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BBC Proms (プロムス) 2018 私選リスト その1 [7月] [随時追記中]

※この記事は、新しい情報が入り次第随時追記中です。

 7月になりました。7月、今年も待ってました、ロンドンで2ヶ月にわたって開催される世界最大級の音楽祭「BBC Proms」(プロムス)がはじまります!今年は、7月13日~9月8日(グリニッジ標準時)まで。ロイヤル・アルバート・ホールを中心に、毎日コンサート。クラシックが中心ですが、フォークミュージックあり、テクノミュージックあり、現代作品も新曲が次々登場します。小さなお子さんや心身に障碍を持つ方も楽しめる演奏会も。今年も楽しみです!!
BBC Proms 公式サイト

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 公式ガイドブック、今年も早めに入手できました。今年は明るいピンク色です。公式サイトで日程表、プログラムは見られますが、このガイドブックを見ながらどれを聴こうか考えるのも楽しいです。

 今年も、私が選んだ、私が聴きたい公演(Prom)、気になる公演、注目公演を選んでまとめます。お祭りの始まりです!!
 公演は、全てBBC radio3で放送します。放送後30日間はオンデマンド配信もあるので、公演時間に合わせて夜中に起きて聴けなくても大丈夫。
 スマートフォンからは、「BBC iPlayer Radio」のアプリを使うととても便利です。ブラウザからも聴けますが、その場合は「BBC Media Player」のアプリが必要です。アプリストアからダウンロードしてご利用ください。これで、いつでもどこでもプロムスが聴けます。

 昨年、公式サイトがリニューアルしたのですが、今年は月ごとに分かれて、少しは見やすくなりました。去年で慣れた?しかし、今年もProms公式サイトからの、BBC radio3へのリンクがありません。BBC radio3の一覧ページをリンクしておきます。
BBC radio3 : BBC Proms : Available now

【追記】
 昨年から本格的に導入された、Binaural Sound 立体音響録音ですが、今年も公開しています。昨年は一部のプロムを丸ごと、曲ごとに公開でしたが、今年は曲ごとのようです。是非、お手持ちのヘッドホン、イヤホンで聴いてみてください。特別なものでなくても構いません。音が違いますよ。
 去年はあったどのプロムのどの曲が公開されるかの告知はない模様。各公演(プロム)のページの「Clips」のコーナーに、Binaural Soundの表示、マークの録音があるのでそれが公開されているものです。配信期間はわかりません。念のため、各公演の配信期間、放送から30日のうちに聴いておきましょう。Binaural Soundのものは、普通のオンデマンド配信がスタートしてから、遅れて公開されていますので、チェックをお忘れなく。
 一応、昨年の分のBinaural Sound録音の、現在もまだ公開されているページを貼っておきます。
BBC : BBC Proms in Binaural Sound


 では、各公演(Prom プロム)を見ていきましょう。


◇7/13 Prom 1: First Night of the Proms
 ・オリヴァー・ナッセン(Oliver Knussen): Flourish with Fireworks op.22
 ・ヴォーン=ウィリアムズ:未知の世界へ
 ・ホルスト:組曲「惑星」
 ・アンナ・メレディス(Anna Meredith)、59 Productions:Five Telegrams (世界初演)
  /イギリス・ナショナル・ユース合唱団(女声合唱)、BBCシンフォニーコーラス、BBC Proms Youth Ensemble、サカリ・オラモ:指揮、BBC交響楽団
 ファーストナイトです。オール・イギリス・プログラム。コンチェルトがありません。今年は、BBC交響楽団 首席指揮者のサカリ・オラモさんが指揮です。3月の来日公演、楽しかったな。
 →来日公演レポ記事
 BBC響にとっては、大忙しのプロムスの始まりです。全12公演。
 今年のプロムスのテーマのひとつが、第一次世界大戦終戦100年。ホルストの「惑星」が初演されたのも100年前、1918年のことでした。毎年、「惑星」はどこかしらのオーケストラが演奏するのですが、今年はファーストナイトに。第1曲が「火星 戦争をもたらす神」、第2曲が「金星 平和をもたらす神」とあるのは、戦争とその終結を意識せずにはいられません。ヴォーン=ウィリアムズの合唱曲「未知の世界へ」。誰も知らない世界を目指す内容の、ウォルト・ホイットマンの詩が歌詞です。
 後半のイギリス人女性作曲家・アンナ・メレディスの新曲「Five Teregrams」。世界大戦からインスピレーションを受けた作品だそうです。
【追記】
 先日亡くなられた作曲家で指揮者のオリヴァー・ナッセンさん。BBC響、プロムスとも強いつながりのある方でした。1曲目にナッセンさんの作品「Flourish with Fireworks」を追加しました。本当に急で残念です。ナッセンさんは、つい先日、オールドバラ音楽祭でBBC響と共演したばかり。これが最後の共演となってしまいました。その演奏会の模様がまだ聴けます。21日ごろまで。コープランドが中心です。
BBC radio3 : Radio 3 in Concert : The BBC Symphony Orchestra and Oliver Knussen at the Aldeburgh Festival.
 その前には、元首席指揮者のゲンナジー・ロジェストヴェンスキーさんも亡くなってしまいましたね。寂しいです。

 メレディスさんの「Five Telegrams」は、演奏に合わせてプロジェクション・マッピングの演出が。とてもきれいです。日本からはフルは観られませんが(観たい)、YouTubeのBBC Music公式に抜粋版がありました。
Anna Meredith: Five Telegrams (excerpt)

 ファーストナイト前日には、ロイヤル・アルバート・ホールをスクリーンにして、「Five Telegrams」の演奏に合わせてプロジェクション・マッピングのイベントが。前夜祭みたいなもの?
BBC Proms : The light fantastic! Meet the people getting the Proms off to a spectacular start
 ↑ここから動画も観られます。YouTubeにもあります。
 こちらもきれい!2016年のファーストナイトの告知で、ソル・ガベッタさんの演奏するチェロをスクリーンにプロジェクション・マッピングの演出をする動画がありましたが、今年は実際の本番で生演奏に合わせての演出。プロムスのお祭りの始まりを感じさせます。
 イギリスではテレビ放送されるファーストナイト。日本からは観ることができません。後日テレビ放送されるのはラストナイトだけ(運が悪いとラストナイトの放送もない…)が、YouTubeのBBC Music公式が、1曲目のナッセン、2曲目のヴォーン=ウィリアムズ、3曲目のホルストもフルで動画をアップしてくれています。ありがとうございます!!ファーストナイトも映像で楽しめる。
Oliver Knussen: Flourish with Fireworks (First Night of the Proms)
Ralph Vaughan Williams: Toward the Unknown Region (Prom 1)
Gustav Holst: The Planets (Prom 1)



◇7/14 Prom 2: Mozart, Ravel and Fauré
 ・フォーレ:パヴァーヌ(合唱つき) op.50
 ・モーツァルト:ピアノ協奏曲 第27番 変ロ長調 K.595
 ・ラヴェル:ダフニスとクロエ
  /フランチェスコ・ピエモンテージ(ピアノ)、BBCシンフォニーコーラス、ロンドン合唱団、アラン・アルティノグリュ(Alain Altinoglu):指揮、ロイヤル・フィルハーモニック・オーケストラ
 2日目、ロイヤル・フィルの登場です。パヴァーヌは舞曲。「ダフニスとクロエ」はバレエ音楽。フランスの踊りの曲を組み込んだプロムです。

◇7/16 Proms at … Cadogan Hall 1: Calidore String Quartet & Javier Perianes
 ・キャロライン・ショー(Caroline Shaw):Second Essay: Echo、Third Essay: Ruby
 ・シューマン:ピアノ五重奏曲 変ホ長調 op44
  /ハヴィエル・ペリアネス(ピアノ)、カリドール弦楽四重奏団
 会場はロイヤル・アルバート・ホールだけでなく、室内楽や器楽、声楽は小さなホールで開催します。前半のキャロライン・ショーさんは、アメリカの女性作曲家、ヴァイオリニスト。後半はシューマンのピアノ五重奏曲。大好きです。ピアノはペリアネスさん。

◇7/16 Prom 4: Shostakovich’s ‘Leningrad’ Symphony
 ・マグヌス・リンドベルイ(Magnus Lindberg):クラリネット協奏曲
 ・ショスタコーヴィチ:交響曲第7番 「レニングラード」
  /マーク・シンプソン(クラリネット)、ファンホ・メナ:指揮、BBCフィルハーモニック
 1曲目はフィンランドの作曲家、リンドベルイ(リンドベリ)のクラリネット協奏曲。現代な響きの作品ですが、すっごくカッコイイんです。メインはショスタコーヴィチ7番。こちらは第二次世界大戦がテーマの作品。重々しい響きが楽しみです。

◇7/17 Prom 5: Debussy Pelléas et Mélisande
 ・ドビュッシー:歌劇「ペレアスとメリザンド」
  /クリスティーナ・ガンシュ(メリザンド)、ジョン・チェスト(ペレアス)、クリストファー・パーブス、ブラインドリー・シャラット、カレン・カーギル、クロエ・ブリオ
  グラインドボーン・フェスティバル・オペラ、ロビン・ティッチアーティ:指揮、ロンドン・フィルハーモニック管弦楽団
 今年はドビュッシー没後100年。ドビュッシーや同時代のフランスの音楽家の作品が多く演奏されます。まずは、オペラ「ペレアスとメリザンド」を。フォーレとシベリウスは劇音楽、シェーンベルクは交響詩、ドビュッシーはオペラにしました。ドビュッシーの「ペレアス~」はあまり聴いたことがなかったので聴きたいです。昨年のプロムスは、オペラを全然聴けなかった。今年は聴きたい。

◇7/18 Prom 6: An American in Paris & Turangalîla
 ・ガーシュウィン:パリのアメリカ人
 ・メシアン:トゥーランガリラ交響曲
  / アンジェラ・ヒューイット(ピアノ)、シンシア・ミラー(オンド・マルトノ)、サカリ・オラモ:指揮、BBC交響楽団
 Prom6でBBC響2公演目です。「トゥーランガリラ交響曲」は、1949年、レナード・バーンスタインによって初演されました。今年はバーンスタイン生誕100年。バーンスタイン作品も多いです。これもバーンスタイン繋がりなのかな?「トゥーランガリラ」はとっつきにくいイメージで、なかなか聴こうと思わないのですが聴いてみようと思います。こういうところがプロムスのいいところ。

◇7/20 Prom 8: Youthful Beginnings
 ・リリ・ブーランジェ:春の朝に(D'un matin de printemps)、かなしみの夜に(D’un soir triste)
 ・メンデルスゾーン:ピアノ協奏曲 第1番ト短調 op.25
 ・モーフィド・リウィン=オーウェン (Morfydd Llwyn-Owen) :ノクターン
 ・シューマン:交響曲第4番 ニ短調 op.120(1841年初稿)
  /ベルトラン・シャマユ(Bertrand Chamayou)、トーマス・セナゴー:指揮、BBCウェールズ交響楽団
 ブーランジェは20世紀初頭に活躍したフランスの女性作曲家。ちょっと聴いてみましたが、いい感じですね。リウィン=オーウェンもイギリスの女性作曲家。今年はイギリスでの女性参政権100周年ということで、女性作曲家の作品も多いです。
 間には、メンデルスゾーンとシューマン。シューマンの4番は初稿です。前年、クララと結婚したシューマンはクララの誕生日にこの作品をプレゼントします。初演は芳しく無く、その後1853年改訂稿を発表、初演されます。これが現在一般的に演奏されている交響曲第4番。しかし、シューマンの死後、指揮者のフランツ・ヴュルナーが更に改訂し、1891年ヴュルナー版というのも存在するとか…。シューマンは好きなのに、そこまで知らなかった。まずは初稿を聴きます(聴いた記憶が無きにしも非ず?)。

◇7/21 Prom 9: War & Peace
 ・エリクス・エセンヴァルズ(Eriks Esenvalds):Shadow
 ・ブリテン:シンフォニア・ダ・レクイエム(鎮魂交響曲)op.20
 ・ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 op.125
  /エリン・ウォール(ソプラノ)、ユディット・クタージ(Judit Kutasi)(メゾソプラノ)、ラッセル・トーマス(テノール)、フランツ=ヨゼフ・ゼーリヒ(バリトン)、BBC Proms ユース合唱団、サイモン・ホールジー、ドナルド・ラニクルズ:指揮、World Orchestra for Peace
 毎年「第九」も演奏されますが、今年は第一次世界大戦終結100年という記念の年。平和を歌います。
 前半には、ブリテンの「シンフォニア・ダ・レクイエム」。第二次世界大戦中にアメリカで作曲した作品。日本政府の依嘱により、皇紀2600年奉祝曲として作曲されたと言われている。ブリテン自身は、両親の思い出に捧げるつもりだった。来日する予定も立てていたが、日本から「演奏拒否」との知らせが。日本では演奏するかどうか論争が起き、更に太平洋戦争が勃発したので演奏機会はなくなり…。日本で初演されたのは、1956年、ブリテン自身の指揮でN響が演奏しました。
 オーケストラの名前が、まさに世界平和ですね。

◇7/22 Prom 10: Fauré, Franck & Widor’s Toccata
 ・シャルル=マリー・ヴィドール:オルガン交響曲 ヘ短調 op.42
 ・フランク:オルガンのための3つの小品 第3曲 英雄的小品 ロ短調 M37
 ・フォーレ(アプカルナ:編曲):パヴァーヌ(オルガン版)
 ・J.S.バッハ:ファンタジア ト長調 BWV 572
 ・ゲオルク・タルベン=バル(George Thalben-Ball):パガニーニの主題による変奏曲
 ・ティエリー・エスケシュ(Thierry Escaich):エヴォケーション II
  /イヴェタ・アプカルナ(オルガン)
 ロイヤル・アルバート・ホールのあの大きなオルガンでの演奏会です。Prom2で演奏したフォーレの「パヴァーヌ」も、今度はオルガン版。オルガンの響きを堪能しましょう。

◇7/22 Prom 11: Mahler Symphony of a Thousand
 ・マーラー:交響曲第8番 「千人の交響曲」
  /タマラ・ウィルソン、カミッラ・ニールンド(Camilla Nylund)、ジョエル・ハーヴェイ(ソプラノ)、クリスティーン・ライス(メゾソプラノ)、クラウディア・ハックル(コントラルト)、サイモン・オニール(テノール)、クイン・ケルシー(バリトン)、モリス・ロビンソン(バス)、サウスエンド少年合唱団、サウスエンド少女合唱団、BBCウェールズ合唱団、BBCシンフォニーコーラス、ロンドンシンフォニーコーラス、トーマス・セナゴー:指揮、BBCウェールズ交響楽団
 大曲が来ました。マーラー8番。少年少女合唱団に加え、合唱団が3つ…。「千人の交響曲」と言いますが、今回のプロムスでの演奏は一体何人いるんでしょう?マーラー作品は少しずつ親しんでいますが、8番はまだお近づきになれていない。マーラーの声楽付き作品はどれも好きなので、8番もきっと好きになる…かな?

