これがプロムスオーケストラ! オラモ & BBC交響楽団 @仙台

 昨日予告したコンサートの記事を。
 3月4日(日)、来日中のサカリ・オラモ指揮、BBC交響楽団の仙台公演に行ってきました。このブログでは、BBCプロムス ( Proms ) で聴いてきたコンビ。特に、「Last Night of the Proms」ラストナイトは毎年放送されるのを楽しみにしています。ラストナイトの放送を観て、楽しいコンビだなぁと思ってきました。オラモさんに関しては、CDなどでバーミンガム市響、フィンランド放送響の頃から聴いてきたのでその点でも思い入れはあります。生で聴けるのは嬉しいです。

東芝グランドコンサート 2018

【仙台公演 プログラム】
・ブリテン:歌劇「ピーター・グライムズ」より
 4つの海の間奏曲 op.33a
(第1曲:夜明け(Dawn)、第2曲:日曜の朝(Sunday Morning)、第3曲:月光(Moonlight)、第4曲:嵐(Storm)
パッサカリア op.33b
※「パッサカリア」は第3曲「月光」と第4曲「嵐」の間に演奏されました。
・チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.35
・シベリウス:交響曲第5番 変ホ長調 op.82

ヴァイオリン:アリーナ・ポゴストキーナ
 サカリ・オラモ:指揮、BBC交響楽団
(2018年3月4日 イズミティ21)


 シベリウス5番ですよ、シベ5!来日公演について発表になり、シベリウス5番が広島と仙台のみの公演と知って、迷わず仙台に行くことに決めました。距離的な問題でも仙台だったのですが。今シーズンのBBC響は、オラモさんとシベリウスチクルスを行い(2017年のフィンランド独立100年記念)、その一番最初に演奏したのが5番でした。オラモさんのお国ものですし、イギリスオケはシベリウスが生きていた時代からシベリウスを演奏してきた。BBC radio3で聴いて、これは来日が楽しみだと思っていました。
 1曲目も、イギリスオケのご挨拶のようなお国ものブリテン、コンチェルトはチャイコフスキー。ポゴストキーナさんはシベリウスヴァイオリンコンクールの優勝者で、ならばシベコン…と思ったのですが、チャイコフスキーも好きです。プログラムからして好きです。

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 ホールの入り口には立派なこんな看板?が。
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 公演パンフレット。オールカラーで内容は充実しています。お値段の分だけあると思います。東芝がスポンサー(主催はフジテレビ)のコンサートシリーズで、東芝の招待客が多かった。入場前、係員さんが、「東芝の招待券をお持ちの方~」と何度も呼びかけていた。その招待客には、パンフレットは袋入りで配布されます。なので、ホールに入ると招待客か一般客かわかります。
 お客の入りは、空席もちらほらありますが、概ね入っていたと思います。
 開演前まで、コントラバスさんがステージの上でさらっていたり(最初1人だったのが、2人になっていた)、舞台裏からフルートなどの管楽器の音が聞こえてきたり。

 開演、楽団員さんたちがステージへ。この時、楽器を持っていないけど、きちんと燕尾服を着た男性が3人、楽団員さんたちやステージの様子を見渡していました。スタッフさん、ステマネさん?そんなにオーケストラのコンサートには行けていませんが、こんな風に開演時にスタッフがステージにいるのは、国内オケでも海外オケでも見たことがありません。よくあることなんでしょうか?楽団員さんたちが全員座ったのを見届けて、スタッフさん3人は舞台裏へ。リーダー(コンマス)席の隣のヴァイオリンさんがチューニングを促して、終わった後、リーダーのStephen Bryantさんが入ってきます。プロムス ラストナイトでもこの形ですね。そしてオラモさん登場。プロムスコンビが目の前に。

 配置は第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンの対抗配置。第2ヴァイオリンの後ろにコントラバスが並んでいます。
 1曲目、ブリテン「4つの海の間奏曲」と「パッサカリア」。イギリス音楽の中でも好きな曲です。
Britten - Four Sea Interludes from Peter Grimes, Op 33a - Oramo
 2013年プロムス ファーストナイトでの演奏。このファーストナイトが、オラモさんのBBC響新首席指揮者御披露目演奏会になりました。
この演奏も聴いて行ったのですが、今回の演奏は、これよりも現代的な音がしました。微妙に不安定な音だったり、尖っていたり。管楽器が現代的なのに対して、弦楽器は滑らかにそれをしっかりと支えている。おもしろい。「ピーター・グライムズ」のオペラは、イギリスの小さな漁村で、疎外されて暮らしている漁師・ピーター・グライムズが主人公。村にある事件が起き、グライムズが容疑を疑われる。グライムズはだんだん錯乱状態になっていって…。そんな暗いお話です。音楽に明るい部分があっても、根底に暗いものがあって、きれいなんだけど何か不吉な予感がする。第1曲「夜明け」の木管とかチューバとか、第2曲「日曜の朝」の鐘の音とか。この鐘は教会の鐘の音なのだそうですが、不吉な音。第3曲「月光」→「パッサカリア」→第4曲「嵐」、この流れが自然で、面白かった。普段は「パッサカリア」は別に聴いているのに、この流れで聴いてもおかしくない。「月光」で美しい穏やかな海の情景が描かれる。弦の弱音がとてもきれいで。でも、徐々に重々しくなっていく。きれいなままというのがまたいい。「パッサカリア」は、ヴィオラのソロが美しくてよかった。このヴィオラのソロから、他のパートにも広がっていく。金管がバッチリ決めて、弦の静かな部分が。また盛り上がる。「パッサカリア」も現代的な音、曲です。20世紀のオペラなんだなぁ、と。その後に第4曲「嵐」全パートが全力、荒々しい。金管は特にバリバリいってます。弦もめまぐるしい。明るい曲ではないですが、現代的な響きが「おもしろい、楽しい」と感じました。トリルというか、音が行ったり来たりするのはハマります。ハープや多彩な打楽器など、楽器の種類も多いのも面白いですね。オラモさんの指揮も、プロムスのまんま。ああ、この指揮だ、と思いました。左手のアクションを見てると楽しい。特定の楽器に指示を出したり、曲想を伝えたり。
 1曲目から、仙台のお客さんは大喝采。1曲目なのに、オラモさん、カーテンコールしてました。
 ちなみに、調べてみたら、リボル・ペシェク:指揮、ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団の演奏のCDでは、この第3曲と第4曲の間に「パッサカリア」が入る順番でした。曲順を知った時、オペラの順番でもないし、何の意味があるんだろう?と思っていましたが、謎は解けていません。ただ、流れとしては自然な気がしました。
 この曲は、編成が結構大きいです。イズミティ21のホールは小~中規模のホール。ステージもそんなに広くなく、BBC響の皆さん、ギッシリという感じでした。

