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 戻ってきた…と胸を張って言える自信はないのですが、一応書きに来ました。

 ブログを止めるかもしれない。止めようか。と思ってブログを書かないでいる間、気が楽でした。これまでは書かなきゃ。しばらく間を開けちゃいけない。定期的でなくても1ヶ月にこの程度書かなきゃいけない。そんな風に自分でルールを作って自分を縛り付けてました。苦しかった。義務じゃないのに何故こんなルールを作ったんだろう。不思議です。

 私が書きたいこと、表現したいことって何だろうと考えていました。
何気ない日常の日記。記録。
読んだ本も聴いた音楽も観たアニメも私の日常。
宇宙のこともフィンランドのことも私の日常。
足元の花もその日の空も。
その日感じたこと、思ったこと、考えたこと、心の中にあることを書き留める。
私の日常を、私の日常に現れる様々な私を認めて表現したい。
色んな自分がいるよ。自分には色んな面があるよ。
自分を認める、自分に向き合うってそういうことだと思う。

これからブログでどう表現したいことを書くのか、まだぼんやりしています。
けど、とりあえず書きたいことから始めて、こんな書き方にしたらより自分の書きたいことを表現できるかもというものを見つけたら試してみるのでいいんじゃないかなと思う。書きながら見つけていけばいいと思う。

私は何かに夢中になって楽しんでいる人が好きだ。
好きなことを楽しんでいる人に憧れる。好意を抱く。
何かを楽しんで夢中になって嬉しそうな人を見ていると私も嬉しくなる。それに興味を持って、楽しいと思ったら楽しむ。
私が今必要なのは、夢中になって嬉しそうに楽しんでいる人の存在だと思う。
宇宙関係も、音楽関係も、フィンランド関係も、読書関係でも、ブログを書くことでも。その他何でも。リハビリになる。

私が純粋に楽しい気持ちを回復させるにはどうしたらいいか。
誰にも否定される恐怖なく、安心して好きなものを心の底から楽しんで好きだと言いたい。たとえ少数派、周りを見渡して自分ひとりしかいなかったとしても、それが好きだと表現したい。

 このブログも随分長く続けてきました。最初の記事が2005年?途中途切れることもありましたが、よく続いているなと自分でも思います。過去記事の整理や修正をしようと思っています。できれば書いた時そのままのものを残しておくのがいいのだろうけど、手直しした方がいいなと思うものはあります。何故か知らないうちに画像の向きがおかしくなっているものもある。何故だ。

 ただ、すぐに再開するわけではないです。忙しいし、ブログ以外にもやりたいことがいくつもある。ブログの文章を練って書いている時間を作れない。なので、再開と言っても頻度は落ちるかと思います。たまに覗いて貰えたら、と思います。

【関連過去記事】
私が自分で表現したいことを書くブログ
これを考えているのが自分ひとりだけでも構わない 最近思ったこと
Nスペ「ボクの自学ノート」 自分だけの学びの世界と個性
# by halca-kaukana057 | 2022-04-16 22:33 | 日常/考えたこと

このブログを手放したら

 数日、全ての記事の公開を止めていました。が、一部記事は非公開のままにして、公開は再開します。
 
 このブログがなくても生きていけると思う。本当に辞められるのかな。全ての記事を非公開にして、それで気持ちが楽になるのなら辞め時だなと思って非公開にしました。それでも、自分にとって負担ではない記事なら公開したままでもいいと思い、負担となる記事は非公開のままにします。そのくらいさせてください。

 ずっと精神的に不安定です。
 ブログやネット上で活動することに関しても「苦しい」「辛い」「しんどい」などとネガティヴに思うことが増えました。いくつかのきっかけもありました。そのきっかけに関するものに不安を抱いて、かなり塞ぎ込んでいます。ずっとブログを書くことに関して落ち込んだり、悩んだりしてきたことが再発したのもあります。
 ネットに何かを求めれば求めるほどうまくいかないと感じることがいくつかありました。

 もうブログ辞めようかな、と思う時が増えました。
 このブログを手放したら楽になれるのかな。
 もう休みたい。楽になりたい。

 更新はするかもしれません。が、前向きではない、ネガティヴな内容のことを書くかもしれません。あまりブログにネガティヴなことは書かないようにしようと思ってきました。しかし、もう前向きでいることに疲れました。前向きを演じることに疲れました。誰かを思って誰かに配慮して本心を書けなくて、ブログに向き合うのが苦痛です。今後、どうブログを続けていくかも見えていません。

