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カテゴリ:宇宙・天文( 575 )

ISSと夏の小さな星座たち

 今度の20日はアポロ11号の月面着陸から50年。記念の特集が様々なメディアで組まれています。明日が満月で部分月食があります(九州・沖縄、中国地方と四国の一部で満月が欠けたまま沈みます。それより東の地域では見られません)。今夜は満月直前の大きな月がきれいに見えています。1969年7月20日の月齢を調べてみたら、5.5、ほぼ半月。月を見て、その月に初めて人類が降り立つのを、地上の人々はどんな気持ちで見ていたのだろう。まだ生まれていなかった私は、当時の記録を見たり聞いたり読んだり、想像するしかありません。でも、今、「はやぶさ2」が小惑星リュウグウにタッチダウンするのをワクワク、緊張しながら応援しているのを思うと、同じような気持ちだったのかな、と思います。

 今、人類は国際宇宙ステーションで長期滞在し、微小重力下で様々な実験をしています。そのISSを久々に見られました。ほぼ満月の光にも負けず、明るく輝いて飛んでいきました。

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 久々に解説を入れてみました。というのは、見どころがあちこちにあるから。
 ISSの軌跡のすぐ上、細長いY字の星の並びが横になっています。これが「や座」。矢座です。矢を放つ「いて座」は南の空、天の川の中にありますが、矢座は夏の大三角の中にあります。
 ISSの下に小さなひし形の星座があります。これが「いるか座」。特に好きな星座のひとつです。とても可愛らしい星座です。夏の小さな星座が2つも撮影できて嬉しい。
 わし座の一等星、彦星・アルタイルに、はくちょう座のくちばしの二重星・アルビレオも写っています。ああ望遠鏡を向けたい。アルビレオの2つの星の青とオレンジの色の対比を観たい。ISSの軌跡の辺りにはこぎつね座があるのですが、暗くて星の並びがよくわかりません…。

 南の空には木星が明るく輝いています。月がとても明るいですが、そのすぐそばにぽつんと星が。土星です。今年の夏もこの2惑星が見頃です。こっちも望遠鏡を向けたい(土星は月明かりが邪魔でうまく見られなさそう)。
by halca-kaukana057 | 2019-07-16 21:58 | 宇宙・天文
 今日もこのニュースで持ちきりです。

JAXA:小惑星探査機「はやぶさ2」第2回目タッチダウン成功について

NHK:はやぶさ2 着陸成功 世界初のミッションで
NHK:はやぶさ2 研究総主幹「大成功と言っていい」
はやぶさ2 着陸に成功 「この喜び皆さんと」

毎日新聞:「100点満点の1000点」 はやぶさ2成功で関係者喜びの会見
 津田先生はじめ、プロジェクトチームの皆さんの笑顔が本当に晴れやかでいい。おめでとうございます!!着陸運用の前に、「はやぶさ2にリュウグウをもう一度触らせてあげたい」という津田先生の言葉が印象的でした。もう一度触れたよ!


アストロアーツ:「はやぶさ2」2回目のタッチダウンに向け降下中
 今回のタッチダウンは、4月にインパクタをぶつけて作ったクレーターの縁のあたりにタッチダウンし、1度目と同じようにサンプルを採取します。1度目のタッチダウンの際舞い上がった小石や塵が、光学カメラについてしまった。カメラをきれいに拭くワイパーやブラシはありません。これは考えてなかった…。カメラの性能が低下してしまったため、前回よりも低い高度で水平移動しターゲットマーカーを探します。
 2回目のタッチダウンを行うか。プロジェクトチームもかなり悩み、議論を重ねたそう。「はやぶさ2」は既に1回目のタッチダウンでサンプルを手に入れている。リュウグウはゴツゴツの岩だらけで、機体を損傷する危険性がある。機体を損傷したら帰還できなくなるかもしれない。なら、安全な方をとって2度目のタッチダウンは行わなくてもいいのではないか…。私も心配しました。が、プロジェクトチームは2度目のタッチダウンを行うと決めました。ならば、私は応援するしかありません。

 昨日の午前10時過ぎから降下開始。タッチダウンは今日の午前10時過ぎ。生中継は見られなかったので、そろそろかな…と時計を見ながら心の中で応援していました。11時前に携帯をチェックできる時間があったのでチェックしてみたら、タッチダウン成功、と。管制室の拍手によかった、よかった…本当におめでとうございます!


