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 「Eテレ・NHK教育テレビ」タグを再び使うとは思わなかった(今観ているのは「昆虫すごいぜ!」ぐらい)。

 2007年にEテレ(教育テレビ)で放送されたアニメ「電脳コイル」。私にとってとても思い入れのある、大好きなアニメです。その「電脳コイル」が、現在GYAO!で配信中。アマゾンプライムでも観られるようなのですが、入っていないのでGYAOで(アマゾンプライムでは、「ヴィンランド・サガ」も配信中。テレビ放送ではカットされたシーンもあるようで…)
GYAO!:電脳コイル

 現在、4話と5話を配信中。もっと早く記事を書こうと思ったが今になってしまった。配信は1話から観ました。

 2007年…もう10年以上も前なのか。コイルの世界のような電脳メガネはまだ出てこないが、スマートフォンやタブレットでARを使えばそれがそこにあるかのように見える。最近話題になっているという、Googleでネコなど動物名を検索すると、ARでその動物が現れて目の前にいるかのような体験ができる(私のスマートフォンは古くて対応していなかった)。これは電脳ペットに似ている。ポケモンGOもARと位置情報を使った、コイルの電脳世界に近いものだ。Googleマップで地図を表示すると、たまに古い情報が更新されずに残っているものもある。これは「古い空間」か?(最終回の記録を読むとそうじゃないらしい…覚えていない。もう一度見直します)当時、メタバグやキラバグ、電脳アイテム、イリーガルなどのことがよく理解できなかったところもあるが、今のスマートフォンで考えると理解しやすい。メガばあが作るお札などの電脳アイテムはアプリみたいなもの?メタバグなども実際はプログラミング言語なんだろうな。道具として可視化できるようにしたのが面白い。

 そういう技術面もだが、ヤサコやイサコたちの友情、人間関係をもう一度見直したい。台詞や仕草に、今だから気づける新しい発見もあるかもしれない。技術面と同じくらい、人間関係や想いの方向も複雑に絡み合っている。この物語には痛みが伴う。心の痛みを伴ってでも人とコミュニケーションすることについて何度も考えた。2007年とは置かれている環境も変わり、人間関係についての経験や考え方も変わったと思う。今、このアニメを観て、私はコミュニケーションについてどう考えるのか。それを見届けたい。

 純粋にエンターテイメントとして、アニメとしての面白さを楽しむだけでも勿論このアニメは面白い。個性的なキャラクターたちと、電脳世界で大冒険するのもワクワクする。4話のバトルシーンや、ヒゲの回は最高だったなぁ。クビナガの回もよかった。

 そしてこのアニメで、池田綾子さんの歌に出会えました。「プリズム」「空の欠片」どちらも大好きで、毎回、OPとEDは飛ばせません。

 嬉しい再会です。毎回観るのが楽しみです。GYAOで観ているアニメがいくつもあって大変です…。
by halca-kaukana057 | 2019-09-30 22:10 | Eテレ・NHK教育テレビ
 米澤穂信さんの「古典部」シリーズ第2弾です。ちょうどGYAO!でアニメも配信中。ちょうどこの「愚者のエンドロール」の回を見終わったのでその感想も。


愚者のエンドロール
米澤穂信/角川書店、角川文庫/2002

 夏休み。古典部は文化祭で出す文集「氷菓」の編集に追われていた。そんな中、千反田えるは知人に誘われたので2年F組が制作したビデオ映画の試写会に行こうと言い出した。試写会に向かった古典部の4人。そこにはえるの知人である、2年F組の入須冬実が待っていた。ビデオ映画は「ミステリー」と仮題がついた密室殺人事件ものだった。しかし、映画は途中で終わってしまう。脚本を書いた本郷真由は、脚本を完成させる前に体調を崩し入院してしまった。入須は、古典部に、折木奉太郎に、本郷の脚本の続きの答えを出してほしいと頼む。犯人は誰なのか、トリックは?古典部の4人は2年F組のビデオ映画制作スタッフ3人から話を聞き、答えを導き出そうとするが…。


 2作目はミステリー作品をめぐるミステリーです。第1作「氷菓」ではよくつかめなかった摩耶花の性格、得意なこともつかめてきました。そして2年F組の先輩たち。入須先輩は本当に高校生なのだろかと思うぐらい大人びている。本を読み始めると最初にあるチャットの会話ログが出てくる。2000年代のインターネット上のサイトの交流ツールといえば、掲示板(BBS)とチャットだった。今の若い人には他人も見られるLINEのトークと言えばいいかな。最後まで読んで、もう一度最初のチャットを読むと、そうだったのか、と思う。

 ミステリーとは何か。推理ものとは何か。それを探る物語でもありました。作品中でも取り上げられますが、私が「シャーロック・ホームズ」シリーズを読み始めた時、殺人事件ものは苦手なんだけどな…と思いながら読んでいた。でも、「ホームズ」の作品にも色々な種類がある。これも推理もの、ミステリーなんだと思った。その頃思っていたことを、思い出しながら読みました。「ホームズ」はミステリーの入門書と私も思っていたのだけど…。ホームズ作品に思い入れのある里志の話が助けになります。また、里志から見た摩耶花についての発言もある。摩耶花もすごい子なんだよなぁ。

