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音楽のたのしみ 4 オペラ

 全4巻のシリーズ「音楽のたのしみ」。3巻まで読んで、4巻は読まずにいた。10年間も。10年越しで読みます。
【これまでのシリーズ】
音楽のたのしみ 1 音楽とはなんだろう
音楽のたのしみ 2 音楽のあゆみ ― ベートーヴェンまで
音楽のたのしみ3 音楽のあゆみ ― ベートーヴェン以降


音楽のたのしみ 4 オペラ
ロラン=マニュエル/吉田秀和:訳/白水社・白水Uブックス/2008

 作曲家・音楽評論家のロラン・マニュエル氏と、若手ピアニストのナディア・タグリーヌ嬢が音楽について語り合う同名のラジオ番組が元になったこのシリーズ。最終巻の第4巻はオペラがテーマ。オペラの始まりから発展、多様化を経て現代に至るまで、そしてこれからを語ります。

 オペラは私にとってまだまだ未開拓の世界。数年前に声楽を習い始め、古いオペラアリアなどを集めた「イタリア歌曲集」を歌ってきたが、課題となった歌を声楽的に美しく歌うことで精一杯な状態で、そのアリアがどんなオペラのどんな場面で歌われるアリアなのか、調べきれていないものも多い。「イタリア歌曲集」に収められているアリアは、アリアは残っていてもオペラそのものは失われてしまったか、残っていても滅多に演奏されないものも少なくないからだ。でも、歌詞の意味だけは必ず頭に入れて、感情も込めるようにしている。

 声楽レッスンで歌っている範囲以外のオペラについて少しずつ聴いて勉強していたが、今は止まってしまっている。なので、この本を読んでも、さっぱりわからないことが多い。作曲家の名前や、具体的なオペラのタイトルは知っていても、どんな曲だっけ?どんな物語だっけ?と思ってしまう。勉強不足を実感。

 それでも、ロラン=マニュエル氏とナディア嬢のやりとりは面白い。ナディア嬢はこれまで通り、わからないことがあれば遠慮なくロラン=マニュエル氏に質問する。ナディア嬢なりの考えを話してみる。ロラン=マニュエル氏から教えられることもあるし、その考えが合っていてロラン=マニュエル氏を驚かせることもある。知らないこと、わからないことは恥ずかしいことではない。これから勉強していけばいいんだ。ただ鵜呑みにするのではなく、自分なりに考えること、疑問を持つことも大事。10年経ってしまったがまた原点に戻ることができたようで嬉しい。

 フランスのラジオ番組が元になっていて、2人ともフランス人。なので、イタリアから生まれたオペラが、フランスでバレエが加えられ、歌以外の台詞を含むオペラ・コミークとなっていく。イタリアとフランスのオペラ論争、オペラに対する考え方の違いは読んでいて面白かった。この本の半分ぐらいは、古楽のオペラを扱っている。モンテヴェルディやアレッサンドロ・スカルラッティ、リュリ、ラモー、パーセルなど。この辺りは作曲家もタイトルも名前は知っているけど聴いたことがないオペラが多い。ぜひ聴いてみようと思う。

 モーツァルトが登場し、ドイツ語のオペラが誕生するが、モーツァルトのオペライタリア・オペラの流れがあるというのは面白かった。また、モーツァルトのオペラ論も。
「オペラでは、詩は音楽の従順な僕であるべきだ」
「最も恐ろしい状況でも、音楽は耳を満足させなければなりません。ひと言でいえば、音楽はいつも音楽でいなければなりません」
(第14話、164、165ページ)
 私が以前(正直に言うと今も)オペラをとっつきがたいものと感じるのは、音楽だけじゃない、という理由がある。物語があり、台詞があり、アリアや重唱、合唱があり、演出・演技があり、舞台装置があり…芝居である。同じオペラでも演出が違えば、見方が全然変わってしまう。そこが難しいと感じる。オペラをテレビや生で観ると、歌や歌声に圧倒されると同時に、物語を追う。台詞や歌詞の内容を追う。オペラを観た後の感想は、歌や歌声、音楽よりも、物語について思うことが多いかもしれない。なので、音声だけ、CDでオペラを聴くとよくわからないことが多い。対訳をずっと自分で読み続けていないと歌詞の意味がわからないからだ。オペラにとって大事なのは、音楽なのか、物語なのか。第29話「あたらしいオペラへの展望」、第30話「音楽的表現の価値に関する省察」で詳しく語られる。第29話のゲスト、アンリ・バロ氏はこう語っている。
「ところが、わたしの望んでいる密度の高い活気は、たとえ言葉がわからなくても理解できるくらい、簡単な動きを前提としているんです」(349ページ)
さらに、第30話では2人はこう語っている。
N(ナディア):でも、いいですか、わたしが自分の好きなオペラをきく場合、音楽は言葉や状況に結びついています。音楽は劇の感動にその反響をつけ加え、それを敷衍拡大します。
R-M(ロラン=マニュエル):どうしてあなたは、いってみれば、旋律にのせられた色褪せた言葉のおかげで、無意識のうちに、もともと音楽のものじゃなくて言葉から借用したにすぎない表現を音楽に付属するものと考えさせてしまうんだってことに、気がつかないのかな。
N:ああ、うまいことを考えましたわ。イタリア・オペラのグランド・アリアを原型どおりにきかせていただきましょう。わたしはイタリア人じゃなくて、言葉の意味はわからない。それでも、いまきいたアリアが喚起する状況とか、それが表現する人物の性格や感情を、思いちがいしないのじゃないかと思うのですけど。
(中略)
R-M:お望みなら、音楽の表現の可能性は、テンポの性格を示すのに使われるイタリア語の形容詞の術語集の中に、正確に包括されていると申し上げましょう。この種の術語を翻訳すれば、とりちがえることなく、ある音楽が快速だとか、活発だとか、軽妙なおしゃべりだとか、よく流れるとか、楽々としているとか、荘厳だとか、厳粛だとか、いえます。
N:そうすると、音楽が感情自体を表出しているような幻覚を与えるのは、何かの感情にぴったりするリズム、歩きぶり、性格などを組合わせているからだ、というわけですか?
(356~358ページ)
 よく考えると私も同じことをしている。声楽のいつものレッスンでは先生と1対1だが、発表会となると様々な人が聴きに来る。私が歌う歌を聴いたことがない人もいる。そんな人にも、どんな内容の歌なのか伝わるように歌いたい。発表会は勿論だが、聴く人が先生しかいないいつものレッスンでも、歌う時に欠かせないものがある。強弱や速さ、軽さや重さ、明るさや暗さ、クレッシェンド、デクレシェンド、だんだん速くなるのか遅くなるのか、なめらかなのか、一音ずつ切るのか、音を保つのかなどを示す演奏記号だ。発想記号も。発音や発声による、声楽的な美しさに合わせて、これらのことを元に歌っていく。歌ではないが、ピアノを弾いていた時も同じだ。歌詞がつこうとつかなくとも、やっぱり第一に「音楽」なのだ。

 この本を読むと、「音楽」の広さと深さを実感する。途方もない広大な、どこまでも深く、どこまでも空高い世界なのだと。自分には大き過ぎてつかめないと感じる。でも、何十年かかっても、少しずつ聴いて、「音楽のたのしみ」を味わえる瞬間を大事にしたいと思う。途中ブランクが空いて時間はかかったが、やっぱり読みきってよかった。オペラも、この本に登場したものを聴いていこう。
by halca-kaukana057 | 2019-02-02 23:05 | 本・読書
 昨日書いた仙台行きの本来の目的・メインイベントについて。

 2013年に初演された宮川彬良さん作曲のオペラ「あしたの瞳」。初演後、ラジオミュージカル版がラジオ放送され、それを聴いてドハマり。いつか生のオペラを観たいなぁと思っていました。あれから5年。現在は、アンサンブル・ベガによる室内楽版の、オペラのダイジェストが上演されています。今年は仙台に。このチャンスを逃がすまいと応募、当選しました(チケットを買うのではなく、当選しないと行けない。当選すればご招待してくれるメニコンさん太っ腹!)当選してよかった…!行ってきました。