NHK:はやぶさ2 着陸の画像を公開 JAXA
 タッチダウンの際、小型モニタカメラ(CAM-H)で撮影した画像が届きました。もう届いたのか!まだホームポジションに戻ってないのに。早いよ!!
 タッチダウン4秒前、タッチダウンの瞬間、タッチダウン4秒後の3枚。今回も迫力のある画像です。タッチダウン前の画像を見ると、やはりここもゴツゴツしています。タッチダウン後、小石が舞い上がる…1回目のタッチダウンのものと比べると、粒が小さめで白っぽい印象。人工クレーターの内部の岩石だからなのか、リュウグウの位置によって岩石のタイプが違うのか。帰還後に1回目と2回目のサンプルを比較するのが楽しみになります。

 今回、ちょっと思ったのが、せっかくインパクタでクレーターを作ったのに、何故クレーターの中に降りないのか?縁にもインパクタをぶつけた際に吹き飛んで積もった内部の岩石があるので、縁の部分にタッチダウンする…のは理解できるのですが、クレーターの中ならもっと深いところのサンプルが採れるのでは?
 この答えは、今日の管制室生中継にありました。
小惑星探査機「はやぶさ2」の小惑星リュウグウへの第2回タッチダウン運用(19/7/11)ライブ配信

 1時間13分ごろです。ツイッターで寄せられた質問に答えているのですが、その質問の中に同じ質問がありました。答えは、危ないから。リュウグウは岩がゴロゴロ、ゴツゴツした地形。クレーターの深いところに降りると、「はやぶさ2」の太陽電池パネルがぶつかってしまうおそれがある。光学カメラも完全ではない状態、何が起こるかわからない。安全な道を通りつつも、でも挑戦はする。初代だけでなく、1度目のタッチダウンからも変更、進化させたところもあります。安定しているのに、冒険をしている。不思議な感じです。

 「はやぶさ2」の大きなミッションはクリアしました。あとは小型ローバーの分離などをして、11月ごろリュウグウの軌道を離れ帰途につきます。帰還するまでがミッション。今後もご安全に!

 あ、シュークリーム買ってくるの忘れた。明日買って食べよう。(1度目のタッチダウン記事参照)

 おまけ。フィンランド語で「はやぶさ2」の記事を読んでみよう。
Helsingin Sanomat : Hayabusa 2 -avaruusluotain laskeutui onnistuneesti asteroidin pinnalle
 フィンランドの最大手紙、ヘルシンギン・サノマット紙の記事です。


【はやぶさ2 過去記事】
受け継いだものと新しい試み しつこく徹底的に 祝! 「はやぶさ2」リュウグウにタッチダウン成功!
タッチダウン、舞い上がる「はやぶさ2」
リュウグウにクレーターを作れ 「はやぶさ2」の新たな挑戦
by halca-kaukana057 | 2019-07-11 22:59 | 宇宙・天文

ISSと春の星座

 数日前に撮ったISSの画像を何枚か。

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 ISSの軌跡の右側(北)に北斗七星が。ISSも長い時間撮影できました。とても明るかったのではっきり写っています。

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 ISSの画像としては失敗です。見切れてる。ISSはうまく撮影できなかったですが、画像の真ん中、Cを裏返した星の並びがわかるでしょうか。かんむり座です。小さな星座ですが、星の並びはわかりやすいです。好きな星座のひとつです。
 ギリシア神話では、クレタ島の女王アリアドネが結婚の際に贈られた冠とされています。アラビアでは、欠けた皿に見えていたそうです。シベリウアではホッキョクグマの足。ドイツでは花輪。アボリジニはブーメラン…世界各地で色んな形に見られていた星座です。
 昨年のNHKラジオ第1、「夏休みこども科学電話相談」で、「からあげ座を作りたい」という質問?がありました。答えたのはコスモプラネタリウム渋谷の永田美絵先生。星を自由につないで、自分だけの好きな星座を作ってもいいんだよという答えで、からあげ座を作るなら、このかんむり座の形が似ているのではないかな、と。かんむり座を見て、そのからあげ座のことを思い出しました。
 画像の右上の明るいオレンジ色の星は、うしかい座のアルクトゥールス。春の星空の一等星のひとつです。

