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卒業

「卒業」(重松清、新潮社)

 久々に読んだ本の感想を。とりわけ読みたい本はないけど本が読みたい。困ってたどり着いたのは重松清。もう私の定番だわ。

 収められている4作はどれも家族のことがテーマ。危篤状態の母を前に兄と妹が歌が大好きだった妹の思い出を振り返る「まゆみのマーチ」。教師である主人公が同じく教師だった父の最期の日々をある少年と共に過ごす「仰げば尊し」。自殺した友人の娘が突然現れたことでその友人のことを思い出していく「卒業」。幼い時に死んだ母への想いと、そのあとにやって来た継母との確執を綴る「追伸」。

 「まゆみのマーチ」と「仰げば尊し」は、実際に自分の父の事と重ね合わせてしまった。この本がどんな本が知らずに読んだのに、いつか来るであろう父との別れのことを考えずには読めなかった。むしろ、今読んでよかったのかもしれない。

 表題作の「卒業」と「追伸」は相反するような作品。血がつながっていなくても家族なのか。家族の形も、その想いもひとつとは限らない。ただ、家族に「時間」は必要なんだと感じた。時間が経てば想いも変わる。それによって得られる幸せもある。「今」だけを見て家族やそれに含まれる人間を語っても無意味だと思った。

 図書館で借りて読んだのですが、新潮社だからそのうち文庫版が出るだろう。その時に…時間が経ってから、また読み返したいと思います。
by halca-kaukana057 | 2006-02-08 20:02 | 本・読書

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