 今回も奉太郎の推理が炸裂しますが、奉太郎一人だけでは「答え」を導けない。「答え」に近づけない。里志、摩耶花、えるがいて、それぞれの視点があって、奉太郎も推理できる。そしてこの古典部4人のつながりは、入須先輩が見据えているものとはまた違う。奉太郎の「省エネ」主義と、入須先輩のやり方、見据えているものは完全一致ではないけれど、どこか近いものがあるのかもしれない。でも、奉太郎は変わりつつある。2回目に入須先輩と2人で話した時、奉太郎の叫びは「省エネ」とはほど遠いものだった。何人もの人間を思っている。

 ミステリーとは、人間の本質、人間の心理を追求するものなのかもしれない。危機的状況、窮地に追い込まれた時、人間は何を考えて何をするのか。読んだ後にそう思いました。

 GYAO!で配信中のアニメ「氷菓」は、2010年代にうまく合わせて、原作のポイントをうまく生かしたテンポのよいものになっていたと思います。入須先輩や、古典部が話を聞いた2年F組の3人、特に沢木口先輩はイメージ通りでした。アニメで観るとより原作の面白さを実感できる。11話の打ちのめされていく奉太郎の表情がとてもよかった。本当に絵がきれいで、その絵で登場人物の心の中を表現している。いいアニメだなと思います。

 古典部シリーズ、まだまだ続きます。
by halca-kaukana057 | 2019-09-28 21:58 | 本・読書
 昨日深夜、H2Bロケット8号機が打ち上げに成功しました。

JAXA:宇宙ステーション補給機「こうのとり」8号機(HTV8)の打上げ結果について

朝日新聞:H2Bロケット打ち上げ成功 「こうのとり」をISSへ
  ↑毎度おなじみ朝日新聞のロケット打ち上げ空撮動画もあります。ただ、夜のため、ロケットの炎しか見えません…。
NHK:「こうのとり」8号機 打ち上げ成功

 ロケットの打ち上げは夜中なので観られないだろうと思っていたら、偶然その日はなかなか眠れなかった。ちょうど打ち上げ時間になったので生中継を観ていました。いつもより心配して観ていたと思います。でも、そんな不安を吹き飛ばすきれいな打ち上げでした。お天気もよくよかった。
 
 周知の通り、この8号機の打ち上げは11日に行われる予定でした。しかし、打ち上げ数時間前、射点に移動したロケットの発射台から火災が発生。打ち上げは中止になりました。発射台で火災なんて初めて、一体何があったんだ!?ロケットの機体と「こうのとり(HTV)」は無事なのか?とても心配でした。

 その後、原因を調査、解明しました。
マイナビニュース:H-IIBロケットの発射台火災はなぜ起きたのか? - MHIが調査結果を公表
日本経済新聞:三菱重、ロケット火災は断熱材発火が原因と発表

 火災が何故、どのようにして起こったのか。まとめると、

・メインエンジンの噴射ガスを煙道方向へ逃がす役割をする、ロケットの下部にあたる位置に設けられている発射台の「開口部」という空洞から火災が発生。
・開口部の壁面には断熱材が貼られている。これが燃えた。
・H2Bロケットのメインエンジン「LE-7A」は、液体酸素でエンジンを予冷している。エンジンは2基あるが、そのうちの1基から排出された液体酸素が、この開口部の壁面に吹きかかっていた。
・H2Bロケットは、LE-7Aを2基並べて装着しているため、各エンジンの排出口と開口部壁面までの距離が20cmと非常に近い。なので液体酸素が開口部の壁面に吹きかかりやすい。LE-7A1基のH2Aロケットでは問題になっていなかった。
・予冷に使った液体酸素はエンジンのノズルの脇にある排出口から外へ放出されるが、この日はほぼ無風で開口部にたまっていた。
・断熱材は耐熱材によって覆われているものの、耐熱材は低温に弱く、冷たい酸素によって時々割れることがあるという。今回も、耐熱材が低温で割れた結果、中の断熱材が外に露出した。
・液体酸素が空気に触れ、液体と気体が混ざった状態で発射台の耐熱材に吹きかかり続けることで静電気が発生した。この静電気が発火源となった。しかもほぼ無風だったため、静電気はより強くなった。
・その静電気が、耐熱材が低温で割れて外に露出した断熱材に触れ、発火した。
・対策として、断熱材にアルミシートを施行する。

 というのが、火災が起こった流れです。H2Bロケット特有の問題、気象の条件が複雑に組み合わさり、火災につながった。この複雑な要因を短い期間で突き止め、次の打ち上げでは問題なく成功させたのはすごいと思います。改めて、ロケットは大きくても繊細な技術でできているのだと実感しました。H2Bも今回で8号機。初号機から成功し続け、安定していることに安心していましたが、その場になってみないとわからないことがあるのだなと思いました。今回の対応の件で、H2Bはさらに信頼性を上げたのではないかと思っています。

