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 今日はこのニュースに限ります!!

JAXA:はやぶさカプセル内の微粒子の起源の判明について
JAXA:宇宙科学研究所・ISAS:はやぶさカプセル内の微粒子の起源の判明について

 小惑星探査機「はやぶさ(MUSES-C)」が地球に持ち帰ったカプセルの中に入っていた微粒子を、微粒子をかき集めるために開発したテフロン製のヘラで回収し、電子顕微鏡で観察する…という作業が続いていました。今までに回収できた微粒子は1500個。それを電子顕微鏡で観察し、含まれている鉱物を調べたところ地球の岩石と異なり、隕石の特徴とは一致している。また、「はやぶさ」が小惑星イトカワへタッチダウンする前にイトカワを様々な機器を使って観測したのですが、太陽光の波長を調べる機器(近赤外分光器「NIRS」)やX線を観測する機器(蛍光X線スペクトロメータ「XRS」)は、小惑星の鉱物の種類や、元素の組成を調べることが出来ます。その観測結果と照らし合わせてみると…一致。また、地球の岩石に多い火成岩…つまり、地球にはあるがイトカワにはない火山から流れ出た溶岩から出来た岩石が見つかっていない。これらが決め手となり、今日の発表となりました。当初は「SPring-8」などで分析をしてからでないとイトカワ由来かどうかわからないとJAXA側も言っていました。しかし、電子顕微鏡での観察でもイトカワ由来かどうかが明らかになった。私は1年ぐらいはかかるんじゃないかと気長に待っていたのですが、まだ「はやぶさ」帰還から半年も経っていないのに、喜ばしい発表に驚きました。こんなに早くに判明するなんて!!

 今日、勤務中の昼休みにこの朗報を知ったのですが、知った瞬間、涙が出そうになりました(職場なのでグッとこらえましたw)。小惑星へ向かい、タッチダウンしてサンプルを採取、そして帰還するという壮大なミッション。姿勢を制御するリアクションホイールの故障、1度目のタッチダウンでの不時着、化学スラスタの燃料漏れ、姿勢を崩して行方不明、見つかったもののバッテリーや姿勢制御の問題、そして耐久時間を越えての運用でイオンエンジンの故障…数々のトラブルは、過酷な宇宙空間を飛んでいたことと、「はやぶさ」がこれまでに例をみない挑戦的で、最新技術を駆使するための実験のための探査機だったから。それでも運用チームの諦めない運用に、私も何度も応援の声を挙げたり、感激したり。数々のトラブルを乗り越えて帰還し、カプセルを無事に回収できただけでも素晴らしいですが、イトカワのサンプルも回収できていた!感激、ただ感激、嬉しいの一言です。

 運用チーム、「はやぶさ」プロジェクトに関わった全ての皆様へ、心よりお祝い申し上げます。おめでとうございます!!

 その昼休み中、携帯のワンセグで、川口淳一郎PMをはじめとする運用・サンプル回収担当チームの記者会見を観たのですが、川口先生の嬉しそう、且つ感慨深い表情と、時々ゆっくりと話す姿を観て、ますます涙が…(がんばってこらえたw)。さらに、夕刊が職場に配達され、その一面トップを観てまた…(泣くのはまだ早いw)。帰宅するまで、こらえました。帰宅後、夕刊やテレビのニュースを観て…嬉しくて、嬉しくて、ほろりと来てしまいました。

 「はやぶさ」のミッションには、8段階のミッションのシナリオがあります。イオンエンジンを稼動させることから、サンプルを回収するまで。今日の発表で、その全てをクリアしました。500点満点!!もう充分すぎる成功です!
ISAS:小惑星探査機 はやぶさ:ミッションのシナリオ

 さて、今後は更に詳しい分析をするために、まずはヘラについたままの微粒子を石英のケースに入れる作業があります。また、カプセルの微粒子が入っている「サンプルキャッチャー」という容器は2つの部屋に分かれていて、現在は2度目のタッチダウンの際に使われたA室を調べていたのですが、今度は1回目のタッチダウン…つまり、イトカワの上で「はやぶさ」が大きく何度もバウンドしたと思われる時に使われたB室の微粒子回収も行います。このB室には、より多くの微粒子が入っているのではないかとみられています。今後も楽しみ!

 そして、今回のイトカワは岩石からなる「S型」の小惑星。後継機の「はやぶさ2」では、岩石に有機物と水が含まれている「C型」の小惑星を目指します。イトカワのサンプルを調べることで太陽系の起源や太陽系誕生の頃の様子を知ることができますが、「はやぶさ2」でサンプルが回収できれば、さらに詳しく調べられる。有機物も含まれるので、生命の起源にも迫れるかもしれない。太陽系謎解きをする探査はまだまだ始まったばかりです。まだまだ続きます。これからはもっと面白いよ!

・以下、関連サイト
日本経済新聞:太陽系の起源解明に大きな足がかり イトカワ微粒子
 小惑星について、とても詳しい記事。

マイコミジャーナル:「はやぶさ」カプセルから発見された微粒子1,500個がイトカワ由来と判明!
 いつも詳しい記事で有り難いマイコミジャーナルさん。今回も詳しく、わかりやすいです。

Imamuraの日記:「はやぶさ」おつかいできたよ記者会見
 宇宙作家クラブのひとり・今村勇輔さんのブログ。記者会見の詳細があります。これはありがたい。

ITmedia News:川口教授「本当に信じられない」 はやぶさの“おつかい”成功に「感激」
時事ドットコム:点数は付けたくない」=宇宙機構教授
 記者会見での川口先生の表情が素敵過ぎます。火星探査機「のぞみ」がトラブルで火星へ到達できないかもしれないとなった時、芸術的な軌道で「のぞみ」を何としてでも火星へ到着させようと尽力したが、願いはかなわず。「はやぶさ」PMになっても苦難は続くも、無事の帰還と今日のイトカワのサンプル回収成功に、この笑顔。8月の講演会でもそうでしたが、これまで頭脳明晰でクール、感情を表に出さないと言われてきた川口先生のこの穏やかな表情に、「はやぶさ」が成功したこと、新たな太陽系探査の可能性を切り拓いたことを実感します。

 とにかく今日は嬉しいので、祝杯をあげていますwはやぶさに乾杯!
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 飲んだのはニッカの「シードル スパークリングヌーヴォ2010」。今年秋に収穫された青森・弘前産りんごをつかったお酒です。「はやぶさ」といえば、井出酒造「虎之子」やリポビタンDを連想しますが、「虎之子」はないし、リポDを夜に飲んだら眠れなくなる。そこで、弘前産りんご→川口PMは弘前のご出身という繋がりで。iittalaのGaissaを使って飲んでます。更に、飲み足りずHTVのどごし生にも手を出した…(ちょうど家にあった)。のんだくれてますw

