カリスマ解説員の楽しい星空入門

 夏にNHKラジオ第1で放送している「夏休み子ども科学電話相談」。大人にも大人気で(むしろ大人が楽しんでいるような…わかる、すごくわかる)この冬は「冬休み」編も放送されたんだとか。その「宇宙・天文」分野の担当の先生のひとり、「コスモプラネタリウム渋谷」の解説員、永田美絵先生の星空入門の本です。




カリスマ解説員の 楽しい星空入門
永田美絵:著/八板康麿:写真、矢吹浩:星座絵/筑摩書房 ちくま新書/2017

 「子ども科学電話相談」での永田先生のお話はとても好きです。小さな子にも分かりやすく宇宙や星のことを、ラジオなので音声だけで伝えるのはかなり難しい…プラネタリウムの解説員だからこそできることだと思います。一方、宇宙が大好きで自分なりに宇宙のことを学んでいる子にはその向学心を満足させ、さらに学びたくなるような話をする。これも、学校とは違うプラネタリウムで働く専門家だからこそ。また、宇宙は謎だらけ…宇宙はどうやってできたの?ブラックホールって何?宇宙が膨らんでいるって本当?宇宙は最後はどうなるの?最近はノーベル賞受賞もあって、重力波って何?という質問もあるかもしれない(全部聞いてないので実際にあったかどうかはわからないのですが…)つまるところ宇宙って何?そんな、誰しもふと思ってしまったことがある、でも説明するのはものすごく難しい質問にも、全力で答えてくれます。

 でも、私が知っているのは、そんな「子ども科学電話相談」での永田先生。「コスモプラネタリウム渋谷」には行ったことがなく、プラネタリウム解説員としての永田先生は知りません。この本を読んでいて、普段永田先生はこんな風にプラネタリウムで解説をしているのかなと感じました。

 星空観望の入門本…というのは、実は扱う範囲が広い。まず天球上の星や太陽、月などの動き(日周運動)の話をしないといけない。それから、公転により季節によって見える星座が違うことを理解してもらわないといけない。そして、メインとなるのが星座の話。星座の成り立ちやギリシア神話などの星座物語(何バージョンもあるのでどれを選ぶか悩む)、星座を形作る恒星で明るい星の名前や由来、エピソードなど。その星座にある星団、星雲、銀河などの天体。それらをどうやったら観ることが出来るか、双眼鏡や望遠鏡の解説。その次に月、惑星、彗星、小惑星など太陽系の天体。ここでは探査機の活躍にも触れるとその天体の詳しい姿を伝えることが出来る。話題になりやすい流星、流星群も忘れてはいけない。最近、天文学上の大発見があったら触れておきたい。
 大体このくらい。文章だけだとわかりにくいので、写真や星座絵で、ビジュアルから入れるようにする。この通り、入門本とは言えど、侮るなかれ。しかも、入門本なので、宇宙・天文・星空のことを、一から、わかりやすく書かないといけない。星空観望の入門本を書くのはとても大変なのです。
 というのは、以前、私も星仲間のサークルで作っていた「○月の星空」みたいなお知らせで、星座の話を書いていた。その月に見えやすい、代表的な星座をひとつ取り上げて、解説する。ひとつだけでも結構大変。紙面は限られているのであまり長々と書けない。上に書いた、星座物語がいくつもある星座はどれを書いたらいいか迷う。むしろ、こんなお話もありますし、こんなお話も伝わっていますと全部書きたい。星座物語はギリシア・ローマ神話だけとは限らない。野尻抱影の収集した日本や世界各地の星座物語や星・星座の呼び名も書きたい。厳選して、文章にして、何度も書き直して、編集を取りまとめている人に見てもらって…書く星座のことを調べて内容を考えるのは楽しかったけれども、正直大変でした。

 この本を読んで、プロは違うなと思う。きれいにまとめている。入門書だから、もっと知りたくなったらプラネタリウムに来てほしいし、もっと詳しい本もある。まずは、実際に星空を観ること。その観る上でのポイントがわかりやすくて、なるほど~と思いながら読んでいました。新書なので文章が多め。写真や図はそんなに多くはありません。でも、それが、プラネタリウムでの解説を聞いているようでいい。

 永田先生は、「五島プラネタリウム」の解説員でした。日本のプラネタリウムの代表となったプラネタリウム。2001年に閉館。閉館前、渋谷に行くことがあって、五島プラネタリウムのドームを外から眺めて通り過ぎ、その後閉館となってしまい、あの時行けばよかったと今でも思います。永田先生がどんな経緯でプラネタリウムで働くようになったのか。プラネタリウム解説員のお仕事はどんなお仕事か。失敗や苦労、思い出も語られます。プラネタリウムは、当然のことながら投影が始まると真っ暗。解説員はコンソール(解説台)に立ったら、全部一人でやり遂げないといけない。台本も暗記。機材の操作も一人で。もし機材などのトラブルがあっても、基本的には一人で対応しないといけない。投影を観にきているお客さんが星空を楽しめるように、トラブルがあっても臨機応変に。プラネタリウム解説員がこんなに大変な仕事をしているとは思いませんでした。機材の不調でとっさに取った行動が大ウケしたり、その日2回目のお客さんがいる場合は話す内容を変えたり。「夏休み子ども科学電話相談」で同じく宇宙・天文の担当で、五島プラネタリウムで永田先生の大先輩だった国司真先生の、伝説といえる投影。このエピソードにはすごいと思いました。国司先生のお話も大好きです。やっぱり五島プラネタリウムは凄かった…。勿論、今はその五島プラネタリウムで活躍した解説員さんたちが、あちこちのプラネタリウムでがんばっている。途絶えず、引き継がれています。

 冬は当地は夜は曇る、雪が降っていることが多いので、あまり星空を観られていません。雲間にオリオン座を観たぐらい。31日は皆既月食もありますし、冬の星座は煌びやかで見どころ満載。星空をとても観たくなりました。曇っているならプラネタリウム。しばらく行っていません。久しぶりに行けたらいいな…(投影時間と今の生活リズムが合わない)