 「こうのとり」8号機は28日夜にISSに到着予定です。把持、結合、ハッチオープンまでご安全に!
by halca-kaukana057 | 2019-09-26 21:59 | 宇宙・天文
 メッツァ&ムーミンバレーパークの旅の思い出、多分これが最後の記事。旅の楽しみはお土産。メッツァにはフィンランド、北欧のデザインプロダクトや雑貨がたくさんありました。ムーミンバレーパークにもフィンランドのムーミングッズが。買ったものの一部を紹介。

 まず、メッツァにて。
 マーケット棟2階の「北欧雑貨」にて。
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 フィンランドの旅行ポスター「Come to Finland」のポストカード。20世紀初頭から1960年代まで、フィンランドで旅行広告用に作られたポスターなのだそう。レトロでとてもお洒落なデザインです。デザインしたのは、フィンランドのポスターアートの巨匠・エリック・ブルーン(Erik Bruun)や、マリメッコのロゴをデザインしたヘルゲ・メーテル=ボリィストレーム(Helge Mether-Borgström)など。このポスターを観て、フィンランドに行きたいと思っていた人たちがいたんだと思うと、ワクワクします。

 マーケット棟1階、「LAAVU」にて。
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 スウェーデンの銀行がこどもたちにプレゼントするために、フィンランドにデザインを依頼して作られたゾウの貯金箱。今では人気商品です。そのキーリングです。貯金箱も大、小ありました。色はカラフルで、何色もありました。このNorsuのグッズは、別の色でストラップを持っています。今度はキーリング。ストラップとはちょっと違います。このコロンとしたゾウが可愛い。

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 これ!これには驚きました。フィンランド本国でもこれは売っているのかわからないのですが…(解説等は日本語だった)。フィンランド人の国民性を自虐たっぷりに、でも誇りを持って描いているコミック「FINNISH NIGHTMARES」、日本語版「マッティは今日も憂鬱」のマッティグッズです。ぬいぐるみキーチェーンとポストカード。ポストカードは何種類かあったのですが、私がこれぞマッティ、これぞフィンランド人と思うのはこのシーンかな。雨が降ろうが、パーソナルスペースはいつも通りの距離で。シャイで目立つのが苦手、静けさを愛し、パーソナルスペースは広め。それはどんな状況でも変わらない。そんなところに、フィンランド人の「倒れてもただでは起きない」根性、忍耐力、静かな強さを意味する「Sisu(シス/フィンランド魂)」も感じます。マッティグッズをそばに置いて、マッティのように憂鬱になりそうな状況下でもめげずに乗り越えていこうと思います。
マッティは今日も憂鬱
マッティ、旅に出る。 やっぱり今日も憂鬱 FINNISH NIGHTMARES 2
・「Sisu」についてはこちらを:フィンランドの幸せメソッド SISU(シス)

 あと、「LAAVU」ではフィンランドのお酒も売っていました。以前飲んだロンケロ(オリジナル ロングドリンク)もありました。買いました。やっぱり美味しいです。その他にも、「upcider」というシードルもありました。これもハートウォール社。写真はありません。宿で飲んでしまいましたw「upcider」も美味しかった。グリーンペアとアップルの2種類あります。
 クルタスクラーのチョコレートも売っていたのですが、家に着くまで溶けずに持ち帰れるか自信がなかったので買いませんでした。残念。Fazer社のチョコレートはミントでコーティングしたもの以外は売ってなかった。ゲイシャチョコとかあればいいなと思っていたのに。今度はもっと涼しい季節に行こう。
 サルミアッキがあるか期待したのですがなかった。何も知らずに買って、酷い目に遭ったら災難だからか?期待したんだけどな…。
フィンランドの定番カクテル「ロンケロ(Lonkero)」を飲んでみた
フィンランドのチョコレート クルタスクラー(Kultasuklaa)

 次はムーミンバレーパーク。ムーミンバレーパークはポストカードが充実しています。ポストカード大好きです。
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 ムーミンバレーパーク製のものと、フィンランドから輸入したものが一緒に売られています。これはフィンランドから輸入したもの。裏を見るとわかります。お祝いなど、メッセージカードにもなっています。

 Fazer社のものがありました。
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 ムーミンビスケット。缶入りのものもありましたが、これは箱入り。箱はこのムーミンと、もうひとつスノークのお嬢さんのデザインがあります。中身は一緒だと思います。中はムーミンのキャラクターの形をしたシンプルなビスケットです。
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 箱の横にはこんなフィンランド語が。訳すと、菜種油を使ったこどもたちが大好きなムーミンのクッキーです、とのこと。

 以上、フィンランド製のお土産でした。特にムーミンバレーパークのお土産屋さんはとにかく混んでいたので、お店の中のどこに何があるか把握するのが大変でした。メッツァの北欧雑貨も混んでいた。今度は空いている時にゆっくり見たい。

