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オペラ(声楽)事始・番外編その2 声楽コンサートで気軽に楽しもう

 オペラ・声楽集中強化、ゆっくりと進めています。近頃はバロックオペラや、宗教曲、歌曲の方をよく聴くかなぁ…。

 そんな中、お手頃な声楽コンサートがあるので行ってきました。お手軽と書きましたが、本格的です。出演者が凄い。

<出演>
 鮫島有美子(ソプラノ)
 多田羅迪夫(バリトン)
 鈴木准(テノール)
 山岸茂人(ピアノ)

 鮫島有美子さん…!多田羅迪夫さん…!鈴木准さんも躍進中のテナー。なんですかこの豪華メンバー…。会場も室内楽やピアノソロ、器楽曲向きの中規模のホール。前回は大ホールでオペラでしたが、今回は中規模ホールで身近に楽しめる。いいですねぇ。

 タイトルはオペラと書きましたが、オペラの歌・アリアは少なく、歌曲中心。でもオペラでも活躍している声楽家のコンサートということで…。前半が日本歌曲、後半は海外作品にまとまっていました。

 さぁ開演。出演者がステージに出てくるのを拍手準備して待っていたら…なにやら花を運んできた。おいおい、舞台セッティングは開場前にやっておきなさいよ…と思ったら、正装してるしドレス着てるし…出演者でした…なんだこの登場の仕方は!?こんな登場の仕方は初めてです、見たことないw
 ちなみに、前半では多々良さんは和装。かっこよかった。

 歌は勿論惹きこまれました。ソプラノ、テノール、バリトン、ソロで歌っても、三重唱しても、人間の声ってこんなに響くんだ…と実感。声だけじゃない、身体そのものが楽器になる。聞き入るとともに、表情や体の使い方をじっと観ていました。
 特に印象的だったのが、鮫島さんは「浜辺の歌」…今の季節に合いますね。澄んだソプラノとピアノ伴奏に海を思います。サティ「ジュ・トゥ・ヴ」は振り付きで、色っぽく。まさにフランス・パリの大人の女性のイメージ。リチャード・ロジャース「サウンド・オブ・ミュージック」より「サウンド・オブ・ミュージック」「エーデルワイス」も澄んだソプラノの魅力満載でした。
 多田羅さんは滝廉太郎「荒城の月」…和装なのでますます雰囲気出てる。シューベルト「鱒」は、聴いてて感激しました。CDでも、フィッシャー=ディースカウ他様々な歌手で聴きました。釣りをする簡単な振り付きで、明るく深く、陽気でちょっとずる賢い釣り人の様を歌うその声。この歌を生で、しかも多田羅さんの歌で聴けたのに感激。
 鈴木さんは大中恩「悲しくなった時は」。詩は寺山修司。この曲は中田喜直作曲の方がメジャーらしい(歌をもう一度思い出そうと思って検索してみても、中田喜直版しか出てこない…)寺山修司の詩もすごく好みで、歌ものびやか。大中恩版をもう一度聴きたい。中田喜直作曲の作品もありました。「鳩笛の歌」。この2曲は初めて聴いたのですが、日本歌曲もいいなぁと思いました。あと、バーンスタイン「ウェスト・サイド・ストーリー」より「マリア」。「ウェスト・サイド~」はやっぱりいいなぁ。

 歌そのものも楽しんだのですが、お話と演出も楽しかった。メインMCを多田羅さんが担当。バリトン声が落ち着きます。ロジャー・クイルター「真紅のバラ」では、鮫島さんが歌った後、多田羅さん、鈴木さんが最初にステージに運んできた花から赤いバラの花をとって、鮫島さんに差し出す演出も。鮫島さん、鈴木さんのを受け取り、鈴木さんと腕を組んでステージ袖へ…残された多田羅さん…。ズィーチンスキー「ウィーンわが夢の街」ではダンスも披露。歌の背景や歌詞、鮫島さんのオーストリア暮らしのエピソードやらなにやら…お話もとても楽しく、客席からは笑いが絶えませんでしたw

 声楽コンサートでは伴奏に徹しひたすらピアノを弾くピアニスト…。そんなピアノの山岸さんにもスポットライトを。ショパン「ノクターン」第8番変ニ長調のソロが。ショパンのノクターンは全曲聴いた事が無く8番は初めて聴いたのですが、キラキラきれい。端正だけど、だんだん盛り上がってきて情熱的なところも見える、素敵な演奏でした。

 アンコールは会場の皆と一緒に「ふるさと」。この歌は私、思い入れがたくさんあるのでじわりと来ます。せっかくなので少し本気出して歌ってきました。

 歌もお話も演出も楽しいコンサートでした。クオリティの高い歌を、気楽に楽しめるプログラムでした。声楽は楽しいなぁ。ひたすらピアノを弾き続けていた山岸さん、お疲れ様です…。