 メンバーの入れかえや編成を減らしたりして、プログラム2曲目。チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。実は、ピアノ以外の協奏曲を生で聴くのは初めてです。地元のコンサートでは、いつもピアノ協奏曲。ヴァイオリンやチェロもやってほしいとアンケートに書いてるのに、やっぱりピアノ協奏曲。遠征してようやく聴けました。チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲は、編成が随分小さいんですね。トロンボーンもいない。第1ヴァイオリンも、コントラバスも大幅に減っている。フルートに、日本人楽団員の向井知香さんが入りました。
 オラモさんとポゴストキーナさん登場。ポゴストキーナさんは緑のドレスでした。きれい、かわいい。お写真からもそんな印象を持っていたのですが、本当にきれいでかわいらしい方。
 でも、ヴァイオリンは芯が強くて、でもつややかでした。最初のヴァイオリンソロの一音を聴いて、すごい音だと感じました。あの小さなヴァイオリンから、こんな音が出るんだ。オーケストラのヴァイオリンとは違う。聴き入りました。
 チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲は、好きな曲ですが、そんなにCDなどで数多くは聴いていません。聴くと、映画「ライトスタッフ」のテーマ曲を思い出します。似てますよね。
 ヴァイオリンソロの後、オケも主題を演奏しますが、この音がさっきのブリテンとは違って、明るくて、元気で、のびのびしていて、ピュアな音をしていました。完全に楽しんでる音。そして、チャイコのヴァイオリン協奏曲は、ヴァイオリンだけが目立つ曲ではないな、と。オーケストラにも美味しい部分がいっぱいあって、ヴァイオリンソロとの掛け合いが楽しい曲。「協奏」です。ソロを聴いても楽しいし、オケを聴いても楽しい。いいですね。ポゴストキーナさん、オラモさんとアイコンタクトを取ったり、リーダーのブライアントさんを見て演奏しているところも。いい共演だなと思いました。
 ブリテンからは編成が小さくなりましたが、オケはよく鳴ります。ラストまで、本当に楽しかった。こういう演奏を聴くと、これまでそんなに聴いていなかったチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲ももっと聴きたくなりますね。
 演奏後、大喝采。オラモさんとポゴストキーナさん、何回カーテンコールしたか数えてませんw5回はしたと思う。仙台のお客さん、ノリがいいのか?大拍手に応えて、アンコール。

・チャイコフスキー (グラズノフ:編曲):「なつかしい土地の思い出」 より メロディ
 オーケストラも一緒に演奏です。これは豪華。郷愁を誘うきれいな曲。好きな曲です。アンコールでもポゴストキーナさんとオケの息はぴったりでした。ちなみに、オラモさんは指揮棒なし。やわらかな指揮でした。
 もっと生でヴァイオリン協奏曲も聴きたいですね。地元のコンサートホールのアンケートにまた書こう。または遠征しよう。

 休憩へ。休憩中、フルートさんが、ずっと次のシベリウス5番をさらっていました。シベ5だ!と反応。これからシベ5を生で聴けると実感。嬉しいです。シベリウスは大好きですが、なかなか生演奏に接したことはない。交響曲は初めて。初めて生で聴くシベリウスの交響曲が5番。いいですね。編成はチャイコフスキーよりは少し大きいです。

 休憩後、楽団員さんたちが舞台へ。この時も、スタッフさん3人がステージに出てきて見守っていました。休憩後の楽団員さんたちは、前半よりもリラックスした表情をしていました。笑顔で談笑したり。スタッフさんとも談笑している楽団員さんもいました。後半では、リーダーのブライアントさんも他の楽団員さんと一緒に出てきていました。チューニングが終わって、スタッフさんたちは舞台裏へ。オラモさん登場。シベ5です。