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# by halca-kaukana057 | 2018-01-16 22:18 | 本・読書

イギリスだより カレル・チャペック旅行記コレクション

 前回、カレル・チャペックのデンマーク、スウェーデン、ノルウェー旅行記「北欧の旅」を読んだのが2014年。思ったより前だった。この本を読んでいたのは去年ではあるのだが。チャペックの旅行記、今度はイギリスです。



ギリスだより カレル・チャペック旅行記コレクション
カレル・チャペック:著、飯島周:訳 / 筑摩書房 ちくま文庫 / 2007

1924年5月から7月まで、イギリスを旅行したチャペックは、イギリスに魅了される。大都市ロンドンに圧倒され、公園の緑の美しさに惹かれる。博覧会や博物館を観て、"大英帝国"のことを考える。スコットランドではイングランドとは違う風景や文化に触れ、さらに北ウェールズ、アイルランドへ。「北欧の旅」と同じように、チャペック自身によるイラストも満載です。

 冒頭の「あいさつ」に興味深い文章があったので引用します。
 人は、それぞれの民族について、さまざまなことを考える。それらは、その民族が型にはめてみずからに与え、こうだと思い込んでいるようなものとは限らない。それでも、もはや強い習慣とさえなっているが、人は国や民族を、その政治、体制、政府、世論、またはそれについて一般に言われるものと、なんとなく同一視する。
 しかし、なにかちがうものを、その民族はある程度はっきりと示す。それは決して人が自分で考え出したり意図したりできないものだ。自分自身の見たもの、まったく偶然で日常的なものの思い出が、おのずから心の中に浮かんでくるものだ。
 なぜ、まさにその、ほかならぬ小さな経験がこんなにも強く記憶に残っているのかは、神のみぞ知る。ただ、たとえばイギリスのことを思い出すだけでも十分である。その瞬間に目に見えるのは――
 今ここで、あなたの目に何が見えるか、いったい何を想像されるかどうか、それはわたしにはわからない。わたしが思い浮かべるのは、ただ、ケントにある一軒の赤い小さな家である。なんの変哲もない家だった。(7~8ページ)
 どこかへ旅行に行く時、大体はガイドブックなどで現地の情報を得てから行く。何が有名か、どんな観光名所があるのか、どんな街か。行きたいところがあれば、交通機関を調べて行く。そんな風に事前に情報を得てから行っても、実際にその地に足を踏み入れて、歩いて旅をして、何が一番印象に残ったか…それは人それぞれだ。事前に調べて行った通りの印象を持つかもしれないし、このチャペックのように全く予想もしなかったものに惹かれることもある。どんな観光名所よりも、何の変哲もない一軒の家が、イギリスらしさを表現していた。素敵だなと思った。自分だけの、そういう景色、思い出を見つけたい。

 この本を読んで、私は異文化に身をおきたいと強く思うようになった。海外旅行の経験はないし、いつ行けるかもわからない。普通の国内旅行でもそんなに機会はない。実際に行かなくても、このように本を読んだり、テレビやネットで異文化に触れることは出来る。NHK「世界ふれあい街歩き」などの紀行番組は大好きだ。観る度に、更に、余計、実際に異文化に触れたいと思ってしまう。
 クラシック音楽を聴くのも異文化に触れることだ。でも、日本で聴くのと、現地で聴くのとは全然違うだろう。来日公演は、やはり「よそ行き」なのだろうから。

 チャペックがイギリスを訪れたのは1924年。その頃でも、ロンドンは大都市で、チェコからやって来たチャペックを大いに驚かせた。交通、街地、博物館。博物館では、大英帝国が支配した地域・国のものが飾られている。が、彼ら支配された人々が、ヨーロッパのためではなく、自分自身たちのために何をしているのかは展示されない。「最大の植民帝国が、ほんとうの民族学博物館を持たないとは……」(89ページ)これには鋭いと思った。

 厳しいことを書いているところもあるが、チャペックはイギリス、イギリス人を愛している。イギリスの皮肉なジョークのように、愛情は裏返しだ。チャペックがよく書いているのは、イギリス人の無口さ。ロンドンの閉鎖的な高級クラブでは、誰一人何も話さない。「シャーロック・ホームズ」に出てくる「ディオゲネス・クラブ」は本当に存在するんじゃないかと思った。その他の場所でも、イギリス人は無口で、自らのことを話そうとしない。話すのは当たり障りのないお天気のこと。イギリスで色んなゲームがあるのは、ゲームをしていれば話さなくていいから…。無口だが親切でもある。チェコ人はおしゃべりな方ではないと思うが、イギリスのこんなところは、同じく話すのが苦手な日本人の私にとって興味深い。フィンランド人も内向的で無口(「マッティは今日も憂鬱(Finnish Nightmares)」シリーズより)だが、それとはまた違う気がする。

 また、ロンドンを離れ、地方の田舎の風景にも惹かれる。スコットランドのヒースの荒野。湖水地方の牧場の牛、羊、馬たち。チャペックの賛辞がかわいらしい。イラストにも、イギリスへの愛情が込められていると思う。

 「シャーロック・ホームズ」好きとして、ホームズ関連のことが書いてあるのは興味深い。が、ロンドンのベイカー・ストリートにはホームズの面影もなかったそうだ。「バスカヴィル家の犬」の舞台となるダートモアも登場する。ダートモアは、惹かれる場所だ。