 来月は、金星探査機「あかつき」がいよいよ金星に到着、観測のスタートをきります。打ち上げもスタートですが、ここからが本番。成功をお祈り申し上げます。ソーラーセイル実証機「IKAROS(イカロス)」も順調に飛行中。フルサクセス祈願!
 「はやぶさ」で一気に加速した日本の宇宙開発・宇宙科学研究。今後、もっと発展しますように。

【過去関連記事】
「はやぶさ」カプセル:ただいま微粒子回収中
【8.23はやぶさ講演会】 「はやぶさ」川口先生講演会レポ
小惑星イトカワ丸ごと回収!? 「イトカワぱん」を食べてみた 【8.23はやぶさ講演会:番外編】
 せっかくだからお祝いに、また「イトカワぱん」発売されないかなぁ…。
by halca-kaukana057 | 2010-11-16 23:28 | 宇宙・天文
 帰還から、もうすぐ4ヶ月が経つ小惑星探査機「はやぶさ(MUSES-C)」。現在も、帰還したカプセルの中身を調べる作業が続いています。そんなサンプル回収状況でちょっとした動きが。

読売新聞:「はやぶさ」に微粒子、地球外物質の可能性
 10月6日のこの記事。公式発表を待たずにフライングの記事でした。この報道もあったので、JAXAでは毎週月曜の公式記者会見を、この6日木曜に繰り上げることに。

松浦晋也のL/D:はやぶさサンプル回収;10月6日午後5時半からの記者会見
記者会見詳細です。
ITmedia News:はやぶさから微粒子、新たに100個 地球外の可能性「チャンス広がった」
朝日新聞:はやぶさカプセルに微粒子 イトカワで採取の可能性も
毎日新聞:はやぶさ:「微粒子」多数見つかる 地球外の可能性

 まず、ここまでの経緯を。「はやぶさ」のカプセルの内部には、「サンプルコンテナ」という容器があり、その内部に「サンプルキャッチャー」という「イトカワ」のサンプルが入っているかもしれない容器が入っています。その「サンプルキャッチャー」はA室とB室に分かれていて、「イトカワ」への1回目のタッチダウン(離着陸)の時にはB室に、2回目のタッチダウンの時にはA室にサンプルが収められるようになっていました。「はやぶさ」が「イトカワ」にタッチダウンした時、イトカワの表面に向かってサンプラーホーン(「はやぶさ」の本体から出ている長い筒のようなあれ。)の内部で弾丸が発射され、イトカワに打ち込まれます。イトカワはとても小さな天体で、しかも内部はスカスカであるため重力はとても小さい。そのため、ちょっとした衝撃でものがふわりと飛んでいってしまいます。もし、人間がイトカワへ行って表面でジャンプをしたら、そのまま宇宙空間へ飛んでいってしまいイトカワには着地できない…そのくらい小さな重力です。話を戻して、弾丸の衝撃で浮いたイトカワ表面のサンプルはそのままサンプラーホーン内部を上昇、その上部でサンプルキャッチャーに収められる…という仕組みでした。しかし、実際はイトカワ表面で弾丸はうまく発射されず。それでも、1度目のタッチダウンの際ははやぶさがイトカワ表面で大きくバウンド。その衝撃で、イトカワの微粒子がサンプラーホーンの中に入って、そのままカプセルへ入ったのではないかとされています。実際、イトカワの重力を再現できる実験施設で、イトカワ表面を模した砂地上にサンプラーホーンに見立てた筒を落としたところ、サンプルが筒の中へ飛んで入った(NHK「追跡!AtoZ」でその動画が放送されてました)。この実験から、弾丸は発射されなかったけど、イトカワのサンプルが回収できた可能性がある…と現在調べているところです。

 しかし、微粒子が思った以上に小さく、さらに数も多かったのでなかなか回収できない。詳しい分析をするためには、サンプルキャッチャーから取り出して、石英の容器に入れて分析施設に送る必要があるのに、うまく取り出せない。そこで、新しくヘラを開発して(松浦さんのブログに画像があります)、なかなか回収できなかった微粒子を回収し、電子顕微鏡で観察したらかなりの数の微粒子が採取でき、その中にもしかしたら地球外の物質があるかもしれない…現在ここまで。

【追記】
 この記者会見のあとで、その微粒子の画像が公開されました。
JAXA:宇宙科学研究所(ISAS):「はやぶさ」カプセルから採取された微粒子の電子顕微鏡写真
 わずか6mmのヘラに、小さな小さな微粒子が、しっかりと見えています。本当に小さな微粒子だけど、「はやぶさ」が持ち帰ったカプセルの、大事な大事な中身。帰還できて、無事にカプセルを回収できて(しかもそのカプセルが一般に公開されている!)本当によかった、あらためて「ありがとう」と感謝の言葉を伝えたいです。
(追記ここまで)

 これから、石英の容器に入れた微粒子を、分析施設に送り詳しい分析をします。ここで登場するのが「SPring-8」。スプリング8で、含まれる元素の種類や原子の並び方などを分析。さらに、微粒子を薄くスライスして結晶構造も調べます。0.001mm以下のものを薄くスライスして、観察する…凄い。気が遠くなりそうです。電子顕微鏡やそのスライスする機械は、どんなものなのだろう。

 現在微粒子を回収したのはA室。1回目のタッチダウンで使われたB室も、もうそろそろ中身の回収作業に入るそうです。このB室の方が、イトカワのサンプルが入っているのではないかと考えられている。イトカワのサンプルかどうか判明するのはまだまだ先になりそうです。でも、今この作業が出来ているのは、無事「はやぶさ」が帰還して、カプセルを回収できたから。何年でも待ちます。ゆっくり、じっくりと作業できることを願ってやみません。
 いつか、「はやぶさ」が成し遂げたことが当たり前に理科の教科書に載ったらいいな。そして、その頃、本格的な太陽系大航海時代になっているように…。

◇参考:マイコミジャーナル:【レポート】「はやぶさ」 - カプセルのサンプル回収はどうなっている?
SPring-8については、通常ページを観ても難くてよくわからず…。しかし、こんなこともあろうかと!(使い方違うw)キッズ向け漫画があったのでそれを参考にしました(汗
SPring-8 Web site:四コママンガ エイトハカセ


