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21年後のクレルヴォ クレルヴォ交響曲を聴こう パーヴォ・ヤルヴィ & N響

 今回もシリーズではありませんが、シベリウス「クレルヴォ(クレルヴォ交響曲、クッレルヴォ)」 op.7 を聴いた感想を。9月、パーヴォ・ヤルヴィ:指揮、NHK交響楽団で「クレルヴォ」を含む演奏会がありました。N響初演なのだそうです。意外。誰かやってるかと思った。コンサートに行けなくても、N響はFM生放送とEテレ「クラシック音楽館」でのテレビ放送があるのでありがたい。そのFM生放送の録音と、「クラシック音楽館」での放送を観ての感想です。
 ちなみに、N響、NHKは「交響曲」はつけない。「クレルヴォ」が交響曲なのか、交響詩なのかは研究されています。

パーヴォ・ヤルヴィ:指揮、NHK交響楽団
ヨハンナ・ルサネン(ソプラノ)、ヴィッレ・ルサネン(バリトン)
エストニア国立男声合唱団

 以前、パーヴォ・ヤルヴィさんがロイヤル・ストックホルム・フィルと「クレルヴォ」を録音し、そのCDを聴いた記事を書きました。
[シベリウス生誕150年記念]クレルヴォ交響曲を聴こう その2 P.ヤルヴィ盤
 この記事で、こんなことを書いている。
現在、50代のパーヴォさんならどんな「クレルヴォ」を描くだろう?シベリウス作品でも規模やフィンランド語による独唱・合唱のため?かなかなか演奏されない「クレルヴォ」。オケや声楽独唱・合唱は変わるでしょうが、現在のパーヴォさんの「クレルヴォ」も聴いてみたいです。
 まさにこれが実現しました。21年後の実現です。聴きたかったものが聴けて嬉しい。

 そして、「クラシック音楽館」でのインタビューでも、興味深いことを仰っていました。
・「カレワラ」で、クレルヴォは「善」か「悪」か判断がつきにくい。シベリウスがクレルヴォの物語を取り上げたのが興味深い。(ちなみに、レンミンカイネンは「善」)
・フィンランドとエストニアは民族、言語的に近い。エストニア語は、フィンランド語の古語に近い。フィンランド語は、エストニア語の古語に近い。
・「クレルヴォ」の詩(「カレワラ」のクレルヴォの章)はフィンランド語の古語で書かれている。エストニア国立男声合唱団は、フィンランド語の古語を完璧に発音できる。
 「カレワラ」の中で、ワイナミョイネンやレンミンカイネン、イルマリネンは通して登場しますが、クレルヴォはクレルヴォの章しか登場しない。しかも、「カレワラ」の中でも他の章とは雰囲気が全く異なる。「悲劇の英雄」。しかも、若い頃のシベリウス、初期の作品。初めて交響曲を書こうとして、選んだのがクレルヴォの物語というのは確かに興味深い。レンミンカイネンよりも先に、何故クレルヴォを選んだのだろう。クレルヴォの何に惹かれたのだろう。
 フィンランドに様々な面で近いエストニア。エストニア語とフィンランド語の関係は初めて知りました。言語的に似ている、フィンランド人とエストニア人がそれぞれの母国語で会話しようとすればできないことはない、と聞いたことはあります。方言のような感じだと。「カレワラ」は古語で書かれているとは大体予想はついていましたが(声楽でも、イタリア歌曲集のイタリア語の歌詞は古い表現で、今のイタリア語ではあまり使わない表現だと学びました)、それがエストニア語に関係しているのは初耳です。パーヴォさんのエストニア国立男声合唱団が歌う「クレルヴォ」の男声合唱への大きな信頼と自信が感じられます。(ならば、これまで、今も「クレルヴォ」を歌い続けている数多くのフィンランドの男声合唱団はどうなんだろう…?と思ってしまいます。現代のフィンランド語を話すフィンランド人の方が弱いのか、と。他の国の男声合唱団は?)

 演奏は、ソフトな感じ。以前のロイヤル・ストックホルム・フィルとの演奏もソフトな感じでしたが、N響ともソフトです。第1・2楽章はこのやわらかさに加えてゆったりと。でも、音の質感は重め。根はずっしり、しっかりと張り、枝葉は柔らかな大樹をイメージします。第1楽章の主題はいつ聴いても胸を締め付けられます。「クレルヴォ」を作曲していた頃は、シベリウスはワーグナーが好きで、ベルリン留学の際に聴いたワーグナーのオペラに強い感銘を受けています。「クレルヴォ」はオペラ風だと感じます。でも、完全にワーグナーや、同じく強い感銘を受けたベートーヴェンの第九とは違う、シベリウスの音になっている。
 第3楽章、男声合唱は表現豊か。語るタイプよりも歌うタイプです。パーヴォさんが仰っていたように無骨、時にやわらかく。ソプラノとバリトンの独唱の2人を引き立てているようにも感じました。独唱は「クレルヴォ」ではお馴染みのルサネンきょうだい。メリハリ、キレがありますが、乱暴ではない。クッレルヴォの妹の告白の箇所が痛切で、かなしい。妹の死の後のクレルヴォの嘆きは、強く重く自分を責める感じ。クレルヴォでお馴染みのきょうだいですが、その時によって歌い方が異なるのは本当に興味深い。それぞれ、指揮者の考え方が違うんだなと感じます。
 第4楽章もソフトな感じ。クッレルヴォがウンタモ一族を滅ぼしに戦争をするのですが、もうちょっと硬い音でもいいかなと思う。金管はバリバリで、勇ましさ、力強さはよく伝わってきました。
 第5楽章、クレルヴォの死。最初は弱音で、じわじわと重く盛り上がる男声合唱に、ぞくぞくします。ソフトな演奏だけど、重めの音がいい味を出しています。ラストはどこか淡々としているけれども重く、力強く。カンテレで歌いつつも語る吟遊詩人のよう。

 「クラシック音楽館」で、日本語字幕付きで聴けたのはよかったです。なかなかありません、初めてです。いつもは記憶しているクレルヴォの章のあらすじを思い出したり、歌詞カードを見たりしているのですが、途中でどこかわからなくなることもあります。歌詞の詳細と一緒に聴けるのはいいなぁと感じました。N響で演奏されてよかった。

 歌詞の詳細を追いながら聴けたので、今回はこの話も書きます。第3楽章、第5楽章の歌詞は「カレワラ」のクレルヴォの章からとられていますが、シベリウスが変更した部分があります。クレルヴォが妹を誘い、きれいな宝物…金銀や布地を妹に見せるところの男声合唱の部分。
Verat veivät neien mielen,
Raha muutti morsiamen,

(布地は娘の心を揺るがせ
お金は花嫁の気持ちを変えた)
 「カレワラ」原詩ではこのようになっていますが、シベリウスは「Raha(お金)」を、「Halu(願望、憧れ)」に変えています。しかし、何者かがシベリウスの自筆譜を無断で書き換え、「Raha」に戻してしまいます。その後、ずっとこの箇所は「Raha」で歌われてきたのですが、2005年のブライトコプフ社「ジャン・シベリウス作品全集」ではシベリウスによる「Halu」に戻されています。今回の演奏では、N響機関紙「フィルハーモニー」に載っている歌詞では「Raha」でしたが、「クラシック音楽館」の訳では「憧れ」となっていました。結局、どっちで歌ったんだろう?

 今回のコンサート前半では、「レンミンカイネンの歌」op.31-1、「サンデルス」op.28、「フィンランディア」op.26(男声合唱つき)も演奏されました。「レンミンカイネンの歌」(NHKでは「レンミンケイネンの歌」と表記)は、「カレワラ」のレンミンカイネンを題材に、ユリヨ・ヴェイヨの詩を歌っています。「レンミンカイネン組曲(四つの伝説)」op.22のドラマティックさとは少し違う牧歌的な詩です。曲は、「レンミンカイネンの帰郷」と同じ楽想が活用されています。「サンデルス」は詩はスウェーデン語。ルーネベルイの詩です。1808年、ロシア-スウェーデン戦争のスウェーデンの将軍、ヨハン・サンデルスを歌っています。スウェーデン語系フィンランド人であるシベリウス、ルーネベルイがうかがえます。どちらもあまり聴かない歌で、「クレルヴォ」とは異なる雰囲気で興味深い。滅多に演奏されない曲が演奏されて嬉しいです。「フィンランディア」は男声合唱の入れ方は色々あるんだな、と感じました。

 昨年はハンヌ・リントゥさんが東京都交響楽団で「クレルヴォ」を演奏。今年はパーヴォさんとN響。日本でもどんどん「クレルヴォ」を演奏して、もっと広まればいいなと思います。やっぱりフィンランド語の歌詞が壁になるかとは思いますが…。
 「クレルヴォ」の記事が多くなってきたので、タグを作りました。これからも、「クレルヴォ」を聴いたら書いていこうと思います。



【これまでの「クレルヴォ」シリーズ】
[シベリウス生誕150年記念]クレルヴォ交響曲を聴こう その1
 パーヴォ・ベルグルンド:指揮、ボーンマス響盤
[シベリウス生誕150年記念]クレルヴォ交響曲を聴こう その2 P.ヤルヴィ盤
 パーヴォ・ヤルヴィ:指揮、ロイヤル・ストックホルム・フィル盤
もうひとつの「クレルヴォ」
 番外編:レーヴィ・マデトヤの交響詩、アウリス・サッリネンのオペラ
[シベリウス生誕150年記念]クレルヴォ交響曲を聴こう その3 バレエのクレルヴォ?
 ユッカ=ペッカ・サラステ:指揮、フィンランド国立歌劇場管弦楽団、バレエ付き。
[シベリウス生誕150年記念]クレルヴォ交響曲を聴こう その4 ヴァンスカ盤
 オスモ・ヴァンスカ:指揮、ラハティ交響楽団
[シベリウス生誕150年記念]クレルヴォ交響曲を聴こう その5 N.ヤルヴィ盤
 ネーメ・ヤルヴィ:指揮、エーテボリ交響楽団
[シベリウス生誕150年記念]クレルヴォ交響曲を聴こう その6 パヌラ盤
 ヨルマ・パヌラ:指揮、トゥルク・フィルハーモニー管弦楽団
[シベリウス生誕150年記念]クレルヴォ交響曲を聴こう その7 ベルグルンド&ヘルシンキフィル盤
 パーヴォ・ベルグルンド:指揮、ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団

[フィンランド独立100年記念]続・シベリウス クレルヴォ交響曲を聴こう スロボデニューク&ラハティ響
 ディーマ・スロボデニューク:指揮、ラハティ交響楽団 (2017年 シベリウス音楽祭より)
[フィンランド独立100年記念]続・シベリウス クレルヴォ交響曲を聴こう ロウヴァリ&エーテボリ響
 サンットゥ=マティアス・ロウヴァリ:指揮、エーテボリ交響楽団 (2017年の演奏会より)
[フィンランド独立100年記念]続・シベリウス クレルヴォ交響曲を聴こう サロネン&ロスフィル
 エサ=ペッカ・サロネン:指揮、ロスアンジェルス・フィルハーモニック
[フィンランド独立100年記念]続・シベリウス クレルヴォ交響曲を聴こう オラモ&BBC響
 サカリ・オラモ:指揮、BBC交響楽団(2015年プロムスでのライヴ録音)
[フィンランド独立100年記念]続・シベリウス クレルヴォ交響曲を聴こう リントゥ&フィンランド放送響
 ハンヌ・リントゥ:指揮、フィンランド放送交響楽団(2017年、フィンランド放送響のフィンランド独立記念日コンサートより)
まだまだ、シベリウス クレルヴォ交響曲を聴こう ダウスゴー & BBCスコティッシュ響
 トーマス・ダウスゴー:指揮、BBCスコティッシュ交響楽団
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by halca-kaukana057 | 2018-10-15 22:39 | 音楽

マーラー 交響曲第8番を聴こう

 今年のBBC Proms (プロムス)で、マーラー「交響曲第8番」が演奏されました(Prom11、トーマス・セナゴー:指揮、BBCウェールズ交響楽団 他)。マーラーの交響曲は、少しずつお近づきになっている途中。声楽・合唱付き作品は好きです(声楽なしの作品なら、1、5は好き。6,7番は少しずつ聴いている。9番以降はまだまだこれから)。が、8番はその規模の大きさゆえ、敬遠していました。「千人の交響曲」ってどんな曲だ?と、思っていたのですが、プロムスで演奏された8番を聴いて、声楽も合唱も、オーケストラもきれいな作品だなぁと感じました。これは思ったよりもお近づきになりやすいかも。プロムスの他にも、世界各地…というよりは北欧のオーケストラが立て続けに8番を演奏。オンデマンド配信もあります。これは聴くしかない。

 まずは、スウェーデン。ハーディング指揮、スウェーデン放送響。
Sverigesradio : P2 Live : Östersjöfestivalen: Mahlers åtta
タマラ・ウィルソン、イーダ・ファルク・ヴィンランド、Hanna Husáhr (ソプラノ)
カレン・カーギル(メゾソプラノ)、アンナ・ラーション(アルト)
サイモン・オニール(テノール)、クリストファー・モルトマン(バリトン)、 Shenyang(バス)
スウェーデン放送合唱団、エーリク・エーリクソン室内合唱団、ミカエリ室内合唱団、聖ヤコブ室内合唱団、
アードルフ・フレードリク・ユース合唱団
ダニエル・ハーディング指揮、スウェーデン放送交響楽団
(「Chorista samt Adolf Fredriks kyrkas diskantkör och ungdomskör」とあるのですが、訳しきれず、すみません。「アードルフ・フレードリク・ユース合唱団」の「Adolf Fredrik Ungdomskör」に、多分ボーイソプラノ?の合唱団が一緒になっている模様???スウェーデン語は詳しくない…。)
 9月22日ごろまでオンデマンド配信しています。

 次はお隣フィンランド。リントゥ指揮、フィンランド放送響。
◇ラジオ音声:YLE Areena : Konsertteja : "Tuhannen sinfonia" avaa RSO:n Mahler-sarjan
◇映像:YLE Areena :RSO Musiikkitalossa : RSO:n konsertti: Mahler-sarjan aloittaa Sinfonia nro 8
カミッラ・ニュルンド、アヌ・コムシ、ヘレナ・ユントゥネン(ソプラノ)
リリ・パーシキヴィ、Tuija Knihtilä(メゾソプラノ)
トゥオマス・カタヤラ(テノール)、スティーヴン・ガッド(バリトン)、ミカ・カレス(バス)
ヘルシンキ・ミュージックセンター合唱団、カンピン・ラウル室内合唱団、Spira Ensemble、タピオラ室内合唱団、
ヘルシンキ大聖堂少年合唱団(Cantores Minores)
ハンヌ・リントゥ:指揮、フィンランド放送交響楽団
 ラジオ音声は後10日、9月23日頃まで。映像はしばらくの間観られます。

 マーラー作品というと、どこかしら暗く陰鬱で、重苦しいかと思いきや、美しいメロディーがあったり、高らかなファンファーレに、壮大に鳴り響くというイメージ。ホルンをはじめとする管楽器はベルアップをして、鞭やハンマーも楽器になる。編成がとにかく大きい。そんなイメージ。8番も、冒頭はオルガンもあり、合唱とオーケストラが一斉に鳴り響く。とても華やか。だが、他の作品にある陰鬱さ、重苦しさが感じられない。空の高みをただ見ているような美しさ。声楽ソロも本当に美しい。マーラー作品の中で、8番はちょっと違うなと感じました。

 構成はというと、第1部はラテン語賛歌「来たれ、創造主たる聖霊よ」から歌詞が取られています。こっちの方が長い第2部はドイツ語で、ゲーテの「ファウスト」第二部から最後の場が取られています。キリストの救済、第2部では愛と浄化を歌っている。交響曲というよりは、オラトリオ、カンタータのよう。そこが、私にとって親しみやすかったのかもしれない。作曲した頃、マーラーはウィーン宮廷歌劇場の指揮者を辞任、愛娘が亡くなり、マーラーも心臓病の診断を受けるなど、辛い立場にあったが、少し年月を置いた初演は大成功。まだマーラーの伝記を読めていないので、もう少し詳しい背景はわからないままですが、6番や7番とは雰囲気が随分違うなと思います。音楽に何かを求めていたのかなぁ…?(推測です)

 スウェーデン放送響のほうは、さすが合唱大国スウェーデン。合唱がすごい。演奏後、曲名はわかりませんがアンコールらしき無伴奏合唱が入っています。フィンランド放送響の方は映像でも観られるのがありがたい。合唱団がいっぱいですね。第2部のラストをじっくりという感じ。どちらも、第2部のテノールのソロが印象に残りました。「マリア崇敬の博士」という役になっているらしい。

 困ったのは、オンデマンド配信には、CDのトラックに当たるものがないので、どこを演奏しているのかの目印がないこと。CDを1枚買った方がいいなぁ。ナクソス・ミュージック・ライブラリーはトラック間に空白ができてしまう。Spotifyは空白はないけど、無料会員なのでPCじゃないとトラック順に聴けない(そのうち、ナクソス・ミュージック・ライブラリーとSpotifyのクラシックでの比較をやろうと思います)。
 聴かずに苦手意識を持っていた作品ですが、聴いてみたらよかった。まだまだわからないことがあるので、色々と聴いてみようと思います。

・プロムスの記事:BBC Proms ( プロムス ) 2018 私選リスト その1 [7月] [随時追記中]
 プロムスは既にオンデマンドは終わってしまったのが残念。
・過去関連記事:マーラーを語る 名指揮者29人へのインタビュー
 8番について語っている指揮者はいたかな?再読。
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by halca-kaukana057 | 2018-09-13 23:08 | 音楽