 最後に、チャペックがイギリスのことを一番褒めていると思われる箇所を引用します。
 イギリスでいちばん美しいのは、しかし、樹木、家畜の群れ、そして人びとである。それから、船もそうだ。古いイギリスは、あのばら色の肌をしたイギリスの老紳士たちで、この人たちは春から灰色のシルクハットをかぶり、夏にはゴルフ場で小さな球を追い、とても生き生きとして感じがよいので、私が八歳だったら、いっしょに遊びたいぐらいである。そして老婦人たちは、いつでも手に編み物を持ち、ばら色で美しく、そして親切で、熱いお湯を飲み、自分の病気のことはなにも話さないでいる。
 要するに、もっとも美しい子供と、もっとも生き生きした老人たちを作り出すことができた国は、涙の谷である現世の中で、もっともよいものを確かに持っているのだ。(195~197ページ)

 旅の間、所々でチャペックはチェコのことを思い出す。チェコと比べてみる。どちらがいいとは書いていない。チェコはこうで、イギリスはこう。自分の国を再発見するためにも、やはり異文化に触れたい。

・北欧編:北欧の旅 カレル・チャペック旅行記コレクション
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# by halca-kaukana057 | 2018-01-10 22:26 | 本・読書

ムーミン切手再び +特印 (手押し印)

 前回、「ムーミン」の切手が出たのは2015年。「ムーミン」シリーズ出版から70年の年でした。今年、再び「ムーミン」の切手が発行されました。今年は特にメモリアルイヤーではありません。去年、フィンランド独立100年だったことぐらい…?来年は日本・フィンランド国交樹立100年です。

グリーティング切手「ムーミン」の発行

 今回のムーミン切手は、62円(前回2015年は52円だった…)はムーミンたちが誰かのために何かをしているところ、82円がお手紙とムーミンたち。どちらも可愛いですが、切手シートをよく見てください。でこぼこになっている、エンボス加工されています。ツルツルではなくこの独特のでこぼこが、素朴な感じを表現していると思います。「星座シリーズ」(今度は「天体シリーズ」)のキラキラホログラム(隠し文字入り)も凄かったが、今回も凝っています。

 特印を貰って来ました。
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 手押し印は、リトル・ミィからお手紙を貰っているムーミン。ミィの表情がいかにもミィ。可愛い。切手のイラストは、82円の方がお気に入り。

 今回は押印機印も郵頼しました。届くのが楽しみです。届いたらまた書きます。
【追記】押印機印届きました:ムーミン切手再び +特印 (押印機印)

【2015年のムーミン切手】
ムーミンの魅力を切手で+特印(手押し印)
続・ムーミンの魅力を切手で+特印(押印機)
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# by halca-kaukana057 | 2018-01-10 21:16 | フィンランド・Suomi/北欧

地図のない道

 本は読んでいるのですが、感想を書かないまま、どんどん溜まってしまった。どんな本だったか、どこに惹かれたのか、それを再確認するためにも、感想を書くのは必要かなと思う。少しずつ読んでいる須賀敦子さんのエッセイを。



地図のない道
須賀敦子 / 新潮社、新潮文庫 / 2002年 (単行本は1999年)



 イタリアの友人から、ある本を贈られた。その著者の作品が好きで読んでいたので送ってくれたらしい。その本は、ローマのゲットからユダヤ人がナチスに連行された事件について書かれた本だった。須賀さんは、かねてからローマやヴェネツィアにあるゲットに興味を持っていた。かつてローマのゲットの地区を訪れ、そのレストランで食事をしたこと。ヴェネツィアのゲットへ行ったこと。ユダヤ人の血を引く友人のことも思い出す。


 須賀さんの本を読んでいると、いつも、知らないこと、普通の旅行ガイドブックや他の旅行記では知ることのできないことを知って驚く。明るい面よりも暗い面、目立たない面。そんな世界を見せてくれる。そんな世界も存在し、そこに人々が生き、暮らし続けているということを。
 ユダヤ人とヨーロッパ。ヨーロッパの歴史を語る上で、避けては通れない、今も続いている歴史だ。元日の「ウィーン・フィル・ニューイヤー・コンサート」の前に特集番組があったが、そこでもユダヤ人とナチスのユダヤ人迫害について語られていた。ナチスが支配していた時代、ウィーン・フィルもナチスの支配下にあった。ユダヤ人や、ユダヤ人の家族を持つ楽団員を追放し、ユダヤ人は殺され、ユダヤ人の家族を持つ楽団員は亡命した。戦後、ウィーン・フィルに戻りたくても拒否された。今は華やかに新年を祝うニューイヤー・コンサートだが、暗い歴史も持っている。
 ゲットは15、16世紀、つくられ、高い塀で囲まれた地区にユダヤ人が閉じ込められることになったが、それ以前、紀元前からもユダヤ人はある地区に固まって暮らすようになったのだという。
 ヴェネツィアのゲットの博物館、島と橋。ヴェネツィアにあるゲットやユダヤ人に関する場所を辿る。そんな旅の間に語られるのが、須賀さんが出会ったユダヤの血を引く人たちだった。戦時中は辛い目に遭ったが、戦後は彼らはそれぞれ、暮らしていた。ユダヤ人でも、キリスト教徒だったという人々も少なくない。彼らの案内で教会へ行ったり、子どもが生まれて、洗礼や命名に立ち会ったり。彼らは彼らなりに、イタリアのキリスト教文化に適応して暮らしていた。そういう歴史の表舞台に出てこない人々の暮らしは、実に清々しい。

 「ザッテレの河岸で」では、もうひとつのヴェネツィアの隠れた歴史が語られる。「Rio degli incurabili」(リオ・デリ・インクラビリ)…治療のあてのない人々のちいさな水路、という意味だ。それを見つけた須賀さんは気になり、その由来を調べ始める。
 ヨーロッパの国々での、「病院」についての考え方も始めて知った。考えてみれば、確かにそういえばそうだと思う。裕福な人々は、病気になると自宅で治療を受ける。貧しい人々は病院に送られる。入院する=病院に連れて行かれる、という強いネガティヴなイメージを持っている。
 ある日、須賀さんは「コルティジャーネ」についての展覧会を観る。「コルティジャーネ」は高い教養を持ち、歌や楽器にも長けている娼婦のことを言う。貧しい階級の出身というわけではなく、経済的にも余裕のある階級の出身の者が多く、一般的な娼婦とは違うイメージだ。この後、ヴェネツィアを訪れた須賀さんは、コルティジャーネと「incurabili」の関係を知る。彼女たちがどう生きたのか。華やかで豊かな生活は、危険と隣り合わせだった。そして行き着く先。高い教養を持ち、文化面でも豊かな女性たちの最期を思うと心が苦しくなる。それでも、彼女たちは自分に誇りを持って生きていたのだろうか。