 「はやぶさ」に関連して、現在政府では、「元気な日本復活特別枠」要望に関するパブリックコメントを実施し、国の事業に対する国民の皆様からのご意見を広く募集しています。 JAXAからは、「はやぶさ」後継機(「はやぶさ2」)、現在は大気圏で燃え尽きてしまうHTV(国際宇宙ステーション補給機)の回収機能付き「HTV-R」、災害状況を宇宙から詳しく観測できる陸域観測衛星「だいち(ALOS)」の後継機「ALOS-2」、初号機である「みちびき」を含む準天頂衛星の2・3機目についてなどについて、要望を出しています。日本の宇宙開発が盛り上がっている今、ここで終わらせるわけにはいきません。意見・要望を政府に届けるチャンスです。
JAXA:お知らせ:「元気な日本復活特別枠」要望に関するパブリックコメント~政策コンテスト~ 予算編成にあなたの声を!
 締め切りは今月19日(火)夕方5時まで。
by halca-kaukana057 | 2010-10-07 23:43 | 宇宙・天文
 昨日で、小惑星探査機「はやぶさ(MUSES-C)」が地球に帰還、カプセルを再突入させてから3ヶ月が経ちました。この3ヶ月、短いようで、長いようで…。すぐにカプセルが回収され、微粒子と気体が入っていることが判明(ただし、カプセルの一部(B室)を除く)。微粒子がイトカワのものが解析する前に、微粒子をどう回収するかに苦心しているようです(無事帰還し、カプセルを回収できたからこそのことだよなぁ…)。各地でカプセルが公開され、行列が出来る大盛況ぶり。地方巡業も始まります。各地で「はやぶさ」運用チームの講演会も開かれています。まだまだ冷めやらぬ「はやぶさ」熱。その「はやぶさ」が7年間、どんな旅をしてきたのか、何を目指してきたのか、運用チームは何を感じてきたのか…。その7年間をわかりやすくたどったのがこの本です。著者は「メタルカラーの時代」などでおなじみ・山根一眞さん。期待せざるを得ない。



小惑星探査機 はやぶさの大冒険
山根 一眞/マガジンハウス/2010



 「中学生でも理解できる本」を目指したそうで、本当にわかりやすいです。「はやぶさ」には、様々な技術が積み込まれています。「小惑星探査機」ではあるけれども、実際は「工学実験探査機」。今後の宇宙開発・宇宙探査・宇宙科学に必要となる新しい技術を実験し、機能するかどうか確かめる。ただ単に動くか、機能するかどうかだけではなく、どこまで動くか、耐えられるかも実証する。なかなか腑に落ちずにいたイオンエンジンの仕組みも、イオンエンジンを開発した國中均先生へのインタビューと共に、わかりやすく解説されています。

 イトカワがどんな小惑星なのか詳しく探査し、その研究成果はアメリカの科学誌「Science」で大々的に特集されるほど、理学的部分の探査も出来た。しかし、「はやぶさ」が、運用チームが最終的に目指したのは地球に帰還させて、カプセルを回収すること。月以外の天体に離着陸・サンプルを採取し、地球に帰還させようという計画を立ち上げ、実際に開発・打ち上げたのは、NASAもロシアもやったことがない。そんな野心的な計画に挑んだ7年間を、山根さんもずっと見守り続けてきました。川口淳一郎プロマネ他、運用・開発チームのメンバーへのインタビューも、とても丁寧に書かれています。「はやぶさ」チームと同じように、山根さんも温かく、敬意を持って「はやぶさ」を見守り、励まし、無事を祈り、喜怒哀楽を共にしてきた。文章からその想いが伝わってきて、私も同じように7年間を見守ってきたのだなぁと感慨深く感じながら読みました。

 文章中には、その時々の日本や世界…地球上での様々な出来事も記されています。それを読むと、7年という月日が何と長かったことか、実感します。その7年間で、「はやぶさ」は沢山の偉業・技術の実証を成し遂げました。イオンエンジンの長期間稼動、パワースウィング・バイ、小惑星への自律的航行と離着陸などなど…。さらに、姿勢を制御するリアクションホイールの故障、燃料漏れ、通信途絶・行方不明、化学スラスタ全滅、イオンエンジンの故障とクロス運転…など、トラブルに見舞われてもそれを創意工夫で乗り越えてきたのも、技術の実証でもあるし、まさかの事態の際の運用ノウハウの経験に繋がる。電源系統の故障で通信が困難になった火星探査機「のぞみ」での「1bit通信」も、「はやぶさ」に生かされた。挑戦して、例え何かがあったとしても、それを乗り越えていくことが経験に繋がる。宇宙開発での野心的な挑戦は、リスクも多いけれども、得るものも沢山ある。だから、挑戦を止めてはいけないなと感じます。

 「はやぶさ」はそのどんな困難があっても諦めないひたむきさ、運用チームの熱さ・粘り強さから、多くの人々の関心が集まった探査機でもあります。しかも、ちょうどYouTubeやニコニコ動画などの動画投稿・共有サイトや、ブログ、twitterなどの個人が気軽に情報を発信できるネットコンテンツが広まっていたため、応援動画やイラスト、まとめサイトなどで紹介され、「はやぶさ」を応援しようという声がどんどん広がっていったのも、ひとつの特徴だと感じています。山根さんご自身も、「あとがき」でこの本をきっかけに、ネット上にある「はやぶさ」の情報を興味に応じて探し出せることができるように、と書いています。7年間「はやぶさ」を見守ってきた人も、帰還前に「はやぶさ」のことを知った人も、この本が「はやぶさ」と日本の宇宙開発・宇宙探査・宇宙科学への羅針盤になるかと思います。「はやぶさ」の運用は終わりましたが、カプセル内の微粒子の解析、「はやぶさ2」のこと、「はやぶさ」の後を継ぐ金星探査機「あかつき」とソーラーセイル実証機「IKAROS」のこと…。「はやぶさ」が遺したものは、まだ消えていません。続いています(続けていくのは、私たちの使命だと思っています)。

 カラーページには、詳細な図説や画像が沢山。印象的なのはやはり、山口大志カメラマンが撮影した「はやぶさ」の大気圏再突入の画像。満点の星空をバックに、輝く閃光。それを見つめる人々のシルエットと、車。素晴らしい画像です。あと、カプセルが相模原キャンパスに到着した夜、展示室の「はやぶさ」実物大模型の横に置かれた「おかえりなさいHAYABUSA」のイラストを見る、笑顔の川口先生。ああ、帰還できて本当によかったと感じる画像です。


 「はやぶさ」本はこちらもよろしく!
探査機はやぶさ7年の全軌跡―世界初の快挙を成し遂げた研究者たちのドラマ (ニュートンムック Newton別冊)
ニュートンプレス

 科学雑誌「ニュートン」の別冊ムック「はやぶさ」特集。こちらも打ち上げから帰還、そして「はやぶさ2」まで、「ニュートン」ならではのカラー図説・画像満載で、ボリュームたっぷりの内容です。冒頭に、的川泰宣先生のインタビューも。さらに、「はやぶさ」&イトカワポスターも付いてくる!発売日には本屋に平積みになっていたのに、数日後にはどの本屋でも無くなっていました…。


