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 今日、12月8日はシベリウスのお誕生日。154回目です。おめでとうございます!また、シベリウスの誕生日を記念して、フィンランドではこの日を「フィンランド音楽の日」としています。

 フィンランド国営放送(YLE)のクラシック専門チャンネル「YLE Klassinen」は今年もフィンランドの作曲家の作品を放送しています。1日中。有名なものからマイナーなものまで。演奏者もフィンランド人ばかり。こういうのを見ると、フィンランドすごいなぁ、と思います。ちなみにおととい12月6日はフィンランド独立記念日。この日もフィンランド作曲家特集をやっていました。

 今年はあまり長い時間聴けずにいます。記録として、シベリウスの交響曲の放送まとめを残しておこうと思います。シベリウスの誕生日なので、交響曲は全曲放送します。今年は「クレルヴォ」は入っていません。

1番:サントゥ=マティアス・ロウヴァリ/エーテボリ交響楽団
2番:レイフ・セーゲルスタム/ヘルシンキ・フィル
3番:エサ=ペッカ・サロネン/フィンランド放送響 (Live)
4番:パーヴォ・ベルグルンド/アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団 (Live)
5番:パーヴォ・ベルグルンド/アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団 (Live)
6番:オスモ・ヴァンスカ/ラハティ交響楽団
7番:サカリ・オラモ/フィンランド放送響 (Live)

 以上です。「アムステルダム・コンセルトヘボウ」は番組表の表記に従いました。今年はフィンランド放送響の割合が少ない気がする。ベルグルンド指揮のコンセルトヘボウは、多分毎年出てきていると思う。ベルグルンドの他のオーケストラでのライヴ録音は、YLEにはしっかり残っていそうな気がする。サロネンがフィンランド放送響で3番というのはレア?かなり昔のもの?録音年のアナウンスもありましたが、フィンランド語の数詞は難しい…年号なんて無理…。
 1番は今年出たばっかりの新譜、ロウヴァリ指揮エーテボリ響のもの。CDでも聴きました。そのうち話題にできれば。

 交響曲の他にシベリウスの作品は1作品放送されました。
・ベルシャザールの饗宴(サカリ・オラモ/BBC交響楽団)
 これも今年出た新譜です。はいCDでも聴きました。こちらもそのうち話題にできればな。交響曲の他に1作品だけというのは少ない気がする。2015年の生誕150年、2017年のフィンランド独立100年でたくさん放送したからか?

 番組表は分割されていますが以下をどうぞ(フィンランド現地時間です。フィンランドとの時差は7時間。時間が間に合った方は是非聴いてみて)
7:00~ YLE Klassinen: Suomalaisen musiikin Aamuklassinen.
10:00~ YLE Klassinen: Suomalainen Aamupäivän klassinen.
13:00~ YLE Klassinen: Suomalaisen musiikin Päiväklassinen.
18:00~ YLE Klassinen: Suomalaisen musiikin Iltaklassinen.
23:10~ YLE Klassinen: Suomalaisen musiikin Yöklassinen

 シベリウス以外で気になった作曲家、作品…今年はあまり聴けてないからわからない…。コッコネンやクラミ、マデトヤ、もう少し現代だとラウタヴァーラやサーリアホもまだまだ聴けていない作品があるので聴きたいなぁと思っています。
by halca-kaukana057 | 2019-12-08 22:37 | 音楽
 11月30日、指揮者のマリス・ヤンソンスさんが亡くなられました。あまりにも突然で、驚きました。ショックです。今もまだ感情をどう表現したらいいかわからずにいます。ただただかなしいです。

 ヤンソンスさんというと、まず出てくるのがショスタコーヴィチ。CDでもライヴでもヤンソンスさんのショスタコーヴィチは楽しみに聴いていました。その他ロシアもの、ドイツもの、レパートリーの幅が広い。私としては、やっぱりシベリウスも外せません。聴いたのはオスロ・フィル時代の録音。

Spotify :Sibelius :Symphonies No.1,2,3,5
Spotify :Sibelius :Symphonies No.2,3,5 etc
 他にフィンランディア、悲しきワルツ、トゥオネラの白鳥、アンダンテ・フェスティーヴォが収録されています。アンダンテ・フェスティーヴォはまだこの曲があまり知られていない時期の録音だったと思います。

 交響曲は1番、2番、3番、5番。シベリウスの交響曲の中ではマイナーな3番も入っているのが嬉しい。どれも重め、暗めの演奏です。特に1番と2番は聴いていて、「北の孤高の巨人」という表現がぴったりだと思った。時々シベリウスはそういう表現をされることがあるが、ヤンソンス盤にぴったりの表現でないかと思う。暗く、凍てつくような感触で、容易く人間を寄せ付けないような。毅然としている。
 管楽器がうまいなぁと思う。それぞれの管楽器がどんなフレーズを奏でているのか、はっきりとわかる。弦もなめらかで、管と弦のバランスがちょうどいい。1番の冒頭のクラリネットソロの音色が印象的。ほの暗い、でも堂々としている。独りで黙って前を見据えているよう。若いシベリウスの様々な感情が聞こえてくる。でもそれは全体的には暗い。
 2番は他の演奏を聴いていると、明と暗が入り混じりながら第4楽章へ進んでいく…感じなのだが、ヤンソンス盤は暗さが強い。でも重くのしかかってくるわけではなく、かといって軽いわけではない。ただ、遠くまでずっと暗さに包まれているような感じだ。第1楽章は弦のささやきが印象的だが、とても静かに、美しい。2番はティンパニを印象的に使っていると感じました。目立つ。いい目印、いいアクセントになっている。

 3番、5番でも暗め。テンポの揺らし方が面白い。どの曲でも、こんな表現があったんだな、こんな聴かせる箇所があったんだなと思う。シベリウスは聴き慣れているはずなのに。聴き慣れているからこそ、新たな発見を見いだしやすいのかも知れない。

 一緒に収録されている悲しきワルツ、トゥオネラの白鳥はまさに追悼にはぴったりで…ぴったりになってしまったのがかなしい。アンダンテ・フェスティーヴォも「フェスティーヴォ」=「祝祭」なのに、どこかもの悲しい。いい演奏だなと思います。

 シベリウス以外のことも書くと、以前、ネットラジオでマーラーの7番を聴いて、いいなと思いました。マーラーの7番はなかなか親しめず、難しく、途中で止めてしまう演奏もありましたが、ヤンソンスさんの演奏は最後まで聴いて、いいなと思えました。

 最後に取り上げたいのが、ウィーンフィル・ニューイヤーコンサートの名演の数々。ヤンソンスさんのニューイヤーは楽しくて大好きです。お茶目な演出も多く、楽しませてもらいました。笑顔で指揮しているのが忘れられません。
Vienna New Years Concert 2006, Telephon, Eduard Strauss

 2006年の「電話ポルカ」ユーモアたっぷりです。

2012 New Year Concert - Josef Strauss -- Feuerfest (Polka francaise, op. 269)

 2012年の「鍛冶屋のポルカ」ウィーン少年合唱団も共演です。楽しそうに金床を叩くヤンソンスさん。

Mariss Jansons, Wiener Philharmoniker - Radetzky-Marsch, Op. 228

 2016年のラデツキー行進曲。観客の指揮がうまい。

 たくさんの素敵な音楽をありがとうございました。ご冥福をお祈り申し上げます。
by halca-kaukana057 | 2019-12-04 23:08 | 音楽
 今年も無事にテレビで放送されました、BBC Proms (プロムス)、Last Night of the Proms(ラストナイトコンサート)。ロンドンの御本家様です。音声だけでも楽しいけど、映像を観ればもっと楽しい!ロイヤルアルバートホールの熱気や盛り上がりがより強く伝わってくる!今年も楽しみました。感想など。

◇プロムス ラストナイト 公式サイト:BBC Proms: Prom 75: Last Night of the Proms
◇BBC Radio3 ラストナイトのページ:BBC Radio3: BBC Proms 2019: Prom 75: Last Night of the Proms

BBC Proms ( プロムス ) 2019 私選リスト その4 [9月] (随時追記中)

 プログラムは以下。NHKの日本語訳も参考にしています。

 ・ダニエル・キダン Daniel Kidane:目覚め Woke (世界初演)
 ・ファリャ:バレエ組曲「三角帽子」第2組曲(近所の人たち、粉屋の踊り、終幕の踊り)
 ・ローラ・マヴーラ Laura Mvula:月に歌えば Sing to the Moon
 ・マコンキー:誇り高きテムズ
 ・エルガー:ソスピーリ(ため息) op.70
 ・ビゼー:歌劇「カルメン」 より 「恋は野の鳥」(ハバネラ)
 ・サン=サーンス:歌劇「サムソンとデリラ」 より 「あなたの声に私の心も開く」('Mon coeur s'ouvre à ta voix')
 ・ヴェルディ:歌劇「ドン・カルロ」 より「むごい運命よ」(O don fatale)
       :歌劇「アイーダ」 より 凱旋行進曲

 ・オッフェンバック:喜歌劇「天国と地獄(地獄のオルフェウス)」序曲
 ・グレインジャー:民主主義の進軍歌
 
 ・ハロルド・アーレン:「オズの魔法使い」 より 「虹の彼方に(Over the Rainbow)」
 ・ガーシュイン:アイ・ガット・リズム(ミュージカル「ガール・クレイジー」より)
 ・ヘンリー・ウッド:イギリスの海の歌による幻想曲
  (小粋なアレトゥーザ/トム・ボウリング/ホーンパイプ/ロンドンデリーの歌/スカイ・ボート・ソング/海辺には/ホーム・スウィート・ホーム/見よ、勇者は帰る)
 ・アーン(サージェント:編曲):ルール・ブリタニア!
 ・エルガー:威風堂々 第1番 ニ長調 「希望と栄光の国(Land of Hope and Glory)」
 ・パリー(エルガー:編曲):エルサレム
 ・ブリテン:編曲:イギリス国歌
 ・スコットランド民謡(Paul Campbell:編曲):Auld Lang Syne

   / ジェイミー・バートン(メゾソプラノ)、BBCシンガーズ、BBCシンフォニーコーラス
   サカリ・オラモ:指揮、BBC交響楽団


 今年の指揮はBBC響首席指揮者のサカリ・オラモ。このラストナイトで40回目のプロムス出演だそうです。調べてみたら、確かにその通り(2018年のファーストナイト前日の「Five Telegrams」プロジェクション・マッピングイベントも含まれています)。初登場は1999年バーミンガム市交響楽団と。その後もバーミンガム市響、時々フィンランド放送響やロイヤル・ストックホルム・フィル、2012年以降は主にBBC響を指揮。2014年には室内楽回でヴァイオリン演奏もありました(ジャニーヌ・ヤンセンと共演)。ラストナイトは4回目。もう常連です。

 声楽ソロはメゾソプラノのジェイミー・バートンさん。満面の笑顔を絶やさない方だと感じました。登場した際、テレビ放送案内のケーティー・ダーハムさんが「ファビュラス(fabulous)」と表現していましたが、ぴったりの言葉です。深みのある歌声に、これはメゾソプラノの醍醐味だと感じました。私自身声楽をやっていて、声域が同じなので、理想のメゾソプラノと思いました。深い低音から、鋭い高音まで幅が広い。歌ったアリアも、「カルメン」のハバネラ、「サムソンとデリラ」のデリラ、「ドン・カルロ」のエボリ公女とタイプの異なる3人の女性。その時々の気ままな恋を楽しむカルメンの奔放さ、デリラの恋の誘惑、エボリ公女の感情むき出しの心の叫び。カルメンも誘惑しているけれども、デリラとはまた違う。「サムソンとデリラ」全曲を聴いたことがないのでこれだけでの感想なのだが、そんなに誘惑という感じがしなかった。でも、こう熱心に語りかけ歌い続けられたら誘われてしまうだろうか。音楽が雄弁で、歌を盛り上げていると感じました。また全曲聴きたいオペラが増えた。「ドン・カルロ」はヴェルディらしいドラマティックな歌。自分の美しさを呪うって…すごいな。
 後半ではミュージカルソングを2曲。元々はミュージカル歌手になりたかったというバートンさん。でもダンスが嫌いでオペラに。ミュージカルも素敵です。「虹の彼方に」は希望を、澄んだ声で伸びやかに。「アイ・ガット・リズム」はラジオで聴いた時も思ったのですがとてもかっこよかった。BBC響もいい演奏でした。金管もドラムもかっこいい。
 声楽ソロのラストナイトでの使命は、「ルール・ブリタニア」を歌うこと。こちらも深く、力強い声で、歌詞にとても合っていました。バイセクシャルのバートンさん、最後にレインボーフラッグを振っていました。歌詞は英国の繁栄ですが、会場では万国旗が振られるし、どんな人…ベテランのプロマー(プロムス常連客)から普段クラシックをあまり聴かない人も皆大歓迎。人種も国籍も性別も関係なし。多様性を認められる場所なんだなと思いました。

 「威風堂々第1番」の後で、テレビ放送案内のケーティー・ダーハムさんが
「万国旗と大合唱と幸せ気分。これぞラストナイト」
とおっしゃっていましたがその通りだなと感じました。


 オラモさんの指揮者スピーチの内容が、まさにラストナイトだなと思いました。ネット社会は物事に集中しづらい、でも人と繋がる機会は増えた。情報も共有できる。ならば、何故プロムスの演奏会に来たのか?ライヴ中継を聴いているのか?
演奏会に出かけ集中して生の演奏を聴くことが
素晴らしい体験だとご存じだからでは?
どの曲も作曲家が何か月もかけて書いたものです。
演奏家たちは人生最良の時を、音楽の勉強に捧げています。
我々の使命はあらゆる世代の人に、生の演奏の喜びを知ってもらうこと。

 第2部の最初の曲「天国と地獄(地獄のオルフェウス)」序曲のフレンチカンカンの部分で、観客は自然と手拍子を始めました。それに気づいたオラモさん、もっと盛り上げるような指揮をしていました(ちなみに少しつま先を上げるステップを踏んでたw)。BBC響の楽団員さんも、笑顔の人も。
 何よりラストナイトには観客が参加する曲が何曲もあります。「イギリスの海の歌による幻想曲」の「トム・ボウリング」の泣き真似や「ホーンパイプ」の手拍子。「ルール・ブリタニア」、「威風堂々第1番(Land of Hope and Glory)」、「エルサレム」「イギリス国歌(God Save The Queen)」「Auld Lang Syne」は一緒に歌う。
 その会場の雰囲気や空気が演奏に影響するということは時折ある。ロックやポップスなら普通だけど、クラシックだと違ってくる。全くないわけではない。演奏者が演奏し、それを聴いた観客の反応(拍手とか)や雰囲気がいい意味で演奏者に伝わり、演奏に反映される。無言だけれども、演奏者と観客がコミュニケーションしている。ライヴなら伝え合えるものがある。
 ラストナイトは無言ではなくダイレクトに声や手拍子などでもっと強く伝え合える。生で聴く音楽がいいなと思う理由を再確認しました。

 もうひとつ、自分のことを話すと、このラストナイトの当日、日本では早朝でしたが、私はこの日友人たちと旅行の予定を入れてしまっていました。普段ならラストナイトは家で生中継を聴いて、一緒に歌っちゃったりするのに…。でも私は、皆が寝静まっている朝早く起きて、布団の中でスマートフォンで生中継を静かに聴いていました。BBC Radio3は放送後30日間オンデマンド配信がある。後日のテレビ放送を観た方がわかりやすい。なのに、何故そこまでして生で聴きたかったのか。離れてはいるけれど、ロイヤル・アルバート・ホールのお客さんたちと同じように、一緒に演奏を聴きたかったから。世界中の人がこの生中継を観たり聴いたりしている。それに参加したかったから。リアルタイムの演奏を聴きたかったから。それが楽しいことだと思っている、知っているから。これも、「素晴らしい体験」なんだと思います。それを叶えてくれるラストナイト。叶えてくれる便利なスマホにも感謝です。

 プログラムの各曲について少し。最初の世界初演、キダン「Woke」は、アフリカ系アメリカ人への差別、社会の不平等を意識する「目覚め」。短い音が連続して、パルスのよう。それが曲になる。霧の中から音がはっきりとしてくるような印象を受けました。古代の楽器という「うなり木」。他にも小さなシンバルを並べたような「クロテイル」はエジプトで生まれた楽器なんだとか。こんな所にもアフリカが。
 「アイーダ」の「凱旋行進曲」の合唱の歌詞はまさにエジプト。今年の合唱もよかった。ヴェルディが使った特殊なチューバ「チンバッソ」。面白いなぁと見ていました。
 アカペラで歌われた、ローラ・マヴーラ「月に歌えば」はとても気に入りました。寂しい、落ち込んだ心に寄り添ってくれる優しい歌詞と歌。語りかけてくるようです。「月に歌えば」はマヴーラさんが歌う原曲があります。
Laura Mvula - Sing To The Moon
◇2013年プロムスバージョン:Laura Mvula: Sing to the Moon - Urban Classic Prom 2013
 ポップだけどしっとりした、素敵な歌です。

 エルガー「ため息(ソスピーリ)」はとても美しかった。この曲は弦楽とハープ、オルガンのための作品。オルガンと言うと、教会で聴くような響きだったり、ラストナイトを盛り上げるのに欠かせない楽器。それとは違う印象。
 「天国と地獄」は結構長い。各パートのソロが活躍する。ヴァイオリンのソロがきれいだったなぁ。フレンチカンカンの部分は、管楽器は大変だし、弦楽器は刻みが多いし、大変なんだなこの曲…。
 グレインジャー「民主主義の進軍歌」は、植民地支配されていたオーストラリアの民主制のための曲…それってイギリスに対抗するという意味じゃないですか。それをイギリスの音楽祭で演奏するのか…。合唱は意味のない言葉。意味がないのに、最後は美しくまとまるのだからすごい。
 
 今年も楽しかったです。最後、「Auld Lang Syne」を歌っていて、今年のプロムスも終わりなのかと寂しい気持ちになりました。また来年!!