 梅雨入りする前に、たくさん星見したいです。
by halca-kaukana057 | 2019-06-05 22:07 | 宇宙・天文
 夏至が近づくと、ISS・国際宇宙ステーションの可視パスの機会が増えてきます。先日から見頃だったのですが、なかなかタイミングやお天気が合わず。今日、ようやく合いました。

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 ISSが天頂方向へ昇りながら(画像の下から上へ進んでいます)、影に入り見えなくなったところを撮影できました。このすーっと消えゆくISSの軌跡が撮影できるととても嬉しいです。ISSの左側(南)には、北斗七星のひしゃくの部分も写っています。
 この前も見えていて、撮影もしていたのですが、カメラの角度が合ってなかった…失敗写真でお蔵入り。
 ISSが見えている途中、ISSの近くでパッと明るい発光がありました。ISSとは別のもの。何だったんだろう…。何かの人工衛星のフレアか(でも、フレアの前の軌跡は見えていなかった)、流星か、飛行機か何かか、はたまた…。

 今日のISSは西の空に見えていたのですが、同じ西側の空には、しし座が見えていました。春の星座の代表のしし座。もう西の空に傾く季節になってしまいました。もうすぐ6月。星空は夏の星座に切り替わろうとしています。


 宇宙関連の話題がいくつかあります。まず、NASAが火星ローバーに名前を載せようというキャンペーンをやっています。
sorae:あなたの名前が火星へ!NASAが火星探査車「マーズ2020」に乗せる名前を世界中から募集
 NASAが来年打ち上げる予定の火星探査ローバー「マーズ2020」.このローバーには無人ヘリコプターも搭載されます。このローバーに搭載される小さな小さなシリコンチップに、送られた名前を刻みます。
 記入出来るのは、ファーストネーム、姓(Last Name)(アルファベットのみ)、国、郵便番号、メールアドレス。メールアドレスを登録すると、他の名前を登録したミッションを確認できるようになるらしいです。
 名前を登録すると、搭乗券の画像をダウンロードできます。
 この手の名前応募に今まで一体いくつ応募したのか…覚えてませんw


 現在進行形の小惑星探査機「はやぶさ2」も、今日、先月作った人工クレーターへのタッチダウンに向けて、降下し、目印となる2個目のターゲットマーカーを投下、成功しました。この辺りは正式なプレスリリースが出てからもう一度。このターゲットマーカーにも私の名前が載せてあります。全てのターゲットマーカーに名前は載せてあるそうで、これで2個目です。
by halca-kaukana057 | 2019-05-30 22:42 | 宇宙・天文

初夏のさそり座

 昨日寝る前、晴れていたので夜空を眺めていました。東の空からは、もうこと座のベガが昇ってきています。南東の空に目をやると、この星座が見えました。
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 夏の星座の代表のひとつ、さそり座です。オレンジ色のアンタレスが目立っています。アンタレスの上下に星がひとつずつ。上の星をさらに上に伸ばしていくと、横に並んだ3つの星にぶつかります。ここがサソリのはさみの部分。さそり座の形が釣り針に見えることから「ウオツリボシ」「タイツリボシ」「ツリボシ」などと呼ぶ方言もあります。が、この画像では釣り針の下の曲がった針の部分は見えません。

 さそり座を見て、もうさそり座が見えるのか!と思いました。夏の夜明け前にオリオン座を見た時のような気持ち。でも、もう初夏。夏はじきにやってきます。星空を見ていると、季節は確実に巡るのだと感じます。
 こんなことを書いていて、何となく思い出したのが、My Little Loverの「Hello, Again」の歌詞。「夜の間でさえ 季節は変わって行く」

 このさそり座の左側、アンタレスより少し低い位置に木星が位置しているはずです。が、この画像では雲に隠れて見えません。残念。

【追記】
 翌日は晴れて、木星も見えました。
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 空が明るく、暗い星が見えないのが残念。ベストな画像はなかなか撮れません…
by halca-kaukana057 | 2019-05-08 21:12 | 宇宙・天文
 このニュースを読む度にとても興奮しています。昨日放送された「コズミックフロント☆NEXT」も観ました。
国立天文台:史上初、ブラックホールの撮影に成功 ― 地球サイズの電波望遠鏡で、楕円銀河M87に潜む巨大ブラックホールに迫る
アルマ望遠鏡:史上初、ブラックホールの撮影に成功 ― 地球サイズの電波望遠鏡で、楕円銀河M87に潜む巨大ブラックホールに迫る
EHT-Japan:史上初、ブラックホールの撮影に成功! 地球サイズの電波望遠鏡で、楕円銀河M87に潜むブラックホールに迫る