 須賀さんの本には、どんな環境、境遇でも懸命に、清々しく生きている人たちが登場し、感銘を受ける。たとえ貧しい暮らしでも、苦難に満ちた人生でも。イタリア各地の街も、様々な面を見せる。それが、世界なのだと教えてくれる。美しく、敬虔な世界だ。

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# by halca-kaukana057 | 2018-01-06 22:29 | 本・読書

「しきさい」(GCOM-C)、「つばめ」(SLATS) 打ち上げ!軌道へ

 昨日、打ち上げられたH2Aロケット37号機。もう37号機なんですね。そんなに打ち上げられ、実績が積まれているのか…。搭載された気候変動観測衛星「しきさい(GCOM-C)」と、超低高度衛星技術試験機「つばめ(SLATS)」も、無事に軌道に投入、太陽電池の展開と電力、地上との通信、姿勢制御、全て順調だそうです。よかった。おめでとうございます!!
JAXA:気候変動観測衛星「しきさい」(GCOM-C)及び超低高度衛星技術試験機「つばめ」(SLATS)のクリティカル運用期間の終了について

 昨日の打ち上げはネット中継で観ていました。再びスクリーンショットを。
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 種子島は快晴。打ち上げを待ちます。そしてイグニッション、リフトオフ!
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 青い空に上昇していくロケット。SRB-A分離もきれいに見えました。いつものCGでロケットの現在地を追尾できるのですが、いつもの打ち上げよりも角度が大きいように見えました。今回、「しきさい」を分離した後、第2段ロケットは「つばめ」を載せたまま慣性飛行。高度を下げます。そしてエンジン再点火し、また慣性飛行。さらにエンジン再々点火。ようやく「つばめ」を分離します。エンジンの再点火は「はやぶさ2」でもやりました。今回はさらに、最初に衛星を分離した軌道よりも低い軌道にもうひとつ投入しなければならない。難易度高いです。
詳しくはこちらをどうぞ。
マイナビニュース:2機の衛星を異なる軌道へ投入せよ! - H-IIAロケットが挑む、未来への挑戦 第1回 H-IIAロケットの「高度化」とは?
マイナビニュース:2機の衛星を異なる軌道へ投入せよ! - H-IIAロケットが挑む、未来への挑戦 第2回 2機の衛星を異なる軌道へ投入する「衛星相乗り機会拡大開発」のすべて

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打ち上げから2時間近く。「つばめ」も無事分離されました!管制室にはいつも通り「平常心」の言葉が。管制室のスタッフさんが握手しています。

三菱電機 from ME:DSPACE コラム:読む宇宙旅行:宇宙すれすれを「低く」飛べ!「つばめ」の挑戦
 「つばめ」は、低軌道でも人工衛星を運用できるのか実験する衛星。詳しくはこちらを。

「しきさい」(GCOM-C)、「つばめ」(SLATS) 名付け親になりました
 「しきさい」と「つばめ」は名付け親になった衛星。がんばって活躍して欲しいです。ご安全に!
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# by halca-kaukana057 | 2017-12-24 22:43 | 宇宙・天文

クラシック音楽の最前線で BBC Proms(プロムス) ラスト・ナイト 2017 まとめ

 今年もNHK BSプレミアムで放送されました!(安堵) BBC Proms(プロムス)、最終日のお祭りコンサート「Last Night of the Proms 2017」.NHKでは「ラスト・ナイト・コンサート」と訳してますね。
 9月、生中継を聴いていましたが、映像で観ると違う!日本語訳が付いてありがたい。これは何だろう?とわからなかったことの謎も解けますし、情報も増えます。プロムス ラストナイトについて語らないと、今年のプロムスを聴き終えた気がしない。ということで感想を。

◇プロムス 公式サイト:BBC Proms:Prom 75: Last Night of the Proms 2017
・過去記事:BBC Proms(プロムス)2017 私選リストその4 [9月]


・ロッタ・ヴェンナコスキ:フラウンス (Flounce) (世界初演)
・コダーイ:ブダ城のテ・デウム(ブダヴァリ・テ・デウム)(プロムス初演)
・サー・マルコム・サージェント:強い嵐の日の印象(Impression on a Windy Day) op.9
・シベリウス:フィンランディア (合唱つき) op.26
・ワーグナー:「トリスタンとイゾルデ」 前奏曲、「愛の死」

・ジョン・アダムズ:歌劇「ザ・ガールズ・オブ・ザ・ゴールデン・ウェスト」より「ローラ・モンテスがスパイダーダンスを踊る」(Lola Montez Does the Spider Dance) (ロンドン初演)
・ガーシュウィン:ミュージカル「パードン・マイ・イングリッシュ」より「ローレライ」(The Lorelei)(ホルムズ:編曲)
・クルト・ワイル:ミュージカル「ハッピー・エンド」(Happy End)より 「スラバヤ・ジョニー」(Surabaya Johnny)
         ミュージカル「闇の女」(Lady in the Dark)より「ザ・ザーガ・オブ・ジェニー」(The Saga of Jenny)(ヘルゲ:編曲)