メニコンスーパーコンサート2018 宮川彬良&アンサンブル・ベガ 特別演奏会 in仙台
◇2015年のオペラ再演のページ:メニコンスーパーコンサート:歌劇「あしたの瞳」

◇ラジオミュージカル版。まだ聴けます!ラジオミュージカル 「あしたの瞳」
 前編・後編に分かれています。それぞれの箇所をクリックすると、再生できます。

【過去関連記事】
「見える」とは何だ? ラジオミュージカル「あしたの瞳」前編
ラジオ・ミュージカル「あしたの瞳」前編 覚え書き
ラジオ・ミュージカル「あしたの瞳」 後編 覚え書き
今の積み重ねの先に「見える」もの ラジオ・ミュージカル「あしたの瞳」全体感想
 ドハマりした結果が、こんな量の考察記事を…。歌われるアリアのタイトルもあるので、参考にどうぞ。
 このラジオミュージカル放送の直後、アンベガ岩手公演に行きました。
宮川彬良&アンサンブル・ベガ @岩手矢巾 覚え書き・前編(第1部)
宮川彬良&アンサンブル・ベガ @岩手矢巾 覚え書き・後編(第2部)
”主張”と”和”の生きている”音楽” 宮川彬良&アンサンブル・ベガ@岩手矢巾 全体感想

 コンサート会場にて。
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 公演パンフレット。
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ポスター。オペラの部分拡大。

【アンサンブル・ベガ メンバー】
・第1ヴァイオリン:辻井 淳
・第2ヴァイオリン:戸原 直(客演:通常メンバーの日比浩一さんはお休みです。岩手でも聴けなかった日比さん…)
・ヴィオラ:馬渕 昌子
・チェロ:近藤 浩志
・コントラバス:新 眞二(アンベガのリーダーであり、発起人がこの新さん)
・クラリネット:鈴木 豊人
・ファゴット:星野 則雄
・ホルン:池田 重一
・音楽監督・作編曲・ピアノ・指揮・ナレーション:宮川 彬良
・オペラパートのピアノ:宮川 知子(彬良さんのご長女さんです)

・オペラ構成・脚本:響 敏也(通常のアンサンブル・ベガの構成もこの方)

【「あしたの瞳」キャスト】
・田宮常一:安冨 泰一郎(テノール)
・眼球の記憶/アンソニー・サリバン:塚本 伸彦(バリトン)
・花井君代:長谷川 忍(メゾソプラノ)
・シンディー・フェルダー:安藤 るり(ソプラノ)
・坂本義三:滝沢 博(バリトン)
・コロス:趙 知奈(ソプラノ)、市村 由香(メゾソプラノ)、大久保 亮(テノール)、重左 竜二(バリトン)
(ラジオ版や初演とキャストが同じなのは、常一役の安冨さんと、眼球の記憶/サリバン先生役の塚本さんのみ)。


 舞台がまだ暗い中、舞台に出てくるアンベガメンバー。辻井さんがピアノでチューニング。これ、岩手でもそうだった…思い出します。彬良さんが入ってきて、1曲目。

・F.デーレ/宮川彬良:すみれの花咲く部屋
 アンベガのテーマ曲。アンベガといったらこの曲でしょう!!メインはオペラだけど、アンベガの演奏会でもある今回。始まりはこの曲でした。嬉しかった。また聴けたというのも。鈴木さんの朗らかなクラリネット。辻井さんの切れそうで切れない繊細なヴァイオリン。低音の歌はチェロの近藤さん。新さんのコントラバスが支え、星野さんのファゴット、池田さんのホルンが管楽器の味を加える。内声を支える馬淵さんのヴィオラ、戸原さんのヴァイオリン。アンベガだなぁ、とじんわりと感じました。

 演奏の後は、オペラの前に彬良さんのミニトーク。「10分話せと言われまして…」アキラ節も健在。
 オペラ「あしたの瞳」の「Why」と「How」.「あしたの瞳」はこれで5回目の公演。聴いたことがない人がほとんど(ラジオ版聴いてた人はどの位いたんだろう?)。しかもダイジェストなので、所々飛ばします。オペラができた経緯と、ざっくりとしたあらすじを。オペラを作って欲しいと頼んだのは、メニコンの田中英成社長(ここでは名前は書きますが、実際のトークでは触れてなかった)。父のことをオペラにしてほしい、と。そのお父様が、常一のモデルになった、田中恭一会長。日本で初めて、角膜コンタクトレンズ(現在のハードレンズ。当時のコンタクトは眼球全体を覆う強角膜コンタクトレンズが主流だった)を開発、しかも独学で。とはいえ、彬良さんはオペラを書いた経験がない。オペラも、ドロドロとした人間関係、最後に誰かが死ぬようなもの…と思っていた。でも、この題材はコンタクトレンズ開発。産業が主題のオペラ。ならば書いてみよう…様々な苦節があり、2013年に書き上げ、初演。ここまでが「Why」。
 ラジオ版を聴いて、コンタクトレンズ開発史の本を読んで色々と学びました。ここで語られる物語もすごいですが、史実もすごい。

 「How」は、どうやってオペラを作るのか。今回、カットした一場面のセリフを書いたホワイトボードを持ってきて、セリフを読みながら解説します。場面は、「過去を見続けるために」の前、合成樹脂の板を入手して常一のもとに向かっていた君代と、常一が出会うシーン。ラジオ版ではミュージカルなのでセリフは普通に語られますが、こちらはオペラなので歌に乗せます。「ふるさと」に乗せてみる…違う。常一と君代のセリフのテンションの違いに注目し、曲調を変える。さらに、セリフから、登場人物がどんな動きをしているかイメージする。そのイメージに合う音楽を考える。彬良さんのオペラの作曲スタイルは、脚本→芝居、であること。そして、オペラなので音楽も付いてくる。舞台音楽家として活躍している彬良さんらしいやり方です。セリフに音楽を乗せる、歌のような、語りのような…この微妙な「オペラ」というものがどうやってできるのか、わかりやすかったです。

 そして、いよいよオペラ本編。序曲になっていたのが、「なぜ何故なぜ」。アンベガ版の「あしたの瞳」の音楽はどうなるんだろうと思っていましたが、すっと入って来る。元々のオーケストラでの編曲・演奏と違うけれども、「違う」という感じではない。「こっちもいい」。
 カットしたシーンに関しては、指揮をしている彬良さんがナレーションで語ります。さすがにラジオ版と同じく、眼球の記憶役の塚本さんがやるのは無理か…。

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 舞台の上に白い長い看板のようなものがありますが、ここに歌詞の字幕が出ます。最初、何だろうと気になっていた。これで、ラジオ版でわからなかった歌詞もわかる。ありがたい!と思っていたのですが…。
 オペラの音楽・歌は、ラジオ版とは違うものがほとんど。ラジオ版のはフルじゃない、ショートVer.です。ラジオと同じだったのは、「わしはお前だ」ぐらい…。「もうひとつの瞳」もラジオと同じではあるけれども、その前フリが長い。そして上述のとおり、ラジオ版はセリフは普通に語りますが、オペラは全部歌。「あしたの瞳」の物語そのものに変わりはありませんが、ラジオ版とオペラは全くの別物!オペラはオペラとして楽しめました。セリフが歌になっても違和感無い。ラジオ版のセリフの語りも好きだ(特に、19歳常一の爽やかな好青年っぷり。眼球の記憶の深いバリトンも。)

 上で貼った長々とした考察記事…。ラジオ版の時は、物語やセリフに注目して聴いていました。それを読解する。ラジオ版とオペラの歌詞の違いもチェックはする。しかし、オペラは歌手の皆さんの歌に魅了され、圧倒されっぱなしでした。歌の迫力がすごい。私も声楽を趣味でやっていますが、その時に思っていたのが、どうやったら、マイクなしに自分の声だけで、広いホールに響かせられるんだろう?ということ。その初心を思い出しました。レッスンで声楽での発声、声の響かせ方を学んで、歌っていますが、何をどうしたらこんな響く声が出てくるんだろう、と。しかも、ずっと歌ってばっかり。演技もするし、激しく動くこともあるし、踊ることもある。それでも発声は崩れない。すごいなぁ、プロはすごいなぁと思っていました。

