カテゴリ:フィンランド・Suomi/北欧( 93 )

木造の路地を通って 「世界ふれあい街歩き」ノルウェー・ベルゲン編

 先日再放送されていたNHK「世界ふれあい街歩き」ノルウェー・ベルゲン編の録画をようやく観ました(遅い)。ベルゲンといえば、作曲家グリーグが住んだ町。グリーグの家”トロルドハウゲン”にいつか行ってみたい…と思ってはいるのですが、グリーグ以外にベルゲンには何があるのだろう。どんな街なのだろう。そんな思いで観ました。

NHK:世界ふれあい街歩き:ベルゲン~ノルウェー~

 ベルゲンはヴァイキングの時代からの港町。その後も、13世紀末、ハンザ同盟の四大重要都市として発展し、港には世界遺産でもある「ブリッゲン」と呼ばれる事務所・倉庫群が建設されました。カラフルな三角屋根の建物…観たことある。これはベルゲンにあったのか。「ブリッゲン」は木造建築。ヴァイキングたちは木を加工して船を造り、世界各地の海へ乗り込んでゆきましたが、その後もノルウェーの人々にとって木は大事で身近な資源だったのか。同じヨーロッパでも南の方では石やレンガを使いますが、北欧では木を使った建築などのものが多い。フィンランドでも同じく。ヨーロッパも広いなと感じました。

 今でも、ベルゲンに住む人々は木の家に住んでいる。そのメンテナンスも欠かさない。家にペンキを塗っている人が出てきましたが、ベルゲンではペンキ塗り屋さんに任せず、自分の家のペンキは自分で塗るのだそう。自分のことは自分でする。木の家に住むところは日本と似ていますが、こんな違いを見つけると楽しいものです。ベルゲンの人々は、ペンキ塗りが巧いのだろうなぁ。

 また、「ブリッゲン」の建物と建物の隙間の路地が気になりました。何度も火災を経験しているので、スプリンクラー設備があったり、奥のほうにはアパートがあったり。番組でも言っていましたが、平面に見えるけど実は奥が深く複雑なブリッゲン。その路地の佇まいに見入ってしまいました。船の甲板のような木の板が奥まで張られていて、階段があちらこちらにある。のぼってみると、誰かが住んでいたり、別の建物へと繋がっていたり迷路みたい。表向きはカラフルで、歴史を伝える世界遺産。でも、その奥には誰かが住んでいて、人の暮らしがある。以前、奈良の法隆寺に行った時、法隆寺のすぐそばにも住宅地があり、「世界遺産のすぐそばにも人が住んでいて、暮らしているんだ…」と感じました。それと同じことを、ブリッゲンにも感じました。ブリッゲンの歴史は約700年前で止まったわけではない。今も続いている。ハンザ同盟はなくなり、ノルウェーの国もベルゲンの街も変わってしまったけれども、人々は今もベルゲンで海とともに暮らしている。世界遺産として保存するのも大事だけど、博物館の展示物のようにガラスケースの中に入れておくのではなく、人々の暮らしの中で守りながらその歴史を残し、伝えてゆく。そんな姿勢を感じました。

 どこの国の街でも、勿論私が住んでいる土地でも、路地には惹かれます。建物と建物の隙間にある暗く細い道。何があるかわからないからこそ惹かれる。路地はロマンです。

 ベルゲンにはフロイエン山があり、そこも人の住む場所となっている。山へ向かうケーブルカーで毎日幼稚園に通うこどもたちを観て、私もいいなーと思ってしまいました。そのフロイエン山の展望台には、ケーブルカーでなくても、歩いても行ける。番組ではぶらぶらと歩きながら登っていっていました。坂道ばかりで、本当に大変そう。

 また、ベルゲンはフィヨルド観光の拠点。フィヨルドの迫力は凄いのだろうな。そして、グリーグの家・トロルドハウゲンも出てきました!しかも、グリーグ愛用のピアノで「トロルドハウゲンの婚礼の日」(「叙情小曲集」第8巻第6曲 op.65-6)を演奏したのだからたまったものじゃない。最高です!やっぱりいいなぁ、トロルドハウゲン…。