 更に、こんな本も出ます。
小惑星探査機「はやぶさ」の奇跡
的川 泰宣/PHP研究所

 「はやぶさ」の7年間を、プロジェクトチームを、一番近くで見守ってきた的川先生も「はやぶさ」本を出します!これは期待せざるを得ません!!9月18日発売です。
by halca-kaukana057 | 2010-09-14 22:31 | 本・読書
 9月になりました。暑い日もありますが徐々に涼しくなってきて、猛暑の疲れが出てきたようです…。なので、数日遅れの記事です。

 5月21日に打ち上げられた金星探査機「あかつき(PLANET-C)」と、ソーラーセイル実証機「IKAROS(イカロス)」。8月30日で宇宙へ出発して100日になりました。「あかつき」も「イカロス」も順調に飛行中。「あかつき」は金星をひたすら目指し、「イカロス」は世界初のソーラーセイルとして、その技術を実証し続けています。

 その100日目、「イカロス」twitterでイカロス君による、ご挨拶がありました。

 その前の日、あかつきtwitterあかつき君から無茶振りされましたwいつもイカロス運用チームのメンバーに自己紹介を無茶振りしているイカロス君。まさかの逆無茶振りwそれがこれ↓
(今から一度やってみたかったことをやってみるよ! うまく出来るかなー。    Now I will "mucha-buri" to IKAROSkun.)
posted at 10:08:51
@ikaroskun 打ち上げ100日を記念して、イカロス君が普段は言えない感謝の気持ちをイカロスチームの皆さんに伝えるよ! IKAROSkun will express his hearty thanks to his team.
posted at 10:10:40


 さて、イカロス君のご挨拶はどうなったのかというと…

えーー こほん...
 posted at 00:38:15
本日で僕が地球を離れてから100日がたちました
 posted at 00:38:33
ここで皆さんに感謝の気持ちを述べたいと思います(ドキドキ
 posted at 00:44:01
って,慣れない口調は余計緊張しちゃうのでいつもどおりでー
 posted at 00:49:32
僕,5月21日の6時58分22秒にあかつきくんたちと一緒に地球を出発したんだけど,今日でちょうど100日目
 posted at 01:02:00
僕を作ってくれて,地球を出発してからずっとお話のために運用してくれたたくさんのみなさんに感謝の気持ちいっぱい! 
 posted at 01:05:50
相模原のクリーンルームにいるときからJAXAのみなさんやメーカーのみなさん,ホントたくさんの人達が僕の面倒をみてくれたので今こうして元気に飛んでいられるんだね!
 posted at 01:12:12

最初から僕の面倒みてくれたみなさんも,途中から面倒みてくれたみなさんも同じだけ感謝してるー
 posted at 01:19:51
あかつきくんは相模原のクリーンルームからずっと隣同士だったね! 一緒にお話したの種子島にいってからだったけど,フェアリングに入ってからすぐ近くにいたので打ち上げまで寂しくなかったよ
 posted at 01:25:46
今までの旅も楽しかったし,これからもきんせいちゃんまでヨロシクね
 posted at 01:29:03
はやぶさ兄さん....地球を出発する前から宇宙からいろいろ教えてくれたのでホント心強かったよ
 posted at 01:31:41
僕の帆を拡げた姿を見てもらえて嬉しかったぁ 7年間の長旅本当にお疲れさまでした... 僕の100日なんてまだまだだけど, はやぶさ兄さんの意思を受け継いで行けるとこまで頑張るね!僕は「太陽の子」だからね
 posted at 01:33:34
次の弟が宇宙に来たら,僕が学んだこと教えるね!
 posted at 01:34:16
僕の近くで寝ちゃってるDACM1ちゃん,DCAM2君 綺麗な写真撮ってくれてありがとう! 宇宙で帆を拡げた姿を世界で初めて地球に伝えることができたんだよ
 posted at 01:46:33
一緒に地球を出発した大学衛星君たちはどうしてるのかな? 元気かなー?
 posted at 01:47:41
僕の応援キャンペーンでメッセージや名前を送ってくれたみなさんありがとう! メッセージと名前はしっかりと持って飛んでるから安心してねー  休憩してるときにみんなのメッセージ読んで楽しんでるよ
 posted at 01:50:24
うすださん毎日ありがとう! こんな遠くからでも僕の声を聞き取ってくれるお陰で地球とお話できるね うっちーさんにもヨロシク伝えてね~
 posted at 01:53:47
ツイッター,ブログ,その他いろんなところで僕を応援してくれるみなさんもホントありがとー
 posted at 01:55:05
僕に関わってくれた全てのみなさん とっても感謝してるよ!! 本当に本当にありがとね これからも頑張って飛んでいくので応援ヨロシクね~ 
 posted at 01:57:18
Today is the 100th day from I left the Earth with Akatsuki-kun.
 posted at 02:26:18
Thank you all concerned with me!!  みんなありがとー!! って,これで伝わるかな?
 posted at 02:31:02



 こちらこそ、「ありがとう」と伝えたいです。「イカロス」には私の名前とメッセージも載せましたし、新技術を駆使して世界初のソーラーセイルとして宇宙を飛行している。それだけでもワクワクしますが、「イカロス君」という形でミッションの内側から、こんなメッセージが届くのが嬉しいです。そして、イカロス君の言うとおり、沢山の人が関わって、ひとつの宇宙ミッションが形になり、実際に宇宙へ飛んでいく。今も多くの人に支えられて、「イカロス」は宇宙を飛んでいる。勿論「あかつき」も。宇宙へ旅立っても、人に支えられて宇宙機たちは飛び、活躍しているのだなと実感します。

 そのイカロス君へ、「はやぶさ」twitterの名物担当さんである「IES兄」さん(IES=Ion Engine System:イオンエンジンのこと)から、こんなメッセージが。

.@ikaroskun 宇宙で向日葵のようにでっかく咲いてから僅か100日ですが、多くの世界初を達成しましたね。それまで少しずつ積み上げた技術をベースに、野心的なミッションを次々に成功させたことは大いに誇れることだと思います。それでこそ、はやぶさ君の「大切な弟」です。(IES兄)
 posted at 17:53:25
.@ikaroskun イカロスの成功のために、生活の全てをイカロスに注ぎ込み続けた開発・運用チームの皆さんを近くでずっと見てました。私も大いに刺激を受けました。毎日大変だとは思いますが、イカ坊が皆さんにくれるものを全部受け取れるように頑張って下さい。(IES兄)
 posted at 17:53:53
.@ikaroskun そしてイカロスの開発を陰で支え続けた学生の皆さん(主に川口研)、皆さんの頑張りがあったこと、イカ坊が宇宙で元気に大暴れ出来ているのです。あなた達の不眠不休の頑張りは全て世界初に繋がりました。こんなにやり甲斐のある勉強はないですね!(IES兄)
 posted at 17:54:11
.@ikaroskun はやぶさ君がキミにかけた最後の言葉「・・・人の役にたとう。みんなの心を元気にしよう!」。どうやればより多くの人に元気を届けられるのか、今も模索の日々です。暫くは君達と一緒に探し続けたいと思います。@Akatsuki_jaxa @QZSS (IES兄)
 posted at 17:54:35