 ひとつ思ったのが、客層が高かったこと。年配の方ばかりで、若い人が少ない。いないわけではない。私と同年代ぐらいの人もいたし、小中学生の子ども連れのお母さんもいた。制服姿の高校生もいた。でも、大方年齢層が高い…。若い人がクラシックに興味が無い…先日のオペラ「カルメン」では若い人も結構いた。興味が無いわけではないだろう、多分。プログラムとしてはどの年齢でも楽しめる内容のはず…うーん…そこが残念でした。アンケートに書くのを忘れたので、ここに書きます。中の人(主催者)が見てくれたらいいのですが…。

 鮫島さんのCDも買ってきてしまいました(サイン会は無し)。

千の風になって~新しい日本の抒情歌

鮫島有美子 / 日本コロムビア


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 編曲・ピアノ演奏が宮川彬良さん、という点が決め手でしたw

【オペラ強化年・これまでの歩み】
オペラ事始 その1 オムニバスから始めてみる
オペラ事始 その2 ビゼー「カルメン」(ハイライト)
オペラ事始・番外編 オペラ歌手が本気で歌のたのしみを伝える声楽アンサンブル
オペラ事始 その3 序曲・前奏曲は楽しい水先案内人
オペラ事始 その4 生のオペラを観に行こう
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by halca-kaukana057 | 2014-08-01 23:35 | 音楽

船に乗れ! 1 合奏と協奏

 昨年冬に舞台化(音楽が宮川彬良さん)されたことで存在を知った作品です。本屋大賞にもノミネートされた話題作だそうですが、全く知らず…。音楽ものと聞いて、読んでみました。まずは第1巻。


船に乗れ! 1 合奏と協奏
藤谷治/ポプラ社・ポプラ文庫ピュアフル/2011
(単行本はジャイブより2008年)

 チェロを演奏する津島サトルはチェリストを目指して芸高を受験したが、失敗。祖父が創設した新生高校音楽科に入学した。レベルはそんなに高くなく、サトルは入学早々、先輩よりもチェロのうまい新入生として話題になっていた。サトルも、高校生ながらニーチェなどの哲学書を読み、チェロの腕前もよかった。学校では、フルート専攻の数少ない男子のひとり・伊藤慧や、元気なヴァイオリン専攻・鮎川千佳、同じくヴァイオリン専攻の鮎川の友達の南枝里子たちと出会う。毎年、学校では生徒達によるオーケストラ発表会があった。演奏曲はチャイコフスキー「白鳥の湖」から数曲。楽譜を見て簡単だ、副科でオーケストラの楽器をやる生徒にとっても大丈夫だと思っていたサトルだが、オーケストラの練習は予想以上のものだった…。

 この物語は、大人になったサトルが過去を回想する形で書いています。このサトルが高校生だったのは、明記はされていませんがかなり昔。高校生だけで喫茶店(勿論今の大手チェーン店などではなく、「喫茶店」)に入ることは校則で禁止されている。1980年代?多分、そのくらいです。

 サトルはいかにもそんな一昔前の「インテリ」高校生、と言えばいいのか。生まれ育った環境もあり、クラシック音楽に小さい頃から親しみ、英才教育を受けていた。でも、ピアノはいまいちで、ふとしたきっかけでチェロをやってみることになる。N響楽団員でもある佐伯先生を紹介され、先生の指導を受け、サトルはチェロの腕前を上げていく。芸高は落ちたが、落ちた原因は学科試験。そして入学した新生高校音楽科は二流・三流の学校。サトルの自信、自慢げな感じに若さを感じます。別の言い方をすると「痛い」。厭味な感じはしない。

 そんなサトルに、大きな変化が。まず、オーケストラの授業。これまでチェロの腕前には自信を持ち、オーケストラでも1年生ながら首席の隣、トップで演奏することになる。だが、これまでサトルは誰かと一緒に演奏することは無かった。オーケストラで演奏するのも初めての経験。オーケストラで皆が合わせて演奏することがいかに難しいか描かれます。ここまでオーケストラの初歩の初歩から描いた作品は他に無いんじゃないか。楽譜通り、指揮の通り、皆で合わせて演奏することがオケの基本。その基本が難しい。いつも指導している”カミナリ”先生や、指揮の鏑木先生は、その基本をみっちりと叩き込み、厳しく怖い。さすがのサトルも、必死で食らい付いていく。音楽は表現、心が大事と言う。しかし、その前に、楽譜があり、その楽譜には作曲者が込めたものがある。それを忠実に演奏してこそ、その先の表現に進める…。普段何気なく、CDやテレビでプロのオーケストラを聴いてしまっていますが、オケって本当に難しいのだなぁ…と感じました。オケの楽器は何ひとつ演奏できないので、興味もあります。

