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ふたりのスカルラッティ

 フィンランドYLEの、フィンランド放送響の演奏会のオンデマンド配信を聴きました。
YLE Areena Audio : Konsertteja : RSO:n konsertissa kotimainen kantaesitys ja Griegin pianokonsertto
 (YLEのラジオのオンデマンドのページのデザインが大きく変わっていました。昨日までは古いデザイン、今日アクセスしたら新しいデザインだった。配信期間は「あと何日」の表示がなくなったのが不便。)

 9月27日の演奏会、曲目は、
 ・イルッカ・ハンモ Ilkka Hammo:On the Horizon(世界初演)
 ・グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 op.16
 ・ニールセン:交響曲第5番 op.50
  / エフゲニー・スドビン Yevgeny Sudbin (ピアノ)、ハンヌ・リントゥ:指揮、フィンランド放送交響楽団

 スドビンさんは以前から気になっているピアニスト。音がくっきりと鮮やか、第1楽章の静かなところや第2楽章でもやさしいけれども優雅。大好きなニールセン5番もよかった。聴き所のスネアもまさに機関銃のような切れのある音だったし、それぞれの楽器が入り交じる不安な和音、その不安が吹き飛んだような弦の表現を楽しめた。
 おや?と思ったのがスドビンさんのアンコール(52分ごろから)。ちなみに、私はソリストアンコールに惹かれることがよくある。しかも、海外ネットラジオだとサイトにはアンコール曲の記述がないことが多い。あまり知らない作曲家、聴いたことがない作品をどうやって探して見つけるか。見つけた時は本当に嬉しい。今回のアンコールだが、バッハ?いや、バッハじゃない。誰の何という作品だろう…調べてみたら、ドメニコ・スカルラッティのソナタ ロ短調 K.197だった。先日来日した時もこの曲がアンコールだったらしい。哀愁たっぷりのしっとりとした、やさしい音のアンダンテ。スドビンさんはドメニコ・スカルラッティのアルバムを2枚出していて、その第2集に入っています。以前からドメニコ・スカルラッティの鍵盤作品は好きだった。シンプルな、ストレートな音づかいが好きだ。
 しかし曲が多すぎて覚えられない…。もっと聴いてみたい。

 スカルラッティという作曲家、と聞くと、鍵盤の人はドメニコ、声楽の人はアレッサンドロと答えると思う(と書いたがアレッサンドロの鍵盤作品は「プレ・インベンション」に収録されている)。私はドメニコを先に覚えて、その後声楽を始めて、「イタリア歌曲集 1」の中にアレッサンドロ・スカルラッティの名前を見つけて、ここにもスカルラッティ?と思った。アレッサンドロはドメニコの父、2人は親子だったのだ。

 「イタリア歌曲集」を歌っていくと、アレッサンドロの作品に惹かれる。「Sento nel core(私は心に感じる)」「O cessate di piagarmi(私を傷つけるのをやめるか)」、そして「Se tu della mia morte(貴女が私の死の栄光を)」といった短調の曲に惹かれる(ただ単に短調好きだからだろうか)。「Se tu della mia morte」は特に好きだ。途中、曲調が変わるところがある。その辺りの語るような歌い方が好きだ。第2集以降でアレッサンドロの作品を歌ったことはまだないが、「Consolati e spera!(気を取り直して希望を抱け)」はオペラのシーンがイメージできるような歌い口調。第3集の「Toglietemi la vita ancor(私の命も奪ってください)」は短い曲だけれどもドラマティック。「Caldo sangue(熱い血潮よ)」も荘厳さを感じる短調。

 ドメニコの作品も、どちらかというと短調の方が好きだ。親子に通じるものがあるのかもしれない。
by halca-kaukana057 | 2019-10-15 22:37 | 音楽
 以前読んだ「人間をお休みしてヤギになってみた結果」の著者、トーマス・トウェイツさんのデビュー作「ゼロからトースターを作ってみた結果」。「ヤギ」は衝撃的だったが、全てはこの「トースター」から始まったのだった…。


ゼロからトースターを作ってみた結果
トーマス・トウェイツ:著、村井理子:訳/新潮社、新潮文庫/2015(単行本は2012年、飛鳥新社)