NHK:世界初 ブラックホールの輪郭撮影に成功
史上初、ブラックホールの撮影に成功!

sorae:人類が新たに開いた扉。「ブラックホールの直接撮影」に成功。”シャドウ”を捉える
毎日新聞:究極の「目」、視力300万の解像力 電波望遠鏡6カ所連携 ブラックホール初撮影

国立天文台:(プレスキット)史上初、ブラックホールの撮影に成功:画像
  ↑このページの一番下にある、解説漫画がとてもわかりやすくて面白いです。あの画像、どう見てもドーナツ…ということで、登場するキャラクター、研究者たちが皆ドーナツを持っているwドーナツが食べたくなったじゃないかwニュースを見た翌日、買っちゃいましたよ食べちゃいましたよドーナツw

 「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)」プロジェクトについて知ったのはこの記事、最近のことでした。
sorae:ついにその影を掴んだか!?ブラックホールに関する観測成果を4月10日に発表

 本にもネットにも当たり前のように書いてあり、天文学者も当たり前のように口にしている「ブラックホール」という言葉。電波望遠鏡での観測や、ブラックホール同士が衝突して重力波を観測した、というニュースもあり、ブラックホールの存在は確認、証明されているんじゃないの?と思っていました。でも、違った。勉強不足でした。ブラックホール「の存在を示すと考えられているクエーサー」、「から飛び出すジェット」で、間接的にブラックホールがあるのではないか、ということをこれまで観測してきたのです。私のこのブログの過去記事を書き直さねばならぬかもしれん…。
 
 今回、EHTプロジェクトが目指すのは、「事象の地平線」を観測すること。ブラックホールは光をも飲み込んでしまうため、光(電磁波)でそのものは観測できません。その光が脱出できない半径ギリギリの面のことを「事象の地平線」と呼び、事象の地平線の外側には強い重力によって高温になったガスなどがあり、それを電波観測できれば、ブラックホールの輪郭、影も観測できるのではないか。それを目指します。そのためには、高解像度の電波望遠鏡が必要。ブラックホールは意外とコンパクトな天体で、月面にあるテニスボールを見分けられる程度の解像度が必要。現在世界最強のアルマ(ALMA)望遠鏡だけでは足りません。いくつかの電波望遠鏡を組み合わせれば、より大きい=解像度の高い架空の電波望遠鏡で観測することができる、電波望遠鏡の特性(VLBI:超長基線電波干渉計)を利用して観測します。

 そして、一昨日発表された、上記リンク先のニュースの数々。今まで観測されてきたブラックホールのジェットやクェーサーの画像とは違います。丸いリングに、黒くぽっかりと開いた穴。この暗い穴がブラックホールの影、縁の部分。リングの部分は、事象の地平線の外側にある高温のガスです。
 電波望遠鏡での観測は、可視光のように天体の姿が見たまま見えるわけではありません。膨大な観測データを計算して、画像に処理します。今回はVLBIを使って地球サイズの電波望遠鏡として観測しましたが、電波望遠鏡の間の部分は観測できていない。その数値を補う必要もあります。その画像に処理する様子が昨日の「コズミックフロント」で放送されましたが、なかなか思ったとおりの画像にならず苦戦。この画像に至るまでは本当に大変だったんだなと思いました。

 今回観測したのはおとめ座にあるM87銀河。もうひとつ、天の川銀河の中心にあるブラックホールも観測しています。その観測結果は追って発表とのこと。楽しみです。


 このニュースを見ていて、嬉しかったのがVLBIという言葉が一般のニュースに大々的に出てきたこと。可視光、赤外線、X線など様々なタイプの望遠鏡があり、それぞれ見えるもの、観測できるものが違います。個性が違う。電波も、その他の波長とは違うものを観測することが出来る。そして、電波望遠鏡にはいくつかの電波望遠鏡を組み合わせて、その分の大きさの仮想の望遠鏡を作ることが出来るという仕組みがある。ALMA望遠鏡は66基もの電波望遠鏡が並んでいる。ALMA望遠鏡ができたことで、電波観測は一気に飛躍しました。EHTプロジェクトも、ALMA望遠鏡ができたからこそ実現できた(ちなみに、日本の電波望遠鏡が参加しなかったのは、ALMA望遠鏡のあるチリとは地球の反対側にあるため)。