 取材した時期は白夜の季節だったので、夜遅くになってもなかなか日が暮れない。白夜…本当に不思議です。夜になっても闇が訪れない。一度体験してみたいものです。ちなみに、白夜は星も見えない。…高緯度地方に住む天文ファンは白夜の季節はどうするのだろうと疑問に思います。反対に、冬は昼間でも暗いので星が観られるのか。ただ、寒いので、防寒対策と観測機材の管理が大変そうだ…。

 歴史と、その中で続いてゆく人々の暮らし。そんなことを感じたベルゲン編でした。再放送ありがとう…(初回放送は2005年。勿論見逃したというより、番組の存在を知りませんでした。本当にありがたい。)
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by halca-kaukana057 | 2010-10-11 22:41 | フィンランド・Suomi/北欧

iittala × ペプシNEX

 先日スーパーに行き、何気なくペットボトル飲料のコーナーへ。そこで、我が目を疑いました。ご存知フィンランドのデザインテーブルウェアブランド・iittala(イッタラ)。そのイッタラのグラス・カップのミニチュアが、ペプシについている…!!思わず手に取ってしまいました。

PEPSI:CAMPAIGN:iittala KITCHEN MAGNET COLLECTION

 澄んだガラスがシンプルだけれども美しい「Kartio(カルティオ)」、ソーサー付きの「Teema(ティーマ)」、ストライプ柄がおしゃれな「Origo(オリゴ)」の3つのブランドで、4種類の色違い。計12種類。…私の心をわしづかみにしましたね、ペプシさん…。

 とりあえず、1本買ってみた。Origoのブラック。Origoシリーズはまだ買ったことが無く、また、このブラックが最も引き締まったデザインに感じたので。
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こんな感じで袋に入ってます。

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こうやって見ると、本物そっくり。実物が手元に無く、大きさ比較できないのが残念。

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イッタラの製品には「i」のマークが入っていますが、Origoは底にありました。

 これまでOrigoはあまり気にしていなかったけど、このブラックのストライプの落ち着きがいいなぁ。何色も使っているストライプなのに、派手に感じない。実物を買って使うとしたら、湯のみみたいな感じかな?

 さて、残り11種ですが、ペプシはほとんど飲まないので、どうしようか考え中。気に入ったのだけ買おうか。この1本もまだ飲まずにあります…。炭酸飲料は嫌いではないのですが、最近は暑くて麦茶かスポーツドリンクばかり飲んでます。でも、このまま放置するわけにもいかない。ここはiittalaコラボだけに、今持っているアイノ・アアルトやカルティオのグラスで飲んだら、いいかもしれない。そうしよう。

 ちなみに、マグネットなので、ホワイトボードや冷蔵庫にくっつけて使えます。デスク周りや台所が、少しおしゃれになるかも。


【過去関連記事】
フィンランドデザイン製品の良さを自分で確かめる
 初めてイッタラ製品を買って、使ってみました。「Aino Aalto(アイノ・アアルト)」のグレー。勿論今も愛用しています。触った時、つかんだ時、手になじむんです。
イッタラ、買ったら…?
 今度は「Kartio(カルティオ)」のウルトラマリンブルー。こちらも愛用しています。透明な飲み物を入れると映えます。
北欧に学ぶ、冬を"楽しむ"方法
 北欧の人々の冬の捉え方、付き合い方について。プラス、「Gaissa」を入手。いかにも氷をイメージさせて、猛暑の日にこれで冷たい飲み物(出来ればアルコールw)をぐいっと飲むのにピッタリです。
フィンランドデザインと氷の関係
 アルヴァ・アアルトの「アアルト・ベース」の形をした製氷皿「アイスキューブモールド」で氷を作って、色々なものに入れてみた。氷もデザインするフィンランドデザイン。奥が深い。
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by halca-kaukana057 | 2010-08-08 23:27 | フィンランド・Suomi/北欧

人と街の空気に触れる旅 「世界ふれあい街歩き」ヘルシンキ

 昨夜NHK総合で放送された、「世界ふれあい街歩き」は、フィンランドの首都・ヘルシンキが舞台。勿論しっかり録画して観ました。

 この番組は、いわゆる世界の観光ガイド的な番組…とはちょっと違う。観光ガイドに載っているような場所よりも、街をひたすら歩いて、その雰囲気や街で出会った人々との会話などを中心に紹介している。訪れる場所も名所よりも、隠れた興味を惹くところ。そんな番組であるところがまず気に入った。