 終戦の頃を思い出していた現代の常一と坂本。坂本が去った後、登場するのが、常一の視覚の記憶が実体化した「眼球の記憶」という謎の存在。眼球の記憶のインパクトがすごかった。舞台のあっちこっちから登場してくる。登場の際のアリア「わしはお前だ」コミカルで楽しい。コロスは眼球の記憶の子分みたいな存在だった。最初は無視しようとする常一が、最後にはノリノリだったのは笑えたwこのオペラはコミカルなシーンが多いです。オペラそのものが初めて、という人も親しみやすいと思います。

 眼球の記憶が常一の見たものの記憶そのものだというのを証明するために、終戦直後の常一の記憶を見せる眼球の記憶。「何を見たか」(「焼け跡タンゴ」に続くシーン)で、コロスのソプラノ・趙さんのソロがすごかった。「何を見たか」の箇所は、オペラだとどう表現するんだろう…と思っていましたが、なるほど、という演出でした。ひと段落した後で、ここで、常一のあの一言…「目玉幽霊」出てきましたw待ってましたw

 眼球の記憶が常一の見たものの記憶そのものだと判明し、常一が成し遂げたことをたどる過去の旅へ。軍需工場での坂本さんとのシーンは割愛。一気に、常一の運命が動き出す瞬間へ。メガネ店で働く19歳の常一。シンディー登場。インパクト強いです…。シンディーの変な日本語英語(英語日本語?)も、字幕があると楽しめます。前半の山場、常一のアリア「もうひとつの瞳」、熱演でした。アンベガの演奏も常一の心情に寄り添い、熱い。ラジオ版でも一番好きなアリアなのですが、生はもっと迫るものがあった。これがライヴだ。この「もうひとつの瞳」の前、コンタクトレンズを見たかったけど見られなかった常一の葛藤「俺は、見たいのだ」ラジオ版だと結構短かったが、オペラは長かった。ただ、ラジオ版での「見られないなら、つくればいい」。このセリフが大好きなのですが、カット?元々からなかった?ありませんでした…ここは残念だった…。

宮川彬良/歌劇「あしたの瞳」より”もうひとつの瞳”(室内楽版)
 2016年の神戸公演での、「もうひとつの瞳」。生は歌も演奏ももっと熱かったよ!

 ここから、君代が登場。元々はソプラノなのですが、アンベガ版ではメゾソプラノに。どうなるんだろう?と思っていましたが、長谷川さん、ソプラノ音域もきれいでした。本当にメゾなんですかと思ってしまった。ソプラノ寄りのメゾなのか、プロならソプラノ音域も出せるのがメゾなのか…。本当、プロはすごいよ…。「過去を見続けるために」で戦争で使われたものでコンタクトレンズを作ることへの葛藤から、それでいいんだと答えを出す。この箇所は特に好きな箇所です。その後序曲にもなっていた「なぜ何故なぜ」。常一と君代の恋の二重唱です。ラジオ版とオペラでは、眼球の記憶の反応が違います。演出を変えたのか、元からこうなのか。オペラの反応も好きだ。

 そして完成したコンタクトレンズ。そこへシンディーが連れてきたのが、アメリカから来た医師のサリバン。塚本さんの2役、見事です。そのサリバンに対抗する常一。サリバンは銃を構え、常一は刀を構えるような演出がよかった。話にならないと去ろうとするサリバンを、「待て!」と引き留める常一の仕草が歌舞伎風だったのも。常一のコンタクトレンズの実力を試す「自転車ソング」。後半の山場です。ラジオ版よりも速い!自転車を全力でこぎながら歌う常一役の安冨さん、息切れも全くなく、力強く歌う。プロの実力を見せ付けられました…。ポスターにもなっているシーンですが、とてもいいシーンです。

 ラジオ版では、眼球の記憶の語りのバックでコロスのコーラスがあったのですが、「闇と光」、ようやく歌詞がわかりました!!いいコーラスです。でも、ラジオ版では途中までなので、全部覚えきれなかった。でも、全体的にそうなのですが、歌詞の詳細よりも、歌、音楽そのものを楽しんでいました。あの歌声を目の前にして、圧倒されて、惹き込まれて…思う存分楽しんだという気持ちです。
 最後は華々しくフィナーレ。この希望に満ちたフィナーレも好きです。

 カーテンコール。大拍手でした。脚本の響さんも登場。そして、彬良さんから、客席にモデルの田中恭一会長と奥様がいらしている、と。ご本人!ここでも大拍手でした。

 歌に完全に惹き込まれて、アンベガ版の演奏を注意して聴けなかったのが残念というか何というか…。違和感がなかった、自然にすっと入ってきたから、それでいいのかもしれない。今度、もしアンベガの演奏会に行く機会があれば、今度こそ日比さんも一緒のフルメンバーで聴きたいです。
 ラジオ版にはなかった歌もあり、これがオペラかと思いましたが、ラジオ版からカットされたアリアも何曲か…。ダイジェストだから仕方ないんだよなぁ…。こうなったら、オペラをフルで観たいよなぁ…。見たい、観たいです。
 あの考察ができたのは、ラジオ版だからだったかもしれない。ラジオ版は何度でも聴けますし。オペラだと、本当に生の歌、音楽に心から魅了されました。その時、その瞬間だけの音楽。音楽は時間と共にある。時間が流れれば、音楽も流れる。生の音楽は引き留めておけない。引き留めたかったけど、ライヴの勢いにいい意味でのまれました。ラジオ版でこのシーンはこんな感じかなとイメージしていたのですが、いい意味で覆されました。イメージ以上です。(ラジオ版はラジオ版、オペラはオペラで別バージョンのように捉えてはいます。)

 私が見たかったものはこれだったんだ、と思ったコンサートでした。改めて、このオペラが好きだ、出会えてよかったと思っています。ホールを出た後も、オペラの歌が頭の中をぐるぐる。普通の言葉も、オペラのように音楽に乗せて歌いたいと思ってしまったくらい。
 今後の私の声楽へのモチベーションにもなりました。年に1度の発表会でも、普段のレッスンや練習でも、目指したい声・発声・歌を聴けました。地道に、コンコーネ50番練習曲他、がんばります。
 最後に、ありがとうございます!

 おまけ。パンフレット一式の中に入ってたお土産。
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 目にいいというコーヒー。まだ飲んでいません。PC作業の休憩にいいかも。よく見たら、このコーヒーはメニコンの子会社が作っているということ。こういうものもあるんだ。

 思い出したら、また追記します。

おふぃすベガ:メニコンスーパーコンサート2018 宮川彬良&アンサンブル・ベガ特別演奏会 宮川彬良/歌劇「あしたの瞳」~もうひとつの未来 SPECIALダイジェスト
 アンサンブル・ベガ事務局のおふぃすベガさんによる、公演レポート。公演の写真、ツイッターのまとめ(モーメント)もあります(モーメントはツイッターアカウントがなくても見られます。)