ラハティ シベリウス音楽祭 2018 まとめ

 毎年恒例、ラハティのシベリウスホールにて、9月6日から9月9日まで、シベリウス音楽祭(Sibelius Festival/Lahden Sibelius-festivaali)が開催されました。シベリウスだけの音楽祭。ラハティ交響楽団がホストオーケストラ。今年は、エストニア独立100年を記念して、ネーメ・ヤルヴィ指揮 エストニア国立交響楽団も参加しました。既にフィンランド国営放送(YLE)では演奏会の録音が放送され、オンデマンド配信されています。また、ラハティ響の演奏会動画を中心にアップしているサイトにも、後で動画がアップされる、かもしれません(まだ断言できません。例年通りであれば、アップされます)。まとめます。

◇9/6 SIBELIUS HALL : Sibelius Festival Concert
 ・序曲 イ短調 JS144:動画
 ・ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 op.47:動画
 ・組曲「白鳥姫」 op.54:動画
 ・アンコール:ペレアスとメリザンド op.46 第1曲:城門にて
  / バイバ・スクリデ(ヴァイオリン)、ディーマ・スロボデニューク:指揮、ラハティ交響楽団
◇YLE Areena radio : Lahden Sibelius-festivaali 2018: Sinfonia Lahden konsertti

◇9/7 SIBELIUS HALL : Sibelius Festival Concert
 ・弦楽のためのロマンス ハ長調 op.42:動画
 ・「クオレマ」より 「悲しきワルツ」op.44-1 , 「鶴のいる情景」op.44-2
 ・交響曲第3番 ハ長調 op.52
 ・交響曲第4番 イ短調 op.63:動画
 ・アンコール:アンダンテ・フェスティーヴォ
  / ネーメ・ヤルヴィ:指揮、エストニア国立交響楽団
◇YLE Areena radio : Lahden Sibelius-festivaali 2018: Viron kansallisen sinfoniaorkesterin konsertti

◇9/8 SIBELIUS HALL : Sibelius Festival Concert
 ・イン・メモリアム op.59:動画
 ・6つのユモレスク:動画
 ・交響曲第6番 ニ短調 op.104
 ・交響曲第7番 ハ長調 op.105:動画(6番、7番続けて)

 ・アンコール:2つの小品 op.111 第1番 イントラーダ(管弦楽版、編曲:Luukas Hiltunen):動画
        ↑シベリウスのオルガン曲、珍しい作品です。初めて聴きました。しかもオーケストラ編曲。
       :フィンランディア op.26:動画
        ↑シベリウス音楽祭の締めのアンコールといえば、フィンランディアです。 
  / バイバ・スクリデ(ヴァイオリン)、ディーマ・スロボデニューク:指揮、ラハティ交響楽団

 YLEのオンデマンドは放送から30日間。プレーヤーの上の砂時計マークの「○○pv」が残り日数です。期限が近くなると赤く表示されます。
 また追加されたら追記します。

【追記】
 ラハティ響の演奏動画をアップしているサイトに、今年のシベリウス音楽祭の動画が一部アップされました。リンクを貼っています。
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by halca-kaukana057 | 2018-09-11 22:43 | 音楽

チェロ2挺の知らない世界

 先日、青森県立美術館「めがねと旅する美術展」について書いたのですが、この夏はもう1回青森県美に行ってきました。シャガールの背景画「アレコ」を展示しているホール・アレコホールで定期演奏会を開いています。その演奏会に行ってきました。
(去年も行ったのですが、記事を書けず。いいコンサートだったんですが、文章力気力その他諸々不足+スランプのため。
演奏会はこれ→アレコホール定期演奏会2017「Incontro」)

青森県立美術館:アレコホール定期演奏会2018「Attitude~2台の弦楽器とピアノで紡ぐ音の絵~」

 弦楽器2台とありますが、チェロの数え方は「挺」だよなぁ…?

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 演奏会は夜。夕方、青森県美へ。ライトアップされていて、昼間とは雰囲気が違う。

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 開演前。アレコ背景画は今なら撮影可です。改装中のフィラデルフィア美術館から長期貸与されている第3幕を背景に、ピアノとチェロの椅子が置かれていました。

 プログラムはこちら。
・ハイドン:バリトン二重奏曲 ト長調 Hob.XII:4
・マルティヌー:ロッシーニの主題による変奏曲
・ガスパール・カサド:無伴奏チェロ組曲 第1曲 Prelude - Fantasia
・ヴィヴァルディ:2台のチェロのための協奏曲 ト短調 RV531
・ダーヴィト・ポッパー:2台のチェロのための組曲 op.16 より第1,4曲
・ドビュッシー:アラベスク 第1番 ホ長調
       :水の反映
・ヘンデル:2台のチェロとピアノのためのソナタ ト短調 op.2-8
  / 藤沢俊樹、村上智美(チェロ)、村田恵理(ピアノ)

 ドビュッシーはピアノソロ。ハイドンはチェロ2艇。マルティヌーはピアノとチェロ1挺。カサドはチェロソロ。後はピアノとチェロ2挺でした。この編成の演奏会には行ったことが無い。ネットラジオやCDでも聴いたことがない。ドビュッシー以外は知らない作品ばかりで、この作曲家がこんな作品を書いていたのかと感心するばかりでした。

 ハイドンの「バリトン」とは、声楽のバリトンではなく、弦楽器のバリトン。ヴィオール属の古楽器。「ヴィオラ・ディ・ボルドーネ」とも言うそうです。ハイドンのパトロンだったエステルハージ候がバリトン奏者で、ハイドンに作曲させたとのこと。今はとても珍しい楽器で、演奏するのもとても難しい。楽器のバリトン、見て聴いてみたいなぁ。ハイドンの作品だとすぐわかる、楽しい作品でした。

 チェロ2艇を、作品の中でどう扱うか。チェロはソロでも聴かせるし、オーケストラでも、室内楽でも欠かせない存在。そんなチェロが室内楽で2艇あったらどうするか。片方が演奏していたメロディーを、今度はもう片方が弾いている。同じメロディーを一緒に演奏すると、普段の室内楽とは違う厚みがある。そんなチェロ同士の受け渡しが楽しく感じました。同じチェロでも、演奏者が違うから音色、音の食管が微妙に違うのもいい。チェロは、明るい音もいいし、短調の暗い箇所、哀愁漂う箇所はチェロが合う。艶のある音、落ち着きのある音、寂れた音。チェロの様々な面を聴けました。
 ピアノも、チェロを引き立て、ピアノならではの澄んだ音で引っ張る。ソロのドビュッシーも、きらきらと揺らめきうつろう音色を楽しめました。

 アンコールはこちら。
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 順序はシューベルトの方が先でした。シューベルトはチェロ2艇とピアノ。ジャン・バリエールはチェロ2艇。バリエールは、検索するとこのタイトルではいくつかの作品がヒットしてしまう。私の記憶では、多分第4番のト長調のソナタだと思います(自信はない)

 青森県美の演奏会については、以前も聴きに行ったのを書いたのがあります。
美術館でコンサート
 この時は、聴衆席は椅子を並べただけで、後ろの席だと演奏者が見えない状態だった。現在は、ひな壇を用意して、そこに椅子を並べているので、後ろに座っていても演奏者は見えます。ひな壇は結構大きいです。その大きなひな壇を設置できるアレコホールの大きさを感じました。
 この時は、BBCプロムスの真っ最中。毎日オンデマンド音源を聴いていましたが、生音は違いますね。室内楽というのもよかった。

その見ているものは何なのか 「めがねと旅する美術展」
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by halca-kaukana057 | 2018-09-08 22:25 | 音楽

BBC Proms ( プロムス ) 2018 私選リスト その4 [9月] [随時追記あり]

 ロンドンで大盛況開催中の音楽祭、BBC Proms(プロムス)。7月に始まった時は9月なんてまだまだ先…と思っていたら、もう9月です。あんなに盛りだくさんの毎日のプロム(各公演)もあっという間に過ぎていきます。音楽とは儚い。とはいえ、9月も盛りだくさんです。最後のラストナイトまでノンストップです。最後の瞬間まで、プロムスを楽しみつくしましょう!
 現在、何週遅れてるんだと思うぐらいの、オンデマンドを溜めてしまっています。ですが、9月の、私の選んだ、気になる、興味のある、オススメのプロムを紹介します。(あくまで私選です)

BBC Proms 公式サイト

・7月の記事:BBC Proms (プロムス) 2018 私選リスト その1 [7月] [随時追記中]
・8月前半:BBC Proms ( プロムス ) 2018 私選リスト その2 [8月前半] [随時追記あり]
・8月後半:BBC Proms ( プロムス ) 2018 私選リスト その3 [8月後半]


【プロムスについて。どうやって聴くの?】
 公演は、全てBBC radio3で放送します。生中継していますので、BBC radio3のサイトや後述のBBCのアプリ、ネットラジオアプリなどで聴けます。
 放送後30日間はオンデマンド配信もあるので、聴きたい時間に好きなように聴けます。
 スマートフォンからは、「BBC iPlayer Radio」のアプリを使うととても便利です。ブラウザからも聴けますが、その場合は「BBC Media Player」のアプリが必要です。どちらも、アプリストアからダウンロードしてご利用ください。
 Proms公式サイトの各公演ページ、BBC radio3の各公演放送ページ、どちらからも同じものが聴けます。ただ、双方向へのリンクがありません。この記事ではプロムス公式サイトでのものへリンクしているので、BBC radio3での各公演放送一覧ページをリンクしておきます。
BBC radio3 : BBC Proms : Available now

 映像(BBC4で放送)は、基本的には日本から観ることはできません。イギリス国内のみです。しかし、今年はBBC Music公式がYouTubeで映像をフルでアップしてくれています。ただし、削除されます。削除されています。既に大半は削除されてしまっています…せめてラストナイトまではアップしていてほしかった。アップは遅くなることがありますが、待っていると公開されるかもしれません。また、各プロムのページに、公演の一部(アンコールなど)の映像を公開してくれているものもあります。各プロムのページは隅々まで見ましょう。

 Binaural Sound 立体音響録音もあります。是非、お手持ちのヘッドホン、イヤホンで聴いてみてください。特別なものでなくても構いません。音が違いますよ。
 各公演(プロム)のBBC radio3でのページの「Clips」のコーナーに、Binaural Soundの表示、マークの録音があるのでそれが公開されているものです。配信期間はわかりません。最初に公開していたものがなくなり、徐々に減ってきています。なので、一般の配信と同じように配信から30日を目安に聴いておくことをオススメします。Binaural Soundのものは、普通のオンデマンド配信がスタートしてから、遅れて公開されていますので、チェックをお忘れなく。
 また、イギリス国内のみでしか聴けないものも出てきてしまいました。
 Binaural Soundでの録音をまとめて公開しているページは以下です。
BBC radio3 : BBC Proms : Experience the Proms as if you are really in the audience
 新しいものがどんどん上に表示されていきます。まとめて次々聴きたい方はこちらで。

 本放送の他に、現地時間14時(日本時間22時)からの「Afternoon Concert」で再放送もあります。再放送もオンデマンド配信、30日間あります。もし、オンデマンド配信も聴き逃してしまっても、ここにあるかもしれません。再放送されないプロムもあるので注意(主にロイヤル・アルバート・ホール以外での公演)。22時からなら日本でもリアルタイムで聴けるという方はこちらもチェックを。
◇放送一覧:BBC radio3 : Afternoon Concert

 では、9月の各プロムを見ていきましょう。

◇9/1 Prom 66: Berlin Philharmonic & Kirill Petrenko (I)
     [Binaural Sound あり]

 ・デュカス:ラ・ペリ
 ・プロコフィエフ:ピアノ協奏曲 第3番 ハ長調 op.26
 ・フランツ・シュミット:交響曲第4番 ハ長調
  / ユジャ・ワン(ピアノ)、キリル・ペトレンコ:指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 今年はベルリン・フィルの年です。しかも、新音楽監督に就任したばかりのキリル・ペトレンコさんと登場です。ペトレンコさんは昨年バイエルン国立歌劇場管弦楽団と来日、話題になりましたね。先日、ベルリン・フィルハーモニーでシーズン・オープニング・コンサートをしたばかり。どんな演奏になるか楽しみです。
 1回目のプログラムは、デュカスのファンファーレに始まり、ユジャ・ワンのプロコのピアノ協奏曲3番と華やか。後半はフランツ・シュミットの4番…聴いたことがないので予習しておこう。フランツ・シュミットはオーストリアの生まれでブルックナーの弟子。交響曲第4番は、一人娘が亡くなってその追悼のために書いたそう。単一楽章の交響曲ですが、4つの部分に分かれているとのこと。
 シュミット、だけだと、フランツなのか、フローラン・シュミットという作曲家もいるのでややこしい…。

◇9/2 Prom 67: Andris Nelsons conducts the Boston Symphony Orchestra
     [Binaural Sound あり]

 ・マーラー:交響曲第3番 ニ短調
  / スーザン・グラハム(メゾソプラノ)、CBSOコーラス、CBSOユースコーラス、アンドリス・ネルソンス:指揮、ボストン交響楽団
 大御所がもうひとつ、ネルソンスさん指揮のボストン響。しかも大曲マーラー3番。マーラーの3番は好きですが、やはり聴く前はその長さゆえ身構えてしまいます。コーラスはバーミンガム市交響楽団の合唱団。かつて音楽監督をしていたバーミンガム市響の合唱団と共演とは、里帰りしているような感じですね。

◇9/2 Prom 68: Berlin Philharmonic & Kirill Petrenko (II)
 ・リヒャルト・シュトラウス:ドン・ファン op.20
              :死と変容 op.24
 ・ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 op.92
  / キリル・ペトレンコ:指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 ベルリンフィル2回目です。リヒャルト・シュトラウスとベートーヴェン。「死と変容」の弦がとても好きです。ベートーヴェン7番はどんな演奏になるのか、楽しみです。

◇9/3 Proms at ... Cadogan Hall 8: Berliner Philharmoniker perform Debussy and Ravel
 ・リリ・ブーランジェ:夜想曲(ヴァイオリンとピアノ版)
 ・ドビュッシー:フルート、ヴィオラとハープのためのソナタ
 ・ニーナ・シェンク(Nina Šenk):Baca(世界初演)
 ・リリ・ブーランジェ:ピアノのための3つの小品
第1曲:古い庭で (D'un vieux jardin) 
  第2曲:明るい庭で (D'un jardin clair) 
  第3曲:行列 (Cortege) 
 ・ラヴェル:序奏とアレグロ
  / ベルリンフィルのソリストたち
   マヤ・アヴラモヴィチ(Maja Avramović)、樫本大進(ヴァイオリン)、アミハイ・グロス(Amihai Grosz)(ヴィオラ)、ブリュノ・ドルプレール(Bruno Delepelaire)(チェロ)、エマニュエル・パユ(フルート)、アンドレアス・オッテンザマー(クラリネット)、マリー=ピエール・ラングラメ(ハープ)、アラスデア・ビートソン(Alasdair Beatson)(ピアノ)
 ベルリンフィルはまだ帰りません。室内楽もやります。豪華ソリストが集まりました。こうやって見ると、ベルリンフィルも出身国は様々なんですね。ここでもリリ・ブーランジェは演奏されます。ドビュッシーのフルート、ヴィオラとハープのためのソナタはお気に入りの曲です。

◇9/3 Prom 69: Boston Symphony Orchestra Bernstein and Shostakovich
 ・バーンスタイン:セレナード
 ・ショスタコーヴィチ:交響曲第4番 ハ短調 op.43
  / バイバ・スクリデ(ヴァイオリン)、アンドリス・ネルソンス:指揮、ボストン交響楽団
 ボストン響ももう1公演あります。バーンスタインの「セレナード」の、プロムス公式サイトに載っているタイトル「Serenade after Plato's 'Symposium'」にあれ?と思いました。この作品の正式名称は、「ヴァイオリン独奏、弦楽、ハープと打楽器のためのセレナード(プラトンの『饗宴』による)」なんですね。知らなかった。タイトルの通り、プラトンの「饗宴」に着想を得ています。
 後半はショスタコーヴィチ4番。発表当時はなかなか演奏される機会を得られなった作品です。マーラーの影響を受けているというこの作品。「マーラーを語る」でバーンスタインのマーラー観、ショスタコーヴィチのマーラー好きにについて語られましたが、そんな繋がりのあるプロムですね。この本読んでおいてよかった。

◇9/5 Prom 71: Orchestre Révolutionnaire et Romantique perform Berlioz
 ・ベルリオーズ:海賊 序曲 op.21 H.101
        :クレオパトラの死
        :トロイアの人々 王の狩りと嵐、ディドの死
        :イタリアのハロルド op.16
  / アントワン・タメスティ(Antoine Tamestit)(ヴィオラ)、ジョイス・ディドナート(メゾソプラノ)
   ジョン・エリオット・ガーディナー:指揮、オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティック
 ガーディナーさんのオール・ベルリオーズ・プログラムです。ベルリオーズは苦手意識あり…あまり聴かないだけです。なので聴きます。以前、ラジオで「海賊」は聴いて、面白いなと思いました。ヴィオラ好きとしても、「イタリアのハロルド」もちゃんと聴きたい。

◇9/6 Prom 72: Britten's War Requiem
 ・ブリテン:戦争レクイエム
  / エリン・ウォール(ソプラノ)、アラン・クレイトン(テノール)、ラッセル・ブラウン(バリトン)、
  ハダースフィールド・コーラル・ソサエティ、ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル・オーケストラ・ジュニア・コーラス、ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル・オーケストラ・コーラス
  ピーター・ウンジャン:指揮、ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル・オーケストラ
 プロムス終盤にふさわしい大曲です。今年のテーマのひとつ、第一次世界大戦終結100年にちなんで、ブリテンによる第二次世界大戦の犠牲者の追悼と祈りの音楽を。