 過去記事を読むとこのブログが自分にとってどんなものか再確認して前向きな気持ちになれるのですが、その過去記事の時と今は違うとも思ってしまいます。
 今現在の自分がどうしたいかはわかりません。
# by halca-kaukana057 | 2022-03-07 22:39 | 日常/考えたこと
 先日の北京オリンピックの男子アイスホッケーで悲願の金メダルに輝いたフィンランド。その喜びの後で、前の記事のフィンランドの偉大な音楽家の訃報で悲しみ…その間、揺れる世界状況には不安を覚えていました。そして現在。ニュースを見ていると辛いです。更に今朝見たニュースでますます不安に。それに関係する記事を読みました。

"あいだ"にある国家、フィンランドとウクライナ|森 一貴(Mori Kazuki)|note

 その本の内容とは全然関係ないのですが、以前「ほんとはかわいくないフィンランド」というタイトルのエッセイを読みました。フィンランドはかわいいものがたくさんある国というイメージが広まっていると思う。フィンランド語の響きも日本人が聴くと可愛らしい。「マッティは今日も憂鬱(FINNISH NIGHTMARES)」シリーズでも紹介されるシャイで無口、パーソナルスペースの広いフィンランド人の国民性には親近感を覚えるし可愛くも見える。でも、実際のフィンランドは全然"かわいくない"。とても重い、厳しい歴史を持つ国だ。フィンランド第2の国歌とされるシベリウスの名曲「フィンランディア」が生まれた背景。フィンランドが独立して100年の間に起こったことはそれなりに勉強しているつもりだった。でも、上記リンク記事のフィンランドとNATOについては詳しく知らなかった。NATOに加盟していないことは知っていたけど、加盟していないことでヨーロッパの中にいても距離を取ることになってしまったこと。ヨーロッパが成長していく一方でフィンランドの経済成長は遅れてしまったこと。緩衝国家としての葛藤。「フィンランド化」なんて言葉もあるけど、フィンランドの葛藤や苦悩を思うとそんな軽々と使ってはいけないような気がする。そんな中でも独自の文化や産業を発展させてきた力強さ。これが「SISU(シス)」なんだと思う。
 フィンランドには徴兵制がある。18歳以上の全ての男性に6か月から12か月の兵役を課している。世界で活躍するフィンランド人男性…音楽、デザイン、スポーツ(特にモータースポーツ)挙げるとキリがないが、皆兵役を経験しているのだと思うと複雑な気持ちになる。
 NATOに加盟するかどうかは見守っていきたい。NATOに加盟するかどうかで国民の意見が割れて賛成派と反対派で対立、分断が起こらないことを願うばかりだ。フィンランドの議論のルールというものが有名になっているから、そんな感情論で激しく対立、非難し合うことはない…と信じたい。

 今日、お昼にコーヒーを飲みながら、フィンランドのことを考えてしまっていました。そろそろフィンランドも朝でコーヒーを飲む時間だろう。心穏やかにコーヒーを飲めているのだろうか。それともニュースを見ながら不安を抱えながら飲んでいるのだろうか、と。上記リンク記事でも、夜中にパーティーをして騒ぐフィンランドの人々のことが書かれていましたが、フィンランドにそんな普通の日常がこれからもずっと続いていて欲しい。マッティの憂鬱もフィンランドの日常で、憂鬱だけどそれがかけがえのないものであるのだな、とも。ウクライナの状況に心を痛め、もしフィンランドも同じことになってしまったら…と思うと怖くてたまらない。そんな未来が絶対に来ないことを願うばかりです。ウクライナにも一秒でも早く平和が訪れることも。
# by halca-kaukana057 | 2022-02-26 23:42 | フィンランド・Suomi/北欧