◇7/23 Prom 12: Beethoven, Shostakovich & Rachmaninov
 ・ベートーヴェン:コリオラン序曲 op.62
 ・ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲 第1番 変ホ長調 op.107
 ・アンドリュー・ノーマン:Spiral(イギリス初演)
 ・ラフマニノフ:交響的舞曲 op.45
  /アリサ・ワイラースタイン(チェロ)、カリーナ・カネラキス:指揮、BBC交響楽団
 昨年プロムスデビューしたカネラキスさんが今年も登場です。ラフマニノフが楽しみです。

◇7/24 Prom 14: Sibelius, Schubert & Zimmermann
 ・ワーグナー:「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲
 ・シューベルト:若い尼僧 Die junge Nonne D828
         糸を紡ぐグレートヒェン Gretchen am Spinnrade D118
         ミニョンの歌 Lied der Mignon D877
         魔王 Erlkönig D328
 ・ベルント・アロイス・ツィンマーマン:1楽章の交響曲
 ・シューベルト(リスト編曲):さすらい人幻想曲 D760
 ・シベリウス:交響曲第7番 ハ長調 op.105
  /エリザベス・ワッツ(ソプラノ)、ルイ・ロルティ(ピアノ)、ヨーン・ストルゴーズ:指揮、BBCフィルハーモニック
 てんこ盛りなプロムです。ワーグナーに始まり、シューベルトの歌曲をオーケストラ伴奏で。しかもソプラノの「魔王」もあります。「糸を紡ぐグレートヒェン」は、声楽の発表会で、別の人が歌っていてすごくいいなと思ったので是非聴きたい(私はまだまだ歌えません。ドイツリートそのものをやっていない)。後半には「さすらい人幻想曲」のピアノとオーケストラ版もあります。最後はシベリウス7番。7番は、初演の際、「交響的幻想曲」というタイトルでした。タイトルは幻想曲つながり?
 ストルゴーズさんのプロムは、毎年私の好みの選曲が多く、楽しみです。

◇7/26 Prom 16: Stravinsky, Debussy & Wagner
 ・ワーグナー:「タンホイザー」序曲
 ・ドビュッシー:選ばれた乙女
 ・ストラヴィンスキー:ナイチンゲールの歌(うぐいすの歌)
            組曲「火の鳥」1945年版
  / サビーヌ・ドゥヴィエル(ソプラノ)、アンナ・ステファニー(メゾソプラノ)、ハレ合唱団(女声合唱)、ハレ・ユース合唱団(女声合唱)、マーク・エルダー:指揮、ハレ管弦楽団
 ここでもワーグナーが1曲目。ドビュッシーの「選ばれた乙女」はカンタータ。聴いたことがないので聴いてみたい。ストラヴィンスキーの「ナイチンゲールの歌」も。ストラヴィンスキーのバレエ音楽は、聴けばわかるのですが、まだ親しめていない。そろそろお近づきになりたい。

◇7/27 Prom 17: Parry, Vaughan Williams & Holst
 ・パリー:交響曲第5番 ロ短調
 ・ヴォーン=ウィリアムズ:揚げひばり
 ・パリー:わが言葉を聞きたまえ Hear my words, ye people
 ・ホルスト:死への頌歌 op.38
 ・ヴォーン=ウィリアムズ:交響曲第3番 田園交響曲
  /タイ・マレイ(ヴァイオリン)、ランチェスカ・チェジーナ(ソプラノ)、アシュリー・リッチズ(バスバリトン)、BBCウェールズ合唱団、マーティン・ブラビンズ:指揮、BBCウェールズ交響楽団
 オール・イギリス・プログラム!ラストナイトの「エルサレム」の作曲者としてお馴染みの、パリーの作品が2つも。パリーも、今年没後100年なんです。交響曲第5番は「交響的幻想曲1912年」という副題もあります。ホルストも「惑星」だけじゃないよ!ヴォーン=ウィリアムズは有名どころを。いいですねこういうプロム。プロムス、ロンドンという感じがします。

◇7/28 Prom 18: Currentzis conducts Beethoven
 ・ベートーヴェン:交響曲第2番 ニ長調 op.36
          交響曲第5番 ハ短調 op.67
  /テオドール・クルレンツィス:指揮、ムジカエテルナ
 世界中で話題になっているコンビ、クルレンツィスとムジカエテルナがプロムスに登場です。ベートーヴェンを2作。しかも後半は5番。どんな演奏になるのか楽しみです。
 そういえば、ベートーヴェン5番も、毎年どこかしらのオーケストラがやってる気がする。

◇7/30 Proms at … Cadogan Hall 3: Ancient Rituals and New Tales
 ・Joseph Tawadros、Jessica Wells
  /ジョセフ・タワドロス(ウード)
 曲名は省略します。タワドロスさんはエジプト出身のウード奏者。ウードは、アラビアのリュートの仲間の弦楽器。珍しいので聴いてみたい。

◇7/31 Prom 22: A London Symphony
 ・ハイドン:交響曲第104番 ニ長調 Hob. I:104 「ロンドン」
 ・ヴォーン=ウィリアムズ:交響曲第2番 「ロンドン」
  /アンドリュー・マンゼ:指揮、BBCスコティッシュ交響楽団
 私のイチオシプロムです。ロンドンで、2つの「ロンドン」交響曲。ありそうでなかった?プログラム。これは聴きたい。ヴォーン=ウィリアムズはこの交響曲を、第一次世界大戦で戦死したバターワースに献呈しています。というのは、初稿のスコアを指揮者に郵送した際、失われてしまいました。パート譜は残っていたのでそれを手がかりに、復元、再構成を手伝ってくれたのがバターワースでした。
 先日、NHKFM「N響レジェンド」でも、似た構成の回がありました。ハイドンとヴォーン=ウィリアムズの「ロンドン」交響曲に、エルガーの「コケイン序曲 ロンドンの下町から」を加えて放送。気象情報が途中に何度も入って、番組がブツ切れになってしまったのが残念でした…。このプロムにも、エルガーも入れたら完璧ですね。


 以上、7月の私の選んだ公演でした。新しい情報が入り次第、追記、修正していきます。今年もプロムスを楽しみましょう!!

 こちらも参考にどうぞ。
英国ニュースダイジェスト:ロンドンの夏を飾る音楽フェスティバル BBC Proms 2018 7月13日(金)~9月8日(土)
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by halca-kaukana057 | 2018-07-10 21:41 | 音楽

これがプロムスオーケストラ! オラモ & BBC交響楽団 @仙台

 昨日予告したコンサートの記事を。
 3月4日(日)、来日中のサカリ・オラモ指揮、BBC交響楽団の仙台公演に行ってきました。このブログでは、BBCプロムス ( Proms ) で聴いてきたコンビ。特に、「Last Night of the Proms」ラストナイトは毎年放送されるのを楽しみにしています。ラストナイトの放送を観て、楽しいコンビだなぁと思ってきました。オラモさんに関しては、CDなどでバーミンガム市響、フィンランド放送響の頃から聴いてきたのでその点でも思い入れはあります。生で聴けるのは嬉しいです。

東芝グランドコンサート 2018

【仙台公演 プログラム】
・ブリテン:歌劇「ピーター・グライムズ」より
 4つの海の間奏曲 op.33a
(第1曲:夜明け(Dawn)、第2曲:日曜の朝(Sunday Morning)、第3曲:月光(Moonlight)、第4曲:嵐(Storm)
パッサカリア op.33b
※「パッサカリア」は第3曲「月光」と第4曲「嵐」の間に演奏されました。
・チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.35
・シベリウス:交響曲第5番 変ホ長調 op.82

ヴァイオリン:アリーナ・ポゴストキーナ
 サカリ・オラモ:指揮、BBC交響楽団
(2018年3月4日 イズミティ21)


 シベリウス5番ですよ、シベ5!来日公演について発表になり、シベリウス5番が広島と仙台のみの公演と知って、迷わず仙台に行くことに決めました。距離的な問題でも仙台だったのですが。今シーズンのBBC響は、オラモさんとシベリウスチクルスを行い(2017年のフィンランド独立100年記念)、その一番最初に演奏したのが5番でした。オラモさんのお国ものですし、イギリスオケはシベリウスが生きていた時代からシベリウスを演奏してきた。BBC radio3で聴いて、これは来日が楽しみだと思っていました。
 1曲目も、イギリスオケのご挨拶のようなお国ものブリテン、コンチェルトはチャイコフスキー。ポゴストキーナさんはシベリウスヴァイオリンコンクールの優勝者で、ならばシベコン…と思ったのですが、チャイコフスキーも好きです。プログラムからして好きです。

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 ホールの入り口には立派なこんな看板?が。
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 公演パンフレット。オールカラーで内容は充実しています。お値段の分だけあると思います。東芝がスポンサー(主催はフジテレビ)のコンサートシリーズで、東芝の招待客が多かった。入場前、係員さんが、「東芝の招待券をお持ちの方~」と何度も呼びかけていた。その招待客には、パンフレットは袋入りで配布されます。なので、ホールに入ると招待客か一般客かわかります。
 お客の入りは、空席もちらほらありますが、概ね入っていたと思います。
 開演前まで、コントラバスさんがステージの上でさらっていたり(最初1人だったのが、2人になっていた)、舞台裏からフルートなどの管楽器の音が聞こえてきたり。

 開演、楽団員さんたちがステージへ。この時、楽器を持っていないけど、きちんと燕尾服を着た男性が3人、楽団員さんたちやステージの様子を見渡していました。スタッフさん、ステマネさん?そんなにオーケストラのコンサートには行けていませんが、こんな風に開演時にスタッフがステージにいるのは、国内オケでも海外オケでも見たことがありません。よくあることなんでしょうか?楽団員さんたちが全員座ったのを見届けて、スタッフさん3人は舞台裏へ。リーダー(コンマス)席の隣のヴァイオリンさんがチューニングを促して、終わった後、リーダーのStephen Bryantさんが入ってきます。プロムス ラストナイトでもこの形ですね。そしてオラモさん登場。プロムスコンビが目の前に。

 配置は第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンの対抗配置。第2ヴァイオリンの後ろにコントラバスが並んでいます。
 1曲目、ブリテン「4つの海の間奏曲」と「パッサカリア」。イギリス音楽の中でも好きな曲です。
Britten - Four Sea Interludes from Peter Grimes, Op 33a - Oramo
 2013年プロムス ファーストナイトでの演奏。このファーストナイトが、オラモさんのBBC響新首席指揮者御披露目演奏会になりました。
この演奏も聴いて行ったのですが、今回の演奏は、これよりも現代的な音がしました。微妙に不安定な音だったり、尖っていたり。管楽器が現代的なのに対して、弦楽器は滑らかにそれをしっかりと支えている。おもしろい。「ピーター・グライムズ」のオペラは、イギリスの小さな漁村で、疎外されて暮らしている漁師・ピーター・グライムズが主人公。村にある事件が起き、グライムズが容疑を疑われる。グライムズはだんだん錯乱状態になっていって…。そんな暗いお話です。音楽に明るい部分があっても、根底に暗いものがあって、きれいなんだけど何か不吉な予感がする。第1曲「夜明け」の木管とかチューバとか、第2曲「日曜の朝」の鐘の音とか。この鐘は教会の鐘の音なのだそうですが、不吉な音。第3曲「月光」→「パッサカリア」→第4曲「嵐」、この流れが自然で、面白かった。普段は「パッサカリア」は別に聴いているのに、この流れで聴いてもおかしくない。「月光」で美しい穏やかな海の情景が描かれる。弦の弱音がとてもきれいで。でも、徐々に重々しくなっていく。きれいなままというのがまたいい。「パッサカリア」は、ヴィオラのソロが美しくてよかった。このヴィオラのソロから、他のパートにも広がっていく。金管がバッチリ決めて、弦の静かな部分が。また盛り上がる。「パッサカリア」も現代的な音、曲です。20世紀のオペラなんだなぁ、と。その後に第4曲「嵐」全パートが全力、荒々しい。金管は特にバリバリいってます。弦もめまぐるしい。明るい曲ではないですが、現代的な響きが「おもしろい、楽しい」と感じました。トリルというか、音が行ったり来たりするのはハマります。ハープや多彩な打楽器など、楽器の種類も多いのも面白いですね。オラモさんの指揮も、プロムスのまんま。ああ、この指揮だ、と思いました。左手のアクションを見てると楽しい。特定の楽器に指示を出したり、曲想を伝えたり。
 1曲目から、仙台のお客さんは大喝采。1曲目なのに、オラモさん、カーテンコールしてました。
 ちなみに、調べてみたら、リボル・ペシェク:指揮、ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団の演奏のCDでは、この第3曲と第4曲の間に「パッサカリア」が入る順番でした。曲順を知った時、オペラの順番でもないし、何の意味があるんだろう?と思っていましたが、謎は解けていません。ただ、流れとしては自然な気がしました。
 この曲は、編成が結構大きいです。イズミティ21のホールは小~中規模のホール。ステージもそんなに広くなく、BBC響の皆さん、ギッシリという感じでした。

 メンバーの入れかえや編成を減らしたりして、プログラム2曲目。チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。実は、ピアノ以外の協奏曲を生で聴くのは初めてです。地元のコンサートでは、いつもピアノ協奏曲。ヴァイオリンやチェロもやってほしいとアンケートに書いてるのに、やっぱりピアノ協奏曲。遠征してようやく聴けました。チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲は、編成が随分小さいんですね。トロンボーンもいない。第1ヴァイオリンも、コントラバスも大幅に減っている。フルートに、日本人楽団員の向井知香さんが入りました。
 オラモさんとポゴストキーナさん登場。ポゴストキーナさんは緑のドレスでした。きれい、かわいい。お写真からもそんな印象を持っていたのですが、本当にきれいでかわいらしい方。
 でも、ヴァイオリンは芯が強くて、でもつややかでした。最初のヴァイオリンソロの一音を聴いて、すごい音だと感じました。あの小さなヴァイオリンから、こんな音が出るんだ。オーケストラのヴァイオリンとは違う。聴き入りました。
 チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲は、好きな曲ですが、そんなにCDなどで数多くは聴いていません。聴くと、映画「ライトスタッフ」のテーマ曲を思い出します。似てますよね。
 ヴァイオリンソロの後、オケも主題を演奏しますが、この音がさっきのブリテンとは違って、明るくて、元気で、のびのびしていて、ピュアな音をしていました。完全に楽しんでる音。そして、チャイコのヴァイオリン協奏曲は、ヴァイオリンだけが目立つ曲ではないな、と。オーケストラにも美味しい部分がいっぱいあって、ヴァイオリンソロとの掛け合いが楽しい曲。「協奏」です。ソロを聴いても楽しいし、オケを聴いても楽しい。いいですね。ポゴストキーナさん、オラモさんとアイコンタクトを取ったり、リーダーのブライアントさんを見て演奏しているところも。いい共演だなと思いました。
 ブリテンからは編成が小さくなりましたが、オケはよく鳴ります。ラストまで、本当に楽しかった。こういう演奏を聴くと、これまでそんなに聴いていなかったチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲ももっと聴きたくなりますね。
 演奏後、大喝采。オラモさんとポゴストキーナさん、何回カーテンコールしたか数えてませんw5回はしたと思う。仙台のお客さん、ノリがいいのか?大拍手に応えて、アンコール。

・チャイコフスキー (グラズノフ:編曲):「なつかしい土地の思い出」 より メロディ
 オーケストラも一緒に演奏です。これは豪華。郷愁を誘うきれいな曲。好きな曲です。アンコールでもポゴストキーナさんとオケの息はぴったりでした。ちなみに、オラモさんは指揮棒なし。やわらかな指揮でした。
 もっと生でヴァイオリン協奏曲も聴きたいですね。地元のコンサートホールのアンケートにまた書こう。または遠征しよう。

 休憩へ。休憩中、フルートさんが、ずっと次のシベリウス5番をさらっていました。シベ5だ!と反応。これからシベ5を生で聴けると実感。嬉しいです。シベリウスは大好きですが、なかなか生演奏に接したことはない。交響曲は初めて。初めて生で聴くシベリウスの交響曲が5番。いいですね。編成はチャイコフスキーよりは少し大きいです。

 休憩後、楽団員さんたちが舞台へ。この時も、スタッフさん3人がステージに出てきて見守っていました。休憩後の楽団員さんたちは、前半よりもリラックスした表情をしていました。笑顔で談笑したり。スタッフさんとも談笑している楽団員さんもいました。後半では、リーダーのブライアントさんも他の楽団員さんと一緒に出てきていました。チューニングが終わって、スタッフさんたちは舞台裏へ。オラモさん登場。シベ5です。

 と、ここであれ?と。指揮台の上に椅子が置いてあって、オラモさん、椅子に座っての指揮です。前半は普通に立って指揮していました。どこか痛めたのかなぁ…まだまだツアーは長い、これからなのに…大丈夫かなぁ…と心配になっていました。
 第1楽章。ホルンのあの音…まろやかで優しい。木管もやわらかい音で応えます。ああ、この音だ。弦の弱音のざわめき。弱音をうまく生かしていました。ファゴットのソロ。そして明るいトランペットソロ。シベリウスの交響曲を聴くと、さまざまな情景がイメージ出来ます。でも、それは「何となく」「ぼんやりとした」もの。でもこの演奏を聴いた時は、はっきりとこんな風景だとイメージできました。「名曲アルバム」を観ているみたいな。明瞭、はっきりとした、明るめの5番です。オラモさんは椅子に座っていましたが、そんなことは関係ないと思わせるダイナミックな指揮。上半身を大きく動かして振っています。オーケストラもそれに応えての熱演。全力です。でも、シベリウス特有の冷たさ、寒さ、透明感は存分に感じられます。いい音を出すなぁBBC響!と思っていました。指揮もオケも、どちらもこの曲を知り尽くしている、堂々ともしていました。第1楽章の最後で、ティンパニが思い切り強い音を出して、盛り上げ、引き締めていました。第1楽章の最後のカオスな箇所からの金管の朗々とした歌が出てきて、ジャジャジャジャン!という終わり方が好きなのですが、キッパリと見事に揃っていました。
 第2楽章、弱音がたまりません。こんな小さな音でも、ちゃんと聴こえて来る。ただ弱い音にすればいいんじゃないんだな、と自分の演奏…声楽やかつてのピアノでのことを思い出したりしていました。ゆっくり溜めたり、休符を少し長めにとって、じっくりと演奏していました。アイノラで静寂を大事にしていたシベリウスのことを思い出します。ワルツみたいな第2楽章も好きです。かわいらしく明るいようで、ほの暗さもあるんですよね。
 あっという間に第3楽章。疾走する弦、コントラバスはソフトな感じがしました(私の席の位置のせいだろうか)。ホルンが奏でる白鳥の飛翔。本当に美しくて、じわじわとこみ上げてくるものが。どのパートものびのびと演奏していました。さっき、休憩が終わって、リラックスしていた表情の楽団員さんたち。そのままの雰囲気で演奏していました。2つの主題の対比を聴くのも楽しかったです。5番、まだまだ知らない、気づかない部分がありました。CD(動画その他)でばかり聴いてきましたが、生で聴いて、目でも各パートの動きを見て、気づくことっていっぱいあるんだなと思いました。徐々に暮れゆくように、終わりへ近づいていく。このあたりのほの暗さがまたいい。じわじわきます。目頭が…。最後は、あのフライング拍手危険箇所の和音。誰もフライングしないでくれ…と祈りながら聴いていました。和音の間に一呼吸一呼吸入れても、客席はシーンとしている。最後のジャン、ジャン!の後、ちゃんと終わってから盛大な大拍手とブラボー。よかった。フライングなかった。よかった…。圧倒されたシベ5でした。
 やっぱりノリのいい?仙台のお客さん。大拍手に、オラモさんは何度もカーテンコール。どこも痛いようには見えず…。でも、ツアーはまだ前半戦なので、どうぞ無理はしないでお大事にしてください…(ツアー後半には、マーラー5番も控えていますし)。何度もリーダーのブライアントさんと握手をしたり、楽団員を立たせて挨拶したり。ソロを担当したファゴットさん、金管、全員という形で立たせていました。左胸に手を当ててお辞儀するオラモさん…ラストナイトそのまんまだ!w
 盛大な拍手に応えてアンコール。オラモさんのアンコールのコールが、これもまたラストナイトっぽいw

・シベリウス:ペレアスとメリザンド op.46 第7曲:間奏曲
 「ペレアスとメリザンド」!なかなか演奏されないけど、アンコールにいい曲ですね!かわいらしい、牧歌的な曲。BBC響の明るい、朗らかな、のびのびとした音が全開でした。シベリウスを続けて聴けるなんて嬉しい。
 アンコールの後もまだまだ大拍手は続きます。何と、もう1曲演奏してくださいました!

