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雪の中でも

 先日撮影した画像

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庭に植えているばらが、雪の降る中でも咲いていました。

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以前、秋に植えたパンジー・ビオラも、雪を被っても咲いていました。

 植物の強さ、たくましさ、けなげさに心打たれる今日この頃です。


 年末と言うことで、多忙のため手抜きブログです。
21日の皆既月食の記事も近いうちに書きます。どうか晴れますように。ふたご座流星群は惨敗でした。
あと、読書記事もまとめてドンと。毎年恒例になりつつある今年読んだ本まとめも、年末に書きます。
 まずは、年末までにやることをやります…。
# by halca-kaukana057 | 2010-12-17 22:27 | 日常/考えたこと
 金星探査機「あかつき(PLANET-C)」は、今日も金星周回軌道投入失敗の原因究明と、「あかつき」の運用をしています。先程、「あかつき」プロジェクトページに、「あかつきプロジェクトを応援してくださっている皆様へ」という文章が投稿されました。プロジェクトマネージャーの中村正人先生によるものです。引用します。
あかつきプロジェクトを応援してくださっている皆様へ

金星周回軌道投入中”あかつき”は思いもかけぬ事態に遭遇したと考えられ、残念ながら今回の軌道投入は失敗に終わりました。プロジェクトメンバーは悔しい思いをかみしめていますが、この気持ちは応援してくださった皆様も共有していらっしゃると思います。

今回の失敗を受けて昨日、”あかつき”のプロジェクトミーティングが開かれました。以下はそこでプロジェクトメンバーに私が言ったことです。

”日本国民、さらには世界が、今我々がどの様に行動するかを注視している。このまま、多くの人的財政的労力を注いだミッションを無駄にしてしまうのか、さらに将来に向けた教訓をここから引き出し、今回の失敗を乗り越えて新しいミッションを打ち立てていくのか?我々のなすべき事は明らかだ。”

幸い私たちはまだ”あかつき”を手の内にしています。ミッションは失われたわけではありません。まずは原因究明に全力を尽くし、続くミッションで同じ過ちを繰り返さないこと。そして、いまの”あかつき”を無事に飛行させ、そして”あかつき”の弟、妹達を宇宙に旅立たせ、人類の知識の獲得に向けて邁進すること。これが我々宇宙科学に携わる者の使命です。

金星探査の意義は今も決して失われてはいません。金星の謎を解く日まで我々とともに歩んでいただけますようお願い申し上げます。

中村正人
あかつき衛星主任
2010年12月14日
金星探査機 あかつき:トップ・最新情報


 今回の失敗は、本当に悔しかったと思います。火星に辿り着けなかった火星探査機「のぞみ(PLANET-B)」の悔い。PLANETシリーズとして、「のぞみ」から託されたものが沢山あると思います。私の言葉で語るには、語りつくせない悔しさであると思います。

 しかし、まだ「あかつき」は機能していますし、その電波をしっかりと受信できています。軌道投入時のデータも地上に送られてきています。さらに、カメラの動作確認もできました。「あかつき」には、まだやれること、やるべきことが沢山あります。まずは原因究明。機体の維持。そして、6年後の再挑戦。惑星探査機は、その惑星の軌道に載って終わりではありません。そこがスタートライン。惑星探査はそこから始まる。厳しい、本当に厳しいですが、しっかりと動いているカメラで金星を撮影し、それが研究者たちの手に届いて金星の謎の解明に繋がってほしい。そう願うばかりです。

 「あかつき」打ち上げ後に、私の地域のローカル新聞に中村先生のインタビューが載っていました。共同通信社によるインタビューなので、他の新聞でも読めたかもしれません。惑星大気の研究者として、金星がどんな星なのか、金星を調べることが何に繋がるのか。「はやぶさ」の小惑星探査でもそうでしたが、違う星を調べることで、地球自身のことがわかる。惑星探査の面白さを語る中村先生の表情も熱心で、印象的でした。
(ちなみに、中村先生はピアノ演奏が趣味とのこと。細々とピアノを弾く自分自身にとって、気にせずにはいられなかった。)