 最後、細かすぎて伝わらないことを箇条書き。
・ラストナイトは風船の割れる音を気にしてはいけないと思いました。
・ダーハムさん、今年はバルコニーから。音楽通の皆さんがゲスト。曲解説などのVTRは減りました。
・BBCシンフォニーコーラスのターバンの方。第1部はターバンしてなかった?(ちゃんと確認できてない)第2部はユニオンジャックのターバンしてました。
・フルート首席のコックスさんのお髭が進化しているような。お隣は日本人楽団員の向井知香さん。
・第2部、指揮台が例年通り大変なことにwあのビーチボールはどこから出てきた?初登場のBBC響新副リーダー:Igor Yuzefovich(「イゴール・ユゼフォヴィチ」で合ってるかな?)さんがボールをキック。何だかかっこよかった。
・第2部の、男性陣のカラフルなタイを見るのが楽しみです。ティンパニさんは黄色。後は大体国旗柄。
・ティンパニさんのマレットの数が多い。それぞれ形状が違う。打楽器は奥が深い。
・指揮台にネコのぬいぐるみ。これはネコ好きなバートンさんへのものかな?
・「虹の彼方に」の「悩みなんてレモンのしずくのように消えている」素敵な表現。
・「アイ・ガット・リズム」の歌詞がいいな。こんな気持ちで生きられたら楽、幸せだろうな。
・「イギリスの海の歌による幻想曲」の前、オラモさんのMC.各野外会場へ「Hello!!」と挨拶するのが好きだったのに、今年はない…いや、ラジオ放送を録音したのを聞き直したらありました。何故カットした(BBCが既にカットしているのか、NHKがカットしたのか…?)。盛り上がっている各会場の雰囲気が伝わるシーンなのに。
・「トム・ボウリング」のチェロ首席モンクスさん。今年も泣かす演奏です。
・「ホーンパイプ」のYuzefovichさんのアドリブがいい。毎回リーダーのアドリブは楽しみです。今年はヴァイオリン全員を巻き込んだwそのメロディー、もしかして、「We will rock you」?
・「ホーンパイプ」、ヴァイオリンの皆さんがニヤニヤしてて楽しそうだったw
・今年も「ダニーボーイ(ロンドンデリーの歌)」にうるうるする…。「スカイ・ボート・ソング」は大好きです。
・「ホーム・スウィート・ホーム」、オーボエさん素晴らしいです。その後、「見よ、勇者は帰る」の冒頭でオラモさんがサムアップ。これは誰にあてたものだろう?オーボエさん?ホルンセクション?
・「エルサレム」聴けば聴くほどいい曲です。まだ歌えないので歌えるようになりたい。
・ラグビーW杯で、イギリスの4地域のチームを見て各野外会場のことを連想していました。イングランドの国歌「God Save The Queen」を歌えたのはプロムスのおかげです。
・だからNHKさん、「Auld Lang Syne」と「蛍の光」は違うものって言ってるでしょう。以前は「昔なじみ」のタイトルで訳してくれたのに。
・エンドロールは「1分で振り返るラストナイト」のあの動画。やっぱり編集うまい。
・昨年、来年のラストナイトの時にはイギリスはEU離脱しているんだろうなと書きました。まだ離脱してなかった。離脱そのものも行き先不透明。来年にはどうなっているんでしょう。でも、プロムスはプロムス。プロムスは楽しめるように。


【追記 191213】
 年末年始恒例、プロムス再放送の予定が出ました。
BBC Proms: 2019 Repeats
 「Christmas repeats」をクリック。
 大晦日の年越し前(グリニッジ標準時)にはラストナイトを放送します。毎年思うのだが、年越し直前の「Auld Lang Syne」…紅白かとw
 この再放送も全て、放送後30日間はオンデマンド配信があるので、お正月休みにゆっくりどうぞ。



 Proms公式による、ラストナイトのまとめ。
BBC Proms 2019:What happened at Last Night of the Proms 2019
 ツイッターで映像もツイートされていて、少し観ることができます。この他にもBBC Proms公式アカウントには映像付きのツイートがあるので見てみてください。

 バートンさんの「ルール・ブリタニア」
Rule, Britannia! (excerpt) with Jamie Barton and rainbow flag (BBC Proms 2019)


 1分で振り返る今年のラストナイト。編集上手い。
Best moments from Last Night of the Proms 2019


 ラストナイトの舞台裏写真集。かっこいいなぁ。
BBC Proms 2019:Backstage at the Royal Albert Hall during Last Night of the Proms 2019

 ジェイミー・バートンさんのインタビュー。プロムスのことも書かれています。
Newsweek 日本版:「カルメンはパンセクシュアルだと思う」 バイセクシャルのオペラ歌手ジェイミー・バートンに聞く

 



【過去記事】
・2014年:こんなクラシックコンサート観たことない! 「Proms(プロムス)」ラストナイトコンサート2014
・2015年はNHKが放送しなかったのでなし。
・2016年:一緒に音楽を楽しもう Proms(プロムス)2016 ラスト・ナイト・コンサート
・2017年:クラシック音楽の最前線で BBC Proms(プロムス) ラスト・ナイト 2017 まとめ
・2018年:18年ぶりの最終夜で BBC Proms(プロムス) ラスト・ナイト 2018

・2018年3月のBBC響来日公演:これがプロムスオーケストラ! オラモ & BBC交響楽団 @仙台


by halca-kaukana057 | 2019-11-28 23:23 | 音楽
 先日開催されたBBC Proms JAPAN.イギリスの夏の大音楽祭、プロムスを日本で初開催。
・過去記事:BBC Proms JAPAN プログラム発表 で、プロムスとは?

 私は行きませんでした(総合的なプログラムとか、ラストナイトの司会とか…)。でも、BBCのオーケストラ(今回来日したのはBBCスコティッシュ交響楽団。BBCのオーケストラは全部で5つあります)の海外公演は、基本的に後日BBC Radio3で放送されます。今回のプロムス ジャパンも放送が決まりました。

◇11/25 :BBC Radio3 : Afternoon Concert : BBC Scottish Symphony Orchestra in Japan - Mendelssohn, Tchaikovsky, Mahler
 1日目、Prom1の録音。
 メンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」Op.26
 チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 Op.23(ピアノ:ユリアンナ・アヴデーエワ)
 マーラー:交響曲第5番 嬰ハ短調

◇11/26 :BBC Scottish Symphony Orchestra in Japan - Sibelius, Tchaikovsky, Elgar
 Prom4とProm5の一部です。
 シベリウス:交響詩「フィンランディア」Op.26
 チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35(ヴァイオリン:ワディム・レーピン)
 シベリウス:交響曲第2番 ニ長調 Op.43
 細川俊夫:「プレリューディオ」 オーケストラのための
 エルガー:チェロ協奏曲 ホ短調 Op.85(チェロ:宮田大)

 上記リンク先、BBCのサイトでは、宮田大さんのお名前が「Dia Yimata」と表記されているのですが…(11月8日現在)。放送日までに直して欲しい。
 Prom5のブルッフとラフマニノフはなし。残念。

◇11/27 :BBC Scottish Symphony Orchestra in Japan - 'Last Night of the Proms'
 Prom6、ラストナイトの一部です。
 バーンスタイン:キャンディード序曲
 ミヨー: スカラムーシュ Op.165b(アルトサクソフォン:ジェス・ギラム)
 H.パーセル:夕べの讃美歌
 マルコム・アーノルド:4つのスコットランド舞曲 op.59-3「スコティッシュワルツ」
 プッチーニ:歌劇「ジャンニ・スキッキ」より「私のお父さん(O mio babbino caro)」
 (ソプラノ:森麻季)

◇11/29 :The BBC PO live from Salford and the BBC Scottish Symphony Orchestra in Japan
 番組の後半で、Prom6、ラストナイトの続きです。
 ロッシーニ:ウィリアム・テル 序曲
 ラヴェル:ツィガーヌ(ヴァイオリン:ワディム・レーピン)
 葉加瀬太郎:Another Sky
 山田耕筰:赤とんぼ(ピアノ伴奏)
 プッチーニ:歌劇『ラ・ボエーム』より「私が町を歩けば」(ソプラノ:森麻季)
 マクスウェル・デイヴィス Maxwell Davies:アン オークニー ウェディング ウィズ サンライズ(An Orkney Wedding, with Sunrise)

 トーマス・ダウスゴー:指揮、BBCスコティッシュ交響楽団

 ラストナイトは2日間にわたって放送します。しかし、2日間かけても、定番曲、威風堂々第1番(Land of Hope and Glory)はない模様です。書いていなくても放送されることがあるので、放送後確認したら追記するかも。
 ラストナイトなのに合唱団がいないのがなぁ…。

【追記】
 ようやく聴きました。正直、「これだけ?」 もっと演奏されたのでしょうが…。放送予定だった作品も何曲かカットされています。ますます物足りない。
 「赤とんぼ」はピアノ伴奏。オーケストラ伴奏だと思ったら。でも、これはこれで「赤とんぼ」の雰囲気が伝わっていいなと思う。海外の方はどう聴くんだろう。

 放送は、日本時間23時から。放送後30日間はオンデマンド配信があります。期間内は何度でも聴けます。
 プロムス ジャパンはテレビ朝日、BS朝日が主催。BS朝日で12月29日に放送があるそうです。どの程度放送するんだろう。

【追記 19.12.30】
 プロムス・ジャパンのBS朝日での放送を観ました。Radio3でのラストライトと同様、「これだけ…?」。映像で観たら違うのかなと思いましたが、映像を観たらもっとガッカリです。よかったところ…Radio3では放送しなかった(当初放送予定には合った) ワックスマン:カルメン幻想曲と、モリコーネ:ネッラ・ファンタジアは聴けてよかった。そう言えば「カルメン」のハバネラは本家プロムス ラストナイトでも演奏されました。

 以下、感想…行って「楽しかった」という方は読まないでください。

・全体的に、プロムスのラストナイトにはほど遠い。コピーですらない。ライトなクラシックコンサートでしかない。外来オケで、これ?
・Radio3で放送された曲目でもそうですが、ソリスト頼みな感じが強い。他のPromでオーケストラは魅せ場があったと思うけど、ラストナイトはオーケストラは伴奏でソリストメインなところがかなり残念。BBCスコティッシュ響の立場って一体?
・やっぱり司会が…テレビのためにやってますという感じが前面に出ている。何のためのラストナイトなのか。
・プロムスを名乗るなら、プロムスの創始者、しかも今年生誕150年のヘンリー・ウッドの銅像をレプリカでもいいから用意しようよと言いたい。プロムスの理念を日本の主催者はわかっているのかどうか。
・Radio3で聴けなかった「威風堂々第1番(Land of Hope and Glory)」、歌い出しの箇所が違います。「Land of Hope and Glory」の部分はまず1回は歌わずに聴いて(近年は歌っている人もいるけど…またはハミング)、2回目から歌う。その後第1主題に戻って、転調した3回目で大合唱。ジャパンは1回目から歌ってました。違います。
・司会の葉加瀬太郎と森麻季さん。特に葉加瀬氏はプロムス ジャパン アンバサダーを名乗るなら、「Land of Hope and Glory」の歌詞を歌詞カード見なくても歌えるようにして欲しかった。合唱団もいないのだから(合唱がいなかったのは本当に大失敗だと思っている。スコットランドから連れてこられなくても、日本の合唱団でもいいから)、あの大人しい会場を盛り上げたい、引っ張りたいならそのぐらいやる気出さないとどうかと思うのだが。つか、あの歌詞の意味は勿論わかってますよね?
・何故オルガンのない会場で開催したのか。「威風堂々」でオルガンがなく、これはますます盛り上がらない。
・「蛍の光」、本家の「Auld Lang Syne」のオーケストラ伴奏で歌っていたが、「蛍の光」と「Auld Lang Syne」は別物なのだと再確認、実感しました。あのオーケストラの演奏、編曲は「Auld Lang Syne」に合わせて作ってある。「we'll tak a cup o' kindness yet」の箇所、「We'll」の部分で音が上がるのだが、これを「蛍の光」の同じ箇所「明けてぞ」には合わない。この編曲で「蛍の光」は歌えない。合わせるのが難しかったのではないかと思う。メロディーは同じだけれども全然違う歌。
・観客にはユニオンジャック柄の手ぬぐいが配られ、それを国旗代わりに振る(自分で国旗を持ち込んでも可)形なのだが、振り方が形だけ。振ってるだけ。すごく見てて虚しかった。立ち見禁止、ホーンなどの鳴り物、風船なども持ち込み不可。国旗だけ振ればラストナイトになるものではないと実感しました。
・本家のあの会場のお客さん、プロマーさんたちと一緒に盛り上げよう、プロマーさんたちも盛り上がって行くぞ!!という雰囲気は、初めての開催では無理なのはわかってはいます。あの盛り上がりは歴史の積み重ねなのだから。国の違い、音楽やコンサートに対する考え方の違いもある。本家イギリスのプロムスのコピーははっきり言って無理。日本でやるなら、日本ならどんなプロムスができるか。そこから考えようよ。



 ちなみに、本家プロムスのラストナイトもちょうど25日の午前0時からBSプレミアムでテレビ放送されます。毎年のお楽しみです。本家の本場の盛り上がりを観たい方は是非。
 というか、本家ラストナイトを3年分ぐらい映画館などでライブビューイングして、本家の雰囲気を感じ理解してから日本開催したほうがよかったと思うんだけどな…。
NHK:プレミアムシアター


【追記】
・191125
 29日金曜日の放送が抜けていたので追記しました。

 あと、本家プロムスのラストナイトがBSプレミアムで放送されました。観ました。楽しかった!!感想は改めてじっくりと。
・今年のラストナイト含むプロムスの私選リスト。ラストナイトに関しても色々書いてます。:BBC Proms ( プロムス ) 2019 私選リスト その4 [9月] (随時追記中)
by halca-kaukana057 | 2019-11-08 22:06 | 音楽
 今年も、9月5日から8日まで、ラハティのシベリウスホールでシベリウス音楽祭(Sibelius Festival/Lahden Sibelius-festivaali)が開催されました。ラハティでシベリウス音楽祭が始まったのは2000年のこと。今年で20回目です。ホストオーケストラのラハティ交響楽団と、今年はロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団がゲスト。ストックホルム・フィルは交響曲第7番をシベリウス自身の指揮で世界初演したオーケストラです。