・シベリウス:アンダンテ・フェスティーヴォ JS 34b
 「アンダンテ・フェスティーヴォ」!!シベリウスもう1曲、5番と合わせたら3曲!!もうたまりません。爽やかで滑らかな弦楽合奏、本当に美しかった。ふっと溜めを入れるのもいい。最後はティンパニも入って荘厳に。この曲を聴けるのは本当に嬉しい。ありがとうございます!Kiitos!!
 「アンダンテ・フェスティーヴォ」を生で聴いたのは2度目。前回は、ストルゴーズ指揮N響。
・2015年、オールベートーヴェンプログラムのアンコールでした:フィンランド人指揮者でベートーヴェン+α N響演奏会に行ってきた
 どちらも、指揮はフィンランド人で、公共放送のオーケストラで、アンコールで…何だこの共通点。

 アンコール2曲は、指揮棒なし。やはり、やわらかでしなやかな指揮でした。あまりにも拍手が続くせいか、オラモさんがブライアントさんを促して一緒に退場、楽団員さんたちも退場。退場の際も、まだ拍手が続いているところもありました。太っ腹アンコールにも本当に大満足です。遠征して本当によかった。最高でした。演奏会、堪能しました。
 あたたかく、朗らかで、のびのびしてて、決めるところはバシッと決めて、BBCSO,とても素敵なオーケストラだと実感しました。オラモさんとの息もぴったりで。いいコンビです。
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 アンコールの掲示。手書きの「ペレアスとメリザンド」は急遽決まったのかな?

 思ったのが、イズミティ21のホール、ステージは、BBC響には小さいなということ。シベリウスでも、編成は小さいですが、よく鳴っていました。オーケストラの個性に対して、箱が小さい。やっぱり、ロイヤル・アルバート・ホール(RAH)の大きなホール、ステージのイメージが強いですし、この鳴りは、RAHで演奏しているオーケストラなんだなといい意味で実感しました。普段の本拠地のバービカン・センターはどうなんだろう?バービカンセンターでの演奏会の映像を観たことがないのでなんとも言えず。BBCは、音声はネットで日本からも聴けますが、映像はない。テレビ収録もすればいいのになぁ…と思いました。でも、放送、オンデマンドはイギリス国内限定なんだろうな…きっと…。やっぱりラストナイトしかないのか…?
 今後、BBC響を聴くのが楽しみになりました。普段のバービカンセンターでも、プロムスでも。今年のプロムスのプログラムは、4月19日発表です。楽しみです!

 オラモさんとBBC響のツアーはまだまだ続きます。全10公演(8公演+クローズド2公演)。長いですが、盛況になりますように。

 11日は東京、サントリーホールでのコンサートですが、そのコンサートがNHKFMで放送予定です。
NHKFM:ベストオブクラシック:3月19日:BBC交響楽団 演奏会
 3月19日、夜7時30分から。
 プログラムは、ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番(小菅優)、マーラー:交響曲第5番。
 このプログラムも聴きたいと思っていたので、放送は嬉しいです。しかも、演奏会から約1週間後に放送…こんな早く放送するのはなかなか珍しい。
※ラフマニノフは第3楽章のみの放送です。アンコールも、「アンダンテ・フェスティーヴォ」のみ(小菅さんのソロアンコール、ラフマニノフ「リラの花」と、オーケストラアンコール2曲目「ペレアスとメリザンド」間奏曲は省略…)。時間が足りない…。完全版はBBC radio3でそのうち放送でしょうか。待ちます。
 でも、この来日はフジテレビが主催…東芝がアレなので、NHKに放送権売ったとか?むしろ大歓迎です。
 あと、BBCはBBCのオーケストラの海外公演もradio3で後ほど放送するのですが、この日本ツアーも放送されるだろうか。このサントリーホール公演は放送されるはず。他のAプログラム(ブラームス1番)、このBプログラム(シベリウス5番)も、どこかで収録していればいいのですが…。
【追記 180308】
 BBC radio3で、広島公演(ブリテン、チャイコフスキー、シベリウス)の模様が放送されました。早いよ!まだBBC響はツアー中だよ!
BBC radio3 : Radio 3 in Concert : BBC Symphony Orchestra's Japan Tour 2018 - Ueno Gakuen Hall, Hiroshima
 30日間オンデマンド配信してます。期間中はいつでも何度でも聴けます。スマートフォンからは、「BBC iPlayer Radio」をダウンロードして聴いてください。
 演奏だけでなく、休憩中には、広島の街中の音、平和記念公園、広島交響楽団のことも紹介されました。あと、BBC響の日本人楽団員、フルートの向井知香さんのインタビューもあります。広島公演は仙台と同じプログラムですが、ポゴストキーナさんのソリストアンコールがない、オーケストラアンコールは「アンダンテ・フェスティーヴォ」だけという違いがありました。仙台もよかったけど、同じプログラムでも違う公演地の様子も聴けるのは嬉しいです。

 NHKFMでの東京公演の放送の前に、BBC radio3にこんなのがありました。
BBC radio3 : Through the Night : BBC Proms 2016: Sakari Oramo conducts Mahler and Haydn symphonies
 2016年のプロムスの再放送です。オラモさんとBBC響のマーラー5番です。一昨年の演奏と、今年の日本ツアーでの演奏に違いはあるのか。聴き比べてみるのも面白いと思います。
 ちなみに、これが放送されたのは、東京公演の数時間前。BBCさん、わかって放送したのか、どうなのか…。

【追記 20180501】
 BBC radio3にて、残りのAプログラム(川崎 ミューザ)、Cプログラム(東京 サントトリーホール)の録音が放送されました。以下からどうぞ。オンデマンド配信は放送から30日間。
BBC radio3 : Afternoon Concert : BBC Symphony Orchestra
 ミューザ川崎でのAプログラム。ブリテン:「ピーター・グライムズ」より 4つの海の間奏曲 パッサカリア、チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調(Vn:アリーナ・ポゴストキーナ)、ブラームス:交響曲第1番
 ブラームスだけが既に放送、配信した広島でのBプログラム(私が聴いた仙台も)ですが、被るブリテンとチャイコフスキーも放送しています。広島ではなかったポゴストキーナさんのアンコール「なつかしい土地の思い出」より「メロディ」はありますね。オーケストラアンコールはシベリウス:ペレアスとメリザンド より「間奏曲」

BBC radio3 : Afternoon Concert : BBC Symphony Orchestra
 東京、サントリーホールでのCプログラム。ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調(P:小菅優)、マーラー:交響曲第5番。この演奏会は、NHKFMで放送されましたが、放送時間に収まらずラフマニノフは3楽章のみでした。今度はフルで聴けます。マーラーももう一度。小菅さんのソロアンコールのラフマニノフ「リラの花」、オーケストラアンコールの「アンダンテ・フェスティーヴォ」も入ってます。「アンダンテ・フェスティーヴォ」は何度聴いてもじわじわ来ます。

 この2つの録音を聴いて、ミューザ川崎と、サントリーホール、響き方が違うなと感じました。くっきりしてるのはミューザ?サントリーホールはやわらかい?どちらも行ったことはない。実際に行って、生で聴いてみたいです。




【プロムス ラストナイト過去記事】
・2014:こんなクラシックコンサート観たことない! 「Proms(プロムス)」ラストナイトコンサート2014
2015はNHKが放送せず、観られず。
・2016:一緒に音楽を楽しもう Proms(プロムス)2016 ラスト・ナイト・コンサート
・2017:クラシック音楽の最前線で BBC Proms(プロムス) ラスト・ナイト 2017 まとめ
Promsタグで、このブログの、ラストナイト以外のBBC Proms関連記事を読めます。毎年の注目公演など。

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by halca-kaukana057 | 2018-03-06 21:45 | 音楽

クラシック音楽の最前線で BBC Proms(プロムス) ラスト・ナイト 2017 まとめ

 今年もNHK BSプレミアムで放送されました!(安堵) BBC Proms(プロムス)、最終日のお祭りコンサート「Last Night of the Proms 2017」.NHKでは「ラスト・ナイト・コンサート」と訳してますね。
 9月、生中継を聴いていましたが、映像で観ると違う!日本語訳が付いてありがたい。これは何だろう?とわからなかったことの謎も解けますし、情報も増えます。プロムス ラストナイトについて語らないと、今年のプロムスを聴き終えた気がしない。ということで感想を。

◇プロムス 公式サイト:BBC Proms:Prom 75: Last Night of the Proms 2017
・過去記事:BBC Proms(プロムス)2017 私選リストその4 [9月]


・ロッタ・ヴェンナコスキ:フラウンス (Flounce) (世界初演)
・コダーイ:ブダ城のテ・デウム(ブダヴァリ・テ・デウム)(プロムス初演)
・サー・マルコム・サージェント:強い嵐の日の印象(Impression on a Windy Day) op.9
・シベリウス:フィンランディア (合唱つき) op.26
・ワーグナー:「トリスタンとイゾルデ」 前奏曲、「愛の死」

・ジョン・アダムズ:歌劇「ザ・ガールズ・オブ・ザ・ゴールデン・ウェスト」より「ローラ・モンテスがスパイダーダンスを踊る」(Lola Montez Does the Spider Dance) (ロンドン初演)
・ガーシュウィン:ミュージカル「パードン・マイ・イングリッシュ」より「ローレライ」(The Lorelei)(ホルムズ:編曲)
・クルト・ワイル:ミュージカル「ハッピー・エンド」(Happy End)より 「スラバヤ・ジョニー」(Surabaya Johnny)
         ミュージカル「闇の女」(Lady in the Dark)より「ザ・ザーガ・オブ・ジェニー」(The Saga of Jenny)(ヘルゲ:編曲)

・ヘンリー・ウッド(編曲):イギリスの海の歌による幻想曲
 (小粋なアレトゥーザ / トム・ボウリング / ホーンパイプ / スコットランド民謡:エリスケイの恋歌(キャンベル:編曲) / アイルランド民謡:ダニーボーイ(マクグリン:編曲) / ウェールズ民謡:海辺には(グリン:編曲) / 見よ、勇者は帰る
・トマス・アーン(サージェント:編曲):ルール・ブリタニア
・エルガー:威風堂々第1番 ニ長調 「希望と栄光の国(Land of Hope and Glory)」
・パリー(エルガー:編曲):エルサレム
・アーサー・ブリス 編曲:イギリス国歌
・Auld Lang Syne

/ ニナ・シュテンメ(ソプラノ)
ルーシー・クロウ(ソプラノ)、クリスティン・ライス(メゾソプラノ)、ベン・ジョンソン(テノール)、ジョン・レリエ(バス)
BBCシンガーズ、BBCシンフォニーコーラス
サカリ・オラモ:指揮、BBC交響楽団


 今年も指揮はBBC響首席指揮者のサカリ・オラモ。2年連続3回目。もうラストナイト常連でしょうか。今年もいい感じに盛り上げて、沸かせて、聴かせてくれます。今年の歌手はスウェーデン出身のソプラノ、ニナ・シュテンメ(Nina Stemme スウェーデン語の発音だと「ステンメ」の方が近いらしい。実際、放送の発音を聴いてみても、「ステンメ」って言ってる)。ワーグナー歌いのステンメさん、十八番の「トリスタンとイゾルデ」より「愛の死」を歌います。力強く、響くソプラノ。とても素敵でした。「愛の死」を日本語訳歌詞を読みながら聴いていると、何ともせつない気持ちになります。ドレスも上品で素敵でした。
 第2部では打ってかわって、ガーシュウィンとクルト・ヴァイルのミュージカルナンバーを。3曲とも聴くのは初めて。クルト・ヴァイルの経歴も初めて知りました。とってもお洒落で、大人の恋愛や人生の喜怒哀楽を歌い上げるステンメさん。どの曲もドラマティック。感情をむき出しにして歌う箇所もあります。しかも、ミュージカルナンバーをPAのためのマイクなしで歌うなんてすごい。オペラ歌手がミュージカルナンバーを歌うのもいいなと思いました。オーケストラもノリノリの、いい音を出しています。「スラバヤ・ジョニー」では舞台の照明を落として、ムード満点。弦楽器が演奏しないから、という理由もあったみたいです。

 今年のラストナイトで、キーワードに思えるのが、まずフィンランド独立100年記念。今年のプロムスはロシア革命100年をテーマにしましたが、ロシア革命100年=フィンランド独立100年でもある。ロシア革命のゴタゴタの間に独立してしまったんです。1曲目の世界初演の新作は、フィンランドの女性作曲家・ロッタ・ヴェンナコスキ(Lotta Wennäkoski)の新曲。ヴェンナコスキさんはとても可愛らしい、北欧美人という雰囲気の女性。どんな曲を書くのかなと思ったら、結構尖ってる。弦も鋭く、キリキリとした音色を出します。途中、打楽器に木魚が使われているのに気づきました。しかも、打楽器のブラシで叩いてる。日本人作曲家が木魚を使うのは観たことがありますが、海外の作曲家が木魚を使っているのは初めて見た気がする。元々の使われ方に馴染んでいるので、海外の人が楽器として使うのを見ると、不思議な気持ちになります。
 第1部では、フィンランドの独立の象徴となった、シベリウス「フィンランディア」を「フィンランディア賛歌」の合唱つきで。最初のほうで、アクセントを強く演奏しているなと感じました。戦闘のテーマを経て、「フィンランディア賛歌」。とても美しい合唱です。歌詞も、スオミの夜が明けたと独立を高らかに歌うのが感動的。歌っているのはBBCシンフォニー・コーラス、BBCシンガーズ、イギリスの合唱団ですが、フィンランドの人々がフィンランド語の発音も完璧だとツイッターなどでコメントしていたのを見ました。フィンランド語の発音は難しいです。英語圏の人にとっても難しいと思うのですが、フィンランドの人々が感激するような歌を歌っているのは嬉しくなります。フィンランド人の指揮のオラモさんにとっても、「第2の国歌」「愛国歌」である「フィンランディア賛歌」最後の方、一緒に歌ってましたね。歌の間はずっと合唱団を映していたので、オケや指揮者の様子はなかなか映らなかったのですが、舞台上の巨大モニターが映った時、オラモさん、口をパクパクしてました。歌ってたんだと思います。独立100年の「第2の国歌」歌わずにはいられないよなぁ。いい演奏でした。