 そして、VLBIと聞くと、あの電波望遠鏡を思い出さずにはいられません。宇宙電波望遠鏡衛星「はるか」(MUSES-B)。今回は地球サイズの電波望遠鏡を作ってしまおうというプロジェクトでしたが、電波望遠鏡が遠くにあればあるほど、もっと大きな、解像度の高い電波望遠鏡を作ってしまえる。ならば、宇宙に電波望遠鏡を打ち上げてしまえばいいじゃないか!!ということで始まったのが、「スペースVLBI(VSOP)」プロジェクト。その技術を実証するために、「はるか」は打ち上げられました。実際に、世界各地の電波望遠鏡と協力して様々な観測を行いました。今回観測したM87銀河のブラックホールから出るジェットも詳しく観測しました。
ISASニュース 1999.8 No.221 「はるか」特集号
 「はるか」は私が特に、一番大好きな衛星。何度も書いてますが、私のハンドルネールはこの「はるか」に由来しています。その位好きです。お花のようなアンテナが個性的で美しい衛星でもあります。
 「はるか」は2005年11月30日に運用を終了しました。「はるか」で実証された技術は、後継機の「ASTRO-G」に引き継がれる予定でした。しかし、電波望遠鏡として機能するアンテナの開発が難航、予算もなくなり、計画は中止になりました。この中止になった時は非常に残念に思いました。

 もし、今回のEHTプロジェクトに「はるか」の後継機が参加できていたら、もっと解像度の高い画像になっただろうに…。現在のEHTプロジェクトの解像度では、比較的地球に近い大きなブラックホールのM87と天の川銀河のブラックホールしか観測できません。プロジェクトチームの記者会見で、今後はもっと解像度を上げたいとありましたが、そのためには電波望遠鏡を宇宙や月に持っていく必要があります。現在、宇宙にある電波望遠鏡は、ロシアの「ラジオアストロン」。しかし、不具合が起きてしまっています。これを機に、もう一度、VSOP計画が復活しないかと思っています。技術的に困難だから仕方がないと、あの時は中止になりました。中止は2011年の話。現在、技術はもっと進歩しているかもしれない…楽観的過ぎるかな…。
 でも、EHTプロジェクトもここで止まってしまうのはもったいないと思います。時間はかかりますが、人類が開いた宇宙への扉を、ここまでで終わりにはしたくありません…。重力波観測と同じように、ブラックホール観測もさらに推し進めて行って欲しい。そのために、VSOP計画が復活してほしい…。そう願うばかりです。

◇ASTRO-Gについてはこのページをどうぞ:JAXA: 特集:果てしない宇宙の謎にせまる ~日本が誇る天文観測衛星の成果と未来~:活動銀河核の真の姿を見てみたい

【「はるか」「ASTRO-G」過去記事】
電波天文観測衛星「はるか」に想う
  ↑「はるか」について拙いですが解説した記事です。

無念… 電波天文衛星「ASTRO-G」開発中止
2月12日は「はるか」記念日
こことは違う世界に出会う時 読んだ本2冊
超巨大ブラックホールに迫る 「はるか」が創った3万kmの瞳
  ↑「はるか」VSOPプロジェクトの集大成として出た本です。この本はおすすめです。
by halca-kaukana057 | 2019-04-12 22:39 | 宇宙・天文
 小惑星探査機「はやぶさ2」の運用は続いています。ニュースの通り、今度は人工のクレーターを作るミッションです。

アストロアーツ:「はやぶさ2」いよいよ明日正午前に人工クレーター実験
 クレーターを作る際の詳しい手順の図解があります(JAXA作成)。リュウグウに降下していき、高度500mでインパクタ(SCI)を分離します。分離したら水平に移動、リュウグウの影にかくれるように降下していきます。その途中、インパクタ分離から18分後に小型分離カメラ(DCAM3)を分離。このDCAM3が、クレーター作成の際の画像を撮影します。はやぶさ2本体は、クレーター作成の際に飛び散る岩石などがぶつかって破損しないように、リュウグウの影に隠れています。インパクタを分離してから40分後にインパクタが爆発。中に入っている金属の板が、衝撃で球状になり、リュウグウの表面に激突、クレーターができます。