Sinfonia Lahti : SIBELIUS FESTIVAL 5.-8.9.2019

 演奏会の録音は、現在フィンランドYLEのラジオでストックホルム・フィル回がオンデマンド配信中。そのうち、ラハティ響の演奏会の録画を公開しているサイト Classic live で映像が公開されると思います。公開されたらまた追記します。
 では、今年のプログラムを。

◇9/5 Thu 05.09. at 19.00 Sibeliustalo KULLERVO
  ※演奏会動画(プログラム通して)
 ・お前に勇気があるか op.31-2
 ・渡し守の花嫁たち op.33
 ・火の起源 op.32
 ・クレルヴォ(クッレルヴォ)(交響曲) op.7
  / マルユッタ・テッポネン Marjukka Tepponen (ソプラノ)、トンミ・ハカラ Tommi Hakala(バリトン)、ポリテク合唱団
   ディーマ・スロボデニューク:指揮、ラハティ交響楽団

 初日から「クレルヴォ」。いいなぁ。早く聴きたいなぁ。前半の「お前に勇気があるか」「渡し守の花嫁」は男声合唱とオーケストラの作品。「火の起源」はカレワラからの作品で、バリトン独唱と男声合唱、オーケストラの作品。「火の起源」と「クレルヴォ」が一緒のプログラムというのがとても魅力的。

◇9/6 Fri 06.09. at 19.00 Sibeliustalo SYMPHONIES 5, 6 & 7
   ※2日目演奏会動画(プログラム通して)
 ・交響曲第5番 変ホ長調 op.82
 ・交響曲第6番 op.104
 ・交響曲第7番 op.105
  /トーマス・ダウスゴー:指揮、ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団

 ◇YLEでのラジオ放送オンデマンド:YLE Areena Radio : Konsertteja : Lahden Sibelius-festivaali: Tukholman kuninkaallinen filharmoninen orkesteri
 放送後30日間聴けます。「○○pv」が残り日数。

 2日目は後期交響曲を3作品。一度でいいから、一気に生で聴いてみたい…。ちなみに、指揮のダウスゴーさんはプロムスで5番の1915年初稿を指揮しましたが、シベリウス音楽祭では1919年版現行版です。

◇9/7 Sat 07.09. at 17.00 Sibeliustalo SIBELIUS´S SONGS
   ※3日目演奏会動画(プログラム通して)
 ・吟遊詩人 op.64
 ・アリオーソ op.3
 ・春はいそぎ過ぎゆく op.13-4
 ・もはや私は尋ねなかった op.17-1
 ・3月の雪の上のダイヤモンド op.36-6
 ・秋の夕べ op.38-1
 ・夜の騎行と日の出 op.55
 ・エン・サガ op.9
  / カリタ・マッティラ(ソプラノ)、ディーマ・スロボデニューク:指揮、ラハティ交響楽団

 3日目は管弦楽伴奏の歌曲の回。フィンランドの名ソプラノ、マッティラさんが歌います。聴いたことのないものも。シベリウスは歌曲やピアノ曲を数多く作曲していて、まだ全部把握できてない。もっと聴きたいなと思います。
 この回。「吟遊詩人」「夜の騎行と日の出」「エン・サガ」が入っているのが嬉しい。この3曲が同じ演奏会で聴けるなんて。

◇9/8 Sun 08.09. at 11.30 Sibeliustalo SIBELIUS ON A SUNDAY MORNING Choral and organ works by Sibelius
 ・イントラーダ op111a
 ・6つの歌 op.18 より
   1.失われた声/3.舟の旅/6.わたしの心の歌/4.島の火
 ・つぐみのように慌ただしく JS129
 ・祖国に JS98a
 ・ラカスタヴァ(愛する人) JS160c
 ・葬送曲 op.111b
 ・夢 JS64
 ・嘆くことなく JS69
 ・空気中に立ち昇る JS213
 ・1897年ヘルシンキ大学祝典のためのカンタータ JS106 より
   1.われらスオミの若者/3.Tää valon nuori vartiasto (These Young Guardians of Light)/10.Soi kiitokseksi Luojan (We Praise Thee, our Creator)/12.Oi Lempi, sun valtas ääretön on (O Love, Your Realm is Limitless)
 ・Herr Du Bist Ein Fels (Lord, You Are A Rock)
 ・フィンランディア賛歌
  / セッポ・ムルト Seppo Murto:指揮、オルガン、ドミナンテ合唱団、フォルケ・グラスベック:ピアノ

 最終日は合唱とオルガン作品。JS106はその後作品23として残りましたが、JS106は失われてしまいました。カレヴィ・アホが補完しており、BISのシベリウス全集にも入っています。この回、マニアックです。これでこそラハティのシベリウス音楽祭。


by halca-kaukana057 | 2019-09-11 22:55 | 音楽
 ロンドンで開催中の大音楽祭、BBC Proms (プロムス)、9月の私の選んだプロムリストです。もう9月。今年のお祭りもそろそろ終わりです。でも、ラストナイトのAuld Lang Syneを歌い終わるまでがプロムスです。楽しんでいきましょう。
 8月下旬から、その他の音楽祭…バルト海フェスティバルとか、ラハティ・シベリウスフェスティバルなどが始まります。各オーケストラのシーズンオープニングも。聴きたいオンデマンド配信がどんどん増える中で、プロムスと両立する…この時期は大変です。

・7月の各プロムの記事BBC Proms ( プロムス ) 2019 私選リスト その1 [7月] (随時追記中)
・8月前半BBC Proms ( プロムス ) 2019 私選リスト その2 [8月前半] (随時追記中)
・8月後半BBC Proms ( プロムス ) 2019 私選リスト その3 [8月後半] (随時追記中)


 今年の大きなテーマのひとつが、プロムスの創始者、サー・ヘンリー・ウッドの生誕150年。それを記念して、ウッドが初演(世界初演、イギリス初演、プロムス初演など)した作品を数多く取り上げています。公式サイトでは、ウッドの初演した作品には「Henry Wood Novelties」と表記があります。とにかく多いです。
 もうひとつの大きなテーマが宇宙。アポロ11号月面着陸から50年を記念してのプログラムです。宇宙に関する作品も多く演奏されます。

 プロムスの全公演は、BBC Radio3で放送されます。生放送を聴けなくても、30日間のオンデマンド配信があるので時間のある時にゆっくり楽しめます。再生はBBC Radio3の各プロムのページでどうぞ。今年はプロムス公式サイトで再生できない、リンクもないので、Radio3へのリンクを貼っておきます。
 パソコンからはそのままブラウザで。スマートフォンからは「BBC iPlayer Radio」のアプリを使うと便利です。無料でダウンロードできます。
 通常の放送だけでなく、Radio3の番組「Afternoon Concert」はプロムス期間中、各プロムの再放送をしています。オンデマンドの配信が期限切れで聴き逃してしまった、日本時間の22時からの放送でちょうど聴ける、という方はこちらもどうぞ。放送されないプロムもあるので注意。
BBC Radio3:Afternoon Concert

 今年も、バイノーラル・サウンドでの配信もしています。一部公演ですが、立体音響で楽しめます。普通のヘッドホンで構いませんので聴いてみてください。随時追加されていくと思います。配信公開期限はいつまでなのかわかりません。通常のオンデマンド公開期限の30日を一応目安にしておくと安心かと思います。
 期限が切れて聴けなくなっている曲が増えています。聴きたい曲はお早めに。
BBC Proms:Binaural Proms 2019

 去年のバイノーラル・サウンド配信もまだ残っているのでリンクしておきます。
BBC Proms 2018:Immerse yourself in music with spatial headphone mixes from the Proms


 では、9月の各プロムを見ていきましょう。

◇9/1 Prom 57: Mozart, Rachmaninov & Qigang Chen
   ◇(Prom57:Radio3)
 ・陳其鋼(チェン・チーガン/Qigang Chen):Wu Xing (五行/The Five Elements)
 ・モーツァルト:ピアノ協奏曲 第23番 イ長調 K.488
 ・ラフマニノフ:交響的舞曲 op.45
  / Eric Lu エリック・ルー(ピアノ)、余隆(ユー・ロン Long Yu):指揮、上海交響楽団

 アジアからの指揮者、オーケストラが登場です。プロムス初登場の上海交響楽団。日本以外のアジアのオーケストラはあまり聴いたことがないので楽しみ。1曲目、チェン・チーガンはメシアンの弟子。中国の伝統音楽を取り入れた作品。


◇9/1 Prom 58: Tchaikovsky, Janáček, Szymanowski and Linda Catlin Smith
   ◇(Prom58:Raio3)
 ・リンダ・カトリン・スミス Linda Catlin Smith:Nuages(世界初演)
 ・ヤナーチェク:ヴァイオリン弾きの子ども JW VI/14
 ・シマノフスキ:ハーフィズの愛の歌 op.26
 ・チャイコフスキー:交響曲第2番 ハ短調 op.17 「小ロシア」
  / ジョージア・ジャーマン(ソプラノ)、イラン・ヴォルコフ:指揮、BBCスコティッシュ交響楽団

 東欧、ロシアの民謡音楽にちなんだプロムです。ヤナーチェク「ヴァイオリン弾きの子ども」はヘンリー・ウッドがイギリス初演しました。チャイコフスキー2番は「小ロシア」と呼ばれています。ウクライナの民謡を用いています。私にとってはあまりなじみのない作品ばかりなので楽しみ。


◇9/2 Proms at … Cadogan Hall 7: Silesian String Quartet
   ◇(Proms CH7:Radio3)
 ・ヴァインベルク:弦楽四重奏曲 第7番 op.59
 ・グラジナ・バツェヴィチ Grażyna Bacewicz:ピアノ五重奏曲 第1番
  / ヴォイチェフ・シヴィタワ Wojciech Świtała(ピアノ)、シレジアン弦楽四重奏団 Silesian String Quartet

 今年生誕100年のヴァインベルクの室内楽作品を。ヴァインベルクは弦楽四重奏曲を17曲作曲しています。もうひとり、ポーランドの作曲家でヴァイオリニストのバツェヴィチ。ヴァインベルクより10歳年上。主に室内楽作品を作曲しています。ピアノのシヴィタワさんとシレジアン四重奏団は、ヴァインベルクもバツェヴィチも演奏してたスペシャリスト。CDも出ています。


◇9/2 Prom 59: Benvenuto Cellini
   ◇(Prom59:Radio3)
 ・ベルリオーズ:歌劇「ベンヴェヌート・チェッリーニ」
  / マイケル・スパイアーズ(ベンヴェヌート・チェッリーニ/テノール)、ソフィア・ブルゴス(テレーザ/ソプラノ)、マシュー・ローズ→マウリツィオ・ムラーノ(バルドゥッチ/バス)、タレク・ナズミ Tareq Nazmi(教皇クレメンス7世/バス)、クリスティアン・アダム→ヴィンセント・デルハウム Vincent Delhoume(フランチェスコ/テノール)、リオネル・ロート Lionel Lhote(フィエラモスカ/バリトン)、アデル・シャルヴェ Adèle Charvet(アスカーニオ/メゾソプラノ)、アシュリー・リッチズ(ベルナルディーノ/バリトン)
 Monteverdi Choir、ジョン・エリオット・ガーディナー:指揮、オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティック

 今年のプロムス2作目のオペラは、アニバーサリー・イヤーのベルリオーズの作品。全く知らない作品です。イタリア・ルネサンス期の彫刻家、ベンヴェヌート・チェッリーニが主人公。1938年初演されましたが、反応は不評。演奏頻度は少ないですが、徐々に演奏されることが増えてきているそうです。
 キャスト変更が2人ありましたので、追記しています。


◇9/3 Prom 60: Vienna Philharmonic and Bernard Haitink
   ◇(Prom60:Radio3)
 ・ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番 ト長調 op.58
 ・ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調 (ノヴァーク版)
  / エマニュエル・アックス(ピアノ)、ベルナルト・ハイティンク:指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

 今年はウィーンフィルの年です(ウィーンフィルとベルリンフィルが交互にやって来る)。指揮のハイティンクさん、引退を表明され、このプロムが引退公演の1つ前。つまり、最後のプロムスです。ハイティンクさんは1966年にプロムスに初登場。2016年にはプロムス出演50周年記念プロムもありました。初登場の際はBBC響を指揮。その時もブルックナー7番でした。最後もブルックナー7番で。
◇その時の記録:1966年8月22日、Prom27
 ベートーヴェンのピアノ協奏曲4番は、ペライアさんの予定でしたが、アックスさんに変更です。ペライアさんの体調が心配です。アックスさんの演奏はとてもよかったです。


◇9/4 Prom 61: Vienna Philharmonic and Andrés Orozco-Estrada
   ◇(Prom61:Radio3)
 ・ドヴォルザーク:交響詩「真昼の魔女」op.108
 ・コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.35
 ・ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調 op.95 「新世界より」
  / レオニダス・カヴァコス(ヴァイオリン)、アンドレス・オロスコ=エストラーダ:指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

 ウィーンフィル2日目は、オロスコ=エストラーダさん。南米出身の指揮者の、アメリカに縁のある作曲家、ドヴォルザークとコルンゴルトを。ドヴォルザークの「真昼の魔女」は初めて聞きました。ヘンリー・ウッドがイギリス初演しています。チェコの詩人エルベンの詩集の中の作品を元にした曲で、遊んでいた子どもがぐずり、泣き始めてしまい、母親が「泣き止まないと真昼の魔女が来る」と脅すと、本当に魔女が来て不気味な踊りを踊り、子どもを殺してしまう…という話。怖いよ…。
 コルンゴルトはユダヤ系で、ナチスから逃げアメリカに亡命。オペラ「死の都」を以前テレビで観て、印象に残っています。ヴァイオリン協奏曲もまだそんなに聞き込んでいないのでしっかり聴きたい。

◇9/5 Prom 63: Yuja Wang plays Rachmaninov
   ◇(Prom63:Radio3)
 ・ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 op.30
 ・ブラームス:交響曲第2番 ニ長調 op.73
  / ユジャ・ワン(ピアノ)、チョン・ミョンフン:指揮、シュターツカペレ・ドレスデン

 ウィーンフィルの次はシュターツカペレ・ドレスデン。まずはユジャ・ワンさんのピアノでラフマニノフの3番コンチェルト。後半はブラームス2番。


◇9/7 Prom 65: Mozart, Beethoven & R. Strauss
   ◇(Prom65:Radio3)
 ・モーツァルト:後宮からの誘拐 K.384 序曲
        :レチタティーヴォとアリア K.316(レチタティーヴォ「テッサリアの民よ」とアリア「不滅の神々よ、私は求めず」)
        :カッサシオン 第1番 ト長調 K.63
        :アリア「いいえ、あなたにはできません(No, no, che non sei capace) K. 419
        :交響曲第35番 ニ長調 K.385 「ハフナー」
 ・リヒャルト・シュトラウス:歌劇「カプリッチョ」より前奏曲(弦楽六重奏)
              :歌劇「ナクソス島のアリアドネ」より「偉大なる王女さま!(Grossmächtige Prinzessin!)」
 ・ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 op.92
  / ダナエ・コントラ Danae Kontora(ソプラノ)、コンスタンティノス・カリディス:指揮、ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団

 ギリシャ出身のソプラノと指揮者による、オペラと交響曲のプロム。とても華やかな選曲です。最後はベートーヴェン7番で。これはどんなベト7になるのか。


◇9/8 Prom 66: John Luther Adams's In the Name of the Earth
 ・ジョン・ルーサー・アダムズ:In the Name of the Earth(ヨーロッパ初演)
  / BBCシンフォニーコーラス、Crouch End Festival Chorus、Hackney Empire Community Choir、London International Gospel Choir、ロンドン・フィルハーモニック合唱団、ロンドン交響楽団合唱団、LSO Community Choir、Victoria Park Singers
 ネヴィル・クリード Neville Creed,ニール・フェリス Neil Ferris,サイモン・ホールジー Simon Halsey,デイヴィット・テンプル David Temple:指揮