 これまた感慨深いメッセージ。世界初の最先端にいる「はやぶさ」と「イカロス」。考えてみると、凄い会話だな。そして、最後のツイートの
「・・・人の役にたとう。みんなの心を元気にしよう!」

 この言葉に、色々と考えることがあります。「はやぶさ」も「イカロス」も、例えば気象衛星「ひまわり」や放送衛星「ゆり」、打ち上げが10日後に迫った準天頂衛星初号機「みちびき」などのように、私たちの生活には直接関わってこない、工学技術実証機。また、「はやぶさ」が観測した「イトカワ」のデータも、やはり直接には私たちの生活には関わってこない。それでも、「人の役に立とう。みんなの心を元気にしよう!」。確かに、「はやぶさ」の7年間、その粘り強い運用には、元気や心の強さをもらえました。そして、帰還後も、カプセルの展示には多くの人が足を運び、また、全国各地で関連講演会・イベントも開かれている。そこでの関係者のコメントにも、科学・技術面でも、心情の面でも、凄いなと思うことが沢山ある。

 宇宙開発が、人々を元気にする。今まで、こんなことはなかったのではないか。アポロ13号(生まれていなかったから、ドキュメンタリーなどでしかわからないけど)や、日本人宇宙飛行士の活躍などもあるけれども、「はやぶさ」はそれとはまた違うものがあると思う。何だろう…科学と社会の未来への刺激…と言ったらいいかなぁ。「ブーム」「騒ぎ」では、終わって欲しくない。年末に、「そう言えば今年は、はやぶさが凄かったね~」という言葉が飛び交って終わり…になったらかなしい。「はやぶさ」が遺したもの…科学・技術面でも、心情的な面でも、それが刺激となって、人々の心の中に残り続けていて欲しい(皆が皆でなくてもいいけど)。「あかつき」「イカロス」もそうだし、後継機もある。宇宙開発は続いていく、ゴールはない。何が見つかるかわからないけど、わからないから研究している。その研究のために新しい計画を立ち上げて、新しい宇宙機を作って、新しい何かをみつけようとしている。その過程で、「人の役に立とう。みんなの心を元気にしよう!」となるのなら、私も嬉しい。

 「あかつき」と「イカロス」が金星に到着するのは、12月の予定。「イカロス」はその後、更なる旅を続ける。その12月も、「はやぶさ」のカプセルの解析は続いているだろう(現在カプセル内の微粒子を採取するのに苦労しているそうで、新しい道具を作らないと難しいらしい。がんばれ~!)。そして、後継機の具体的なことも決まっているかもしれない(決まらないと、打ち上げまでの時間がない!)。これからも続いていく宇宙開発。私は、見守り続けたい。
by halca-kaukana057 | 2010-09-01 23:33 | 宇宙・天文
 小惑星探査機「はやぶさ」プロジェクトマネージャー・川口淳一郎先生の講演会ですが、会場には、「はやぶさ」に関連した色々な展示がありました。おまけで紹介します。画像多めなので、重くなります。ご了承ください。

 まず、「はやぶさ」の打ち上げ~帰還までの旅路を解説したパネル展示。
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 小惑星「イトカワ」と、「はやぶさ」が太陽系のどのあたりを、どんな軌道で飛んできたのかの図解。
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 こどもたちが描いた宇宙や「はやぶさ」の絵の展示。「はやぶさ」そのもの、宇宙飛行している絵、地球や天体・星の絵、などなど…。こどもたちの想像力、いいねぇ。中学生ぐらいになると、抽象的な宇宙の絵も。「はやぶさ」×宇宙×芸術、ですね。
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 「はやぶさ」プラモデルも展示されてました。…買って作ろうと思っていたのですが、結局買えずまま。プラモに全く縁がないので、敷居が高いように感じます。特に塗装。組み立てよりも、塗装が難しいのだとか。ただ塗ればいいものではないらしい。道具もそろえないといけないしなぁ…。食玩で出ないかなぁ…(他力本願orz
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 くるくる回っていた模型。とても精巧です。これがレジンキット?
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 以前の記事でイトカワねぶたの画像を出しましたが、「はやぶさ」ねぶたもありました。カプセルはスポンジ製。取り外し可能で、中も開けられるんです(開けて見せてもらいました)。他にも、太陽、火星、月のねぶたも。さすが青森(でも、立体的な「ねぶた」は青森市で、弘前市は扇状の「ねぷた」なんだよなぁ?)。
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 会場には、こんな可愛い子が愛嬌を振りまいてました。
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 桜で有名な弘前城は、来年で築城400年。その節目の年を記念して、マスコットキャラクタが誕生しました。名前は「たか丸くん」。弘前城の別名が「鷹岡城」なので、タカなのだそう。会場のあちらこちらに現れては、握手をしたり、記念撮影をしたり。人気者でした。私も一緒に記念撮影しちゃいましたw
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 「ハヤブサ」と「タカ」…鳥つながり?


 以上、「はやぶさ」講演会レポはこれにて完了です。今週は講演会関連記事しか書かなかった件。「はやぶさ」ウィークってことで。この後、22時からNHK総合「追跡!AtoZ」で「はやぶさ」特集があるので、それも観ます。やっぱり今週は私にとって「はやぶさ」ウィークだ。

【8.23はやぶさ講演会】 「はやぶさ」講演会行ってきた
【8.23はやぶさ講演会】 「はやぶさ」川口先生講演会レポ
小惑星イトカワ丸ごと回収!? 「イトカワぱん」を食べてみた 【8.23はやぶさ講演会:番外編】

by halca-kaukana057 | 2010-08-28 21:44 | 宇宙・天文
 本題です。小惑星探査機「はやぶさ」のプロジェクトマネージャーである、川口淳一郎先生の講演会レポです(運よく入場することができました。感謝)。川口先生のお話を生で聞くのは、2年前の「JAXAタウンミーティング」以来。あの時はまだ、「はやぶさ」が地球へ帰還できるかどうか、「はやぶさ2」もどうなるか、未定なこと、心配なことも多い時期でした。それでも、その時川口先生のお話を聞いて、ますます応援しようという気持ちになりました。そして、今年6月13日、「はやぶさ」は幾多のトラブルを乗り越え帰還。カプセルも無事回収され、現在分析のための微粒子の回収作業が続いています。帰還し、そのミッションを成し遂げることが出来た「はやぶさ」(カプセルにイトカワのサンプルが入っているかはまだまだわかりません。でも、それも楽しみのうち)。運用は終了して、川口先生がどんなことを語られるのか、とても楽しみにして行きました。