 ナレーションとともに、街を歩いていく。今回のナレーションは、女優の田畑智子さん。すれ違う人々に「おはようございます」「こんにちは」「可愛いワンちゃん」と語りかける(勿論後付けのナレーションですが)。そのナレーションを聞いていて、ついついフィンランド語で「Hyvää huomenta!」「Päivää!」とテレビに向かってつぶやいてしまうw私も一緒に、ヘルシンキの街を散歩しているみたい。カフェでコーヒーを飲んでいる人(朝から晩までコーヒーを飲んでいる人が続々出てくる。さすがはコーヒー消費量世界一w)、ヘルシンキ中央駅の構内で屋台を出して、ベリーや野菜を売っている人など、出会った人々が話すフィンランド語を、真剣に聞き取ってしまいました。でも、わかる単語はちょっとしかない。なので、またしてもテレビに向かって「Kiitos!」「Nakemiin!」「moi moi!」などとわかる単語をありったけつぶやいてましたw

 番組を観ていて、ヘルシンキは結構坂道の多い街なのだなと感じた。消防署で、昔は馬車が消防車で坂を駆け下りて出動していたなんて話も。その坂道の多い街を、トラムを運転するのも大変そう。でも、坂の向こうには何があるのだろうと思って、そのまま上ってしまいそうだ。さらに、面白かったのが海でじゅうたんを洗濯するおばさん。じゅうたんを洗濯する場所が海に設けられていて、さらに、ヘルシンキ市がじゅうたん用脱水機まで用意。じゅうたんを干す物干しもあって、翌日取りに来る…。じゅうたんを海水で洗うというのにびっくり。さらに、脱水機を市が用意したと。凄いなヘルシンキ。

 それ以上に驚いたのが、公共サウナの外で涼む人たち。バスタオル一枚で。日本にも銭や温泉での"裸の付き合い"文化はあるけれども、人々が行き交う道路で、老若男女がバスタオル一枚でビール片手に涼んでいる。おそろしやサウナの国。でも、そんな公共サウナも減ってきているのだそう。この光景には驚きますが、なんだか寂しいです。

 また、日光浴をしている人も多かった。日本では熱中症にならないように、屋外にいる時は暑さ対策をしっかりと…なんて騒いでいるのに、ヘルシンキではそんな様子は一切無い。日焼けしてもお構いなしの様子。それだけ、夏の太陽のありがたさを実感しているのだろう。私も寒い地域に住んではいるが、日本のそれとフィンランドは全く違うのだと実感しました。
 ちなみに、番組内で二重扉のドアがいくつか出てきて、驚いたナレーションが入っていましたが、寒い地域ではごく普通に見られます。一般家庭も、コンビニでも、デパートでも、ファミレスでも本屋さんでも、二重扉でないと冬は寒いし、吹雪で雪が入ってくるのを防ぐことが出来ます。二重扉でないところもありますが、やはり二重扉だと、吹雪の中歩いてきて、中に入る前に雪を落として入ることができます。(そういえば、南国出身の友達が遊びに来た時、二重扉に驚いてたなぁ)

 以前書いたことがありますが、いつかフィンランドに行ったら、ただ観光地を廻るのもいいけれど、街や暮している人々の雰囲気、様子、気候や自然等に触れる旅をしたいと思っている。街の空気そのものに。フィンランドでなくても、他の場所でも。同じ地球上の土地だけど、人種も言語も文化も人々の暮らしも異なる。どんなところが異なっていて、その根底には何があるのだろう?その違いに、触れてみたいと思っている。もしかしたら、日本とあまり変わらないところもあるかもしれない。それは何だろう?旅先では、そんなことをよく考えている。「世界ふれあい街歩き」は、そのような視点で擬似旅体験を楽しめる番組だなと感じました。

 そういえば、建物に「カレワラ」のクレルヴォとポヒョラの彫刻があった。ナレーションでは「魔よけになりそう」と言っていたが、どうなんだろう…?あと、消防車に「SISU」と書かれてあった。「SISU」…"スオミ(フィンランド)魂"。粘り強い、不屈の精神を意味する言葉です。街と人々の安全を守るため、決して諦めず、不屈の精神で火災や災害に立ち向かう…という意味が込められているのでしょうね。カッコイイです。

NHK 世界ふれあい街歩き ヘルシンキ
 再放送は、総合テレビで8月6日(金)、午後4時05分~4時50分。お見逃し無く!!



