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 来月10月から本放送が始まるNHK人形劇「シャーロックホームズ」小説版2巻、早速読みました。地方のため発売日ゲットは出来ませんが、発売から数日後に喜んで、しかも自分で読むために児童文庫を購入…人生初めての事態です…w

・1巻(1~3話収録)感想:[NHK人形劇小説版]少年シャーロック ホームズ 15歳の名探偵!! +NHK人形劇版

少年シャーロックホームズ 赤毛クラブの謎
アーサー・コナン・ドイル:原作/三谷幸喜:番組脚本/時海結以:著/千葉:絵/集英社・集英社みらい文庫/2014

 人形劇とあらすじはほとんど同じなので割愛。ただ、収録されているのは8月に先行放送された4話「消えたボーイフレンドの冒険」、5話「赤毛クラブの冒険」の2話。6話が収録されてませんでした…。でも、1巻よりも様々な面でグレードアップしていると感じました。

 まず、人形劇でもそうでしたが、ホームズとワトソンの友情。教師達には「問題児」、生徒達には「変わり者」と見られ友達がいなかったホームズ。そこに転校してきて、ホームズの部屋・ベイカー寮221Bのルームメイトになったワトソン。「ホームズと一緒の部屋になると、ノイローゼになって3日で部屋を変えてくれと頼む」と言われていたのだが、ワトソンは3日どころか、1週間、そしてそのままホームズとともに暮らし続けている。ホームズが興味を持つ「学園内の奇妙なこと」に同じように興味を抱き、一緒に謎解きを始める。一方、ホームズも、ワトソンに自分にないものがあると認め始めている。2話のワトソンがホープに語りかけた言葉、そしてこの4話。依頼人のサザーランドと犯人(?)とで221Bで話すシーン。ワトソンが熱いです。熱いんだけれども、あたたかい。2人のどちらに対してもフォローしている。なんて出来た子なんだ!ホームズはあくまでクールに、感情を出さないように振る舞うけれども…ちょっと出てしまっているのをワトソンに読まれる。そんなホームズを
(でも、ホームズのそういうところが、おもしろいっていうか、にくめないんだよな)
(71~72ページ)

と思うワトソン…全く同感です。
 そして5話で、依頼人のウィルソンに、ワトソンを「親友」と紹介、「あとはボクらにまかせて」と言うホームズ。それに感激、そして応えようとするワトソン(さぞ嬉しいだろうなぁ…わかるよ)。5話でも熱かった。2巻はワトソンが熱いです。

 グレードアップポイントその2.1巻でも、人形劇では語られなかった細かい設定や描写、追加シーンがあると書きましたが、2巻で更に豊富になってます。まず、冒頭で「ヴィクトリア女王がおさめる大英帝国…」と、語られるのが凄く好きです。
 中身に入ると、例えば、4話冒頭でワトソンが読んでいた小説。人形劇でも、タイトルと作者はわかります。チャールズ・ディケンズ「二都物語(A Tale of Two Cities)」。人形劇では何気なく出てくるのに、タイトルと作者がはっきりとわかる。これはどういうことなんだろう?何故この作品が?と思ったら、小説版では作品の大まかなあらすじと、この作品が4話に影響を与えていることが判明。そういう意味での、この作品の登場だったのか。
 ちなみに、「二都物語」を本屋で見かけたので手にとってみたのですが、結構なボリューム。しかも内容も内容。15歳でこの作品を愛読しているワトソン君…。ちなみに、もしこのノベライズの読者層(小学生~中学生)が興味を持って読もうと思っても、児童文庫では出版されてません…。中学生なら文庫で何とかなるか…レベル高い…。
 5話でも、最後、人形劇では「これで終わり!?」ウィルソンがちょっとかわいそうな扱いになっていたのですが、小説版ではその後のフォローもあり、ほっとしました。
 小説版はホームズシリーズ原作と同じようにワトソン視点で語られますが、そのワトソン視点のホームズの表情、特に眼・瞳の色や輝き、動きも、2巻でも充実してます(人形劇でも印象的)。この時代はランプですが、のっぺりとした明るさの電気ではない、ほのかなゆらぎのあるランプの灯だからこそ、ホームズの金色の瞳が印象的に映えるのだなぁ。

 グレードアップポイントその3.イラストが増えてます。イラストでページを埋めるというよりも、印象的なシーンを伝えやすくしている。サザーランドのキャラデザが人形劇と大幅に異なるのには、ちょっと笑ってしまいました。ウィルソンも優しく可愛らしい雰囲気に。前袖に、ウィルソンとロスのカラーイラストがあるのが嬉しかった。
 ちなみに、読んでいてあまりにも描きたくなったので、自分で描いてしまった4話冒頭イメージイラスト
10月が待ちきれないので
 これの2枚目。

 4・5話だけですが、充実箇所が多くて、楽しく読めました。先行放送された6話は次巻に収録かな。是非とも収録してください。追加シーンやワトソン視点の描写で読みたいところがたくさんあるんです。人形劇は全18話ですが、全部ノベライズしてくれるのかな…是非ともしてください。