・ヘンリー・ウッド(編曲):イギリスの海の歌による幻想曲
 (小粋なアレトゥーザ / トム・ボウリング / ホーンパイプ / スコットランド民謡:エリスケイの恋歌(キャンベル:編曲) / アイルランド民謡:ダニーボーイ(マクグリン:編曲) / ウェールズ民謡:海辺には(グリン:編曲) / 見よ、勇者は帰る
・トマス・アーン(サージェント:編曲):ルール・ブリタニア
・エルガー:威風堂々第1番 ニ長調 「希望と栄光の国(Land of Hope and Glory)」
・パリー(エルガー:編曲):エルサレム
・アーサー・ブリス 編曲:イギリス国歌
・Auld Lang Syne

/ ニナ・シュテンメ(ソプラノ)
ルーシー・クロウ(ソプラノ)、クリスティン・ライス(メゾソプラノ)、ベン・ジョンソン(テノール)、ジョン・レリエ(バス)
BBCシンガーズ、BBCシンフォニーコーラス
サカリ・オラモ:指揮、BBC交響楽団


 今年も指揮はBBC響首席指揮者のサカリ・オラモ。2年連続3回目。もうラストナイト常連でしょうか。今年もいい感じに盛り上げて、沸かせて、聴かせてくれます。今年の歌手はスウェーデン出身のソプラノ、ニナ・シュテンメ(Nina Stemme スウェーデン語の発音だと「ステンメ」の方が近いらしい。実際、放送の発音を聴いてみても、「ステンメ」って言ってる)。ワーグナー歌いのステンメさん、十八番の「トリスタンとイゾルデ」より「愛の死」を歌います。力強く、響くソプラノ。とても素敵でした。「愛の死」を日本語訳歌詞を読みながら聴いていると、何ともせつない気持ちになります。ドレスも上品で素敵でした。
 第2部では打ってかわって、ガーシュウィンとクルト・ヴァイルのミュージカルナンバーを。3曲とも聴くのは初めて。クルト・ヴァイルの経歴も初めて知りました。とってもお洒落で、大人の恋愛や人生の喜怒哀楽を歌い上げるステンメさん。どの曲もドラマティック。感情をむき出しにして歌う箇所もあります。しかも、ミュージカルナンバーをPAのためのマイクなしで歌うなんてすごい。オペラ歌手がミュージカルナンバーを歌うのもいいなと思いました。オーケストラもノリノリの、いい音を出しています。「スラバヤ・ジョニー」では舞台の照明を落として、ムード満点。弦楽器が演奏しないから、という理由もあったみたいです。

 今年のラストナイトで、キーワードに思えるのが、まずフィンランド独立100年記念。今年のプロムスはロシア革命100年をテーマにしましたが、ロシア革命100年=フィンランド独立100年でもある。ロシア革命のゴタゴタの間に独立してしまったんです。1曲目の世界初演の新作は、フィンランドの女性作曲家・ロッタ・ヴェンナコスキ(Lotta Wennäkoski)の新曲。ヴェンナコスキさんはとても可愛らしい、北欧美人という雰囲気の女性。どんな曲を書くのかなと思ったら、結構尖ってる。弦も鋭く、キリキリとした音色を出します。途中、打楽器に木魚が使われているのに気づきました。しかも、打楽器のブラシで叩いてる。日本人作曲家が木魚を使うのは観たことがありますが、海外の作曲家が木魚を使っているのは初めて見た気がする。元々の使われ方に馴染んでいるので、海外の人が楽器として使うのを見ると、不思議な気持ちになります。
 第1部では、フィンランドの独立の象徴となった、シベリウス「フィンランディア」を「フィンランディア賛歌」の合唱つきで。最初のほうで、アクセントを強く演奏しているなと感じました。戦闘のテーマを経て、「フィンランディア賛歌」。とても美しい合唱です。歌詞も、スオミの夜が明けたと独立を高らかに歌うのが感動的。歌っているのはBBCシンフォニー・コーラス、BBCシンガーズ、イギリスの合唱団ですが、フィンランドの人々がフィンランド語の発音も完璧だとツイッターなどでコメントしていたのを見ました。フィンランド語の発音は難しいです。英語圏の人にとっても難しいと思うのですが、フィンランドの人々が感激するような歌を歌っているのは嬉しくなります。フィンランド人の指揮のオラモさんにとっても、「第2の国歌」「愛国歌」である「フィンランディア賛歌」最後の方、一緒に歌ってましたね。歌の間はずっと合唱団を映していたので、オケや指揮者の様子はなかなか映らなかったのですが、舞台上の巨大モニターが映った時、オラモさん、口をパクパクしてました。歌ってたんだと思います。独立100年の「第2の国歌」歌わずにはいられないよなぁ。いい演奏でした。

 今年のプロムス ラストナイト、もうひとつのキーワードは、初演、再演。1曲目の「Flounce」、2曲目のコダーイ「ブダ城のテ・デウム」、第2部のジョン・アダムズ「ローラ・モンテスがスパイダーダンスを踊る」これらは何らかの「初演」が付いています。驚いたのがコダーイの「ブダ城のテ・デウム」。プロムス初演。クラシックでも、プロムスで演奏したことがない曲があるのか!と驚きました。力強い合唱と、美しいソプラノソロが印象的な曲でした。これがプロムス初演とは…。ヘンリー・ウッドが始め、マルコム・サージェントが指揮し広まったプロムス。サージェントが指揮し初演した曲の解説がありましたが、その多さに驚きました。また、サージェントはもともとは作曲家として、ウッドの目に留まった。それが、「強い嵐の日の印象(Impression on a Windy Day)」この曲も、今年のを含めて6回しか演奏されていません。しかも戦後は今回と1954年だけ。ゴルフ場でインスピレーションを得たと言っていましたが、その説明の後で聴いてみると、確かに広いゴルフ場に吹く嵐を思わせます。ゴルフ場というのがイギリスらしい。
 オラモさんのスピーチにもありましたが、ウッドはクラシック音楽を身近に、とプロムスを始め、新しい曲をどんどんプログラムに組み込んだ。それをサージェントが指揮した。プロムスはクラシック音楽の最前線にあったという意味でいいと思います。勿論、今、現在も。ラストナイトだけでなく、8週間にわたる演奏会で、世界初演、イギリス初演、ロンドン初演、ヨーロッパ初演の作品はたくさんあります。初演だけなく、しばらく演奏されていない作品を再発掘し再演したり、歴史に埋もれて行方不明になっていた作品が見つかり演奏したり(今年のストラヴィンスキー「葬送の歌」のように)。こうやって、繋いで、歴史となっていく。これからも、プロムスはそんな役割を担う音楽祭であり続けると思うのです。
 という小難しい話をしたけど、今はラストナイトを存分に楽しもう!というオラモさんのスピーチはよかったです。今年のスピーチは「指揮者」について。マーラーはバンドマスター…wバスの車掌さんも「コンダクター」なんですね。バーミンガム時代に思いついたジョークだそうですが、ラストナイトという大舞台で披露できてよかったですねw演奏会で、讃えられ偉ぶるのは指揮者。演奏家、楽団員の手柄なのに!というところもよかった。もしかして、フィンランド放送響の楽団員時代に思ったことがあるんでしょうかオラモさん…。