【追記】
 先述、リンクを貼ったラジオ版を改めて聴いて、過去の考察記事を読み直してみて気づいたことがあります。ラジオ版は、常一のコンタクトレンズ開発の物語に、「見るとは何か、見えるとはどういうことか」という問いをテーマにしている。「見る」のは、視覚だけに限ったことなのか。「見ている」ようで、「見ていない」「見えていない」こともあるんじゃないか。「見えない」ものを「見る」にはどうしたらいいんだろうか。そんな哲学的なテーマが物語のあちらこちらに散りばめられ、「光と闇」「フィナーレ」で、開かれた答えを出します。
 が、オペラダイジェスト版では、あちらこちらカットしてしまったため、コンタクトレンズ開発の物語がメイン。「焼け跡タンゴ」に続く「何を見たか」、「過去を見続けるために」、「光と闇」あたりで、「見るとは何か」というテーマも出てきますが、そこまで追求していない。「フィナーレ」も、コンタクトレンズを見事開発して、サリバン先生にも認められて、大円団…という感じになってしまった。この物語は観ている側にも通じるもの、というメッセージが薄れてしまったように感じます。3時間のオペラをあっちこっち削って75分、仕方ないか…。ラジオ版は、眼球の記憶の語りが重要なポイントになってくるのですが、それもかなりカットされていましたから。なぜ、どうやって、このタイミングで眼球の記憶が常一の元にやってきて、過去へ遡る旅をすることになったのか。その理由がカットされたのは残念。
 でも、歌はオペラの方がフルなのだから、ある程度は伝えられるのではないかと思います。というか、歌の歌詞がオペラとラジオ版では違うところがちらほらあったような…?
 こうなると、やっぱりオペラのフルバージョンを観たいです。これが完全版、というのを観たいです。

by halca-kaukana057 | 2018-12-06 23:53 | 音楽
 オペラに関する記事は久しぶりです。声楽なら、オペラよりも歌曲(伴奏はピアノでもオーケストラでも)やオペラアリア抜粋を中心に聴いていました。オペラ全曲となるとなかなか時間が…。なので、やはり生で観るのが一番集中できます。
 昨年初めて生のオペラを観に行ったのですが、今年も観に行く機会がありました。2年連続でオペラ公演があるなんて当地では考えられない…と思いながらw演目は、ヴェルディの「椿姫」。「乾杯の歌」が有名ですね…ってそれしか知らなかった…予習もロクにせずに観に行くことに…大丈夫か?

・ヴェルディ:作曲:歌劇「椿姫」(全3幕)
 プラハ国立歌劇場
 マルティン・レギヌス指揮、プラハ国立歌劇場管弦楽団、合唱団、バレエ団
 演出:アルノー・ベルナール

 開演前、購入したパンフレットのあらすじを読んで簡単に予習。舞台はパリ。ヒロインは売れっ子娼婦のヴィオレッタ。華やかな毎日を送るが、そのせいか彼女は結核に侵されていた。そのヴィオレッタのパーティに、アルフレードというひとりの男性がやってくる。アルフレードはヴィオレッタに一目惚れし、会いたい思いでパーティに参加した。パーティの途中、誰もいなくなり、ヴィオレッタは具合が悪そうにしている。そのヴィオレッタを心配し、愛を告白するアルフレード。その一途な思いに、ヴィオレッタは心動かされる。ヴィオレッタもアルフレードのことを愛するようになる。が…

 舞台は白の壁の建物、白のソファ。ヴィオレッタも白のドレス。一方、アルフレードや合唱の取り巻きの人々は黒の衣装。白と黒だけのシンプルでモダンな舞台。でも、第2幕では床に黄色のカーペット代わりのようなものがあり、日の差し方も変えている。場面が変わると白の建物の位置を動かして、黒い面を出している。シンプルだけど、シンプルだからこそ多様な見せ方が出来る舞台にしてあるんだな、と感じました。

 第1幕の最初に、「乾杯の歌」が。字幕を見て、ああ、こういう歌詞だったんだとようやく知りました。今まで、例えばNHKニューイヤーオペラでも歌詞字幕を見ていたはずなのですが、物語のあらすじ、これからどうなるのかがわかって、「乾杯の歌」の歌詞もわかった。ただ楽しく盃を交わし、宴を楽しもうという意味だけでなく、今が楽しければそれでいいというヴィオレッタの信条に基づいていたのだな、と。

 ヴィオレッタは多くの男性と過ごすけれども、心から誰かに愛され、愛すということを知らない。そんなヴィオレッタに一途に愛を告白するアルフレード。こんな気持ち初めて…と人を愛する感情に目覚めるヴィオレッタが印象的でした。でも、「花から花へ」で、自分はその時その時の快楽に生きる、と…。このあたりから、ヴィオレッタに幸せになってほしいと思いながら見ていました。この「花から花へ」の自問するヴィオレッタの歌がとてもきれいでした。

 第2幕では娼婦を辞め、ヴィオレッタはアルフレードと暮らしている。アルフレードの一途な思いが届いた…よかった…と思ったのもつかの間。2人の生活は楽ではない、お金の問題。そして、アルフレードの父・ジェルモンがやってきて…。2人がだんだんとすれ違っていってしまうのが悲しい。2人とも一途にお互いを思っているからこそのすれ違いなのかもしれない…。
 2人が再会するフローラのパーティでバレエも登場。でもあまり存在感がなかったような。多分、パーティの客がごちゃごちゃと回りにいるせいかもしれない。

 すれ違ったまま、最後の第3幕。この第3幕への前奏曲がまた重く悲痛。結核が悪化し、ヴィオレッタの命は残り少ない。ヴィオレッタの世話をするアンニーナもけなげ。残り少ない命、アルフレードと愛し合った日々を回想するヴィオレッタ…このまま終わってしまうのか…?あらすじを読んで終わりがわかっていてもそう思ってしまう。そして、戻ってきたアルフレード。ジェルモンも謝り、誤解が解け、再会を喜ぶ2人。でも…。最後はつらかった。でも、ヴィオレッタは報われた、救いのある最期だったのだと感じました。昨年観た「カルメン」よりは救いのある最後だと思う。

 心から愛し、愛し合うこと。愛のすれ違い。その時その時だけの快楽に身を任せて生きること。現代でも色褪せないテーマで、考えながらも観ていました。「椿姫」ってこういうオペラだったんだ。やはりオペラは生で観るほうが集中して、物語も楽しめます。やっぱり今回も字幕を見て、歌手を見て、演出を見て…目が忙しくて大変でした。
 前回はオケピットがあまり見えない位置に座っていたのですが、今回はオケピットが見える位置に座ったので、オケピットを見るのも面白かった。暗い中演奏するのは大変そうだなぁ…。

 昨年の「カルメン」はフランス語、今回の「椿姫」はイタリア語。声楽でイタリア歌曲集をやっているので、イタリア語の単語にも反応しました。特に、愛を意味する「amore」。何度も出てきます。イタリア歌曲集でも「amore」と歌われる歌はたくさんあり、今私も取り組んでいます。その表現や歌唱についても勉強になりました。イタリアオペラもいいなぁ。

 ヴィオレッタのソプラノの美しい声、アルフレードのテノールの甘く強い声にも惹かれました。ジェルモンのバリトンも渋い。メゾソプラノがあまり出てこないのが残念…。

 また他の作品も生で観たいです。オペラはやっぱり面白い。
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・昨年の「カルメン」:オペラ事始 その4 生のオペラを観に行こう
by halca-kaukana057 | 2015-10-27 23:13 | 音楽
 オペラ・声楽集中強化、ゆっくりと進めています。近頃はバロックオペラや、宗教曲、歌曲の方をよく聴くかなぁ…。

 そんな中、お手頃な声楽コンサートがあるので行ってきました。お手軽と書きましたが、本格的です。出演者が凄い。

<出演>
 鮫島有美子(ソプラノ)
 多田羅迪夫(バリトン)
 鈴木准(テノール)
 山岸茂人(ピアノ)

 鮫島有美子さん…!多田羅迪夫さん…!鈴木准さんも躍進中のテナー。なんですかこの豪華メンバー…。会場も室内楽やピアノソロ、器楽曲向きの中規模のホール。前回は大ホールでオペラでしたが、今回は中規模ホールで身近に楽しめる。いいですねぇ。

 タイトルはオペラと書きましたが、オペラの歌・アリアは少なく、歌曲中心。でもオペラでも活躍している声楽家のコンサートということで…。前半が日本歌曲、後半は海外作品にまとまっていました。

 さぁ開演。出演者がステージに出てくるのを拍手準備して待っていたら…なにやら花を運んできた。おいおい、舞台セッティングは開場前にやっておきなさいよ…と思ったら、正装してるしドレス着てるし…出演者でした…なんだこの登場の仕方は!?こんな登場の仕方は初めてです、見たことないw
 ちなみに、前半では多々良さんは和装。かっこよかった。