 あと、4話で人形劇ではちょっとよくわからなかった存在のラングデール・パイクや、5話のシャーマンの描写、イラストもノベライズではじっくりゆっくり読めるのでありがたい。シャーマンが可愛くて可愛くて仕方ありません。なので、6話は是非とも読みたいんです。
 次巻は、6話と7話(8話も入るか?)収録なので、人形劇放送後…12月ぐらいに発売予定かなぁと予想しています。楽しみです。

 そして、原作「花婿失踪事件」、「赤毛連盟」を読むと、原作との違い、アレンジに驚いたり、この台詞やネタはここに由来してるのかと発見したり。原作ホームズシリーズも面白い。本放送開始まで(6話までは先行放送で観ているので、11月の7話放送日まで)に、どれだけ原作読めるか…嬉しい悲鳴です。

【人形劇公式サイト】
NHK:シャーロックホームズ
シャーロック学園

 ああ10月が楽しみだ…10月5日の本放送直前SPも楽しみだ…

【追記】
 人形劇放送版に関して、書こうと思って忘れていた。
 8月の先行放送4~6話で、本編終了後にその回の元となった原作の紹介と原作にまつわるクイズコーナー「シャーロッQ!」が出来ていたのですが、このコーナーがとてもよかった。大人も子どもも原作を読んだことのない人にとっては原作に触れるきっかけになり、また、原作が書かれた19世紀末のイギリス社会についても学べる。クレジットには「日本シャーロック・ホームズ・クラブ」監修とあるので、しっかりしている。シドニー・パジットによる初版の挿絵を用いているので、雰囲気も出ている。
 そして、このコーナーではアニメのホームズとワトソンが登場するのですが、このアニメホームズが凄く可愛い。本編では絶対見せないようなお茶目な表情、しぐさもする。4話は表情がころころ変わるし、5話はピロピロ笛ネタ、6話はワトソンも一緒にひと騒動。最後、幕を閉めてお辞儀も可愛い。

 この「シャーロッQ!」、1~3話には無かったのですが、本放送では入れてくれるかなぁ?(ただ、1・2話の原作「緋色の研究」は、挿絵を描いた人が異なる) 是非とも1~3話にも入れて欲しい!7話以降も勿論!!人形劇本編を観て、最後に「じゃぁ原作はどんなお話なんだろう?」と二度楽しめる。アニメも可愛い。
 先行放送では番組紹介の前フリがあったのですが、本放送ではカットされるはず。なのでその時間で、本編後に「シャーロッQ!」を!


【追記:人形劇本編・レギュラー本放送を観ての感想記事】
・4話:消えたボーイフレンドの冒険:A Case of Identity 人形劇「シャーロックホームズ」第4話
・5話:赤毛クラブの冒険:シンプルから複雑へ 人形劇「シャーロックホームズ」第5話
by halca-kaukana057 | 2014-09-16 21:53 | 本・読書
 長らく積読にしてあった本をようやく読みました…。免疫学者の多田富雄先生のエッセイは、以前「生命の木の下で」を読みました。それ以来です。しかし、今回は、イタリア美術紀行…?

生命の木の下で


イタリアの旅から 科学者による美術紀行
多田富雄/新潮社・新潮文庫/2012
(単行本は1992年誠信書房)

 以前の「生命の木の下で」でも、多田先生の多才ぶり、読みたくなる文章に凄いなぁ、いいなぁと思ったのですが、この「イタリアの旅から」でも変わりません。20年以上イタリアに通い、各地の歴史的建築や美術館、教会や寺院、神殿、遺跡などを観て歩いてきた多田先生。普通の観光地の観光スポットだけで無く、ガイドブックにも載らないようなところにも足を運び、じっくりと観て、言葉にしている。そんな科学者の視点での記述もあれば、文章がとてもきれいで、詩的なところもある。この本を読んでいたのは夏のこと。地中海の青い空と青い海、燃えるような緑、太陽の明るさとからりとした暑さ、朗らかな歌でも聞こえてきそうなイタリアの町の様子、そして歴史を伝える建築や美術作品の数々…イタリアには行った事はないですし、イタリアにもあまり詳しくない。イタリア美術も高校の世界史程度の知識しかないのですが、楽しく読みました。

 読んでいると、歴史的建築や美術品があるイタリアの町そのものが、歴史を伝えているなと感じる。そして、それらの建築や絵画を生み出した芸術家たちについての解説も面白い。イタリアの歴史の中でどう生きたのか。その歴史は決して平坦なものではなく、血や涙が流れたものもある。それらを経て、その建築や美術品も町も今に残っているんだ…と思うとその重さ・長さがとてつもないものに感じられる。少し前に読んだ小説「時の旅人」(アリソン・アトリー)で描かれた、その場所が歴史を記憶していて、何らかの拍子でその過去に触れられてしまうような。

 各地の町の描写も面白い。治安は決してよいとは言えない。「キウソ(Chiuso)」、つまり「closed」があまりにも多い。シエスタの時間もちゃんとある。日本とは全然違う、地中海文化だなぁ…と思う。いや、日本人が規律正し過ぎる、真面目過ぎるのか…?だが、町の人々との会話では、そんなことも関係ないと思ってしまう。現地の空気が伝わってくる。旅先のお料理についてもちゃんと語られます。出てくるたびに「美味しそう…」と思ってしまった。

