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2012年 06月 15日 ( 1 )

 まず、この本から始まりました。

歌の絵本(1) 日本の唱歌より (講談社の創作絵本)

安野 光雅 / 講談社


歌の絵本(2) 世界の唱歌より (講談社の創作絵本)

安野 光雅 / 講談社



 芥川也寸志さんが監修し、画家の安野光雅さんの絵と日本・世界の童謡・唱歌の歌詞を絵本にしたのがこの2冊の本。その歌の情景が、安野さんのあたたかい絵で描かれています。子どもの頃歌った歌、大人になってからもあちらこちらで耳にしてその詞と曲をかみ締めるように味わい続けている歌…。いい絵本だなぁ、と思っていたら、次の2冊にも出会いました。

歌の風景

安野 光雅 / 講談社



繪本 歌の旅

安野 光雅 / 講談社



 「歌の風景」は世界の童謡・唱歌、クラシック音楽を。「繪本 歌の旅」は日本の童謡・唱歌中心(「歌の風景」でも出てきた歌もある)。歌が生まれた地を旅したり、絵の仕事のことやその歌にまつわる思い出を語り、その歌の風景が描かれている、歌の絵とエッセイ。「歌の絵本」シリーズは歌と絵だけですが、こちらの2冊は安野さんの絵とエッセイがメインです。

 たくさんの歌い継がれてきた童謡・唱歌。その歌の数々がどんな地で、どんな経緯で、誰が作ったのか。NHK教育(Eテレ)「クインテット」を観て、ハマって、番組で歌われた歌について調べるようになってから興味を持つようになった。調べてみて、「そうだったのか」と知ることが多く、童謡・唱歌の世界・背景はとても広くて深いと感じている。安野さんは、小学校で教師をしていたこともあり、オルガンで必死に歌を弾く練習をしていたそう。その頃のことも書かれている。オルガンの練習で、その歌に真摯に向き合っていたのだろうなと思う。歌に対する想いがとても強く表れている箇所も多い。「冬景色」など、文語体の歌詞の歌は今の子どもには難しく理解できないから教科書に載せない(現在は載せてあります)…という話には、はっきりと意見を述べている。私も、その時はわからなくても、文語体の響きや、文語体だから出来る韻に魅力を感じる。「春の小川」も、かつては文語体で、現在の口語体になったのは戦前というから驚きだ。ちなみに、その文語体「春の小川」の歌詞はどうだったのだろう?と調べてみた。

春の小川は さらさら流る。
岸のすみれや れんげの花に、
においめでたく 色うつくしく
咲けよ咲けよと ささやく如く

春の小川は さらさら流る
蝦(えび)やめだかや 小鮒(こぶな)の群れに
日も一日 ひなたに出(い)でて
遊べ遊べと ささやく如く

春の小川は さらさら流る
歌の上手よ いとしき子ども
声をそろえて 小川の歌を
うたえうたえと ささやく如く
(『尋常小学唱歌 第四学年用』文部省 大正元年)

 今の口語体には無い、3番もあったのか。

 風景から歌が生まれる、思い起こす。または、歌から風景をイメージする。今はない風景も、行ったことのない風景も、歌で伝わってくる、見えてくる。そんな童謡・唱歌はこれからも歌い継いでゆきたいし、意味や背景とともに歌い継いでゆかねばならないと思う。そして、その中で、歌へのエピソード・想い・思い出も増やしていきたいなと思います。

 図書館から借りて読んだのですが、歌を聴きながら、ゆっくり読みたい=手元に欲しい。じっくり味わいたい、何度でも味わいたい本です。
by halca-kaukana057 | 2012-06-15 23:53 | 本・読書

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


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