 今年のプロムス ラストナイト、もうひとつのキーワードは、初演、再演。1曲目の「Flounce」、2曲目のコダーイ「ブダ城のテ・デウム」、第2部のジョン・アダムズ「ローラ・モンテスがスパイダーダンスを踊る」これらは何らかの「初演」が付いています。驚いたのがコダーイの「ブダ城のテ・デウム」。プロムス初演。クラシックでも、プロムスで演奏したことがない曲があるのか!と驚きました。力強い合唱と、美しいソプラノソロが印象的な曲でした。これがプロムス初演とは…。ヘンリー・ウッドが始め、マルコム・サージェントが指揮し広まったプロムス。サージェントが指揮し初演した曲の解説がありましたが、その多さに驚きました。また、サージェントはもともとは作曲家として、ウッドの目に留まった。それが、「強い嵐の日の印象(Impression on a Windy Day)」この曲も、今年のを含めて6回しか演奏されていません。しかも戦後は今回と1954年だけ。ゴルフ場でインスピレーションを得たと言っていましたが、その説明の後で聴いてみると、確かに広いゴルフ場に吹く嵐を思わせます。ゴルフ場というのがイギリスらしい。
 オラモさんのスピーチにもありましたが、ウッドはクラシック音楽を身近に、とプロムスを始め、新しい曲をどんどんプログラムに組み込んだ。それをサージェントが指揮した。プロムスはクラシック音楽の最前線にあったという意味でいいと思います。勿論、今、現在も。ラストナイトだけでなく、8週間にわたる演奏会で、世界初演、イギリス初演、ロンドン初演、ヨーロッパ初演の作品はたくさんあります。初演だけなく、しばらく演奏されていない作品を再発掘し再演したり、歴史に埋もれて行方不明になっていた作品が見つかり演奏したり(今年のストラヴィンスキー「葬送の歌」のように)。こうやって、繋いで、歴史となっていく。これからも、プロムスはそんな役割を担う音楽祭であり続けると思うのです。
 という小難しい話をしたけど、今はラストナイトを存分に楽しもう!というオラモさんのスピーチはよかったです。今年のスピーチは「指揮者」について。マーラーはバンドマスター…wバスの車掌さんも「コンダクター」なんですね。バーミンガム時代に思いついたジョークだそうですが、ラストナイトという大舞台で披露できてよかったですねw演奏会で、讃えられ偉ぶるのは指揮者。演奏家、楽団員の手柄なのに!というところもよかった。もしかして、フィンランド放送響の楽団員時代に思ったことがあるんでしょうかオラモさん…。

 今年のラストナイトの放送でよかったと思うのは、解説ビデオが多かったこと。プロムス ラストナイトにまつわる謎や「お約束」、裏話。それらが解説されてよかったです。
 まず、生中継するヨーロッパ各地の放送局のアナウンサーたちのインタビュー。日本も昔は生中継していたのに…。登場したのは、北ドイツ放送、ラジオ・フランス、ブルガリア国営放送、ラジオ・フィンランド(と表記されていましたが、私にはYLEのほうが馴染み深い)。「とてもマネできない」「私の国じゃできない」という褒め言葉(?)を言われるラストナイト。ヘッドホンの音量が大きくて外したら、会場の歌声の方がもっと大きかったというのは印象的でした。すごい。
 次に、ロイヤル・アルバート・ホール特別ツアー。「総合文化大ホール」の予定だったんですね…それはちょっと…。あと、天井からぶら下がっている丸いもの、「マッシュルーム」と呼ばれているそうですが、これは地面と天井の間にあるというのが驚きでした。どんだけ大きいんだあのホールは…。一度は行ってみたくなります。
 そしてうれしかったのが、「イギリスの海の歌による幻想曲」の解説。今まで謎な部分もあったので、これはよかった。水兵の歌なんですね。かなしげなチェロソロが心に沁みる「トム・ボウリング」は、その水兵のトムさんが亡くなってしまった曲だったのか…。それはかなしい。でも、その後、「ホーンパイプ」で大騒ぎする。過去の映像を観ていると、過去の方が大はしゃぎしていたように見えます。今の方が大人しい?今年は、民謡メドレーは去年と違います。でも、「エリスケイの恋歌」「海辺には」どちらも恋を歌ったきれいな歌です。「ダニー・ボーイ」は毎年泣かせますね…。各野外会場との中継もよかった。だが、ロイヤル・アルバート・ホールに戻ってきて、今年は「ホーム・スウィート・ホーム」がなかった。オーボエさんの見せ所なのに。去年のオーボエさんとは違いましたが、好きな曲なのでちょっと残念。
 最後の「ルール・ブリタニア」。ステンメさんが、北欧神話のワルキューレの扮装をして歌います。ワーグナーの「指環」は北欧神話がモチーフ、ワーグナー歌いで、スウェーデン出身のステンメさんにはぴったりです。ステンメさんの力強い、高らかな歌が素晴らしかった。勇ましく堂々としていました。
 ちなみに、「ルール・ブリタニア」の歌詞と、北欧神話のワルキューレ…戦い、死後に向かうヴァルハラへ迎え入れる役割をするのがワルキューレだとヴァイキングたちが信じていたわけですが、イングランドはそのヴァイキングに支配されていた(クヌート王はキリスト教でしたが)。気づいてしまった…どうなんだこれ…。まぁ、大昔の話だし…。北欧神話というよりは、ワーグナーの楽劇に出てくるワルキューレだと思えば…。
 指揮者がフィンランドで、ソプラノソロはスウェーデン。北欧な「ルール・ブリタニア」でもありました。今年の会場には、スウェーデン国旗が多く目立ちました。皆さんステンメさんの応援ですね。スウェーデン国旗の横でフィンランド国旗も振られて、北欧隣同士仲良しなシーンもありました。

 語っても語りつくせないラストナイト。その他、気づいたところを。
・テレビ放送の案内役のケィティ・ダーハムさん。毎年お馴染みの方です。話しているダーハムさんの後ろを、リボンやカラーテープが落ちていき、その度に笑ってしまうダーハムさん。最後にはクラッカーの紙テープが髪に…。ラストナイトのノリだから笑って許せます。
・第2部になると、恒例なのが、トランペットさんたちが蝶ネクタイを国旗カラーに変えるのと、指揮台のデコレーション。その指揮台に、今年亡くなった前首席指揮者・イルジー・ビエロフラーヴェクさんのお写真が…!「トム・ボウリング」の際、そのビエロフラーヴェクさんのお写真が映ったのですが、ビエロフラーヴェクさんを追悼しているかのようでした。
・第1部と第2部を見比べて、あれ?と気づいたのが、オラモさんも衣装が違う。第1部は白の刺繍入りのベストとタイ。第2部は黒の蝶ネクタイ。第2部でステンメさんのミュージカルメドレーがありましたが、その雰囲気に、黒の蝶ネクタイがぴったりだと感じました。ちなみに、左胸につけていた勲章は大英帝国勲章 OBE。バーミンガム市交響楽団の音楽監督時代、イギリス音楽への貢献で2009年に授与されました。キラキラ光る勲章がきれいでした。
・第2部、コンマス(イギリスでは「リーダー」)のブライアントさんの椅子に風船がつけてありました。
・そのブライアントさん、「ホーンパイプ」のソロで、「007」のテーマ曲を混ぜて弾いてましたw会場の笑いがwブライアントさん、少しニヤリと笑っているようでしたw
・毎年、気になっているのが、「We ♥ BBC」の垂れ幕。毎年同じ人なんだろうか。
・今年は日の丸も多かった気がします。現地に住んでいる日本人の方なのか、日本から聴きに行っている方なのか。いいなぁ。
・気になった楽団員さん。コールアングレの女性。水色のキラキラしたドレスと、水色のネイル。弦楽器奏者はネイルはできない(ですよね?)。管楽器奏者だからこそのお洒落が、目立って素敵でした。
・BBC響は女性楽団員が多い!トロンボーンと、ファゴットの方が気になりました。あと、コントラバスにも多い。
・オラモさんのスピーチで、今年のプロムスで女性指揮者が7人登場した、とありました。7人。数えてみた。
 ・Jessica Cottis(Prom11,12)
 ・シャン・ジャン(张弦) (Prom21)
 ・Karen Kamensek (Prom41)
 ・Sofi Jeannin (Prom48)
 ・ミルガ・グラジニーテ=ティーラ Mirga Gražinytė-Tyla (Prom50)
 ・ Sian Edwards (Proms at ... Wilton's Music Hall)
 ・カリーナ・カネラキス Karina Canellakis (Prom70)
 以上、7名です。常連のマリン・オールソップさんは今年は出てません。スザンナ・マルッキさんもまた出てほしいなぁ。
・今年は、「トム・ボウリング」のところでBBC radio3のロゴ入りのハンカチはありませんでした。
・今年もフルートの日本人楽団員、向井さんは大活躍です。お隣のフルート首席さんの口ひげが、まさにイギリス紳士という感じでした。
・「威風堂々第1番「希望と栄光の国(Land of Hope and Glory)」」、「エルサレム」、今年も盛り上がります。ブリス編曲のイギリス国歌はかっこよかったのですが、短いですね。イギリス国歌は立って演奏するBBC響です。
・最後の、今年のプロムスのハイライトを流すのはよかった。うまくまとめています。主役はバーミンガム市響のミルガ・グラジニーテ=ティーラさんでしょうか。Prom57に出演した、ジャズピアニストの上原ひろみさん(公式サイトでは「Hiromi」表記)も登場しましたね。このハイライトを観ると、プロムスの音楽の幅の広さを実感します。クラシックだけじゃない。毎年オンデマンドを溜めてしまい、なかなかクラシック以外のジャンルを聴けないのですが、私も幅を広げていけたらと思います。
・Auld Lang Syneは、2015年からオーケストラ伴奏つきです。2015年からです(その2015年のラストナイトを、NHKは放送しなかった…!)「蛍の光」と邦題になっていましたが、ラストナイトで歌う「Auld Lang Syne」は「蛍の光」とは違う。朝の連ドラ「マッサン」でも、「Auld Lang Syne」と「蛍の光」は違う、ってやってたじゃないですか!NHKなのに!去年は「昔なじみ」と訳してました。こっちのほうがしっくり来る。

 とは言いましたが…来年も放送をお願いします!NHKさん!

BBCによるラストナイトまとめがあるので、こちらもどうぞ。
BBC Proms : Last Night of the Proms: Video coverage
BBC Proms : Last Night of the Proms: The biggest moments

 BBC Radio3では、年末年始にプロムスの再放送をします。ラストナイトは大晦日。グリニッジ標準時で年越しの時間。年越しの時間、「Auld Lang Syne」です。他にも聴き逃したPromがあればもう一度!
BBC Proms : Proms winter repeats
BBC radio3 : Proms 2017 Repeats : Prom 75: Last Night of the Proms



 最後に、これを。オラモさんとBBC響が、来年2018年、3月、来日します!
東芝グランドコンサート2018 オフィシャルサイト
 待ってましたよ!プログラムも、オラモさんとBBC響の十八番を持ってきた感じがします。私もチケット取りました。

・去年のラストナイトまとめ:一緒に音楽を楽しもう Proms(プロムス)2016 ラスト・ナイト・コンサート
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by halca-kaukana057 | 2017-12-23 23:26 | 音楽

ラハティ シベリウス音楽祭2017 演奏会動画まとめ

 毎年恒例のフィンランド ラハティ シベリウス音楽祭(Lahti International Sibelius Festival 2017)。ラハティのシベリウスホールにて、8月30日から9月3日まで開催されました。今年は、フィンランド独立100年記念ということで、ラハティ交響楽団(ディーマ・スロボデニューク:指揮)だけでなく、ゲストオーケストラに、サントゥ=マティアス・ロウヴァリ:指揮、エーテボリ交響楽団も招待されました。
 ラハティ響の演奏会動画を公開しているサイトで、ようやく全公演揃ったので、まとめます。動画へのリンクを貼っておきます。


【1日目】
 ・男声合唱集
 ・6つの歌 op.18 (6 laulua)
  失われた声 (Sortunut ääni)
  ようこそ 月よ (Terve kuu)
  船の旅 (Venematka)
  島では燃えている (Saarella palaa)
  森の男の歌 (Metsämiehen laulu)
  私の心の歌 (Sydämeni laulu)

 ・恋するもの (Rakastava) JS160a
 ・異郷にあるわが兄弟たち (Veljeni vierailla mailla) JS217
  / パシ・ヒョッキ:指揮、YL男声合唱団

 ・クッレルヴォ (Kullervo) op.7
  / ヨハンナ・ルサネン=カルタノ(ソプラノ)、ヴィッレ・ルサネン(バリトン)、YL男声合唱団
   ディーマ・スロボデニューク:指揮、ラハティ交響楽団
 1日目は、まず、オーケストラはなく、YL男声合唱団によるアカペラの男声合唱から。シベリウスの合唱曲の中でも有名な「6つの歌」、前半4曲はカンテレンタルの歌です。「恋する者(ラカスタヴァ)」は管弦楽曲でも有名ですが、合唱曲も大好きです。「異郷にあるわが兄弟たち」(1904年作曲)は「追放者の歌」とも呼ばれているそうです。離れていた祖国に戻って来た男が、まだ異郷の地に残っている仲間(兄弟)のことを思って歌う歌。異郷の地とはロシアのことでしょうか。フィンランドが独立する前、ロシアに支配されていた厳しい時代を歌っています。
 そのあとで、「クレルヴォ」。1日目から「クレルヴォ」です。「カレワラ」の悲劇の英雄・クッレルヴォの物語を題材にしたこの曲。カンテレンタルに基づく「6つの歌」と一緒に聴くと、フィンランドのルーツに触れるような気がします。歌男声合唱は引き続きYL男声合唱団。独唱は「クレルヴォ」ではお馴染みのルサネンきょうだい。


【2日目】
 ・大洋の女神(波の娘) (The Oceanides)op.73

 ・歌曲集
  ・Jubal op. 35-1
  ・トンボ (En slända) op.17-5
  ・秋の夕べ (Höstkväll) op.38-1

 ・ルオンノタール (Luonnotar) op.70

 ・レンミンカイネン組曲 (Lemminkäinen) (四つの伝説) op.22
  / アヌ・コムシ(ソプラノ)、ディーマ・スロボデニューク:指揮、ラハティ響
 2日目は、まず「大洋の女神」。その次に、ソプラノソロの歌曲の管弦楽伴奏と、「ルオンノタール」。歌うのは、2015年のシベリウス音楽祭でも「ルオンノタール」のソロを歌っていたアヌ・コムシさん。歌曲の「Jubal」の和訳がわからないのですが、歌詞の和訳を見るとこれは固有名詞なのかな?歌曲3曲はスウェーデン語の歌詞。「ルオンノタール」は「カレワラ」からの歌詞です。
 「大洋の女神」と「ルオンノタール」は、曲調も題材も全く異なりますが、女神をテーマにしているので混同してしまいそうになるかも。
 後半は「レンミンカイネン組曲」。一般的には、第1曲:レンミンカイネンと島の乙女たち、第2曲:トゥオネラの白鳥、第3曲:トゥオネラのレンミンカイネン、第4曲:レンミンカイネンの帰郷、となるのですが、今回は第2曲と第3曲が入れ替わっています。この順番での演奏も時々あります。


【3日目】
 ・木の精 (The Wood-Nymph / Skogsrået /Metsänhaltijatar)op.15 , エン・サガ op.9
 ・交響曲第5番 変ホ長調 op.82
  /サントゥ=マティアス・ロウヴァリ:指揮、エーテボリ交響楽団
 この秋から、エーテボリ交響楽団は、フィンランド出身のロウヴァリさんを首席指揮者に迎えました。ロウヴァリさんは、今年タンペレ・フィルと来日もしましたね。3日目はこの船出したばかりのコンビの演奏です。
 「木の精」と「エン・サガ」は、なんと続けて演奏されます。どういうこと?ぜひ聴いてみてください。びっくりです。驚きです。ロウヴァリさんは指揮が独特ですが、客席側ではなく、オーケストラ側から見ると、ここはこういう指示なんだなと納得できてしまうので、こちらも驚きです。


【4日目】
 ・報道の日 祝賀演奏会のための音楽 JS137
  1.前奏曲、2.ヴァイナモイネンの歌、3.フィン人の洗礼、4.トゥルク城のヨハン公、5.30年戦争、6.大いなる敵意、7.フィンランドは目覚める
 ・交響曲第2番 ニ長調 op.43
  /ディーマ・スロボデニューク:指揮、ラハティ交響楽団
 音楽祭を締めくくる4日目。後に「歴史的情景」第1組曲と、「フィンランディア」の原型になる、「報道の日 祝賀演奏会のための音楽」が演奏されました。まさに、フィンランド独立100年のシベリウス音楽祭で演奏されてほしい曲です。最後は2番。アンコールでは「フィンランディア」が恒例なのですが、「フィンランドは目覚める」を演奏したためか、今年のアンコールではなかったそうです。

 今年も盛りだくさんのシベリウス音楽祭です。まだ動画を全部視聴出来てないので、これから楽しみます。

・昨年のシベリウス音楽祭:ラハティ シベリウス音楽祭2016 まとめ
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by halca-kaukana057 | 2017-11-09 23:03 | 音楽

BBC Proms(プロムス)2017 私選リストその4 [9月]

 2ヶ月にも及ぶ大音楽祭、BBCプロムスももう終盤。9月です。早いなぁ。

【今年の私が選んだプロムリスト 過去記事】
・7月:BBC Proms(プロムス)2017 私選リストその1 [7月]
・8月 前半:BBC Proms(プロムス)2017 私選リストその2 [8月 前半]
・8月 後半:BBC Proms(プロムス)2017 私選リストその3 [8月 後半]

 今回も、各プロムのリンクはプロムス公式サイトを貼りますが、実際聴く時はBBC radio3のサイトの方が便利だと感じます。前回も書きましたが、昨年まであったプロムス公式と、radio3の放送回のリンクが今年はなくなってしまいました…。radio3の放送一覧のページを以下に貼っておきます。
BBC Radio3 : BBC Proms : Available now