 イタリアにもギリシア神殿がある。古代ギリシア・ローマ文化には興味があるので、じっくりと読みました。エトルリアも。謎めいていて惹かれる。サルジニアとマラリアの関係も興味深かった。ここは免疫学がご専門の多田先生だからこそ。病気は人類の歴史の中で脅威となってきましたが、こんな場合もあるんだな…。

 多田先生は2010年に他界されましたが、たくさんの著書を遺されました。また読みます。
by halca-kaukana057 | 2014-09-14 22:39 | 本・読書

船に乗れ! 3 合奏協奏曲

 2巻の感想から間が開いてしまいました。青春音楽小説「船に乗れ!」3巻、完結編です。

・1巻:船に乗れ! 1 合奏と協奏
・2巻:船に乗れ! 2 独奏


船に乗れ! 3 合奏協奏曲
藤谷治/ポプラ社・ポプラ文庫ピュアフル/2011
(単行本は2009年ジャイブ)

 高校3年になったサトルたち。昨年も新入生の演奏レベルの高さに驚かされたが、サトルたちが3年になった年、新生高校はこれまでとは全く異なる、音楽エリート育成に力を入れ始めた。毎年恒例のオーケストラ演奏会では、副科の生徒は参加しなくてもよいことになった。オーケストラの楽器を専攻する生徒達だけで構成されるオーケストラ。しかも、それはその全員参加ではなかった。与えられた曲もこれまでとは違う。
 更に、3年になると文化祭でミニコンをやることが決まっていた。サトルは鮎川たちと考え、サトルはある曲を探し当てる。こうして、オケとミニコンの練習が始まったが、サトルはひとつ、大きな決断をしていた…。

 2巻があまりにも辛い状況で、サトルはこのままどうなってしまうのだろう…そんな想いで3巻を読み始めたのですが、厳しい状況は続いていました…。学校の教育方針の転換、その渦中に巻き込まれるサトルたち。そんな中、サトルは大きな決断を下す。サトルにとって大切な存在であった枝里子も、金窪先生もいなくなってしまった。金窪先生に関しては、サトルが原因でもある。だが、それ以上に、サトルが感じた”限界”…。

 音楽などの芸術や体育は特に、それだけでなく世の中にある色々なことは、「才能」や「天性」で大きく左右されることがある。それでも、「努力」「練習」「訓練」も大事で、それらによって磨きをかけなくては、「才能」も「天性」も錆び付いてしまう。
 以前、ある試験のために、私はとても苦手だったものを克服しなければならなかった。自分にその「才能」はない。だから、「努力」するしかない、とひたすら「練習」した。なかなか思うようにいかず、他の人は軽々と出来ているのに自分はいつまで経っても出来ない…ひとり涙を飲んだこともあった。だが、そんな「努力」をしていると誰かは見ていてくれるもので、私の苦手なところを克服するコツを掴んだ練習方法を教えてくれる先生に出会えた。それによって、私も少しずつ上達していって、試験には危うい状態だったが何とか間に合った。ところが、試験の内容が変わって、そこまで習得する必要は無かった…というのは後でわかった話。それでも、自分でもコツを掴んで練習すれば、あんな苦手だったことでも上達できるのだなぁ、と自分の可能性が広がったように感じた。あと、出来る出来ないの結果に限らず、努力し続けることが大事だということも。

 だが、サトルの場合は、私のようなギリギリ間に合ってもいい状態では通用しない。子どもの頃からチェロやピアノを習い演奏し、音楽を専攻できる学校に進学する。その世界がいかに厳しいか。趣味で音楽をやっていても感じる。それが専門だったら…。サトルの苦悩はいかほどだろうか…。

 それでも、オーケストラの練習もあるし、ミニコンの練習もある。ソロ発表会もある。レッスンも続く。決断はしても、音楽は止まらない。なかなか練習できないこともあるが、嫌々ではなく、演奏を続ける。社会と同じだな…と感じてしまった。

 そして、ミニコンで、ある「事件」が起きる。もうひとり、ある決意を抱いて、ステージに上がった者が。彼らを繋いでいたのは、まぎれもなく音楽だった。心の中で、重いものを抱えていても、その時の音楽、演奏に集中する。その音楽、演奏はその時だけのものだから。残された手紙が切なくて切なくて…。
 そしてオーケストラでも、サトルは懸命に演奏する。しかし、その時サトルが気づいたことに、深く頷いた。ひとりで演奏していたとしても、ひとりじゃない。その音楽を聴いている人がいる。自分自身という人が…。

 最後の金窪先生の言葉・ニーチェの翻訳は、何度も読み返しました。その翻訳を受けてのその後の話も。「船に乗れ!」というタイトルの意味は、こういうことだったんだ。どんな船にのっていようと、航海は続く。航海を続けるしかない。この物語も、私に繋がっている、開かれた物語のように感じている。