 アメリカの作曲家、ジョン・ルーサー・アダムズの新曲です。8つの合唱団、総勢600人…すごい。そんな大人数での合唱…どんな曲なんだろう…?初演は2018年、ニューヨークの音楽祭「モーストリー・モーツァルト・フェスティバル」にて。この時もでしたが、今回も観客も最後のテーマを一緒に歌っていいとのこと。ラストナイトの大合唱みたいなことになるのか…?想像がつかない。聴くしかあるまい。映像も観てみたい。600人の大合唱。
 指揮者も4人います。BBC Proms公式のリハーサル画像を見てみたら、合唱団をいくつかに分けて、それぞれ指揮者が付いているみたいです。



◇9/8 Prom 67: Sakari Oramo conducts Sibelius
   ◇(Prom67:Radio3)
 ・ムソルグスキー(リムスキー=コルサコフ:編曲):はげ山の一夜 ニ短調
 ・ルイ・アンドリーセン Louis Andriessen:The Only One(イギリス初演)
 ・ジュディス・ウィアー Judith Weir:森
 ・シベリウス:交響曲第5番 変ホ長調 op.82 (1919年、現行版)
  / ノラ・フィッシャー(歌)、サカリ・オラモ:指揮、BBC交響楽団

 テーマは森、自然のプロム。しかも、他のプロムで演奏された作品と関連がある作品が並びます。「はげ山の一夜」はヘンリー・ウッドがイギリス初演しました。1867年、ムソルグスキー自身による原典版を発表しますが不評。その後、ロシア五人組の合作でオペラを作曲する計画が持ち上がり、ムソルグスキーは合唱を加えて書き換えます。オペラは完成前に中断されてしまいました。その後、リムスキー=コルサコフが単独で「ムラダ」を作曲しますが、それがProm41で演奏された「ムラダ」です。「はげ山の一夜」は登場しません。リムスキー=コルサコフが編曲したのは、ムソルグスキーの死後でした。
 アンドリーセンはオランダの作曲家。ジュディス・ウィアーはProm35のブラビンズさんのための新「エニグマ」に参加。「森」を描いた作品に続くのはシベリウスの5番。Prom20で1915年初稿を演奏しましたが、このプロムでは現行版を。シベ5をどちらも聴けるなんて今年のプロムスはいいなぁ。Prom20の初稿は、バイノーラルサウンドであればまだ聴けます(9月10日現在。曲の前に、前奏曲のような形でシベ5の断片やフィンランド民謡をカンテレなどでの演奏、歌が入ります。)。上記リンク先からどうぞ。
 今年のBBC響は全11公演。これが10公演目。次はラストナイトです。


◇9/9 Prom 68: Wagner Night
   ◇(Prom68:Radio3)
 ・ウェーバー:魔弾の射手 序曲
 ・ワーグナー:「ジークフリート」 より 「森のささやき」
 ・フランク:呪われた狩人
 ・ワーグナー:「神々の黄昏」より「夜明けとジークフリートのラインへの旅」
       :        デュエット「新たな武勲へ向かう、大事な勇士よ」
       :        「ジークフリートの死と葬送行進曲」
       :        「ブリュンヒルデの自己犠牲」
  / クリスティン・ゴアーク(ソプラノ)、ステファン・グールド(テノール)、マルク・アルブレヒト:指揮、ロイヤル・フィルハーモニック管弦楽団

 自分のことを書いてしまうが、マーラーやブルックナーよりも、ワーグナーの方が苦手意識が強いかもしれない。物語も音楽も壮大すぎてついて行けない。聴けばいい音楽だなと思うのだが、自分から聴こうとは思わない…。ワーグナーの楽劇はすごいとか言われても、正直よくわからない…(声楽やってるのにそれでいいのかと思うが…)。そんなワーグナーのプロム。これを聴いて、少しは親しめるようになるか…?
 ワーグナーの他にもウェーバーとフランクの、印象的な物語の音楽。


◇9/10 Prom 69: Smetana, Shostakovich & Tchaikovsky
   ◇(Prom69:Radio3)
 ・スメタナ:売られた花嫁 序曲、3つの踊り
 ・チャイコフスキー:エフゲニー・オネーギン 手紙の場
 ・ショスタコーヴィチ:交響曲第8番 ハ短調 op.65
  / エレーナ・スティヒナ Elena Stikhina(ソプラノ)、セミヨン・ビシュコフ:指揮、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団

 Prom33でBBC響を指揮したビシュコフさんが、今度はチェコフィルを連れてきました。チャイコフスキーとショスタコーヴィチは、ヘンリー・ウッドがイギリス初演しました。スメタナの「売られた花嫁」は、序曲はよく聴きますが「3つの踊り」は初めて聴きます。「エフゲニー・オネーギン」からは、オネーギンに恋したタチアーナが、オネーギンへの思いをしたためるアリア「私は死んでもいいの」を含む「手紙の場」を。最後はショスタコーヴィチ8番。7番に続く戦争交響曲。


◇9/11 Prom 71: Bach Night
   ◇(Prom71:Radio3)
 ・J.S.バッハ:管弦楽組曲 第4番 ニ長調 BWV1069
 ・ニコ・マーリー Nico Muhly:Tambourin (世界初演)
 ・J.S.バッハ:管弦楽組曲 第1番 ハ長調 BWV1066
 ・スティーヴィー・ウィッシャート Stevie Wishart:The Last Dance?(世界初演)
 ・Ailie Robertson:Chaconne シャコンヌ (世界初演)
 ・J.S.バッハ:管弦楽組曲 第2番 ロ短調 BWV1067
 ・スチュアート・マクレー Stuart MacRae:Courante クーラント (世界初演)
 ・J.S.バッハ:管弦楽組曲 第3番 ニ長調 BWV1068
  / ジョン・バット:指揮、Dunedin Consort

 バッハの作品と現代作品(しかも全部世界初演)を組み合わせたプロム。以前もこういうプロムがありましたね。「管弦楽組曲」全4作に現代の作曲家、しかも若手、ジャンルの垣根を越えた活動をしている作曲家も参加しています。タイトルはバッハの作品と同じように、舞曲になっている。どんな音楽になるんだろう。


◇9/12 Prom 72: Symphonie fantastique
   ◇(Pom72:Radio3)
 ・ベルリオーズ:幻想交響曲 op.14
  / ニコラス・コロン:指揮、オーロラ管弦楽団 他

 アニバーサリーイヤーのベルリオーズの代表作、幻想交響曲。このプロムではただオーケストラが演奏するだけではなく、様々な演出、解説があります。そして、オーロラ管弦楽団といえば暗譜での演奏。こういうプロムは映像で観たい。
 ちなみに、指揮のコロンさんは、フィンランド放送響の次期首席指揮者に決まりました。フィンランド放送響始まって以来の、フィンランド人以外の首席指揮者です。


◇9/13 Prom 74: Beethoven Night
   ◇(Prom74:Radio3)
 ・ヘンデル(マンゼ:編曲):王宮の花火の音楽 HWV 351
 ・ベートーヴェン:ああ、不実なる人よ op.65
 ・J.S.バッハ(エルガー:編曲):幻想曲とフーガ ハ短調 BWV 537
 ・ベートーヴェン:歌劇「フィデリオ」序曲
         :        「人間の屑! かかってきなさい、希望は捨てないわ、最後には星が出る」(Abscheulicher! …Komm, Hoffnung, lass den letzten Stern)
         :交響曲第5番 ハ短調 op.67
  / エリザベス・ワッツ(ソプラノ)、アンドリュー・マンゼ:指揮、NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団

 マンゼさんとNDRエルプフィルの登場です。ベートーヴェンを中心にしたドイツプログラム。1曲目のヘンデル「王宮の花火の音楽」は、マンゼさん自身による編曲。バッハの「幻想曲とフーガ」もエルガーの編曲。歌曲に、オペラ「フィデリオ」のアリアも。最後は5番「運命」。
 来年はベートーヴェンのアニバーサリーイヤー。たくさん聴けそうですね。
 さて、残すプロムはあとひとつ。ラストナイトです。


◇9/14 Prom 75: Last Night of the Proms
   ◇(Prom75:Radio3)
 ・ダニエル・キダン Daniel Kidane:Woke (世界初演)
 ・ファリャ:バレエ組曲「三角帽子」第2組曲
 ・ローラ・マヴーラ Laura Mvula:Sing to the Moon
 ・マコンキー:輝かしきテムズ
 ・エルガー:ソスピーリ(ため息) op.70
 ・ビゼー:歌劇「カルメン」 より 「恋は野の鳥」(ハバネラ)
 ・サン=サーンス:歌劇「サムソンとデリラ」 より 「あなたの声に私の心も開く」('Mon coeur s'ouvre à ta voix')
 ・ヴェルディ:歌劇「ドン・カルロ」 より「むごい運命よ」(O don fatale)
       :歌劇「アイーダ」 より 凱旋行進曲
 ・オッフェンバック:歌劇「天国と地獄(地獄のオルフェウス)」序曲
 ・グレインジャー:マーチングソング・オブ・デモクラシー
 
 ・ハロルド・アーレン:「オズの魔法使い」 より 「虹の彼方に(Over the Rainbow)」
 ・ガーシュイン:アイ・ガット・リズム
 ・ヘンリー・ウッド:イギリスの海の歌による幻想曲
 ・アーン(サージェント:編曲):ルール・ブリタニア!
 ・エルガー:威風堂々 第1番 ニ長調 「希望と栄光の国(Land of Hope and Glory)」
 ・パリー(エルガー:編曲):エルサレム
 ・ブリテン:編曲:イギリス国歌
 ・スコットランド民謡(Paul Campbell:編曲):Auld Lang Syne
  / ジェイミー・バートン(メゾソプラノ)、BBCシンガーズ、BBCシンフォニーコーラス
  サカリ・オラモ:指揮、BBC交響楽団

 ラストナイトです。今年の指揮はオラモさん。「ルール・ブリタニア」他、声楽ソロはメゾのバートンさん。メゾが活躍するオペラアリアをたくさん聴けるのが嬉しい。
 エルガーの「ソスピーリ」は、1914年のファーストナイトでヘンリー・ウッドが世界初演しました。今年を含めて、意外にも3回しか演奏していません。
1914年8月15日:Prom 01 - First Night of the Proms 1914
 当時は、現在ではラストナイトの定番曲の「イギリスの海の歌による幻想曲」や「威風堂々第1番(Land of Hope and Glory)」をファーストナイトでやっていたんですね。ヘンリー・ウッドを称える今年のプロムスのラストナイトは、「イギリスの海の歌による幻想曲」は欠かせません。
 ラストナイトも女性作曲家が活躍。月面着陸50年のプロムスを締めくくるのは、シンガー・ソングライターとして活躍しているローラ・マヴーラさんの「Sing to the Moon」.もう1曲、エリザベス・マコンキーの作品も。ロンドンの情景が浮かんでくる作品。
 ミュージカル「オズの魔法使い」の「虹の彼方に」も入っています。今年で80周年。これも皆で大合唱かな。
 ラストナイトの曲順変更、追加曲がありました。ガーシュインの「アイ・ガット・リズム」も。これは元々はミュージカル「ガール・クレイジー」の歌だったんですね。これはバートンさんの歌が炸裂しそう。ミュージカルソングが2曲になりました。これは楽しいぞ。

 ラストナイトは音声だけ聴いても楽しいですが、映像を観てこそ…今年もテレビ放送お願いしますNHKさん。
 ラストナイトは終演後に公式の画像や映像の一部がアップされると思うので、また追記します。楽しみだなぁ。

【ラストナイト追記】
 ラストナイトは第2部を生中継で聴きました。第1部はこれから。
 Proms公式による、ラストナイトのまとめです。
BBC Proms 2019:What happened at Last Night of the Proms 2019
 ツイッターで映像もツイートされていて、少し観ることができます。この他にもBBC Proms公式アカウントには映像付きのツイートがあるので見てみてください。

BBC News:'Queer girl with a nose ring' rocks the Last Night of the Proms
 ラストナイトに関してのニュース記事です。

 今年のラストナイト。「ルール・ブリタニア」では、メゾソプラノのジェイミー・バートンさんが歌ったのですが、歌いながら虹色の旗を振っていました。LGBTのシンボルの虹色。バートンさんもLGBTなのだそうです。その前に歌った「オズの魔法使い」の「虹の向こうに」もそういう意味があったのか。
Rule, Britannia! (excerpt) with Jamie Barton and rainbow flag (BBC Proms 2019)


 1分で振り返る今年のラストナイト。編集上手い。
Best moments from Last Night of the Proms 2019


 ラストナイトの舞台裏写真集。かっこいいなぁ。
BBC Proms 2019:Backstage at the Royal Albert Hall during Last Night of the Proms 2019

【さらに追記】
 NHKでのテレビ放送が決まりました!
NHK:プレミアムシアター
 11月25日(月)午前0時(24日(日)24時)、NHKBSプレミアムです。楽しみ!!
【追記の追記】
ライヴなら伝え合える BBC Proms ( プロムス ) ラスト・ナイト 2019 まとめ
 今年のラストナイトの感想記事です。


 ということで、2019年のプロムス、私の選んだプロムリストでした。オンデマンドは30日間、ラストナイトなら10月14日ごろまで聴けるので、何回でもどうぞ。

by halca-kaukana057 | 2019-08-30 21:22 | 音楽
 ロンドンで絶賛開催中の「BBC Proms」。8月後半の私が選んだプロムリストです。8月後半も盛りだくさんです。そろそろ、オンデマンドを聴くのに遅れが出てきました…。
 7月はじめの頃のプロムのオンデマンド配信が終わりに近づいているものもあります。聴き逃しのないよう確認を。バイノーラル・サウンド配信の楽曲も増えています。


・7月の各プロムの記事BBC Proms ( プロムス ) 2019 私選リスト その1 [7月] (随時追記中)
・8月前半BBC Proms ( プロムス ) 2019 私選リスト その2 [8月前半] (随時追記中)


 今年の大きなテーマのひとつが、プロムスの創始者、サー・ヘンリー・ウッドの生誕150年。それを記念して、ウッドが初演(世界初演、イギリス初演、プロムス初演など)した作品を数多く取り上げています。公式サイトでは、ウッドの初演した作品には「Henry Wood Novelties」と表記があります。とにかく多いです。
 もうひとつの大きなテーマが宇宙。アポロ11号月面着陸から50年を記念してのプログラムです。宇宙に関する作品も多く演奏されます。

 プロムスの全公演は、BBC Radio3で放送されます。生放送を聴けなくても、30日間のオンデマンド配信があるので時間のある時にゆっくり楽しめます。再生はBBC Radio3の各プロムのページでどうぞ。今年はプロムス公式サイトで再生できない、リンクもないので、Radio3へのリンクを貼っておきます。
 パソコンからはそのままブラウザで。スマートフォンからは「BBC iPlayer Radio」のアプリを使うと便利です。無料でダウンロードできます。
 通常の放送だけでなく、Radio3の番組「Afternoon Concert」はプロムス期間中、各プロムの再放送をしています。オンデマンドの配信が期限切れで聴き逃してしまった、日本時間の22時からの放送でちょうど聴ける、という方はこちらもどうぞ。放送されないプロムもあるので注意。
BBC Radio3:Afternoon Concert

 今年も、バイノーラル・サウンドでの配信もしています。一部公演ですが、立体音響で楽しめます。普通のヘッドホンで構いませんので聴いてみてください。随時追加されていくと思います。配信公開期限はいつまでなのかわかりません。通常のオンデマンド公開期限の30日を一応目安にしておくと安心かと思います。
BBC Proms:Binaural Proms 2019

 去年のバイノーラル・サウンド配信もまだ残っているのでリンクしておきます。
BBC Proms 2018:Immerse yourself in music with spatial headphone mixes from the Proms