 今年は高音質録音が昨年よりも増えています。radio3の各放送回にリンクがありますが、一覧もありますのでこちらもどうぞ。イヤホン、ヘッドホン(普通のヘッドホンで構いません)で、臨場感のある演奏をお楽しみください。
BBC : BBC Proms in Binaural Sound
◇詳しいことはこちら:BBC Taster : BBC Proms in Binaural Sound
 このページの「Inside Story」に高音質で配信予定のプロムの記述があります。

 では、9月の公演を見ていきましょう。

◇9/1 Prom 64: Royal Concertgebouw Orchestra and Daniele Gatti
・ヴォルフガング・リーム:In-Schrift
・ブルックナー:交響曲第9番 ニ短調
/ ダニエレ・ガッティ:指揮、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
 9月は大御所の公演がずらりと並びます。まずはガッティ&コンセルトヘボウ。リームはドイツの現代作曲家。メインはブルックナーの9番。ブルックナーはなかなかお近づきになれてない作曲家ですが、9番の迫ってくるような音、メロディーは印象的だと感じています。

◇9/2 Prom 66: Haydn and Mahler
・ハイドン:交響曲第82番 ハ長調 Hob.I:82 「熊」
・マーラー:交響曲第4番 ト長調
/ チェン・レイス(ソプラノ)、ダニエレ・ガッティ:指揮、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
 ガッティ&コンセルトヘボウの2日目。ブルックナーの次はマーラーです。9月は大曲も多いです。その前にハイドンの交響曲第82番。「熊」と愛称がついていますが、第4楽章冒頭の前打音を伴う低音が熊使いの音楽を思わせるから…だそうです。熊使いの音楽ってどういう音楽だろう?マーラー4番は、マーラーの交響曲の中でも好きな作品です。シャンシャンシャンシャン…と迫ってくるような鈴の音と、第4楽章の天国での生活を歌うソプラノソロが印象的です。

◇9/3 Prom 67: Freiburg Baroque Orchestra and Pablo Heras-Casado
・メンデルスゾーン:フィンガルの洞窟 op.26
ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 op.64
交響曲第5番 ニ長調 op.107 「宗教改革」
/ イザベル・ファウスト(Vn)、パブロ・エラス=カサド:指揮、フライブルク・バロック管弦楽団
 オール・メンデルスゾーン・プログラムです。メインの交響曲第5番は、今年のプロムスのテーマのひとつである「宗教改革」ずばりそのもの。ルターの宗教改革から300年を記念して、メンデルスゾーンが作曲した交響曲を、宗教改革から500年の今年、演奏します。お馴染みヴァイオリン協奏曲のソロはイザベル・ファウストさん。

◇9/3 Prom 68: Prokofiev, Tchaikovsky and Shostakovich
・プロコフィエフ:「十月革命」20周年記念カンタータ op.74
・チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第3番 変ホ長調
・ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 ニ短調 op.47
/ デニス・マツーエフ(P)、マリインスキー歌劇場合唱団、ワレリー・ゲルギエフ:指揮、マリインスキー歌劇場管弦楽団
 9月3日はもうひとつ公演があります。しかも、ゲルギエフ&マリインスキー歌劇場管。勿論、オール・ロシア・プログラムです。ヘビーだ。今年のプロムスは、ロシア革命から100年ということで、ロシア革命にちなんだ作品やロシア作曲家作品が多いですが、プロコフィエフのカンタータにショスタコ5番と「革命」な作品を持ってきました。チャイコフスキーのピアノ協奏曲第3番は、1楽章だけの未完の協奏曲。
 マツーエフさんのアンコールは、ルトスワフスキ:パガニーニの主題による変奏曲、ピアノと管弦楽版と、リャードフ:音楽の玉手箱 Op.2。パガニーニの主題による~はラフマニノフもピアノ協奏曲を書いていて、色んな作曲家に取り上げられる主題ですね。アンコールですが、オーケストラも演奏、8分もの作品…聴いていて最初、プログラム追加したのかと思ってしまいました。

◇9/4 Proms at ... Cadogan Hall, PCM 8
・シューベルト:弦楽五重奏曲 ハ長調 D.956
/ エリアス弦楽四重奏団、アリス・ニアリー(Vc)
 Proms Chamber Music(PCM)の8回目。シューベルトの弦楽五重奏曲です。大曲が続いているので室内楽で一息…と言いたいところですが、シューベルトの弦楽五重奏曲も大曲です(汗 シューベルトの遺作、死の2ヶ月前の作品。弦楽五重奏は作曲家で形が異なりますが、シューベルトは第2チェロを足しました。

◇9/5 Prom 70: Missy Mazzoli, Bartók and Dvořák
・ミッシー・マゾリ:Sinfonia (for Orbiting Spheres)(オーケストラ編曲版 ヨーロッパ初演)
・バルトーク:ピアノ協奏曲第2番 Sz.95 BB101
・ドヴォルザーク:交響曲第8番 ト長調 op.88
/ ジェレミー・デンク(P)、カリーナ・カネラキス:指揮、BBC交響楽団
 アメリカの女性指揮者、カリーナ・カネラキスさんがプロムス初登場、BBC響を指揮します。お写真、きれいな方ですね。1曲目のマゾリもアメリカの女性作曲家。ピアノソロのデンクさんもアメリカ人。バルトークはアメリカに亡命しましたし、ドヴォルザークはアメリカに暮らしていたことがある…アメリカにまつわるプロムです。
 BBC響はこれで通常のプロムへの出演は終わり。残すはラストナイトです。

◇9/6 Prom 71: Stravinsky, Britten, Prokofiev and Shostakovich
・ストラヴィンスキー:葬送の歌
ヴォルガの舟歌
・プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲 第1番 ニ長調 op.19
・ブリテン:ロシアの葬送
・ショスタコーヴィチ:交響曲第11番 ト短調 op.103 「1905年」
/ アリーナ・イブラギモヴァ(Vn)、ウラディミール・ユロフスキ:指揮、ロンドンフィルハーモニー管弦楽団
 この秋に来日するユロフスキ&ロンドンフィルによるロシア(と、ロシアにまつわる)プログラムです。失われていたと思われていた、ストラヴィンスキー「葬送の歌」のスコアが2015年に発見され、その後、世界各地で演奏されてきました。プロムスでも取り上げます。イギリスでは、サロネン&フィルハーモニア管が初演しているので、今回は初演ではありません(日本初演も今年、サロネン&フィルハーモニア管の来日公演にて)。ショスタコーヴィチの11番は悲痛な作品ですが大好きです。

◇9/7 Prom 72: Vienna Philharmonic – Mahler’s Sixth Symphony
・マーラー:交響曲第6番 イ短調 「悲劇的」
/ ダニエル・ハーディング:指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 プロムス、今年はウィーンフィルの年です(ベルリンフィルと交互にやってくる)。ハーディングさんが指揮するのは、マーラーの6番。これまた大曲、痛切な作品です。マーラーの6番と言えばハンマー。どんな風に鳴らしてくるのか、楽しみです。

◇9/7 Prom 73: Sir András Schiff performs Bach’s The Well-Tempered Clavier
・J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第1巻(Erster Teil, BWV 846〜869)
/ アンドラーシュ・シフ(P)
 7日はもうひとつ公演が。シフさんのバッハ平均律第1巻。オーケストラでも、ロイヤル・アルバート・ホールは大きいと感じるのですが、ピアノソロだと奥の席では聴こえるんだろうか…なんて思ってしまいます(協奏曲のソロ楽器、声楽ソロだって同じだ)。ですが、シフさんのピアノ、バッハ、楽しみです。

◇9/8 Prom 74: Vienna Philharmonic – Brahms, Mozart and Beethoven
・ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲(聖アントニウスのコラールによる変奏曲) op.56a
・モーツァルト:ピアノ協奏曲第14番 変ホ長調 K.449
・ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 op.92
/ エマニュエル・アックス(P)、マイケル・ティルソン・トーマス:指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 ウィーンフィル2日目。ドイツものです。ブラームス「ハイドンの主題による変奏曲」は、プロムス公式HPだと「Variations on the St Anthony Chorale」と書かれていて、何の曲だ?と最初思ってしまいました。この呼び名もあるんですね。なるほど。予習も大事です、プロムス。指揮はMTT こと、マイケル・ティルソン・トーマスさん。エマニュエル・アックスさんのピアノも楽しみです。
 さぁ、通常のプロムはここまで。残るはあとひとつ。

◇9/9 Prom 75: Last Night of the Proms 2017
・ロッタ・ヴェンナコスキ:Flounce (世界初演)
・コダーイ:ブダ城のテ・デウム(ブダヴァリ・テ・デウム)
・サー・マルコム・サージェント:強い嵐の日の印象(Impression on a Windy Day) op.9
・シベリウス:フィンランディア (合唱つき) op.26
・ワーグナー:「トリスタンとイゾルデ」前奏曲と「愛の死」

・ジョン・アダムズ:Lola Montez Does the Spider Dance (ロンドン初演)
・ガーシュウィン:The Lorelei
・クルト・ヴァイル:Happy End: Surabaya Johnny
          Lady in the Dark: The Saga of Jenny

・ヘンリー・ウッド(編曲):イギリスの海の歌による幻想曲
・トマス・アーン(サージェント:編曲):ルール・ブリタニア
・エルガー:威風堂々第1番 ニ長調 「希望と栄光の国(Land of Hope and Glory)」
・パリー(エルガー:編曲):イェルサレム
・アーサー・ブリス 編曲:イギリス国歌
/ ニーナ・シュテンメ(ソプラノ)、ルーシー・クロウ(ソプラノ)、クリスティン・ライス(メゾソプラノ)、ベン・ジョンソン(テノール)、ジョン・レライア(バス)
BBCシンガーズ、BBCシンフォニーコーラス
サカリ・オラモ:指揮、BBC交響楽団
 ラストナイトです。大音楽祭を締めくくる、お祭り騒ぎです。1曲目はフィンランドの女性作曲家、ヴェンナコスキさんの新曲。今年はフィンランド独立100年もテーマにしてきたプロムス、ラストナイトにフィンランドの作曲家の作品が2曲(指揮者もフィンランド人)。シベリウスのお馴染み「フィンランディア」は「フィンランディア賛歌」の合唱つきです。ロイヤル・アルバート・ホールにあのフィンランド語の合唱が響き渡る…想像しただけでもワクワクします。Prom13で、サー・マルコム・サージェント没後50年を特集しましたが、ラストナイトでは作曲作品が登場。この曲を指揮して、サージェント卿は大成功したのだそう。コダーイも没後50年。生誕70年で特集してきたジョン・アダムズの作品もあります。ワーグナー「トリスタンとイゾルデ」の「愛の死」を歌うのは、スウェーデン出身のソプラノ、シュテンメさん。
 今年もちゃんと「イギリスの海の歌による幻想曲」はやります。いつもと違うのは、イギリス国歌(God save the Queen)がブリテン編曲ではなく、ブリス編曲です。今年はどんなラストナイトになるか、アンコール曲は何か…プロムスが終わってしまうのは寂しいけれど、楽しみです。
 第2部で、ジョン・アダムズの後に、ガーシュウィンとクルト・ヴァイルの歌が3曲追加されました。シュテンメさんが歌います。
 「イギリスの海の歌による幻想曲」は、ホーンパイプの後、去年と構成が変わっていました。ルール・ブリタニアを歌うのはもちろんシュテンメさん。指揮者はフィンランド、ソプラノ独唱はスウェーデン、北欧なルール・ブリタニアです。
 詳しいことはNHKでテレビ放送されてから…映像で観ないとわからないことがたくさんある。日本語訳も欲しい。NHKさん、今年も放送してください!!リクエスト送ります、送りましょう。

 以上、9月はほとんど全部注目公演です。ひとつだけ書いてませんが、聴きます。

 前回8月後半編でも書きましたが、9月11日からの1週間、NHKFMでプロムスから5公演の放送があります。
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by halca-kaukana057 | 2017-09-02 17:07 | 音楽

BBC Proms(プロムス)2017 私選リストその3 [8月 後半]

 8月も毎日絶賛開催中のBBC Proms(プロムス)。8月前半の演奏会(プロム)の私選リストです。
・7月:BBC Proms(プロムス)2017 私選リストその1 [7月]
・8月 前半:BBC Proms(プロムス)2017 私選リストその2 [8月 前半]

 今回も、各プロムのリンクはプロムス公式サイトを貼りますが、実際聴く時はBBC radio3のサイトの方が便利だと感じます。前回も書きましたが、昨年まであったプロムス公式と、radio3の放送回のリンクが今年はなくなってしまいました…。radio3の放送一覧のページを以下に貼っておきます。
BBC Radio3 : BBC Proms : Available now

 今年は高音質録音が昨年よりも増えています。radio3の各放送回にリンクがありますが、一覧もありますのでこちらもどうぞ。イヤホン、ヘッドホン(普通のヘッドホンで構いません)で、臨場感のある演奏をお楽しみください。
BBC : BBC Proms in Binaural Sound
◇詳しいことはこちら:BBC Taster : BBC Proms in Binaural Sound
 このページの「Inside Story」に高音質で配信予定のプロムの記述があります。

 では、8月後半の公演を見ていきましょう。

◇8/16 Prom 42: Les Siècles and François-Xavier Roth
 ・サン=サーンス:黄色い王女(La princesse jaune)序曲
 ・レオ・ドリーブ(Léo Delibes):ラクメ(Lakmé)のバレエ音楽
 ・サン=サーンス:ピアノ協奏曲 第5番 ヘ長調 op.103「エジプト風」
 ・フランク:ジン(鬼神)(Les Djinns)
 ・ラロ:ナムーナ(Namouna) 第1組曲、第2組曲
 ・サン=サーンス:サムソンとデリラ より バッカナール
 /セドリック・ティベルギアン(P)、フランソワ=グザヴィエ・ロト:指揮、レ・シエクル(Les Siecles)
 フランストリオによる、フランスプログラムです。サン=サーンスが多めです。ピアノ協奏曲以外はバレエ音楽です。聴いたことがあるのは、サン=サーンスのピアノ協奏曲のみ…。他はどんな音楽なんだろう。
 ピアノのティベルギアンさんは秋に来日予定のだそうですね。
【追記】1曲目の「黄色い王女」とは、日本人のことらしいです。

◇8/17 Prom 43: Saint-Saëns – ‘Organ’ Symphony
 ・ファリャ:恋は魔術師
 ・ラロ:スペイン交響曲(ヴァイオリン協奏曲 第2番) op.21
 ・サン=サーンス:交響曲第3番 ハ短調 op.78 「オルガン付き」
 /ステファニー・ドゥストラック(Stephanie d' Oustrac)(メゾソプラノ)、ジョシュア・ベル(Vn)、キャメロン・カーペンター(オルガン)、シャルル・デュトワ:指揮、ロイヤル・フィルハーモニック管弦楽団
 今度は前半がスペインもの、後半はまたサン=サーンス。ラロのスペイン交響曲、名前に惑わされて、そう言えばヴァイオリン協奏曲だった…といつも思い出します(紛らわしい)。指揮はデュトワさん。サン=サーンスのオルガン交響曲は、いつか生で聴いてみたい曲です。オルガンを聴きたい。

◇8/18 Prom 45: Mahler – ‘Resurrection’ Symphony
 ・マーラー:交響曲第2番 ハ短調 「復活」
 /エリザベス・ワッツ(ソプラノ)、エリザベート・クールマン(メゾソプラノ)、The Bach Choir、BBCシンフォニーコーラス、サカリ・オラモ:指揮、BBC交響楽団
今年はファーストナイトを振らなかったBBC響首席指揮者のオラモさんが今年のプロムス初登場です。マーラー2番、印象的な歌詞の独唱と合唱が楽しみです。頻繁には聴かない(長くて敬遠する(汗)徐々にマーラーにお近づきになってきているので、さらに親しみたいです。
 オラモさんとBBC響、来年3月の来日が決定しました。
【追記】この演奏を、5月に亡くなられたBBC響前首席指揮者、イルジー・ビエロフラーヴェクさんに捧げるとのこと。演奏前に、オラモさんの追悼スピーチがあります。Prom54のフルシャさんのチェコプログラムとともに、ビエロフラーヴェクさんの思い出があちこちで…(涙

◇8/20 Prom 49: Bach’s St John Passion
 ・J.S.バッハ:ヨハネ受難曲 BWV245
 /ニコラス・マルロイ(エヴァンゲリスト)、マシュー・ブルック(イエス)、ソフィー・ベヴァン(ソプラノ)、ティム・ミード(カウンターテナー)、アンドリュー・トーティス(テノール)、コンスタンティン・ヴォルフ(バス)、ジョン・バット(ハープシコード、指揮)、ダンディン・コンソート(Dunedin Consort)
 「Proms Reformation Day」の3つ目の公演です。今年は、ルターにはじまる宗教改革から500年。ルターは信仰を身近にしようと、ドイツ語の賛美歌をつくります。バッハのカンタータや受難曲、ミサ曲もその流れにあるもの…西欧音楽とキリスト教の歴史、カトリックかプロテスタントかは切っても切れない話。ちゃんと理解できていないこともありますが、少しでも理解して、聴く…ただ癒される、敬虔な気持ちになる、だけでは足りないのかな…とルターとバッハについて調べながら考えました。普段声楽曲、宗教曲を聴く時は、歌詞を見ない、見てもどこを歌っているのかわからないので見ても仕方ないと思っているのですが、聴く前に大体どんな歌詞なのかは頭に入れておこうと思います。