 歌は勿論惹きこまれました。ソプラノ、テノール、バリトン、ソロで歌っても、三重唱しても、人間の声ってこんなに響くんだ…と実感。声だけじゃない、身体そのものが楽器になる。聞き入るとともに、表情や体の使い方をじっと観ていました。
 特に印象的だったのが、鮫島さんは「浜辺の歌」…今の季節に合いますね。澄んだソプラノとピアノ伴奏に海を思います。サティ「ジュ・トゥ・ヴ」は振り付きで、色っぽく。まさにフランス・パリの大人の女性のイメージ。リチャード・ロジャース「サウンド・オブ・ミュージック」より「サウンド・オブ・ミュージック」「エーデルワイス」も澄んだソプラノの魅力満載でした。
 多田羅さんは滝廉太郎「荒城の月」…和装なのでますます雰囲気出てる。シューベルト「鱒」は、聴いてて感激しました。CDでも、フィッシャー=ディースカウ他様々な歌手で聴きました。釣りをする簡単な振り付きで、明るく深く、陽気でちょっとずる賢い釣り人の様を歌うその声。この歌を生で、しかも多田羅さんの歌で聴けたのに感激。
 鈴木さんは大中恩「悲しくなった時は」。詩は寺山修司。この曲は中田喜直作曲の方がメジャーらしい(歌をもう一度思い出そうと思って検索してみても、中田喜直版しか出てこない…)寺山修司の詩もすごく好みで、歌ものびやか。大中恩版をもう一度聴きたい。中田喜直作曲の作品もありました。「鳩笛の歌」。この2曲は初めて聴いたのですが、日本歌曲もいいなぁと思いました。あと、バーンスタイン「ウェスト・サイド・ストーリー」より「マリア」。「ウェスト・サイド~」はやっぱりいいなぁ。

 歌そのものも楽しんだのですが、お話と演出も楽しかった。メインMCを多田羅さんが担当。バリトン声が落ち着きます。ロジャー・クイルター「真紅のバラ」では、鮫島さんが歌った後、多田羅さん、鈴木さんが最初にステージに運んできた花から赤いバラの花をとって、鮫島さんに差し出す演出も。鮫島さん、鈴木さんのを受け取り、鈴木さんと腕を組んでステージ袖へ…残された多田羅さん…。ズィーチンスキー「ウィーンわが夢の街」ではダンスも披露。歌の背景や歌詞、鮫島さんのオーストリア暮らしのエピソードやらなにやら…お話もとても楽しく、客席からは笑いが絶えませんでしたw

 声楽コンサートでは伴奏に徹しひたすらピアノを弾くピアニスト…。そんなピアノの山岸さんにもスポットライトを。ショパン「ノクターン」第8番変ニ長調のソロが。ショパンのノクターンは全曲聴いた事が無く8番は初めて聴いたのですが、キラキラきれい。端正だけど、だんだん盛り上がってきて情熱的なところも見える、素敵な演奏でした。

 アンコールは会場の皆と一緒に「ふるさと」。この歌は私、思い入れがたくさんあるのでじわりと来ます。せっかくなので少し本気出して歌ってきました。

 歌もお話も演出も楽しいコンサートでした。クオリティの高い歌を、気楽に楽しめるプログラムでした。声楽は楽しいなぁ。ひたすらピアノを弾き続けていた山岸さん、お疲れ様です…。

 ひとつ思ったのが、客層が高かったこと。年配の方ばかりで、若い人が少ない。いないわけではない。私と同年代ぐらいの人もいたし、小中学生の子ども連れのお母さんもいた。制服姿の高校生もいた。でも、大方年齢層が高い…。若い人がクラシックに興味が無い…先日のオペラ「カルメン」では若い人も結構いた。興味が無いわけではないだろう、多分。プログラムとしてはどの年齢でも楽しめる内容のはず…うーん…そこが残念でした。アンケートに書くのを忘れたので、ここに書きます。中の人(主催者)が見てくれたらいいのですが…。

 鮫島さんのCDも買ってきてしまいました(サイン会は無し)。

千の風になって~新しい日本の抒情歌

鮫島有美子 / 日本コロムビア


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 編曲・ピアノ演奏が宮川彬良さん、という点が決め手でしたw

【オペラ強化年・これまでの歩み】
オペラ事始 その1 オムニバスから始めてみる
オペラ事始 その2 ビゼー「カルメン」(ハイライト)
オペラ事始・番外編 オペラ歌手が本気で歌のたのしみを伝える声楽アンサンブル
オペラ事始 その3 序曲・前奏曲は楽しい水先案内人
オペラ事始 その4 生のオペラを観に行こう
by halca-kaukana057 | 2014-08-01 23:35 | 音楽
 今年はオペラ・声楽強化年。続きです。

 NHKBSプレミアムなどで、オペラ公演を収録した放送が結構あり、録画して観ています。しかし、いまいちピンと来ない。集中できず、途中で挫折してばかり。物語のあらすじが、登場人物と声域、誰がどのアリアを歌うのか、登場人物たちの関係が覚えられない!やはりオペラは長い、難しい、敷居が高い、のか。独特の台詞の言い回しも慣れない。ラジオでの全曲放送なら、全部聴けないことも無いのですが…。
 そんな私が、オペラを観に行くことにしました。ビゼーの「カルメン」。以前、ハイライト版を聴いたのですが、全部を観るのも聴くのも初めて。オペラを観に行くこと自体人生初めて。「カルメン」は前奏曲もアリアの数々も超有名曲ばかりですが、物語のあらすじを読むと「うーん」と思ってしまう。この物語を楽しめるのだろうか。集中して観ていられるだろうか…。そんな不安も抱きつつ、行ってきました。

・ビゼー作曲:歌劇「カルメン」(全4幕)
 スロヴェニア マリボール国立歌劇場
 ロリス・ヴォルトリーニ指揮、マリボール国立歌劇場管弦楽団/合唱団/バレエ団
 演出:フィリップ・アルロー

 舞台の両サイドに、字幕用の電光表示板が。舞台の下にオケピットが。これがオケピットか…と思いつつ、開演を待ちます。
 開演、マエストロの登場。そしてあの前奏曲。威勢のいい前奏曲を聴きながら、だんだんワクワクしてきました。

 全幕、飽きずに集中して観られました。終わって一言、「楽しかった!!」オペラって楽しい!凄い!これが音楽と舞台の総合芸術だ。実際の舞台では、台詞の言い回しも気にならなかった、自然だった。オペラという世界に引き込まれているからか。歌手の皆さんの歌も素晴らしい。広いホールに、自分の声だけで朗々と響かせて歌う。歌いながら、演技もする。演劇やミュージカルとは違う、音楽・歌でも魅せるオペラの手法にすごいなぁ、すごいなぁと思ってばかりでした。演出も、親しみやすかった。コミカルなシーンも所々にあって、クスリと笑えました。勿論、シリアスなシーン、カルメンが魅了するシーンも惹かれる。バレエも美しい。舞台セットや背景も物語を引き立てている。

 あらすじ、ハイライト版では分からない物語の全容もようやく理解しました。ああ、「カルメン」ってこういうお話だったんだ。ここでこの登場人物がこんな台詞を言って、こんな風に歌に入って…生で観ないとわからないことばかりでした。字幕で台詞や歌詞が出るので、追いやすい。ただ、字幕を観て、舞台の歌手を観て、背景や舞台演出を観て…目が忙しい。目が疲れました(苦笑

 真面目な衛兵のドン・ホセ、ホセの婚約者のミカエラ。ホセは田舎の母親のことを心配し、結婚を誓い合う幸せな2人だったのに…自由奔放な恋愛を楽しむカルメンの登場で、ホセは変わってしまう。カルメンに気に入られたホセ。ホセも婚約者がいるのに、カルメンに惹かれ、恋に落ちてしまう。そして、ホセの人生も堕ちてゆく…。ホセの視点でずっと観ていて、終わった時の感想が、「ホセ、かわいそう…」。カルメンに出会わなければ、ミカエラと幸せに結婚し、親孝行も出来たのに…。
 とは言え、カルメンも「魔性の女」であるけど、何故か憎めない。相手のことを考えない、自由奔放過ぎる、でも、心は自由だとうたい、今を生き、そのためなら死をも恐れない。カルメンにとっての「自由」とは何だろう?と考える。未練がましくない。強いなぁと思う。カルメンが死を悟るシーン、そしてラストシーンは息をのみました。