 では、8月後半の各プロムを見ていきましょう。

◇8/16 Prom 40: Queen Victoria's 200th Anniversary
   ◇(Prom40:Radio3)
 ・アーサー・サリヴァン:バレエ音楽「ヴィクトリア朝とメリー・イングランド」組曲
 ・メンデルスゾーン:ピアノ協奏曲 第1番 ト短調 op.25
 ・サクス=コバーグ=ゴータ公子アルバート:歌曲集
 ・メンデルスゾーン:交響曲第3番 イ短調 op.56「スコットランド」
  / アレッサンドロ・フィッシャー(テノール)、スティーヴン・ハフ(ピアノ)、アダム・フィッシャー:指揮、エイジ・オヴ・インライトゥンメント管弦楽団

 ヴィクトリア女王生誕200年を記念してのプロムです。サリヴァンはオペレッタ「ミカド」の作曲家。ヴィクトリア女王はメンデルスゾーンがお気に入りでした。ピアノ協奏曲1番と、「スコットランド」交響曲を。ヴィクトリア女王の夫、プリンス・コンソート・アルバートは作曲もしていました。その作曲した歌曲も。プロムスのメイン会場、ロイヤル・アルバート・ホールは、アルバート公に捧げられたホール。2017年のラストナイトのテレビ放送で、ロイヤル・アルバート・ホールの歴史を紹介していましたね。
 ピアノ協奏曲のピアノですが、ヴィクトリア女王のエラールのピアノなのだそうです。公式の写真を見ましたが、金ぴかのとても豪華なピアノ。音色も現代のピアノとは違う音色。アルバート公の歌曲集は、このピアノで伴奏をしています。ピアノ演奏はピアノ協奏曲に続きハフさん。アルバート公に捧げられたホールで、ヴィクトリア女王のピアノを演奏し、アルバート公の作曲した歌曲を演奏する。こういう趣向のプロムもいいですね。
 ラジオ録音で聴いているからいいのだが、実際のコンサートではあの大きなホールであのピアノはどう響いたんだろう。後ろの席、一番上のバルコニーまで音は届いたのだろうか。

 ハフさんのアンコールの映像がYouTubeに上がっていました。すごいピアノだ…。
Proms encore played on Queen Victoria's golden piano (BBC Proms 2019)
 ショパン:ノクターン 第2番 変ホ長調 op.9-2


◇8/17 Proms at … Holy Sepulchre London
   ◇(Proms at … Holy Sepulchre London:Radio3)
 ・ウォルトン:Where does the uttered music go? 絶対音楽はどこへ行くのか
 ・ブリテン:Sacred and Profane op.91 神聖と世俗
 ・アイアランド:聖なる少年
 ・シア・マスグレイヴ Thea Musgrave:Rorate coeli
 ・エリザベス・マコンキー Elizabeth Maconchy:Three Donne Songs – No. 1: A Hymn to God the Father
 ・ヴォーン=ウィリアムズ:真理のために勇敢に Valiant for truth
 ・ジュディス・ウィアー Judith Weir:Missa del Cid エル・シッドのミサ
 ・ジョアンナ・リー Joanna Lee:At this man’s hand (世界初演)
  / ソフィ・イェアンニン Sofi Jeannin:指揮、BBCシンガーズ

 BBCシンガーズの無伴奏合唱プロム。イギリスの宗教合唱曲を集めています。


◇8/17 Prom 41: Rimsky-Korsakov, Rachmaninov, Lyadov & Glazunov
   ◇(Prom41:Radio3)
 ・リムスキー=コルサコフ:歌劇「ムラダ(Mlada)」組曲
 ・ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第1番 嬰ヘ短調 op.1 (1891年初稿)
 ・リャードフ:バーバ・ヤガー op.56、キキーモラ op.63、ヨハネの黙示録より op.66
 ・グラズノフ:交響曲第5番 変ロ長調 op.55
  / アレクサンドル・ギンジン Alexander Ghindin (ピアノ)、ウラディミール・ユロフスキ:指揮、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団

 ユロフスキさんとロンドン・フィルのオール・ロシア・プロムです。しかも、全曲ヘンリー・ウッドが初演しました。リムスキー=コルサコフとラフマニノフは世界初演。リャードフとグラズノフはイギリス初演。すごい。
 ラフマニノフのピアノ協奏曲第1番は1917年に改訂されています。今回演奏するのは初稿です。ラフマニノフが卒業試験のために作曲しました。
 Prom18でも書きましたが、ロンドン・フィルの次期首席指揮者が、エドワード・ガードナーさんに決定しました。


8/18 ◇Prom 42: Youthful Beginnings
   ◇(Prom42:Radio3)
 ・ベートーヴェン:交響曲第1番 ハ長調 op.21
 ・クララ・シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 op.7
 ・ソフィア・グバイドゥーリナ Sofia Gubaidulina:おとぎ話の詩
 ・ショスタコーヴィチ:交響曲第1番 ヘ短調 op.10
  / マリアム・バタシヴィリ(ピアノ)、ラファエル・パヤーレ:指揮、アルスター管弦楽団

 作曲家たちの若き日の作品を集めました。ベートーヴェンの1番は、全音のソナチネアルバム1巻に第2楽章が収録されていますね。注目はクララ・シューマンのピアノ協奏曲。ロベルト・シューマンの妻で、ピアニストとして活躍したクララ。作曲作品も残っています。ロベルトのピアノ協奏曲と同じイ短調。ピアノソロのバタシヴィリさんは先日来日してましたね。ショスタコーヴィチも交響曲第1番。


◇8/19 Proms at … Cadogan Hall 5: Louise Alder
   ◇(Prom CH5:Radio3)
 ・シューベルト:糸を紡ぐグレートヒェン D118、夜と夢 D827、ます D550
 ・メンデルスゾーン:歌の翼に op.34-2、月 op.86-5、新しい恋 op19a-4
 ・ファニー・メンデルスゾーン=ヘンゼル:山の喜び op.10-5、なぜばらはこんなに青ざめているの op.1-3、南へ op.10-1
 ・リスト:喜びでいっぱい、そして悲しみでいっぱい S.280、おお愛せよ、お前が愛しうるかぎり S.298、もし素敵な芝生があれば FWV.78、おお!私が眠る時 S.282、「どうやって」彼らは尋ねた S.276
 ・ショパン:願い op.74-1、素敵な若者 op.74-8
 ・ロッシーニ:スペインのカンツォネッタ
  / ルイーズ・オルダー(ソプラノ)、ゲイリー・マシューマン(ピアノ)

 カドガンホールシリーズ、5回目はロマン派の歌曲を。ファニー・メンデルスゾーンはフェリックスの姉。リストやショパンの歌曲はあまり聴かないので聴いてみる。ドイツリートは今私も取り組んでいるものがあるので、作品は違いますがドイツリートの発音や歌の雰囲気などを学べたら。
 リストの「おお愛せよ、お前が愛しうるかぎり」は、ピアノ曲「愛の夢 第3番」として有名なあの曲です。


◇8/19 Prom 43: Beethoven’s Ninth Symphony
   ◇(Prom43:Radio3)
 ・ジョナサン・ダウ:We Are One Fire (世界初演)
 ・ディーター・アマーン Dieter Ammann:ピアノ協奏曲 (世界初演)
 ・ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 op.125「合唱付き」
  / アヌ・コムシ(ソプラノ)、ヒラリー・サマーズ(コントラルト)、ミカエル・ヴェイニウス Michael Weinius(テノール)、ミカ・カレス Mika Kares(バス)
アンドレアス・ヘフリガー(ピアノ)
BBCシンフォニーコーラス
ネイル・フィリス、サカリ・オラモ:指揮、BBC交響楽団

 8月19日は声楽回か。第九も毎年どこかのオケが演奏するプロムス定番曲。今年はオラモさん指揮、BBC響です。その前に世界初演作品を2つ持ってくるのがプロムスらしい。1曲目のダウさんの作品は合唱曲。BBC響の合唱監督のフィリスさんが指揮します。アマーンさんのピアノ協奏曲新曲と第九はオラモさん。昨年のロイヤル・ストックホルム・フィル来日(日本・スウェーデン国交樹立150年記念演奏会)で、第九もあり、聴きに行きたいなと思ったのですが行けず。オケは違いますが(あと、プロムスという舞台も特殊だと思う)オラモさんが指揮する第九を聴いたことがないので聴いてみたい。


◇8/20 Prom 44: Belshazzar’s Feast
   ◇(Prom44:Radio3)
 ・シャルル・ケクラン Charles Koechlin:レ・バンダール・ログ
 ・ヴァレーズ:アメリカ(1921年初稿)
 ・ウォルトン:ベルシャザールの饗宴
  / ジェラルド・フィンリー(バリトン)、Orfeó Català、Orfeó Català Youth Choir、ロンドン・シンフォニー・コーラス、サイモン・ラトル:指揮、ロンドン交響楽団

 ラトルさんとロンドン響の登場です。1曲目のケクランについては初めて知りました。小説「ジャングル・ブック」を基に作曲されたそう。ヴァレーズの「アメリカ」は初稿。現行版は何度か聴いたことがあるのですが、初稿は初めて。メインはウォルトンの方の「ベルシャザールの饗宴」。シベリウスではない。バリトンソロは、昨年のラストナイトで大活躍したフィンリーさん。


◇8/22 Prom 46: City of Birmingham Symphony Orchestra
 ・ドロシー・ハウエル Dorothy Howell:交響詩「ラミア」
 ・エルガー:チェロ協奏曲 ホ短調 op.85
 ・オリヴァー・ナッセン:ヤンダー城への道 op.21a
 ・ヴァインベルク:交響曲第3番 (ロンドン初演)
  / シェク・カネー=メイソン(チェロ)、ミルガ・グラジニーテ=ティーラ:指揮、バーミンガム市交響楽団

 グラジニーテ=ティーラさんとバーミンガム市響(CBSO)の登場です。1曲目、ドロシー・ハウエルはイギリスの女性作曲家。バーミンガムの生まれだそうです。この「ラミア」は、ウッドが世界初演しています。どんな曲だろう。エルガーのチェロ協奏曲のソロは、ヘンリー王子の結婚式で演奏したことで有名になったカネー=メイソンさん。昨年プロムス直前に亡くなったナッセンさんの作品も取り上げます。メインは再び登場ヴァインベルク。これもロンドン初演。


◇8/23 Prom 47: Leipzig Gewandhaus Orchestra
   ◇(Prom47:Radio3)
 ・J.S.バッハ:幻想曲とフーガ ト短調 BWV542
       :カンタータ147番 BWV147「心と口と行いと生活で」
       :前奏曲 BWV552 「聖アン」
       :シュープラー・コラール集 第1曲「目覚めよと呼ぶ声あり」 BWV645 より「主よ、人の望みの喜びよ」
       :フーガ BWV 552 「聖アン」
 ・ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調 (1890年版 ノヴァーク版)
  / ミヒャエル・シェーンハイト Michael Schönheit(オルガン)、アンドリス・ネルソンス:指揮、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団

 ネルソンスさんとライプツィヒ・ゲヴァントハウス管の登場です。前半はバッハの作品を、ライプツィヒのオルガニスト、シェーンハイトさんの演奏で。バッハがオルガンを弾いていたのライプツィヒ。後半はブルックナー8番。Prom31でも書きましたが、今年のプロムスは、演奏する版・稿を明記しています。


◇8/24 Prom 48: Rachmaninov, Prokofiev & Silvestri
   ◇(Prom48:Radio3)
 ・コンスタンティン・シルヴェストリ Constantin Silvestri:弦楽オーケストラのための3つの小品
 ・プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番 ト短調 op.16
 ・ラフマニノフ:交響曲第2番 ホ短調 op.27
  / チョ・ソンジン(ピアノ)、クリスティアン・マチェラル:指揮、BBC交響楽団

 指揮のマチェラルさんは、新シーズンからケルンWDR交響楽団の首席指揮者になる方。サラステさんの後継です。1曲目のシルヴェストリ。シルヴェストリはルーマニアの指揮者で作曲家。今年、没後50年です。ボーンマス響の首席指揮者で、イギリスに帰化しました。2曲目からはロシアの作曲家たちを。


◇8/26 Proms at … Cadogan Hall 6: Amatis Trio
   ◇(Prom CH6:Radio3)
 ・シューマン:アダージョとアレグロ 変イ長調 op.70
 ・クララ・シューマン:3つのロマンス op.22
           :ピアノ三重奏曲 ト短調 op.17
  / Amatis Piano Trio

 シューマン夫妻の室内楽作品を。元々はピアニストを目指したシューマン、ピアニストのクララ。ピアノとは相性がいい2人です。クララの「3つのロマンス」はピアノとヴァイオリンのための作品。


◇8/26 Prom 50: Orchestre de Paris
   ◇(Prom50:Radio3)
 ・シューマン:ゲノフェーファ 序曲 op.81
 ・イェルク・ヴィトマン Jörg Widmann:バビロン組曲 (ロンドン初演)
 ・ベートーヴェン:交響曲第6番 ヘ長調 op.68 「田園」
  / ダニエル・ハーディング:指揮、パリ管弦楽団

 ハーディングさんは先日パリ管の首席指揮者を退任。でも、パリ管とプロムス登場です。2曲目のヴィトマンは、作曲家で指揮者でクラリネット奏者。今回演奏するのは、自作のオペラ「バビロン」からの組曲。ロンドン初演です。メインは「田園」。来日公演でも演奏していましたね。


◇8/27 Prom 51: The Magic Flute
   ◇(Prom51:Radio3)
 ・モーツァルト:歌劇「魔笛」 K.620
  / デイヴィット・ポーティロ David Portillo(タミーノ)、ソフィア・フォミナ Sofia Fomina(パミーナ)、ビョルン・ブルガー Björn Bürger(パパゲーノ)、アリソン・ローズ Alison Rose(パパゲーナ)、ブラインドリー・シャラット Brindley Sherratt(ザラストロ)、Caroline Wettergreen(夜の女王)、イェルク・シュナイダー Jörg Schneider(モノスタトス)、他
Glyndebourne Chorus、ライアン・ウィッグルスワース:指揮、エイジ・オブ・エンライトゥメント管弦楽団

 今年のプロムスのオペラ1作品目。聞き所がたくさんの「魔笛」。楽しみたいと思います。


◇8/28 Prom 52: Mozart, Tchaikovsky, Stravinsky & Ryan Wigglesworth
   ◇(Prom52:Radio3)
 ・モーツァルト:2台のピアノのための協奏曲 変ホ長調 K.365
 ・チャイコフスキー:組曲第4番 ト長調 op.61 「モーツァルティアーナ」
 ・ウィッグルスワース:ピアノ協奏曲 (世界初演)
 ・ストラヴィンスキー:妖精の口づけ
  / マルカンドレ・アムラン(ピアノ)、ライアン・ウィッグルスワース:指揮・ピアノ、Britten Sinfonia

 ウィッグルスワースさんが2日連続の登場。モーツァルト「魔笛」の翌日は、モーツァルトと、モーツァルトに影響を受けたチャイコフスキー、チャイコフスキーに影響を受けたストラヴィンスキーというインスパイアの連鎖プログラムです。面白い。ストラヴィンスキーはバレエ音楽。
 ウィッグルスワースさんは作曲家でもあり、ピアニストでもあります。1曲目のモーツァルトの協奏曲、3曲目のウィッグルスワースさん自身のピアノ協奏曲でソロを務めます。モーツァルトでは、アムランさんが共演。元々はポール・ルイスさんでしたが変更です。
 ウィッグルスワースさんは9月9日、カドガンホールシリーズ8でも登場します。


◇8/29 Prom 53: Elgar's The Music Makers
   ◇(Prom53:Radio3)
 ・ヴォーン=ウィリアムズ:トマス・タリスの主題による幻想曲
 ・ヒュー・ウッド Hugh Wood:コーモスからの場面 op.6
 ・エルガー:ミュージック・メイカーズ op.69
  / ステーシー・タッパン Stacey Tappan(ソプラノ)、サラ・コノリー(メゾソプラノ)、アンソニー・グレゴリー Anthony Gregory(テノール)、BBCシンフォニーコーラス、アンドリュー・デイヴィス:指揮、BBC交響楽団