Lämmin osanottoni

 今年(まだ1ヶ月半だが)に入って覚えたフィンランド語がある。
Lämmin osanottoni : お悔やみ申し上げます という言葉だ。"Lämmin"は「あたたかい」、osanottoniの原型"osanotto" は「同情、哀悼」の意味。直訳すれば、あたたかい哀悼をおくる。大切な人を亡くした人にかける、思いやり深い言葉だと思った。
 この言葉を覚えるきっかけになったのが、2人のフィンランドの偉大な音楽家の訃報でした。Duolingoでは出てこないし、私が今持っているフィンランド語の会話集やテキストにも多分出てこない(買ったままでまだ手を付けていない本が2冊ほどある…)。
 私はフィンランドの音楽についてものすごく詳しいとは思っていません。まだまだ聴いていないフィンランドの作曲家、作品、演奏家・指揮者・オーケストラ、演奏…本当に沢山ある。でもフィンランドの音楽が好きだ。そしてこの2人の訃報はとても悲しい。拙い内容になるかもしれないが、書こうと思います。

 ひとりは、Liisa Pohjola リーサ・ポホヨラ(ポヒョラ)。ピアニストでシベリウス・アカデミーピアノ科で長年教授を務めていました。
◇フィンランド国営放送YLE:YLE: Uutiset : Suomen merkittävimpiin pianisteihin lukeutunut Liisa Pohjola on kuollut
◇ヘルシンギン・サノマット:HS.fi : Pianotaiteilija Liisa Pohjola on kuollut
(フィンランド語の記事ですが、翻訳サイトを使えば読めます。DeepL翻訳がおすすめ)

 1936年生まれ、亡くなったのは昨年の大晦日。85歳でした。追悼記事にはフィンランド国家音楽委員会による賛辞「フィンランドのピアノ界の伝説」という言葉を取り上げています。数多くの現役作曲家が活躍するフィンランドで、彼らの作品を新しく解釈したピアニストと。
 CDとして出ている録音は多いわけではないのですが、リーサさんの演奏は落ち着くような深い、でも表情豊かで美しい音で好きです。シベリウスも、アーッレ・メリカントやカレヴィ・アホなどのフィンランドの作曲家から、ショパンやシューマン、リゲティやメシアンまで幅広くそれぞれの作曲家の魅力が伝わってくる演奏でした。日本ではなかなか知られていない方なので情報が少ない。演奏会の記録とか、録音とか残っているならもっと聴きたいなと思います。
 ポホヨラさんと書かずリーサさんと書いたのは、ポホヨラと書くとどのポホヨラかわからなくなるから。以前記事を書いたことがありますが、フィンランド屈指の音楽一族ポホヨラ家。そのはじまりの4きょうだいのひとりです。タピオラ児童合唱団を創設した音楽教師でヴァイオリニスト、指揮者のErkki エルッキさん(タピオラ合唱団について書いた以前の記事で触れています:合唱大国・フィンランドを堪能する その2・タピオラ合唱団編)、チェリストのEnsti エンスティさん、ヴァイオリニストで指揮者のPaavo パーヴォさん。リーサさん含むこの4きょうだいもフィンランドクラシック界を支えてきたのだが、その子ども、さらには孫たちも音楽家として活躍している。全員紐解くと本当すごいなぁ…という言葉しか出てこない。なので、ポホヨラと書いてもどのポホヨラさんなのかわからないのです。
 そのリーサさんの2人の子どもが、指揮者・ヴァイオリニストのサカリ・オラモさんと、フィンランドを代表するチェンバロ奏者のアンナ=マーリア・オラモさん。先述したリンクした訃報記事の発端となったのが、リーサさんの死を伝えるオラモさんのツイートで、それを読んだ時は信じられなかった。マーラーを指揮する指揮者たちへのインタビューをまとめた書籍「マーラーを語る」でオラモさんの項もあったのですが、オラモさんが子どもの頃、お母様のリーサさんの演奏会には必ず家族で聴きに行っていたというエピソードがありました。そこでマーラーの交響曲も初めて聴いたのだと。
 フィンランドのピアノ演奏の先駆者であり、そして教師としても長年フィンランドのピアノ界を牽引してきた。自身の子どもたちも、門下生たちもリーサさんの音楽を引き継いでいると思うと、偉大な音楽家だったのだと思います。リーサさんの死から1ヶ月半以上経ちましたが、演奏を聴いては悲しいと感じています。ラジオのYLE Klassinenを聴いているとCDにない録音が時々放送されていて、それもCD化しません?と思ってしまいます。


 もうひとりが、今朝訃報を知りました。ヴァイオリニストで指揮者であり、作曲家でもあるJaakko Kuusisto ヤーッコ・クーシスト。
YLE: Uutiset : Säveltäjä ja kapellimestari Jaakko Kuusisto on kuollut
HS.fi : Muusikko Jaakko Kuusisto on kuollut
◇フィンランドの民放MTV:MTV Uutiset: Muusikko Jaakko Kuusisto on kuollut

