ご冗談でしょう・困ります、ファインマンさん

「ご冗談でしょう、ファインマンさん(上)」
「ご冗談でしょう、ファインマンさん(下)」
「困ります、ファインマンさん」
(リチャード・ファインマン、大貫昌子訳、岩波現代文庫)

 読むのにかなり時間がかかったのですが、考えてみれば3冊ですから当然です。数年前に「ご冗談でしょう」を読んで以来気に入っていたのですが、「困ります」を読んでいなかったのでまとめて再読しました。

 ノーベル賞を受賞した物理学者“ファインマンさん”の奇想天外なエピソード集です。実験好きでラジオを分解したり、効率を図るために発明したりしていた子ども時代から、大学・大学院での研究で仕出かした失敗や成果、原爆開発を経て教授時代…とこう見ると普通ですが、とにかく「面白い!」エピソードばかりです。

 大学の寮でドアを盗み、原爆に関わる国家機密の入った金庫を破るなどの数多くのいたずらをし、ブラジルでサンバチームに入り…と「人生を楽しむ」ことを忘れない姿勢。ふざけているように見えるけれども、権威・権力を嫌い建前や見せ掛けの良さよりも、人やものの真実を追究できるならそれでいいという信念。「ノーベル賞を取った学者」ではなく「いち物理学者であり人間である個人」として読んだ方が面白いと思います。

 「困ります」の方は幾分シリアスなエピソードが多く、はじめの奥さん・アーリーン夫人の「人がどう思おうとかまわない!」は胸にグッと迫るものがありました。さすがのファインマンさんも頭が上がらなかったアーリーン夫人の考え方には、納得するところが多くありました。さらに、スペースシャトル・チャレンジャー号事故の調査委員のエピソードは、真理を追究することの難しさといかにそれがおろそかにされているかが強く伝わってきました。

 ところどころに物理用語が出てきますが、それよりもファインマンさんの人間性の方が魅力的に感じてしまいました。物理がわかればもっと面白く読めるのではないかと思います。
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by halca-kaukana057 | 2005-10-06 21:16 | 本・読書

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)
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