 アンドリュー・デイヴィスさんとBBC響のイギリスプログラムです。ヒュー・ウッドもイギリスの作曲家。ジョン・ミルトンの詩を、ソプラノとテノールが歌います。デイヴィスさんとBBC響でCDが出ています。
 エルガー「ミュージック・メイカーズ」はメゾソプラノと合唱と管弦楽のための作品。エルガーの過去の作品がいくつも引用されます。


◇8/30 Prom 55: Handel's Jephtha
   ◇(Prom55:Radio3)
 ・ヘンデル:イェフタ HWV70
  / アラン・クレイトン(イェフタ:テノール)、Jeanine De Bique(イフィス、ソプラノ)、ヒラリー・サマーズ(ストルゲ、メゾソプラノ)、ティム・ミード(ハモル、カウンターテナー)、コーディ・クアトルバウム(ゼブル、バスバリトン)、ローワン・ピアース(天使、ソプラノ)
 スコティッシュ室内合唱団、リチャード・エガー:指揮、スコティッシュ・室内管弦楽団

 ヘンデルのオラトリオ。初めて知る作品です。聖書の「士師記」(ヨシュアの死後、サムエルが登場するまでのイスラエル人の歴史の物語。他民族に侵略されるイスラエル人を救済する英雄たちが登場する)第11章のエフタの話に基づいています。エフタもその英雄の一人。アンモン人に虐げられてきたイスラエル人を救おうとするイェフタ、娘のイフィスが犠牲となるのか…というお話。


◇8/31 Prom 56: Henry Wood Tribute
   ◇(Prom56:Radio3)
 ・ラヴェル:スペイン狂詩曲
 ・ジョン・アイアランド:ピアノ協奏曲
 ・ドブリンカ・タバコヴァ Dobrinka Tabakova:Timber & Steel (世界初演)
 ・ドビュッシー(ウッド:編曲):前奏曲 第1巻 第10曲「沈める寺」
 ・グラナドス(ウッド:編曲):スペイン舞曲集 アンダルーサ(祈り) op.37
 ・ワーグナー(ウッド:編曲):ヴェーゼンドンク歌曲集 より第5曲:夢
 ・グレインジャー(ウッド:編曲):ストランド街のヘンデル
 ・ラヴェル:ラ・ヴァルス
  / ナサニエル・アンダーソン=フランク Nathaniel Anderson-Frank (ヴァイオリン)、レオン・マッコウリー Leon McCawley (ピアノ)、ブラムウェル・トヴェイ Bramwell Tovey:指揮、BBCコンサートオーケストラ

 ヘンリー・ウッド生誕150年を記念してのプロム。ラヴェルはイギリス初演、アイアランドは世界初演でした。さらに、ウッドが編曲した作品も並びます。ウッドはどのような音使いをしていたのだろう。グレインジャーの「ストランド街のヘンデル」は、木靴踊りを模して作曲された、元はピアノ曲。


Online ジャーニー:世界最大級の音楽の祭典 BBC Proms、今年の見どころは?
 何故かこの8月後半からのプロムが多めのプロムス紹介記事です。

 9月に続きます。もう9月…。

・9月のプロムリスト:BBC Proms ( プロムス ) 2019 私選リスト その4 [9月] (随時追記中)
by halca-kaukana057 | 2019-08-12 21:43 | 音楽
 8月のBBC Proms (BBC プロムス)の私が選んだプロムリストです。8月は多いので前半と後半に分けます。8月はバラエティに富んだプロムが続きます。毎日聴くので大変というか、いやいや楽しみというか…。

・7月の各プロムの記事:BBC Proms ( プロムス ) 2019 私選リスト その1 [7月] (随時追記中)


 今年の大きなテーマのひとつが、プロムスの創始者、サー・ヘンリー・ウッドの生誕150年。それを記念して、ウッドが初演(世界初演、イギリス初演、プロムス初演など)した作品を数多く取り上げています。公式サイトでは、ウッドの初演した作品には「Henry Wood Novelties」と表記があります。とにかく多いです。
 もうひとつの大きなテーマが宇宙。アポロ11号月面着陸から50年を記念してのプログラムです。宇宙に関する作品も多く演奏されます。

 プロムスの全公演は、BBC Radio3で放送されます。生放送を聴けなくても、30日間のオンデマンド配信があるので時間のある時にゆっくり楽しめます。再生はBBC Radio3の各プロムのページでどうぞ。今年はプロムス公式サイトで再生できない、リンクもないので、Radio3へのリンクを貼っておきます。
 パソコンからはそのままブラウザで。スマートフォンからは「BBC iPlayer Radio」のアプリを使うと便利です。無料でダウンロードできます。
 通常の放送だけでなく、Radio3の番組「Afternoon Concert」はプロムス期間中、各プロムの再放送をしています。オンデマンドの配信が期限切れで聴き逃してしまった、日本時間の22時からの放送でちょうど聴ける、という方はこちらもどうぞ。放送されないプロムもあるので注意。
BBC Radio3:Afternoon Concert

 今年も、バイノーラル・サウンドでの配信もしています。一部公演ですが、立体音響で楽しめます。普通のヘッドホンで構いませんので聴いてみてください。随時追加されていくと思います。配信公開期限はいつまでなのかわかりません。通常のオンデマンド公開期限の30日を一応目安にしておくと安心かと思います。
BBC Proms:Binaural Proms 2019

 去年のバイノーラル・サウンド配信もまだ残っているのでリンクしておきます。
BBC Proms 2018:Immerse yourself in music with spatial headphone mixes from the Proms

 では、8月前半の各プロムを見ていきましょう。

◇8/1 Prom 18: Mahler & Britten
   ◇(Prom18:Radio3)
 ・ブリテン:ピアノ協奏曲 op.13(1945年版)
 ・マーラー:大地の歌
  / レイフ・オヴェ・アンスネス(ピアノ)、クラウディア・マーンケ Claudia Mahnke(メゾソプラノ)、スチュアート・スケルトン Stuart Skelton(テノール)、エドワード・ガードナー:指揮、BBC交響楽団

 どちらも、ヘンリー・ウッドが初演した作品です。ブリテンのピアノ協奏曲は、1938年のプロムス(8月18日)で、ブリテン自身のピアノ、ウッド指揮BBC響による世界初演でした。当時のプロム記録:Proms 1938: Prom11 その後改訂され、今回演奏されるのは1945年版です。今回のピアノソロはアンスネス。先日の来日の際は故障していましたが、もう大丈夫なのかな。
 マーラー「大地の歌」は、1914年ウッドがイギリス初演しました。
 ちなみに、エドワード・ガードナーさんはロンドン・フィルの次期首席指揮者に決まりました。おめでとうございます!と言うことは、同じロンドンに本拠地があるBBC響を指揮することはなくなるのかなぁ。


◇8/2 Prom 19: Strauss, Schumann & MacMillan
   ◇(Prom19:Radio3)
 ・リヒャルト・シュトラウス:ツァラトゥストラはかく語りき op.30
 ・シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 op.54
 ・ジェイムズ・マクミラン James MacMillan:イゾベル・ゴーディの告白
  / アレクサンドル・メルニコフ(ピアノ)、トーマス・ダウスゴー:指揮、BBCスコティッシュ交響楽団
 
 ダウスゴーさんとBBCスコティッシュ響の2日連続プロムの1日目。秋の「BBC Proms JAPAN」で来日するコンビです。
 「ツァラトゥストラはかく語りき(こう語った)」と言えば、「2001年宇宙の旅」。宇宙をイメージする音楽の代表的存在です。2曲目のシューマンのピアノ協奏曲は、「ウルトラマンセブン」の最終回で印象的に使われており、これも宇宙をイメージしますが…通じるのは日本だけか…?ピアノソロはメルニコフさん。
 マクミランの「イゾベル・ゴーディの告白」は、宗教改革以後のスコットランドで行われた魔女狩りによって、多数の女性が犠牲となった史実に基づく作品。1990年のプロムスで初演されました。

◇8/3 Prom 20: Pekka Kuusisto and the BBC SSO
   ◇(Prom20:Radio3)
 ・シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 op.47
 ・シベリウス:交響曲第5番 変ホ長調 op.82(1915年初稿)
  / ペッカ・クーシスト(ヴァイオリン)、タイト・ホフレン Taito Hoffrén(歌)、イロナ・コルホネン Ilona Korhonen(歌)、ミンナ・リーサ・タンメラ Minna-Liisa Tammela(歌)、ヴィルマ・ティモネン Vilma Timonen(カンテレ)、ティモ・アラコティラ Timo Alakotila(ハルモニウム)、トーマス・ダウスゴー:指揮、BBCスコティッシュ交響楽団

 ダウスゴーさんとBBCスコティッシュ響(BBCSSO)の2日目はオール・シベリウス・プログラム。ヴァイオリン協奏曲はペッカ・クーシストさんがソロ。続くシベリウス5番は初稿です!プロムスでもシベリウス5番初稿が演奏されるとは感慨深い。ちなみに、今年のプロムスではシベ5は現行版、1919年版も演奏されます(9月8日、Prom67)。初稿、現行版、どちらも聴けます。
 シベコンやシベ5にはない歌やフィンランドの民族楽器・カンテレなどがあるのは…前奏曲のようにフィンランド民謡を演奏するのだと思います。ペッカ・クーシストさんは2016年、プロムスデビューの際、アンコールにフィンランド民謡を演奏、観客をリードして歌いました。プロムスではありませんが、ダウスゴーさんとBBCSSOは「クレルヴォ(交響曲)」の演奏前にフィンランド民謡と「クレルヴォ」のモティーフをミックスした前奏曲のようなものを演奏したことがあります。多分それと似ているはず。予測ですが…。
 ・その「クレルヴォ」の記事:まだまだ、シベリウス クレルヴォ交響曲を聴こう ダウスゴー & BBCスコティッシュ響


◇8/4 Prom 21: Olivier Latry
   ◇(Prom21:Radio3)
 ・ハチャトゥリアン(キヴィニエミ:編曲):「ガイーヌ」より「剣の舞」
 ・ファリャ(ラトリー:編曲):「恋は魔術師」より「火祭りの踊り」
 ・ベートーヴェン:からくり時計のためのアダージョ ヘ長調 WoO 33-1(オルガン編)
 ・J.S.バッハ:トッカータとフーガ ニ短調 BWV 565
 ・ウジェーヌ・ジグー Eugène Gigout:Air célèbre de la Pentecôte
 ・リスト:バッハの名による幻想曲とフーガ S.260
 ・シャルル=マリー・ヴィドール Charles-Marie Widor:バッハの思い出 より 第4曲:Marche du veilleur de nuit
 ・サン=サーンス(ルメア:編曲):死の舞踏
  / オリヴィエ・ラトリー(オルガン)

 ロイヤル・アルバート・ホールの大きなオルガンの演奏会です。演奏するのは、ノートルダム大聖堂のオルガニストのラトリーさん。ノートルダム大聖堂…4月に火災が起きましたが、このプロムはその火災が起きる前に決まっていたもの。今年のプロムスのプログラム発表は火災の直後だったはず。まさかの事態になってしまいました。ノートルダム大聖堂のことを思わずにいられないプロムになりそうです。


◇8/4 Prom 22: Rachmaninov, Shostakovich & Outi Tarkiainen
   ◇(Prom22:Radio3)
 ・ラフマニノフ:死の島 op.29
 ・オウティ・タルキアイネン Outi Tarkiainen:Midnight Sun Variations(世界初演)
 ・ショスタコーヴィチ:交響曲第11番 ト短調 op.103 「1905年」
  / ヨン・ストルゴールズ:指揮、BBCフィルハーモニック

 フィンランド出身、ストルゴースさん(いつも日本語表記に悩む)とBBCフィルです。ラフマニノフ「死の島」はヘンリー・ウッドがイギリス初演しました。2曲目のタルキアイネンさんはフィンランドの女性作曲家。新作を演奏します。メインはショスタコ11番。ラフマニノフもショスタコーヴィチも死をイメージさせるプロムです。タルキアイネンさんはどんな作品だろう。好みのプロムです。


◇8/5 Prom 23: Swan Lake
   ◇(Prom23:Rsdio3)
 ・アーノルド:ピータールー 序曲 op.97
 ・ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲 op.43
 ・チャイコフスキー:白鳥の湖 (抜粋)
  / フアン・ペレス・フロリスタン Juan Perez Floristan(ピアノ)、ベン・ジャーノン:指揮、BBCフィルハーモニック

 BBCフィル2日連続、2日目はベン・ジャーノンさん。ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」のソロはガヴリリュクさん…でしたが、いつの間にか変更。スペイン出身のフロリスタンさん。初めて聞きます。どんなラフマニノフになるか楽しみ。組曲版の「白鳥の湖」はヘンリー・ウッドが1901年にイギリス初演しました。

 ラフマニノフとチャイコフスキーは、8月6日のProm24:Relaxed Promと同じプログラム、出演者です。解説などがあり、小さな子どもも、様々な障碍がある方も一緒に楽しめるプロムです。今年もあります。


◇8/6 Prom 25: Tchaikovsky, Sibelius & Weinberg
   ◇(Prom25:Radio3)
 ・シベリウス:カレリア組曲 op.11
 ・ヴァインベルク:チェロ協奏曲 ハ短調 op.43(ロンドン初演)
 ・チャイコフスキー:交響曲第6番 ロ短調 op.74「悲愴」
  / ソル・ガベッタ(チェロ)、ダリア・スタセヴスカ:指揮、BBC交響楽団

 指揮のスタセヴスカさんは、キエフ出身のフィンランドの女性指揮者(シベリウス・アカデミーで学び、夫はシベリウスの曾孫でベーシストのラウリ・ポッラ Lauri Porra)。今年、BBC響の首席客演指揮者に就任しました。BBC響は、首席指揮者も首席客演指揮者もフィンランド(フィルハーモニア管もですが)。そのスタセヴスカさんのプロムスデビューです。
 カレリア組曲は1906年、ヘンリー・ウッドがイギリス初演しました。2曲目のヴァインベルク。ポーランド出身のユダヤ人で、旧ソ連で活躍した作曲家。ショスタコーヴィチによって旧ソ連へ。私はあまり聴いたことがありません。しかも、今回演奏するチェロ協奏曲はロンドン初演。どんな作曲家、作品、作風なんだろう。ソロはガベッタさん。メインはチャイコ6番「悲愴」。


◇8/7 Prom 26: Mozart's Requiem
   ◇(Prom26:Radio3)
 ・ブラームス:悲劇的序曲 op.81
 ・ワーグナー:トリスタンとイゾルデ 前奏曲と愛の死
 ・モーツァルト:レクイエム ニ短調 K626
  / ファトマ・サイード Fatma Said(ソプラノ)、キャスリン・ラッジ Kathryn Rudge(メゾソプラノ)、サニーボーイ・ドラドラ Sunnyboy Dladla(テノール)、デイヴィッド・シップリー David Shipley(バス)、BBCウェールズ合唱団、ナタリー・シュトゥッツマン:指揮、BBCウェールズ交響楽団

 コントラルトのナタリー・シュトゥッツマンさんが歌わず、指揮します。3曲とも死をイメージする作品。


◇8/8 Prom 28: Rachmaninov, Borodin & Huw Watkins
   ◇(Prom28:Radio3)
 ・武満徹:Twill by Twilight(トゥイル・バイ・トワイライト)
 ・ヒュー・ワトキンス Huw Watkins:The Moon(世界初演)
 ・ラフマニノフ:合唱交響曲「鐘」 op.35
 ・ボロディン:「イーゴリ公」より「だったん人の踊り」
  / ユーリ・サモイロフ(バリトン)、Natalya Romaniw(ソプラノ)、オレグ・ドルゴフ Oleg Dolgov(テノール)、BBCウェールズ合唱団、フィルハーモニア合唱団、尾高忠明:指揮、BBCウェールズ交響楽団