 この「あかつきプロジェクトを応援してくださっている皆様へ」の文章からも、中村先生はじめプロジェクトチームの方々の強い、熱い意思を感じます。私も、応援することしかできませんが、今後も見守り、6年間(観測が始まればそれ以上の年月)を共にする所存です。

 「あかつき」twitterに、こんなツイートも。
【あかつきtwitter班より】プロジェクトでは現在、探査機から受信した情報を元に原因究明のための調査を全力で進めております。慎重を期するために情報発信が滞ることもありますがどうかご理解ください。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
posted at 20:50:26


 どうか無理に焦らないで(焦らせないで)、調査を進めてほしいと思っています。

 「あかつき」の再スタートを、応援しています。
# by halca-kaukana057 | 2010-12-14 21:55 | 宇宙・天文
 さて、毎年恒例ふたご座流星群の季節になりました。

国立天文台:2010年12月 ふたご座流星群を眺めようキャンペーン

 数ある流星群の中でも観測しやすい流星群である、ふたご座流星群。今年は真夜中以降に月の光の影響が少なくなるので、真夜中以降の観測がオススメです。また、今夜が極大日ですが、極大日を過ぎても観測はできます。キャンペーンの行われている16日まで、1時間程度だけでも眺めて、数を記録するのもいいかと思います。

 しかし、12月。寒いです。東・北日本には冬将軍が…。去年もでしたが、今年も空一面雲に覆われています。観測の際は、防寒対策をしっかりして、風邪を引かないように注意してください。無理もしないでくださいね。

 観測をしたら、上記国立天文台のキャンペーンサイトに報告を。

・去年の記事:見れるかな?ふたご座流星群2009
 ↑ふたご座流星群の詳しい解説はこちらに。

・去年の結果:雪雲との我慢比べ ふたご座流星群2009レポ
 ↑去年は風が強かったから雲が飛ばされたが、今年はどんよりとした曇り方。うーん…。

 それよりも、風邪気味です…。諦めて寝るかも。
# by halca-kaukana057 | 2010-12-14 21:20 | 宇宙・天文

幸田文 季節の手帖

 再び、幸田文のエッセイ選集です。
・前回の記事:幸田文 旅の手帖


幸田文 季節の手帖
幸田 文:著/青木 玉:編/平凡社/2010

 前回は旅に関するエッセイ選集でしたが、今回は季節に関するものを集めています。季節によって移り変わる気候、自然。それに合わせて変化する人間の暮らし。季節と自然と人間の暮らしのかかわり。文さんはその変化を、敏感に感じ取って、繊細な、細やかな言葉で表現している。文さんは本当に季節の変化を、身の回りのこと…天候・自然から、町の様子、人々の暮らしまでをじっくりと見つめていたのだろう。そして、発見したこと、感じたことを流すことなく文章にしてきた。文さんが生きこれらのエッセイを書いた時代から40年ほど経っているが、季節の変化を大事にする気持ちを、私達は忘れてはならない、後世へ日本の文化として伝えなければならないと強く感じた。

 特にそう感じたのが、「秋ぐちに」という一遍にある、座布団の話。座布団は縦と横の寸法が微妙(1寸か1寸5分)に異なる。縦が少しだけ長い。縦長にしく座布団のことを知らない人がいて、残念だと書いている。私もこの一遍を読むまで知らず、思わず家の座布団で確認してしまった。その座布団の縦長の違いを
「これはいわば先祖の残した美しさである。日常生活の道具でしかない座布団にも、一寸という幽かなところで、美しさを出さないではおかなかった先祖たちなのである。滅茶苦茶にしてしまっては、愛が足りないことだ。忙しい生活がやさしさを奪うので、人間がわるくなったとか、美しさがわからなくなったとか、悪く解釈してはいけまい。ただ、時世がかわるとか、様式がうつるとかいう大きなことは、こうした座布団の寸法、縦横、といったごく小さい美しさから、崩れ失われていくのだろうか、と考えさせられるのである。」
(113~114ページ)

 と書いているのを読んで、申し訳ない気持ちになった。座布団のわずかな寸法の違いは季節には関係はないけれども、そのわずかな違い・変化に気づかず通り過ぎてしまう、または、当たり前のものだと思ってないがしろにしてしまうことは、季節の変化に関しても同じなのではないか、と思ってしまった。