 今年のラストナイトの放送でよかったと思うのは、解説ビデオが多かったこと。プロムス ラストナイトにまつわる謎や「お約束」、裏話。それらが解説されてよかったです。
 まず、生中継するヨーロッパ各地の放送局のアナウンサーたちのインタビュー。日本も昔は生中継していたのに…。登場したのは、北ドイツ放送、ラジオ・フランス、ブルガリア国営放送、ラジオ・フィンランド(と表記されていましたが、私にはYLEのほうが馴染み深い)。「とてもマネできない」「私の国じゃできない」という褒め言葉(?)を言われるラストナイト。ヘッドホンの音量が大きくて外したら、会場の歌声の方がもっと大きかったというのは印象的でした。すごい。
 次に、ロイヤル・アルバート・ホール特別ツアー。「総合文化大ホール」の予定だったんですね…それはちょっと…。あと、天井からぶら下がっている丸いもの、「マッシュルーム」と呼ばれているそうですが、これは地面と天井の間にあるというのが驚きでした。どんだけ大きいんだあのホールは…。一度は行ってみたくなります。
 そしてうれしかったのが、「イギリスの海の歌による幻想曲」の解説。今まで謎な部分もあったので、これはよかった。水兵の歌なんですね。かなしげなチェロソロが心に沁みる「トム・ボウリング」は、その水兵のトムさんが亡くなってしまった曲だったのか…。それはかなしい。でも、その後、「ホーンパイプ」で大騒ぎする。過去の映像を観ていると、過去の方が大はしゃぎしていたように見えます。今の方が大人しい?今年は、民謡メドレーは去年と違います。でも、「エリスケイの恋歌」「海辺には」どちらも恋を歌ったきれいな歌です。「ダニー・ボーイ」は毎年泣かせますね…。各野外会場との中継もよかった。だが、ロイヤル・アルバート・ホールに戻ってきて、今年は「ホーム・スウィート・ホーム」がなかった。オーボエさんの見せ所なのに。去年のオーボエさんとは違いましたが、好きな曲なのでちょっと残念。
 最後の「ルール・ブリタニア」。ステンメさんが、北欧神話のワルキューレの扮装をして歌います。ワーグナーの「指環」は北欧神話がモチーフ、ワーグナー歌いで、スウェーデン出身のステンメさんにはぴったりです。ステンメさんの力強い、高らかな歌が素晴らしかった。勇ましく堂々としていました。
 ちなみに、「ルール・ブリタニア」の歌詞と、北欧神話のワルキューレ…戦い、死後に向かうヴァルハラへ迎え入れる役割をするのがワルキューレだとヴァイキングたちが信じていたわけですが、イングランドはそのヴァイキングに支配されていた(クヌート王はキリスト教でしたが)。気づいてしまった…どうなんだこれ…。まぁ、大昔の話だし…。北欧神話というよりは、ワーグナーの楽劇に出てくるワルキューレだと思えば…。
 指揮者がフィンランドで、ソプラノソロはスウェーデン。北欧な「ルール・ブリタニア」でもありました。今年の会場には、スウェーデン国旗が多く目立ちました。皆さんステンメさんの応援ですね。スウェーデン国旗の横でフィンランド国旗も振られて、北欧隣同士仲良しなシーンもありました。