・2年前のJAXAタウンミーティングのレポ:宇宙教育とはやぶさ JAXAタウンミーティングに行ってきた

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講演会チラシ。例の「イトカワぱん」も一緒にw
(「イトカワぱん」レポはこちら:小惑星イトカワ丸ごと回収!? 「イトカワぱん」を食べてみた 【8.23はやぶさ講演会:番外編】)
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講演会チラシ裏。プログラムとプロフィールなど。

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 会場には、大勢の人が。若い学生さんから、お年寄りまで年齢層は幅広く。JAXAタウンミーティングの時は、高校生が中心であとは大人が4割程度だったのに。「はやぶさ」に、こんなに多くの人が関心を持っているのだなぁと思うと、嬉しくなりました。

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 壇上の幕。垂れ幕の横のお花が気になる…
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 これって、まさかイトカワ…?うん、イトカワに見えるw

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 壇上には、「はやぶさ」模型もありました。特注したそうです。ブレブレ写真で申し訳ないです…(私自身の撮影技術を磨かないとなぁ)。

 講演会の司会進行は、川口先生の母校である県立弘前高校放送部の生徒さん。県内屈指の放送部だそう。とても爽やかな声で、うまく司会していました。川口先生も、放送部に所属していたそうです。大先輩の講演会の司会を出来るなんて、嬉しいだろうなぁ。

 講演会に先立ち、川口先生への弘前市名誉市民賞授与式がありました。市長さんの挨拶などの後に、川口先生も受賞の挨拶。この挨拶の前に、中学生から花束を贈られた川口先生。そのまま挨拶へ。あれ?この花束持ってくれる人いないの?ときょろきょろされてましたw(私もw)
 挨拶では、本当は賞は辞退しようと思っていたこと、もっと静かに故郷に帰ってきたかったけれども、若い人や弘前の人にとって刺激になれば、と。更に、花束を持ったままのせいか、「引退会見のようになっているのですが…」と苦笑いしつつも、これからの科学技術・宇宙開発を担う若い人材を育てていきたいと話されていました。

 授賞式の後、講演へ。講演の詳しい内容は、後述します(とても長いので)。大まかな内容は、小惑星サンプルリターン計画立ち上げから、「はやぶさ(Muses-C)」プロジェクトスタートへの経緯。「はやぶさ」は何を目指したのか。「はやぶさ」はロボットであること。イオンエンジンの仕組み。小惑星を探査すると何がわかるのか。「はやぶさ」打ち上げから地球スウィングバイを経て「イトカワ」へのタッチダウン、タッチダウン後の通信途絶と復活、帰途でのイオンエンジン異常とどう回復させたか、そして帰還・カプセル回収。現在絶好調飛行中のソーラーセイル実証機「IKAROS(イカロス)」と「はやぶさ2」。これまで川口先生が携わった数々の宇宙探査計画や、プロマネとしての「はやぶさ」運用での、津軽出身としての”気質”。「はやぶさ」を経て、これから、日本の科学技術・宇宙開発をどうしていきたいか…。

 講演で感じたのは、「挑戦すること」の意義。「はやぶさ」計画の元となる小惑星探査計画が宇宙科学研究所(ISAS:まだJAXAとして統合される前の宇宙研)で立ち上がったはいいが、NASAと共同で研究を進めていたのに、NASAは小惑星にランデブーして探査する計画をさっさと独自で立ち上げてしまった(「ディープスペース1号」)。日本は深宇宙・惑星探査はビギナーだった時代。「NASAに計画を盗られた!」と感じて、NASAでもためらうような計画を立ち上げないと太刀打ちできない…とハッタリ半分でスタートしたのが「はやぶさ」でした。でも、当時はイオンエンジンもなく、「はやぶさ」のイオンエンジン(「μ10」)が開発されるまで18年かかった…。宇宙探査・宇宙開発は計画しても、すぐに実現できるとは限らない。技術的な問題、予算の問題、他のプロジェクトとの兼ね合い。探査機が出来ても、打ち上げるロケットもなくてはならない。だから、とても時間がかかる。それでも、新しいことに挑戦する。「挑戦しないと、新しいことは出来ない」という川口先生の言葉が印象的でした。実際打ち上げられた後も、度重なるトラブルを試行錯誤で乗り越えてきた。不安要素はあるけれども、全部が壊れたわけじゃないから、とにかくやってみる。「はやぶさ」だけでなく他の探査機・人工衛星の運用でもそうですが、宇宙開発は様々な分野の専門家が集まって、知恵を絞って、地道に地道に運用しているのだなと感じました。

 また、生まれ故郷である弘前…津軽地方の人の気質を象徴する言葉として、「じょっぱり」という言葉も。津軽弁で「非常に頑固な、強情な、簡単に考えを曲げようとしない」という意味合いの言葉です。基本的にはネガティヴな意味合いで使われますが、最近では「こだわる」と同じようにポジティヴな意味でも捉えられるようになってきました(例えば、版画家の棟方志功は典型的な「じょっぱり」かと)。その「じょっぱり」…何が何でもやり通す信念が津軽出身者として息づいているのかもしれない、と。まさに「はやぶさ」の運用は、何が何でも帰還させる、何が起こっても諦めないという運用チームの気持ちがダイレクトに伝わってきました。その根元に、もしかしたら川口先生の「じょっぱり」もあったのかな…?科学技術の最先端である宇宙機の運用にも、人間の感情や気質も関係する、のかもしれない(あくまで私の考えです)。不思議なものだなぁと感じました。
 このあたりに関しては、NHK青森放送局のサイトに、川口先生のメッセージが載せてあるのでそちらをどうぞ。
NHK青森放送局:青森から宇宙へ はやぶさ 地球帰還:青森のみなさま

 ちなみに、この日、NHK青森放送局で独占インタビューをしたのですが、そのインタビュー動画もあります。9月22日までの限定公開です。川口先生が語ってます。
NHK青森放送局:青森から宇宙へ はやぶさ 地球帰還:独占インタビュー

 「はやぶさ」などのことを一通り復習してから講演に臨んだのですが、難しいと感じる部分もありました。まだまだ勉強不足だと痛感。それでも、生で、川口先生ご本人の言葉で、「はやぶさ」の帰還とこれからの深宇宙探査についてのお話を聞けたのは、本当に嬉しかったです。2年前のJAXAタウンミーティングでの講演の結びの言葉がこの2つでした。
・JAXAは、「はやぶさ」の前途は、まだまだ厳しいですが、なんとか地球帰還にむけて努力して参ります。
・若人には、わきたつような意欲をもって、挑戦を求めてほしいと思います。それが未来を拓くはずです。