 この選集にも、父である露伴との思い出が綴られている。露伴も季節の変化を敏感に感じ、楽しんでいた。また、これは小説かと思うような、夢か現かわからないような文章もある。春の竹を描いた「いのち」、「藤の花ぶさ」、「風の記憶」、「緑蔭小話」など。季節は、自然は時に、不思議なものを見せてくれる。人間の想像を超えるような。

 最後に、今の季節に合う一遍を。「雪 ―クリスマス」。文さんの母の発案で、週に一度近所の子どもたちのために牧師さんを招いて集まりをしていた。そのクリスマスで、か弱い身体つきの幼い姉弟がいた。2人は静かな歌を歌うことになったが、歌声もか弱く、小さくて通らない。他の子たちがやじを飛ばしたりしていたが、2人は声は小さかったが、生き生きとした表情で歌っている。騒いでいた子たちも大人しくなり、2人の澄んだ歌声が響いた。歌が終わった後は拍手喝采だった。
「大勢のなかにいて自分の声を失わないのは強い。」
(164ページ)

 この姉弟のような姿勢でいたいと思う一遍だった。
# by halca-kaukana057 | 2010-12-13 22:53 | 本・読書

ともだちは海のにおい

 web上で偶然見かけて、気になった本。本との出会いは、いつどんな形でやってくるかわからない。

ともだちは海のにおい
工藤直子/長新太:絵/理論社・きみとぼくの本/1984

 作者の工藤直子さんといえば、詩集「のはらうた」。虫や動物たちのことばを、ユーモアたっぷりに描いた詩の数々…大好きな作品です。大人になってから出会ったのですが、本当に面白い。その虫や動物をよく観ていないと描けない。かつて読み聞かせをしていた時、「のはらうた」からいくつか朗読したこともありました。その工藤直子さんが、童話も書いていたとは知らなかった。

 舞台は海。ある星のきれいな夜、いるかとくじらが出会います。いるかスピード泳ぎやジャンプが得意で、いつもトレーニングを欠かさない。一方くじらは読書好きで、物語から詩、宇宙や哲学、料理など何の本でも読む。また、自分で物語や詩を書くのも好き。性格も好きなものも異なるふたりだが、お互いに共通する何かを感じ、親しくなる。一緒にお茶やビールを飲んだり、遊んだり、探検に出かけたりと、ふたりで過ごす、普通の日常だけれども、かけがえのない時間。ふたりは友情を育みながら、成長していく。

 物語ではあるのですが、物語に関連する詩もあちらこちらに出てきて、文学の魅力をぎゅっと集めた作品のよう。初めに「海のはじまり」、終わりに「おわりのない海」という詩があるのですが、この始まり方と終わり方で、物語の世界に一気に引き込まれる。いるかとくじらのお話なのだけれども、この2つの詩が「海=人間の心・日常」というひとつの見方を教えてくれる。広く、深い海は人間の心そのもの。そう、いるかとくじらは、読者の心の中にいるのだと、語りかけてくる。

 いるかとくじらの日常は、あたたかい。大きさも性格も趣味・嗜好も異なるふたりだが、お互いの全てを認める…というよりは、そのまま受け入れている。ぼくはこれがすきだけど、きみのすきなものもいいね、と。お互いを信頼している。「ふたりはともだち」のがまくんとかえるくんのよう。この作品を読んでいると、大切な友達に会いたいな、と思う。

 私はいるかに近い部分もあるが、くじらに近いと思う。読書が好きなところ。宇宙に興味を持っている点も、まさにくじら。「宇宙を泳いだ」のお話は、まさに太陽系のスケールを実感できる。80年代に童話で、宇宙のスケールを表現した作品があったことが、とても嬉しくなった。くじらがビール好きで、「びーるは一日三本まで」には笑いましたw工藤直子さんらしいユーモアのセンスです。

 読んでいると、物語そのもの、物語と文章の雰囲気にゆっくりと浸り、包まれます。これ以上の感想を書くよりも、何度でも読みたい、とにかく読んでほしいと思う本です。もうすぐクリスマスなので、贈り物にもピッタリの本だと思います。大切な友達に、プレゼントしたい本です。
# by halca-kaukana057 | 2010-12-11 23:01 | 本・読書

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)
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