◇9/7 Prom 74: Handel's Theodora
 ・ヘンデル:テオドーラ
  / ルイーズ・アルダー(ソプラノ)、イェスティン・デイヴィス(カウンターテナー)、ベンジャミン・ヒューレット(テノール)、アン・ハレンベリ(メゾソプラノ)
  ジョナサン・コーエン:指揮、アルカンジェロ Arcangelo
 ヘンデル晩年のオラトリオ「テオドーラ」。欧米では演奏されますが、日本ではほとんど演奏されない作品らしい。クリスチャンが迫害され殉教するという物語。聴いてみよう。
 さて、通常のプロムはここまで。残すはあとひとつ、ラストナイトです。

◇9/8 Prom 75: Last Night of the Proms
 ・ヒンデミット:歌劇「今日のニュース」序曲
 ・ベルリオーズ:レリオ、あるいは生への回帰 op.14bis 第6曲:シェイクスピアの「テンペスト」にもとづく幻想曲
 ・ロクサンナ・パヌフニク(Roxanna Panufnik):Songs of Darkness, Dreams of Light(世界初演)
 ・チャールズ・ヴィリアーズ・スタンフォード(Charles Villiers Stanford):海の歌 op.91
                                   :青い鳥
 ・パリー:恵みを受けし二人のセイレーン

 ・サン=サーンス:アルジェリア組曲 op.60 第4曲:フランス軍隊行進曲
 ・ミヨー:スカラムーシュ
 ・リチャード・ロジャース:回転木馬 より 独り言
 ・アン・ダドリー(Anne Dudley)編曲:World War 1 Songs:Roses of Picardy(ピカルディーの薔薇) , It's a long, long way to Tipperary(遥かなティペラリー) , Keep right on to the end of the road , Keep the home fires burning

 ・ヘンリー・ウッド:イギリスの海の歌による幻想曲
 ・アーン(サージェント:編曲):ルール・ブリタニア!
 ・エルガー:威風堂々 第1番 ニ長調 op.39-1 Land of Hope and Glory
 ・パリー(エルガー:編曲):エルサレム
 ・ブリテン編曲:イギリス国歌(God Save The Queen)
 ・スコットランド民謡:Auld Lang Syne

  / ジェス・ギラム(Jess Gillam サクソフォーン)、ジェラルド・フィンリー(バリトン)
  BBCシンガーズ、BBCシンフォニー・コーラス
  アンドリュー・ディヴィス:指揮、BBC交響楽団
 ラストナイトです。第1部は世界初演の新曲あり、パリーの作品もあります。リチャード・ロジャースのミュージカルナンバーも。後半第2部はいつも通り、「イギリスの海の歌による幻想曲」、「ルール・ブリタニア」「Land of Hope and Glory」「エルサレム」と大合唱。今年のイギリス国歌はブリテンの編曲(去年はブリス)。最後はAuld Lang Syneで来年また会いましょう…の流れです。「ルール・ブリタニア」を歌うのはバリトンのジェラルド・フィンリーさん。
 今年の指揮は、アンドリュー・ディヴィスさん。ラストナイトは18年ぶりの指揮です。当時はプロムスを知らなかったので、ディヴィスさん時代を思い出させるであろうラストナイトをまた聴けるのは楽しみです。ちなみに、イギリス人指揮者がラストナイトを振るのは、2011年のエドワード・ガードナーさん以来(その間は、前BBC響首席指揮者・チェコ出身ビエロフラーヴェクさん、アメリカ出身・オールソップさん、現BBC響首席指揮者・フィンランド出身オラモさんで繋いできました)。ディヴィスさんがラストナイトを指揮していた時、当時の映像を観ると、ディヴィスさんとBBC響男性楽団員は白ジャケットでした。これも復活なるか。

 当初発表されていたプログラムに何曲か追加されました。Radio3のサイトにあります:BBC Radio3 : Prom 75: Last Night of the Proms
 ベルリオーズの「レリオ」は、以前仙台フィルの演奏会をNHKで放送していたのを観て、いい曲、いい演奏だなと思いました。ラストナイトにも、今年のテーマの第一次世界大戦終結100年の作品があります。2014年のラストナイトの「メリー・ポピンズ」メドレーの編曲をしたイギリスの作曲家アン・ダドリーによる編曲の、「World War 1 Songs」第一次世界大戦の中で生まれた歌のメドレーのようです。日本語訳が広まっていないものもあり、出来る分だけ訳しました。
 さぁ、最後、盛り上がっていきましょう!!5時ぐらいに起きれば、第2部が聴けると思います。
 今年も12月あたりに、BSでテレビ放送しますよね、NHKさん…。映像で観ないと今年のプロムスを終われない!

【追記】
 ラストナイトの映像がもうYouTubeにアップされました。ほんの一部ではありますが。
BBC Proms - Roxanna Panufnik: Songs of Darkness, Dreams of Light
BBC Proms - Hubert Parry: Blest Pair of Sirens
BBC Proms - Darius Milhaud: Scaramouche
BBC Proms - Darius Milhaud: Scaramouche (Excerpt)
 ↑20歳のサックス奏者、ジェス・ギラムさんの「スカラムーシュ」(部分だけのアップになってしまいました)。イギリスでデジタル配信チャート1位になったこともあるのだそう。
BBC Proms - Richard Rodgers: Carousel – 'Soliloquy'
BBC Proms - Hubert Parry: Jerusalem (orch. Elgar)

 ロイヤル・アルバート・ホールのお隣、ハイドパークの野外会場での、「威風堂々第1番」
Land Of Hope & Glory - BBC Concert Orchestra & Ensemble (Proms in Hyde Park 2018)

 ラストナイトの流れを、まとめたページもありました。BBC Promsの公式Twitterも引用されています。
All the biggest and best moments from the Last Night of the Proms
 この中にある、4分間で今年のプロムス振り返り動画は必見。
The 2018 Proms season in a thrilling 4 minutes
 ↑※リンク先に飛ぶとすぐ動画が始まるのでご注意ください。スマートフォンからの方は、「BBC Media Player」のアプリを入れてください。リンク先に飛ぶと、アプリが動作して動画が観られます。
◇YouTubeにもアップされました:BBC Proms 2018 in 4 minutes

 今年のプロムス振り返りはこちらにも。こちらは映像収録がなかったプロムも音声で振り返られます。
The Proms 2018 in 19 unmissable moments

 以上、9月のプロムス、私が選んだ公演リストでした。ラストナイトの後も、オンデマンドは引き続き聴けますので、楽しみましょう。私は一体いつ聴き終わるのだろう…。プロムスのオンデマンド以外にも聴きたいオンデマンドやCDはあるし、オーケストラのシーズンオープニングは始まっているし、ラハティのシベリウス音楽祭もやってるし…。本当この時期は大変です。

 最後に、思ったことを。
 プロムスは毎年、公式ガイドブックは出ます。でも、プログラム変更や、出演者変更などがあって、変わってしまう。変更したデータはウェブにはあるけど、本としてまとまったデータが欲しい。あと、公演の写真も撮影しているのに、プロムス公式のSNSなどで発表して終わってしまう。
 よく、スポーツの大会、オリンピックなどで、大会後に大会の記録や写真を載せた本が発売されますよね。あんな風に、プロムスでも全公演終演後に全記録本を出して欲しいなと思いました。各演奏会の録音の中で、出演者のインタビューや作曲家についての講演なども収録されますよね。それも文字起こしして載せる。そんなその年のプロムス集録本、あったら欲しいなぁ。

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by halca-kaukana057 | 2018-08-30 21:27 | 音楽

BBC Proms ( プロムス ) 2018 私選リスト その3 [8月後半] [随時追記あり]

 ※この記事は新しい情報が入り次第随時追記しています。

 ロンドンで大盛況開催中のBBC Proms (プロムス)。8月前半分の私の聴きたい、気になる、興味あり、注目、オススメの公演(プロム)リストです。8月後半も盛りだくさんです。オンデマンドを溜めないようにしてはいますが…溜まってしまっています…なかなか難しい…盛りだくさん過ぎです(褒めてる

BBC Proms 公式サイト

・7月の記事:BBC Proms (プロムス) 2018 私選リスト その1 [7月] [随時追記中]
・8月前半:BBC Proms ( プロムス ) 2018 私選リスト その2 [8月前半] [随時追記あり]


【プロムスについて。どうやって聴くの?】
 公演は、全てBBC radio3で放送します。生中継していますので、BBC radio3のサイトや後述のBBCのアプリ、ネットラジオアプリなどで聴けます。
 放送後30日間はオンデマンド配信もあるので、聴きたい時間に合わせて聴けます。
 スマートフォンからは、「BBC iPlayer Radio」のアプリを使うととても便利です。ブラウザからも聴けますが、その場合は「BBC Media Player」のアプリが必要です。どちらも、アプリストアからダウンロードしてご利用ください。
 Proms公式サイトの各公演ページ、BBC radio3の各公演放送ページ、どちらからも同じものが聴けますが、双方向へのリンクがありません。この記事ではプロムス公式サイトでのものへリンクしているので、BBC radio3での各公演放送一覧ページをリンクしておきます。
BBC radio3 : BBC Proms : Available now

 Binaural Sound 立体音響録音もあります。是非、お手持ちのヘッドホン、イヤホンで聴いてみてください。特別なものでなくても構いません。音が違いますよ。
 各公演(プロム)のBBC radio3でのページの「Clips」のコーナーに、Binaural Soundの表示、マークの録音があるのでそれが公開されているものです。配信期間はわかりません。最初に公開していたものがなくなり、徐々に減ってきています。なので、一般の配信と同じように配信から30日を目安に聴いておくことをオススメします。Binaural Soundのものは、普通のオンデマンド配信がスタートしてから、遅れて公開されていますので、チェックをお忘れなく。
 Binaural Soundでの録音をまとめて公開しているページは以下です。
BBC radio3 : BBC Proms : Experience the Proms as if you are really in the audience
 新しいものがどんどん上に表示されていきます。まとめて次々聴きたい方はこちらで。

 本放送の他に、現地時間14時(日本時間22時)からの「Afternoon Concert」で再放送もあります。再放送もオンデマンド配信、30日間あります。もし、オンデマンド配信も聴き逃してしまっても、ここにあるかもしれません。再放送されないプロムもあるので注意(主にロイヤル・アルバート・ホール以外での公演)。22時からなら日本でもリアルタイムで聴けるという方はこちらもチェックを。
◇放送一覧:BBC radio3 : Afternoon Concert

 映像は、今年はBBC Music公式がYouTubeにフルでアップしてくれています。しかし、およそ30日程度で削除されています。7月のプロムのものは観られなくなっています。なので、アップされたらお早めにご覧ください。動画がアップされたら、随時追記していきます。


 それでは、8月後半の私の選ぶプロムリストを見ていきましょう。


◇8/16 Prom 45: Orchestre de la Suisse Romande & Jonathan Nott
 ・ドビュッシー:遊戯
 ・ラヴェル (ヤン・マレシュ Yan Maresz:編曲) :ヴァイオリン・ソナタ ト長調 (オーケストラ編曲版はイギリス初演)
 ・ストラヴィンスキー:ペトルーシュカ(1911年版)
  / ルノー・カピュソン(ヴァイオリン)、ジョナサン・ノット:指揮、スイス・ロマンド管弦楽団
 東京交響楽団でお馴染みのジョナサン・ノットさんが、スイス・ロマンド管と登場です。ドビュッシーのバレエ曲「遊戯」にはじまり、ラヴェルのヴァイオリンソナタを協奏曲編曲したという作品、メインは「ペトルーシュカ」。カラフルなプロムです。ラヴェルのヴァイオリンソナタは第2楽章は「ブルース」ジャズ調になっています。オーケストラ編曲、どんな感じになっているんだろう?勿論初めて聴きます。

◇8/16 Prom 46: Benjamin Grosvenor & National Youth Jazz Orchestra
 ・ローラ・ジャード(Laura Jurd):The Earth Keeps Spinning (世界初演)
 ・ガーシュウィン(ファーディ・グローフェ:編曲):ラプソディー・イン・ブルー
 ・バーンスタイン / スタン・ケントン(Johnny Richards:編曲):ウェスト・サイド・ストーリー(イギリス初演)
  / ベンジャミン・グローヴナー(ピアノ)、ガイ・バーカー、マーク・アームストロング:指揮、ナショナル・ユース・ジャズ・オーケストラ
 プロムスはジャズもあります。今年はバーンスタイン生誕100年ということで、バーンスタイン作品だけでなく、ジャズの影響を受けた、もしくはジャズそのものになったアメリカの20世紀の作品も多い。ということでこのプロム。「ラプソディー・イン・ブルー」はガーシュウィンの代わりにオーケストレーションをしたグローフェ編曲、ピアノと小編成のジャズバンド版で。
 「ウェスト・サイド・ストーリー」も、スタン・ケントン楽団によるバージョンのを編曲したもの(ジャズに詳しくないのでよくわからない…)で。よくわからない、ならば聴け!こういうプロムは小難しいことを考えずに楽しんで聴くに限りますね。

◇8/17 Prom 47: Elgar, Prokofiev & Venables
 ・エルガー:序奏とアレグロ op.47
 ・フィリップ・ヴェナブルス Philip Venables / バルトーク:Venables Plays Bartok(世界初演)
 ・プロコフィエフ:交響曲第5番 変ロ長調 op.100
  / ペッカ・クーシスト(ヴァイオリン)、サカリ・オラモ:指揮、BBC交響楽団
 エルガーの「序奏とアレグロ」、主題はウェールズ民謡から引用されています。2曲目のヴェナブルスの作品は、ハンガリーの民謡にちなんでいるバルトーク「ハンガリーの5つのスケッチ」を基にしている模様(世界初演なので詳細はわかりません)。メインはプロコの5番。楽しいですね。
 ペッカ・クーシストさんは2016年にプロムス初登場、今年は2回目の登場です(Prom29)。2016年の初登場では、アンコールでフィンランド民謡弾き語りを披露してくれました。今回もある?演奏する作品も民謡からの作品だからなぁ…。
【追記】
 ペッカ・クーシストさんのアンコールは、スウェーデン民謡「Vi Sålde Våra Hemman」(We Sold Our Homesteads)という曲でした。クーシストさんは歌いませんが、オーケストラメンバーがハミングしてます。
 「Venables Plays Bartok」は語り入りのヴァイオリン協奏曲。クーシストさんはマイクをつけて、演奏しています。最初に聴くとびっくりします。

◇8/18 Prom 48: Sir Simon Rattle conducts L’enfant et les sortilèges
      [Binaural Sound あり]

 ・ラヴェル:バレエ音楽「マ・メール・ロワ」
       シェヘラザード
       歌劇「子どもと魔法」
  / マグダレーナ・コジェナー(メゾソプラノ)、パトリシア・バードン(メゾソプラノ)、ジェーン・アーチボルド(ソプラノ)、アンナ・ステファニー(ソプラノ)、エリザベス・ワッツ(ソプラノ)、Sunnyboy Dladla(テノール)、ギャバン・リング(バリトン)、デイヴィッド・シップリー(バス)
  ロンドン・シンフォニー・コーラス、サイモン・ラトル:指揮、ロンドン交響楽団
 ラトルさんとロンドン響の登場です。9月には来日しますね。オール・ラヴェル・プログラム。メインはオペラ「子どもと魔法」。ラヴェルのおとぎ話の音楽を堪能できるプロムです。
【追記】
 YouTubeに動画がアップされました。以下からどうぞ。
BBC Proms – Maurice Ravel: Mother Goose (ballet)
BBC Proms – Maurice Ravel: Shéhérazade
BBC Proms – Maurice Ravel: L'enfant et les sortilèges

◇8/19 Prom 50: Mozart's Clarinet Concerto & Mahler's Fifth Symphony
 ・モーツァルト:クラリネット協奏曲 イ長調 K.622
 ・マーラー:交響曲第5番 嬰ハ短調
  / アンネリエン・ヴァン・ヴァウヴェ (Annelien van Wauwe) (クラリネット)、トーマス・ダウスゴー:指揮、BBCスコティッシュ交響楽団
 モーツァルトのクラリネット協奏曲とマーラーの5番、見たことない組み合わせ。先日読んだ「マーラーを語る」の記事でも書きましたが、マーラーの演奏頻度は多いですね。
【追記】
 見たことない組み合わせ、と書きましたが、このプログラムは1987年にバーンスタインがウィーンフィルとプロムスに出演した時のプログラムなのだそうです。

 YouTubeに動画がアップされました。以下からどうぞ。
BBC Proms – Wolfgang Amadeus Mozart: Clarinet Concerto in A major
BBC Proms – Gustav Mahler: Symphony No 5 in C sharp minor

◇8/20 Proms at ... Cadogan Hall 6 – The Sense of An Ending
 ・ブリッジ:音楽はやさしい声が消えた後も Music, when soft voices die
 ・ヴォーン=ウィリアムズ:休息 Rest
 ・ホルスト:今こそ主よ、僕を去らせたまわん(ヌンク・ディミッティス) Nunc dimittis
 ・ローラ・マヴーラ(Laura Mvula):Love Like A Lion(世界初演)
 ・パリー:告別の歌 Songs of Farewell
  / サカリ・オラモ:指揮、BBCシンガーズ
 テーマは「人生の終わり」。イギリスの作曲家による、臨終の時を歌った無伴奏合唱曲を集めたプロムです。ローラ・マヴーラさんはイギリスのシンガーソングライター。パリーの「告別の時」は6曲の組曲です。
 歌うのはBBCシンガーズ。指揮はオラモさん…?BBC響はいません。オーケストラはいません。オーケストラなしの合唱指揮は初めて聴きます。どんな感じなんだろう?オーケストラの指揮とはちょっと違うんだろうか。

◇8/20 Prom 51: Strauss, Wagner & Per Nørgård
 ・ワーグナー:「パルジファル」第1幕への前奏曲
 ・リヒャルト・シュトラウス:4つの最後の歌
 ・ペア・ノアゴー:交響曲第3番 (イギリス初演)
  / マリン・ビストレム (Malin Bystrom) (ソプラノ)、London Voices、ナショナル・ユース・チェンバー合唱団、トーマス・ダウスゴー:指揮、BBCスコティッシュ交響楽団
 前半はワーグナーとリヒャルト・シュトラウス。
 後半は、デンマークの現代作曲家、ノアゴーの3番。世界初演は1976年。ようやくイギリスで演奏されることになりました。ノアゴーが開発した独自の作曲技法「無限セリー」が用いられています。合唱も入りますが、指定では2つ、らしいです。過去のCDを見ると、必ずしもそうではないものもありますが…。ちょっと聴いてみましたが、幻想的なSFのような感じ。ダウスゴーさんは2002年にデンマーク国立響と6番をプロムスで演奏しています。あと、7番もプロムスで演奏されていますが、こちらはストルゴーズ指揮BBCフィル(2012)
 ダウスゴーさん、今年は出演が多いです。スウェーデン室内管、BBCスコティッシュの2回ずつで全部で4回。これが今年最後のプロムスです。

◇8/21 Prom 52: Edward Gardner & Bergen Philharmonic
 ・ワーグナー:さまよえるオランダ人 序曲
 ・ロルフ・ヴァリーン (Rolf Wallin):ヴァイオリン協奏曲(世界初演)
 ・シベリウス:交響曲第2番 ニ長調 op.43
  / アリーナ・イブラギモヴァ(ヴァイオリン)、エドワード・ガードナー:指揮、ベルゲン・フィルハーモニック管弦楽団
 Prom41でBBC響を指揮したガードナーさんが、今度はベルゲン・フィルと登場です。ロルフ・ヴァリーンはノルウェーの作曲家。メインはシベ2.