JAXA:小惑星探査機「はやぶさ2」衝突装置の運用状況について
 10時56分ごろの画像です。機体から離れて降下していくインパクタが確認できます。

JAXA:小惑星探査機「はやぶさ2」衝突装置の作動の確認について
 DCAM3からの画像がもう届きました。明日になる予定のはずだったのに!リュウグウから、V字状に何かが吹き出ているのがわかります。インパクタが爆発した時間、11時36分の画像です。無事にクレーターを作れた模様です。おめでとうございます!はやぶさ2の無事も確認されています。
 はやぶさ2はまずリュウグウの上空20kmの「ホームポジション」という位置に戻ります。その後、降下し、クレーターの露出した内部を観測します。そして、再びタッチダウンを行います。宇宙放射線にさらされていない、リュウグウ内部のサンプルを採取できると期待されています。

NHK:はやぶさ2 人工クレーター実験に成功 JAXA

 今回のミッションは初代はやぶさにはなかったもの。過去には2005年に、NASAの探査機「ディープインパクト」がテンペル第1彗星に衝突体をぶつけ、クレーターができた様子を観測するミッションを行っています。しかし、クレーターができた後、近寄って観測、タッチダウンしてサンプル採取することは世界初のミッション。先日、リュウグウの岩石は含水鉱物だとはやぶさ2の観測でわかりました。1回目のタッチダウンで採取できたであろうサンプルと比べることもできます。2度目のタッチダウンも楽しみです。

 クレーターができた際の画像は小さいですが、岩石がV字のように噴出しているのが確認できます。しかし、右側ははっきり見えますが、左側は小さい。この理由は今後、はやぶさ2が近くでクレーターを観測すればわかるかもしれません。リュウグウは非常にデコボコ、ゴツゴツしている小惑星。先日のNHKスペシャルで、実物大のリュウグウ表面を再現した画像が、どれだけゴツゴツ岩だらけなのかがわかりやすかった。その岩だらけのせいでクレーターにも影響したのかも?(私の予想です)。
 きれいにクレーターができていることを祈るばかりです。クレーターができても岩だらけでタッチダウンの場所に再び困ることになったら嫌だなぁ…。

 本当に画像も撮れた。難しいミッションでしたが、またしても難なく成功させました。おめでとうございます!2回目のタッチダウンはもちろんのこと、今後のミッションが滞りなく進みますように!

 前回、1回目のタッチダウンではお祝いにリュウグウの形のような?シュークリームを食べましたが、今回は何も用意してなかった…。炭酸飲料を飲みながらこの記事を書いていますが…インパクタのような刺激のある…ってことでいいでしょうか…(苦しい)。
by halca-kaukana057 | 2019-04-05 22:05 | 宇宙・天文
 体調がいまいちだったので出遅れましたが、一昨日の記録をしておこうと思います。

ファン!ファン!JAXA:「はやぶさ2」が着地に挑戦!! 【その4】~「はやぶさ2」搭載小型モニタカメラ撮影映像を公開~

アストロアーツ:岩石が舞い上がる「はやぶさ2」着陸動画を公開

「はやぶさ2」搭載小型モニタカメラ撮影映像 / Hayabusa2 Touch down movie


 先日、小惑星リュウグウにタッチダウン成功した「はやぶさ2」。タッチダウン時の画像が送られてきました。撮影したのは、小型モニタカメラ(CAM-H)で1秒おきに撮影した画像を繋げて動画にしました。

 この動画を観た瞬間、「すごい!!」という言葉しか出なかった。「はやぶさ2」に乗れるなら、きっとこんな風に観られるに違いない。徐々に近づくリュウグウの表面、タッチダウンし、上昇するとともに石や砂がふわっと舞い上がる。タッチダウンの瞬間、サンプラーホーンが揺れていて、もし音が聞こえるならゴツンとか聞こえただろうか(真空の宇宙空間なので音は伝わらない)。舞い上がる石や砂の浮遊感が印象的で何度も観てしまいます。リュウグウの微小重力がわかります。
 これは確かにタッチダウンに成功した証拠の画像でもあるし、今まで一番近くでリュウグウの表面を撮影した画像でもある。リュウグウの表面から舞い上がる石や砂は、平らなように見える。太陽光や宇宙線で風化しているのだろうか。あらゆる意味で「すごい!!」としか言いようがありません。