 尾高忠明さんがプロムスに帰ってきました。春からがんの治療のため休養していましたが、先日公演活動に復帰されたとこのこと。よかった!尾高さんの演奏をプロムスで聴きたいです。
 1曲目は武満徹の1988年の作品。2曲目は月をイメージした新曲。3曲目のラフマニノフは、あの前奏曲の方ではなく、合唱交響曲。歌詞はエドガー・アラン・ポーの詩をロシアの詩人、コンスタンチン・バリモントがロシア語に訳したものが元になっています。1921年、ヘンリー・ウッドがイギリス初演しました。最後の「だったん人の踊り」もウッドが1897年にイギリス初演。合唱つきのはかっこよく、楽しみ。


◇8/10 Prom 31: Brahms, Bruckner & Strauss
   ◇(Prom31:Radio3)
 ・ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲 op.56a
 ・リヒャルト・シュトラウス:4つの歌 op.27
 ・ブルックナー:交響曲第4番 変ホ長調 「ロマンティック」(1878/1880年稿ノヴァーク版)
  / リゼ・ダヴィドセン(ソプラノ)、エサ=ペッカ・サロネン:指揮、フィルハーモニア管弦楽団

 サロネンさんとフィルハーモニア管です。R.シュトラウスの「4つの歌」は、4曲目が「明日!(明日の朝!)」の歌曲集。「明日!」は大好きなのですが、他の3曲をあまり聴いてないかも…聴きます。サロネンさんがブルックナーの4番を。しかも、今年のプロムスはブルックナーの版・稿が明記されています(今までは何も書いていなかった)。
 ちなみに、Prom25で書きましたが、フィルハーモニア管も首席指揮者も首席客演指揮者もフィンランド。その首席客演指揮者のサントゥ=マティアス・ロウヴァリ(フィンランド語に近い発音だと「サンットゥ」)さんが次期首席指揮者に決まったとのこと。2代続けてフィンランド。


◇8/11 Prom 33: Mahler, Schubert & Glanert
   ◇(Radio3:Prom33)
 ・デトレフ・グラナート Detlev Glanert:Weites Land ('Musik mit Brahms' for orchestra)(イギリス初演)
 ・シューベルト(グラナート:編曲):孤独に D620(ソプラノとオーケストラのための)
 ・マーラー:交響曲第4番 ト長調
  / クリスティーナ・ガンシュ Christina Gansch(ソプラノ)、セミヨン・ビシュコフ:指揮、BBC交響楽団

 1曲目のグラナートの作品は、ブラームスの作品を元にしたもの。CDがオラリー・エルツ:指揮ヘルシンキフィルで出ています。2曲目もグラナート編曲。シューベルトの「Einsamkeit」は「冬の旅」の12曲目かと思ってましたが違いました。訂正します。D620の「Einsamkeit/孤独に」です。演奏時間も原曲と同じです。
 メインはマーラー4番。1905年にウッドがイギリス初演しています。その頃、マーラーは生きていたから、その演奏を聴いたのだろうか。


◇8/12 Proms at … Cadogan Hall 4: Aris Quartet
   ◇(Prom CH4:Radio3)
 ・シューベルト:弦楽四重奏曲 第1番 ハ短調 D18
 ・マッダレーナ・ラウラ・ロンバルディーニ=ジルメン Maddalena Laura Lombardini-Sirmen:弦楽四重奏曲 第5番 ヘ短調
 ・ハイドン: 弦楽四重奏曲 第78番 変ロ長調 op.76-4 Hob.3-77 「日の出」
  / アリス四重奏団 Aris Quartet

 カドガン・ホール・シリーズ4回目は弦楽四重奏。シューベルトとハイドンに挟まれているのは、18世紀のイタリアの女性作曲家でヴァイオリニストのロンバルディーニ=ジルメン(シルメン)。弦楽四重奏を6つ、その他ヴァイオリン・ソナタや協奏曲などを残しています。


◇8/12 Prom 34: West–Eastern Divan Orchestra
   ◇(Prom34:Radio3)
 ・シューベルト:交響曲第7(8)番 ロ短調 D.759 「未完成」
 ・チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第1番 変ロ長調 op.23
 ・ルトスワフスキ:管弦楽のための協奏曲
  / マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)、ダニエル・バレンボイム:指揮、ウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団

 お馴染み、バレンボイムさんとウェスト=イースタン・ディヴァン管。今年はアルゲリッチさんと共演です。メインのルトスワフスキ、Lutosławskiの綴りがいつも読めない…。演奏頻度は多いのですが、私はあまり聴いたことがない。聴きます。


◇8/13 Prom 35: Enigma Variations
   ◇(Prom35:Radio3)
 ・カレヴィ・アホ、サリー・ビーミッシュ、ハリソン・バートウィッスル、リチャード・ブラックフォード、ギャヴィン・ブライアーズ、ブレット・ディーン、藤倉大、ウィム・ヘンドリックス、コリン・マシューズ、アンソニー・ペイン、ジョン・ピッカード、デイヴィット・ソウワー、イリス・テル・シフォルスト、ジュディス・ウィアー
   :Pictured Within: Birthday Variations for M. C. B. (世界初演)
 ・ヴォーン=ウィリアムズ:音楽へのセレナード
 ・ブラームス:運命の歌 op.54
 ・エルガー:エニグマ変奏曲 op.36
  / Idunnu Münch(メゾソプラノ)、William Morgan(テノール)、Nadine Benjamin(ソプラノ)、David Ireland(バスバリトン)、イギリス国立オペラ合唱団、BBCシンガーズ、マーティン・ブラビンズ:指揮、BBCスコティッシュ交響楽団

 この8月13日は、マーティン・ブラビンズさんの60歳のお誕生日。その記念に、世界初演の新曲をプレゼント。存命の14人の作曲家が、エルガーの「エニグマ変奏曲」をもとにブラビンズさんの変奏曲を合作しました。14人の現代作曲家、何人わかるか…書きながらチェックしていました。藤倉大さんも参加しています。どんな曲になるんだろう。
 ヴォーン=ウィリアムズ「音楽へのセレナード」はお気に入りの曲。1938年、ウッドが世界初演しました。最後には「エニグマ変奏曲」原曲も演奏します。


◇8/14 Prom 37: The Childhood of Christ
   ◇(Prom37:Radio3)
 ・ベルリオーズ:キリストの幼時 op.25
  / ジュリー・ブーリアンヌ Julie Boulianne(メゾソプラノ)、アラン・クレイトン Allan Clayton(テノール)、ロデリック・ウィリアムズ(バリトン)、ニール・デイヴィス(バス)、Britten Sinfonia Voices、Genesis Sixteen、マキシム・パスカル Maxime Pascal:指揮、ハレ管弦楽団

 今年アニバーサリーイヤーのベルリオーズ。この「キリストの幼時」、一度聴いたことがあります。もう一度聴こう。
 メゾソプラノはサラ・コノリーさんでしたが、ブーリアンヌさんに、指揮はマーク・エルダーさんでしたが、マキシム・パスカルさんに変更になりました。


◇8/14 Prom 38: Solomon’s Knot
   ◇(Prom38:Radio3)
 ・J.S.バッハ:カンタータ 第130番 「主なる神よ、われらはみな汝をたたえん」 BWV130
      :カンタータ 第19番 「いさかいは起れり」 BWV19
      :カンタータ 第149番 「人は歓びもて勝利の歌をうたう」 BWV149
      :カンタータ 第50番 「いまぞ救いと力は来れり」 BWV 50
  / Solomon's Knot

 8月14日はもう1公演。夜遅い時間にバッハのカンタータをどうぞ。


◇8/15 Prom 39: Elgar, Errollyn Wallen, Mendelssohn & Mussorgsky
   ◇(Prom39:Radio3)
 ・メンデルスゾーン:フィンガルの洞窟 序曲 op/26
 ・エルガー:海の絵 op.37
 ・エロリン・ウォレン Errollyn Wallen:THIS FRAME IS PART OF THE PAINTING (世界初演)
 ・ムソルグスキー(ラヴェル:編曲):展覧会の絵
  / Catriona Morison(メゾソプラノ)、エリム・チャン 陳以琳 Elim Chan:指揮、BBCウェールズ交響楽団

 前半は海がテーマのような選曲。いや、情景を「絵」のように描くプロムだろうか。「フィンガルの洞窟」は「ヘブリディーズ諸島」が原題。交響曲第3番「スコットランド」を着想したスコットランド旅行中に、嵐の夜、ヘブリディーズ諸島へ。そこでフィンガルの洞窟を見て、この曲を着想したのだそう。エルガーの「海の絵」。メゾソプラノのための連作歌曲。声域がメゾなのがいい。
 「展覧会の絵」はラヴェル編曲で。調べてみたら、ヘンリー・ウッドも編曲しているらしい。今年はウッド生誕150年のプロムスなのに…?この機会だからウッド編曲版を演奏したらいいのに。最近だと2010年のプロムスで演奏しています(ロト指揮BBCウェールズ管)。他に「展覧会の絵」の編曲というと、プログレのエマーソン・レイク・アンド・パーマー(ELP)とか、冨田勲さんのシンセサイザー版とか。


 追記事項があれば随時追記します。8月後半に続きます。

・8月後半BBC Proms ( プロムス ) 2019 私選リスト その3 [8月後半] (随時追記中)
・9月BBC Proms ( プロムス ) 2019 私選リスト その4 [9月] (随時追記中)
by halca-kaukana057 | 2019-07-30 22:07 | 音楽
 今年もやって来ました。BBC Proms(プロムス)開幕です。ロンドンのロイヤル・アルバート・ホール(RAH)を中心に、2ヶ月に渡って開催される大音楽祭。今年は、7月19日~9月14日(グリニッジ夏時間)。演奏会は全てBBC Radio3で放送、30日間のオンデマンド配信もあるので、日本からでも楽しめます。
 毎日の各公演(Prom プロム)は聴いているだけでも勉強になりますが、作曲家や作品について調べてみるともっと面白い。ということで、今年も私の選んだPromについて書いていこうと思います。

BBC Proms 公式サイト

BBC Proms ( プロムス ) 2019 私選リスト その1 [7月] (随時追記中)_f0079085_22402789.jpg

 今年の公式ガイドブックです。今年は公演カレンダーのポスターが付いていない模様。

 今年は、プロムスの創始者、サー・ヘンリー・ウッドの生誕150年。プロムス期間中、RAHのステージに銅像があり、ラストナイトでは万歳三唱して頭を拭いてあげているあの方。記念に、ヘンリー・ウッドがイギリス初演、プロムス初演した作品が数多く演奏されます。ガイドブックに「Henry Wood Novelties」と書いてあるものがそれなのですが、その数の多さに驚きます。
BBC Proms ( プロムス ) 2019 私選リスト その1 [7月] (随時追記中)_f0079085_22403664.jpg

 ガイドブックではこんな風に書いています。蛍光オレンジの字…。

 更に今年はアポロ11号月面着陸から50年。宇宙に関係する作品も特集して演奏されます。宇宙をイメージした作品から、映画などで取り上げられた作品、SF作品の音楽まで。宇宙をテーマに新曲も作曲されています。

 日本から放送を聴く場合、公式サイト、もしくはBBC Radio3から聴けます。スマートフォンからは、「BBC iPlayer Radio」のアプリを使うととても便利です。ブラウザからも聴けますが、その場合は「BBC Media Player」のアプリが必要です。アプリストアからダウンロードしてご利用ください。これで、いつでもどこでもプロムスが聴けます。

 例年はプロムス公式サイトからもオンデマンドが聴けるようになっていましたが、今年はない…。BBC Radio3のサイトでないと聴けないようです(そこから更にBBC Soundsというサイトで聴く…ややこしいw)。なので、今年はRadio3の各プロムのページにのリンクも貼っておきます。

 また、Radio3の番組「Afternoon Concert」はプロムス期間中、各プロムの再放送をしています。オンデマンドの配信が期限切れで聴き逃してしまった、日本時間の22時からの放送でちょうど聴ける、という方はこちらもどうぞ。放送されないプロムもあるので注意。
BBC Radio3:Afternoon Concert

 今年も、バイノーラル・サウンドでの配信もしています。一部公演ですが、立体音響で楽しめます。普通のヘッドホンで構いませんので聴いてみてください。随時追加されていくと思います。配信公開期限はいつまでなのかわかりません。通常のオンデマンド公開期限の30日を一応目安にしておくと安心かと思います。
BBC Proms:Binaural Proms 2019

 去年のバイノーラル・サウンド配信もまだ残っているのでリンクしておきます。
BBC Proms 2018:Immerse yourself in music with spatial headphone mixes from the Proms

 では、各公演(Prom プロム)を見ていきましょう。

◇7/19 Prom 1: First Night of the Proms
   ◇(Radio3:Prom1)
 ・ゾーシャ・ディ・カストリ (Zosha Di Castri) :Long Is the Journey – Short Is the Memory (世界初演)
 ・ドヴォルザーク:交響詩「金の紡ぎ車」 op.109
 ・ヤナーチェク:グラゴル・ミサ
  / アスミック・グレゴリアン(Asmik Grigorian)(ソプラノ)、ジェニファー・ジョンストン(メゾソプラノ)、ラディスワフ・エルグル (Ladislav Elgr) (テノール)、ヤン・マルチニーク(Jan Martiník)(バス)、ピーター・ホルダー(オルガン)
   BBCシンガーズ、BBCシンフォニー・コーラス、カリーナ・カネラキス:指揮、BBC交響楽団

 ファーストナイトです。今年の指揮はカネラキスさん。ファーストナイトを女性が指揮するのは初めてのことだそうです。1曲目はカナダ出身の女性作曲家による新曲。アポロ11号月面着陸50年を記念しての作品です。ドヴォルザーク、ヤナーチェクと東欧の作曲家を取り上げるファーストナイト。ヤナーチェクの「グラゴル・ミサ」はオルガンも入る大作。


◇7/20 Prom 2: Bohemian Rhapsody
   ◇(Prom2:Radio3)    
 ・ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲 イ短調 op.53
 ・スメタナ:我が祖国
  / ジョシュア・ベル(ヴァイオリン)、ヤクブ・フルシャ:指揮、バンベルク交響楽団

 2日目も東欧もの。ボヘミアの音楽を。ドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲、チェロ協奏曲の方が演奏されますがヴァイオリン協奏曲も好きです。後半は「我が祖国」全曲。指揮は日本でもお馴染みのフルシャさん。2日目からいいPromです。


◇7/21 Prom 4: The Planets
   ◇(Prom4:Radio3)
 ・ジョン・アダムズ:Short Ride in a Fast Machine
 ・バーバー:ヴァイオリン協奏曲 op.14
 ・ホルスト:惑星 op.32
  / ネマニャ・ラドゥロヴィチ(Nemanja Radulović)(ヴァイオリン)、Trinity Boys Choir、キリル・カラビッツ:指揮、ボーンマス交響楽団

 宇宙プロムです。1曲目のジョン・アダムズは、まさに未来というイメージ。バーバーのヴァイオリン協奏曲…初めて聴きます。バーバーというと、「弦楽のためのアダージョ」。「ノックスヴィル、1915年夏」も好きな作品。メインはプロムス定番曲「惑星」。毎年どこかしらのオケが演奏します。今回は最後の海王星の合唱が少年合唱団の模様。ボーイソプラノの合唱だとどんな感じになるんだろう。楽しみ。


◇7/22 Proms at … Cadogan Hall 1: VOCES8
   ◇(Proms Cadogan Hall 1:Radio3)
 ・ヒルデガルト・フォン・ビンゲン Hildegard von Bingen:聖霊は生の源の火よ(Spiritus Sanctus vivificans vita)
 ・ペロティヌス Pérotin:地上のすべての国々は(Viderunt omnes)
 ・ジョスカン・デ・プレJosquin des Prez:アヴェ・マリア 清らかな乙女よ(Ave Maria … Virgo serena)
 ・ジャン・ムートン Jean Mouton:処女なる御母は男を知らず (Nesciens mater virgo virum)
 ・トマス・ルイス・デ・ビクトリア Tomás Luis de Victoria:天の女王、喜びませ(5声)(Regina coeli)
 ・ジョナサン・ダウ Jonathan Dove:私は急ぎ、市民を包囲しよう (Vadam et circuibo civitatem)
 ・ラッスス:ミサ曲「美しきアンフィトリット」より Gloria
 ・ジョヴァンニ・ピエルルイージ・ダ・パレストリーナ Giovanni Pierluigi da Palestrina:Magnificat primi toni
 ・ウィリアム・バード:神に向かいて喜びもて歌え (Sing joyfully unto God our strength)
 ・Alexia Sloane:Earthward (世界初演)
 ・オーランド・ギボンズ Orlando Gibbons:手を打ち鳴らせ (O clap your hands together)
  / VOCES8