◇8/22 Prom 54: Iván Fischer & Budapest Festival Orchestra (I)
 ・エネスク:組曲第1番 第1曲:Prelude a l'unisson
 ・バルトーク:弦楽器と打楽器とチェレスタのための音楽 Sz.106, BB 114
 ・マーラー:交響曲第4番 ト長調
  / アンナ・ルチア・リヒター(ソプラノ)、イヴァン・フィッシャー:指揮、ブダペスト祝祭管弦楽団
 フィッシャーさんとブダペスト祝祭管は2回登場します。その1回目。フランス語表記のGeorges Enesco ジョルジュ・エネスコとも呼ばれているエネスクが1曲目。バルトークはハンガリーの作曲家、マーラーは現在のチェコ生まれと東欧プログラムです。マーラーの交響曲の中でも、4番は特に好きです。

◇8/23 Prom 55: Iván Fischer & Budapest Festival Orchestra (II)
 ・リスト:ハンガリー狂詩曲 第1番 嬰ハ短調
 ・ブラームス:ハンガリー舞曲 第1番 ト短調
 ・リスト:ハンガリー狂詩曲 第3番 変ロ長調
 ・サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン
 ・ブラームス:ハンガリー舞曲 第11番 ニ短調
 ・ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 op.68
  / József Lendvay Sr , József Lendvay Jr(ヴァイオリン)、イェヌー・リステシュ(Jenő Lisztes)(ツィンバロム)、イヴァン・フィッシャー:指揮、ブダペスト祝祭管弦楽団
 ブダペスト祝祭管の2日目。前半は、ジプシー音楽を元にしたヴァイオリンソロが華麗な作品。József Lendvay親子のヴァイオリンと、ツィンバロム…ハンガリーなどの民族楽器で、バチで弦を叩いて演奏します。後半はブラームスの1番。

【追記】
 YouTubeに動画がアップされました。お早めにどうぞ。ツィンバロムが入ると、これまで聴きなれた曲も違って聴こえます。
BBC Proms – Franz Liszt: Hungarian Rhapsody No. 1 in C sharp minor
BBC Proms – Johannes Brahms: Hungarian Dance No. 1 in G minor
BBC Proms – Franz Liszt: Hungarian Rhapsody No. 3 in B flat major
BBC Proms – Pablo de Sarasate: Zigeunerweisen
BBC Proms – Johannes Brahms: Hungarian Dance No. 11 in D minor
BBC Proms – Johannes Brahms: Symphony No 1 in C minor

BBC Proms – Encore! Johannes Brahms: Hungarian Dance No. 4
 ↑アンコールのブラームス:ハンガリー舞曲第4番。楽団員さんたちが歌っています。

◇8/24 Prom 56: Mozart & Bruckner
 ・モーツァルト:ピアノ協奏曲 第21番 ト長調 K.467
 ・ブルックナー:交響曲第5番 変ロ長調
  / ベンジャミン・グローヴナー(ピアノ)、サカリ・オラモ:指揮、BBC交響楽団
 今年もモーツァルトのピアノ協奏曲とブルックナーの交響曲の組み合わせが。モーツァルトは21番。朗らかで、第2楽章もきれいですね。ブルックナー…少しずつ聴いてお近づきになりたい作曲家です。ブルックナーは版が沢山ありますが、プロムスではプログラムに表記されません。聴いてわかる方はすごいなぁ。
 ピアノのグローヴナーさんはProm46にも登場しました。指揮のオラモさんも今年は計5回の登場。これが今年のプロムス最後の登場です。ラストナイトは、9月はじめにロイヤル・ストックホルム・フィルとの来日(日本・スウェーデン国交樹立150年記念演奏会)のため今年はお休みです。

◇8/27 Proms at ... Cadogan Hall 7: Bernstein on Broadway and Beyond
 ・バーンスタイン:La bonne cuisine(4つのレシピ)
 ・ブシュラ・エル=トゥルク (Bushra El-Turk):Crème Brûlée on a Tree(世界初演)
 ・バーンスタイン:バレエ音楽「ファンシー・フリー」より Big Stuff
         :Conch Town(Tom Owen / Nigel Simeone:補筆) (イギリス初演)
 ・コープランド:パストラーレ
 ・バーバー:隠者の歌 op.29 より 第6曲:海難、第8曲:修道士と猫
 ・マーク・ブリッツスタイン (Marc Blitzstein):Modest Maid’; ‘Stay in My Arms’
 ・スティーヴン・ソンドハイム(Stephen Sondheim):ミュージカル「リトル・ナイト・ ミュージック」より 粉屋の息子
 ・バーンスタイン:歌劇「タヒチ島の騒動」より 信じられない!ひどい映画ね
  / ワリス・ジウンタ(Wallis Giunta)(メゾソプラノ)、Michael Sikich、イアン・ファリントン(ピアノ)、トビー・カーニー、オーウェン・ガネル(パーカッション)
 バーンスタインをはじめとするアメリカの作曲家の歌曲、オペラ、ミュージカルの歌のプロムです。バーンスタインのオペラもあるんですね。情報が少なく、日本語訳できなかった作品も…。ミュージカルではソンドハイムの「リトル・ナイト・ミュージック」日本でも上演されているんですね。

◇8/27 Prom 59: Relaxed Prom
  / ジュリー・ドイル(歌)、ジェームズ・ローズ:指揮、BSO Resound、シャーン・エドワーズ:指揮、ボーンマス交響楽団
 昨年から始まった「Relaxed Prom」.小さいお子さんや、視覚・聴覚など様々な障碍を持つ方も一緒に楽しめるようにプログラムされているプロムです。去年聴いて、イギリスの子ども番組、子ども向けコンサートってこんな感じなのかな、と思いました。楽しいですよ。のんびりピクニック感覚で聴けます。

◇8/27 Prom 60: Marin Alsop & Baltimore Symphony Orchestra
 ・バーンスタイン:スラヴァ!
         :交響曲第2番 「不安の時代」
 ・ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 ニ短調 op.47
  / ジャン=イヴ・ティボーデ(ピアノ)、マリン・オールソップ:指揮、ボルティモア交響楽団
 オールソップさんがボルティモア響と登場です。バーンスタインもショスタコーヴィチも戦争を意識した作品です。バーンスタインのショスタコ5番(ニューヨーク・フィル)はお気に入りの演奏です。そのバーンスタインの交響曲第2番「不安の時代」。聴いたことがなかった。タイトルはイギリスの詩人、ウィスタン・ヒュー・オーデンの詩から。ピアノ独奏が入ります。ピアノソロと別に、オーケストラの中にもアップライトピアノが入っているのだそうです。
 8月27日(グリニッジ標準時・サマータイム)は聴くものがいっぱいだな。
【追記】
 YouTubeに動画がアップされました。以下からどうぞ。
BBC Proms – Leonard Bernstein: Slava! (A Political Overture)
BBC Proms – Leonard Bernstein: Symphony No 2 'The Age of Anxiety'
BBC Proms – Encore! Franz Schubert: Kupelwieser Waltz
BBC Proms – Dmitri Shostakovich: Symphony No 5 in D minor
BBC Proms – George Gershwin: Porgy and Bess - Extracts
BBC Proms – Dmitri Shostakovich: General Dance and Apotheosis

◇8/28 Prom 61: Yannick Nézet-Séguin & Rotterdam Philharmonic
 ・リスト:ピアノ協奏曲第2番 イ長調 S.125 R.456
 ・ブルックナー:交響曲第4番 変ホ長調 「ロマンティック」
   / イェフィム・ブロンフマン(ピアノ)、ヤニック・ネゼ=セガン:指揮、ロッテルダム・フィルハーモニック管弦楽団
 今年のプロムス2曲目のブルックナー。4番はまだ聴けばわかります(聴かないと思い出せない…)。前半はリストのピアノ協奏曲。

◇8/29 Prom 62: Diana Damrau sings Strauss
 ・エルガー:南国にて(アラッシオ) op.50
 ・Iain Bell:Aurora(世界初演)
 ・リヒャルト・シュトラウス:セレナーデ Ständchen op.17-2
              :バラのリボン Das Bächlein op.36-1
              :明日の朝 Morgen! op.27-4
              :献呈 Zueignung op.10-1
 ・バルトーク:管弦楽のための協奏曲
  / ディアナ・ダムラウ(ソプラノ:Iain Bell)、ミア・パーション(ソプラノ:R.シュトラウス)ヴァシリー・ペトレンコ:指揮、ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団
 今年のプロムスには「ペトレンコ」という名前の指揮者が2人出ます。こちらはヴァシリーさん。ロイヤル・リヴァプール・フィルとは来日もしましたね。もうひとりは、9月に登場するキリル・ペトレンコさん(ベルリン・フィルの新音楽監督)。姓は同じですが、ロシアではよくある姓らしく、親戚でも何でもないそうです。
 エルガーの「南国にて」きれいな曲ですね。リヒャルト・シュトラウスの歌曲も楽しみです。後半は打ってかわってバルトーク。
【追記】
 リヒャルト・シュトラウスの歌曲に曲目変更がありました。あと、歌手も当初の表記と変わりました。訂正しておきます。

◇8/29 Prom 63: Sir András Schiff plays 'The Well-Tempered Clavier' (Book 2)
 ・J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第2巻 (BWV870〜893)
  / アンドラーシュ・シフ(ピアノ)
 2015年の「ゴルトベルク変奏曲」、昨年2017年の「平均率クラヴィーア曲集」第1巻に続く、アンドラーシュ・シフさんのバッハシリーズです。今年も楽しみです。
【追記】
 YouTubeに動画が一部アップされました。第3曲と第12曲の2つです。
BBC Proms – Johann Sebastian Bach: The Well-Tempered Clavier Book 2, No. 3
BBC Proms – Johann Sebastian Bach: The Well-Tempered Clavier Book 2, No. 12

◇8/30 Prom 64: Verdi Requiem
 ・ヴェルディ:レクイエム
  / リゼ・ダヴィドセン(ソプラノ)、カレン・カーギル(メゾソプラノ)、ドミトロ・ポポフ(テノール)、トマス・コニエチュニー(バス)
   ロンドン・フィルハーモニー・コーラス、アンドレス・オロスコ=エストラーダ:指揮、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
 大曲が来ました。ヴェルディの「レクイエム」、「怒りの日」のコーラスが印象的ですが、全体的に聴くときれいなんですよね。というのを、数年前、最近知りました。

◇8/31 Prom 65: Stravinsky, Ravel & Berio
 ・ラヴェル:ラ・ヴァルス
 ・ベリオ:シンフォニア
 ・ストラヴィンスキー:春の祭典
  / London Voices、セミヨン・ビシュコフ:指揮、BBC交響楽団
 ラヴェルの「ラ・ヴァルス」は、ラヴェルが第一次大戦後の発表した作品。ラヴェルは第一次大戦中健康を害し、さらに母の死のショックで苦しい状況に。その後のこの作品は、19世紀オーストリアの宮廷でのワルツをイメージしたものなんだそう。
 ベリオの「シンフォニア」…ほとんど聴いたことがない作品です。調べてみると、第3部にマーラーの交響曲第2番の第3楽章の断片が用いられているとのこと。それだけなく、他にも数多くの作品の断片が継ぎはぎされているらしい。その中には、このプロムの「ラ・ヴァルス」も「春の祭典」もあるんだそう。聴いて、どこかわかるかな?ちなみに、BBC響の首席指揮者でもあったブーレーズが得意とした曲でもあります。CD化はされていませんが、BBC響との演奏はあるんだろうか?
 「春の祭典」はご存知の通り。「ラ・ヴァルス」と「春の祭典」は踊りの曲ですね。


 盛りだくさんの8月後半でした。ついて行けるか…。9月もラストスパートで盛りだくさんです。9月に続きます。
・9月:BBC Proms ( プロムス ) 2018 私選リスト その4 [9月]
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by halca-kaukana057 | 2018-08-14 22:16 | 音楽

BBC Proms ( プロムス ) 2018 私選リスト その2 [8月前半] [随時追記あり]

 ロンドンで大盛況開催中のBBC Proms (プロムス)。8月前半分の私の聴きたい、気になる、興味あり、注目、オススメの公演(プロム)リストです。8月も盛りだくさんです。今年も前半と後半に分けます。

BBC Proms 公式サイト

・7月の記事:BBC Proms (プロムス) 2018 私選リスト その1 [7月] [随時追記中]


【お知らせ】
 NHKFMで、Prom1、ファーストナイトを放送します。日本語での解説などもあるので、是非どうぞ。
8月3日(金)、19:30~21:10 「プロムス2018」オープニング・コンサートから
NHKFM:ヨーロッパ夏の音楽祭2018:プロムス2018 ファースト・ナイト
NHK:NHKFM:ヨーロッパ夏の音楽祭2018:番組情報
 
 ナッセンの「Flourish with Fireworks」は、「花火と華麗な吹奏」という訳に。多分時間の関係で、「Five Telegrams」は放送されません(涙)現代作品でも聴きやすい、きれいな曲なんだけどなぁ…。ラジオだとあのプロジェクション・マッピングが見られないし、BBC公式のYouTubeでどうぞ、ってことか…。



【プロムスについて。どうやって聴くの?】
 公演は、全てBBC radio3で放送します。放送後30日間はオンデマンド配信もあるので、聴きたい時間に合わせて聴けますよ。
 スマートフォンからは、「BBC iPlayer Radio」のアプリを使うととても便利です。ブラウザからも聴けますが、その場合は「BBC Media Player」のアプリが必要です。どちらも、アプリストアからダウンロードしてご利用ください。
 Proms公式サイトの各公演ページ、BBC radio3の各公演放送ページ、どちらからも同じものが聴けますが、双方向へのリンクがありません。この記事ではプロムス公式サイトでのものへリンクしているので、BBC radio3での各公演放送一覧ページをリンクしておきます。
BBC radio3 : BBC Proms : Available now

 Binaural Sound 立体音響録音もあります。是非、お手持ちのヘッドホン、イヤホンで聴いてみてください。特別なものでなくても構いません。音が違いますよ。
 各公演(プロム)のページの「Clips」のコーナーに、Binaural Soundの表示、マークの録音があるのでそれが公開されているものです。配信期間はわかりません。念のため、各公演の配信期間、放送から30日のうちに聴いておきましょう。Binaural Soundのものは、普通のオンデマンド配信がスタートしてから、遅れて公開されていますので、チェックをお忘れなく。
 Binaural Soundでの録音をまとめて公開しているページは以下です。
BBC radio3 : BBC Proms : Experience the Proms as if you are really in the audience
 新しいものがどんどん上に表示されていきます。まとめて次々聴きたい方はこちらで。

 本放送の他に、現地時間14時(日本時間22時)からの「Afternoon Concert」で再放送もあります。再放送もオンデマンド配信、30日間あります。もし、オンデマンド配信も聴き逃してしまっても、ここにあるかもしれません。再放送されないプロムもあるので注意(主にロイヤル・アルバート・ホール以外での公演)。22時からなら日本でもリアルタイムで聴けるという方はこちらもチェックを。
◇放送一覧:BBC radio3 : Afternoon Concert
  今年はBBC Music公式のYouTubeに動画がフルでアップされています。しかし、ラジオのオンデマンドと同じように、30日程度で消されます。…なんてこった。アップしてくれて嬉しいと思っていたら…。

 それでは、8月前半の私の選ぶプロムリストを見ていきましょう。

◇8/1 Prom 24: A Hero’s Life
 ・エセル・スマイス(Ethel Smyth):歌劇「遭難者たち」(The Wreckers) 第2幕の序曲
 ・ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 op.104
 ・リヒャルト・シュトラウス:英雄の生涯 op.40
  /ダニエル・ミュラー=ショット(チェロ)、オットー・タウスク:指揮、BBCウェールズ交響楽団
 1曲目、20世紀はじめに活躍したイギリスの女性作曲家、エセル・スマイスのオペラから。今年はイギリスの女性参政権100周年。女性作曲家の作品が多いです。この「遭難者たち」は、エセル・スマイス自身が指揮した録音もあるそうです(ナクソス・ミュージック・ライブラリーで見つけました)。