 と、ここであれ?と。指揮台の上に椅子が置いてあって、オラモさん、椅子に座っての指揮です。前半は普通に立って指揮していました。どこか痛めたのかなぁ…まだまだツアーは長い、これからなのに…大丈夫かなぁ…と心配になっていました。
 第1楽章。ホルンのあの音…まろやかで優しい。木管もやわらかい音で応えます。ああ、この音だ。弦の弱音のざわめき。弱音をうまく生かしていました。ファゴットのソロ。そして明るいトランペットソロ。シベリウスの交響曲を聴くと、さまざまな情景がイメージ出来ます。でも、それは「何となく」「ぼんやりとした」もの。でもこの演奏を聴いた時は、はっきりとこんな風景だとイメージできました。「名曲アルバム」を観ているみたいな。明瞭、はっきりとした、明るめの5番です。オラモさんは椅子に座っていましたが、そんなことは関係ないと思わせるダイナミックな指揮。上半身を大きく動かして振っています。オーケストラもそれに応えての熱演。全力です。でも、シベリウス特有の冷たさ、寒さ、透明感は存分に感じられます。いい音を出すなぁBBC響!と思っていました。指揮もオケも、どちらもこの曲を知り尽くしている、堂々ともしていました。第1楽章の最後で、ティンパニが思い切り強い音を出して、盛り上げ、引き締めていました。第1楽章の最後のカオスな箇所からの金管の朗々とした歌が出てきて、ジャジャジャジャン!という終わり方が好きなのですが、キッパリと見事に揃っていました。
 第2楽章、弱音がたまりません。こんな小さな音でも、ちゃんと聴こえて来る。ただ弱い音にすればいいんじゃないんだな、と自分の演奏…声楽やかつてのピアノでのことを思い出したりしていました。ゆっくり溜めたり、休符を少し長めにとって、じっくりと演奏していました。アイノラで静寂を大事にしていたシベリウスのことを思い出します。ワルツみたいな第2楽章も好きです。かわいらしく明るいようで、ほの暗さもあるんですよね。
 あっという間に第3楽章。疾走する弦、コントラバスはソフトな感じがしました(私の席の位置のせいだろうか)。ホルンが奏でる白鳥の飛翔。本当に美しくて、じわじわとこみ上げてくるものが。どのパートものびのびと演奏していました。さっき、休憩が終わって、リラックスしていた表情の楽団員さんたち。そのままの雰囲気で演奏していました。2つの主題の対比を聴くのも楽しかったです。5番、まだまだ知らない、気づかない部分がありました。CD(動画その他)でばかり聴いてきましたが、生で聴いて、目でも各パートの動きを見て、気づくことっていっぱいあるんだなと思いました。徐々に暮れゆくように、終わりへ近づいていく。このあたりのほの暗さがまたいい。じわじわきます。目頭が…。最後は、あのフライング拍手危険箇所の和音。誰もフライングしないでくれ…と祈りながら聴いていました。和音の間に一呼吸一呼吸入れても、客席はシーンとしている。最後のジャン、ジャン!の後、ちゃんと終わってから盛大な大拍手とブラボー。よかった。フライングなかった。よかった…。圧倒されたシベ5でした。
 やっぱりノリのいい?仙台のお客さん。大拍手に、オラモさんは何度もカーテンコール。どこも痛いようには見えず…。でも、ツアーはまだ前半戦なので、どうぞ無理はしないでお大事にしてください…(ツアー後半には、マーラー5番も控えていますし)。何度もリーダーのブライアントさんと握手をしたり、楽団員を立たせて挨拶したり。ソロを担当したファゴットさん、金管、全員という形で立たせていました。左胸に手を当ててお辞儀するオラモさん…ラストナイトそのまんまだ!w
 盛大な拍手に応えてアンコール。オラモさんのアンコールのコールが、これもまたラストナイトっぽいw

・シベリウス:ペレアスとメリザンド op.46 第7曲:間奏曲
 「ペレアスとメリザンド」!なかなか演奏されないけど、アンコールにいい曲ですね!かわいらしい、牧歌的な曲。BBC響の明るい、朗らかな、のびのびとした音が全開でした。シベリウスを続けて聴けるなんて嬉しい。
 アンコールの後もまだまだ大拍手は続きます。何と、もう1曲演奏してくださいました!

・シベリウス:アンダンテ・フェスティーヴォ JS 34b
 「アンダンテ・フェスティーヴォ」!!シベリウスもう1曲、5番と合わせたら3曲!!もうたまりません。爽やかで滑らかな弦楽合奏、本当に美しかった。ふっと溜めを入れるのもいい。最後はティンパニも入って荘厳に。この曲を聴けるのは本当に嬉しい。ありがとうございます!Kiitos!!
 「アンダンテ・フェスティーヴォ」を生で聴いたのは2度目。前回は、ストルゴーズ指揮N響。
・2015年、オールベートーヴェンプログラムのアンコールでした:フィンランド人指揮者でベートーヴェン+α N響演奏会に行ってきた
 どちらも、指揮はフィンランド人で、公共放送のオーケストラで、アンコールで…何だこの共通点。

 アンコール2曲は、指揮棒なし。やはり、やわらかでしなやかな指揮でした。あまりにも拍手が続くせいか、オラモさんがブライアントさんを促して一緒に退場、楽団員さんたちも退場。退場の際も、まだ拍手が続いているところもありました。太っ腹アンコールにも本当に大満足です。遠征して本当によかった。最高でした。演奏会、堪能しました。
 あたたかく、朗らかで、のびのびしてて、決めるところはバシッと決めて、BBCSO,とても素敵なオーケストラだと実感しました。オラモさんとの息もぴったりで。いいコンビです。
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 アンコールの掲示。手書きの「ペレアスとメリザンド」は急遽決まったのかな?

 思ったのが、イズミティ21のホール、ステージは、BBC響には小さいなということ。シベリウスでも、編成は小さいですが、よく鳴っていました。オーケストラの個性に対して、箱が小さい。やっぱり、ロイヤル・アルバート・ホール(RAH)の大きなホール、ステージのイメージが強いですし、この鳴りは、RAHで演奏しているオーケストラなんだなといい意味で実感しました。普段の本拠地のバービカン・センターはどうなんだろう?バービカンセンターでの演奏会の映像を観たことがないのでなんとも言えず。BBCは、音声はネットで日本からも聴けますが、映像はない。テレビ収録もすればいいのになぁ…と思いました。でも、放送、オンデマンドはイギリス国内限定なんだろうな…きっと…。やっぱりラストナイトしかないのか…?
 今後、BBC響を聴くのが楽しみになりました。普段のバービカンセンターでも、プロムスでも。今年のプロムスのプログラムは、4月19日発表です。楽しみです!