 この物語は、大人になったサトルが高校生の頃を回想して書いている形になっているのですが、最後、その大人になったサトルについて語られます。どんな船であれ、船に乗り続けているサトル。2・3巻でサトルはこのまま救われないのか…と思ったのですが、最後、少し救いがあってよかった。船に乗り続けていれば、どこかにたどり着ける。伊藤との番外編「再会」も、そんな雰囲気だった。やはり2・3巻の辛さは残るけれども、誰だって大小様々な辛さを抱えている。抱えながら、船に乗っている。

 辛いな、苦しいなと思ったら、時々読み返したい本です。

 しかし、この作品は舞台化されたわけだが…どんな舞台だったんだろう?
by halca-kaukana057 | 2014-09-12 22:34 | 本・読書

10月が待ちきれないので

 ・[NHK人形劇小説版]少年シャーロック ホームズ 15歳の名探偵!! +NHK人形劇版
 ↑これの続き記事のようなものです。

 10月からのNHK人形劇「シャーロックホームズ」の本放送開始が待ち遠しくてたまりません。ホームズシリーズの原作を読み、BBC「SHERLOCK」(シーズン2まで観た。シーズン3はこれから)を観て、ホームズシリーズにどっぷりハマり始めています…。原作が面白い。「緋色」→「冒険」→「帰還」という何故か謎な順序で読んでます。出版社・訳も色々あるので、読み比べるのも面白いです。
 そして、NHK人形劇版のイラストまで描き始めてしまいましたよ…まずは1枚目。

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 いつものように色鉛筆。アナログ万歳。
 「最初の冒険」で出てくるホームズの台詞「この世の中はもつれた糸かせのようなものだって。その中に、一本だけ、真実という名の赤い糸が混ざっている」からイメージしました。原作の「緋色の研究」では「人生という無色の糸かせの中に、殺人という一本の緋色の糸がまぎれこんでいる」となっています。人形劇版では殺人死人無しなので、このように台詞もアレンジされました。
 ワトソンは書くのをやめた日記帳=過去と向き合うイメージ。

 絵ですが、パペットデザインと、小説版のイラストと、自分キャラデザを足して3で割ったらこうなった。…いつもの自分アレンジですw
 パペットデザインの井上文太さんのインタビューで、「子どもが落描きできる顔」をデザインした、と仰っていましたが…難しいですよ!!特にホームズ!この手の雰囲気のキャラクターを描いたことが無かったので、なかなか苦労しました。でも、切れ長のクールな金色の眼。薄い青い髪。カッコイイ。一方、ワトソンは描きやすかった。髪を描いていたら、あれ…?この髪型、どこかで…自分キャラデザの「クインテット」のシャープ君の髪型の応用ではないか…!!
・参考イラスト:クインテット打楽器コンビ
 背の高さはよくわからなかったので、大体同じに。原作だとホームズの方が背が高い。が、人形劇版15歳だと、ワトソンは元ラクビー選手で体格もいいので少し高いかも…いや、後で確認します(後でかよ)。そして、制服の構造がよくわからず、録画やら画像やらを観て描いた…よく観察しろ、とホームズに言われているような気分になりました…w
 濃い青い色の扱いは難しいですね(赤もだな)。下手に扱うと色が主張し過ぎてしまう。主張し過ぎないように、抑えて…難しいけど、描いてて楽しかった。次はもっとうまく描きたいな。

 おまけの落描き。小説版2巻も読みました。感想は別記事でゆっくり書くことにして、読んだ後、このイラストを描きたくて仕方なかった。
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 4話冒頭…ワトソンが可愛くて可愛くてwああ、わかるよ。読みたい本、好きな本を思う存分読んで没頭する楽しみといったら。至福です。でも、その読んでいる本がまた…これも小説版感想で。人形劇ではさらりと流されているシーン・無い説明なので、是非小説版を。
・ノベライズ2巻、この「消えたボーイフレンドの冒険」のワンシーンです:[NHK人形劇ノベライズ]少年シャーロックホームズ 赤毛クラブの謎


 10月5日が本放送直前スペシャル、10月12日から1話から本放送(3月8月の先行放送見逃した方も大丈夫!)。6話が11月16日の予定なので、11月23日が7話、ここから完全新作かぁ。待ち遠しいなぁ。
 先行放送は総合でしたが、本放送はEテレ(NHK教育)日曜夕方5時半。お忘れなく!!
by halca-kaukana057 | 2014-09-11 23:16 | イラスト・落描き

今年の秋はお月見三昧

 今日は中秋の名月、十五夜。私の地域では晴れてきれいな月が見えています。日中、暑い時もありますが(それでも南の地域ほどではありませんが)、夜になるととても涼しい。先日、星見に出かけたら、長袖でも寒かったです(しかも曇天で星はほとんど観られなかった…せっかく久々に天体望遠鏡出して組み立てて、土星とか観る気満々で行ったのに…!!悔しい…)

 さて、今年の秋は、今日の中秋の名月だけなく、月の見ごろが続きます。
アストロアーツ:【特集】月を見よう(2014年9月8日 中秋の名月)