◇8/2 Prom 26: Late Night Serpent and Fire
 ・パーセル:ディドとエドネス より 抜粋
       妖精の女王 シャコンヌ「中国人の男と女の踊り」
 ・クリストフ・グラウプナー(Christoph Graupner):Dido, Queen of Carthage 抜粋
 ・アントニオ・サルトリオ(Antonio Sartorio):Julius Caesar in Egypt 抜粋
 ・マシュー・ロック(Matthew Locke):テンペスト カーテン・チューン
 ・ヘンデル:エジプトのジュリアス・シーザー(ジューリオ・チェーザレ) 私が感じるもの?…神よ私にお慈悲をかけて下さらぬなら
 ・ダリオ・カステッロ(Dario Castello):ソナタ第15番 ニ短調
 ・フランチェスコ・カヴァッリ(Francesco Cavalli):Dido – 'Rè de' Getuli altero … Il mio marito'
 ・ヨハン・アドルフ・ハッセ(Johann Adolf Hasse):アントニーとクレオパトラ Morte col fiero aspetto
 ・ヘンデル:合奏協奏曲(コンチェルト・グロッソ) ハ短調 op.6-8
  /アンナ・プロハスカ(ソプラノ)、ジョヴァンニ・アントニーニ:指揮、イル・ジャルディーノ・アルモニコ(Il Giardino Armonico)
 遅い時間のプロム、Late Nightで古楽をどうぞ(日本だと古楽と言えば朝6時の「古楽の楽しみ」ですね。リアルタイムで聴いた後、「古楽の楽しみ」を聴くのもいいかも…起きれたら)。イル・ジャルティーノ・アルモニコはイタリアの古楽アンサンブル。違う作曲家で、同じ題材…クレオパトラやジュリアス・シーザー(カエサル)を取り上げているのも興味深いです。作曲家が変わるとどう違うのか。古楽でソプラノの歌も聴けるのも楽しみです。声域が違いますが、声楽をやっている者として聴きたいです。

◇8/3 Prom 27: Folk Music around Britain and Ireland
  /Julie Fowlis、Jarlath Henderson、Sam Lee、Alaw、The Unthanks、ステファン・ベル:指揮、BBCコンサート・オーケストラ
 イギリスやアイルランドのフォークミュージックのプロムです。クラシックだけじゃありません。こういうプロムを今までほとんど聞いてこなかったので今年は聴きたい。

【追記】
 動画がアップされました。YouTubeでどうぞ。
BBC Proms - The Great Silkie of Sule Skerry (Folk music Prom)
BBC Proms - Camariñas (Folk music Prom)
BBC Proms - Dawns Soig - Dawns Y Gwr Marw (Folk music Prom)
BBC Proms - Ma Ausheen (Folk music Prom)
 上記の動画は見られなくなってしまいましたが、3分間にまとめた動画が新たにアップされていました。
BBC Proms: The Folk Prom in 3 Minutes


◇8/5 Prom 29: Brandenburg Concertos Project – 1
 ・J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲 第1番 ヘ長調 BWV1046
 ・マーク=アンソニー・タネジ:Maya(イギリス初演)
 ・J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲 第3番 ト長調 BWV1048
 ・アンデシュ・ヒルボリ(ヒルボルイ) (Anders Hillborg):Bach Materia(イギリス初演)
 ・J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲 第5番 ニ長調 BWV1050
 ・ウリ・ケイン(Uri Caine):Hamsa(イギリス初演)
  /ペッカ・クーシスト、アンティエ・ヴァイトハース(ヴァイオリン)、マヤ・ベイサー(チェロ)、フィオナ・ケリー(フルート)、ウリ・ケイン(ピアノ)、トーマス・ダウスゴー:指揮、スウェーデン室内管弦楽団

◇8/5 Prom 30: Brandenburg Concertos Project – 2
 ・J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲 第4番 ト長調 BWV1049
 ・オルガ・ノイヴィルト(Olga Neuwirth):Aello - ballet mécanomorphe(イギリス初演)
 ・ブレット・ディーン:Approach – Prelude to a Canon
 ・J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲 第6番 変ロ長調 BWV1051
 ・J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲 第2番 ヘ長調 BWV1047
 ・スティーヴン・マッキー(Steven Mackey):Triceros(イギリス初演)
  /アンティエ・ヴァイトハース(ヴァイオリン)、ブレット・ディーン、タベア・ツィンマーマン(ヴィオラ)、クレア・チェイス、フィオナ・ケリー(フルート)、マッテン・ラーション(オーボエ)、ホーカン・ハーデンベルガー(トランペット)、トーマス・ダウスゴー:指揮、スウェーデン室内管弦楽団
 2つ合わせて。これは面白い、興味深いプロム。バッハのブランデンブルク協奏曲を全曲やります。プラス、現代作品。イギリス初演のものが多いです。ソリストが豪華。クラシックだけでなく、ジャズや現代作品で活躍する人も多い。古楽と新しい音楽を同じ演奏会で演奏して、どう聴こえるのか。楽しみです。
【追記】
 ただブランデンブルク協奏曲と現代作品を並べるのではなく、現代作品が徐々にブランデンブルク協奏曲になってしまったり、ブランデンブルク協奏曲から現代音楽に変わってしまったりと、「あれ!?」と思う曲もあります。

◇8/6 Proms at ... Cadogan Hall 4: Dame Sarah Connolly & Joseph Middleton
  /サラ・コノリー(メゾソプラノ)、ジョゼフ・ミドルトン(ピアノ)
 曲名は省略します。パリー、ヴォーン=ウィリアムズ、ブリテン、ブリッジ、ホルスト、他、イギリスの歌曲です。現代作品、世界初演作品もあります。イギリスの歌曲はあまり知らないので、是非聴きたいです。

◇8/6 Prom 31: Minnesota Orchestra & Osmo Vänskä
 ・バーンスタイン:キャンディード 序曲
 ・ガーシュウィン:ピアノ協奏曲 ヘ長調
 ・アイヴス:交響曲第2番
  /イノン・バルナタン (Inon Barnatan)(ピアノ)、オスモ・ヴァンスカ:指揮、ミネソタ管弦楽団
 プロムスにヴァンスカさんとミネソタ管が登場です!2010年以来の登場です。バーンスタイン生誕100年記念の「キャンディード」序曲を含む、アメリカプログラムです。アイヴスは聴いたことがないはず(ある気もする、記憶がない)なので聴いてみます。

◇8/7 Prom 33: Brahms's A German Requiem
 ・シア・マスグレイヴ (Thea Musgrave):Phoenix Rising
 ・ブラームス:ドイツ・レクイエム op.45
  /ゴルダ・シュルツ(ソプラノ)、ヨハン・ロイター(バリトン)、BBCシンフォニーコーラス、リチャード・ファーネス:指揮、BBC交響楽団
 ブラームスの「ドイツ・レクイエム」です。きれいな曲なのですが、まだ親しめていない作品。聴きます。
【追記】
 動画がアップされました。YouTubeでどうぞ。
BBC Proms – Thea Musgrave: Phoenix Rising
  ↑途中、ホルンやトランペット、トロンボーンが立って演奏します。かっこいい。
BBC Proms – Johannes Brahms: A German Requiem


◇8/8 Prom 34: Barber, Britten & Copland
 ・ウォルトン:序曲「ポーツマス岬」
 ・コープランド:コノテーションズ (Connotations)
 ・ブリテン:イリュミナシオン op.18
 ・バーバー:アントニーとクレオパトラ op.40
 ・ブリテン:「ピーター・グライムズ」より 4つの海の間奏曲 op.33a
  / サリー・マシューズ(ソプラノ)、ファンホ・メナ:指揮、BBCフィルハーモニック
 イギリスプログラムのようで…バーンスタインを記念したプロムです。コープランド「コノテーションズ」はバーンスタインが初演。ブリテン「4つの海の間奏曲」は今年もう何回目だって位に聴いてますね…。聴きますよ。
 BBCフィルハーモニックの首席指揮者、ファンホ・メナさんは、この回が首席指揮者として最後のプロムスだそうです。

◇8/9 Prom 36: Mahler, Wagner and Webern
 ・ウェーベルン:5つの小品 op.10
 ・マーラー:交響曲第10番 アダージョ
 ・ワーグナー:ワルキューレ 第1幕
  /アニャ・カンペ(ソプラノ/ジークリンデ)、ロバート・ディーン・スミス(テノール/ジークムント)、フランツ=ヨゼフ・ゼーリヒ(バス/フンディング)、エサ=ペッカ・サロネン:指揮、フィルハーモニア管弦楽団
 サロネンさんの登場です。マーラーにワーグナー。ワーグナーの「指環」も親しめてない作品。壮大過ぎる!少しずつ。今回は「ワルキューレ」の第1幕です。あらすじを頭に入れて聴いてみます。サロネンさんはフィンランド国立歌劇場で、「指環」チクルスを指揮する予定です。

◇8/10 Prom 37: Orchestra of the Academy of Santa Cecilia & Sir Antonio Pappano
 ・ハイドン:天地創造 ラルゴ:混沌の描写
 ・バーンスタイン:交響曲第1番 「エレミア」
 ・マーラー:交響曲 第1番 ニ長調
  / エリザベス・デション(メゾソプラノ)、アントニオ・パッパーノ:指揮、ローマ・サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団
 パッパーノさんとサンタ・チェチーリア管の登場です。ハイドンの「天地創造」の1曲目、バーンスタインとマーラーの交響曲第1番という組み合わせです。「エレミア」は以前オンデマンドであって、聴こうと思ったら期限が過ぎてた…。今度こそ聴きます。

◇8/11 Prom 38 &39: West Side Story
      [Binaural Sound あり]
*リンク先はProm39
 ・バーンスタイン:ウェスト・サイド・ストーリー
  /Students from ArtsEd and Mountview、ジョン・ウィルソン:指揮、John Wilson Orchestra
 バーンスタイン生誕100年記念プロムが続きます。バーンスタインといえばやっぱりこの作品、「ウェスト・サイド・ストーリー」。演奏会形式でお送りします。

◇8/12 Prom 40: Joshua Bell & the Academy of St Martin in the Fields
 ・メンデルスゾーン:真夏の夜の夢 序曲
 ・サン=サーンス:ヴァイオリン協奏曲 第3番 ロ短調 op.61
 ・ブリッジ:悲歌 Lament
 ・ベートーヴェン:交響曲 第4番 変ロ長調 op.60
  / ジョシュア・ベル:ヴァイオリン、指揮、アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ
 アカデミー室内管弦楽団の登場です。指揮はヴァイオリンのジョシュア・ベル。ベルさんは指揮もするようになりましたね。ブリッジの「悲歌」は、1915年、イギリス船籍・ルシタニア号が沈没した際、犠牲なった9歳の女の子・キャサリンの追憶にと作曲されました。第一次世界大戦中、ドイツの潜水艦「Uボート」の雷撃を受け沈没。乗客1198名が死亡したそうです。

◇8/12 Prom 41: Edward Gardner conducts Elgar & Vaughan Williams
 ・リリー・ブーランジェ(Lili Boulanger):兵士の埋葬のために Pour les funérailles d'un soldat
 ・エルガー:チェロ協奏曲 ホ短調 op.85
 ・ヴォーン=ウィリアムズ:われらに平和を与えたまえ(ドナ・ノビス・パーチェム Dona Nobis Pacem)
  /ソフィー・べヴァン(ソプラノ)、ニール・ディヴィース(バス・バリトン)、 ジャン=ギアン・ケラス(チェロ)
  BBCシンフォニーコーラス、エドワード・ガードナー:指揮、BBC交響楽団
 今年はリリー・ブーランジェの作品が多く演奏されます…調べたら没後100年だった。イチオシはヴォーン=ウィリアムズのカンタータ「Dona Nobis Pacem」以前聴いたことがあるのですが、とてもきれいな曲です。日本ではなかなか演奏されませんが、イギリスではちょくちょく演奏されます。ミサの典礼文である「Dona Nobis Pacem」、聖書や詩人のテキストから歌詞が取られています。静かに平和を歌います。
【追記】
 YouTubeに動画がアップされました。以下からどうぞ。
BBC Proms – Lili Boulanger: Pour les funérailles d'un soldat
BBC Proms – Edward Elgar: Cello Concerto in E minor
Proms Encore! – Henri Dutilleux: Trois strophes sur le nom de Sacher
↑デュティユー:ザッハーの名による3つのストローフェ より


◇8/13 Prom 42: Grieg's Piano Concerto
 ・アルヴォ・ペルト:交響曲第3番
 ・グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 op.16
 ・シベリウス:交響曲 第5番 変ホ長調 op.82
  / カティア・ブニアティシヴィリ(ピアノ)、パーヴォ・ヤルヴィ:指揮、エストニア祝祭管弦楽団
 今年はエストニア独立100年。エストニア祝祭管弦楽団を率いて、パーヴォさんが登場です。1曲目はエストニアを代表する作曲家、ペルトの交響曲。ペルト、いいですね。その後はグリーグ、シベリウスと北欧プログラム。シベリウスの5番は初稿が演奏されたのはシベリウスが50歳の誕生日の1915年でしたが、その後改訂。現行版が完成したのは2019年でした。ということは、来年100年。来年もプロムスで演奏する?
【追記】
 YouTubeに動画がアップされました。以下からどうぞ。そのうち消されるのでお早目にどうぞ。
BBC Proms – Arvo Pärt: Symphony No 3
BBC Proms – Edvard Grieg: Piano Concerto in A minor
BBC Proms – Encore! Claude Debussy: Clair de lune
BBC Proms – Jean Sibelius: Symphony No 5 in E flat major
BBC Proms – Encore! Lepo Sumera: Spring Fly

◇8/14 Prom 43: Daniel Barenboim & West–Eastern Divan Orchestra
 ・チャイコフスキー:「エフゲニー・オネーギン」op.24 より ポロネーズ
          :ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.35
 ・デイヴィッド・ロバート・コールマン:Looking for Palestine (ロンドン初演)
 ・スクリャービン:法悦の詩
  /エルザ・ドライシヒ(ソプラノ)、リサ・バティアシュヴィリ(ヴァイオリン)、ダニエル・バレンボイム:指揮、ウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団
 今年のバレンボイムさんは8月半ばに登場です。どういう組み合わせのプログラムだろうこれは。そういえば、前の日のProm42のブニアティシヴィリさん、このProm43のバティアシュヴィリさん、どちらもジョージアのご出身ですね。
【追記】
 1曲目に「エフゲニー・オネーギン」よりポロネーズが追加されました。あと、ブラームスのヴァイオリン協奏曲と書いた(プロムス公式ガイド本にもそう書いてる)のに、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲になっていました。あれ?いつ変更したんだろう?ということで訂正しました。


◇8/15 Prom 44: Debussy, Ravel & Boulanger
 ・ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
 ・リリー・ブーランジェ:詩篇第130番 Du fond de l'abîme
 ・ドビュッシー:夜想曲
 ・ラヴェル:ボレロ
  / Justina Gringytė(メゾソプラノ)、CBSOユースコーラス、CBSOコーラス、ルドヴィク・モルロー:指揮、バーミンガム市交響楽団
 バーミンガム市響の登場です。今年は首席指揮者のミルガ・グラジニーテ=ティーラさんは産休のためお休みです。ドビュッシーとL.ブーランジェ、没後100年コンビです。最後はラヴェルのボレロ。盛り上がります。


 新しい情報があれば、随時追記していきます。
 8月後半に続きます。8月後半は…盛りだくさんです。
BBC Proms ( プロムス ) 2018 私選リスト その3 [8月後半]
・9月:BBC Proms ( プロムス ) 2018 私選リスト その4 [9月]
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by halca-kaukana057 | 2018-07-30 21:56 | 音楽

BBC Proms ( プロムス ) 2018 私選リスト その1 [7月] [随時追記中]

※この記事は、新しい情報が入り次第随時追記中です。

 7月になりました。7月、今年も待ってました、ロンドンで2ヶ月にわたって開催される世界最大級の音楽祭「BBC Proms」(プロムス)がはじまります!今年は、7月13日~9月8日(グリニッジ標準時)まで。ロイヤル・アルバート・ホールを中心に、毎日コンサート。クラシックが中心ですが、フォークミュージックあり、テクノミュージックあり、現代作品も新曲が次々登場します。小さなお子さんや心身に障碍を持つ方も楽しめる演奏会も。今年も楽しみです!!
BBC Proms 公式サイト

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 公式ガイドブック、今年も早めに入手できました。今年は明るいピンク色です。公式サイトで日程表、プログラムは見られますが、このガイドブックを見ながらどれを聴こうか考えるのも楽しいです。

 今年も、私が選んだ、私が聴きたい公演(Prom)、気になる公演、注目公演を選んでまとめます。お祭りの始まりです!!
 公演は、全てBBC radio3で放送します。放送後30日間はオンデマンド配信もあるので、公演時間に合わせて夜中に起きて聴けなくても大丈夫。
 スマートフォンからは、「BBC iPlayer Radio」のアプリを使うととても便利です。ブラウザからも聴けますが、その場合は「BBC Media Player」のアプリが必要です。アプリストアからダウンロードしてご利用ください。これで、いつでもどこでもプロムスが聴けます。

 昨年、公式サイトがリニューアルしたのですが、今年は月ごとに分かれて、少しは見やすくなりました。去年で慣れた?しかし、今年もProms公式サイトからの、BBC radio3へのリンクがありません。BBC radio3の一覧ページをリンクしておきます。
BBC radio3 : BBC Proms : Available now