 このCAM-Hは、JAXAへの寄附金によって製作、取り付けられました。私も微力ながら送りました。元々はサンプラーホーンの異常がないか確認するためのもの。そのカメラが、こんな素晴らしい画像を撮影してくれました。嬉しいの一言です。少しでも力になれて嬉しいです。
◇寄附金は現在も募集中です:JAXA:寄附金

 「はやぶさ2」の次のミッションは、インパクタ(衝突装置)で人工クレーターを作り、そこにタッチダウンしてサンプル採取すること。表面とは違う、リュウグウ内部のサンプルが採れると期待されています。インパクタでクレーターを作った後、すぐにタッチダウンするのかと思いきや、予定では4月初めにインパクタを衝突させ、その後地形を確認しタッチダウン地点を決めて、5月にタッチダウンとのこと。すぐにタッチダウンしないと内部も太陽光や宇宙線に晒されてしまうのではと思うのだが、リュウグウの地形を考えると慎重に行った方がよさそう。インパクタは初めての試み。楽しみです。

・過去記事:受け継いだものと新しい試み しつこく徹底的に 祝! 「はやぶさ2」リュウグウにタッチダウン成功!
・寄附について:JAXAに直接応援を
         ↑国立天文台への寄附についても書いてあります
by halca-kaukana057 | 2019-03-07 22:36 | 宇宙・天文
 ここ数日、天候が安定していて、暖かい日が続いています。少し前はとても寒くて、雪もどっさり降ったのに。その雪もどんどん解けています。
 夜は星空を楽しめます。昨日今日の星空です。

 昨日は、夜に東の空から月が昇ってきていました。黄色の、レモンみたいな形の月。とても印象的でした。
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 普段とは違う感じでオリオン座、冬の大三角を撮ってみた。

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 こちらは今日のオリオン座。いつもと同じように撮っています。北の空には、北斗七星も見え始めました。北斗七星を見ると春が近いのだなと思います。

 星空を見ていると、「はやぶさ2」がんばれ、と思ってしまっています。「はやぶさ2」がタッチダウンした日の星空は、きれいな星空でした。
by halca-kaukana057 | 2019-02-22 22:59 | 宇宙・天文
 もう今日はこのニュースで持ちきりです。

JAXA : 小惑星探査機「はやぶさ2」第1回目タッチダウン成功について
JAXA : ISAS 宇宙科学研究所 : 2019年2月22日小惑星探査機「はやぶさ2」第1回目タッチダウン成功について

アストロアーツ:「はやぶさ2」、リュウグウ地表にタッチダウン成功!
マイナビニュース : 「人類の手が新しい小さな星に届いた」 - はやぶさ2の津田プロマネが会見
NHK : 【確定版】JAXA会見「タッチダウンに成功」
NHK : 【確定版】JAXA会見「人類の手 新しい星に届いた」

 小惑星探査機「はやぶさ2」の小惑星「リュウグウ」へのタッチダウン。リュウグウが予想以上に岩だらけでゴツゴツしており、タッチダウン地点を選ぶのに時間がかかり、今日のタッチダウンになりました。
JAXA:はやぶさ2プロジェクト : タッチダウン地点
 この記事に、タッチダウン地点選定の過程が書かれています。リュウグウの地表の様子を3D動画にしたものもあります。本当に岩だらけです。その中から、目印となるターゲットマーカーを落としたところに近く、平らに近い場所「L08-E1」地点にタッチダウンすることを決めました。

アストロアーツ : 「はやぶさ2」降下を開始、明朝8時着陸へ
 タッチダウンの際、「ピンポイントタッチダウン」という新しい方法をとりました。初代「はやぶさ」では、レーダーのデータやターゲットマーカーにフラッシュを当てて、その光の反射で位置を確認しながら降りていきました。今回「はやぶさ2」では、カメラでターゲットマーカーを捕捉し、姿勢を傾けながら水平移動、そして目標の地点へ着陸します。「はやぶさ2」が自律的に考えて動き、少しでも異常があれば下降をやめ上昇します。タッチダウン計画運用の図を見た際、なんて難しい着陸方法なんだと思いました。