 数々のアリア、二重唱、合唱にも魅了されました。カルメンのハバネラ、ホセの「花の歌」、闘牛士・エスカミーリョの「闘牛士の歌」は心の中で「来たー!」と叫んでました。どの歌も好きです。オペラは、アリアの後に拍手をする。この雰囲気もよかった。カーテンコールは拍手しまくりました。

 第1幕の「子供たちの合唱」は、地元の小学生が歌っていました。元気よく舞台に出てきて(翻弄される大人たちw)、元気よく歌う姿が可愛かった。プロのオペラ歌手と共演、オペラの舞台で歌えるなんて凄いなぁ、いい経験だなぁ。この日のために、フランス語の歌詞を覚えて練習したんだろうなぁ。第2幕の後、子どもたちが先にカーテンコール。可愛かった。
 親御さんと一緒に観に来ている小学生もちらほらと。「カルメン」の物語は子どもにはちょっと…と思ったが、こんな美しい舞台、豊かな歌・音楽のオペラを小学生の頃から観せてもらえるなんて羨ましいなぁ…とも。制服姿の高校生も。どう観るんだろうなぁ。

 オペラは生で観てこそその魅力がわかる、と実感した夜でした。ようやく、オペラの魅力がわかった。これまで、台詞などの面で、何故オペラはこんな表現方法を使うのだろう。クラシック音楽には音楽劇もたくさんありますが、音楽劇じゃダメなのか、とよく思っていました。しかし、音楽と舞台の総合芸術であるオペラだからこそ表現できるものがあるんだ、とようやくわかった気がします。本当に楽しかった!また、様々なオペラを生で観たいです(東京などに遠征しないと観られないですが…)。

 ということで、たまっているオペラ番組の録画を消化せねば…。

 
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・過去関連記事:ハイライト版を聴いてみた:オペラ事始 その2 ビゼー「カルメン」(ハイライト)
by halca-kaukana057 | 2014-06-10 23:11 | 音楽
 クラシックは好きだけどオペラは全くの入門者が、今年はオペラを聴いてみる。ゆっくりとですが、オペラに親しむ道を歩んでいます…。

【これまでの歩み】
オペラ事始 その1 オムニバスから始めてみる
オペラ事始 その2 ビゼー「カルメン」(ハイライト)
オペラ事始・番外編 オペラ歌手が本気で歌のたのしみを伝える声楽アンサンブル

 この他にも、その1では男声のオムニバスを聴きましたが、女声(ソプラノ・メゾソプラノ)のオムニバスも聴きました。ソプラノ、と一言で言っても、繊細で優雅な高音もあるし、情感たっぷりにふくよかな高音もある。女声の高音は凄いけど、何だか苦手だなぁ…と思ってきたのですが、そんな声の"色合い"にも注目して聴くと、声楽はとても面白いなぁと感じます。

 オペラはアリアもいいですが、舞台が始まる前の序曲、前奏曲も魅力。その作品の主題も入って、物語の世界にいざなってくれる存在。そんな序曲・前奏曲のオムニバスを聴きました。またしてもオムニバス。全曲を聴こうとしても、まだ慣れない、途中で集中が切れてしまうんだよなぁ…。

ヴェルディ:序曲・前奏曲集

クラウディオ・アバド:指揮/ベルリン・フィル/ ユニバーサル ミュージック クラシック


 オペラと言えばアバド、という感じになってきています。数々のオペラをのこしたヴェルディの作品の序曲・前奏曲を集めました。ヴェルディ…「アイーダ」や「椿姫」、「リゴレット」などなど、全曲は聴いたことはなくても、有名なアリアや劇中曲が沢山。そして物語もドラマティック。序曲や前奏曲もドラマティックです。序曲・前奏曲だけで、もうこれだけでも十分魅力的、と思ってしまいます(物語はここからだぞ!)。曲の終わり方が、ジャーン!ジャジャン!と壮大な終わり方をするのも、そのせい?
 ヴェルディのオペラには、歴史上の実話を基にしたものも多く、大河ドラマと考えればいいのかな。と言うことは、序曲・前奏曲は大河ドラマのテーマ曲と考えればいいのかな…(当たってるのか違うのか…どうなんだろうこの解釈…)


名序曲集

オムニバス(クラシック) / ユニバーサル ミュージック クラシック


 こちらはバロック・古典から現代作品まで、様々な序曲・前奏曲を集めたオムニバス。オペラだけじゃなくて、バーンスタインのミュージカル「キャンディード」序曲や、メンデルスゾーンの劇音楽「真夏の夜の夢」序曲、ブラームス「大学祝典序曲」にガーシュウィン「キューバ序曲」も入ってます。
 ビゼー「カルメン」前奏曲に、オッフェンバック「天国と地獄」序曲、ヨハン・シュトラウス2世「こうもり」序曲、スッペ「軽騎兵」序曲、ワーグナー「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲、モーツァルト「フィガロの結婚」序曲と、超有名曲も入ってて、楽しくなります。作曲家によって、作品によって、時代によって、国(言語)によって…と聴き比べも出来る。ここから、またアリアのオムニバスや、ハイライトに進んでいけばいいのだろう。序曲・前奏曲は、オペラの世界への水先案内人のようにも思えます。
 しかし、あまりにも有名な曲ばかりで、テレビのテーマ曲やCM曲になっていて、聴くとそれを思い出したり(「キャンディード」序曲を聴くと日曜朝9時かと思う、とかw)、私にとっては「クインテット」のコンサートで演奏されたものを思い出したり。超有名曲でも、出だししか知らないものもあるし、超有名な部分しか知らないのもあるので、全曲はこんな曲だったんだ!聴き直すことも出来ます。

 あと、もうひとつ。こちらはCDでは聴いてない、しかもオペラではないのですが、声楽ものなので入れておきます。
Marc-Antoine Charpentier - Te Deum Prelude

 フランスバロックの作曲家・マルカントワーヌ・シャルパンティエの「デ・テウム」ニ長調 前奏曲。聴き覚えがある…ウィーンフィル・ニューイヤーコンサートの生中継のオープニングで流れる曲がこれでした!この曲だったんだ!!全曲聴いても30分ほど。古楽と声楽の美しさに浸れる曲です。

シャルパンティエ「テ・デウム」前奏曲聴き比べ

 バロック作品なので、演奏によって大分雰囲気が異なる。ということでこの聴き比べも楽しいです。こんなに違うのか…。


 オペラだけでなく、声楽全般、合唱から宗教曲、歌曲と幅広く聴いていくのがあっているかなと感じています。しかも、バロックの方が入りやすそう…とも感じています。
 あと、声楽はCDで音楽・歌だけ聴くよりも、映像で歌手の表情を観ながら聴くほうがわかりやすいとも思いました。歌曲でも、CD・音楽だけだと聞き流してしまうことが多い。言語・歌詞がわからない(対訳を読んでいても終えなくなってしまうこと多し…)ので、表情から読み取るような。
 声楽は歌曲だろうとオペラだろうと、合唱だろうと、宗教曲だろうと、”舞台”なんだなと感じます。歌って、何かの役を演じている。たとえ歌曲・歌だけだったとしても。

 以上、オペラ事始と言うより、声楽全般事始になってきました。
by halca-kaukana057 | 2014-04-17 22:37 | 音楽
 オペラ・声楽をもっと聴いてみようと色々手をつけてみています。こんな時便利なのが、テレビやラジオでの放送。過去の名演から、最近のオペラ公演・演奏会まで放送してくれるのがありがたい。しかも放送だと、全く知らない歌手・曲にも巡り会える。そこから興味を持ってハマってしまうことも多い。と言うわけで、オペラ・声楽関係の番組は片っ端から録画し、ラジオも聴けるものは聴いています(出来れば録音も)。クラシック音楽を聴き始めた頃も、こんなことをしていたなぁ。今もクラシック番組は片っ端から観て聴いて録画録音しています。

 先日、テレビの番組表を見ていたら、「びわ湖ホール四大テノール演奏会」というのが合った。NHKBSプレミアムの「クラシック倶楽部」。びわ湖ホール?四大テノール?声楽だし、これも録画しておこう…と予約し、今日放送、観ました。
 観て、なんだこれは!!?ぶっ飛びました。めちゃくちゃ楽しい、面白い!!