 最後に、フィンランド関係情報として、毎年恒例「フィンランドカフェ」が今年も開催されています。毎年、冬に期間限定でしたが、なんと今年は期間限定ではありません!!やった!「代官山プラザ」地下1階にて営業中。今年こそ行くぞ!
United-Destinations:Finland Cafe 2010 代官山
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by halca-kaukana057 | 2010-07-31 22:25 | フィンランド・Suomi/北欧

marimekko公式ムック発売

 有名ブランド製品やデザインプロダクト製品をおまけにつけて販売する本・ムックが流行っておりますが、ついにあのテキスタイルデザインも参戦しました…!!

marimekko 1951- 2010 (e-MOOK)

宝島社



marimekko公式サイト:公式ブランドムック「e-mook marimekko 1951-2010」発売

 マリメッコ公式のブランドムックです。フィンランドのマリメッコの工場、マリメッコデザイナーのインタビューなどの冊子と、付録はマリメッコのロゴ入りバッグ&ポーチ。これは買うかしかないでしょう!

 買ってきました。
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表紙はお馴染み真っ赤な「ウニッコ」。この表紙は非常に目立ちます。すぐわかりますw

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付録のバッグとポーチ。マリメッコのロゴの製品はあまり見たことがないのだが、可愛い。日常で使ってこその北欧デザインプロダクト。普段使いにしたいのですが、保存しておきたくもある。これはもう一冊買えと?w

 冊子の方は、フィンランドでマリメッコを愛用している人たちや、マリメッコユーザーがどんな風にマリメッコ製品を愛用しているかについて。フィンランドのマリメッコの工場の様子や、代表的なマリメッコのデザイナー、マイヤ・イソラのデザインと、娘であり同じくマリメッコデザイナーであるクリスティーナさんの仕事と暮らし。マリメッコデザイナーへのインタビュー。マリメッコの歴史と、製品紹介…などなど。冊子はそんなに厚くはないのですが、マリメッコの魅力が伝わってきます。

 フィンランドの人々の暮らしに、マリメッコ製品が浸透しているのが驚きでした。フィンランドにとってのマリメッコに対して、日本なら何を挙げられるだろう?地方各地に伝わる染物や織物だろうか。自分の身の回りを見回してみて、自分の地域の伝統工芸品はどれくらいあるだろうと数えてみたら、とても少なかった。マリメッコをはじめとする、フィンランド・北欧デザインプロダクトはとても素敵だ。マリメッコの大胆なデザイン、色づかいには心が躍る。その一方で、大胆なんだけどどこかシックなところもあり、心落ち着く。そして、印象的なデザインは一度見たら忘れられない(このムックを買った時、友人も一緒だったのですが、マリメッコを全く知らない友人も「この柄(ウニッコ)のバッグとか見たことあるよ」と言っていた)。でも、自分の身の回り、身近なところ、住んでいる地域にも、長い歴史の中で根付いてきたデザイン・工芸品がある。その地域での暮らしに役立つように作られているはずだ。それを見直し、北欧デザインプロダクトと同じように大事に使っていきたいと感じています。

 しかし、フィンランドの郵便局が羨まし過ぎる件。郵便物の封筒や箱が売られているのですが、マリメッコのデザイン。いいなぁ…。

 ちなみに、私のマリメッコ製品。
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 Maija Louekari(マイヤ・ロウエカリ)デザインの「AARRE(アアッレ)」クッションカバー。「AARRE」とは「宝物」の意。賑やかなのだけれど、白黒のため落ち着いている感じもする。お気に入りです。

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マイマリメッコ。増えたなぁ。あ、マリメッコも大きく取り上げている本「Finland×Fabric とっておきの布探し」を加えるのを忘れました…。
・過去記事:秋のフィンランド本まつり 「Finland×Fabric とっておきの布探し」
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by halca-kaukana057 | 2010-04-23 21:36 | フィンランド・Suomi/北欧