 オラモさんとBBC響のツアーはまだまだ続きます。全10公演(8公演+クローズド2公演)。長いですが、盛況になりますように。

 11日は東京、サントリーホールでのコンサートですが、そのコンサートがNHKFMで放送予定です。
NHKFM:ベストオブクラシック:3月19日:BBC交響楽団 演奏会
 3月19日、夜7時30分から。
 プログラムは、ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番(小菅優)、マーラー:交響曲第5番。
 このプログラムも聴きたいと思っていたので、放送は嬉しいです。しかも、演奏会から約1週間後に放送…こんな早く放送するのはなかなか珍しい。
※ラフマニノフは第3楽章のみの放送です。アンコールも、「アンダンテ・フェスティーヴォ」のみ(小菅さんのソロアンコール、ラフマニノフ「リラの花」と、オーケストラアンコール2曲目「ペレアスとメリザンド」間奏曲は省略…)。時間が足りない…。完全版はBBC radio3でそのうち放送でしょうか。待ちます。
 でも、この来日はフジテレビが主催…東芝がアレなので、NHKに放送権売ったとか?むしろ大歓迎です。
 あと、BBCはBBCのオーケストラの海外公演もradio3で後ほど放送するのですが、この日本ツアーも放送されるだろうか。このサントリーホール公演は放送されるはず。他のAプログラム(ブラームス1番)、このBプログラム(シベリウス5番)も、どこかで収録していればいいのですが…。
【追記 180308】
 BBC radio3で、広島公演(ブリテン、チャイコフスキー、シベリウス)の模様が放送されました。早いよ!まだBBC響はツアー中だよ!
BBC radio3 : Radio 3 in Concert : BBC Symphony Orchestra's Japan Tour 2018 - Ueno Gakuen Hall, Hiroshima
 30日間オンデマンド配信してます。期間中はいつでも何度でも聴けます。スマートフォンからは、「BBC iPlayer Radio」をダウンロードして聴いてください。
 演奏だけでなく、休憩中には、広島の街中の音、平和記念公園、広島交響楽団のことも紹介されました。あと、BBC響の日本人楽団員、フルートの向井知香さんのインタビューもあります。広島公演は仙台と同じプログラムですが、ポゴストキーナさんのソリストアンコールがない、オーケストラアンコールは「アンダンテ・フェスティーヴォ」だけという違いがありました。仙台もよかったけど、同じプログラムでも違う公演地の様子も聴けるのは嬉しいです。

 NHKFMでの東京公演の放送の前に、BBC radio3にこんなのがありました。
BBC radio3 : Through the Night : BBC Proms 2016: Sakari Oramo conducts Mahler and Haydn symphonies
 2016年のプロムスの再放送です。オラモさんとBBC響のマーラー5番です。一昨年の演奏と、今年の日本ツアーでの演奏に違いはあるのか。聴き比べてみるのも面白いと思います。
 ちなみに、これが放送されたのは、東京公演の数時間前。BBCさん、わかって放送したのか、どうなのか…。

【追記 20180501】
 BBC radio3にて、残りのAプログラム(川崎 ミューザ)、Cプログラム(東京 サントトリーホール)の録音が放送されました。以下からどうぞ。オンデマンド配信は放送から30日間。
BBC radio3 : Afternoon Concert : BBC Symphony Orchestra
 ミューザ川崎でのAプログラム。ブリテン:「ピーター・グライムズ」より 4つの海の間奏曲 パッサカリア、チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調(Vn:アリーナ・ポゴストキーナ)、ブラームス:交響曲第1番
 ブラームスだけが既に放送、配信した広島でのBプログラム(私が聴いた仙台も)ですが、被るブリテンとチャイコフスキーも放送しています。広島ではなかったポゴストキーナさんのアンコール「なつかしい土地の思い出」より「メロディ」はありますね。オーケストラアンコールはシベリウス:ペレアスとメリザンド より「間奏曲」

BBC radio3 : Afternoon Concert : BBC Symphony Orchestra
 東京、サントリーホールでのCプログラム。ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調(P:小菅優)、マーラー:交響曲第5番。この演奏会は、NHKFMで放送されましたが、放送時間に収まらずラフマニノフは3楽章のみでした。今度はフルで聴けます。マーラーももう一度。小菅さんのソロアンコールのラフマニノフ「リラの花」、オーケストラアンコールの「アンダンテ・フェスティーヴォ」も入ってます。「アンダンテ・フェスティーヴォ」は何度聴いてもじわじわ来ます。

 この2つの録音を聴いて、ミューザ川崎と、サントリーホール、響き方が違うなと感じました。くっきりしてるのはミューザ?サントリーホールはやわらかい?どちらも行ったことはない。実際に行って、生で聴いてみたいです。




【プロムス ラストナイト過去記事】
・2014:こんなクラシックコンサート観たことない! 「Proms(プロムス)」ラストナイトコンサート2014
2015はNHKが放送せず、観られず。
・2016:一緒に音楽を楽しもう Proms(プロムス)2016 ラスト・ナイト・コンサート
・2017:クラシック音楽の最前線で BBC Proms(プロムス) ラスト・ナイト 2017 まとめ
Promsタグで、このブログの、ラストナイト以外のBBC Proms関連記事を読めます。毎年の注目公演など。

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# by halca-kaukana057 | 2018-03-06 21:45 | 音楽

仙台駅で風景印

 日曜、仙台に行ってきました。コンサートに行ってきました。その記事は次の記事でじっくり書きたいと思います。

 仙台駅や駅ビルのエスパルをぶらぶらと歩いていたら、仙台駅内郵便局にたどり着きました。日曜日だけど開いている。ここ、風景印ある?調べてみたらある。念のため、局員さんに今日も風景印の押印はできますか?と聞いてみたら、やっているとのこと。よし、風景印を押印してもらおう!切手などを購入して、いつもの特印、風景印用の台紙を手帳に挟んでおいているので(こんなこともあろうかと!)それに切手を貼って、押印してもらいました。

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切手は「和の文様シリーズ」第4集。買っていなかったので。
風景印の図案は、仙台駅とケヤキ並木。仙台のケヤキ並木はきれいですね。