 語っても語りつくせないラストナイト。その他、気づいたところを。
・テレビ放送の案内役のケィティ・ダーハムさん。毎年お馴染みの方です。話しているダーハムさんの後ろを、リボンやカラーテープが落ちていき、その度に笑ってしまうダーハムさん。最後にはクラッカーの紙テープが髪に…。ラストナイトのノリだから笑って許せます。
・第2部になると、恒例なのが、トランペットさんたちが蝶ネクタイを国旗カラーに変えるのと、指揮台のデコレーション。その指揮台に、今年亡くなった前首席指揮者・イルジー・ビエロフラーヴェクさんのお写真が…!「トム・ボウリング」の際、そのビエロフラーヴェクさんのお写真が映ったのですが、ビエロフラーヴェクさんを追悼しているかのようでした。
・第1部と第2部を見比べて、あれ?と気づいたのが、オラモさんも衣装が違う。第1部は白の刺繍入りのベストとタイ。第2部は黒の蝶ネクタイ。第2部でステンメさんのミュージカルメドレーがありましたが、その雰囲気に、黒の蝶ネクタイがぴったりだと感じました。ちなみに、左胸につけていた勲章は大英帝国勲章 OBE。バーミンガム市交響楽団の音楽監督時代、イギリス音楽への貢献で2009年に授与されました。キラキラ光る勲章がきれいでした。
・第2部、コンマス(イギリスでは「リーダー」)のブライアントさんの椅子に風船がつけてありました。
・そのブライアントさん、「ホーンパイプ」のソロで、「007」のテーマ曲を混ぜて弾いてましたw会場の笑いがwブライアントさん、少しニヤリと笑っているようでしたw
・毎年、気になっているのが、「We ♥ BBC」の垂れ幕。毎年同じ人なんだろうか。
・今年は日の丸も多かった気がします。現地に住んでいる日本人の方なのか、日本から聴きに行っている方なのか。いいなぁ。
・気になった楽団員さん。コールアングレの女性。水色のキラキラしたドレスと、水色のネイル。弦楽器奏者はネイルはできない(ですよね?)。管楽器奏者だからこそのお洒落が、目立って素敵でした。
・BBC響は女性楽団員が多い!トロンボーンと、ファゴットの方が気になりました。あと、コントラバスにも多い。
・オラモさんのスピーチで、今年のプロムスで女性指揮者が7人登場した、とありました。7人。数えてみた。
 ・Jessica Cottis(Prom11,12)
 ・シャン・ジャン(张弦) (Prom21)
 ・Karen Kamensek (Prom41)
 ・Sofi Jeannin (Prom48)
 ・ミルガ・グラジニーテ=ティーラ Mirga Gražinytė-Tyla (Prom50)
 ・ Sian Edwards (Proms at ... Wilton's Music Hall)
 ・カリーナ・カネラキス Karina Canellakis (Prom70)
 以上、7名です。常連のマリン・オールソップさんは今年は出てません。スザンナ・マルッキさんもまた出てほしいなぁ。
・今年は、「トム・ボウリング」のところでBBC radio3のロゴ入りのハンカチはありませんでした。
・今年もフルートの日本人楽団員、向井さんは大活躍です。お隣のフルート首席さんの口ひげが、まさにイギリス紳士という感じでした。
・「威風堂々第1番「希望と栄光の国(Land of Hope and Glory)」」、「エルサレム」、今年も盛り上がります。ブリス編曲のイギリス国歌はかっこよかったのですが、短いですね。イギリス国歌は立って演奏するBBC響です。
・最後の、今年のプロムスのハイライトを流すのはよかった。うまくまとめています。主役はバーミンガム市響のミルガ・グラジニーテ=ティーラさんでしょうか。Prom57に出演した、ジャズピアニストの上原ひろみさん(公式サイトでは「Hiromi」表記)も登場しましたね。このハイライトを観ると、プロムスの音楽の幅の広さを実感します。クラシックだけじゃない。毎年オンデマンドを溜めてしまい、なかなかクラシック以外のジャンルを聴けないのですが、私も幅を広げていけたらと思います。
・Auld Lang Syneは、2015年からオーケストラ伴奏つきです。2015年からです(その2015年のラストナイトを、NHKは放送しなかった…!)「蛍の光」と邦題になっていましたが、ラストナイトで歌う「Auld Lang Syne」は「蛍の光」とは違う。朝の連ドラ「マッサン」でも、「Auld Lang Syne」と「蛍の光」は違う、ってやってたじゃないですか!NHKなのに!去年は「昔なじみ」と訳してました。こっちのほうがしっくり来る。

 とは言いましたが…来年も放送をお願いします!NHKさん!

BBCによるラストナイトまとめがあるので、こちらもどうぞ。
BBC Proms : Last Night of the Proms: Video coverage
BBC Proms : Last Night of the Proms: The biggest moments

 BBC Radio3では、年末年始にプロムスの再放送をします。ラストナイトは大晦日。グリニッジ標準時で年越しの時間。年越しの時間、「Auld Lang Syne」です。他にも聴き逃したPromがあればもう一度!
BBC Proms : Proms winter repeats
BBC radio3 : Proms 2017 Repeats : Prom 75: Last Night of the Proms



 最後に、これを。オラモさんとBBC響が、来年2018年、3月、来日します!
東芝グランドコンサート2018 オフィシャルサイト
 待ってましたよ!プログラムも、オラモさんとBBC響の十八番を持ってきた感じがします。私もチケット取りました。

・去年のラストナイトまとめ:一緒に音楽を楽しもう Proms(プロムス)2016 ラスト・ナイト・コンサート
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# by halca-kaukana057 | 2017-12-23 23:26 | 音楽

[フィンランド独立100年記念]続・シベリウス クレルヴォ交響曲を聴こう リントゥ&フィンランド放送響

 シベリウス「クッレルヴォ」第2シリーズは今回が最後。第1シリーズの記事でも触れていたのですが、この演奏会に行きたかった。
都響:第842回 定期演奏会Aシリーズ
 東京都交響楽団の11月8日の演奏会。ハンヌ・リントゥ:指揮で「クッレルヴォ」。フィンランド独立100年記念です。男声合唱はポリテク合唱団。日本のプロオケが「クッレルヴォ」を演奏するなんて何十年ぶり?アンコールには「フィンランディア」の男声合唱つき!行きたかったのですが、都合が合わず行けませんでした。

 でも、オーケストラは違いますが聴けます。12月6日、フィンランド放送交響楽団の独立記念日コンサートで、声楽ソロ、男声合唱は同じで演奏されました。フィンランドYLEのオンデマンド配信で聴けます、観られます。
ハンヌ・リントゥ:指揮、フィンランド放送交響楽団
ニーナ・ケイテル(メゾソプラノ)、トゥオマス・プルシオ(バリトン)
ポリテク合唱団
◇音声のみ(1月6日ごろまで公開):YLE Areena:Radio:Konsertteja : RSO:n itsenäisyyspäivän konsertissa Sibeliuksen Kullervo sekä Wennäkosken ja Lindbergin teosten kantaesitykset
◇映像:YLE Areena:TV:RSO Musiikkitalossa : Itsenäisyyspäivän konsertti
 演奏会前半はフィンランドの現代作曲家、ロッタ・ヴェンナコスキとマグヌス・リンドベルイの作品。後半が「クッレルヴォ」です。最後は「フィンランディア」男声合唱つきもあります。独立100年の「フィンランディア」、感慨深いです。休憩時間には、「クッレルヴォ」の解説があります。フィンランド語で何を言っているのかわからないのが残念ですが、ピアノで「クッレルヴォ」を弾いているのは新鮮でした。「クッレルヴォ」ピアノ版を演奏、録音を出しているピアニストっていないのだろうか。大変だろうけど。
 「クッレルヴォ」演奏後、案内役のアナウンサーさんが都響に触れていました。