オリンピックで感じる言葉の壁

 バンクーバー冬季五輪が始まりました。前回のトリノ五輪の時と同じように、日本選手はもちろんのこと、フィンランド選手も応援しています。冬季五輪になると、ヨーロッパ・北欧勢が元気になります。その一方で、北欧アイスランドは少人数の選手団。元々人口が少ないのもあると思いますが、世界金融危機の打撃が選手育成・サポートにも響いてしまったのだそう。世界経済にも左右されるオリンピック。リュージュの公式練習中の事故で亡くなってしまったグルジアの選手のことも思うと、悲しく切ないオリンピックの始まりとなってしまいました。グルジアの選手の事故は、本当に無念でなりません。

 さて、開会式でのフィンランド選手団の入場を観ていたのですが、ジャケットの柄がすごかった。フィンランドのオリンピック公式ページにその写真があるのですが、まさにフィンランドらしいデザインだと感じました。
XXI olympialaiset talvikisat avattiin Vancouverissa(2枚目の写真)
また、ジャケットだけでなく、ポロシャツもこのデザインみたいです。
誰のデザインだろう? marimekkoだとは思うが、デザイナーについてはわからないまま。marimekkoはこれまでのオリンピックでもフィンランド選手のユニフォームのデザインを手がけてきた。marimekkoも世界に誇るフィンランドの代表です。

 オリンピックなどの世界大会で感じるのは、言葉の壁。英語であれ、フィンランド語であれ。英語やフィンランド語の語学力がもっとあれば、このユニフォームのデザイナーについても調べられるのに…と悔しく感じています。前回のオリンピックでも同じように感じていたのだし、オリンピックだけではない。宇宙関係でもNASA TVなどを観ていていつも思う。もっと本気で勉強しろよと、何度自分に言っただろうかと反省。語学は簡単には身に付かない。

 それでも、試合には言葉の壁を超えるものがあると感じています。速さ、強さ、美しさを競う選手たちを、言葉の壁を超えて応援したいです。

 フィンランドカテゴリにしたのだが、フィンランドとあまり関係ないような、あるような…。
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by halca-kaukana057 | 2010-02-13 22:03 | フィンランド・Suomi/北欧

フィンランドのホットワイン「Glögi」を作ってみた

 久々に作ってみたネタです。世の中はすっかりクリスマス。寒い季節になると、欲しくなるのが温かい飲み物。フィンランドには、「Glögi(グロギ、グロッギ)」という冬、特にクリスマスシーズンに飲まれるホットドリンクがあるのだそうです。ホットワイン(グリューワイン)はヨーロッパではポピュラーな飲み物。フィンランドでも飲まれますが、アーモンドとレーズンが入っているのがフィンランド流らしい。フィンランドでは勿論手作りもされますが、瓶に入っているものをそのまま温めるだけのものや、入れる香辛料のセットが売っているのだそうです。そういうものは、私の周りでは見当たらない。日本にあるもので作れないのだろうか。と色々検索してみたところ、作れるようです。ただ、検索した結果、使われている材料がそれぞれ異なる。どうやら、各家庭によってレシピが異なるようだ。日本のお味噌汁やカレーのように(多分)。ならば、それらのレシピを参考に、自分なりのグロギを作ってみよう。というわけで、作りました。


【材料】*分量は、お好みで調節してください。
・赤ワイン
・レーズン(干しブドウ)
・アーモンド
・クローブ
・シナモン(クローブとシナモンは粉でもOK)
・しょうが(すりおろしたものでOK)
・砂糖
・レモンの輪切り(防腐剤が皮にかけられているので、国産がベター。輸入ものなら、よく洗って)

【作り方】
1.材料全てをお鍋に入れ、5~10分、沸騰しないように温める。
2.ワインに香りがついて、温まったら、出来上がり。

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Kippis!/乾杯!

 飲んでみた。とても温まります。寒い冬にピッタリです。レーズンとアーモンドはスプーンですくって食べてください。ワインの味がしみ込んで、とても美味しいです。アーモンドはおつまみ感覚で食べられます。これは癖になりそう。またレシピをアレンジして作ってみたい。

 お酒の苦手な方や、お子様にはカシス(ブラックカラント・黒すぐり)やブルーベリーなど、ベリー系のジュースでも作れます。私も、今回グレープジュースを少し入れました。

 以上、私独自のレシピで作りました。本場フィンランドのレシピで作ったのも飲んでみたいな。輸入食材店で、香辛料セットが売っていないかなぁ。きっと今頃、フィンランドのあちこちでグロギが飲まれているに違いない。外は雪が降って寒い。温かい家の中で、グロギを飲みつつ、家族とゆっくりとした時間を過ごしているのかもしれない。

 とても簡単なので、寒い日に是非どうぞ!みんなも作ってアラモード♪(番組が違うw)

 それでは、楽しいクリスマスをお過ごしください。Merry Christmas! Hyvää Joulua!