 「はやぶさ」が無事帰還して、この言葉を読み返すと、何とも感慨深いです。講演中の川口先生の表情も、いつもの落ち着いた冷静(だけど内容は熱い)な語り口調ではありますが、清々しさを感じました。何より、会場の聴衆の方々が、熱心に聞いている。メモをとる人も多い。「はやぶさ」がどれだけ注目されたかを実感しました。講演の最後のほうで、今後の科学技術・宇宙開発についても触れていましたが、「はやぶさ」で終わり、または「はやぶさ2」を実現したら終わり、なのではなくて、科学技術は長い目で続けていく必要性があるということが今回の講演で伝わればいいなと感じました。

 この講演会は夜開催されたのですが、昼間には小学生対象のイベントもあり、「HAYABUSA BACK TO THE EARTH」の上映(普通のホールなので、平面スクリーンでの上映)と、小学生たちから川口先生への質問コーナーなどがあったそうです。ニュースで様子を観ましたが、そっちにも参加したかったなぁ(大人一人だけどw)。こどもたちが川口先生のお話をどんな表情で聞いていたか、何を感じたのか、その場にいたかったです。

 講演が終わって、ホールを出ると、空には月が。あの月よりも遠くから「はやぶさ」は還って来たのだな、そしてこれからもあの月よりももっと向こうを目指すのだなぁ…と感じながら、月を見ながら歩いた夜でした。

【講演会詳細】続きを読む
by halca-kaukana057 | 2010-08-25 23:00 | 宇宙・天文
 前の記事の通り、小惑星探査機「はやぶさ(Muses-C)」プロジェクトマネージャである川口淳一郎先生の講演会に行ってきました。その会場となったホールのそばにパン屋さんがあったのですが、とんでもないものが売ってありました。その名も「イトカワぱん」。「はやぶさ」が向かい、タッチダウンをした小惑星「イトカワ」の形をしたパンだそう…。それは買う、食べるしかあるまい!!というわけで、講演会前に私もイトカワを回収しに行きました。

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「白銀舘」というパン屋さんです。
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 お店の入り口には、川口先生の弘前名誉市民受賞お祝いと、「はやぶさ」やイトカワの画像が。目立ちます。
お店に入ると、すぐ「イトカワぱん」がありました。嬉々として買う私。お店のご主人と少しお話をしたのですが、このイトカワの形を作るのがとても難しいのだそうです。発酵すると、形が変わってしまう。失敗も何度も。それでも試行錯誤を重ねて、この「イトカワぱん」が出来ました。
 「イトカワぱん」の中には、イチゴジャムが入っています。イトカワは”がれきの寄せ集め”とも呼ばれるような、内部はスカスカの構造の小惑星。それをご主人もご存知なのだそうですが、地球なら内部にマグマがあるので、それをイメージしてイチゴジャムを入れたのだそうです。あと、何かを入れないとパンがボソボソして食べにくいとのこと。イチゴジャムは味を引き立てているんですね。


 さて、昨日は買うだけで食べることが出来なかったので、今日食べてみた。
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まさにイトカワの形です。小麦粉をマーガリンでそぼろ状にした岩石を表面にちりばめて、まさにイトカワ。
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あの「Science」の表紙を飾った「イトカワ」の画像にそっくりですよね。(しまった、向き逆だったorz)

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 くびれのあたりに注目。岩石に見立てたそぼろ状小麦粉がない。位置から考えても、ここは「はやぶさ」がタッチダウンした「ミューゼスの海(Muses-Sea)」だ!!私の名前も刻まれたターゲットマーカーも、ここにあります!…実際、パン屋のご主人がここを「ミューゼスの海」と見立ててそぼろ状小麦粉をかけなかったかどうかは確認できませんでした。でも、そういうことにしておこう。再現率高い!


 さて、食べてみた。ふわふわ、ふかふかで美味しい!素朴、シンプルな味です。
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中のジャムはしっとりしていて美味しい。本来のイトカワのように、中はスカスカなパンも食べては見たいですが、味も大事ですものね。ちょうどお腹もすいていたので、ぺろりとたいらげました。

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 微粒子まで食べちゃいました。「イトカワ」のサンプルは、私のお腹の中にありますwご馳走様でした。

 ちなみに、ご主人曰く、この「イトカワぱん」を、弘前市の担当の方を通じて、川口先生に届けたそうです。食べた感想は聞けませんでしたが、川口先生も食べたのだなぁと思うと嬉しいです。さらに、川口先生ご本人か、JAXAの担当の方が、お土産として箱詰めで東京へ持ち帰りたいとのことで、お店に箱詰めしたものが用意してありました。もしかすると、「はやぶさ」チームの皆さんで、「イトカワぱん」を食べているのかもしれません…。喜んでくれてたらいいな。

 「イトカワぱん」は29日までの限定発売。弘前市近郊の方は是非一度ご賞味あれ!

陸奥新報:「イトカワぱん」 1週間限定で販売/弘前

ABAニュース:「イトカワパン」大人気

 次回記事で、講演会詳細レポ書きます。画像と、メモと格闘中です…(嬉しい悲鳴)そして文章とも。内容が濃くて、どんな文章にしたらいいか試行錯誤中です。
by halca-kaukana057 | 2010-08-24 23:07 | 宇宙・天文
 とりあえず報告を。小惑星探査機「はやぶさ」の帰還後、各地で「はやぶさ」に関する講演会やイベントが続いていますが、私もそのひとつに行ってきました。川口淳一郎プロジェクトマネージャーの講演会です。帰還後のタイミングで、川口先生のお話が聞けた!嬉しい限りです。

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 講演会のチラシと、講演のあったホールの近くのパン屋さんで売っていた「イトカワパン」。見ての通り、小惑星イトカワの形をしています。しかも、表面はイトカワのゴツゴツ感も出ています。パン屋さんのご主人のお話を聞いたのですが、このイトカワの形にするのが難しかったそう。発酵すると、形が変わってしまう。何度も作り直したそうです。午後には売り切れてました。今週1週間限定で、発売されるそうです。

 ちなみに、中にはいちごジャムが入っているとのこと。イトカワ丸ごと回収しましたが、まだ中をあけてはいません。開けるのが楽しみですw

 講演会の詳しい内容は明日以降に…。眠いので今日は報告まで。

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 イトカワねぶたもありました。
by halca-kaukana057 | 2010-08-23 23:55 | 宇宙・天文
 今日は七夕です。旧七夕や8月末が本来の七夕とする地域もありますが、私は全部やるよ!