◇8/21 Prom 50: Beethoven, Stravinsky and Gerald Barry
 ・ベートーヴェン:レオノーレ序曲第3番 op.72b
 ・ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ調(ニ長調)
 ・ジェラルド・バリー:Canada (世界初演)
 ・ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調 op.67
 / リーラ・ジョゼフォヴィッツ(Vn)、アラン・クレイトン(テノール)、ミルガ・グラジニーテ=ティーラ:指揮、バーミンガム市交響楽団
 昨年新首席指揮者にグラジニーテ=ティーラさんを迎えたバーミンガム市響の登場です。ストラヴィンスキーと世界初演作品をベートーヴェンで挟んでいます。
 昨年のミルガさんとバーミンガム市響のプロムが、BSプレミアムで放送されていて観たのですが、小柄な身体いっぱい使って表情豊かに指揮するミルガさんがかっこいい、可愛い。バーミンガム市響の楽団員さんともいい感じでした。アンコールの後、ミルガさんが「バーミンガムで会いましょう!」と挨拶するのも粋でした。すっかりファンになりました。今年の公演も楽しみです。

◇8/22 Prom 51: Sibelius, Saint-Saens and Elgar–Payne
 ・シベリウス:組曲「歴史的情景」 第1番 op.25
 ・サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番 ト短調 op.22
 ・エルガー(ペイン:補筆):交響曲第3番 ハ短調 op.88
 / ハヴィエル・ペリアネス(P)、サカリ・オラモ:指揮、BBC交響楽団
 1曲目のシベリウスは、元は「『報道の日』祝典のための音楽」。この中から3曲が「歴史的情景」第1番、終曲「フィンランドは目覚める」が「フィンランディア」になりました。何度も書いていますが、今年はフィンランド独立100年。フィンランドのはじまりを知り、聴く作品です。サン=サーンスのピアノ協奏曲第2番は、先日N響の演奏会で演奏され、「クラシック音楽館」で放送されたのを観ました。なかなか難しい曲です。ピアノのペリアネスさんは、グリーグの協奏曲で、オラモ&BBC響と共演したCDが出ていますね。メインはエルガーの3番。1,2番はバレンボイム&シュターツカペレ・ベルリンが演奏しましたが、3番もあります。未完のままでしたが、BBCがペインに補筆を以来。1997年に完成し、演奏されるようになりました。3番はなかなか聴かないので、楽しみです。

◇8/23 Prom 52: Beyond the Score®: Dvořák’s New World Symphony
 ・ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調 op.95 「新世界より」
 / サー・マーク・エルダー:指揮、ハレ管弦楽団
 ドヴォルザークの9番1曲のみですが、面白い演奏会です。 コンサート前半は、プロジェクションや俳優のダンス、曲の歴史などのプレゼンテーションがあり、後半は全曲演奏します。こういう演奏会はラジオで聴くだけだと楽しみが半減するなぁ。ダンスを観たい。

◇8/25 Prom 54: La Scala Philharmonic and Riccardo Chailly
 ・ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.77
 ・レスピーギ:ローマの噴水 , ローマの松
 / レオニダス・カヴァコス(Vn)、リッカルド・シャイー:指揮、ミラノ・スカラ座フィルハーモニー管弦楽団
 シャイー&スカラ座フィルの登場です!カヴァコスさんのヴァイオリンのブラームス。カヴァコスさんというと、ヴァンスカ&ラハティ響とのシベリウスを真っ先に思い浮かべるのですが、もうかなり前ですね。後半はレスピーギでイタリアプログラム。「噴水」も「松」も好きです。

◇8/26 Prom 56: The Bohemian Reformation
 ・フス派の賛美歌「汝ら、神の戦士よ」
 ・スメタナ:連作交響詩「我が祖国」より 第5曲:ターボル、第6曲:ブラニーク
 ・マルティヌー:野外のミサ H.279
 ・ドヴォルザーク:序曲「フス教徒」 B.132 op.67
 ・ヤナーチェク:ブロウチェク氏の旅 より フスの歌
 ・スーク:交響詩「プラハ」 op.26
  / スヴァトプラク・セム(バリトン)、BBCシンガーズ(男声合唱)、ヤクブ・フルシャ:指揮、BBC交響楽団
 プロテスタントの先駆けとなった、チェコのフス教徒。そのフス教徒と彼らの闘い、改革に関する作品が並びます。最初にチェコの作曲家たちが影響を受けたフス派の賛美歌「汝ら、神の戦士よ」が歌われます。この「汝ら、神の戦士よ」は、「我が祖国」の「ターボル」「ブラニーク」、ドヴォルザーク「フス教徒」にも出てきます。このプロムに出てくる音楽が、チェコの歴史であり、チェコの人々の中に流れているのだなと感じます。指揮はチェコ出身のフルシャ。先日、来日してましたね。BBC響が演奏しますが、今年春に亡くなられた、前代首席指揮者のビエロフラーヴェクさんと、様々なチェコプログラムを取り上げてきました。フルシャさんはビエロフラーヴェクさんのお弟子さんでもあり…ビエロフラーヴェクさんのことを考えてしまいます。
 このプロムで、もう一度、チェコのフス教徒たちの歴史を学びなおそうと思います。

◇8/29 Prom 60: Stravinsky, Rachmaninov and Shostakovich
 ・ストラヴィンスキー:火の鳥 組曲(1911年版)
 ・ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第4番 ト短調 op.40
 ・ショスタコーヴィチ:交響曲 第12番 ニ短調 「1917年」 op.112
 / レイフ・オヴェ・アンスネス(P)、ヴァシリー・ペトレンコ:指揮、オスロ・フィルハーモニー管弦楽団
 この回と次の回、2日連続で、北欧のオーケストラの登場です。まずは、オスロ・フィル。再び、ロシアもの、ロシア革命に関するプログラムのプロムです。ラフマニノフの番号つきのピアノ協奏曲は全曲演奏することにようやく気がつきました。4番は、同じくノルウェーのアンスネスさん。4番が合うと感じます。メインはショスタコーヴィチ12番。10月革命を扱った作品です。

◇8/30 Prom 61: Renée Fleming sings Strauss
 ・アンドレア・タッローディ:Liguria (イギリス初演)
 ・バーバー:ノックスヴィル 1915年の夏 op.24
 ・R.シュトラウス:「ダフネ」 より 「ch komme – ich komme」
 ・ニールセン:交響曲第2番 ロ短調 「四つの気質」 op.16 FS.29
 / ルネ・フレミング(ソプラノ)、サカリ・オラモ:指揮、ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団
 北欧のオーケストラ2日目は、スウェーデン。オラモさんはこの日はBBC響ではなくロイヤル・ストックホルム・フィル。かつて、ラストナイトにも登場したソプラノ、フレミングさんと登場です。このトリオでCD出してましたね。タッローディはスウェーデンの作曲家。バーバーとR.シュトラウスはフレミングさんの十八番です。メインはニールセン(ニルセン)の2番。第1楽章の溌剌としたメロディーを聴くとワクワクしてきます。表情に富んでいて、好きな作品です。

◇8/31 Prom 63: Taneyev, Rachmaninov and Tchaikovsky
 ・タネーエフ:歌劇「オレステイア」 op.6 序曲
 ・ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第1番 嬰ヘ短調 op.1
 ・チャイコフスキー:マンフレッド交響曲 (バイロンの劇詩による4つの音画の交響曲「マンフレッド」ロ短調) op.58
  / キリル・ゲルシュタイン(P)、セミヨン・ビシュコフ:指揮、BBC交響楽団
 ラフマニノフのピアノ協奏曲がこれで4番まで揃いました。それまでにも作品は書いていましたが、ピアノ協奏曲第1番は作品番号1なんですね。タネーエフは聴いたことがない。ビシュコフさんのチャイコフスキー、今回はマンフレッド交響曲…あまり聴きなれてないので聴きます。

 以上、8月後半でした。そろそろ最初の公演のオンデマンド期限が切れ始めています。聞き逃しがないかチェックと、演奏されたばかりの回を聴くのと、両方は大変です。9月は大曲も控えているのに…。
NHKFMで、ラストナイトが終わった後、9月11日から5日間、プロムスの公演をセレクションで放送予定です。
9月に続きます。

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by halca-kaukana057 | 2017-08-18 23:48 | 音楽

BBC Proms(プロムス)2017 私選リストその2 [8月 前半]

 毎日絶賛開催中のBBC Proms(プロムス)。8月前半の演奏会(プロム)の私選リストです。
・7月:BBC Proms(プロムス)2017 私選リストその1 [7月]

 今回も、各プロムのリンクはプロムス公式サイトを貼りますが、実際聴く時はBBC radio3のサイトの方が便利だと感じます。前回も書きましたが、昨年まであったプロムス公式と、radio3の放送回のリンクが今年はなくなってしまいました…。radio3の放送一覧のページを以下に貼っておきます。
BBC Radio3 : BBC Proms : Available now

 今年は高音質録音が昨年よりも増えています。radio3の各放送回にリンクがありますが、一覧もありますのでこちらもどうぞ。イヤホン、ヘッドホン(普通のヘッドホンで構いません)で、臨場感のある演奏をお楽しみください。
BBC : BBC Proms in Binaural Sound
◇詳しいことはこちら:BBC Taster : BBC Proms in Binaural Sound
 このページの「Inside Story」に高音質で配信予定のプロムの記述があります。

 では、8月前半(8月15日まで)の公演を見ていきましょう。

◇8/2 Prom 24: Esa-Pekka Salonen conducts John Adams
 ・J.S.バッハ(ストラヴィンスキー:編曲):「高き天よりわれは来れり」によるカノン風変奏曲 BWV 769
 ・ラヴェル:シェエラザード
 ・ジョン・アダムズ:繊細で感傷的な音楽 (Naive and Sentimental Music)
 /マリアンヌ・クレバッサ(メゾ・ソプラノ)、フィルハーモニア・ヴォイシズ、エサ=ペッカ・サロネン:指揮、フィルハーモニア管弦楽団
 今年5月に来日した、サロネン&フィルハーモニア管の登場です。オール・ベートーヴェン・プログラムの演奏会をEテレ「クラシック音楽館」で観ましたが、ナチュラルトランペットで古典的?と思いきや現代的と、このコンビの巧さの堪能した演奏会でした。が、大喝采だったという、マーラー6番の演奏会を観たかったなぁ…。
 話をプロムスに戻して、1曲目はストラヴィンスキー編曲のバッハ。合唱が入ります。2曲目はラヴェルの歌曲の「シェエラザード」。そういえば、前回7月編には書かなかったのですが、Prom18でも、リムスキー=コルサコフの「シェエラザード」が演奏されました(ガフィガン指揮、BBC響)。両方聴いてみよう。
 メインは今年生誕70年で、今年のプロムスのメインテーマになっている、ジョン・アダムズの作品。ファーストナイトの演奏をまだ聴いてない…。調べたら、この曲はサロネンがLAフィルと録音しています(ナクソス・ミュージック・ライブラリーにあります)。今後も出てくるし、聴いてみよう。

◇8/2 Prom 25: Sir John Eliot Gardiner and the Monteverdi Choir
 ・シュッツ: 「ダヴィデの詩篇歌集」より 今ぞわが魂よ、主をたたえよ SWV 41
                         われらにではなく主よ、御名にのみ栄光あれ SWV 43
恵み深き主に向って感謝せよ SWV 45
 ・J.S.バッハ:カンタータ第79番「主なる神は太陽なり、盾なり」BWV79
         カンタータ第80番「われらが神は堅き砦」BWV80
 / モンテヴェルディ合唱団、サー・ジョン・エリオット・ガーディナー:指揮、イングリッシュ・バロック・ソロイスツ
 Prom24が終わった後、もうひとつプロム、Late Night Promです。ガーディナーの指揮で、シュッツとバッハのカンタータを。夜に静かに聴きたいプロムですね。

◇8/3 Prom 26: Mozart and Brahms
 ・エリッキ=スヴェン・トゥール:Flamma(イギリス初演)
 ・モーツァルト:ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 変ホ長調 K.364
 ・ブラームス:交響曲第2番 ニ長調 op.73
 / ヴィルデ・フラング(Vn)、ローレンス・パワー(Va)、パーヴォ・ヤルヴィ:指揮、ドイツ・カンマーフィル
 プロムスにパーヴォさんとドイツ・カンマーフィルが登場です!1曲目はパーヴォさんの故郷・エストニアの作曲家、トゥールの作品。後のモーツァルトとブラームスはどちらも好きな作品。ブラームスの2番は、夏にのんびり聴きたいですね。

◇8/7 Prom 30: Walton ? Belshazzar’s Feast
 ・ベートーヴェン:交響曲第1番 ハ長調 op.21
 ・R.シュトラウス:交響的幻想曲「影のない女」
 ・プロコフィエフ:彼らは7人 op.30
 ・ウォルトン:ベルシャザールの饗宴
 / ディヴィット・バット・フィリップ(テノール)、ジェームズ・ラザフォード(バリトン)、イギリス国立少年合唱団(National Youth Choir of Great Britain)、キリル・カラビッツ:指揮、ボーンマス交響楽団
 リヒャルト・シュトラウスの「影のない女」はもともとはオペラ。それを、作曲者自身がオーケストラ曲にしました。プロコフィエフの「彼らは7人」は1917年のロシア革命に関係するカンタータ。ウォルトンの「ベルシャザールの饗宴」は2015年のファーストナイトでも演奏されました。その時に聴いて気に入ったので、今年も聴きます。

◇8/9 Prom 32: Britten, Brian Elias, Purcell and Elgar
 ・ブリテン:英雄のバラード op.14
 ・ブライアン・イライアス:チェロ協奏曲 (世界初演)
 ・パーセル(エルガー:編曲):主よ、わが敵の何と多きことか
 ・エルガー:エニグマ変奏曲 op.36
 / トビー・スペンス(テノール)、ニコラス・パーフェクト(バス)、ナタリー・クレイン(Vc)、BBCウェールズ合唱団、ライアン・ウィッグルスワース:指揮、BBCウェールズ交響楽団
 イギリスプログラムです。ブリテン「英雄のバラード」は合唱曲。メインはエルガーのエニグマ。Prom4のアンコールで「ニムロッド」が演奏されましたが、今度は全曲どうぞ。

◇8/10 Prom 33: Sibelius, Grieg, Schumann and Hindemith
 ・グリーグ:ペール・ギュント(抜粋)
       序曲、花嫁の略奪、朝、ソルヴェイグの歌(ソプラノ歌唱付き)、山の魔王の娘の踊り
・シベリウス:ルオンノタール op.70、カレリア組曲 op.11
・シューマン:チェロ協奏曲 イ短調 op.129
 ・ヒンデミット:画家マティス
 / リーゼ・ダヴィドセン(ソプラノ)、アルバン・ゲルハルト(Vc)、ヨーン・ストルゴーズ:指揮、BBCフィルハーモニック
 フィンランド人指揮者・ストルゴーズとBBCフィルです。前半はシベリウス&グリーグの北欧作品。「ルオンノタール」を歌うダヴィドセンさんはノルウェーの方。シューマンのチェロ協奏曲…昨年も、ストルゴーズさんはシューマンのヴァイオリン協奏曲をプログラムに入れていました。シューマン好き?
【追記】
 ダヴィドセンさんは、「ペール・ギュント」の「ソルヴェイグの歌」も歌ってました。

◇8/12 Prom 36: Schubert and Mahler
 ・シューベルト:交響曲第8番(第7番) ロ短調 D759 「未完成」
 ・マーラー:交響曲第10番 嬰ヘ長調 クック版
 / トマス・ダウスゴー:指揮、BBCスコティッシュ交響楽団
 BBCスコティッシュは既に登場していますが、今度は首席指揮者のダウスゴーとの登場です。シューベルトとマーラーの未完成の交響曲を。

◇8/13 Prom 37: Rachmaninov ? Piano Concerto No. 3
 ・ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 op.30
          交響曲第2番 ホ短調 op.27
 / アレクサンダー・ガヴリリュク(P)、ラトビア放送合唱団、トマス・ダウスゴー:指揮、BBCスコティッシュ交響楽団
 ダウスゴー&BBCスコティッシュの2日目。ラフマニノフ・プログラムです。

◇8/13 Prom 38: Rachmaninov ? All-Night Vigil (Vespers)
 ・ラフマニノフ:徹夜祷 op.37
 / シグヴァルズ・クリャーヴァ:指揮、ラトビア放送合唱団
 Prom37でラフマニノフ・プログラムでしたが、その後もラフマニノフの宗教合唱曲を。Prom37に登場したラトビア放送合唱団が引き続き出演です。ラフマニノフの「徹夜祷」は以前聴いたことがあって、きれいだなと思ったので、今回も楽しみにしています。

◇8/14 Proms at ... Cadogan Hall, PCM 5: Shostakovich
 ・ショスタコーヴィチ:革命詩人による10の詩曲 op.88(抜粋)
              24の前奏曲とフーガ op.87 第1番~第8番
 / アレクサンドル・メルニコフ(P)、シグヴァルズ・クリャーヴァ:指揮、ラトビア放送合唱団
 プロムスの室内楽シリーズ5回目。ラトビア放送合唱団、3回目の登場です。ショスタコーヴィチの合唱曲は聴いたことがないので気になります。ピアノ曲「24の前奏曲とフーガ」はCDを持っています。合唱を聴いた後に聴くとどう聞こえるんだろう?