 レシピは以下のサイトを参考にしました。ありがとうございます。
メルのメモ:フィンランドのクリスマスワイン
Kippis!:Glögiで温まりましょ~♪
makon makoisia herkkuja:グロッギのエキス作り
北極星を真上に見上げて:寒い季節にグロギをどうぞ
scope:iittala / Tsaikka ホルダー付グラス
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by halca-kaukana057 | 2009-12-24 22:40 | フィンランド・Suomi/北欧

北欧デザインの背景にあるもの

 北欧デザイン・ライフスタイル専門雑誌「北欧スタイル」の最新号が出ました。特集は「なぜ?なに?北欧デザイン」。北欧デザインプロダクトや北欧諸国のライフスタイルが人気を集め、注目されているが、その理由は何なのだろう。"北欧デザイン"の根っこ・背景にはどんなものがあり、現在の形を支えているのだろうか。今号のまえがきで、創刊から7年間このことを伝えずにきたと書かれてあったが、私も考えたことがなかった。北欧デザインの根っこにあるものを、私も探ってみたい。


北欧スタイル 18
エイ出版社/エイムック1843/2009

 北欧デザインを支えているものは、やはりその厳しい自然環境。冬が長く、寒い。夏も短く、日照時間も短い。また、天然資源にも乏しい。スウェーデンはキルナなどに鉱山があり、ノルウェーは石油が産出し、石油輸出もしているが、それらを除けば北欧諸国には天然資源が少ない。あるのは森林、木材だった。

 また、北欧デザインの源流は、8世紀から世界各地へ進出していったヴァイキングにあるという。ヴァイキングはご存じのとおり、高度な航行術と圧倒的な強さでヨーロッパ全域を制圧、暴力で略奪していった海賊のイメージがある(私も愛読している漫画「ヴィンランド・サガ」でも描かれている通り)。しかし、ヴァイキングは略奪だけが能だったわけではない。航海のための頑丈な船を造るものづくりの技術にも長けていたし、貿易にも長けていた。その後ヴァイキングの勢力は衰え、18世紀半ばにイギリスが産業革命を起こし、ヨーロッパの勢力図は変化する。元々貧しく、厳しい自然環境に置かれた北欧諸国は産業革命に乗り遅れ、近代化にも乗り遅れた。しかし、この近代化に乗り遅れたのが、北欧独自の政治・産業の発展を促すことになった。19世紀に生まれた「国民民主主義」という考え方だ。貧しい暮らしの中でも、出来ること、身近にあるものを活用し、皆で協力していこうという思想だ。さらに第二次世界大戦後、経済復興をしようにも人口が少ないので労働力が足りない。そこで女性の社会進出が促され、家事は男女平等。その家事を支える食器や台所用品などの日用品は、機能的だけれども生活を彩るものであってほしいという視点で作られ、現在の"北欧デザインプロダクト"につながる製品が生み出された。

 また、これまでも書いてきたように、冬が長い=日照時間も短く、家の中で過ごすことが多いため、家の中での暮らしを豊かにしたいという人々の願いがあった。金銭的・物質的な豊かさではなく、精神的な豊かさを。長い夜を明るく、暖かく過ごすための照明。家族で食卓を囲む時に使う食器類。寒い冬にも耐えられる防寒用品。建物そのものにもそんな願いが求められた。モノの使い勝手や機能性、見た目も考慮して、日々の暮らしを豊かにする温かな様々なデザイン製品・建築が生まれた。

 これまで、北欧デザインプロダクトは、「美術品」ではなく、日常生活ですぐに使えるもの、人々の生活に根付くモノであることを本などで知り、このブログにも書き続けてきた。実際、その機会は少ないけれども自分でイッタラのグラスなど、北欧デザイン製品に触れ、使ってみて、私の生活にもなじむ、使いやすいモノだと実感した。製品の素材も、木材など身近にあるものを使う。そのデザインの背景には、北欧の厳しい自然環境があり、ヴァイキングの時代から続いているものづくりの技術・精神があった。そのものづくりの環境を支えているのは、国家やデザイナー、デザイナーを支える職人たちだけではない。「日用品」として使い続ける北欧諸国の人々は大きな存在だ。現在は勿論だが、戦後、アメリカで北欧デザイン製品がヒットしたそうなのだが、そのヒットを牽引したのが、19世紀にアメリカへ移住した北欧諸国の人々の末裔だったのだそうだ。祖先の祖国のモノを使う。モノがつなぐ歴史と国と縁。デザイン製品は人の心に訴えかける"何か"も持っているのだなと感じた。