【過去記事】
日本のフィンランド? メッツァ&ムーミンバレーパークに行ってきた
【メッツァ&ムーミンバレーパーク】フィンランドの美味しいもの
ムーミンバレーパークを歩く

by halca-kaukana057 | 2019-09-24 23:18 | フィンランド・Suomi/北欧
 飯能市のメッツァ&ムーミンバレーパークの旅の思い出の続き。ムーミンバレーパークを歩きます。

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 入り口。ムーミンとリトルミィがお出迎え。入り口付近には、インフォメーション、お土産屋さん、パンケーキ屋さんがあります。パークの中心地まで少し歩きます。離れています。パークを出る時まで入り口付近には戻ってこられなかったので、このあたりのことはよくわからず。パンケーキ屋さんに入ってみたかったな。

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 パークのベンチには、ムーミン作品の中の名言が書かれたプレートがあります。あちらこちらにあるので探してみてください。日本語の下は原語のスウェーデン語。作者のトーベ・ヤンソンの母語であり、作品の原語であるスウェーデン語。トーベ・ヤンソンが生まれ、生きたフィンランドのフィンランド語。パークの中にはこの2つの言語が入り交じっています。パークの施設の名前などはフィンランド語ですが、展示体験施設「コケムス(Kokemus)」(これはフィンランド語)の中の展示にはスウェーデン語も使われている。フィンランド語なら読めるのですが、いきなりスウェーデン語が出てくると読めない…。

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 ムーミンバレーパークのシンボルと言えば、このムーミン屋敷。原作の通り、そのままに再現されています。これを見て、ムーミンの世界にやってきたんだと実感しました。中はアトラクションとして、ガイドツアーで入ることができます。中も原作のままでした。ムーミンたちがさっきまでそこにいて、生活しているような雰囲気があります。

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 中のことはネタバレにもなるので書くのは控えたいのですが、これだけ。テーブルの上に楽譜がありました。「ILTALAULU」夕べの歌。誰が演奏していたんだろう。

 アトラクションは他にも、「リトルミィのプレイスポット」「海のオーケストラ号」と、シアター型のものが2つ。ミィのは遊び心に溢れていて楽しかった。先日Eテレで放送された新アニメ「ムーミン谷のなかまたち」1話では、ムーミン屋敷とムーミンたちの暮らしを荒らし回る。そんなところにイライラするのですが、何故嫌なことを嫌と言わないの?自己主張しないの?と言うミィにはその通りだと思ってしまった。憎めない存在なんですよね、ミィ。
 「海のオーケストラ号」はその名の通り、「ムーミンパパの思い出」で出てくるあの船。若き日のムーミンパパと冒険に出発です。とても映像がきれいで魅了されました。様々な仕掛けも楽しめました。ここはおすすめ。
 無料で観られるムーミンたちの劇「エンマの劇場」。写真では着ぐるみのムーミンたちに違和感を覚えましたが、動いているのを観ると自然に見える。不思議。随分背の高いミィだなぁと思っていたミィもすんなり受け入れられた。スナフキンはかっこいいです。
 スナフキンはパークの中で偶然会えるかもしれない。私も会えました。
 後は「飛行おにのジップライン」これは私は見るだけ。宮沢湖の上を飛んでみたい方はどうぞ。

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 メッツァからも見えた灯台です。この先にはスナフキンのテントがあります。山の方に登っていくと、おさびし山に。ツリーハウスのアスレチックがあります。こどもたちで賑わっていました。

 どこも、ムーミンの世界を大事に再現した施設でした。「コケムス」の中の展示、ムーミン谷のジオラマがすごいです。ムーミン物語の世界が細かく再現されています。ジオラマはじっくりと観てください。どのキャラクターがどこにいるか、何をしているかがわかると感動します。
 つまり、行く前にムーミンの物語を読んでいくと感動しっぱなしです。でも、帰ってからの方が物語を読み返したくなります。小説だけで大丈夫です。コミックスはあまり出てきません。

 あと、メッツァもですが、ムーミンバレーパークも自然に恵まれていて、自然を満喫できました。

 ムーミン谷を歩きました。また来たいです。

【過去記事】
日本のフィンランド? メッツァ&ムーミンバレーパークに行ってきた
【メッツァ&ムーミンバレーパーク】フィンランドの美味しいもの
by halca-kaukana057 | 2019-09-22 22:07 | フィンランド・Suomi/北欧
 飯能市にあるメッツァ、ムーミンバレーパーク旅行記。まずは食べ物編。ガイドブックで予習していて、フィンランドの美味しいものが食べられるかも…と楽しみにして行きました。