 夕方は曇っていたのですが、夜になって快晴になりました。雲ひとつない7月7日の七夕。何年振りでしょうか。大体この時期は梅雨なので、曇っている・雨降りであることが多いです。でも、今年は晴れた。何かいいことがあるかもしれない。

 先日、こんな調査を見つけました。
東京ウォーカー:織姫と彦星の関係や職業…意外と知らない“七夕”エピソード
カルピス:七夕生まれでも、意外に知らない!?笹飾りの始まり、短冊の色数、行事食、織姫と彦星の関係-「七夕に関する意識と実態」調査より-

 7月7日が誕生日のカルピスが、七夕について調査をしました。七夕…別れ別れになってしまった織姫と彦星が1年に一度出会え、笹飾りに願い事を書いた短冊をかけてお願い事をする…という風習はあっても、その実態は意外と知られていなかったという調査でした。私自身も、笹飾りの始まりについて、見事に勘違いしていました。星空案内人講座で勉強したはずなのに…orz 笹飾りの起源は江戸時代。2年前の7月7日の記事に、「乞巧奠(きこうでん/きっこうでん)」のことを書きました。、6世紀の中国では機織の名人だった織姫にあやかって、機織や針仕事・書道の上達を願う「乞巧奠」という民俗行事が盛んになありました。奈良時代に日本に伝えられました。この乞巧奠ははじめは宮中行事でした。「日本書紀」にも、朝廷で宴が開かれたという記録が残っています。それが民衆に一般化したのが、笹飾りなのかもしれません。(諸説あるので断定はできませんが)。
 ちなみに、日本の七夕は「乞巧奠」に日本古来の豊作を祖霊に祈るお祭(現在のお盆)が融合したものだと考えられており、元々書かれていた願い事は技芸の上達と、豊作祈願でした。

 快晴の七夕の夜空に輝くベガとアルタイルを見て願うこと…個人的には、腕が一日も早く完治して、ピアノと天文関連の技芸(星空画像とか、望遠鏡操作とか、星空案内とか)が上達しますように。上達できるように、精進していけますように。

 また、「はやぶさ」や「あかつき」「イカロス」「みちびき」などで注目されていますが、日本の宇宙開発・宇宙科学研究ももっと進歩できますように。これも技芸の上達に入りますよね。そのためにも、多くの人がサイエンスとしての宇宙に興味を持って、外野の人が働きかけるアウトリーチ活動で、中からも外からも支え合って盛り上がっていきますように。今日、「はやぶさ」帰還をお祝いした「宇宙酒場」というイベントがあり、その生中継を観ていたのですが、野尻抱介先生のお話でこんなことを考えました。「宇宙酒場」には「はやぶさ」のコスプレイヤーである"秋の『』(かっこ)"さんが登場。手作りなのにとても精巧に「はやぶさ」を再現しているコスプレの模型で、「はやぶさ」の特徴や搭載されている技術をわかりやすく解説してくださいました。「はやぶさ」帰還の日に擬人化漫画を書いた"すこっち"さんのコメントも。この漫画と、「はやぶさ」が最後に送ってきた地球の画像を一緒に見ると胸がいっぱいに…。また、宇宙機擬人化といえば「萌衛星図鑑」の"しきしまふげん"さん。「萌衛星図鑑」を「はやぶさ」帰還前になって買ったのですが、擬人化された可愛いはやぶさちゃんだけでなく、実際の「はやぶさ」図解イラストの詳しさ・精巧さに驚きました。スタートは擬人化や漫画・イラスト・MAD動画等でも、それをきっかけにサイエンスに近づくことができる。そんなアウトリーチ・表現をできる方々を凄いと思います。この流れが、いい方向に流れていくように願うばかりです。

 そんな、私の今年の七夕の願い事でした。まずはこの腕を治して、健康で過ごせますように。皆様のご健勝もお祈り申し上げます。

現代萌衛星図鑑

しきしま ふげん / 三才ブックス


こちらがしきしまふげんさんの「現代萌衛星図鑑」。「ひまわり」や「さきがけ」&「すいせい」、七夕にぴったりな「おりひめ」&「ひこぼし」(「きく」7号)、「かぐや」もあります。可愛いだけじゃないんです!

すこっちさんのはやぶさ漫画
 ハンカチをご用意ください。

・2年前の七夕記事:七夕と乞巧奠とピアノ
by halca-kaukana057 | 2010-07-07 23:35 | 宇宙・天文

怒涛の1週間

 思い返せば、1週間前。「はやぶさ」の帰還。ちょうど今の時間は、大気圏再突入の時間でした。あっという間だった気がします。カプセルも無事相模原の宇宙科学研究所(ISAS)に着き、カプセルの解析が始まっています。私は慎重に、丹念に作業できることを祈るばかりです。カプセルの中に何か入っていても、それがイトカワ由来のものであるかどうかを解析するのも、かなりの時間がかかります。祈り、ゆっくりと待ちましょう。

 というわけで、怒涛の1週間でした。疲れました…。先ほどまでNHK教育「N響アワー」をゆっくりと聴いていました。今夜は放送された作品のひとつである、バーバー「弦楽のためのアダージョ」を聴いて寝ます。バーバーは今年生誕100周年。おめでとうございます。「弦楽の~」しか知らなかったのですが、ピアノソナタなど他にも魅力的な作品があるらしい。聴いてみます。

 今夜はお花の画像をお楽しみください。

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1週間前、6月13日に撮影した画像。ビオラなどの寄せ植え。青い勿忘草も。勿忘草…「私を忘れないで」。「はやぶさ」のことを、忘れないで(忘れるものですか!)。
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翌日、6月14日撮影。
 相模原のISASには、「はやぶさ」の実物大模型があります。帰還後、その模型の下に花束が添えてあったそうです。研究所は年中無休で見学可能。展示室には「はやぶさ」はじめ、日本の科学衛星・探査機の模型などが展示してあるのですが(まだ行ったことがないんだ、行きたい…)、見学に来た誰かが捧げていったのでしょう。私もお花を捧げたい…と14日に思っていたのですが、相模原は遠い。なので、14日に撮影したこの画像を捧げます。黄色は「はやぶさ」の本体。淡い紫の混じった青は、太陽電池パネルと地球ということで…。

◇実際に捧げられたお花の画像はこちら:TweetPhoto:morita_photo: 相模原の実物大はやぶさ模型の下に献花が!なんかやさしい気持ちになったかも。

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昨日撮影。庭に咲いている、ピンクのバラ。この鮮やかなピンク!一目惚れです。
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名前は知らないけど、庭に咲いていた花。空と一緒に撮ってみた。
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こちらも空と一緒に撮ってみた。青空の紫の花の色が気に入ってます。

 樹木や草花であれ、星空であれ、自然に触れるのはいいですね。
by halca-kaukana057 | 2010-06-20 23:04 | 日常/考えたこと

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)
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