 今日の十五夜は、満月の一日前。昨年は十五夜が満月ちょうどでしたが、珍しい例。十五夜は旧暦の8月15日。旧暦、つまり太陰暦は月の満ち欠けと日付は連動しているので、満月は15日と決まっていました。しかし、現在の太陽暦だと、旧暦とはずれてしまい、満月とは限らないのです。
 十五夜を楽しんだら、旧暦の9月13日・十三夜のお月見も楽しみましょう。どちらかだけのお月見は「片見月」といって縁起が悪いと言われています。今年の十三夜は、10月6日です。

 その翌々日、10月8日は皆既月食。
アストロアーツ:2014年10月8日 皆既月食

 日本全国で観測可能です。日食は日食メガネなどの準備や、太陽光を直視しないように…など注意点がたくさんありますが、月食は肉眼でじーっと見つめても大丈夫。しかも食の時間も長いので、たっぷりじっくり観察できます。皆既食は19時24分に始まり、20時24分に終わるので、お子さんが観察するのにもやさしい時間(※でも夜なので、大人の方と一緒に観察してくださいね)。その前後の部分食も見逃せません。

 赤銅色の満月…とは言っても、その時によって色は微妙に異なる。今年はどんな赤銅色か。楽しみです。また近くなったら記事を書きます。私も観測する気満々です!

 さて、十五夜、十三夜と続いて…今年はとても珍しい「後の十三夜」もあります。
中日新聞:今秋は名月3回 171年ぶり「後の十三夜」出現

 「後の十三夜」…初めて聞きました。旧暦は月の満ち欠けを基準としているので日付がずれやすく、閏月を入れて調整していました。3年に一度、閏月を入れる仕組みなのだそうですが、今年は旧暦の9月が2回。つまり、旧暦9月13日と、旧暦閏月の9月13日、どちらも十三夜。閏月の2度目の十三夜は「後の十三夜」と呼ばれるのだそうです。
 11月5日が「後の十三夜」。前回は1843年(天保14年)。江戸時代じゃないですか!!21世紀中には、もう無いとのこと。これはすごい。これは3度目のお月見もしなくては。

 と言うことで、今年の秋はお月見三昧、夜長に月を眺めつつ、音楽を聴いたり、読書したり…。楽しい秋になりますように。
by halca-kaukana057 | 2014-09-08 22:06 | 宇宙・天文

[アニメ映画]言の葉の庭

 先日小説版を読んだ「言の葉の庭」。早速DVDを観ました。
・小説版感想:小説 言の葉の庭

劇場アニメーション『言の葉の庭』 DVD

新海誠:監督/東宝



言の葉の庭:公式サイト
 ↑サイトにジャンプすると、映画の予告動画が再生されるので、音量にご注意ください。

 小説は、結構な長さがあった。それが、元のアニメになると上映時間45分程度。物語はタカオとユキノを中心に進み、小説で登場したタカオとユキノの周囲の人々は、そんなに出てこない。小説が先か、アニメが先かわからないのだが、どちらにしてもあの物語をこんな短い時間にぎゅっと凝縮して、素晴らしい魅せ方をしているなぁと思いながら観ていました。

 予告編映像を観て、この映画が気になったのですが、本編も映像がきれい。美しい。最初は実写かと思った。映像特典のスタッフ・キャストインタビューで色の塗り方について監督が仰っていたのだが、技法についてはよくわからないのですが、美しく魅せることを徹底しているなぁと、そのインタビューから感じました。舞台は東京のど真ん中の公園。東京のど真ん中、周囲には高層ビルが立ち並び駅は人でごった返しているけれども、公園に入れば緑。そして雨。その対比も美しい。高層ビルや駅の人混みまで、違う何かに見えてしまうのだから凄い。
 そして、その公園にいるユキノさん…美しい…。小説でもユキノさんがいかに美しいかについて書かれていましたが、絵で観ると一目瞭然。緑と、雨と、美しい女性。これは惹かれる。

 でも、ユキノは心に傷を負い、暗さ、憂い、脆さ、弱さを抱えている。そのユキノはタカオと出会い、何かが変わりだす。独りで思い悩み、独りで抱え込み、独りうずくまっている。独りで「歩こう」としても、うまく「歩けない」。そんなユキノさんの姿を観て、心が揺さぶられる。心が痛む。一方のタカオ君は、15歳だけれどもとてもしっかりしている。靴職人になりたくて靴を自作し、靴作りのため、進学のためにバイトも頑張る。独りで「歩こう」と前を向いている。ユキノにとって、タカオは希望だったのだろうな。「こんな風に歩けたら」という理想であり、希望である。

 そして、タカオがユキノが何者なのかを知り、クライマックスシーンでは涙腺崩壊。小説ではじんわりとは来たけど、感極まることはなかった。ユキノは、不器用でもある。料理も苦手だが、人と話す、自分の気持ちを伝えるのも思ったようにできない…。そんなユキノがタカオに想いをぶつけるシーン…不器用な伝え方だけど、それが心を打つんだよなぁ…共感しました。もし私がユキノの立場だったとしても、私もユキノと同じような言動、不器用さでタカオに向かってしまうだろう。