 1974年生まれ、亡くなったのは昨日23日。48歳でした。訃報を知った時ショックで、本当に信じられなかった。なぜ、まだ若いのに。上記記事などによると、2020年に脳腫瘍が見つかり手術、治療を続けていました。脳腫瘍のことは公表していたとのこと。知らなかった。過去記事でも書きましたが、昨年5月のトゥルクフィルのヴァップ・コンサートでは元気に指揮してたのに。今年に入り、容態が悪くなったと、ヴァイオリニストの弟さん・ペッカ・クーシストさんがSNSで伝えていたそうです。
 ヤーッコさんはヴァンスカ時代のラハティ響のコンサートマスターとして活躍。ヴァンスカ指揮ラハティ響のCDを見ると、リーダーとしてヤーッコさんの名前も載っています。ヴァイオリンの演奏だけでなく指揮や作曲もするようになり、ラハティ響を退団し幅広く活躍していました。ラハティ響を指揮することもよくありました。オウル交響楽団、クオピオ市交響楽団のポストに就き、さらにはオペラも書きサヴォンリンナ・オペラやフィンランド国立オペラで自作の指揮をしていました。
 クーシスト家もフィンランド屈指の音楽一家。父は作曲家のイルッカさん、祖父も作曲家のタネリさん。ヘルシンギン・サノマット紙の記事では弟のペッカさんとの写真が多く載っている。仲の良い兄弟だったんだなと思う。ペッカさんと共演した録音もあります。MTVの記事にペッカさんのFBのリンクが貼ってあって読めるのですが、フィンランド語部分も翻訳して読んで欲しいです。兄弟の写真がとてもよいです。
 ヤーッコさんのバッハ「無伴奏ソナタとパルティータ」のCDを聴いていて、とても素敵な演奏だと思った。穏やかでまっすぐな音。この録音が残っていて本当によかったと思う。作曲したヴァイオリン協奏曲(エリナ・ヴァハラ、ヴァンスカ指揮ラハティ響)はダークな感じでかっこいい。オーケストラのスケールが大きくて聴いていて楽しい。もっと演奏されていい。作曲したい作品がもっと合ったのかもしれないと思うと辛い。
 クラシックだけでなく他のジャンルとのコラボもしていて、普段クラシックをあまり聴かない人にも知られていた。シベリウスの曾孫でベーシストのLauri Porra ラウリ・ポッラが作曲したエレキベースのための協奏曲「Entropia」を指揮したのがとてもかっこいい。
 こんなに幅広く活躍して、これから更にフィンランドの音楽界を牽引していく存在になっただろうに…。とても悲しいです。
Entropia: Concerto For Electric Bass And Orchestra

(ラウリ・ポッラは日本では「ラウリ・ポラー」と表記されることが多いのですが、Porraのフィンランド語の綴りだと「ラー」と伸ばす音にはならない(もしPoraaならポラーと読みますが)。フィンランド語の発音にうるさくなってしまってるが、これは書いておきたい。)

 リーサ・ポホヨラさんも、ヤーッコ・クーシストさんも、お2人の遺志を継ぎ演奏し続ける人はいる。偉大な2人の音楽がこれからも、フィンランド音楽界の道標として伝え続けられることを願っています。どうか、安らかであるように。「ご冥福をお祈り申し上げます」はフィンランド語で何と言うのか調べたら、「Lepää rauhassa」だそうだ。「Rest in peace」をフィンランド語訳すると「Lepää rauhassa」。
 どちらも覚えておいていざという時に言えるようにしておきたい言葉だが、正直あまり使う機会がないことを祈るばかりです。
# by halca-kaukana057 | 2022-02-24 23:34 | 音楽
 たまたま本屋で目に入って、面白そうだなと買ってみた本。ハヤカワ・ノンフィクション文庫はいい。本当いい本が揃ってる。