狙っていたわけではないのに(日曜日だから大きな郵便局以外は閉まっているだろうから、風景印は諦めていました)思わぬ幸運でゲットできました。郵便局を見つけたのも本当に偶然。嬉しいです。いいお土産になりました。
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# by halca-kaukana057 | 2018-03-05 22:06 | 旅・お出かけ

【アニメ コミカライズ】宇宙よりも遠い場所 1

 読んで、感想を書いていない本もたくさんあるのですが、アニメが絶賛放送中、後回しにしていたらアニメが終わってしまうので、こっちを先に書きます。
 現在放送中のアニメ「宇宙よりも遠い場所」(「宇宙」は「そら」と読みます。公式略称は「よりもい」)の漫画版です。このアニメは小説や漫画などの原作のないオリジナルアニメ。なので、この漫画の原作はアニメです。アニメが原作です。



宇宙よりも遠い場所 1
よりもい:原作 / 宵町めめ:漫画 / KADOKAWA メディアファクトリー、MFコミックス アライブシリーズ / 2018

 高校2年生の小淵沢報瀬(こぶちざわ・しらせ)の母・貴子は南極観測隊員だが、報瀬が中学生の時、南極で行方不明になった。母のいる南極に行きたい。その一心で、南極に行くための資金稼ぎのバイトに明け暮れる毎日。クラスメイトたちからは、南極なんて行けるはずがないと嘲笑され、友達もおらず浮いていた。バイトでついに100万円を貯め、通帳からおろしたお金を落としてしまった報瀬。学校のトイレで泣いていたところに、いつの間にかいたのは同じ高校2年の玉木マリ(通称:キマリ)。キマリが100万円を拾って、報瀬を探し当ててくれた。キマリに南極のこと、母のことを話し、母の著書「宇宙よりも遠い場所」を手渡す。それを読んだキマリは報瀬の南極行きのことを応援すると言い出す。それなら、一緒に南極に行こうと言う報瀬。だが、これまで、南極のことに興味は持っても本気で行きたいという人はいなかった。だが、キマリは…


 アニメは序盤はキマリの視点が多かったのですが、コミカライズは報瀬の視点。「南極」と呼ばれ嘲笑されるシーンや、多少なりとも人間不信だった報瀬はアニメではそんなに描かれないので、これはこれで面白いです。あと、報瀬が目指す民間の南極観測隊に関する事前情報も(アニメの2話の部分)。でも、基本的にアニメと同じです。アニメは毎回テンポがとてもよく、そして泣かせてくる。青春っていいなぁ、何かに向かって一生懸命になれるってキラキラしていていいなぁと思い、泣けてくる。アニメはそのテンポで観られるので爽快ですが、じっくり味わいたいシーンもある。漫画なら、自分のペースで味わえるのでそこがいいなと。

 途中から、南極を目指す仲間が増えます。キマリが資金稼ぎのために始めたコンビニのバイトの先輩、だけど同じ16歳の日向。高校は中退したが、既に高認はとっており、大学入試の模試はA判定。アニメでも、陽気でとても賢い、人生経験豊富な女の子です。ただ、アニメの2話に当たる部分で、日向にとって大事なキーワードが語られていない…。
 もう1人が、北海道に住んでいるひとつ年下の結月。小さいころから子役として活躍し、今はCDデビューもしたタレント。しかし、本人はその歌を気に入っておらず、仕事でこれまで友達がまったくいなかったことをとても気にしている。高校に入って、友達になってとクラスメイトに声をかけたものの…。南極行きのキーパーソンになる子です。途中から、報瀬から結月に視点が変わります。確かに、アニメの3話は結月視点じゃないとできない。友達に憧れ、でも出来なくて苦しむ結月の姿は辛いです。

 この作品を観ていると、皆、何かしらネガティヴな部分、暗いもの、「負け組」なところを持っている。そんな状況にあるけど言いたい奴には言わせておいて、がんばって夢を叶えて、バカにしている奴らに「ざまーみろ!」と言うのが目標だったり、足りないもの、欠けているものを手に入れよう、そんな自分になりたいともがいたり。そんな姿が自分(過去も現在も)に重なるところがあって、そこでも泣けてしまう…。

 アニメを観る前、アニメが気になっているけど観そびれたという人には、ちょっと説明が必要なところがあります。後でアニメも観るなら問題ありません。アニメを観て、漫画の視点も楽しみたいという人向けのような気がします。漫画だけ、はちょっと厳しいかもしれません。

 ちなみに、何故南極が「宇宙よりも遠い場所」なのか。宇宙飛行士の毛利衛さんが南極に滞在した際、宇宙ならロケット(毛利さんの時はスペースシャトルですね)で数分あれば行けるのに、南極は何日もかかる、宇宙より遠い、という言葉に由来しています。あと、物語の舞台は群馬県館林市。アニメのOPでも出てくるのですが、同じく、宇宙飛行士の向井千秋さんの出身地です。宇宙好きにもたまりません、このアニメ。漫画では館林が舞台ということが全くわからないので残念です。

TVアニメ「宇宙よりも遠い場所」公式サイト
 アニメを観て、漫画で補完して、楽しもうと思います。本当、毎週楽しみなアニメです。

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# by halca-kaukana057 | 2018-02-26 22:57 | 本・読書