 タカオもしっかり者でいい子(でも雨の午前中は学校をサボる)だけれども、ユキノの前では少しその鎧をとっているようにも感じました。ユキノが何者か、ユキノの今後を知って、その原因となった者のところに立ち向かう…あまりに無防備で、無謀で、まっすぐ過ぎる。普段のタカオとは違うタカオの面。ユキノと出会って、逢瀬を重ねるうちに出てきたタカオの一面なのだろうか。

 小説は物語を楽しみ、アニメ映画は映像とタカオとユキノの心の揺れ動き、シーンを楽しむ。同じ「言の葉の庭」という作品なのに、メディアで異なる楽しみ方が出来ていい。アニメ映画はドビュッシーやラヴェル、フォーレなどのフランス近代印象派の音楽のような雰囲気かなと感じました。どこか曖昧で、揺らいでいて、儚くて、美しい。

 音楽も、ピアノをメインに静かで、そっとそれぞれのシーンに寄り添うような形でよかった。

 小説だけ読んで終わらなくてよかった。アニメ映画を観て本当によかった。雨のように、心を潤す作品です。私もうまく「歩けない」状態だけど、不器用でも「歩きたい」。
by halca-kaukana057 | 2014-09-07 22:21 | 興味を持ったものいろいろ
 宮川彬良さんの代表作(?)「シンフォニック・マンボNo.5」.ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」第1楽章と、ペレス・プラード「マンボNo.5」をまさかのミックス。大阪フィル・ポップスコンサートの時代から演奏され続け、現在では新日本フィル「コンチェルタンテⅡ」の目玉楽曲に。以前、千葉少年少女オーケストラ演奏で「題名のない音楽会」でも放送され、動画サイトを通じて南米で話題になっている…など、密かに(?)注目されている作品です。アキラさんの編曲センス、遊び心満載。でもオケの魅力も満載。

 これまで、大阪フィル演奏のCDが出ていたのですが、先日、新日本フィル演奏のも発売されました。

アキラさんの大発見オーケストラ!!

宮川彬良/大阪フィルハーモニー交響楽団/Columbia Music Entertainment,inc.


 ↑こちらが大阪フィル盤

コンチェルタンテII マンボver.

宮川彬良/新日本フィルハーモニー交響楽団/フォンテック


 ↑こちらが新しい新日本フィル盤

 「シンフォニック・マンボNo.5」の2度目の録音。ということで、聴き比べてみた。

 まず、大阪フィル盤。中盤での「ジャジャジャジャーン!!」が物凄く力強い。全力フォルテッシモ。全体的に流れるよう、流暢で、ゆったりと踊るよう。弦の表情が豊か、聴かせるなぁと感じました。最初は重く、徐々に軽やか、滑らかに。打楽器、特にティンパニもアクセントを強く、力強い。

 新日本フィル盤。大阪フィルと比べると、キレがある。若干速め。管楽器がメリハリのある音を出している。踊るよう。金管が特にノリがいい気がする。1分45秒ぐらいで、ピッコロ(フルート?)の下降フレーズがはっきりと聞き取れる。大阪フィル盤ではそんなにはっきりとは聞こえなった。
 そして、大阪フィル盤にはなかった歌も入ってます。これは歌ってるところ観たいぞw

 この種の楽曲が複数録音されることはあまりないと思ったので聴き比べてみました。両方の録音を交互に聴いていると、とにかく楽しくなりますwどうやったらあの「運命」第1楽章とマンボNo.5が融合するんだよwとわかっていてもツッコまずにはいられない。とにかく聴いて楽しむ。演奏している方も楽しいだろうなぁ。「コンチェルタンテⅡ」ではもっとはっちゃけているらしいので、いつか生演奏、コンサートに行って聴けたらなぁ。

 ちなみに、「どれみふぁワンダーランド」にはじまり、「題名のない音楽会」で完成(?)した、「運命」第1楽章の歌詞。聴いていると、この歌詞も脳内で再生されます。「運命」第1楽章を聴くたびに、脳内で自動的に再生されてしまって困っていますw「クインテット」でスコアさん(故・斎藤晴彦さん)が「ドイツじーん!ド・イ・ツ・じーん!!」と歌っていたのも覚えていて、もうどうしたらいいのだろうか…。

交響曲第5番「運命」第1楽章(作詞:宮川彬良)
 ↑その放送での歌詞書き起こし。


 ちなみに、新日本フィルの新CDは、彬良さんの舞台音楽を組曲化・オーケストラ編曲した「音楽劇『ハムレット』より5つの主題」も聴かせます。シリアスでドラマティックな6曲…聴けば聴くほど様々な想いがこみ上げてきます。これはまた別記事で書ければ書きます。これ以上の言葉にできるかどうかわからない。音楽そのものを聴き、味わう、自分の中で反芻する。胸の中にしまっておく。そんな音楽があってもいいのかな、と。

 「サンダーバード」のテーマはとにかくカッコイイ。以前、「ショータイム」で聴いた時、これはカッコイイ!!と感激した演奏なのですが、CDに収録されて嬉しい。これでいつでも聴ける!!
・「ショータイム」第5回で放送、その感想:その想いをミュージカルで代弁します 「宮川彬良のショータイム」第4・5・6回感想まとめ
 ↑映像もかっこよかったんだよなぁ~。
by halca-kaukana057 | 2014-09-05 22:43 | 音楽

