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本屋の森のあかり 4

 大型書店が舞台の漫画「本屋の森のあかり」4巻出ました。

本屋の森のあかり 4
磯谷 友紀/講談社・講談社コミックスKiss/2008

 前巻3巻の記事の最後でちらと書いた、Book15(15話)「不思議の国のアリス」「鏡の国のアリス」の回を面白いと思うと共に、考えさせられた。児童書売り場担当のあかり。夏休みになり、子どもたちで児童書売り場もにぎわうのだが、一人の少女がどの本も「おもしろくない」と言う。まいこというその少女に話しかけたあかり。うまく対応できず、副店長・寺山に助けを求める。寺山の出した"課題"の本を探すまいこ。大型書店の中をあっちへこっちへ歩き、本を探すまいこを追いながら、大型書店や図書館で"彷徨う"楽しさを思い出した。

 欲しい本があって、書店や図書館へ行くと、途中で当初の目的を忘れ、違う本を読んでいる時がある。また、探している本に関連している本も手にとって、読みふけり、結局両方買った・借りたということも良くある。本が沢山あるところで、彷徨うのはとても楽しい。時間なんて忘れて、まさに"本の森"に迷い込んでしまう。小学生の頃も、学校の図書室で似たような経験をしたことがある。小さな図書室だが、普段あまり読まないジャンルの本が並ぶ本棚や、高学年~中学生向きのちょっと難しめの本が並ぶ本棚の前にいると、とてもワクワクした。読める本の幅が広がったことが、とても嬉しかった。

 この15話の最後で、子どもにとって「年相応」の「おもしろい」本とは何なのかと、あかりと寺山が考えるシーンがある。児童書とか、専門書とか、そういうものにとらわれず、大人も子どもも自由に読書していい…私も同感だ。この漫画がきっかけで読んだ「ドリトル先生」シリーズは、大人になってから読んでも面白かった。子どもの視点とはちょっと違う視点、深読みでも楽しめた。内容が子どもには難しそうだから…、高学年(大人)になったのに絵本なんて…なんて思わずに、その作品を読むことそのものを楽しめればいいなと思う。アリスシリーズも、ちゃんと読んだことが無かったので、また読んでみたくなった。

 この間の「さがしもの」で書いた、同じ作品でも年齢を重ねるごとに読み方・感想が変わるという話も。16・17話「グレート・ギャッビー」。洋書売り場の"職人"千葉と、同期の店長・宮森のお話。本って、生き物なのかもしれない。勿論、変わるのは人間なのだが、そんなことを思ってしまった。沢山の本を読むのもいい。でも、一生読み続けたいひとつの作品と出会えたら、とても幸運だと思う。

 3巻で寺山に失恋してしまったあかり。20話で2人に少し動きが。本しか頭に無い寺山に変化が?劇的な展開ではないですが、このゆっくりな流れが好きです。5巻も楽しみ。
by halca-kaukana057 | 2008-12-20 21:55 | 本・読書

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)
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