・前の記事:日本のフィンランド? メッツァ&ムーミンバレーパークに行ってきた

 まずはメッツァ。レストラン棟・ヴァイキングホール2階にある「ロバーツコーヒー」

メッツァビレッジ:ROBERT’S COFFEE
ROBERT’S COFFEE JAPAN

 フィンランドのコーヒーチェーン店が日本にやってきました。日本にできたのが嬉しい。現在は東京と飯能の2カ所。ここは絶対に行きたいと思っていた。フィンランドはコーヒーの消費量が世界トップ。とにかくコーヒーを飲みます。フィンランドは浅煎りのコーヒーが好まれているとのこと。
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 本当にロバーツコーヒーだ。

 カプチーノを注文。フィンランドのカフェと言えば、シナモンロール。ロバーツコーヒーでも定番メニューです。地元では北欧式のシナモンロールを売っているお店はない、自分で作る…シナモンロールは難しい…。なのでここで食べたいと思っていたのですが、残念なことに売り切れ。時間が遅かった。ブルーベリータルトも注文。
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 カップも素敵です。
 コーヒーがしっかりと効いているけれども、ミルクでまろやかな味でした。ブルーベリータルトも美味しかった。フィンランドではまだ森でベリー摘みができるのかなぁ。もうシーズンは過ぎたかな。森で採れたベリーでタルトやジャムを作っているんだろうな。

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 照明の形が面白い。葉っぱかな?やはり北欧。照明には凝ります。

 次はムーミンバレーパーク。「コケムス」2階の「Kauppa & Kahvila」.1階にレストランがありますが、2階はカフェです。このカフェは、ホットドリンクはアラビアのムーミンマグで出てきます。ここにあったのが、ラスキアイスプッラとカレリアンピーラッカ。カレリアンピーラッカ(karjalanpiirakka カルヤランピーラッカ/カレリアパイ。ミルクで炊いたお米を包んだパイ)はこの時売り切れ。でも、ラスキアイスプッラはありました!
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 ベリーカフェラテとラスキアイスプッラを注文。ムーミンマグはミムラ夫人とこどもたち。ベリーのコーヒーと聞いたのでフィンランドっぽいなと頼んだら、クリームが多いぞ…。この時、パークの中を歩き回って、レストランは2時間半待ち(!!)だったので、甘いものを補給したかった。
 ラスキアイスプッラ(Laskiaispulla)は、イースターの前、断食期間直前に食べるお菓子。スウェーデンの「セムラ」がフィンランドに入ってきてラスキアイスプッラになったのだそう。セムラと似ていると思ったけど、そういう歴史があったのか。
 食べてみる…これ、どこから食べればいいんだ?横から食べるには大きすぎる。上のパンを食べて、クリームだけ食べて、クリームが減ったら横からパンとクリームを食べました。中にはマーマレードも入っています。これは本場ではどうやって食べているんだろう?パンは、カルダモンも入っています。でもカルダモンの風味はそんなに強くなかったです。ペロリと食べられました。美味しい。セムラもラスキアイスプッラも、写真で見た時はかなり大きいなと思ったのですが、このラスキアイスプッラは日本人でも食べやすいように小さめだった模様。本場はもっと大きいらしい…。
 フィンランドなら2月じゃないと食べられないのに、日本で、夏に食べられました。あとはルーネベリタルトがあれば完璧だな。
 ベリーカフェラテも、ベリーとコーヒーが合っていて美味しかった。今度はカルヤランピーラッカを食べたい。

 カフェメニューだけですが、フィンランドの味を楽しめました。今度行ったらシナモンロールを食べたい…!
by halca-kaukana057 | 2019-09-20 22:17 | フィンランド・Suomi/北欧
 先日、友人と旅行に行ってきました。かねてから行きたいと思っていた、飯能市にある「メッツァ(metsä)」と「ムーミンバレーパーク」。北欧の文化や食に触れられるテーマパークです。
【公式】メッツァビレッジ・ムーミンバレーパーク
 メッツァは無料で入れます。ムーミンバレーパークは入場料、アトラクション料がかかります。

 駐車場から、メッツァへの歩道。両側が深い森で、これから森の中へ入っていく感じが出ていてよかったです。画像はない。

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パークは宮沢湖の周りを囲むようにあります。湖ではカヌーを楽しめます。向こうに見える灯台はムーミンバレーパークの。

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湖を見渡せるところには椅子やベンチがありました。椅子に座って景色を眺めていると、深呼吸したくなります。

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メッツァのお店のひとつ。「nordics」.イッタラやロイヤル・コペンハーゲンなどの北欧デザインカトラリーで食事ができます。今はイッタラ。今回は行けませんでした。

 みどころはたくさん。全部語ろうとするとキリがないまとまらない…。いくつかのテーマに分けて、魅力、楽しみを思い出しながら書いていこうと思います。今日は景色だけ。
by halca-kaukana057 | 2019-09-19 22:28 | フィンランド・Suomi/北欧
 今年も、9月5日から8日まで、ラハティのシベリウスホールでシベリウス音楽祭(Sibelius Festival/Lahden Sibelius-festivaali)が開催されました。ラハティでシベリウス音楽祭が始まったのは2000年のこと。今年で20回目です。ホストオーケストラのラハティ交響楽団と、今年はロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団がゲスト。ストックホルム・フィルは交響曲第7番をシベリウス自身の指揮で世界初演したオーケストラです。