恋と病熱

 「海とドリトル」1巻と同時期に刊行された、磯谷友紀先生のもうひとつの作品。連載誌を読めなかったので、単行本化が待ち遠しかった。「本屋の森のあかり」「海とドリトル」とは世界観が全く違います。


恋と病熱
磯谷友紀/秋田書店・A.L.C.DXもっと!/2014

 兄弟姉妹が忌み嫌われるようになった世界。もし兄弟ができた場合は、内密のうちに子どもができない家庭に養子にだされることになっていた。学校入学を目前にして、クロエは、コランという兄がいることを母から告げられる。コランも学校に通っており、もしかすると会うかもしれない、でも近づかないように…と。クロエも兄がいることにショックを受ける。そして、入学…クロエは突然声をかけられる。眼鏡をかけた、足が悪い男…コランだった。会ってみたかったと言うコランを気味悪がるクロエ。一方、クロエの周囲では兄弟がいることが発覚した生徒のことが話題になっていた。兄弟という存在を気持ち悪がるクラスメイトたち。クロエも気持ち悪がっていたが、コランのことを思い出す。兄弟は「どうしようもなくお互い惹かれてしまうらしいよ」というクラスメイトの言葉が気になっていた…

 クロエとコランの兄妹の物語他、姉弟、三姉妹、兄弟の物語がおさめられています。兄弟姉妹が忌み嫌われる…兄弟がいるのは当たり前の時代を「前時代」と呼んでいるので、未来の世界の物語と思われます。

 私は一人っ子で、きょうだいはいない。子どもの頃から、きょうだいのいる友達から、「一人っ子はいいね」と言われてきた。部屋や両親、おもちゃやお菓子をひとりで独占できる。きょうだいで比べられることもない。「お兄ちゃん(お姉ちゃん)だから」と言われ責任を問われることもない。きょうだいケンカをすることもない。
 確かにその通りだ。一人っ子は自由だ。ひとり部屋を独占できる。お菓子も取り合いなどすることもなく、ひとりでゆっくり食べられる。おかげでマイペースな性格に育ったようだ(自分自身では、結構人に影響されたり、人と比較して落ち込むことが大人になってから多くなってきたと感じている)。でも、反対にきょうだいがいるってどういうことなのか、と考えることはよくあった。ひとりで寂しい時もある。一人っ子だって、「わがままだ」とか、「協調性がない」とか「自分の世界にばかり閉じこもっている」「人付き合いが下手」などと言われ続ける。きょうだいケンカって、どういうものだろうか。他のケンカと違うのだろうか。きょうだいで出かけたり、遊んだり、相談したり…そういうのは楽しそう、羨ましいなと思っている。でも、どうしようも出来ない。私にはきょうだいはいないのだから。

 なので、きょうだいとは何かがわかっていないので、この作品を読むのは少し難しかった。でも、きょうだいを「忌み嫌う」のはまた違う。一人っ子がいい、のではなく、一人っ子で無ければならない。この物語の世界で何故兄弟姉妹が忌み嫌われるようになったのか、説明されている部分もあります。何人も子どもを産むこと、兄弟姉妹がいることは「気味が悪い」。同じ母親のお腹から産まれ、似た遺伝子を持つことが「気持ち悪い」。子孫を残す…ただ残すのではなくより多く残す、という生物の生殖の目的から外れてしまっている。私のように、ひとりしか産まれなかったのだから、ではなく、ひとりだけ産むことが望まれる。現代でも、両親の仕事上の理由や経済的理由などで、意図的にひとりしか産まない(つくらない)ということはある。だが、この物語の世界はそれともまた違う。そんな世界観にまず驚きました。私の想像の及ばない世界。想像力の世界って凄い。

 きょうだいがいることを知って、忌み嫌いつつも気になってしまう。きょうだいを忌み嫌う社会に反し、きょうだいを大切にしようと主張するコミューンも出てくる。きょうだいで、産みの親に会いに行く。死んだ友人の弟にその姿を重ねる。
 きょうだいは「どうしようもなくお互い惹かれてしまうらしいよ」という言葉の通り、意味嫌っていても、無意識のうちに惹かれてしまう。その感情は、恋愛なのか、兄弟愛なのか。きょうだいという関係が成立しない社会、社会が成立させないこの世界では、恋愛にも似ているのかもしれない。…でも、私たちが通常イメージする「恋愛」とも違うような。

 「どうしようもなく惹かれてしまう」…言い換えると、「どうしようもなくお互いを想う」。この物語に出てくる登場人物たちは、それぞれのきょうだいのことを、忌み嫌っていても、どうしようもなく想ってしまう。気になってしまう。一緒にいたいと思う。それが徐々に「惹かれてしまう」のだろう。「どうしようもなく想う」気持ち…それは、恋愛だろうと兄弟愛だろうと同じことなのかなと思う。それが、忌み嫌われるものであっても、想いは止められない。病のように。