 この「北欧スタイル」18号で、北欧デザインの背景にあるものについて知ることが出来ましたが、これはまだ大まかなものに過ぎない。私自身、北欧史をまだ把握・理解しきれていないところがある。スカンディナヴィア諸国(デンマーク・ノルウェー・スウェーデン)の関係は一筋縄ではいかないし、フィンランドはスウェーデンの属国であった期間が長いけれども、スカンディナヴィア諸国とはちょっと違う歴史を持つ。アイスランドもフィンランドよりはスカンディナヴィア諸国に近いけれども、同じくちょっと違う。"北欧"とひとまとめに括るのは難しいなぁと感じることもある。ただ、わかったことは、私が持っているイッタラのグラスや、お店で見て触ってみたアアルトのスツールなどには、様々な背景があるということ。ひとつひとつのデザイン製品に、長い歴史と北欧という地域の特色、環境、文化が繋がっているということ。北欧デザインはシンプルで使いやすくて可愛い、だけじゃない。もっと背景にあるものを知って、より北欧デザインプロダクトに「親しみたい」と感じました。いい特集でした。

 この特集を監修したのが、武蔵野美術大学名誉教授の島崎信先生。島崎先生はこれまで、北欧デザインに関する本も数多く執筆されているそうだ。北欧史の本と合わせて、島崎先生の本も読んでみよう。

一脚の椅子・その背景―モダンチェアはいかにして生まれたか

島崎 信 / 建築資料研究社



【関連記事】
北欧デザインを知る(2006.4.22)
この記事から、もっと北欧デザインを知りたいと思うようになったんだった。
フィンランドデザイン製品の良さを自分で確かめる(2006.5.23)
初めてのフィンランドデザイン製品、イッタラのアイノ・アアルトのグラス。今も大事に使っています。持った時のちょうどよい重さ・質感に、今も安心感を覚えます。そしてずっと触っていたくなる。やっぱり北欧デザイン製品の良さは、「親近感」だと思う。
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by halca-kaukana057 | 2009-12-12 22:11 | フィンランド・Suomi/北欧

12.6 Hyvää Itsenäisyyspäivä!!

 12月6日はフィンランド独立記念日。92回目の独立記念日です。おめでとう!
記事タイトルの「Hyvää Itsenäisyyspäivä」、フィンランド語で「独立記念日おめでとう」という意味です。

 ただいまのBGMは勿論「フィンランディア賛歌」。フィンランドでは、国旗カラーの青と白のキャンドルに灯をともして、お祝いするのだそうです。アロマキャンドルしかないや…。なので、例の国旗マグで、コーヒーを。
・以前の記事:フィンランド国旗のマグカップ

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画像の後ろの方も注目です。

 イッタラのTeemaが欲しいなぁ。
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by halca-kaukana057 | 2009-12-06 19:46 | フィンランド・Suomi/北欧

フィンランド・森の精霊と旅をする

 2007年に放送されたNHKスペシャル「世界里山紀行 フィンランド 森・妖精との対話」。実はこの番組には、原書があったのだそうだ。それの日本語版がこれ。



フィンランド・森の精霊と旅をする -Tree People-
リトヴァ・コヴァライネン、サンニ・セッポ/訳:柴田昌平/監修:上山美保子/プロダクション・エイシア/2009

 この本は、1997年フィンランドで「もっとも美しい本」賞に輝き、訳者の柴田氏がこの本を読み、ドキュメンタリー番組として製作することになったのだそう。写真家である著者の2人が、1990年からフィンランド各地に残る古い木とその歴史を調べてゆく。フィンランド人にとって、森とは、木とは何なのか。森や木にまつわる神話や慣習、信仰を美しい写真と共に紐解いていきます。