 著者のトーマス・トウェイツさんは、イギリス、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートの学生。ふとしたきっかけから、トースターを原材料から手作りすることを思いついた。何故トースターなのか。電気トースターは近代消費文化の象徴で、「あると便利、でもなくても平気、それでもやっぱり比較的安くて簡単に手に入って、とりあえず買っておくかって感じで、壊れたり汚くなったり古くなったら捨てちゃうもの」のシンボルだと考えた。また、子どもの頃から読んでいたダグラス・アダムズのSF小説「銀河ヒッチハイク・ガイド」シリーズの「ほとんど無害」から、もし技術的に未発達な惑星に足止めをくらって、トーストを作るには…と考えた。トースターの構成部品と材料を調べ、現代であっても入手可能な道具だけを使って、原材料からトースターを作り上げ、その試みを記録すること。トーマスさんは一番安いトースターを買って分解し、使われている部品を材料を調べる。専門家に話を聞き、それらをどうすればゼロから手に入れられるかを訊く。そして、自分でトースターを作るためのルールを決め、原材料を調達し始めた…。


 この本を読みながら、そして読んだ後、私は身の回りにある「モノ」をじっと見た。それが何でできているか。その原材料はどこから来ているのか。それをどこでいくらで買ったのか。いつもどんな風に使っているか。もし壊れたり古くなったりしたら、新しいモノを買う前にそれをどうやって処分するのか。それが、単純(と思われる)な紙袋や布だったとしても。

 トーマスさんは、トースター作りを通して人間の文明の歴史を遡ることになる。鉄の前に青銅器が作られたが、何故その順番になったのか。それらに比べて歴史の浅いプラスチックは何故20世紀にならないと出てこなかったのか。歴史の授業でなんとなく学んだことが、本当になんとなくでしかなく、なんとなくしか知らない自分に落胆した。今この記事を書いているパソコンだって、中身はとてつもなく複雑なのに、私はその中身のことを知らない。分解してもう一度組み立てろなんて言われたら無理。でも、毎日の生活にパソコンは必要。でも、なんとなく使っている。文明に頼り切って、思考停止してしまっている。

 パソコンは作れないけれど、毛糸で編み物や、布と糸を使ってこぎん刺し(津軽地方の伝統的な刺し子)の小物なら作れるぞ、と思ったが、その毛糸はどうやって作る?ウールはまだしも、アクリルは?編み物に使う編み針は?しかも私が使っているのはかぎ針である。棒針だって簡単じゃない。
 こぎん刺しで使う布は、クロスステッチで使うような縦糸と横糸が等間隔で織られた専用の布。それは何から、どうやって作っている?糸は木綿…どうやって染めている?針は?小物に使う種々の金具は?それらをトーマスさんと同じように、ゼロから作るとしたら?
 …本当に「手作り」と呼べるのか、自信がなくなってきた。

 トースターを作り終えたトーマスさんの問いかけを読んでいると、文明や消費社会の中で「なんとなく」暮らしていると気づかされる。環境についてもそうだ。銅や鉄などは自然界に存在するが、それを製品の部品にするには手間も時間もかかる。採れる場所も限られる(今回のこのトースタープロジェクトで、原材料のある鉱山のうちのいくつかはイギリス国内にあることに驚いた。日本でやるとしたらできるだろうか)。そして環境に影響を及ぼす。ニッケルの章ではとても深刻な現実と、同じ人間でも国によって扱いが変わる現状にモヤモヤした。プラスチックの章も。製品を処分する際のトーマスさんの問いかけは重要なことだと思う。そのモノがどうやってできているのか。もっと知られてもいいと思う。

 トーマスさんのトースターはうまく動いたのか。トーストを焼くことができたのか。と気になるところだが、重要なのはそっちではなく、手作りトースターを通じて問題提起をすることだ。トーマスさんはアートを学んだ学生だ(だった)。アートが何を伝えられるのか。その意味でも興味深い、新しいことを知ることができた本だった。長く伝えられてきた名画の数々だって、芸術的に美しいだけでなく、人間や自然、社会の何かを伝えようとしたものだったのだから。

 しかし、「ヤギ」では「意味がわからないw」と連呼したが、「トースター」でも、「意味がわからないw」は変わらない。こっちの方が先なので、トーマスさんの原点を読むことができてよかった。自虐ネタを含んだ軽いノリの文章は面白く読みやすい。トースターを作る上でルールを決めたが…色々あるよね。ニッケルではまさかの荒技が。それでいいのか!と突っ込みたくなったw突っ込みたくなる箇所多数。公共の場で読むのは…いいけど笑って変な目で見られてもトーマスさんのせいにはしないようにw

 あと、マイカ(雲母)も出てくる。私も子どもの頃、電化製品(ラジオかラジカセか何か)の調子が悪くて分解してみたことがある。その時、薄いガラスのような板があり、これは何だろう?と思っていたのだが、あれが雲母だったのか。地学で学んだのに、それと結びつかなかった。もう一度見てみたい…いや分解はやめておきたい。私が分解した電化製品は…まぁ、思いつきで分解したら大体そうなるよねw