ヴィンランド・サガ 20

 19巻の感想を、この20巻の発売日に書いて、その後すぐ20巻を買って読んだのですが…感想を書くのは遅くなってしまいます。



ヴィンランド・サガ 20
幸村誠 / 講談社 アフタヌーンKC / 2017

 ヨーム戦士団の内紛に介入せよと、トルケルにクヌート王の勅令が下った。しかし、トルケルはクヌート王の命令など関係無く、ただ戦争をしたいと言う。一方のフローキ側のヨーム戦士団。ガルムがトルフィンではなく、ヴァグンを殺害してしまったため、厄介な展開に。要塞の地下牢に捕らえられたガルムは、同じく捕らえられているレイフ、エイナル、グズリーズと再会する。
 トルフィンはレイフたちと待ち合わせをしているオーゼンセに到着。ギョロからレイフたちが人質になったこと、ガルムがヨムスホルグに来いという伝言を聞かされる。やはり戦うしかないのか…。どうしたらいいか分からず呆然とするトルフィンに、ギョロが思いをぶつける。
 ガルムがヴァグンを独断で殺害してしまったことを、フローキ側はトルケルに釈明するが、トルケルは交渉決裂、と退ける。そして、フローキ側から放り出されたガルムはトルケルを挑発。トルケルはガルムと一騎打ちをすることになる…。


 本格的に戦争が始まりました。冒頭のクヌート王の言葉が印象的です。クヌート王も楽土建設のために何をするのか考え、動いているが、ヴァイキング、ノルドの戦士たちの考え方は変わらない。思う存分戦って死ぬ。ガルムも同じことを考えている。地下牢でガルムとグズリーズが会話していましたが、そのシーンにその考え方の違いがはっきりと表れていました。グズリーズにとっての「普通の生活」と、ガルムやノルドの戦士たちにとっての「普通の生活」とは何なのか。答えの出ない問題です。ただ、クヌート王は、王として、この方向に向けようとしています。トルフィンも目指す方向に向かいたい…けれども、トルフィンには足りないものが多い。まず、クヌート王のような権力がない(あれ?権力…?)。

 19巻の感想で、トルケルとガルムは似た者のように思えると書きましたが、全くの似た者同士でした。2人の一騎打ちはすごい。あのトルケルと互角に戦えるなんて。戦う前、ガルムはトルケルの年齢のことを言っていましたが、トルケルっていくつぐらいなんでしょう?ガルムはまだ10代?

 レイフさんたちが人質になったことを知らされたトルフィン。誰も殺さずに、レイフさん、エイナル、グズリーズを助けるなんて無理だ…と迷いますが、ギョロの言葉がはっきりと、でも重い言葉でした。理想は誰も殺さずに助けたい。でも、トルフィンやギョロにとって大事なのは誰か。助けなきゃいけないのは誰か。そして、助けられる力を持つのはトルフィンしかいない。過去を打ち消すのではなく、今自分が持つ「力」をどう使うのか、トルフィンにとってこれからの課題になりそうです。とはいえ、ヒルドさんが見張ってるんだよなぁ…。

 ヨムスホルグに捕らえられた3人に、味方が1人。トルフィンにとっても味方かもしれません。バルドル君も苦労する…。グズリーズはどうなってしまうのか。シグルドとトルフィンが再会…状況はこれはこれでよかったのかもしれない…。普通の状況だったら、シグルドは何をするか…。前向きなシグやん、「友達の多い」シグやん…重い展開の20巻で、こんなシグやんがいいキャラしています。グズリーズ、一気に大人になりましたね。美人さんになってきましたね。

 ヨムスホルグでの戦のシーン。ノルドの戦士たちの「普通の生活」と先述しましたが、ヨムスホルグのヨーム戦士団の兵士でも、トルケルやガルムとは少し違う人もいるのかもしれない。そんな描写がいくつか。戦争真っ只中の21巻でも、こんな描写があるかなぁ。

・19巻:ヴィンランド・サガ 19
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# by halca-kaukana057 | 2018-02-18 15:53 | 本・読書

天体シリーズ切手第1集 手押し&押印機 特印

 これまで、星座の切手は2シリーズ発行されていました。第2シリーズ「星の物語」の次は、「天体シリーズ」です!

日本郵便:特殊切手「天体シリーズ 第1集」の発行
 全4集の予定とのことです。
 今度のシリーズも、ホログラムできらきらしています。今回は隠し文字はない模様?どう見ても確認できませんでした。
 今回は天体ということで、太陽、惑星から彗星、星雲と幅が広いです。冬の発行にあわせたのででしょうか。オリオン座にある星雲や星形成領域が多い。

 ということで、特印。まず手押し印。
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 切手シートのロゴの土星と太陽。ハト印が太陽で焼かれているようにも見えます…。切手はヘール・ボップ彗星を選びました。ヘール・ボップ彗星、懐かしいです。またこのクラスの彗星が北半球から見られないものか。南半球ではあるんですがねぇ。

 押印機も郵頼しました。
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 オリオン座にある馬頭星雲が図案です。押印機ならではのグラデーションです。切手はオリオン座イオタ(ι)星付近を選びました。オリオン座イオタ星は、オリオンのベルトの下に縦に3つに並んでいる小三ツ星の一番下の3等星です。この付近にはオリオン座大星雲(M42)がありますが、それとは別に、イオタ星の付近に「イオタ星星団」もあります。
アストロアーツ:オリオン座大星雲の手前にもう1つの大星団

 切手も楽しみですし、特印の図案に何が来るのかも楽しみです。第2集を待ちます。今度は何の天体だろう?


【これまでの星座切手 特印】
<第1シリーズ>
・第1集・夏の星座:切手で星座を楽しもう
・第2集・秋の星座:切手で星座を楽しもう 第2シーズン
・第3集・春の星座:切手で星座を楽しもう 第3シーズン
・第4集・冬の星座:切手で星座を楽しもう 第4シーズン +実際の星空も

<第2シリーズ 「星の物語」>
星座切手新シリーズ「星の物語」第1集&特印 その1
星座切手新シリーズ「星の物語」第1集&特印 その2・機械印編
星座と名月を切手で 「星の物語」第2集&特印
冬の星座と明星、進化する切手 「星の物語」第3集&特印
星型切手 「星の物語」第3集 続編:押印機特印
惑星と秋の星座 「星の物語」切手第4集&特印
「星の物語」切手第4集 押印機特印
「星の物語」切手 第5集 押印機特印