グッド・フライト、グッド・ナイト パイロットが誘う最高の空旅
マーク・ヴァンホーナッカー:著、岡本由香子:訳/早川書房、ハヤカワ・ノンフィクション文庫/2018


 著者はブリティッシュ・エアウェイズ社のパイロット。子どもの頃から飛行機が大好きで夢中になり、大人になったら趣味で小型飛行機を操縦しようと夢見ていた。大学や大学院では飛ぶこととは異なる学問を学んでいたが、飛ぶことを生涯の仕事にしたいと思いフライトスクールの費用を稼ぐために経営コンサルタントになった。仕事で飛行機で移動することが多かったのも理由だった。その後フライトスクールで訓練を受け、パイロットになった。日本にホームステイしたこともあり、またフライトで日本に来ることもあるため日本の話題も多く出てきます。


 このご時世で、しばらく旅に出ていない。飛行機にも新幹線にももう2年以上も乗っていない。という私は飛行機に乗った経験は10年以上前に沖縄に行った時に羽田から往復しただけ。飛行場よりも新幹線の駅の方が近くて利便も良いため、新幹線ばかり乗っている。この本を手に取ったのは、飛行機に乗って旅に出たい思いがあったから。日常の暮らしとその場所から離れて旅をしたい。でも今はできない。読んでいて旅に出たいと思ったと同時に、パイロットが空から世界をどのように見ているのか面白いと思ったし、羨ましいとも思った。パイロットたちが空で従うルールも興味深い。

 私は普段宇宙に興味があるので、宇宙飛行士が宇宙から地球をどのように見たか、感じたかについて読むことが多い。宇宙よりも低い高度、飛行機の高度ではまた違った見方ができる。宇宙ほど遠くない。でも地上から離れ、解放されている。また、宇宙飛行士は宇宙に行ったら短くても1週間程度は宇宙にいる。パイロットは長くても10数時間程度。宇宙から地球を見てみたいけど、飛行機の高度からでも地上や空の様子を見ることは多くの発見に満ちている。また程よく地上に近くて、でも地上から解放されているのもちょうどいい。筆者は多くの人々が飛行機に乗って離陸すると、窓のシェードを閉めてパソコンを開き仕事を始めたり、眠ってしまうことを残念に思っている。という筆者もフライトに慣れてくるといちいち驚かなくなってしまった…とも書いている。飛行機に乗ったら窓の外を見たいと思うし、飛行機からオーロラも見たいなと思う。オーロラのくだりの箇所は読んでいてなぜか涙がこぼれた。

 飛行機で移動する際、「ジェット・ラグ(時差ぼけ)」は有名だが、「プレイス・ラグ」という言葉も出てきた。今いる場所に対する感覚が乱れること。新幹線で国内を移動しても「プレイス・ラグ」は感じると思った。数時間前まで田舎の小さな町にいたのに、今は東京のど真ん中で沢山の人の流れに負けないように早足で歩く自分を奇妙に思ったことはある。気温や気候の変化もある。特に冬だと家を出た時には厳しい寒さでも耐えられるコートを着て雪道でも歩けるブーツを履いているのに、東京に着いた途端それらが要らなくなる。これで困ってしまう(今日のような東京も雪の日は問題ないが、東京まで着たのにコートもブーツも必要な雪の中を歩くのはそれはそれで悲しい。せっかく雪から解放されると思ったのに)。国際線のパイロットの「プレイス・ラグ」はそれ以上だ。飛行機の速度に人間がついていけない。飛行機を作り、世界中に航路を張り巡らし運航しているのは人間なのに。どこか皮肉にも感じる。面白いとも思うけれども。

 飛行機や飛行での専門的な内容もあります。「ウェイポイント」は少し前にテレビでも紹介されたので興味深かった。道もない空の上を飛行機はどうやって目的地まで進んでいくのか。「ナブエイド」と「ウェイポイント」も遊び心があっていい。飛行機の機体や機種について、パイロット視点での話も面白い。パイロットの間でボーイング747はなぜ人気があるのか。747の魅力、使い勝手の良さになるほどと思った。パイロットは仕事で飛行機に乗り操縦しているけれども、単純に飛行機が好き、飛行機というメカニックが好きなんだなとわかって微笑ましい。鉄道と共通するの…かなぁ?

 安心して旅が出来るようになったら、飛行機に乗って旅に出たい(いつも通りに新幹線を選んでしまうかもしれないけど)。きっと、今世界中のパイロットたちも沢山のお客さんを乗せて飛びたいと思っているのだろう。面白い視点の本に出会えた。
# by halca-kaukana057 | 2022-02-10 22:48 | 本・読書

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by 遼 (はるか)
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