 でも、はやぶさ2管制チームは周囲の岩や石の大きさも全て調べ、何度もシュミレーションし、とにかく議論し、最後の最後まで確認して(そのため、当初下降開始予定から5時間遅れて下降開始しました。予定していたプログラムと違うプログラムがあり、それを修正していたそうです)、徹底的に準備をした。タッチダウン後の記者会見で、こうありました。
「今回の運用が成功したのは、チーム全体のしつこさが実ったからだと思っている。到着前には仮想のリュウグウを使ってしつこく訓練をして、上空ではリュウグウ全体を観測し、着陸地点についても岩の高さや数も調べた。この4か月間、非常にしつこいほど議論をして、直前まで確認を進めるというしつこさが、今回の成功に結び付いたと思っている。」
 「はやぶさ2」のためにしつこく、徹底的にやっていくことができる雰囲気がチーム内にある、というのがいいなと思いました。

 今朝はタッチダウンがうまくいっているのか気になって、朝の支度、家事をしながらテレビや携帯をチェックしていました。「はやぶさ2」がタッチダウンした模様と速報が入ったのが、7時半頃。あれ、予定より早いよ?と思いながら、喜んでいいんだよね…?と思っていました。実際に確認が取れるまで慎重ですw記者会見によると、「はやぶさ2」は自律的に動いているため、あくまで予想。実際にどう動くかは、「はやぶさ2」にによるとのこと。予定の時間よりも遅くスタートしたのに、予定よりも早くタッチダウンしてしまうのには驚きました。その後、タッチダウンを確認した、というニュースを見た時、ちょっと涙ぐみました。テレメトリが取れているんだよね。初代「はやぶさ」のように、不可解な動きのデータとか送られてきていないよねと思うと、すごいなぁという思いと、言葉にできない感情でいっぱいになりました。
 出先でも、宇宙好きだということをカミングアウトしていて、これまで「はやぶさ2」のことを話してきた人たちにはこちらから話さなくても、「はやぶさ2が」「リュウグウが」と話しかけられました。嬉しかったです。布教できて嬉しいw

 タッチダウンの際、気になるのがサンプラーホーンの中、岩石を砕いて石を採取するための弾丸(プロジェクタイル)が発射されたかどうか。発射の指令は出ているとのこと。また、弾丸を発射する装置の周辺の温度がふだんの温度より10度ぐらい上昇していることを示すデータを確認、着火ことを表しているとのこと。正式に弾丸が発射されたかわかるのは後日。嬉しい報せを待っています。
 弾丸は、よく見るCGではサンプラーホーンが接地して、縮んだ際に発射されています。しかし、今回は姿勢の変化で発射されたらしいとのこと。このあたりも、後に更に詳しいデータがとれると思うので楽しみにしています。

「はやぶさ2」タッチダウン運用ライブ配信
 管制室ライブ中継はYouTubeで録画を観られます。私もあまり観られなかったので嬉しい。タッチダウン成功後、笑顔で拍手、握手や抱き合うプロジェクトチームの皆さんの表情がいい。そして、こんなシーンも。
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 「初号機と違うのだよ 初号機とは!」 …某ロボットアニメのオマージュですねwひとつだけじゃない気も…。初代「はやぶさ」から関わっている方も多く、受け継いでいるものもあるし、ピンポイントタッチダウンのように新しいものもある。難しいタッチダウンをこんなにスムーズに達成した「はやぶさ2」。初代のタッチダウンは2005年。もう10年以上前です。その間の進歩です。
 このシーンは2時間19分頃から観られます。

 タッチダウン成功をお祝いしよう…「はやぶさ」シリーズと言えばリポビタンDだけど、栄養ドリンクは苦手(ノンカフェインなら大丈夫)。何かリュウグウっぽいものはないか…。これはどうだ?
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 シュークリーム。形がリュウグウっぽくないですかね?硬いパイシューならもっとゴツゴツした感じが出せたと思うのですが…。はやぶさ2トミカと一緒に記念撮影。この後美味しくいただきました。

 今後、「はやぶさ2」のタッチダウンはまだあります。目玉はインパクタ(爆破装置)で人工クレーターを作り、リュウグウ内部のサンプルを採取すること。インパクタも新しい試みです。現在リュウグウは太陽に接近しているため、6~7月までには終わらせたいとのこと。「はやぶさ2」の挑戦はまだまだ続きます。楽しみです。応援しています!

by halca-kaukana057 | 2019-02-22 22:52 | 宇宙・天文

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