Sinfonia Lahti : SIBELIUS FESTIVAL 5.-8.9.2019

 演奏会の録音は、現在フィンランドYLEのラジオでストックホルム・フィル回がオンデマンド配信中。そのうち、ラハティ響の演奏会の録画を公開しているサイト Classic live で映像が公開されると思います。公開されたらまた追記します。
 では、今年のプログラムを。

◇9/5 Thu 05.09. at 19.00 Sibeliustalo KULLERVO
  ※演奏会動画(プログラム通して)
 ・お前に勇気があるか op.31-2
 ・渡し守の花嫁たち op.33
 ・火の起源 op.32
 ・クレルヴォ(クッレルヴォ)(交響曲) op.7
  / マルユッタ・テッポネン Marjukka Tepponen (ソプラノ)、トンミ・ハカラ Tommi Hakala(バリトン)、ポリテク合唱団
   ディーマ・スロボデニューク:指揮、ラハティ交響楽団

 初日から「クレルヴォ」。いいなぁ。早く聴きたいなぁ。前半の「お前に勇気があるか」「渡し守の花嫁」は男声合唱とオーケストラの作品。「火の起源」はカレワラからの作品で、バリトン独唱と男声合唱、オーケストラの作品。「火の起源」と「クレルヴォ」が一緒のプログラムというのがとても魅力的。

◇9/6 Fri 06.09. at 19.00 Sibeliustalo SYMPHONIES 5, 6 & 7
   ※2日目演奏会動画(プログラム通して)
 ・交響曲第5番 変ホ長調 op.82
 ・交響曲第6番 op.104
 ・交響曲第7番 op.105
  /トーマス・ダウスゴー:指揮、ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団

 ◇YLEでのラジオ放送オンデマンド:YLE Areena Radio : Konsertteja : Lahden Sibelius-festivaali: Tukholman kuninkaallinen filharmoninen orkesteri
 放送後30日間聴けます。「○○pv」が残り日数。

 2日目は後期交響曲を3作品。一度でいいから、一気に生で聴いてみたい…。ちなみに、指揮のダウスゴーさんはプロムスで5番の1915年初稿を指揮しましたが、シベリウス音楽祭では1919年版現行版です。

◇9/7 Sat 07.09. at 17.00 Sibeliustalo SIBELIUS´S SONGS
 ・吟遊詩人 op.64
 ・アリオーソ op.3
 ・春はいそぎ過ぎゆく op.13-4
 ・もはや私は尋ねなかった op.17-1
 ・3月の雪の上のダイヤモンド op.36-6
 ・秋の夕べ op.38-1
 ・夜の騎行と日の出 op.55
 ・エン・サガ op.9
  / カリタ・マッティラ(ソプラノ)、ディーマ・スロボデニューク:指揮、ラハティ交響楽団

 3日目は管弦楽伴奏の歌曲の回。フィンランドの名ソプラノ、マッティラさんが歌います。聴いたことのないものも。シベリウスは歌曲やピアノ曲を数多く作曲していて、まだ全部把握できてない。もっと聴きたいなと思います。
 この回。「吟遊詩人」「夜の騎行と日の出」「エン・サガ」が入っているのが嬉しい。この3曲が同じ演奏会で聴けるなんて。

◇9/8 Sun 08.09. at 11.30 Sibeliustalo SIBELIUS ON A SUNDAY MORNING Choral and organ works by Sibelius
 ・イントラーダ op111a
 ・6つの歌 op.18 より
   1.失われた声/3.舟の旅/6.わたしの心の歌/4.島の火
 ・つぐみのように慌ただしく JS129
 ・祖国に JS98a
 ・ラカスタヴァ(愛する人) JS160c
 ・葬送曲 op.111b
 ・夢 JS64
 ・嘆くことなく JS69
 ・空気中に立ち昇る JS213
 ・1897年ヘルシンキ大学祝典のためのカンタータ JS106 より
   1.われらスオミの若者/3.Tää valon nuori vartiasto (These Young Guardians of Light)/10.Soi kiitokseksi Luojan (We Praise Thee, our Creator)/12.Oi Lempi, sun valtas ääretön on (O Love, Your Realm is Limitless)
 ・Herr Du Bist Ein Fels (Lord, You Are A Rock)
 ・フィンランディア賛歌
  / セッポ・ムルト Seppo Murto:指揮、オルガン、ドミナンテ合唱団、フォルケ・グラスベック:ピアノ

 最終日は合唱とオルガン作品。JS106はその後作品23として残りましたが、JS106は失われてしまいました。カレヴィ・アホが補完しており、BISのシベリウス全集にも入っています。この回、マニアックです。これでこそラハティのシベリウス音楽祭。


by halca-kaukana057 | 2019-09-11 22:55 | 音楽

星の文人 野尻抱影伝

 野尻抱影の伝記があったなんて知らなかった。しかも、著者は抱影の弟子で天文学者の石田五郎先生。そんな本があったのか!文庫化に感謝。


星の文人 野尻抱影伝
石田五郎/中央公論新社、中公文庫/2019
(底本は「野尻抱影 ――聞書"星の文人"」(1989、リブロポート))