NHK番組表:クラシック倶楽部 びわ湖ホール四大テノール演奏会
◇この公演のお知らせ:滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール:2014年1月22日:びわ湖ホール四大テノールコンサート

◇公式:滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール:びわ湖ホール四大テノール
◇非公式まとめ:NAVERまとめ:【BST】びわ湖ホール四大テノールがすごい!【Biwako Super 4 Tenors】

 メンバーは、関西を中心に活動している若手テノール歌手。清水徹太郎さん、竹内直紀さん、二塚直紀さん、山本康寛さん。それぞれ、オペラなどでも活躍している。昨年の日本音楽コンクール声楽部門では、清水さんが入賞、山本さんが2位を受賞。この日本音コン声楽部門も、昨年末に放送され、「こんなこともあろうかと」(ないw)録画しておいたので、再び見直しました。お二人とも豊かな声、表情。伸びやかな歌に聞き惚れました。日本音コン、他の受賞者の方々の歌も素晴らしかった。

 話を元に戻して、「四大テノール」演奏会。いつものこの番組なら、演奏者のインタビューが入ったり、すぐに演奏が始まるのだが、何故か開演前のホールの様子が。そして開演前のアナウンス(カゲアナ)。何故そんなものを?と思ったら、内容がぶっ飛んでたw
「携帯等を鳴らしたら、メンバーが一緒に歌います」
「公演中の会話は、メンバーへのブラボーや日本一!等以外はお控えください」
「メンバーが客席のそばを通っても、触ったり、エサをあげないでください」
(※全て意訳です)

 なんだこれはww場内のお客さんも笑っている。

 そして演奏会スタート。「琵琶湖周航の歌」から、リーダーでMCの竹内さんメンバー紹介。4人それぞれのヴェルディやプッチーニ、レオンカヴァルロ、ドニゼッティのオペラアリア独唱集。テノールと一言で言っても、個々人で声の雰囲気も質感も異なる。オペラそのものは知らないものもあるのですが、実際オペラでもこんな風に歌っているのだろうなと思うと、劇場でオペラそのものも聴きたくなります。こういうところからオペラに入っていくのはいいなぁ。

 4人での迫力ある「タイム・トゥ・セイ・グッパイ」のあとは、「テノールdeコント」…コント?ロッシーニ「猫の二重奏」を、日常風景で再現。ネコの被り物をした竹内直紀さんと二塚直紀さんが、夫婦コントをwニャーニャーとネコの鳴き声で歌いながら会話、サラリーマンの夫と妻、飲んで遅く帰って来た夫と、それを怒っている妻。おかしくて爆笑しました。これ、会場で生で観たら大変なことになりそうですw
 ちなみに、コントを考えているのも、リーダーの竹内さんだそうです。

 更に、NHK繋がり?で「あまちゃん」が。あのテーマ曲のピアノ演奏が流れると、出てきたメンバーは「北の海女」の扮装、アキちゃん、ユイちゃん、夏ばっぱ。歌うは勿論「潮騒のメモリー」!後から太巻さんも出てきたwテノール4人で「潮騒のメモリー」は新鮮でした。アキちゃん&ユイちゃんの可愛らしい歌、春子さんの清楚な歌、鈴鹿さんのしっとりとした歌もいいですが、テノール四重唱もいい!

 そして名物だというクリスタルキングの「大都会」。扮装がまた笑えますが、歌は本気。「♪あーあ~果てしない~」たっぷりの声量でハーモニーもきれい、高音も伸びやか。凄い。高いド(ハイC)が出てくるテノールにとって難易度の高い歌らしい(実際大変そうな表情をしていた)のですが、迫力満点です。

 「サンタ・ルチア」や「カタリ・カタリ」などのイタリア・カンツォーネ・メドレーは馴染み深い歌を豊かに楽しく歌っていて、ますます楽しくなる。「ヴォラーレ」はジャズ風でかっこいい。「フニクリ・フニクラ」は2番が「鬼のパンツ」の歌詞wあの振りもちゃんと付いてます。子ども向けのコンサートをすることもあるそうで、これは子どもたちも喜ぶだろうな。凄い歌のお兄さんたち…。「おかあさんといっしょ」にゲスト出演して、だいすけお兄さん(国立音大卒、同じくテノールです)と一緒に歌って欲しい…なんてw

 「アンコールは、第3部です」とツッコミたくなるようなMCで始まったアンコール。レハールのオペレッタ「メリー・ウィドウ」から「女・女・女」は、踊り出し、その踊りもEXILE風w最後は扇の組体操でキメるwあんな踊りをしながら、あの声量・発声で歌うのは大変そう…と思いつつ、それをやってのけるのオペラ歌手の本気の実力に脱帽しました。しかも笑いまで取るなんて。
 「オー・ソレ・ミオ」も4人のハモリと同時に高音を競って出しているサービスも。楽しい放送でした。
 ちなみに、放送ではカットされてしまった曲、曲順の違いもあるそうです。「潮騒のメモリー」も実際にはアンコールだったそう。


 これまで、声楽のコンサートには何度か足を運びました。でも、日本の歌曲や童謡・唱歌、好きな作曲家歌曲(ドイツリート、シベリウスの歌曲)ぐらい。イタリア語もフランス語もわからない。オペラも詳しくない…ということで、声楽のコンサートはちょっとハードルが高いと感じていました。オーケストラ、室内楽なら、知らない曲や作曲家の作品でも聴いてみようと思うのに、オペラのアリアや歌曲になると、「歌詞がわからないから…」という壁を作ってしまう。語学の壁。日本の歌曲でも、親しみやすいとは言えない現代作品もある。歌い方も独特。それでも、歌そのものに惹かれれば、語学の壁だろうがなんだろうが聞き入るのだろうが…なかなかそんなコンサート・歌手には出会えていません。

 しかし、このびわ湖ホール四大テノールは、クラシックから民謡・唱歌・歌謡曲にコントまで、ジャンルの壁を取っ払って、歌のたのしみを伝えようとしている。テノールという声域もちょうどいい。明朗で快活、且つ男声の迫力もある。そして、先述したとおり一言でテノールと言っても、声の高さや質、声色は異なる。4人できれいに揃い、ハモる。そんな歌で、クラシックのオペラも、馴染み深い流行歌やカンツォーネ、民謡・唱歌も全部「歌」なんだよ。「歌」の世界はこんなに広くて、楽しいよ!と伝えている。メンバーの想いが伝わってきました。
 これはいつか生で聴けたらいいなと思う声楽アンサンブルです。この録画は永久保存版にします。

【ふと思ったこと】
・滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール…立派な劇場、ホールじゃないですか!!これが「県立」なのだから凄い。滋賀県羨ましい…我が居住自治体が貧弱過ぎる…(音楽面では。他の面では、公立でも充実しているところもある。どこかがいいと、どこかがよくない?)

・この「びわ湖ホール四大テノール」のノリ…「宮川彬良&アンサンブルベガ」のノリに似ている!wテノールアンサンブルか、室内楽かの違い。
 アンベガも、日本各地のオーケストラのコンサートマスターや首席奏者を集めた実力派揃い。宮川彬良さんの軽妙なMCと、原曲の魅力をふんだんに味わえる編曲のクラシック名曲の数々。宮川さんが作・編曲しない純クラシック作品の演奏もある。そして、実力派のメンバーが普段は見られない一面を見せてくれるコントと巧みな演奏で、音楽を読み解いてしまう「音符の国ツアー」。…この「クラシック倶楽部」の枠で出来るじゃないですか!!放送の検討を、前向きにお願いします!
 NHK教育「クインテット」の演奏を担当したメンバーがいるアンサンブル、というNHK繋がりもありますし。アンコールの「ゆうがたクインテット テーマ」は外せませんね。と言うことで、検討お願いします!!