 止められない想いはどこへ向かうのか。どの物語も、はっきりとした結末は無く、余韻を持って終わります。想いにはっきりとした結末なんてない(失恋して、意図的に相手を忘れようとする場合や吹っ切れた場合とはまた違う)。誰かを想う気持ちは、空気のように漂いながら、見えなくてもそこにあり続けるのだろう。はっきりすることよりも、そんなはっきりしない、余韻が漂い続けることの方が多いような気がする。

 磯谷先生の作品に「屋根裏の魔女」という作品もあり、これも不思議な雰囲気の作品だったのですが、とても好きな作品です。この「恋と病熱」も。磯谷先生の不思議な世界、もっと読んで、味わってみたいです。
・その感想記事:屋根裏の魔女
by halca-kaukana057 | 2014-09-03 22:55 | 本・読書
 先日読んだ漫画「海とドリトル」(磯谷友紀)で参考文献になっていた本を読んでみました。この本の著者の佐藤克文先生が取材協力、モデルになっているのだそうです。
海とドリトル 1

サボり上手な動物たち 海の中から新発見!
佐藤克文・森阪匡道/岩波書店・岩波科学ライブラリー/2013

 イルカやクジラ、ペンギン、アザラシ、ウミガメ、カツオドリやオオミズナギドリなどの海鳥といった海洋生物たちが、海の中で一体どんな行動をとっているか…実はよくわかっていない。水族館に行けば観察は出来るけれども、実際の広い深い海の中で、どう行動し、仲間とコミュニケーションをとり、エサをさがしているのだろうか。実際にその姿を「見る」ことは難しい。そこで、登場したのが「バイオロギング」という方法。動物にカメラなどの機器をつけて、その行動データを記憶させ、そのデータを分析する。その手法で、海洋生物たちのこれまで「見えなった」姿が見えてきた。

 テレビの自然ドキュメンタリー番組では、海中に潜ったカメラが海洋生物たちが悠々と泳ぐ姿がよく放送される。この本からはちょっとずれるけれども、NHKスペシャルで一躍有名となったダイオウイカが泳いでいる姿を撮影するために、潜水艇で深海へ潜る映像も興味深かった。ダイオウイカもだが、見たことも無い深海の生き物に驚いた。
 イルカやクジラなどの海洋生物でも、そんな風に何らかの方法でカメラを海中に潜らせて調べているのかなと思った。でも、人間が潜れる深さや領域には限りがあるし、第一海は広い。広い海をあちらこちらへ泳ぐ生き物を追うのは難しい。撮影できたとしても一部分だけ。テレビ番組ならそれだけでもいいかもしれないけど、実際の研究となるともっとしっかりとしたデータが必要。これでは足りない。

 そこで登場するのが、「バイオロギング」。海洋生物にカメラや音声センサー、更には加速度センサーをつけて、その行動を記憶させ追うという方法。カメラだけじゃないのは、映像では追えないもの・場合もあるため。濁った水の中に棲む生物もいる。そこではカメラは使い物にならない。また、イルカの仲間は「エコーロケーション」といって、「カチカチ」とか「ギー」という「クリックス」という音で距離を測ったり、仲間とコミュニケーションしている。音を使って「見て」いる。人間は視覚から得る情報が圧倒的に多いが、イルカは音から得る情報が多い。そんな音で「見える」世界…どんな世界だろうなと想像すると楽しくなる。しかし、この音を出すことが、逆に自分を身の危険にさらすこともあるそうだ。イルカやクジラの天敵・シャチもエコーロケーションを使う。「盗み聞き」されて、襲われることもあるのだとか…。なんという…。なので、いつも音を出しているわけで無く、適度に「サボって」いる。ほかの仲間のクリックスを「盗み聞き」することもあるのだそうだ。結構ちゃっかりしている。
 この本のタイトルにあるとおり、生き物たちは適度に「サボる」のが上手いらしい。人間は「サボる」とバツが悪く思われがちだが、人間でもボーっとしていたり、回り道していることもある。生き物たちも同じなのだなと感じた。

 また、私たちは動物達の最大能力を調べようとする。時速何kmで走れる/泳げるのか、一番深く潜れるのは何mか、最高何時間潜っていられるのか…など。でも、動物たちはいつもその最大値・全力を出しているわけではない。日々の暮らしは平均値で表現される。生き物たちの暮らしぶりを知りたいなら、平均値に着目しよう、という内容になるほどと思った。研究者も、私たち一般人も、普段の暮らしを知りたい、見たいのだ。

 バイオロギングを使っても、なかなか思い通りにデータ収集できないことも多いのだそうだ。相手は生き物、自然。人間の思った通りにはいかない。地道な、地味なフィールドワークの積み重ね。いつも効率よく動いているわけでもない。人間も含めて、生き物は無駄なこともするし、遊ぶし、サボるし…一筋縄でいかない、だから興味深い、研究したくなるのだなと感じました。

 この本にあることが、今後「海とドリトル」にも出てくるのかなと思うと楽しみです。漫画と一緒に楽しめる。
by halca-kaukana057 | 2014-09-01 22:46 | 本・読書

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