 星座の解説や天文エッセイ、日本や世界各地の星の呼び名を収集した野尻抱影(本名:正英(まさふさ))。横浜に生まれた。星に興味を持ったのは14歳の時、しし座流星群を観測したこと。ただ、流星群は現れなかった。15歳の時、「星三百六十五夜」にも記述がある、オリオンとの出会いがある。修学旅行後に病気で入院し、病室から三つ星を見た。以前友人が描いてくれた星図でオリオン座を知り、他の星座も知っていった。退院後はその星図を描いてくれた友達と一緒に天文にのめり込んだ。
 当時、星座や天文学の本は少なかった。今でこそ、子ども・中高生向けの宇宙や天文の本は充実している。私が子どもの頃、中高生の頃も、抱影の時代よりはずっと豊かになったが、本は限られていた。私が本の探し方を知らなかったからかもしれない。新しいことはテレビの科学番組を観て学んだ。子ども・中高生の頃に自分が興味を持っていることにどうやって出会うか、どうやったらもっと知ることができるのか。抱影もそんな中で天文に触れていったことがうかがえて嬉しい。

 しかし、抱影は大学では英文学を学びたいと思った。抱影は、専門的に天文学を学びたいと思ったことはないのだろうか。
 早稲田大学に進学し、英文学を学ぶが、抱影は星や星座の神話には興味を持ち続けていた。卒業すると甲府中学の英語教師になる。抱影の授業はとても豊かなものだったそうだ。授業の導入に様々なジャンルに渡る話をした。
 授業の傍ら、やはり星がそばにあった。甲府の空は天体観測には適していて、しかも学校には口径5cmのドイツ製の望遠鏡があった。明治43年のハレー彗星は甲府で思う存分観測したそうだ。また、寄宿生を集めて天体観望会を開いた。素敵な先生だ。

 その後、東京で教師をし、結婚を経て、教師を辞め、ジャーナリストになる。少年向け雑誌で、「肉眼星の会」を始める。星空を観て、宿題の星座をスケッチし、目立っている星も記入せよ、というもの。それを抱影宛てに送ってほしいと。この雑誌への投書がきっかけで、抱影には弟子ができる。そして、抱影は「科学者でないペンの人が書いた星の話をつくるつもりでいます。」(107ページ)と、本格的に星についての本を書くことを決意している。これが出来上がったのが、「星座巡礼」。天文学の専門書ではない、星が好きな人のための本。科学だけでなく、文学としても楽しめる星の本。抱影の「星座巡礼」(後に「新星座巡礼」)はありそうでなかった本だった。私が抱影の本に出会ったのは大人になってからだが、星に興味を持ち始めた子どもの頃に出会っていたら、きっと夢中になって読んだだろう。抱影は天文学を目指さなかったのか、と上に書いたが、ここにたどり着くためだったのかもしれない。その後も「星三百六十五夜」、「星戀」も出版される。抱影の本を読んでいると、星の楽しみ方はひとつではない、様々な楽しみ方があるのだなと思う。一般の人も、星にもっと親しめるのだと思う。それを、抱影は著書で示してくれた。

 そして抱影は、全国からの投書を通じて、日本各地に伝わる星の和名を収集し始める。こういうものは普通なら、自分が出向いていって収集するが、抱影は投書の形を取った。「肉眼星の会」のやり方、ネットワークが生きたのだと思う。抱影以外の星の和名を収集していた研究者たちのやり方も書かれていて興味深い。日本には独自の星の文化がある。その先駆者にもなった。

 抱影の周囲には様々な人々がいた。文筆家、天文学者、弟子たち。抱影は気性の荒いところもあった。

 文学方面からの星の研究は裾野が広がった。星の和名の研究も、抱影の説は違うのではないかという検証も行われている。抱影ひとりだけで終わらず、今も続いている。死んだらオリオン座で眠りたいと言っていた抱影は、オリオンからそんな現代を見ているかもしれない。


・著者の石田五郎先生の本:天文屋渡世
 師匠の抱影とのことも書いてあります。
by halca-kaukana057 | 2019-09-08 21:33 | 本・読書
 先日河合祥一郎さんによる新訳を読んだ「ドリトル先生航海記」。新訳で読み直すきっかけになったのが、この福岡伸一さんによる新訳が文庫で出たことでした。


ドリトル先生航海記
ヒュー・ロフティング:著、福岡伸一:訳/新潮社、新潮文庫/2019 (単行本は2014年)