 今日はFMで新国立劇場の「カルメン」の放送も。途中から聴いたのが残念でしたが、全曲になるとこうなるんだ、と聴いていました。再放送されないかなぁ。録音したい。
 ということで、オペラ・声楽堪能の一日でした。
by halca-kaukana057 | 2014-03-21 23:19 | 音楽
・前記事:オペラ事始 その1 オムニバスから始めてみる

 今年は私にとってのオペラ・声楽強化年ということで、引き続き色々と聴いてみています。これまで、オペラに抱いていたイメージは、「長い」「物語が難しい、理解しづらい、とっつきにくい」「派手すぎる」「オペラの歌い方に耳が慣れない」「外国語の歌詞で意味がわからない」「地方では生の舞台に触れる機会が非常に少ない」「チケットが高い」などなど…(こうやって並べると随分と酷い…)。更に、歌手と配役、声域が覚えられない。また、歌劇・オペラとミュージカルの違いはわかるようになった。しかし、グリーグ「ペール・ギュント」やビゼー「アルルの女」、メンデルスゾーン「真夏の夜の夢」、フォーレ/シベリウス「ペレアスとメリザンド」、バルトーク「中国の不思議な役人」などの演劇は劇中歌、合唱もあるし、オペラには入らないのか…(何となく違いはわかるのだが、何となく。はっきりとはわからないまま)。わからないので、オペラに関する本を読めば、わからない用語ばかり。結局わからない…。これが、これまでオペラを敬遠していた理由です…。

 今は、理論や知識よりもまず聴いてみる。ということで、オムニバスから始まって、聴きやすそうなもののハイライトを聴こうというところまできました。選んだのがこれ。

ビゼー : 歌劇「カルメン」ハイライト

テレサ・ベルガンサ(MS)、プラシド・ドミンゴ(T)、イレアーナ・コトルバス(S)、シェリル・ミルンズ(Br)/アンブロジアン・オペラ合唱団、ジョージ・ワトスン・カレッジボーイズ・コーラス/クラウディオ・アバド指揮ロンドン交響楽団/ポリドール



ビゼー:歌劇「カルメン」(ハイライト)

レオンスタイス・プライス(S)、フランコ・コレルリ(T)、ロバート・メリル(Br)、ミレルラ・フレーニ(S)/ウィーン国立歌劇場合唱団、ウィーン少年合唱団/ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ウィーンフィル/ SMJ



 「カルメン」は「前奏曲」も有名ですし、ハバネラ「恋は野の鳥」、闘牛士の歌「諸君の乾杯を喜んで受けよう」など歌も有名なものが多く、聞きやすい。最初は物語や歌詞はあまり見ずに音楽や歌を聴いてみてから、物語や歌詞、誰(音域も)がどの歌を歌うのかを、ライナーノートを読みながら追っています。面白い。ドラマティックな恋物語。しかもラストが切ない…(オペラになかなか親しめずにいたのは、悲劇であることもひとつの理由でした。悲劇が嫌いなわけではありませんが、重い)
 物語を追いながら歌を聴いていると、オペラ特有の歌い方が合うと感じます。情感豊かに、ふくよかな迫力のある声量。これがマイク無しで、広いホールにオーケストラをバックに歌い響かせているのだから凄い。

 まず聴いたのが先日亡くなったアバド盤。闘牛士の歌の冒頭で、合唱の人々が雄叫び(掛け声?)をあげるのが、気持ちが高揚してていいなと感じます。
 カラヤン盤は、同じハイライトでも収録曲が若干違う。こうなると次は全曲か。まだ誰がどの歌を歌っていて、物語全体が把握できてないので、もう少しハイライトで楽しみます。ちなみに、「カルメン」は台詞を普通に語っているものと、後にグランド・オペラ形式になった台詞がレチタティーヴォになっているものの2種類があるそうで、全曲を聴く場合はどちらの形式なのか把握しておいた方がいいらしい。ふむふむ…。

 オペラ事始めの道、まだまだ長い道程です。でも楽しい。面白い。「カルメン」はフランス語ですが、ヴェルディやプッチーニなどのイタリアオペラ、モーツァルトやワーグナーはドイツ語。ヨハン・シュトラウス2世「こうもり」やレハール「メリー・ウィドウ」のようなオペレッタ(喜歌劇)もある。やっぱり長い道程だ…。
by halca-kaukana057 | 2014-03-06 22:34 | 音楽
 昨年末と、年初めに、今年はオペラを聴く、と書いた。少しずつ聴いています。これまでクラシック音楽は聴いてきたけれど、オペラは敬遠してきた。有名な作品の序曲は何となく知っている程度、アリアもわからないものが多い。歌手・声楽家も名前は聞いたことがあっても歌はあまり聴いたことがなかった。声楽は歌曲ばかり聴いてきたからなぁ…。というわけで、オペラ分野に関しては全くの初心者。クラシック音楽を聴き始めたころのことを思い出す。手当たり次第、図書館でCDを借りて聴いてみる。今また同じようなことをしています。

 1作品丸ごと聴くのがいいのだろうけど、まずはオペラの歌・歌い方に慣れるつもりで、オムニバスCDから始めています。

清きアイーダ (不滅のオペラ・アリア集)〔男声篇〕

オムニバス(クラシック)/ EMIミュージック・ジャパン


 まずこれ。ヴェルディ「アイーダ」より「清きアイーダ」や、「リゴレット」より「女心の歌」、ビゼー「カルメン」より「闘牛士の歌」や「花の歌」、モーツァルト「フィガロの結婚」「ドン・ジョバンニ」「魔笛」、ロッシーニ「ゼビリャの理髪師」より「何でも屋の歌」、そして「プッチーニ」より「誰も寝てはならぬ」などなど、「これなら知ってる」「聴いたことがある」という曲ばかり。歌詞はあまり見ずに、まずは歌声そのものを楽しんでいます。
 この中に、ワーグナー「タンホイザー」より「夕星の歌」があるのですが、歌っているのはご存知名バリトン、フィッシャー=ディースカウ。フィッシャー=ディースカウと言えば、シューマンやシューベルトの歌曲でばかり聴いてきました。そうか、オペラも歌うんだ(当たり前だ)。新鮮でした。

 こんなCDもありました。

テノール御免! バリトン&バス名デュエット集

トーマス・ハンプソン(Br),サミュエル・レイミー(B)/ミゲル・ゴメス=マルティネス指揮ミュンヘン放送管弦楽団/ ダブリューイーエー・ジャパン


 タイトルで惹かれて聴いてしまったwテノールは一切出てこない、バリトンとバスだけのオムニバス。テノールの伸びやかな歌声も好きですが、渋く物語を引き立てるバリトンとバスが好きです。楽器でも低音の楽器の方が好みなのですが、声域でも低音が好きらしい。こちらは知っている曲はあまりありませんが、聴いてみていいなと思う作品はありました。

 ちなみに、どちらも男声だけ。そういえば、合唱曲はこれまでそれなりに聴いてきましたが、男声合唱が好きだったなぁ…。可憐なソプラノ、迫力のあるメゾソプラノや落ち着いたコントラルト(アルト)の女声も好きですが、どうしても低い方に惹かれがちです。

 ここから、気になる作品を全曲で聴いてみることにします。有名な歌オムニバスから始められるのは、オペラの入りやすい点かも知れないなと思っています。交響曲も有名な楽章だけ聴いて、その後全楽章聴いてみるという手もありますが、私はあまりやらなかったなぁ。ピアノソナタや管弦楽組曲ならその手も使っていたのに、交響曲だけは最初から全曲聴くスタイルでした。何故だろう。
 オペラでクラシック音楽を聴こうとした初心に戻ってみる。いい機会です。
by halca-kaukana057 | 2014-02-03 23:02 | 音楽

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)
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