 トーマスさんの新作は出るのだろうか。期待したい。

人間をお休みしてヤギになってみた結果
by halca-kaukana057 | 2019-10-07 21:53 | 本・読書
 国際宇宙ステーション(ISS)で食べられる「宇宙日本食」も種類がどんどん増えています。ヤマザキのようかんや、森永の「ベイク」のように一般に発売されているものが宇宙日本食になったケースも少なくありません。宇宙日本食の認定を受けたもののひとつに、亀田の柿の種があります。その亀田の柿の種の、宇宙日本食認証記念の限定味が出たので食べてみました。

sorae:JAXA認証の宇宙日本食「柿の種」記念商品。『亀田の柿の種 ギャラクシーミックス』限定発売
亀田の柿の種:宇宙への道

デイリーポータルZ:ハイチュウと柿の種はJAXA認証済みの宇宙食である

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その名も「ギャラクシーミックス」。燃える隕石をイメージしたホットチリ味の柿の種、ブラックホールをイメージした黒こしょう味の豆。宇宙ってそんなイメージか…。

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パッケージ裏には、柿の種が宇宙日本食に認証されたことと、その記念企画について書かれています。

 食べてみた。私は辛いものはあまり得意ではないのです。でも食べられました。確かに辛いけどおいしい。ホットチリ味の柿の種は刺激が強い。黒こしょうの豆は、こしょうの味は好きなので気に入りました。

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小袋には宇宙、宇宙飛行、ISSにまつわる豆知識コラムがあります。全部で10種類あるらしい。

 第2弾ではスペシャルパッケージでの柿の種を発売するらしい。

 それよりも、宇宙日本食として認証された、宇宙日本食と同じフィルムパウチ包装の柿の種の発売を検討してくださいませんか亀田さん。科学館など限られた場所でいいですから。


【過去関連記事】
宇宙日本食羊羹を食べてみた
地上で食べる宇宙食まつり 宇宙日本食羊羹続編
地上で食べる宇宙食まつり スペースカレー編
 スペースカレー、また食べたいな。
by halca-kaukana057 | 2019-10-05 21:53 | 宇宙・天文
 8月から9月23日まで、「刑事モース(原題:Endeavour)」の第1シリーズがGYAO!で配信されていたのに全く気づかず、気づいたのは最終日の9月23日だった…。全部観られなかった。残念。
 と思っていたら、今度は第2シリーズを配信中。
GYAO!:刑事モース ~オックスフォード事件簿 シーズン2
 現在、Case6「消えた手帳」、Case7「亡霊の夜想曲」を配信中。10月21日まで配信される模様なので、今度は見逃しません。Case7は特に好きなエピソードだし、あのCase9もある。アニメといい、GYAO!ばっかり観ています…。

 という話で終わりません。ここからが本題。
 「刑事モース」はイギリス本国ではシーズン7を撮影中。日本ではWOWOWでシーズン5まで放送されているのかな?NHKは一体いつシーズン4を放送するのか…と思っていたら、来ました。

NHK:NHKドラマ:新番組情報 海外ドラマ『主任警部モース HDリマスター版』&『刑事モース~オックスフォード事件簿~』
NHK:NHKドラマ:スタッフブログ:"モース"シリーズ放送決定!『主任警部モース』『刑事モース』

 来年2月から、シーズン3の再放送と、シーズン4の放送だそうです。やった!でも、シーズン3から放送したら、またCase9で何があった問題が…。

 重ねて朗報なのが、「主任警部モース(原題:Inspector Morse)」がHDリマスター版が11月から放送されること!これが嬉しい。「刑事モース」は、「主任警部モース」があってこその作品。コリン・デクスター原作の小説シリーズをドラマ化した「主任警部モース」。「刑事モース」も面白いけど、モースの原点は若い頃ではなく、年老いてからの方。その原点をようやく観られるのが嬉しいです。原作小説も、新版が出た第1作「ウッドストック行最終バス」以降、絶版状態。図書館や古本屋になければ、全シリーズに触れられない。今後、どう「モース」の世界を歩いて行ったらいいのか…と思っていたら、ドラマの放送決定。「刑事モース」の若い頃から入ったため、「ウッドストック~」を読んだ時はショックではありました。あのモースが将来こうなっちゃうんだ…。でもドラマで観るのは楽しみ。

 どちらも楽しみに、HDDを空けて待っています。整理しなきゃ…。その前にGYAO!でおさらい。
by halca-kaukana057 | 2019-10-03 21:27 | 興味を持ったものいろいろ

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)
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