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# by halca-kaukana057 | 2018-02-10 22:22 | 宇宙・天文

野尻抱影 星は周る

 この本は出た時から気になっていたが、すっかり忘れてしまっていた…。ようやく思い出して手に取りました。

野尻抱影 星は周る
野尻抱影 / 平凡社、STANDARD BOOKS / 2015

 「星の文人」「天文学者(てんぶんがくしゃ)」の野尻抱影の随筆選集です。野尻抱影の天文、星座、星のエッセイはいくつもでています。が、絶版だったり、なかなか手に入りにくかったり…。全集を出してほしい(例えば河出文庫の須賀敦子全集みたいに、手に取りやすい、手に入りやすいもの)と思っているのだが、この本のような選集もいい。装丁もきれいだし、野尻抱影と天文、星空のさまざまな接点が伺えるのがいい。

 これまで、野尻抱影のエッセイはいくつも読んできて、この選集でも出てきたものもあるし、読んだことがなかったものもあった。各エッセイの末尾には書かれた年とその時の年齢、底本一覧もある。持っていないものは全部読みたくなる。やっぱり全集がほしい…。

 この本を読んでいると、野尻抱影の「星の文人」としての偉大さを思い知る。神話、日本・世界各地でのその星座や星の呼び名、星座や星にまつわる民俗や慣習、文化、宗教、文学などなど。たくさんのことが、さらりと、かつ、慈しむように書かれている。知識をただ並べるだけでなく、実際に星空を見て、その印象とともに書いている。海外や、歴史での星の呼び名や文化に関しても、読んでいるとその場面を想像できる。人は星を見て、それを目印にしたり、吉凶を占ったりした。人間は星と共に暮らしてきた。それをじんわりと感じることの出来る、野尻抱影のエッセイが好きだ。
 「星は周る」にあるように、私も、星や星座を見て、季節の移り変わりを感じる。冬の星座が見えてきたことに、冬の訪れを感じたり、冬でも、春の星座が見えてくると春が近づいていることを感じたり。星はさまざまなことを教えてくれる。

 星、星座の話だけでなく、野尻抱影の愛用の望遠鏡「ロング・トム」のことや、プラネタリウムのことも書かれている。また、野尻抱影は登山も好きだった。登山に関するエッセイも収録されており、また抱影の一面を発見した。

 人間と共にある星や星空について書いたが、いい話だけではない。「星無情」では、極限のかなしみや苦しみの中で見る星について書かれている。地上、人間界で何が起こっても、星はいつも変わらずそこにある。ということを、どう感じるか、捉えるか。無情で冷徹とも感じられるし、希望にも感じられる。このエッセイを読んで思ったのが、東日本大震災の夜、停電した夜に見えた星空の話だ。いつもは明るい街灯やネオンで見えない星が見え、寒さ、恐怖や不安を抱えながらも、「星が見えるよ」とネットに書き込んだ人が少なからずいたという話。その話を、野尻抱影に教えたら、何と書くだろう。

 星は、人と人を結びつける。野尻抱影が星好きになったきっかけ(「星は周る」)も書かれている。さまざまな星好きな人たちのエピソードも語られる。抱影が教師をしていた頃、教えていた生徒との星の話、「初対面」では、星がきっかけで意外な人と知り合えたことも書かれている。まさに「君たちの賜もの」だ。

 星がますます好きになる、星を見たくなる本です。

【過去関連記事】
冥王星雑感 ~そう言えば野尻抱影…
天文・星座関連オススメ書まとめ

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# by halca-kaukana057 | 2018-02-03 22:32 | 本・読書

【2018.1.31】 吹雪の晴れ間に皆既月食

 昨晩の皆既月食です。
・準備編:【2018.1.31】 皆既月食を見よう! 準備編

 昼間は晴れていて、このまま夜になっても晴れた空が続けばいいなと思っていました。しかし、夕方から曇り始め、日没後には雪が降り始めた。しかもかなり強い。多い。これは無理か…?予報を見ても皆既食の間はずっと雪。今の季節は雪の日が多いし、今年は特に強い寒波が続いているし…。少しでも晴れたらいいなぁ…と思いつつ、月食が始まる時間を待ちました。

 20時48分過ぎ。部分食が始まります。窓から外を見ると…晴れている。雲は流れているものの、雪は降ってなく、月がよく見えている。
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 月がどんどん欠けていきます。欠けていく、という表現は合っていないかもしれません。この黒い部分は地球の影。月が地球の影にどんどん覆われていっている、地球の影の部分に入っていっている。影の部分は黒。赤銅色ではありません。

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 まもなく皆既。
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 もう少し。影の部分は赤黒くなってきました。

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 21時51分過ぎ。皆既月食です。画像だと赤が強めですが、実際、肉眼で見た時はもっと暗かった。月の位置はかなり高く、これがいつもの満月なら、夜空を照らしていました。が、赤銅色の皆既食の月は静かに暗い。星もよく見えました。南の空にはおおいぬ座。シリウスが明るく輝いていました。

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 食の最大に近い頃に撮影。やはり赤が強めに写ってしまいます。実際はもっと暗かったです。

 食の最大を過ぎると、雪雲が流れてきて吹雪に。月は薄雲越しに見えます。吹雪と赤黒い月。不思議な光景でした。そして寒い。暖かい部屋に引き揚げました。その後、皆既食の終わりまで晴れることはなく吹雪。23時8分、皆既食の終わり。やっぱり吹雪。寝ることにしました。

 カメラはコンデジを使いました。スマートフォンのカメラでも撮影してみたのですが、やはり手ブレがひどい。スマートフォン用の三脚も販売されていますが、私は普通のコンデジ用の三脚しか持っていないので、コンデジだけです。
 今回は時間はたっぷりあったものの、寒くて一旦部屋に戻り、あたたまったらまた出て行って…なので余裕があったとは言えません。真冬の観測はきついです。でも晴れてよかったです。吹雪の中の皆既食の月も見られましたし。