 子どもの頃、井伏鱒二訳の岩波少年文庫の「航海記」を読んで、ドリトル先生に魅せられてしまった福岡先生。ドリトル先生のような博物学者になりたいと思うようになったそう。
 河合祥一郎さんの新訳で、井伏訳ではイギリスの文化・慣習がまだよく知られておらず削除された箇所があると知りました。この福岡訳では、その部分も勿論そのまま、原著初版に忠実な翻訳を目指したのだそう。英語でも「航海記」は、差別的な表現があると削除、改変されてきたのだそうです。現在、日本でも言葉の一言だけに過敏に反応してしまう残念なことが起きています。あとがきで福岡先生が書いている通り、物語全体を読めばドリトル先生がどんな人なのか、ドリトル先生を通してロフティングが伝えたかったことは何なのかわかるはず。物語が書かれた当時は仕方なかった表現であって、でもその表現だけに気をとられてドリトル先生のメッセージを読み取らない…きっとドリトル先生は怒ると思います。残念がると思います。「航海記」からはトミーが語り手になっているからトミーもか。
 井伏訳岩波少年文庫では、ロフティング自身の挿絵を載せていますが…カットされた挿絵がありました。何故この挿絵をカットしたのだろう、と思います。他の絵とタッチ、画材が違うからだろうか。これはきっとカラーで描かれたのだと思う。カラーの絵も見てみたかった。

 「航海記」は、これで3つの訳で読みましたが、「ドリトル先生」、そして「航海記」は本当に面白い。大好きな作品だと実感しました。やはり、ドリトル先生の人間性に惹かれます。そして、学校にも行けなかった少年トミーが、ドリトル先生と知り合い、助手になり、一緒に冒険の旅に出る。こんなにワクワクすることはない。動物と話のできるドリトル先生は、人々の固定観念をいい意味で破壊していく。ペットを飼っている人なら、うちの子は人間のことをどう見ているのだろう?「人間様」なんて皮肉って見ているんじゃないか、と思ったことがあるかもしれません(私も子どもの頃インコを飼っていて、そんなことを思っていました)。動物の前では、人間は偉いんだ、動物は下等なんだと横柄な態度を取っている「人間様」もいる。そんな「人間様」の本性を暴いてしまうドリトル先生。とても痛快ですし、生物、命は皆平等なんだと実感します。

 福岡先生の訳は、「児童文学」のジャンルと捉えられていた「ドリトル先生」を、「文学」として楽しめる訳になっていると思います。井伏訳では一人称は「わし」だったドリトル先生。そういえば。それが、「わたし」になるだけで、随分変わる。ドリトル先生がどんな人か、イメージが変わってしまう。物語を追っていくと、「わたし」の方がしっくり来るなと思います。ドリトル先生は小太りですが、闘牛のシーンにしろ、遭難のシーンにしろ、クモサル島での戦いのシーンにしろ、結構体力もあるし運動神経もいいのではないのかと思う。

 ドリトル先生の助手となり一緒に旅に出たトミー。ドリトル先生やオウムのポリネシアの元で字や算術、動物の言葉を学ぶ。ドリトル先生の元で成長を実感し、自信をつけていく。しかし、船が遭難した際、ドリトル先生と離ればなれになってしまう。その時の不安の表現は、トミーはまだ子どもなのだと思う。
 先のシリーズになってしまうが、月3部作では、ドリトル先生はトミーのことを案じてトミーを置いて旅に出ようとする。しかし、トミーはこっそりとついて行く。ドリトル先生がトミーが付いてきたことを知った時安心していた。また離ればなれになった際、トミーはドリトル先生のことを心配しつつも自分にできることをしていた。
 「航海記」ではトミーとドリトル先生の冒険は始まったばかりだが、トミーがいてこそ、ドリトル先生は旅に出られるのだと思う。少しの間だけ離れた2人だが、2人の絆の深さを実感する。

 ドリトル先生は、誰にでも親切で、人道的で、公平。クモサル島で王様になってしまったドリトル先生は、住民たちのためにあらゆることをする。島の住民は火を知らず、食物を調理して食べることを知らない。文明というものを教える。しかし、ドリトル先生は博物学者としての研究ができなくなってしまった。そんなドリトル先生をあわれみ、何とかクモサル島を脱出してイギリスに帰らせたいポリネシア。ドリトル先生をイギリスに帰る気にさせるも、王様になった限りはその務めを果たしたい。住民たちを豊かにしたい。自分がいなくなったら、またこの島は文明と切り離されてしまう…。ドリトル先生が島から離れることを決意し、島を去るシーンが印象的だ。今回は、このクモサル島での暮らしと別れが強く印象に残りました。

 あとがきを読むと更に楽しめます。パドルビーはどこにあったのか。「Do little, Think a lot」の意味するもの。そういう読みがあったのか。とても面白いです。「航海記」だけじゃなくて、ドリトル先生全シリーズの新訳を出してくれないかなぁ、新潮社さん。

【過去記事】
・河合新訳・角川つばさ文庫:ドリトル先生航海記 [河合祥一郎:新訳]
・井伏訳・岩波少年文庫:ドリトル先生航海記
by halca-kaukana057 | 2019-09-05 22:19 | 本・読書

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