(と思う)。著者は国立天文台2代目台長であった海部宣男さん。

すばる望遠鏡の宇宙 カラー版―ハワイからの挑戦
海部 宣男/宮下暁彦:写真/岩波書店・岩波新書/2007

 フルカラーで、「すばる」が撮影した天体やマウナケアの星空の写真がいっぱい。どれも鮮明で、美しい。これらの写真を見ているだけでもたまらない。天体の写真と、その天体がどういう星なのかの解説を読んでいると近くに行って実際に見てみたい!と強く思ってしまう。何百光年も離れたそれらの天体に行くなんて無理なのだが、近くで見たかのように観測・撮影できてしまう「すばる」。改めて、いい望遠鏡を日本は作ったんだなと嬉しくなった。

 「すばる」は本当にすごい望遠鏡だ。何がすごいって口径8.2メートルなんてただものじゃない。あのハッブル宇宙望遠鏡にも優る精度だ(「すばる」は特に新しい天体を探すのに適している。一方、ある一つの天体をじっくり観測するのは、大気に邪魔されないハッブルの方が適しているのだそうだ)。その「すばる」の性能のよさを支えているのは、沢山の観測機器。太陽系外惑星を探し、観測するための装置・CIAO(チャオ/補償光学を用いたコロナグラフカメラ)や、赤外線カメラ「シスコ(CISCO)」、広視野カメラ「シュープライム・カム」など、天体を観測・撮影するための沢山の装置が付いている。これらの装置の性能も良いため、「すばる」はその力を遺憾なく発揮できるのだろう。観測機器で望遠鏡も様々な使い方・観測方法ができる。望遠鏡の面白いところだと思った。

 「すばる」が観測しているのは遠い宇宙だけかと思ったら、太陽系のなかも観測しているのだそうだ。これは知らなかった。太陽系のなかにも、まだ発見されていない天体や、身近なのに謎が多い天体もある。そんな宇宙の隅々の謎を解く鍵を、「すばる」が見つけてくれるのだろう。考えるだけでドキドキする。

 天文学に関する成果だけでなく、ハワイ原住民の方々のマウナケア天文台群に対する考え方や交流の話、望遠鏡建設中の技術者たちのエピソードも。いいモノを作ろうと、持つ力を発揮しようとする技術者たちの話は、何度読んでもカッコイイです。

 以前も貼りましたが、この本を読む上での資料にもなるので、すばる望遠鏡の公式サイトへのリンクを貼っておきます。
国立天文台・すばる望遠鏡
 「すばる望遠鏡について」→「すばる望遠鏡の観測装置」で、観測装置に関する詳しい説明もあります。
by halca-kaukana057 | 2008-10-11 22:26 | 本・読書

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)
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