 フィンランドはご存知の通り、「森と湖の国」と呼ばれる。フィンランドの人々にとって、森は暮らしと切っても切れない関係。その森が誰の所有であれ、誰でも散歩したり、きのこやベリーを採取したりできる「すべての人の権利」という慣習がある。人々の生活のすぐそばにある森や木々。それにまつわる話もたくさんあります。「カレワラ」とはまた違う話もあり、とても興味深いです。「カレワラ」で「悪魔」や「死者の国」を意味する「ヒーシ(hiisi)」も、元は「聖なる森」という意味だったらしい。きっかけはキリスト教の伝来。森や木々に対する信仰から、キリスト教へと変わり、信仰の対象であった木は切り倒された。そして徐々に、かつては良きものとされた「ヒーシ」も、悪魔的なものに変わっていったのだそうだ。(と言うことは、カレワラはキリスト教の影響もあるのかも。実際、カレワラを編纂したエリアス・ロンリョートが聞き集めた話をまとめる際、創作・編集している部分もあるそうだ)

 この本に収められている木々の写真は、どれも印象的だ。どれも立派な木で、畏れ多くもある。森はいかにも静かで、写真を見ているだけなのに不思議な気持ちになる。日本で言えば、「御神木」や神社の森のよう。家々のそばには「守護の木」があり、子どもが生まれるとその子どもの「分身の木」を植える。そして代々その木を守り、後世へ伝えてゆく。また、死んだら「カルシッコ(karsikko)」という、松の木に生年と没年、イニシャルを木に刻み、死者の思い出を木に残す。木と人がつながり、共に生きている。木や森は畏れ多い存在でもあるが、身近な存在でもある。フィンランドの人々にとって、やはり木々や森は切っても切り離せない、大切な存在だと感じた。

 森や木と密接に暮らしてきたフィンランドでも、森林開発が問題になっているそうだ。自然は、環境の面、科学的な面からだけでなく、文化的な面や精神的な面からも語ることができる。人間も自然の中で、自然と共に、自然に学んで生きている。自然を大切にすることは、人間の文化や歴史、精神的なものも大切にすることができる。考え直さなければいけないことだなと感じた。

 フィンランドの人々の自然観がうかがえる、まさに「美しい本」です。ただ美しいだけではない、深く、力強い本でもあります。文章にも、写真にも引き込まれます。「読む」というよりはじっくり味わって、雰囲気に浸り、のまれる気分になります。

・以前の記事:NHKスペシャル 世界里山紀行 フィンランド(2007.8.26)
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by halca-kaukana057 | 2009-08-02 22:02 | フィンランド・Suomi/北欧

「カレワラ」をてにいれた!

 タイトルは勿論ドラクエ他RPG風にお読みくださいw

 先日、岩波少年文庫で「カレワラ物語 フィンランドの神々」が出版されたのですが、小泉保先生による完訳岩波文庫版も、ついに復刊されました!

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 上下巻の2冊。ずっと読みたいと思っていた。嬉しい。復刊してくださってありがとうございます、岩波書店さん。

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 現在、第7刷。2009年2月に復刊されたばっかりです。

 まだ届いたばっかりなのでちゃんと読んでいないのですが、上巻の一番最初、第1章序詩の文章の美しさに惚れました。何か壮大な物語が始まることを感じさせる文章で、ワクワクする。文章から、フィンランドの豊かな自然と、語られる伝説と、人々の暮らしの様がイメージできる。これから読むのが楽しみです。アニメ「牧場の少女カトリ」のカトリの気分だ。小泉先生の訳は口語になっているから読みやすいが、カトリが読んだであろうフィンランド語による原典版は文語で、もっと読みにくかっただろう。しかもカトリは学校には通えず、独学で「カレワラ」を読んだ。あらためてカトリは凄いと感じた。

 巻末には各章の解説と、「カレワラ」についての解説もあります。これまで「カレワラ」には色々と疑問を抱いてきたが、この完訳でヒントが見つかるといいな。


カレワラ 上 フィンランド叙事詩
エリアス・リョンロット:編/小泉 保:訳/岩波書店・岩波文庫(赤)/1976








カレワラ 下 フィンランド叙事詩
エリアス・リョンロット:編/小泉 保:訳/岩波書店・岩波文庫(赤)/1976
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by halca-kaukana057 | 2009-03-02 22:05 | フィンランド・Suomi/北欧


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