 フィンランド放送響は、弦の高音がスカッと軽やかなのが印象的なオーケストラ。今回の「クッレルヴォ」では、重厚な音を出しています。高音はスカッと響かせるのですが、低音部はずっしりと太く重い。フィンランドの100年の節目の演奏会。気合や想いがこもらずにはいられません。管もバリバリ吹いていて、聴いていて気持ちがいいです。

 男声合唱のポリテク合唱団。映像を観て驚いた。随分多い。日本に来たのはもっと少ない人数だったらしいけど…。これがフルメンバーなのでしょうか。やわらかく、ハーモニーが心地いいです。今回のクッレルヴォの妹役、ケイテルさんはメゾソプラノ。ソプラノ音域もきれいで、メゾソプラノならではの低音もしっかりしている。クッレルヴォの妹だと明かす部分は、ソプラノとメゾのバランスがいい。不穏なオケに合います。バリトンのプルシオさんは、やわらかめの、テノール寄りな感じ。「クッレルヴォの嘆き」の部分はその前までのクッレルヴォの様子と打って変わって、ゆっくりと、ずっしりと重いです。「クッレルヴォの嘆き」に入る前、かなり休符を取りました。シベリウスは静寂を大事にしたという話が残っていますが、そんな静寂であり、嘆きへの緊張感が湧き上がる静寂だと思います。
 ケイテルさんもプルシオさんも初めて聴きました。また若い「クッレルヴォ」歌いが増えました。
 合唱と声楽ソロは、映像を観ると、歌詞の字幕が入っています。「Kullervo Kalervon poika」と最初は一緒に口ずさんでしまうのですが、この歌詞字幕を見ながら歌えませんでした。フィンランド語難しい!

 第4楽章、金管が大活躍、バリバリとものすごい勢いで吹いています。これ息大変だろう…音程を当てるのも大変だろう…すごいなと聴いていました。弦も負けてはいない。まさに、狂ったように戦に赴くクッレルヴォです。途中、かなしげな部分があるのを、印象的に聴かせています。

 第5楽章、徐々に感情を込めて盛り上がる男声合唱が心を打ちます。いい演奏です。生で聴きたくなるなぁ…。
 フィンランド放送響には日本人楽団員が4人いますが、映像で観ると活躍しているのがわかります。フィンランド独立100年のお祝い演奏会に、日本人も参加できたのは嬉しいことです。都響での公演と同じく、「フィンランディア」も是非聴いてくださいね。

 「クッレルヴォ」は、救いようのない悲劇で、シベリウスは好きでもずっと敬遠していました。でも、そんな悲劇だからこそ伝えられるものがある。そう思いました。
 出来るだけ、色々な指揮者やオーケストラで聴こうと思ってシリーズにしてきましたが、やはりフィンランドがメインになってしまった(フィンランド指揮者が多過ぎる!w)これからも、色々な演奏を聴いていこうと思います。ということで、第2シリーズはこれまで。


【これまでのの「クレルヴォ」特集まとめ】
[シベリウス生誕150年記念]クレルヴォ交響曲を聴こう その1
 パーヴォ・ベルグルンド:指揮、ボーンマス響盤
[シベリウス生誕150年記念]クレルヴォ交響曲を聴こう その2 P.ヤルヴィ盤
 パーヴォ・ヤルヴィ:指揮、ロイヤル・ストックホルム・フィル盤
もうひとつの「クレルヴォ」
 番外編:レーヴィ・マデトヤの交響詩、アウリス・サッリネンのオペラ
[シベリウス生誕150年記念]クレルヴォ交響曲を聴こう その3 バレエのクレルヴォ?
 ユッカ=ペッカ・サラステ:指揮、フィンランド国立歌劇場管弦楽団、バレエ付き。
[シベリウス生誕150年記念]クレルヴォ交響曲を聴こう その4 ヴァンスカ盤
 オスモ・ヴァンスカ:指揮、ラハティ交響楽団
[シベリウス生誕150年記念]クレルヴォ交響曲を聴こう その5 N.ヤルヴィ盤
 ネーメ・ヤルヴィ:指揮、エーテボリ交響楽団
[シベリウス生誕150年記念]クレルヴォ交響曲を聴こう その6 パヌラ盤
 ヨルマ・パヌラ:指揮、トゥルク・フィルハーモニー管弦楽団
[シベリウス生誕150年記念]クレルヴォ交響曲を聴こう その7 ベルグルンド&ヘルシンキフィル盤
 パーヴォ・ベルグルンド:指揮、ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団

[フィンランド独立100年記念]続・シベリウス クレルヴォ交響曲を聴こう スロボデニューク&ラハティ響
 ディーマ・スロボデニューク:指揮、ラハティ交響楽団 (2017年 シベリウス音楽祭より)
[フィンランド独立100年記念]続・シベリウス クレルヴォ交響曲を聴こう ロウヴァリ&エーテボリ響
 サンットゥ=マティアス・ロウヴァリ:指揮、エーテボリ交響楽団 (2017年の演奏会より)
[フィンランド独立100年記念]続・シベリウス クレルヴォ交響曲を聴こう サロネン&ロスフィル
 エサ=ペッカ・サロネン:指揮、ロスアンジェルス・フィルハーモニック

[フィンランド独立100年記念]続・シベリウス クレルヴォ交響曲を聴こう オラモ&BBC響
 サカリ・オラモ:指揮、BBC交響楽団(2015年プロムスでのライヴ録音)

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# by halca-kaukana057 | 2017-12-20 22:51 | 音楽


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