【追記】
 昨年から本格的に導入された、Binaural Sound 立体音響録音ですが、今年も公開しています。昨年は一部のプロムを丸ごと、曲ごとに公開でしたが、今年は曲ごとのようです。是非、お手持ちのヘッドホン、イヤホンで聴いてみてください。特別なものでなくても構いません。音が違いますよ。
 去年はあったどのプロムのどの曲が公開されるかの告知はない模様。各公演(プロム)のページの「Clips」のコーナーに、Binaural Soundの表示、マークの録音があるのでそれが公開されているものです。配信期間はわかりません。念のため、各公演の配信期間、放送から30日のうちに聴いておきましょう。Binaural Soundのものは、普通のオンデマンド配信がスタートしてから、遅れて公開されていますので、チェックをお忘れなく。
 今年のBinaural Soundでの録音をまとめて公開しているページを見つけました。ようやく見つけた。今年もあった。
BBC radio3 : BBC Proms : Experience the Proms as if you are really in the audience
 新しいものがどんどん上に表示されていきます。まとめて次々聴きたい方はこちらで。

 まだ聴けるものがあるので、一応、昨年の分のBinaural Sound録音の、現在も公開されているページを貼っておきます。
BBC : BBC Proms in Binaural Sound

 本放送の他に、現地時間14時(日本時間22時)からの「Afternoon Concert」で再放送もあります。再放送もオンデマンド配信、30日間あります。もし、オンデマンド配信も聴き逃してしまっても、ここにあるかもしれません。再放送されないプロムもあるので注意(主にロイヤル・アルバート・ホール以外での公演)。22時からなら日本でもリアルタイムで聴けるという方はこちらもチェックを。
◇放送一覧:BBC radio3 : Afternoon Concert

 今年はBBC Music公式のYouTubeに動画がフルでアップされています。しかし、ラジオのオンデマンドと同じように、30日程度で消されます。…なんてこった。アップしてくれて嬉しいと思っていたら…。


 では、各公演(Prom プロム)を見ていきましょう。


◇7/13 Prom 1: First Night of the Proms
      [Binaural Soundあり]

 ・オリヴァー・ナッセン(Oliver Knussen): Flourish with Fireworks op.22
 ・ヴォーン=ウィリアムズ:未知の世界へ
 ・ホルスト:組曲「惑星」
 ・アンナ・メレディス(Anna Meredith)、59 Productions:Five Telegrams (世界初演)
  /イギリス・ナショナル・ユース合唱団(女声合唱)、BBCシンフォニーコーラス、BBC Proms Youth Ensemble、サカリ・オラモ:指揮、BBC交響楽団
 ファーストナイトです。オール・イギリス・プログラム。コンチェルトがありません。今年は、BBC交響楽団 首席指揮者のサカリ・オラモさんが指揮です。3月の来日公演、楽しかったな。
 →来日公演レポ記事
 BBC響にとっては、大忙しのプロムスの始まりです。全12公演。
 今年のプロムスのテーマのひとつが、第一次世界大戦終戦100年。ホルストの「惑星」が初演されたのも100年前、1918年のことでした。毎年、「惑星」はどこかしらのオーケストラが演奏するのですが、今年はファーストナイトに。第1曲が「火星 戦争をもたらす神」、第2曲が「金星 平和をもたらす神」とあるのは、戦争とその終結を意識せずにはいられません。ヴォーン=ウィリアムズの合唱曲「未知の世界へ」。誰も知らない世界を目指す内容の、ウォルト・ホイットマンの詩が歌詞です。
 後半のイギリス人女性作曲家・アンナ・メレディスの新曲「Five Teregrams」。世界大戦からインスピレーションを受けた作品だそうです。
【追記】
 先日亡くなられた作曲家で指揮者のオリヴァー・ナッセンさん。BBC響、プロムスとも強いつながりのある方でした。1曲目にナッセンさんの作品「Flourish with Fireworks」を追加しました。本当に急で残念です。ナッセンさんは、つい先日、オールドバラ音楽祭でBBC響と共演したばかり。これが最後の共演となってしまいました。その演奏会の模様がまだ聴けます。21日ごろまで。コープランドが中心です。
BBC radio3 : Radio 3 in Concert : The BBC Symphony Orchestra and Oliver Knussen at the Aldeburgh Festival.
 その前には、元首席指揮者のゲンナジー・ロジェストヴェンスキーさんも亡くなってしまいましたね。寂しいです。

 メレディスさんの「Five Telegrams」は、演奏に合わせてプロジェクション・マッピングの演出が。とてもきれいです。YouTubeのBBC Music公式に抜粋版がありました。
Anna Meredith: Five Telegrams (excerpt)


 ファーストナイト前日には、ロイヤル・アルバート・ホールをスクリーンにして、「Five Telegrams」の演奏に合わせてプロジェクション・マッピングのイベントが。前夜祭みたいなもの?
BBC Proms : The light fantastic! Meet the people getting the Proms off to a spectacular start
 ↑ここから動画も観られます。YouTubeにもあります→BBC Proms - A spectacular curtain raiser to the BBC Proms 2018
 こちらもきれい!2016年のファーストナイトの告知で、ソル・ガベッタさんの演奏するチェロをスクリーンにプロジェクション・マッピングの演出をする動画がありましたが、今年は実際の本番で生演奏に合わせての演出。プロムスのお祭りの始まりを感じさせます。
 イギリスではテレビ放送されるファーストナイト。日本からは観ることができません。後日テレビ放送されるのはラストナイトだけ(運が悪いとラストナイトの放送もない…)が、YouTubeのBBC Music公式が、ファーストナイトの4曲の動画をアップしてくれています。ありがとうございます!!これで日本からでもファーストナイトも映像で楽しめる。
※「Five Telegrams」以外、動画は削除されています。
Oliver Knussen: Flourish with Fireworks (First Night of the Proms)
Ralph Vaughan Williams: Toward the Unknown Region (Prom 1)
Gustav Holst: The Planets (Prom 1)
BBC Proms: Anna Meredith: Five Telegrams - Sender & Receiver
 ↑前日のロイヤル・アルバート・ホールの外でのプロジェクションマッピングと、ファーストナイト当日の舞台背景でのプロジェクションマッピング、両方を編集した映像です(もしかしてファーストナイトでも外でもやっていたんだろうか?)。とてもきれい。でも、合唱団と、合唱団の位置にいる金管バンダはプロジェクションマッピングの光が直撃してしまっている。チラチラ眩しくないのだろうか…?
 プロジェクションマッピングは、第一次大戦中、若い兵士が送った手紙の文章を元にしています。戦場での銃撃戦のような音の箇所もあり…きれいなんだけど、重いものがあります。現代作品は、こうやって音楽と一緒に映像でも伝える方法があると親しみが持てますね。

【再追記】
 BBC MusicのYouTubeのチャンネルで一度公開され、その後公開停止になったファーストナイトの映像が、再び公開されました!!今度は公開停止しませんよね?ありがとうございますBBCさん!「Five Telegrams」も全曲公開です。映像つきで是非どうぞ。


【まだ追記】
 NHKFMでも、プロムスの公演をいくつか放送するのですが、放送が決まりました。
NHKFM:ヨーロッパ夏の音楽祭2018:プロムス2018 ファースト・ナイト
NHK:NHKFM:ヨーロッパ夏の音楽祭2018:番組情報
 8月3日(金)、19:30~21:10 「プロムス2018」オープニング・コンサートから
 NHKではファーストナイトをオープニング・コンサートと呼んでいる。まぁ、わかりやすいね。NHKFMでファーストナイトが放送されます。この日はまだオンデマンドは聴けますが、日本語解説もつけて是非ラジオでも。
 ナッセンの「Flourish with Fireworks」は、「花火と華麗な吹奏」という訳なんですね。多分時間の関係で、「Five Telegrams」は放送されません(涙)現代作品でも聴きやすい、きれいな曲なんだけどなぁ…。ラジオだとあのプロジェクション・マッピングが見られないし、BBC公式のYouTubeでどうぞ、ってことか…。


◇7/14 Prom 2: Mozart, Ravel and Fauré
      [Binaural Soundあり]

 ・フォーレ:パヴァーヌ(合唱つき) op.50
 ・モーツァルト:ピアノ協奏曲 第27番 変ロ長調 K.595
 ・ラヴェル:ダフニスとクロエ
  /フランチェスコ・ピエモンテージ(ピアノ)、BBCシンフォニーコーラス、ロンドン合唱団、アラン・アルティノグリュ(Alain Altinoglu):指揮、ロイヤル・フィルハーモニック・オーケストラ
 2日目、ロイヤル・フィルの登場です。パヴァーヌは舞曲。「ダフニスとクロエ」はバレエ音楽。フランスの踊りの曲を組み込んだプロムです。

◇7/16 Proms at … Cadogan Hall 1: Calidore String Quartet & Javier Perianes
 ・キャロライン・ショー(Caroline Shaw):Second Essay: Echo、Third Essay: Ruby
 ・シューマン:ピアノ五重奏曲 変ホ長調 op44
  /ハヴィエル・ペリアネス(ピアノ)、カリドール弦楽四重奏団
 会場はロイヤル・アルバート・ホールだけでなく、室内楽や器楽、声楽は小さなホールで開催します。前半のキャロライン・ショーさんは、アメリカの女性作曲家、ヴァイオリニスト。後半はシューマンのピアノ五重奏曲。大好きです。ピアノはペリアネスさん。

◇7/16 Prom 4: Shostakovich’s ‘Leningrad’ Symphony
 ・マグヌス・リンドベルイ(Magnus Lindberg):クラリネット協奏曲
 ・ショスタコーヴィチ:交響曲第7番 「レニングラード」
  /マーク・シンプソン(クラリネット)、ファンホ・メナ:指揮、BBCフィルハーモニック
 1曲目はフィンランドの作曲家、リンドベルイ(リンドベリ)のクラリネット協奏曲。現代な響きの作品ですが、すっごくカッコイイんです。メインはショスタコーヴィチ7番。こちらは第二次世界大戦がテーマの作品。重々しい響きが楽しみです。

◇7/17 Prom 5: Debussy Pelléas et Mélisande
 ・ドビュッシー:歌劇「ペレアスとメリザンド」
  /クリスティーナ・ガンシュ(メリザンド)、ジョン・チェスト(ペレアス)、クリストファー・パーブス、ブラインドリー・シャラット、カレン・カーギル、クロエ・ブリオ
  グラインドボーン・フェスティバル・オペラ、ロビン・ティッチアーティ:指揮、ロンドン・フィルハーモニック管弦楽団
 今年はドビュッシー没後100年。ドビュッシーや同時代のフランスの音楽家の作品が多く演奏されます。まずは、オペラ「ペレアスとメリザンド」を。フォーレとシベリウスは劇音楽、シェーンベルクは交響詩、ドビュッシーはオペラにしました。ドビュッシーの「ペレアス~」はあまり聴いたことがなかったので聴きたいです。昨年のプロムスは、オペラを全然聴けなかった。今年は聴きたい。

◇7/18 Prom 6: An American in Paris & Turangalîla
 ・ガーシュウィン:パリのアメリカ人
 ・メシアン:トゥーランガリラ交響曲
  / アンジェラ・ヒューイット(ピアノ)、シンシア・ミラー(オンド・マルトノ)、サカリ・オラモ:指揮、BBC交響楽団
 Prom6でBBC響2公演目です。「トゥーランガリラ交響曲」は、1949年、レナード・バーンスタインによって初演されました。今年はバーンスタイン生誕100年。バーンスタイン作品も多いです。これもバーンスタイン繋がりなのかな?「トゥーランガリラ」はとっつきにくいイメージで、普段はなかなか聴こうと思わないのですが聴いてみようと思います。こういうところがプロムスのいいところ。

◇7/20 Prom 8: Youthful Beginnings
 ・リリ・ブーランジェ:春の朝に(D'un matin de printemps)、かなしみの夜に(D’un soir triste)
 ・メンデルスゾーン:ピアノ協奏曲 第1番ト短調 op.25
 ・モーフィド・リウィン=オーウェン (Morfydd Llwyn-Owen) :ノクターン
 ・シューマン:交響曲第4番 ニ短調 op.120(1841年初稿)
  /ベルトラン・シャマユ(Bertrand Chamayou)(ピアノ)、トーマス・セナゴー:指揮、BBCウェールズ交響楽団
 ブーランジェは20世紀初頭に活躍したフランスの女性作曲家。ちょっと聴いてみましたが、いい感じですね。リウィン=オーウェンもイギリスの女性作曲家。今年はイギリスでの女性参政権100周年ということで、女性作曲家の作品も多いです。
 間には、メンデルスゾーンとシューマン。若い頃の作品繋がり、ということみたいです。シューマンの4番は初稿です。前年、クララと結婚したシューマンはクララの誕生日にこの作品をプレゼントします。初演は芳しく無く、その後1853年改訂稿を発表、初演されます。これが現在一般的に演奏されている交響曲第4番。しかし、シューマンの死後、指揮者のフランツ・ヴュルナーが更に改訂し、1891年ヴュルナー版というのも存在するとか…。シューマンは好きなのに、そこまで知らなかった。まずは初稿を聴きます(聴いた記憶が無きにしも非ず?)。

【追記】
 YouTubeで映像が公開されています。4曲全部。シャマユさんのアンコール、メンデルスゾーン「歌の翼に」も。
 ※動画は既に削除されています。
BBC Proms – Lili Boulanger: D’un matin de printemps and D’un soir triste
BBC Proms – Felix Mendelssohn: Piano Concerto No 1 in G minor
BBC Proms – Encore! Mendelssohn: Auf Flügeln des Gesanges
BBC Proms – Morfydd Owen: Nocturne
BBC Proms – Robert Schumann: Symphony No 4 in D minor (original 1841 version)


◇7/21 Prom 9: War & Peace
      [Binaural Soundあり]

 ・エリクス・エセンヴァルズ(Eriks Esenvalds):Shadow (世界初演)
 ・ブリテン:シンフォニア・ダ・レクイエム(鎮魂交響曲)op.20
 ・ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 op.125
  /エリン・ウォール(ソプラノ)、ユディット・クタージ(Judit Kutasi)(メゾソプラノ)、ラッセル・トーマス(テノール)、フランツ=ヨゼフ・ゼーリヒ(バリトン)、BBC Proms ユース合唱団、サイモン・ホールジー(エセンヴァルズ)、ドナルド・ラニクルズ(ブリテン、ベートーヴェン):指揮、World Orchestra for Peace
 毎年「第九」も演奏されますが、今年は第一次世界大戦終結100年という記念の年。平和を歌います。
 前半には、ブリテンの「シンフォニア・ダ・レクイエム」。第二次世界大戦中にアメリカで作曲した作品。日本政府の依嘱により、皇紀2600年奉祝曲として作曲されたと言われている。ブリテン自身は、両親の思い出に捧げるつもりだった。来日する予定も立てていたが、日本から「演奏拒否」との知らせが。日本では演奏するかどうか論争が起き、更に太平洋戦争が勃発したので演奏機会はなくなり…。日本で初演されたのは、1956年、ブリテン自身の指揮でN響が演奏しました。
 オーケストラの名前が、まさに世界平和ですね。
【追記】
 指揮者の名前が2人ですが、誰がどの曲を振ったのか判明したので追記しました。

◇7/22 Prom 10: Fauré, Franck & Widor’s Toccata
 ・シャルル=マリー・ヴィドール:オルガン交響曲 ヘ短調 op.42
 ・フランク:オルガンのための3つの小品 第3曲 英雄的小品 ロ短調 M37
 ・フォーレ(アプカルナ:編曲):パヴァーヌ(オルガン版)
 ・J.S.バッハ:ファンタジア ト長調 BWV 572
 ・ゲオルク・タルベン=バル(George Thalben-Ball):パガニーニの主題による変奏曲
 ・ティエリー・エスケシュ(Thierry Escaich):エヴォケーション II
  /イヴェタ・アプカルナ(オルガン)
 ロイヤル・アルバート・ホールのあの大きなオルガンでの演奏会です。Prom2で演奏したフォーレの「パヴァーヌ」も、今度はオルガン版。オルガンの響きを堪能しましょう。

◇7/22 Prom 11: Mahler Symphony of a Thousand
      [Binaural Soundあり]

 ・マーラー:交響曲第8番 「千人の交響曲」
  /タマラ・ウィルソン、カミッラ・ニールンド(Camilla Nylund)、ジョエル・ハーヴェイ(ソプラノ)、クリスティーン・ライス(メゾソプラノ)、クラウディア・ハックル(コントラルト)、サイモン・オニール(テノール)、クイン・ケルシー(バリトン)、モリス・ロビンソン(バス)、サウスエンド少年合唱団、サウスエンド少女合唱団、BBCウェールズ合唱団、BBCシンフォニーコーラス、ロンドンシンフォニーコーラス、トーマス・セナゴー:指揮、BBCウェールズ交響楽団
 大曲が来ました。マーラー8番。少年少女合唱団に加え、合唱団が3つ…。「千人の交響曲」と言いますが、今回のプロムスでの演奏は一体何人いるんでしょう?マーラー作品は少しずつ親しんでいますが、8番はまだお近づきになれていない。マーラーの声楽付き作品はどれも好きなので、8番もきっと好きになる…かな?
【追記】
 Binaural Soundでも配信されています。普通の音源は聴いて、すごくきれいだなと感じました。親しめてる。Binaural Soundでもう1度、何回でも聴こう。

◇7/23 Prom 12: Beethoven, Shostakovich & Rachmaninov
 ・ベートーヴェン:コリオラン序曲 op.62
 ・ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲 第1番 変ホ長調 op.107
 ・アンドリュー・ノーマン:Spiral(イギリス初演)
 ・ラフマニノフ:交響的舞曲 op.45
  /アリサ・ワイラースタイン(チェロ)、カリーナ・カネラキス:指揮、BBC交響楽団
 昨年プロムスデビューしたカネラキスさんが今年も登場です。ラフマニノフが楽しみです。