◇8/14 Prom 39: Debussy, Ravel and Mark-Anthony Turnage
 ・ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲 ホ長調
 ・ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調
 ・マーク=アンソニー・タネジ:HIBIKI (ヨーロッパ初演)
 / イノン・バーナタン(P)、サリー・マシューズ(ソプラノ)、藤村実穂子(メゾソプラノ)、フィンチュリー・チルドレンズ・ミュージック・グループ、ニュー・ロンドン・少年合唱団、大野和士:指揮、BBC交響楽団
 東京都交響楽団などで活躍している大野和士さんがBBC響を指揮します!メゾソプラノの藤村実穂子さんも。フランスものに、タネジの「HIBIKI」はサントリーホール30周年の委託作品だそう。

Prom 40: Brahms, Berg, Larcher and Schumann
 ・ブラームス:悲劇的序曲 op.81
 ・アルバン・ベルク:ヴァイオリン協奏曲 「ある天使の思い出に」
 ・トーマス・ラルヒャー:Nocturne – Insomnia (イギリス初演)
 ・シューマン:交響曲第3番 変ホ長調 op.97 「ライン」
 / クリスティアン・テツラフ(Vn)、ロビン・ティッチアッティ:指揮、スコットランド室内管弦楽団
 テツラフが登場です。と言っても、ベルクのヴァイオリン協奏曲…聴いたことがない。最初がブラームス、最後がシューマンと繋がりがありますね。シューマンの交響曲は、今年のプロムス2曲目です。

 以上です。これ以外も聴きます。8月後半に続きます。
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by halca-kaukana057 | 2017-07-31 22:32 | 音楽

BBC Proms(プロムス)2017 私選リストその1 [7月]

夏です。暑いですね。7月も中旬…いよいよ毎年恒例のあれが始まります。BBC Proms(プロムス)。世界最大級の音楽祭。今年はグリニッジ標準時 7月14日~9月9日まで。ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールを中心に、2ヶ月間毎日コンサート。いいなぁロンドン…。

 今年は早めに入手できました。プロムス公式ガイドブック。今年もボリュームあります。
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 ということで、今年も私が選んだ注目公演、気になる公演、聴きたい公演をまとめます。長いお祭りの始まりです!
 公演は、全てBBC radio3で放送。放送後30日間はオンデマンド配信されるので、夜中に起きてリアルタイムで聴けなくても大丈夫。スマートフォンからは、「BBC iPlayer Radio」のアプリがとても便利です。各アプリストアで検索、ダウンロードしてみてね。

 あと、今年はプロムスの公式サイトもリニューアル。私としては、見難いと感じています。以前は1週間の公演をざっと見渡して、個々のページに進めたのに、今年はひとつひとつ飛ばなきゃいけない。面倒…。

 さらに、Proms公式の個々の公演のページには、BBC Radio3の放送回のページへのリンクがあったのですが、今年からなくなりました。不便。以下に、Radio3の一覧ページをリンクしておきます。
BBC Radio3 : BBC Proms : Available now
 Radio3の個々のページで、「in binaural sound」での配信がある公演(プロム)があります。昨年は試験的に導入した高音質での配信が、今年は本格的に導入になりました。是非、お手持ちのイヤホン、ヘッドホンで聴いてみてください。普通のヘッドホンでも音の違いを感じられますよ。
◇高音質版をまとめているページがありました:BBC : BBC Proms in Binaural Sound
◇詳しいことはこちら:BBC Taster : BBC Proms in Binaural Sound
 このページの「Inside Story」に高音質で配信予定のプロムの記述があります。ラストナイトもあります!

 では、各公演(プロム)を見ていきましょう。

◇7/14 Prom 1: First Night of the Proms
 ・Tom Coult:St John’s Dance(世界初演)
 ・ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 op.37
 ・ジョン・アダムズ:Harmonium
 /イゴール・レヴィット(ピアノ)、BBC Proms ユース合唱団、BBCシンフォニーコーラス、エドワード・ガードナー:指揮、BBC交響楽団
 まずはファーストナイト。今年の指揮はガードナーさんです。曲目は、いつもと様子が違う気がする…。1曲目は世界初演。今年のPromsも世界初演が多数あります。メインは今年生誕70年のジョン・アダムズの作品。今年のPromsでは、ジョン・アダムズ作品を多数取り上げます。イギリスでは人気があるというのですが、私は一度も聴いたことがない…。この際だから聴いてみるか。でも、いつもよりもインパクトがないファーストナイトだなぁと…。
 イゴール・レヴィットさんのピアノは、以前BBCのオンデマンドで聴いたことがあります。ベートーヴェン3番は大好きな作品なので楽しみです。
*追記:レヴィットさんのアンコールはリスト編曲のベートーヴェン「第九」の「歓喜の歌」。「歓喜の歌」はヨーロッパではEUの歌です。

◇7/15 Prom 2: Daniel Barenboim conducts Sibelius and Elgar
 ・シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 op.47
 ・エルガー:交響曲第1番 変イ長調 op.55
 /リサ・バティアシュヴィリ(Vn)、ダニエル・バレンボイム:指揮、シュターツカペレ・ベルリン
 2日目からバレンボイム&シュターツカペレ・ベルリンが登場。CDも出したコンビ、バティアシュヴィリさんとシベコン。今年はフィンランド独立100年もあってか、シベリウス多めです。メインはエルガーの1番。あとで書きますが、Prom4では2番もやります。エルガーの交響曲も好きなので楽しみな公演です。
*追記:バティアシュヴィリさんのアンコールはなし。オーケストラのアンコールは、シベリウス:悲しきワルツ…このコンビで「悲しきワルツ」は珍しい。そして、エルガー:威風堂々第1番…あの…それ、ラストナイトで演奏する曲じゃ…勿論合唱はありませんが、まだプロムスは始まったばかり。ラストナイトはいくら何でも気が早いぞ!w

◇7/16 Prom 3: Bernard Haitink conducts Mozart and Schumann
 ・モーツァルト:交響曲第38番 ニ長調 K504 「プラハ」
          ヴァイオリン協奏曲第3番 ト長調 K216
 ・シューマン:交響曲第2番 ハ長調 op.61
 /イザベル・ファウスト(Vn)、ベルナルト・ハイティンク:指揮、ヨーロッパ室内管弦楽団
 最初から随分飛ばしてませんか今年は…。3日目でハイティンクさんが登場。プロムスには半世紀以上も出演しています。ヨーロッパ室内管(COE)とモーツァルトとシューマン。これまた好きな曲ばかり、好きなプログラム。

◇7/16 Prom 4: Daniel Barenboim and Staatskapelle Berlin
 ・ハリソン・バートウィッスル:Deep Time(イギリス初演)
 ・エルガー:交響曲第2番 変ホ長調 op.63
 /ダニエル・バレンボイム:指揮、シュターツカペレ・ベルリン
 再びバレンボイムとシュターツカペレ・ベルリン。先述したエルガー2番です。8月になりますが、エルガーは3番もあります!(8月の公演は別記事で書きます)
*追記:アンコールは、エルガー:エニグマ変奏曲 より「ニムロッド」 その後、バレンボイムさんが長々とスピーチを。スピーチ後に演奏したのは、再び威風堂々第1番。だからラストナイトはまだですって!!w

◇7/17 Proms at … Cadogan Hall,
PCM 1: I Fagiolini and Robert Hollingworth

 ・モンテヴェルディ:
 つれないアマリッリ(Cruda Amarilli)
 星に対して彼は打ち明けた(Sfogava con le stelle)
 遠く離れて(Longe da te, cor mio)
 歌劇「オルフェオ」より Possente spirto
 黄金の髪(Chiome d'oro)
 ああフィリ、お前に口づけしたいけど(Vorrei baciarti, o Filli)
 ・ロデリック・ウィリアムズ:La ci darem la mano(世界初演)
 ・モンテヴェルディ:聖母マリアの夕べの祈り より
  第4曲:主を讃えよ,しもべたちよ(Laudate pueri Dominum)
  「天は永遠の道を通って…私の美しい調べに合わせて」(Volgendo il ciel per l'immortal sentiero… Movete al mio bel suon)
 /ロバート・ホリングワース:指揮、イ・ファジョリーニ
 プロムスの室内楽公演・Proms Chamber Music(PCM)の1回目は、今年生誕450年のモンテヴェルディ特集です。その間に、ロデリック・ウィリアムズ…バリトン歌手で、2014年のプロムス ラストナイトでは「ルール・ブリタニア!」のソロを歌ったあのウィリアムズさんは作曲もしています。その作品を世界初演です。
 イ・ファジョリーニは声楽アンサンブル。合唱も楽しみです。

◇7/17 Prom 5: Sibelius, Rachmaninov and Shostakovich
 ・シベリウス:交響曲第7番 ハ長調 op.105
 ・ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 op.18
 ・ショスタコーヴィチ:交響曲第10番 ホ短調 op.93
 /ベフゾド・アブドゥライモフ(ピアノ)、トーマス・セナゴー:指揮、BBCウェールズ交響楽団
 今年はフィンランド独立100年ですが、イコール、ロシア革命100年でもあります。ロシア革命でゴタゴタしている間に、フィンランドは独立しちゃったんです。ということで、今年のプロムスはフィンランドのシベリウスも多めですが、ロシアもの、ショスタコーヴィチも多めです。1曲目にシベリウス7番、それは楽しみだ。ショスタコ10番も。
 ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番のソロは、ベフゾド・アブドゥライモフさん。ウズベキスタン出身の若手ピアニストです。初めて聞きます。プロムスの醍醐味は、今まで聴いたことのない音楽家にも出会えるところ。この回は楽しみだなぁ。


◇7/18 Prom 6: Nicola Benedetti plays Shostakovich’s Violin Concerto No. 1
 ・ショスタコーヴィチ:十月革命 op.131
ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 op.77
 ・シベリウス:交響曲第2番 ニ長調 op.47
 /ニコラ・ベネデッティ(Vn)、トーマス・セナゴー:指揮、BBCウェールズ交響楽団
 セナゴーさんとBBCウェールズの2日目。引き続きショスタコーヴィチとシベリウスです。「十月革命」はまさに1917年のロシア革命(2回目)のこと。ヴァイオリンソロのベネデッティさんはスコットランドのご出身。初めて聴きます。

◇7/22 Proms at ... Stage@TheDock, Hull
 ・テレマン:組曲「ハンブルクの潮の満ち干」 ハ長調 TWV55:C3 (水上の音楽) より、序曲
 ・ディーリアス:川面の夏の夜
 ・ヘンデル:水上の音楽 第3組曲 ト長調 HWV 50
 ・メンデルスゾーン:序曲「静かな海と楽しい航海」 op.27
 ・ラモー:歌劇「ナイス」序曲
 ・グレース・ウィリアムズ:海のスケッチ より
                 第1曲:High Wind
                 第5曲:Calm Sea in Summer
 ・ヘンデル:水上の音楽 第2組曲 ニ長調 HWV 349
 /ニコラス・マクギーガン:指揮、ロイヤル・ノーザン・シンフォニア
 ロイヤル・アルバート・ホールでの演奏会でもない、PCMでもないプロムです。水や海に関係する作品を集めて演奏します。バロックから近現代まで、海に関係する曲はたくさんあります。今回、知らない曲もあります。興味を持ったのでリストに入れておきます。

◇7/24 Prom 13: Malcolm Sargent's 500th Prom
 ・ヘンリー・ウッド:編:イギリス国歌
 ・ベルリオーズ:ローマの謝肉祭 序曲
 ・シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 op.54
 ・エルガー:コケイン序曲 op.40
 ・ウォルトン:ファサード 第1組曲
         ファサード 第2組曲 より 第5曲 Popular Song
 ・ホルスト:どこまでも馬鹿な男
 ・ディーリアス:春初めてのカッコウの声を聴いて
 ・ブリテン:青少年のための管弦楽入門
 /ベアトリーチェ・ラナ(ピアノ)、サー・アンドリュー・ディヴィス:指揮、BBC交響楽団
 プロムスを長年指揮し続けたサー・マルコム・サージェントは今年で没後50年。それを記念して、サージェント卿がプロムスの500回目の指揮のプロム、1966年のファーストナイトを再現します。とても興味深いプログラム。現在は、ラストナイトでブリテン編曲のイギリス国歌を演奏していますが、以前はファーストナイトでも演奏していたんですね。イギリスもの中心の楽しみなプロムです。
 ピアノソロは、先日N響にも登場したベアトリーチェ・ラナさん。とても素敵なベートーヴェンでした。シューマンも楽しみです。
 ◇1966年のファーストナイト:Prom 01 - First Night of the Proms 1966 - Malcolm Sargent's 500th Promenade Concert

◇7/25 Prom 14: Holst – The Planets
 ・ヴォーン=ウィリアムズ:交響曲田9番 ホ短調
 ・ホルスト:惑星
 /バーミンガム市交響楽団ユース合唱団(女声合唱)、ジョン・ウィルソン:指揮、BBCスコティッシュ交響楽団
 毎年演奏されるホルストの「惑星」。今年はBBCスコティッシュ交響楽団が演奏します。ヴォーン=ウィリアムズの最後の交響曲9番も。聴いたことがないのでこれは楽しみ。

◇7/29 Prom 19: Relaxed Prom
 /グラント・ルウェリン:指揮、BBCウェールズ交響楽団
 このプロムは、小さな子どもも大人も、自閉症や発達障害を抱える人たち、視覚や聴覚に問題を持つ人たちも楽しめるプロム。歌っても踊ってもOK。いいなこういうの。
 曲目は、リムスキー・コルサコフやロッシーニ、ヨハン・シュトラウス二世、イギリスの人気テレビ番組「ドクター・フー」のテーマなど。
 こういうコンサートは、音だけで聴くよりも映像を観たり、実際にコンサートに行ってみるともっと楽しめるんだろうなぁ。

◇7/29 Prom 20: Stephen Hough plays Brahms
 ・ブラームス:ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 op.15
 ・デイビット・ソウワー:グレイテスト・ハピネス・プリンシパル(The Greatest Happiness Principle)
 ・ハイドン:交響曲第99番 変ホ長調 Hob.I:99
 /スティーヴン・ハフ(ピアノ)、マーク・ウィッグルスワース:指揮、BBCフィルハーモニック
 お気に入りのピアニスト、スティーヴン・ハフさんの登場です。今年はブラームスの1番協奏曲。

◇7/31 Proms at ... Cadogan Hall,
PCM 3: From the Kalevala to Kaustinen: Finnish Folk and Baroque Music

 /アヌ・コムシ(ソプラノ)、クレータ=マリア・ケンタラ(ヴァイオリン)、アンドリュー・ローレンス・キング(ハープ、カンテレ、プサルタリー)、エーロ・パルヴィアイネン(テオルボ、ギター)、ミッラ・ヴィルヤマー(ハルモニウム)
 プロムスの室内楽公演・Proms Chamber Music(PCM)の3回目は、フィンランド。フィンランドの民謡と、バロック音楽をお届けします。フィンランド民謡は合唱曲でいくつか知っていますが、フィンランドのバロック音楽…あまり聴いたことがない。楽器も、フィンランドの民族楽器・カンテレの他に、木箱に24本のピアノ線を張ったプサルタリー、リュートの仲間のテオルボと知らない楽器も。どんな音がするんだろう?
 ソプラノのアヌ・コムシさんは、2015年のラハティ・シベリウス音楽祭で、セーゲルスタム指揮ヘルシンキ・フィルの「ルオンノタール」でソプラノソロを歌っていたのを覚えています。きれいな声でした。ハルモニウムのヴィルヤマーさんは、調べたところ、アニメ映画「劇場版 ムーミン 南の海で楽しいバカンス」のサントラ演奏にも参加されていました。興味深いプログラムです。

 以上、7月分でした。ここに書かなかった公演でも、きっと聴きます。書ききれない!プロムスは日本時間15日未明、開幕です!