 ロイヤル・アルバート・ホールでの大規模な演奏会もプロムスの醍醐味ですが、室内楽や声楽アンサンブル、古楽も楽しみ。カドガンホール・シリーズの1回目はイギリスの声楽アンサンブル「ヴォーチェス・エイト」。古楽をメインにした演奏会です。現代作曲家による作品もあります。
 ちなみに、このカドガン・ホール。4月に日本フィルがヨーロッパツアーのロンドン公演を行ったのがこのホール。プロムスでの室内楽のイメージが強かったので、このホールで普通のオーケストラもコンサートできるんだ、と驚きました。


◇7/22 Prom 6: The Rite of Spring
   ◇(Prom6:Radio3)
 ・アンナ・ソルヴァルドスドッティル Anna Thorvaldsdóttir:Metacosmos (イギリス初演)
 ・ブリテン:ヴァイオリン協奏曲 op.15
 ・ストラヴィンスキー:春の祭典
  / ジェイムズ・エーネス(James Ehnes)(ヴァイオリン)、エドワード・ガードナー:指揮、Orchestra of the Royal Academy of Music and the Juilliard School

 1曲目のアンナ・ソルヴァルドスドッティル(発音が大変)はアイスランドの女性作曲家。ブリテンの協奏曲はどれも好きです。メインは春の祭典。オーケストラはイギリスのロイヤル・アカデミーとアメリカのジュリアード音楽院の学生によるスペシャルオーケストラ。


◇7/23 Prom 7: Schumann, Schoenberg & Mozart
   ◇(Prom7:Radio3)
 ・モーツァルト:ピアノ協奏曲 第15番 変ロ長調 K.450
 ・パウル・ベン=ハイム(Paul Ben-Haim):交響曲第1番
 ・シェーンベルク:5つの管弦楽曲 op.16 (1909年初稿)
 ・シューマン:交響曲第4番 ニ短調 op.120(1851年改訂稿)
  /ヨン・ソルム(Yeol Eum Son)(ピアノ)、オメール・メイア・ヴェルバー(Omer Meir Wellber):指揮、BBCフィルハーモニック

 BBCフィルの新首席指揮者が決まりました。イスラエル出身、オメール・メイア・ヴェルバーさん。2曲目のパウル・ベン=ハイムは20世紀のイスラエルの作曲家。ワルターやクナッパーツブッシュのアシスタントをしていたのだそう。シェーンベルクの「5つの管弦楽曲」は、ヘンリー・ウッドが世界初演しました。1922年に改訂されていますが、初演と同じ1909年初稿で演奏します。


◇7/24 Prom 8: Invitation to the Dance
   ◇(Prom8:Radio3)
 ・ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
 ・ペーテル・エトヴェシュ:アルハンブラ(ヴァイオリン協奏曲)(イギリス初演)
 ・バルトーク:舞踏組曲
 ・ストラヴィンスキー:火の鳥(1919年版)
  / イザベル・ファウスト(ヴァイオリン)、ペーテル・エトヴェシュ:指揮、BBC交響楽団

 ダンスがテーマのこのプロム。「牧神の午後への前奏曲」「舞踏組曲」「火の鳥」どれもヘンリー・ウッドがイギリス初演しました。ペーテル・エトヴェシュ(エトヴェシュ・ペーテル)さんが自作を指揮します。



◇7/25 Prom 10: Public Service Broadcasting
   ◇(Prom10:Radio3)
 ・Public Service Broadcasting:The Race for Space
  / Public Service Broadcasting、London Contemporary Voices、Christopher Stark:指揮、The Multi-Story Orchestra

 クラシックじゃないプロムを。Public Service Broadcastingはイギリスのバンド。歴史的な放送音源とロック、テクノ音楽をミックスした作風で人気なんだそうです。2015年にリリースしたアルバム「The Race for Space」は、1960年代のアメリカと旧ソ連の宇宙開発競争がテーマ。アポロ宇宙船とNASAの交信の音声に音楽をミックス。アポロ月面着陸50年の今年のプロムスでライヴです。Spotifyにその「The Race for Space」のアルバムがあったので聴いてみたのですが面白い。最初はよくわからないプロムでスルーしていたのですが、アルバムを聴いた後聴いてみた。当時の宇宙開発のミュージックビデオみたいな雰囲気。かっこいい。会場もノリノリです。
 知らなかったたくさんの魅力的な音楽に出会える、プロムスのこんなところが大好きです。
 BBC公式が公演の一部の映像をYouTubeにあげています。こういうプロムはやっぱり映像で観たいなぁ。
 ◇Public Service Broadcasting - Go! (BBC Proms 2019)
   ↑音楽をのせる音源が、NASAのロケット打ち上げ前の各部門の「GO/NO GO」コールだった。スペースシャトルの打ち上げ生中継を観ていた頃、このGO/NO GOコールを聴いて、いよいよ打ち上げだとワクワクしたのを思い出しました。それがこんな音楽になるとは。
 ◇Public Service Broadcasting - Gagarin (BBC Proms 2019)


◇7/28 Prom 13: ‘From the Canyons to the Stars …’
   ◇(Prom13:Radio3)
 ・メシアン:峡谷から星たちへ…
  / マーティン・オーウェン Martin Owen(ホルン)、デイヴィッド・ホッキングス David Hockings、アレックス・ニール Alex Neal(打楽器)、ニコラス・ハッジス Nicolas Hodges(ピアノ)、サカリ・オラモ:指揮、BBC交響楽団

 メシアンの「宇宙」を表現した大作を。メシアンは鳥類学者として鳥の声を録音し続け、それを作曲にも用いました。この作品はユタ州を旅した際に見た情景と、鳥の声と、星…宇宙を描いています。様々な打楽器が多種用いられます。こういう作品は音声だけより、映像も一緒の方がさらに楽しめるのですが…テレビ収録予定がないので映像はなさそう。

◇7/29 Proms at … Cadogan Hall 2: A Celebration of Barbara Strozzi
   ◇(Proms Cadogan Hall 2:Radio3)
 ・バルバラ・ストロッツィ Barbara Strozzi:秘密の恋人 (L'amante segreto)(カンタータ、アリエッタと二重唱曲集 op.2 より 第14曲)
 ・アントニア・ベンボ Antonia Bembo:Ercole amante 'Mingannasti in verità'
 ・ストロッツィ:何ができようか (Che si può fare)(アリアとカンタータ op.8より)
 ・ベンボ:Ercole amante 'Volgete altrove il guardo'
 ・ストロッツィ:死がわれらを分かつまで (Sino alla morte)
 ・フランチェスコ・カヴァッリ Francesco Cavalli:歌劇「恋するヘラクレス」(Ercole amante)より 'E vuol dunque Ciprigna'
 ・ストロッツィ:私の涙 (Lagrime mie) (「エウテルペの遊戯」op.7 より)
  / マリアーアン・フローレス Mariana Flores(ソプラノ)、レオナルド・ガルシア・アラルコン Leonardo García Alarcón:指揮、カペラ・メディテラネア Cappella Mediterranea

 カドガン・ホール・シリーズ2回目も古楽です。このプロム、ちょっと面白い。バルバラ・ストロッツィは17世紀イタリアの声楽家で作曲家。アントニア・ベンボも17世紀~18世紀イタリアの歌手で作曲家。バロックの時代にも女性作曲家が活躍していたとは知りませんでした。作曲して自分で歌っていたらしい。今も作品が残っていて、演奏されていることが嬉しい。情報は少ないですが…。このプロムは楽しみです。


◇7/29 Prom 14: The Creation
   ◇(Prom14:Radio3)
 ・ハイドン:天地創造 Hob.XXI-2
  / サラ・ジェーン・ブランドン Sarah-Jane Brandon(ソプラノ)、ベンジャミン・ヒューレット Benjamin Hulett(テノール)、クリストフ・ポール Christoph Pohl(バリトン)、BBCプロムス・ユース合唱団、オメール・メイア・ヴェルバー:指揮、BBCフィルハーモニック

 BBCフィルとオメール・メイア・ヴェルバーさんの2回目のプロムは、大作「天地創造」。これも「宇宙」ものに入りますよね。あまり親しめていない作品なので、今回はしっかり聴きたい。
 ちなみに、ソプラノのサラ・ジェーン・ブランドンさん。イギリスの人気ドラマ「刑事モース(原題:ENDEAVOUR)」のCase2「泥棒かささぎ/毒薬と令嬢(Girl)」で流れた、モーツァルト:大ミサ曲 ハ短調 K427 より「キリエ」を歌っていたらしい。調べたら出てきました。正しい情報なのかどうかはわからないのですが…。「刑事モース」の物語の中でプロムスが話題に出てくる回があります。そのプロムはちゃんと実際に行われたプログラムになっていて驚いたことがあります。ドラマと現実のプロムスで、こういう繋がりもあったとは。「刑事モース」ファンとして嬉しい。
「刑事モース」とプロムス


◇7/30 Prom 15: Bavarian Radio Symphony Orchestra – 1
   ◇(Prom15:Radio3)
 ・ベートーヴェン:交響曲第2番 ニ長調 op.36
 ・ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 ニ短調 op.47
  / ヤニック・ネゼ=セガン:指揮、バイエルン放送交響楽団

 バイエルン放送響が2夜連続で登場です。その1日目。元々はヤンソンスさんが指揮をする予定でしたが、病気のためキャンセル。2曲目のショスタコーヴィチも、10番から5番に変更になりました。残念…。5番も大好きです。
 ベートーヴェンの2番はあまり…いや、ほとんど聴かない。なのでこの際聴きます。


◇7/31 Prom 17: Bavarian Radio Symphony Orchestra – 2
   ◇(Prom17:Radio3)
 ・シベリウス:交響曲第1番 ホ短調 op.39
 ・プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第2番 ト短調 op.63
 ・リヒャルト・シュトラウス:ばらの騎士 組曲
  / ギル・シャハム(ヴァイオリン)、ヤニック・ネゼ=セガン:指揮、バイエルン放送交響楽団

 バイエルン放送響2日目。今年のプロムスで初のシベリウスが来ました(今年は全部で5作品)。シベ1も、ヘンリー・ウッドがイギリス初演した作品です。1903年のことでした。シベリウスが生きていた頃から、イギリスはシベリウス作品を積極的に演奏してきました。プロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第2番も同じくヘンリー・ウッドがイギリス初演。プロコ作品にもっと親しみたい。最後は「ばらの騎士」。
 ヴァイオリンソロが、リサ・バティアシュヴィリから、いつの間にかギル・シャハムに変わっていたので変更しました。

 追記があればどんどん書いていきます(追加情報がないわけがない)。この記事は8月前半に続きます。
・8月前半BBC Proms ( プロムス ) 2019 私選リスト その2 [8月前半] (随時追記中)
・8月後半BBC Proms ( プロムス ) 2019 私選リスト その3 [8月後半] (随時追記中)
・9月BBC Proms ( プロムス ) 2019 私選リスト その4 [9月] (随時追記中)
by halca-kaukana057 | 2019-07-17 21:25 | 音楽
 このところ、ショスタコーヴィチをよく聴いています。海外ネットラジオでもショスタコーヴィチの交響曲があちらこちらでオンデマンド配信されていて聴いています。思えば、今年の正月にBSプレミアムで放送された玉木宏さんのショスタコーヴィチ「交響曲第7番」のドキュメンタリーが面白くて、とても辛くて、もっとショスタコーヴィチ作品を聴きたいと思った。元々ショスタコーヴィチの音楽は好きです。でも、まだまだ聴いていない作品もありますし、聴いたけどピンと来なかった作品もあります。

 その、以前薦められて聴いてみたのだが、よくわからなくてそのままCD棚にしまっておいたショスタコーヴィチのCDがありました。
「24の前奏曲とフーガ」op.87.

 ショスタコーヴィチというと、オーケストラがバンバン鳴るイメージがある。ソ連の体制の下で苦しみながら作曲し、体制に翻弄された。作品には体制への反抗と皮肉が込められている。。ショスタコーヴィチ独特の音の使い方を、私はショスタコ節と呼んでいるが、その音の使い方が好きだ。

 そんなショスタコーヴィチは、名ピアニストでもあった。ショパンコンクールに出場し入選した腕前で、ピアノ曲、ピアノ協奏曲も多く作曲した。そのショスタコーヴィチのピアノ曲の中でも最高傑作と呼ばれるのが、「24の前奏曲とフーガ」。作品34に、「24の前奏曲」という別の作品もある(op.87とは雰囲気は全く異なるらしい。こちらも聴きたい)

 最初聴いた時は、前述したショスタコーヴィチのイメージとは違っていて、これもショスタコ?と思ってしまった。この頃のショスタコーヴィチは、ジダーノフ批判で苦しい立場にあった。1950年7月、J.S.バッハの没後200年を記念した第1回国際バッハ・コンクールの審査員に選ばれたショスタコーヴィチ。このコンクールで優勝したソ連のピアニスト、タチアナ・ニコラーエワの演奏に深く感銘を受けたこと、また、この年にバッハの作品を多く聴いていた。それがきっかけでこの「24の前奏曲とフーガ」を作曲した。バッハの「平均律クラヴィーア曲集」と同じように全ての調性で作曲され、前奏曲とフーガがある。聴くと、確かにバッハの雰囲気。でも、近現代の音、響きがする。聴いていて、平均律や対位法の知識がもっとあればいいのに、もっと理解できたらいいのに…と思っていた。もっと楽しく聴けるはず。でも、音楽そのものを聴いていても面白い。

 第1番ハ長調のフーガは全て白鍵で演奏されるが、響きに近現代の音がする。どの曲も内省的で、静かで、物悲しい。タイトルのない純粋な音楽だけど、何かを物語っているような、詩のようなものを感じる。バッハの「平均律クラヴィーア曲集」は孤高のイメージ、音楽、ピアノの基本であり、原点であり、ゴールでもありスタートでもあると感じるのですが、ショスタコーヴィチは孤独。長調でも物悲しい雰囲気。

 全部で48曲あり、通して聴くと3時間ぐらいかかる大作です。私が特に好きなのは第7番イ長調のフーガ。とても美しい。きらきらとしていて、穏やか。心にじんわりと響くものもあります。第4番ホ短調もいい。第24番ニ短調のフーガは、最後を締めくくる荘厳な曲。でも、大げさではなく、内に込めたものをぽつぽつと控えめに出している感じがいい。

 持っているCDは、コンスタンティン・シチェルバコフ盤。あと、アレクサンドル・メルニコフ盤。タチアーナ・ニコラーエワ盤、ピーター・ドノホー盤も。

ショスタコーヴィチ:24の前奏曲とフーガ Op. 87

コンスタンティン・シチェルバコフ(Konstantin Scherbakov)/Naxos




 あと、交響曲ですが、ネットラジオで聴いたのはこれ。
Sveriges Radio P2 : KONSERT: Korngold och Sjostakovitj med Elina Vähälä och Klaus Mäkelä
 クラウス・マケラ:指揮、スウェーデン放送交響楽団の交響曲第6番

WDR3 Radio : WDR 3 KONZERT - 05.04.2019 LIVE: WDR SINFONIEORCHESTER - SCHOSTAKOWITSCH
 ユッカ=ペッカ・サラステ:指揮、ケルンWDR交響楽団(ケルン放送交響楽団)の交響曲第11番

BBC Radio3 : Radio 3 in Concert : Dmitri Shostakovich - surviving Soviet Russia
 セミヨン・ビシュコフ:指揮、BBC交響楽団の交響曲第11番。ピアノ協奏曲第2番もあります(ピアノ:アレクセイ・ボロディン)。
by halca-kaukana057 | 2019-04-27 22:31 | 音楽

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