【追記】
 YouTubeにProm12の全曲の動画がアップされました。以下からどうぞ。
BBC Proms – Ludwig van Beethoven: Overture 'Coriolan'
BBC Proms – Dmitri Shostakovich: Cello Concerto No 1 in E flat major
BBC Proms – Andrew Norman: Spiral
BBC Proms – Sergei Rachmaninov: Symphonic Dances
 ラフマニノフの「交響的舞曲」かっこいいですね。フルでアップしてくれて嬉しいですねぇ。


◇7/24 Prom 14: Sibelius, Schubert & Zimmermann
      [Binaural Soundあり]

 ・ワーグナー:「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲
 ・シューベルト:若い尼僧 Die junge Nonne D828
         糸を紡ぐグレートヒェン Gretchen am Spinnrade D118
         ミニョンの歌 Lied der Mignon D877
         魔王 Erlkönig D328
 ・ベルント・アロイス・ツィンマーマン:1楽章の交響曲
 ・シューベルト(リスト編曲):さすらい人幻想曲 D760
 ・シベリウス:交響曲第7番 ハ長調 op.105
  /エリザベス・ワッツ(ソプラノ)、ルイ・ロルティ(ピアノ)、ヨーン・ストルゴーズ:指揮、BBCフィルハーモニック
 てんこ盛りなプロムです。ワーグナーに始まり、シューベルトの歌曲をオーケストラ伴奏で。しかもソプラノの「魔王」もあります。「糸を紡ぐグレートヒェン」は、声楽の発表会で、別の人が歌っていてすごくいいなと思ったので是非聴きたい(私はまだまだ歌えません。ドイツリートそのものをやっていない)。後半には「さすらい人幻想曲」のピアノとオーケストラ版もあります。最後はシベリウス7番。7番は、初演の際、「交響的幻想曲」というタイトルでした。タイトルは幻想曲つながり?
 ストルゴーズさんのプロムは、毎年私の好みの選曲が多く、楽しみです。

◇7/25 Prom 15: Paul Lewis plays Beethoven’s ‘Emperor’ concerto      [Binaural Soundあり]
 ・タンジー・デーヴィス (Tansy Davies):What Did We See? (orchestral suite from 'Between Worlds')(世界初演)
 ・ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 op.73 「皇帝」
 ・ブラームス:交響曲第2番 ニ長調 op.73
  /ポール・ルイス(ピアノ)、ベン・ゲーノン:指揮、BBCフィルハーモニック
 特に注目していなかったプロムなのですが、Binaural SoundとYouTubeに動画があるので、記録として書いておきます。ベートーヴェンのピアノ協奏曲5番も、ブラームスの2番も好きですし。ブラームスの2番なんて、夏休みにぴったりですね。どちらも作品番号73なんですね。へぇ。
 以下、YouTubeでのアップされた動画です。
BBC Proms – Tansy Davies: What Did We See? (orchestral suite from 'Between Worlds')
BBC Proms – Ludwig van Beethoven: Piano Concerto No 5 in E flat major, 'Emperor'
BBC Proms – Johannes Brahms: Symphony No 2 in D major

◇7/26 Prom 16: Stravinsky, Debussy & Wagner
 ・ワーグナー:「タンホイザー」序曲
 ・ドビュッシー:選ばれた乙女
 ・ストラヴィンスキー:ナイチンゲールの歌(うぐいすの歌)
            組曲「火の鳥」1945年版
  / サビーヌ・ドゥヴィエル(ソプラノ)、アンナ・ステファニー(メゾソプラノ)、ハレ合唱団(女声合唱)、ハレ・ユース合唱団(女声合唱)、マーク・エルダー:指揮、ハレ管弦楽団
 ここでもワーグナーが1曲目。ドビュッシーの「選ばれた乙女」はカンタータ。聴いたことがないので聴いてみたい。ストラヴィンスキーの「ナイチンゲールの歌」も。ストラヴィンスキーのバレエ音楽は、聴けばわかるのですが、まだ親しめていない。そろそろお近づきになりたい。

◇7/27 Prom 17: Parry, Vaughan Williams & Holst
 ・パリー:交響曲第5番 ロ短調
 ・ヴォーン=ウィリアムズ:揚げひばり
 ・パリー:わが言葉を聞きたまえ Hear my words, ye people
 ・ホルスト:死への頌歌 op.38
 ・ヴォーン=ウィリアムズ:交響曲第3番 田園交響曲
  /タイ・マレイ(ヴァイオリン)、ランチェスカ・チェジーナ(ソプラノ)、アシュリー・リッチズ(バスバリトン)、BBCウェールズ合唱団、マーティン・ブラビンズ:指揮、BBCウェールズ交響楽団
 オール・イギリス・プログラム!ラストナイトの「エルサレム」の作曲者としてお馴染みの、パリーの作品が2つも。パリーも、今年没後100年なんです。交響曲第5番は「交響的幻想曲1912年」という副題もあります。ホルストも「惑星」だけじゃないよ!ヴォーン=ウィリアムズは有名どころを。いいですねこういうプロム。プロムス、ロンドンという感じがします。

【追記】
 Prom17の動画がアップされました。ヴァイオリンのタイ・マレイさんのアンコール、タレガ「アルハンブラの思い出」もあります。YouTubeでどうぞ。
BBC Proms – Hubert Parry: Symphony No. 5 in B minor
BBC Proms – Ralph Vaughan Williams: The Lark Ascending
BBC Proms – Francisco Tárrega: Encore! Recuerdos de la Alhambra
BBC Proms – Hubert Parry: Hear my words, ye people
BBC Proms – Gustav Holst: Ode to Death
BBC Proms – Ralph Vaughan Williams: Pastoral Symphony (No. 3)
 パリーの交響曲第5番、合唱曲といった珍しい作品も動画でアップされるのは嬉しいですね。楽器、パートごとの動きがわかるので興味深いです。


◇7/28 Prom 18: Currentzis conducts Beethoven
      [Binaural Soundあり]

 ・ベートーヴェン:交響曲第2番 ニ長調 op.36
          交響曲第5番 ハ短調 op.67
  /テオドール・クルレンツィス:指揮、ムジカエテルナ
 世界中で話題になっているコンビ、クルレンツィスとムジカエテルナがプロムスに登場です。ベートーヴェンを2作。しかも後半は5番。どんな演奏になるのか楽しみです。
 そういえば、ベートーヴェン5番も、毎年どこかしらのオーケストラがやってる気がする。

◇7/30 Proms at … Cadogan Hall 3: Ancient Rituals and New Tales
 ・Joseph Tawadros、Jessica Wells
  /ジョセフ・タワドロス(ウード)
 曲名は省略します。タワドロスさんはエジプト出身のウード奏者。ウードは、アラビアのリュートの仲間の弦楽器。珍しいので聴いてみたい。

◇7/31 Prom 22: A London Symphony
 ・ハイドン:交響曲第104番 ニ長調 Hob. I:104 「ロンドン」
 ・ヴォーン=ウィリアムズ:交響曲第2番 「ロンドン」
  /アンドリュー・マンゼ:指揮、BBCスコティッシュ交響楽団
 私のイチオシプロムです。ロンドンで、2つの「ロンドン」交響曲。ありそうでなかった?プログラム。これは聴きたい。ヴォーン=ウィリアムズはこの交響曲を、第一次世界大戦で戦死したバターワースに献呈しています。というのは、初稿のスコアを指揮者に郵送した際、失われてしまいました。パート譜は残っていたのでそれを手がかりに、復元、再構成を手伝ってくれたのがバターワースでした。
 先日、NHKFM「N響レジェンド」でも、似た構成の回がありました。ハイドンとヴォーン=ウィリアムズの「ロンドン」交響曲に、エルガーの「コケイン序曲 ロンドンの下町から」を加えて放送。気象情報が途中に何度も入って、番組がブツ切れになってしまったのが残念でした…。このプロムにも、エルガーも入れたら完璧ですね。


 以上、7月の私の選んだ公演でした。新しい情報が入り次第、追記、修正していきます。今年もプロムスを楽しみましょう!!

・8月前半の私選リスト。この記事の続きです:BBC Proms ( プロムス ) 2018 私選リスト その2 [8月前半]
・8月後半(8/16~):BBC Proms ( プロムス ) 2018 私選リスト その3 [8月後半]
・9月:BBC Proms ( プロムス ) 2018 私選リスト その4 [9月]

 こちらも参考にどうぞ。
英国ニュースダイジェスト:ロンドンの夏を飾る音楽フェスティバル BBC Proms 2018 7月13日(金)~9月8日(土)


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by halca-kaukana057 | 2018-07-10 21:41 | 音楽

まだまだ、シベリウス クレルヴォ交響曲を聴こう ダウスゴー & BBCスコティッシュ響

 今回はシリーズではありませんが、シベリウス「クレルヴォ(クッレルヴォ)」op.7の演奏会のオンデマンドがあります。

◇オンデマンドはこちらから:BBC Radio3 : BBC Scottish Symphony Orchestra
 放送後30日間の公開です。6月16日頃まで。
BBC Scottish Symphony Orchestra : Closing Night - Composer Roots 7: Sibelius’s ‘Kullervo’ + Post-Season Party

トーマス・ダウスゴー:指揮、BBCスコティッシュ交響楽団
ヘレナ・ユントゥネン (Helena Juntunen ソプラノ)
ベンジャミン・アップル (Benjamin Appl バリトン)
ルンド大学男性合唱団 (Lunds Studentsångare / Lund Male Choir)

 プログラムは「クレルヴォ」と「フィンランディア(フィンランド讃歌の部分)」なのですが、面白いのは冒頭。「Prelude with excerpts from Kullervo」と題して、「クレルヴォ」のメロディーと、フィンランド民謡などのメロディーをミックスした前奏曲(のようなもの?)が演奏されます。編曲は指揮のダウスゴーさんともう一方によるものだそうです。「クレルヴォ」の断片が出てきては消えて、フィンランド民謡(タイトルがわからない。聴いたことがあるような…)も出てきて、カンテレの音も聴こえる。でもすぐ消えて行く。不思議な音楽です。その後、「クレルヴォ」全曲が始まります。(17分から「クレルヴォ」です)

 「クレルヴォ」は、ゆったりとした演奏で、壮大な世界観にぴったりです。第3楽章の男声合唱、ソプラノ、バリトン、は暗めのトーン。ずっしり、というよりは、しっとりという感じ。ウェットな空気の暗い森の中のような。「クレルヴォの嘆き」の部分も落ち着いています。あと、金管の存在感が強いなと感じました。図太い。全体的に骨太な演奏だと感じました。

 まだまだ聴けるので、何度か聴き込みたいです。

【これまでの「クレルヴォ」シリーズ】
[シベリウス生誕150年記念]クレルヴォ交響曲を聴こう その1
 パーヴォ・ベルグルンド:指揮、ボーンマス響盤
[シベリウス生誕150年記念]クレルヴォ交響曲を聴こう その2 P.ヤルヴィ盤
 パーヴォ・ヤルヴィ:指揮、ロイヤル・ストックホルム・フィル盤
もうひとつの「クレルヴォ」
 番外編:レーヴィ・マデトヤの交響詩、アウリス・サッリネンのオペラ
[シベリウス生誕150年記念]クレルヴォ交響曲を聴こう その3 バレエのクレルヴォ?
 ユッカ=ペッカ・サラステ:指揮、フィンランド国立歌劇場管弦楽団、バレエ付き。
[シベリウス生誕150年記念]クレルヴォ交響曲を聴こう その4 ヴァンスカ盤
 オスモ・ヴァンスカ:指揮、ラハティ交響楽団
[シベリウス生誕150年記念]クレルヴォ交響曲を聴こう その5 N.ヤルヴィ盤
 ネーメ・ヤルヴィ:指揮、エーテボリ交響楽団
[シベリウス生誕150年記念]クレルヴォ交響曲を聴こう その6 パヌラ盤
 ヨルマ・パヌラ:指揮、トゥルク・フィルハーモニー管弦楽団
[シベリウス生誕150年記念]クレルヴォ交響曲を聴こう その7 ベルグルンド&ヘルシンキフィル盤
 パーヴォ・ベルグルンド:指揮、ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団

[フィンランド独立100年記念]続・シベリウス クレルヴォ交響曲を聴こう スロボデニューク&ラハティ響
 ディーマ・スロボデニューク:指揮、ラハティ交響楽団 (2017年 シベリウス音楽祭より)
[フィンランド独立100年記念]続・シベリウス クレルヴォ交響曲を聴こう ロウヴァリ&エーテボリ響
 サンットゥ=マティアス・ロウヴァリ:指揮、エーテボリ交響楽団 (2017年の演奏会より)
[フィンランド独立100年記念]続・シベリウス クレルヴォ交響曲を聴こう サロネン&ロスフィル
 エサ=ペッカ・サロネン:指揮、ロスアンジェルス・フィルハーモニック
[フィンランド独立100年記念]続・シベリウス クレルヴォ交響曲を聴こう オラモ&BBC響
 サカリ・オラモ:指揮、BBC交響楽団(2015年プロムスでのライヴ録音)
[フィンランド独立100年記念]続・シベリウス クレルヴォ交響曲を聴こう リントゥ&フィンランド放送響
 ハンヌ・リントゥ:指揮、フィンランド放送交響楽団(2017年、フィンランド放送響のフィンランド独立記念日コンサートより)
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by halca-kaukana057 | 2018-05-22 22:53 | 音楽

これがプロムスオーケストラ! オラモ & BBC交響楽団 @仙台

 昨日予告したコンサートの記事を。
 3月4日(日)、来日中のサカリ・オラモ指揮、BBC交響楽団の仙台公演に行ってきました。このブログでは、BBCプロムス ( Proms ) で聴いてきたコンビ。特に、「Last Night of the Proms」ラストナイトは毎年放送されるのを楽しみにしています。ラストナイトの放送を観て、楽しいコンビだなぁと思ってきました。オラモさんに関しては、CDなどでバーミンガム市響、フィンランド放送響の頃から聴いてきたのでその点でも思い入れはあります。生で聴けるのは嬉しいです。

東芝グランドコンサート 2018

【仙台公演 プログラム】
・ブリテン:歌劇「ピーター・グライムズ」より
 4つの海の間奏曲 op.33a
(第1曲:夜明け(Dawn)、第2曲:日曜の朝(Sunday Morning)、第3曲:月光(Moonlight)、第4曲:嵐(Storm)
パッサカリア op.33b
※「パッサカリア」は第3曲「月光」と第4曲「嵐」の間に演奏されました。
・チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.35
・シベリウス:交響曲第5番 変ホ長調 op.82

ヴァイオリン:アリーナ・ポゴストキーナ
 サカリ・オラモ:指揮、BBC交響楽団
(2018年3月4日 イズミティ21)


 シベリウス5番ですよ、シベ5!来日公演について発表になり、シベリウス5番が広島と仙台のみの公演と知って、迷わず仙台に行くことに決めました。距離的な問題でも仙台だったのですが。今シーズンのBBC響は、オラモさんとシベリウスチクルスを行い(2017年のフィンランド独立100年記念)、その一番最初に演奏したのが5番でした。オラモさんのお国ものですし、イギリスオケはシベリウスが生きていた時代からシベリウスを演奏してきた。BBC radio3で聴いて、これは来日が楽しみだと思っていました。
 1曲目も、イギリスオケのご挨拶のようなお国ものブリテン、コンチェルトはチャイコフスキー。ポゴストキーナさんはシベリウスヴァイオリンコンクールの優勝者で、ならばシベコン…と思ったのですが、チャイコフスキーも好きです。プログラムからして好きです。

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 ホールの入り口には立派なこんな看板?が。
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 公演パンフレット。オールカラーで内容は充実しています。お値段の分だけあると思います。東芝がスポンサー(主催はフジテレビ)のコンサートシリーズで、東芝の招待客が多かった。入場前、係員さんが、「東芝の招待券をお持ちの方~」と何度も呼びかけていた。その招待客には、パンフレットは袋入りで配布されます。なので、ホールに入ると招待客か一般客かわかります。
 お客の入りは、空席もちらほらありますが、概ね入っていたと思います。
 開演前まで、コントラバスさんがステージの上でさらっていたり(最初1人だったのが、2人になっていた)、舞台裏からフルートなどの管楽器の音が聞こえてきたり。

 開演、楽団員さんたちがステージへ。この時、楽器を持っていないけど、きちんと燕尾服を着た男性が3人、楽団員さんたちやステージの様子を見渡していました。スタッフさん、ステマネさん?そんなにオーケストラのコンサートには行けていませんが、こんな風に開演時にスタッフがステージにいるのは、国内オケでも海外オケでも見たことがありません。よくあることなんでしょうか?楽団員さんたちが全員座ったのを見届けて、スタッフさん3人は舞台裏へ。リーダー(コンマス)席の隣のヴァイオリンさんがチューニングを促して、終わった後、リーダーのStephen Bryantさんが入ってきます。プロムス ラストナイトでもこの形ですね。そしてオラモさん登場。プロムスコンビが目の前に。