こちらの記事も参考にどうぞ。
英国ニュースダイジェスト:プロムス2017 - ロンドンの音楽祭 - BBC Proms 2017
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by halca-kaukana057 | 2017-07-14 23:08 | 音楽

一緒に音楽を楽しもう Proms(プロムス)2016 ラスト・ナイト・コンサート

 イギリス・ロンドンで7月から9月の2ヶ月にわたって開催される世界最大の音楽祭「BBC Proms(プロムス)」.その最終日の夜のコンサートは、「Last Night of the Proms」と呼ばれ、その年のプロムスの打ち上げ、最後に大騒ぎする類を見ないコンサートです。鳴り物(笛やホーン)、風船、国旗などの持込可。演奏や演奏の合間に国旗を振り回し、風船を飛ばす…クラシックコンサートですよ?さらに、4つの野外会場があり、どう見ても野外フェス。イギリス国内は勿論、海外でもテレビ・ラジオで生中継、BBCのネットラジオで世界中で聴くことが出来ます。一体何万人の人が観ているんだろう…?
 日本では生中継は無く(昔はやってたそうです…)、遅れて大体12月にNHKでテレビ放送されます。しかし、昨年は放送されず…悲しかったです。

 でも!今年は放送されました!おかえりプロムス!!今年最後のプロムスの記事を書くことが出来る…!

 プログラムは以前の記事に書いたのですが、表記に違いがあったり、細かいところも追記して、以下のプログラム、出演者でした。
Proms(プロムス)2016 私選リスト その5 [9月]

Prom 75: Last Night of the Proms

・トム・ハロルド:Raze(世界初演)
・バターワース:青柳の堤
・ボロディン:歌劇「イーゴリ公」第2幕より:だったん人の踊り
・ロッシーニ:歌劇シンデレラ」より:誓って、彼女を見つけ出そう(Si, ritrovarla io giuro)
・ドニゼッティ:歌劇「愛の妙薬」より:人知れぬ涙(Una furtiva lagrima)
・オッフェンバック:歌劇「美しきエレーヌ」(La belle Hélène)より:イダ山の上で(Au mont Ida)
・ブリテン:マチネ・ミュジカル op.24
 (行進曲/ノクターン/ワルツ/パントマイム/常動曲)
・ジョナサン・ダウ:Our revels now are ended(宴はもう終わりだ)

・マイケル・トーキー:槍投げ(Javelin)
・ヴォーン=ウィリアムズ:音楽へのセレナード
・ドニゼッティ:歌劇「連隊の娘」より:ああ、友よ!(Ah! mes amis)
・アン・ダドリー(編曲):カリブの祭り(アンコール)
 (ムーチョ・コラソン/シナモン色の肌/グアンタナモの娘/今どきの薬草売り)

・ヘンリー・ウッド:イギリスの海の歌による幻想曲
 (小粋なアレトゥーザ/トム・ボウリング/ホーン・パイプ/夜もすがら/スカイ・ボート・ソング/ダニー・ボーイ(ロンドンデリーの歌)/ホーム・スウィート・ホーム/見よ、勇者は帰る)
・トマス・アーン:ルール・ブリタニア!
・エルガー:威風堂々第1番 ニ長調 「希望と栄光の国(Land of Hope and Glory)」
・パリー(エルガー:編曲):エルサレム
・ブリテン編曲:イギリス国歌

 フアン・ディエゴ・フローレス Juan Diego Flórez(テノール)
 ダンカン・ロック Duncan Rock(バリトン)

 フランチェスカ・チェジーナ Francesca Chiejina、イヴ・ダニエル Eve Daniell、ローレン・フェイガン Lauren Fagan、アリソン・ローズ Alison Rose(ソプラノ)
 クレア・バーネット=ジョーンズ Claire Barnett-Jones、マルタ・フォンタナルス=シモンズ Marta Fontanals-Simmons、アナ・ハーヴェイ Anna Harvey、ケイティ・スティーヴンソン Katie Stevenson(メゾソプラノ)
 トライスタン・リル・グリフィス Trystan Llŷr Griffiths、オリヴァー・ジョンストン Oliver Johnston、 ジョシュア・オーウェン・ミルズ Joshua Owen Mills、ジェームズ・ウェイ James Way(テノール)
 ブラギ・ヨンソン Bragi Jónsson、ベンジャミン・ルイス Benjamin Lewis、ジェームズ・ニュービー James Newby、ブラッドリー・トラヴィス Bradley Travis(バス、バス・バリトン)

 BBCシンガーズ、BBCシンフォニーコーラス
 BBCプロムスユースアンサンブル
 サカリ・オラモ Sakari Oramo:指揮、BBC交響楽団

 ネットラジオの生中継、オンデマンドを聴きましたが、ラストナイトはやっぱり映像を観てこそだと実感しました。音だけではわからないものがたくさんあり過ぎる!今年は放送されてよかった…!!

 今年のポイントかなと思われるものをいくつか挙げてみます。まず、南米。リオデジャネイロ・オリンピック/パラリンピックで、今年のプロムスは南米の指揮者、演奏家、オーケストラ、作品をよく取り上げていました。このラストナイトのスターソリストは、ペルー出身のテノール:フローレス。オペラアリアと4曲アンコール、「ルール・ブリタニア」、更に会場のロイヤル・アルバート・ホールの隣のハイド・パーク会場でもギターと歌を披露し大活躍。案内役のアナウンサーさんが「こき使っています」と言っていたのに、確かに、と思ってしまいましたw甘く優しい歌声で、魅了されました。アンコールのラテンメドレー「カリブの祭り」はラテンの情熱的な恋を歌った曲ばかり。ノリノリです。ヴィジュアル面でも魅了されますよこれはw
 フローレスさんの十八番、ドニゼッティ「連隊の娘」より「ああ、友よ!」見事なハイC(三点ド)の連発(9回も!!)には驚きました。声のハリも迫力、強弱もうまい。フローレスさんがリハーサルの際のインタビューで仰っていた男声合唱との掛け合いも楽しい。声楽をやっているものとして、聴く・観るべきところがたくさんありました。
 そのフローレスさんが「ルール・ブリタニア!」を歌います。衣装に驚きました。インカ帝国の王様。カッコイイ!仕草も歌も威厳ある。素晴らしい「ルール・ブリタニア」でした。
Thomas Arne: Rule, Britannia! - BBC Proms

 2つ目のポイントは、シェイクスピア。今年は没後400年。プロムスもシェイクスピア作品を元にした楽曲を数多く取り上げました。ラストナイトもシェイクスピアです。ジョナザン・ダウの「宴はもう終わりだ」は「テンペスト」から。ダンカン・ロックさんの渋いバリトンが、儚い世界を歌い上げます。歌詞には出てきませんが、音楽も儚いものだな…と感じました。ヴォーン=ウィリアムズ「音楽へのセレナード」は「ヴェニスの商人」から。音楽の美しさを讃える箇所を、16人の若手声楽家たちがそれぞれソロを受け持ち、歌います。以前も書いたのですが、本当に美しい作品です。

 3つ目のポイントは、若手音楽家。1曲目、トム・ハロルド「Raze」を演奏したBBCプロムス・ユース・アンサンブルは10代の音楽家の卵たちがBBC響の楽団員さんたちと一緒に演奏。10代でラストナイトの大舞台で演奏できるなんて凄い!また何年後かにこのロイヤル・アルバート・ホールの舞台に戻ってこいよ!と応援したくなります。作曲したトム・ハロルドさんも25歳。これから、またプロムスで新曲を世界初演するんだろうな…。Razeは「打ちのめす」という意味で、観客にガツンと響け!という思いを込めて作曲したのだそう。ガツンときました。とてもかっこいい作品です。ヴォーン=ウィリアムズ「音楽へのセレナード」を歌った16人の声楽家たちも若手。また歌声を聴きたい方ばかりです。指揮のサカリ・オラモさんの指揮者スピーチで、これからもプロムスは世界中の様々な音楽を紹介し続けますと仰ってましたが、その時は彼らのような若手音楽家たちが活躍するんだろうなと思いました。

 4つ目のポイントは、「イギリスの海の歌による幻想曲」。ラストナイトの定番曲なのに、2012年以降演奏されていませんでした。今年は完全復活!嬉しいです。トロンボーン、ユーフォニアム、チューバの低音域が活躍する「小粋なアレトゥーザ」。チェロのソロが観客の涙を誘う(観客のみなさんはハンカチで涙をぬぐう仕草をするのがお約束。そのハンカチはBBCがちゃんと用意していましたw)「トム・ボウリング」。コミカルで、指揮者vs.オケvs.観客の屈伸と手拍子とホーンのガチ対決の「ホーン・パイプ」。速さが足りない!ともう一度演奏するのもお約束です。BBC響の皆さんを応援したくなります。一方のオラモさんは踊って指揮してる箇所もあるしwその後はしっとりと、ウェールズ民謡「夜もすがら」、スコットランド民謡「スカイ・ボート・ソング」「ダニー・ボーイ(ロンドンデリーの歌)」。この3曲はウェールズ、スコットランド、北アイルランドの野外会場での演奏を生中継していました(ラジオではロイヤル・アルバート・ホールでのBBC響の演奏)。この3曲も涙が…。タイトルの通り哀愁が漂うオーボエが聴きどころの「ホーム・スウィート・ホーム」。表彰式でよく聴く「見よ、勇者は帰る」。最後は観客大合唱の「ルール・ブリタニア!」観客も一緒になって、演奏に参加できるのもラストナイトの魅力。巨大なホールで大観衆のコンサートなのに、どこかアットホームな感じ。気取らず聴けて楽しめる。この後に続く「ルール・ブリタニア」、「威風堂々(希望と栄光の国 Land of Hope and Glory)」、今年誕生100年の「エルサレム」、イギリス国歌「God save the Queen」そして締めの「Auld Lang Syne」(「昔なじみ」、「蛍の光」は日本独特の歌詞になってしまっているのでちょっと違う)も、プロムスの最後に大騒ぎして打ち上げ、また来年会いましょう!というものなんだと思います。歌詞がイギリス万歳な内容ですが(しかも今年はEU離脱も持ち上がり、EUの旗も振られていました)、根底にあるのは、観客も黙ってないで演奏に参加できる楽しさなんだろうと私は思います。

 その他の曲、今年没後100年のバターワース「青柳の堤」はとても美しいし、ボロディン「だったん人の踊り」は大迫力の合唱にしびれました。演奏後、オラモさんが「パーフェクト!」と言ったとか。ブリテン「マチネ・ミュジカル」も優雅でコミカルで楽しい。どのプログラムも楽しかった。録画を何度も観ては、ああ、今年のプロムスも楽しかったな、これでようやく終われる、来年に繋がると思っています。
 NHKさん、来年も放送よろしくお願いします!


 残り、細かい気になったところを箇条書き。

・ラストナイトの歴史や、今年誕生100年の「エルサレム」の歴史を解説していたのはよかったです。わかりやすかった。
・第1部でフローレスさんが曲の合間に足元に置いていたペットボトルで水分補給。「気にしないで」と言っていたフローレスさん、やっぱり素敵です。
・第1部では普通のタイをしているBBC響の楽団員さん、第2部ではユニオンジャックカラーのタイに変えたりもしていました。粋です。
・第2部、いつもの通り指揮台はカラーテープや国旗、風船でデコレーション。最初の曲「槍投げ」で、譜面台にあった緑色のカラーテープを首に巻いて指揮を始めたオラモさんwしかし、テープの色がシャツについてしまいました…。クリーニング大丈夫だったかなぁ…
・切手になり、結婚式は生中継…フローレスさんはペルーの英雄ですね。
・ドニゼッティ「ああ、友よ!」で、指揮台についていた風船を殴りながら歌うフローレスさんwどういう演出だw最後は風船を割って勝利!!途中風船が指揮台の内側へ。さりげなくオラモさんが元に戻してました。ナイス。
・フローレスさんがくまのパディントンのぬいぐるみをどう受け取ったのか、映像でようやく確認できました。パディントンもペルー出身だったのか。このラストナイトで初めて知りました。
・第2部のフローレスさんのアンコール中、フルートの2人(BBC響の第2フルートは日本人、向井知香さん。日本人演奏者もがんばってるのですから、NHKさん放送お願いしますよ!)が何かを指差して笑っていた。何があったんだろう?気になる。
・オーボエさんが、頬をふくらませ一生懸命演奏しているのが印象に残りました。MVP楽団員です。
・でも、どのパートにも魅せ場があって、BBC響の楽団員さん全員を応援していました。BBC響いいですね。
・オラモさん、今年の指揮者スピーチもいいこと言ってました。音楽は調和、時間や場、人を繋ぐ。そしてプロムスの意義、世界中の音楽を紹介し続ける。まさに音楽の祭典です。
・でも真面目なだけじゃないオラモさん。お茶目なところもあちらこちらで。「ルール・ブリタニア」のインカ王フローレス様が登場の際には、指揮台の上で跪きひれ伏してましたw「イギリスの海の歌~」の演奏前では、飛んでいる風船を指揮棒でつつこうとするwバーミンガム市響、フィンランド放送響初期時代は眼鏡のせいか、とても真面目そうに見えたのに…。
・指揮者スピーチの演奏者紹介で、BBC響のコールの後「Love you!」と、更に観客に向かって「もっと拍手!もっと拍手して!!」とジェスチャーするオラモさん。全プログラム終了後に、オケの皆を穏やかな笑顔で讃えねぎらっていたのも印象的でした。BBC響といいコンビです。
・BBCの他の放送でも気になっているのですが、サカリ・オラモさんのファーストネーム Sakari サカリと発音せずに英語読みのZachary ザカリーと発音してません?(聖書由来の男性名Zechariah ゼカリアが英語だとZachary、フィンランド語だとSakari)日本人から見ると、普通に見たままローマ字読みすればいいのに…と思ってしまうのですが…。
・BBC響は、イギリス国歌をチェロ以外起立して演奏します。
・「エルサレム」、イギリス国歌、「Auld Lang Syne」の流れがじわじわ来ます。「Auld Lang Syne」はオケの演奏は無く、指揮者も舞台袖で見守る形だったのが、去年・マリン・オールソップさんから指揮ありでオケも演奏するようになりました。

 来年のプロムスは、2017年7月14日スタートです!公式ガイド買って、また来年も楽しみます!

【追記】
 夏のBBCでの放送・オンデマンド、NHKでの放送を聴き逃した、見逃した…という方へ。年末年始はプロムスの公演のいくつかが再放送されますが、ラストナイトもありますよ!オンデマンドで聴けますよ!
BBC radio3 : BBC Proms 2016 : Prom 75: Last Night of the Proms
 ラジオ放送のMCや、指揮者スピーチの一部が端折られていますが、全曲聴けます。オンデマンドは1月30日ごろまで。

 ちなみに、この再放送はグリニッジ標準時 12月31日夜9時から始まりました。終わるのは日付、年が明ける午前0時。つまり、「ルール・ブリタニア」や「Land of Hope and Glory」で大騒ぎして年越ししてたんですよイギリスは。そして今年も残り少ないところで締めは、「Auld Lang Syne」.「蛍の光」でその年の締めって…紅白ですかwイギリスでも年越しの時間に「Auld Lang Syne」を歌っていたのかもしれませんw

◇BBC公式、3分で振り返るラストナイト:Last Night of the Proms 2016 in 3 minutes!

◇BBC公式、ラストナイトのバックステージ写真集:BBC radio3 : Proms : Backstage at the Last Night of the Proms 2016

◇ガーディアン紙による舞台裏写真集the guardian : Last Night of the Proms - behind the scenes

【過去のプロムス記事】
・7月編:Proms(プロムス)2016 私選リスト その1 [7月]
・8月前半編:Proms(プロムス)2016 私選リスト その2 [8月前半]
・8月後半その1:Proms(プロムス)2016 私選リスト その3 [8月後半のその1]
・8月後半その2:Proms(プロムス)2016 私選リスト その4 [8月後半 その2]

・2014年ラストナイト:こんなクラシックコンサート観たことない! 「Proms(プロムス)」ラストナイトコンサート2014

・ヴォーン=ウィリアムズ「音楽へのセレナード」について:美しい月と音楽と
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by halca-kaukana057 | 2016-12-17 16:43 | 音楽

指揮者特印! 冬のグリーティング切2016特印(押印機)

 先日の「冬のグリーティング」切手。限られた郵便局でしか押してもらうことの出来ない押印機特印。今回の押印機での特印はかなり惹かれたので、郵頼しました。
・前の記事:冬のヒトコマの切手 冬のグリーティング切2016特印(手押し印)

f0079085_20521458.jpg

 指揮者です!切手はピアノにしました。ピアノに指揮はいらない…切手のデザインがよかったので…。
 82円切手に、オーケストラと合唱団のデザインの切手があります。年末の演奏会…ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱つき」、つまり「第九」。もしくは、ヘンデル:メサイア かもしれませんね。そんな指揮者の特印です。人のよさそうな指揮者です。
 切手もよく見ると、2枚、指揮者や楽団員のポーズが違うんです。細かい…!!

 以上、2回にわたってお届けした冬のグリーティング切手特印でした。
 
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by halca-kaukana057 | 2016-12-08 20:58 | 興味を持ったものいろいろ


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