国立天文台:皆既月食を観察しよう 2018 キャンペーン
 「天気が悪くて観察できなかった」という選択肢もあります。残念ながらお天気が悪くて観察できなかった方も報告を!

sorae.jp:昨日の皆既月食は見えた? 世界中からの観測報告まとめ
国立天文台:皆既月食――2018年1月31日
 次の日本から見られる皆既月食は、7月28日の夜明け前。ただし、東北以西。北海道東北では、部分食の間に月が沈んでしまいます。皆既食が見える地域でも、皆既食の間に月は沈んでしまいます。難易度は高いです。
 日本全国で全行程を観察できる次の皆既月食は、2022年11月8日。ちょっと先ですね…。その間に部分月食は何度かあります。
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# by halca-kaukana057 | 2018-02-01 22:30 | 宇宙・天文

【2018.1.31】 皆既月食を見よう! 準備編

 記事を書こう書こうと思っていたら前日になってしまいました。

 明日は皆既月食です。
国立天文台:皆既月食(2018年1月31日)
国立天文台:皆既月食を観察しよう 2018 キャンペーン
 ↑今回も国立天文台で観察キャンペーンをやります。見たら、是非観察結果を報告してくださいね。

アストロアーツ:【特集】2018年1月31日 皆既月食

JAXA 宇宙教育センター:みんなで皆既月食を観察しよう 2018
 ↑観察のためのワークシートや、観察方法の説明プリントをダウンロードできます。

三菱電機 from ME:DSPACE:ブルームーンがレッドムーンに 1月31日の皆既月食を眺めよう


 今回の皆既月食は、20時48分に部分食が始まります
 21時51分に、皆既食が始まります。食の最大は22時29分。皆既食の終わりは23時8分
 部分食は、日付が変わって0時11分に終わります
今回も、全国で食の最初から最後までを観測することが出来ます。前回(2015年4月4日)の皆既月食は、皆既の時間がたった12分。でも、今回は1時間以上あります。ゆっくり、じっくり観察できます。

 冬は他の季節に比べると、月の位置(仰角)が高いです。皆既中の月は、天頂近くにあります。寒いので家の窓から、と考えている方もいるかと思いますが(私ですw)、位置が高いと窓から見るのはちょっと厳しいかもしれません。夜遅い時間ですし、何より寒いので、外に出て観察する際は、防寒と安全の確保をしっかりとしてください。雪の積もっている地域では、足元の安全もしっかりとしてください。降った雪が氷になってまだ融けていないところでは要注意です。
滑りにくい靴で、足元に十分注意してください。

 皆既月食の観察でどこを見るか…「赤銅(しゃくどう)色」の月。赤黒い満月になります。ただ、その時によって、赤さ、暗さが異なります。そこで、どんな「赤銅色」だったかを観察してください。赤さは?黒さ、暗さは?時間によって変化はあった?上記国立天文台の報告キャンペーンで報告や、JAXA宇宙教育センターのワークシートを活用してください。
 また、普段満月はとても明るくて、周りの星は一等星ぐらいしか見えない。でも、皆既月食の月は暗く、暗い星も観ることが出来ます。今日、満月前日の星空と、部分食中の星空、皆既月食中の星空を比べてみると面白いですよ。

 観察には、特に道具は必要ありません。望遠鏡や双眼鏡は、あれば便利です。なくても、肉眼で十分観察できます。カメラで画像も撮影できます。手ブレしないように、三脚を使うときれいに撮れます。スマートフォンのカメラでも十分です。夜景モードにするといいかと思います。


 さて、皆既月食の毎度お馴染みの疑問。何故「赤銅色」になるのか。月食は、太陽-地球-月と並ぶのに、何故月は真っ暗にならないのか。
 満月になった時、太陽の光でできた地球の影が月に映り、月が暗くなることで月食は起きます。普段の満月の場合、太陽-地球-月は、一直線に並んではいますが、完全な一直線ではなく軌道が上下にぶれていて、そのぶれた間を通った太陽の光に月が照らされて満月になります。
 ところが、地球と月の軌道がぶれず、完全な一直線になると太陽光は地球で遮られ、影が月に落ち暗くなり、月食になります。月食が起きる場合でも、月が地球の影の中にすっぽりと入れば「皆既月食」になりますが、多少の軌道のブレがあり月の一部分しか影の中に入らなければ「部分月食」となります。

 月食の時、地球が作る影には2種類あります。太陽光の一部だけが遮られた「半影」と、太陽光の大部分が遮られた「本影」の2種類です。半影は薄暗いので、肉眼ではよくわからないかも。
 本影は暗いので、月の光を遮って真っ暗になる…はずなのですが、そうはならない。主に、赤銅色に見えます。

 太陽の光が地球を通り影を作ってそれが月におちますが、地球には大気があります。その大気を太陽の光が通る時、光は大気で屈折し、本影の中へ進みます。また、光は虹やスペクトルで分解すると波長の長い青から、波長の短い赤にまで分かれます。大気の中には細かなチリが沢山ありますが、そのチリで波長の長い青い光は散乱し大気を通過できません。一方、波長の短い赤い光はチリの影響を受けにくく、大気を通過し、本影の中に届きます。そのため、その赤い光のせいで月食中の月の欠けた部分は赤銅色に見えるのです。

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◇画像は、国立天文台:月食とはのページより。

 問題は明日のお天気。寒波の影響でお天気が芳しくないところが多そうです。でも、皆既の時間は今回は1時間以上あるので、雲間から見えるかも。雪の降り具合、風の強さ、雲の動きの様子を見ながら、空を見上げてみてください。

 何よりも、防寒対策はしっかりと、あたたかい服装で。そして、安全には十分注意してください。
 よい皆既月食になりますように!!
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# by halca-kaukana057 | 2018-01-30 22:48 | 宇宙・天文


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