 配置は第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンの対抗配置。第2ヴァイオリンの後ろにコントラバスが並んでいます。
 1曲目、ブリテン「4つの海の間奏曲」と「パッサカリア」。イギリス音楽の中でも好きな曲です。
Britten - Four Sea Interludes from Peter Grimes, Op 33a - Oramo
 2013年プロムス ファーストナイトでの演奏。このファーストナイトが、オラモさんのBBC響新首席指揮者御披露目演奏会になりました。
この演奏も聴いて行ったのですが、今回の演奏は、これよりも現代的な音がしました。微妙に不安定な音だったり、尖っていたり。管楽器が現代的なのに対して、弦楽器は滑らかにそれをしっかりと支えている。おもしろい。「ピーター・グライムズ」のオペラは、イギリスの小さな漁村で、疎外されて暮らしている漁師・ピーター・グライムズが主人公。村にある事件が起き、グライムズが容疑を疑われる。グライムズはだんだん錯乱状態になっていって…。そんな暗いお話です。音楽に明るい部分があっても、根底に暗いものがあって、きれいなんだけど何か不吉な予感がする。第1曲「夜明け」の木管とかチューバとか、第2曲「日曜の朝」の鐘の音とか。この鐘は教会の鐘の音なのだそうですが、不吉な音。第3曲「月光」→「パッサカリア」→第4曲「嵐」、この流れが自然で、面白かった。普段は「パッサカリア」は別に聴いているのに、この流れで聴いてもおかしくない。「月光」で美しい穏やかな海の情景が描かれる。弦の弱音がとてもきれいで。でも、徐々に重々しくなっていく。きれいなままというのがまたいい。「パッサカリア」は、ヴィオラのソロが美しくてよかった。このヴィオラのソロから、他のパートにも広がっていく。金管がバッチリ決めて、弦の静かな部分が。また盛り上がる。「パッサカリア」も現代的な音、曲です。20世紀のオペラなんだなぁ、と。その後に第4曲「嵐」全パートが全力、荒々しい。金管は特にバリバリいってます。弦もめまぐるしい。明るい曲ではないですが、現代的な響きが「おもしろい、楽しい」と感じました。トリルというか、音が行ったり来たりするのはハマります。ハープや多彩な打楽器など、楽器の種類も多いのも面白いですね。オラモさんの指揮も、プロムスのまんま。ああ、この指揮だ、と思いました。左手のアクションを見てると楽しい。特定の楽器に指示を出したり、曲想を伝えたり。
 1曲目から、仙台のお客さんは大喝采。1曲目なのに、オラモさん、カーテンコールしてました。
 ちなみに、調べてみたら、リボル・ペシェク:指揮、ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団の演奏のCDでは、この第3曲と第4曲の間に「パッサカリア」が入る順番でした。曲順を知った時、オペラの順番でもないし、何の意味があるんだろう?と思っていましたが、謎は解けていません。ただ、流れとしては自然な気がしました。
 この曲は、編成が結構大きいです。イズミティ21のホールは小~中規模のホール。ステージもそんなに広くなく、BBC響の皆さん、ギッシリという感じでした。

 メンバーの入れかえや編成を減らしたりして、プログラム2曲目。チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。実は、ピアノ以外の協奏曲を生で聴くのは初めてです。地元のコンサートでは、いつもピアノ協奏曲。ヴァイオリンやチェロもやってほしいとアンケートに書いてるのに、やっぱりピアノ協奏曲。遠征してようやく聴けました。チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲は、編成が随分小さいんですね。トロンボーンもいない。第1ヴァイオリンも、コントラバスも大幅に減っている。フルートに、日本人楽団員の向井知香さんが入りました。
 オラモさんとポゴストキーナさん登場。ポゴストキーナさんは緑のドレスでした。きれい、かわいい。お写真からもそんな印象を持っていたのですが、本当にきれいでかわいらしい方。
 でも、ヴァイオリンは芯が強くて、でもつややかでした。最初のヴァイオリンソロの一音を聴いて、すごい音だと感じました。あの小さなヴァイオリンから、こんな音が出るんだ。オーケストラのヴァイオリンとは違う。聴き入りました。
 チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲は、好きな曲ですが、そんなにCDなどで数多くは聴いていません。聴くと、映画「ライトスタッフ」のテーマ曲を思い出します。似てますよね。
 ヴァイオリンソロの後、オケも主題を演奏しますが、この音がさっきのブリテンとは違って、明るくて、元気で、のびのびしていて、ピュアな音をしていました。完全に楽しんでる音。そして、チャイコのヴァイオリン協奏曲は、ヴァイオリンだけが目立つ曲ではないな、と。オーケストラにも美味しい部分がいっぱいあって、ヴァイオリンソロとの掛け合いが楽しい曲。「協奏」です。ソロを聴いても楽しいし、オケを聴いても楽しい。いいですね。ポゴストキーナさん、オラモさんとアイコンタクトを取ったり、リーダーのブライアントさんを見て演奏しているところも。いい共演だなと思いました。
 ブリテンからは編成が小さくなりましたが、オケはよく鳴ります。ラストまで、本当に楽しかった。こういう演奏を聴くと、これまでそんなに聴いていなかったチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲ももっと聴きたくなりますね。
 演奏後、大喝采。オラモさんとポゴストキーナさん、何回カーテンコールしたか数えてませんw5回はしたと思う。仙台のお客さん、ノリがいいのか?大拍手に応えて、アンコール。

・チャイコフスキー (グラズノフ:編曲):「なつかしい土地の思い出」 より メロディ
 オーケストラも一緒に演奏です。これは豪華。郷愁を誘うきれいな曲。好きな曲です。アンコールでもポゴストキーナさんとオケの息はぴったりでした。ちなみに、オラモさんは指揮棒なし。やわらかな指揮でした。
 もっと生でヴァイオリン協奏曲も聴きたいですね。地元のコンサートホールのアンケートにまた書こう。または遠征しよう。

 休憩へ。休憩中、フルートさんが、ずっと次のシベリウス5番をさらっていました。シベ5だ!と反応。これからシベ5を生で聴けると実感。嬉しいです。シベリウスは大好きですが、なかなか生演奏に接したことはない。交響曲は初めて。初めて生で聴くシベリウスの交響曲が5番。いいですね。編成はチャイコフスキーよりは少し大きいです。

 休憩後、楽団員さんたちが舞台へ。この時も、スタッフさん3人がステージに出てきて見守っていました。休憩後の楽団員さんたちは、前半よりもリラックスした表情をしていました。笑顔で談笑したり。スタッフさんとも談笑している楽団員さんもいました。後半では、リーダーのブライアントさんも他の楽団員さんと一緒に出てきていました。チューニングが終わって、スタッフさんたちは舞台裏へ。オラモさん登場。シベ5です。

 と、ここであれ?と。指揮台の上に椅子が置いてあって、オラモさん、椅子に座っての指揮です。前半は普通に立って指揮していました。どこか痛めたのかなぁ…まだまだツアーは長い、これからなのに…大丈夫かなぁ…と心配になっていました。
 第1楽章。ホルンのあの音…まろやかで優しい。木管もやわらかい音で応えます。ああ、この音だ。弦の弱音のざわめき。弱音をうまく生かしていました。ファゴットのソロ。そして明るいトランペットソロ。シベリウスの交響曲を聴くと、さまざまな情景がイメージ出来ます。でも、それは「何となく」「ぼんやりとした」もの。でもこの演奏を聴いた時は、はっきりとこんな風景だとイメージできました。「名曲アルバム」を観ているみたいな。明瞭、はっきりとした、明るめの5番です。オラモさんは椅子に座っていましたが、そんなことは関係ないと思わせるダイナミックな指揮。上半身を大きく動かして振っています。オーケストラもそれに応えての熱演。全力です。でも、シベリウス特有の冷たさ、寒さ、透明感は存分に感じられます。いい音を出すなぁBBC響!と思っていました。指揮もオケも、どちらもこの曲を知り尽くしている、堂々ともしていました。第1楽章の最後で、ティンパニが思い切り強い音を出して、盛り上げ、引き締めていました。第1楽章の最後のカオスな箇所からの金管の朗々とした歌が出てきて、ジャジャジャジャン!という終わり方が好きなのですが、キッパリと見事に揃っていました。
 第2楽章、弱音がたまりません。こんな小さな音でも、ちゃんと聴こえて来る。ただ弱い音にすればいいんじゃないんだな、と自分の演奏…声楽やかつてのピアノでのことを思い出したりしていました。ゆっくり溜めたり、休符を少し長めにとって、じっくりと演奏していました。アイノラで静寂を大事にしていたシベリウスのことを思い出します。ワルツみたいな第2楽章も好きです。かわいらしく明るいようで、ほの暗さもあるんですよね。
 あっという間に第3楽章。疾走する弦、コントラバスはソフトな感じがしました(私の席の位置のせいだろうか)。ホルンが奏でる白鳥の飛翔。本当に美しくて、じわじわとこみ上げてくるものが。どのパートものびのびと演奏していました。さっき、休憩が終わって、リラックスしていた表情の楽団員さんたち。そのままの雰囲気で演奏していました。2つの主題の対比を聴くのも楽しかったです。5番、まだまだ知らない、気づかない部分がありました。CD(動画その他)でばかり聴いてきましたが、生で聴いて、目でも各パートの動きを見て、気づくことっていっぱいあるんだなと思いました。徐々に暮れゆくように、終わりへ近づいていく。このあたりのほの暗さがまたいい。じわじわきます。目頭が…。最後は、あのフライング拍手危険箇所の和音。誰もフライングしないでくれ…と祈りながら聴いていました。和音の間に一呼吸一呼吸入れても、客席はシーンとしている。最後のジャン、ジャン!の後、ちゃんと終わってから盛大な大拍手とブラボー。よかった。フライングなかった。よかった…。圧倒されたシベ5でした。
 やっぱりノリのいい?仙台のお客さん。大拍手に、オラモさんは何度もカーテンコール。どこも痛いようには見えず…。でも、ツアーはまだ前半戦なので、どうぞ無理はしないでお大事にしてください…(ツアー後半には、マーラー5番も控えていますし)。何度もリーダーのブライアントさんと握手をしたり、楽団員を立たせて挨拶したり。ソロを担当したファゴットさん、金管、全員という形で立たせていました。左胸に手を当ててお辞儀するオラモさん…ラストナイトそのまんまだ!w
 盛大な拍手に応えてアンコール。オラモさんのアンコールのコールが、これもまたラストナイトっぽいw

・シベリウス:ペレアスとメリザンド op.46 第7曲:間奏曲
 「ペレアスとメリザンド」!なかなか演奏されないけど、アンコールにいい曲ですね!かわいらしい、牧歌的な曲。BBC響の明るい、朗らかな、のびのびとした音が全開でした。シベリウスを続けて聴けるなんて嬉しい。
 アンコールの後もまだまだ大拍手は続きます。何と、もう1曲演奏してくださいました!

・シベリウス:アンダンテ・フェスティーヴォ JS 34b
 「アンダンテ・フェスティーヴォ」!!シベリウスもう1曲、5番と合わせたら3曲!!もうたまりません。爽やかで滑らかな弦楽合奏、本当に美しかった。ふっと溜めを入れるのもいい。最後はティンパニも入って荘厳に。この曲を聴けるのは本当に嬉しい。ありがとうございます!Kiitos!!
 「アンダンテ・フェスティーヴォ」を生で聴いたのは2度目。前回は、ストルゴーズ指揮N響。
・2015年、オールベートーヴェンプログラムのアンコールでした:フィンランド人指揮者でベートーヴェン+α N響演奏会に行ってきた
 どちらも、指揮はフィンランド人で、公共放送のオーケストラで、アンコールで…何だこの共通点。

 アンコール2曲は、指揮棒なし。やはり、やわらかでしなやかな指揮でした。あまりにも拍手が続くせいか、オラモさんがブライアントさんを促して一緒に退場、楽団員さんたちも退場。退場の際も、まだ拍手が続いているところもありました。太っ腹アンコールにも本当に大満足です。遠征して本当によかった。最高でした。演奏会、堪能しました。
 あたたかく、朗らかで、のびのびしてて、決めるところはバシッと決めて、BBCSO,とても素敵なオーケストラだと実感しました。オラモさんとの息もぴったりで。いいコンビです。
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 アンコールの掲示。手書きの「ペレアスとメリザンド」は急遽決まったのかな?

 思ったのが、イズミティ21のホール、ステージは、BBC響には小さいなということ。シベリウスでも、編成は小さいですが、よく鳴っていました。オーケストラの個性に対して、箱が小さい。やっぱり、ロイヤル・アルバート・ホール(RAH)の大きなホール、ステージのイメージが強いですし、この鳴りは、RAHで演奏しているオーケストラなんだなといい意味で実感しました。普段の本拠地のバービカン・センターはどうなんだろう?バービカンセンターでの演奏会の映像を観たことがないのでなんとも言えず。BBCは、音声はネットで日本からも聴けますが、映像はない。テレビ収録もすればいいのになぁ…と思いました。でも、放送、オンデマンドはイギリス国内限定なんだろうな…きっと…。やっぱりラストナイトしかないのか…?
 今後、BBC響を聴くのが楽しみになりました。普段のバービカンセンターでも、プロムスでも。今年のプロムスのプログラムは、4月19日発表です。楽しみです!

 オラモさんとBBC響のツアーはまだまだ続きます。全10公演(8公演+クローズド2公演)。長いですが、盛況になりますように。

 11日は東京、サントリーホールでのコンサートですが、そのコンサートがNHKFMで放送予定です。
NHKFM:ベストオブクラシック:3月19日:BBC交響楽団 演奏会
 3月19日、夜7時30分から。
 プログラムは、ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番(小菅優)、マーラー:交響曲第5番。
 このプログラムも聴きたいと思っていたので、放送は嬉しいです。しかも、演奏会から約1週間後に放送…こんな早く放送するのはなかなか珍しい。
※ラフマニノフは第3楽章のみの放送です。アンコールも、「アンダンテ・フェスティーヴォ」のみ(小菅さんのソロアンコール、ラフマニノフ「リラの花」と、オーケストラアンコール2曲目「ペレアスとメリザンド」間奏曲は省略…)。時間が足りない…。完全版はBBC radio3でそのうち放送でしょうか。待ちます。
 でも、この来日はフジテレビが主催…東芝がアレなので、NHKに放送権売ったとか?むしろ大歓迎です。
 あと、BBCはBBCのオーケストラの海外公演もradio3で後ほど放送するのですが、この日本ツアーも放送されるだろうか。このサントリーホール公演は放送されるはず。他のAプログラム(ブラームス1番)、このBプログラム(シベリウス5番)も、どこかで収録していればいいのですが…。
【追記 180308】
 BBC radio3で、広島公演(ブリテン、チャイコフスキー、シベリウス)の模様が放送されました。早いよ!まだBBC響はツアー中だよ!
BBC radio3 : Radio 3 in Concert : BBC Symphony Orchestra's Japan Tour 2018 - Ueno Gakuen Hall, Hiroshima
 30日間オンデマンド配信してます。期間中はいつでも何度でも聴けます。スマートフォンからは、「BBC iPlayer Radio」をダウンロードして聴いてください。
 演奏だけでなく、休憩中には、広島の街中の音、平和記念公園、広島交響楽団のことも紹介されました。あと、BBC響の日本人楽団員、フルートの向井知香さんのインタビューもあります。広島公演は仙台と同じプログラムですが、ポゴストキーナさんのソリストアンコールがない、オーケストラアンコールは「アンダンテ・フェスティーヴォ」だけという違いがありました。仙台もよかったけど、同じプログラムでも違う公演地の様子も聴けるのは嬉しいです。

 NHKFMでの東京公演の放送の前に、BBC radio3にこんなのがありました。
BBC radio3 : Through the Night : BBC Proms 2016: Sakari Oramo conducts Mahler and Haydn symphonies
 2016年のプロムスの再放送です。オラモさんとBBC響のマーラー5番です。一昨年の演奏と、今年の日本ツアーでの演奏に違いはあるのか。聴き比べてみるのも面白いと思います。
 ちなみに、これが放送されたのは、東京公演の数時間前。BBCさん、わかって放送したのか、どうなのか…。

【追記 20180501】
 BBC radio3にて、残りのAプログラム(川崎 ミューザ)、Cプログラム(東京 サントトリーホール)の録音が放送されました。以下からどうぞ。オンデマンド配信は放送から30日間。
BBC radio3 : Afternoon Concert : BBC Symphony Orchestra
 ミューザ川崎でのAプログラム。ブリテン:「ピーター・グライムズ」より 4つの海の間奏曲 パッサカリア、チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調(Vn:アリーナ・ポゴストキーナ)、ブラームス:交響曲第1番
 ブラームスだけが既に放送、配信した広島でのBプログラム(私が聴いた仙台も)ですが、被るブリテンとチャイコフスキーも放送しています。広島ではなかったポゴストキーナさんのアンコール「なつかしい土地の思い出」より「メロディ」はありますね。オーケストラアンコールはシベリウス:ペレアスとメリザンド より「間奏曲」

BBC radio3 : Afternoon Concert : BBC Symphony Orchestra
 東京、サントリーホールでのCプログラム。ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調(P:小菅優)、マーラー:交響曲第5番。この演奏会は、NHKFMで放送されましたが、放送時間に収まらずラフマニノフは3楽章のみでした。今度はフルで聴けます。マーラーももう一度。小菅さんのソロアンコールのラフマニノフ「リラの花」、オーケストラアンコールの「アンダンテ・フェスティーヴォ」も入ってます。「アンダンテ・フェスティーヴォ」は何度聴いてもじわじわ来ます。

 この2つの録音を聴いて、ミューザ川崎と、サントリーホール、響き方が違うなと感じました。くっきりしてるのはミューザ?サントリーホールはやわらかい?どちらも行ったことはない。実際に行って、生で聴いてみたいです。




【プロムス ラストナイト過去記事】
・2014:こんなクラシックコンサート観たことない! 「Proms(プロムス)」ラストナイトコンサート2014
2015はNHKが放送せず、観られず。
・2016:一緒に音楽を楽しもう Proms(プロムス)2016 ラスト・ナイト・コンサート
・2017:クラシック音楽の最前線で BBC Proms(プロムス) ラスト・ナイト 2017 まとめ
Promsタグで、このブログの、ラストナイト以外のBBC Proms関連記事を読めます。毎年の注目公演など。

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by halca-kaukana057 | 2018-03-06 21:45 | 音楽


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