 もうひとつの変化…同じ1年のヴァイオリンの女子・南枝里子の存在。完全に恋してしまったサトル。しかも、枝里子の友達であり、サトルのクラスメイトである鮎川千佳の働きかけで、2人の音楽への情熱が似たものだと知る。音楽をやるための家庭環境はそんなによくないけれど、負けず嫌いで向上心の強い枝里子は、サトルのチェロに刺激を受ける。サトルも枝里子の熱意に刺激を受け、後にサトルのピアノの先生である北島先生とともにメンデルスゾーンのピアノ三重奏曲を演奏することになる。ここでも、自分自身の腕前や、アンサンブルの難しさにぶち当たる。が、それ以上に一緒に刺激し合いながら演奏するのが楽しい。いいですねぇ青春ですねぇ。ピアノの北島先生も素敵な先生。アンサンブルの練習以外では、携帯もメールも無い時代。アナログなサトルと枝里子の会話と想いの交流がまたいい。これが携帯でサッと…だったら味が半減してしまいそう。そんな雰囲気。

 サトルが刺激を受けるのは、枝里子だけではない。フルートの伊藤慧。見た目”王子様”で、フルートの腕前もかなりのもの。楽器は違えど、伊藤の演奏にサトルも、ほかの生徒たちも魅了される。
 更に、公民(倫理)の金窪先生。教科書どおりの授業をせず、哲学とは、生きるとは何かをサトルたち生徒に問いかける。哲学書を読みふけっているサトルとも親しくなる。金窪先生のお話がとても面白い。中学高校時代、こういう先生が学校に1人や2人は必要、絶対にいて欲しいと思う。

 オーケストラの合宿練習、文化祭、発表会、そしてとある場でのサトル・枝里子・北島先生のトリオの演奏…。音楽は難しい。なかなか思うように演奏できないし、たくさん練習したからと言ってその分うまくなるとも限らない。でも、音楽は楽しい。誰かと演奏できれば、もっと楽しい。サトルたちトリオの演奏シーンで、音楽で会話するってこういうことなんだろうな…と思いながら読んでいました。

 オーケストラの演奏曲であるチャイコフスキー「白鳥の湖」、サトルがトリオで演奏するメンデルスゾーンのピアノ三重奏曲第1番、サトルが普段練習しているバッハの無伴奏チェロ組曲…様々なクラシック音楽が登場し、また演奏家もカザルスをはじめ色々な演奏家が出てきます。サトルたちが聴くのはCDではなくレコード。レコードというのもまたいい雰囲気です。

 痛い、苦い、でもどこか微笑んでしまう青春小説。3巻まであって、2巻は既に読んでしまっています。2巻は…大変なことになってます。近々感想書きます。3巻を読むのも楽しみです。どうなっちゃうんだ…。
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by halca-kaukana057 | 2014-07-29 22:58 | 本・読書

フォーレを聴こう その3「ドリー組曲」

 夏になると、フランスもののピアノ曲が聴きたくなります。ということで、ガブリエル・フォーレ作品を聴こうシリーズ、第3回は「ドリー組曲」op.56

 子どもの頃、ピアノを習っていた時、先生と連弾することが時々ありました。連弾だと、いつもは自分ひとりだけの演奏が音が厚く豪華になって聴こえ、またひとりでプリモ(生徒はメロディーメインの簡単なプリモをやる)を練習、レッスンで演奏した後、先生のセコンド(大体伴奏)もつけると音がこんなに変わるんだ!という発見。更に誰かと一緒に演奏する楽しさもあり、好きでした。連弾曲は大体楽しく軽快な曲が多かったので、そんな楽しさもあります。

 ピアノ連弾というと、そんな子どもの時のピアノレッスンのイメージが強く、プロのピアニストが弾くものとは思っていなかった。ところが、この「ドリー組曲」は連弾曲。2台ピアノではなく連弾。連弾にこんな作品があるんだ…と思いながら聴いています。

 フォーレが親しくしていた銀行家の娘(のちにドビュッシーの妻になる)のお嬢さんの誕生日お祝いに毎年1曲ずつ作曲され、タイトルも小さな女の子を思わせるような可愛いタイトルがついている。曲そのものも愛らしい。第1曲「子守歌」を聴いて、あれ?と思った。聴いたことがある。ああ、NHK・Eテレのアイキャッチのあの曲か!「Eテレ」とコールされる数秒のアイキャッチ。何種類がありますが、この「子守歌」の冒頭が使われています。この曲だったのか。

 全6曲、どの曲も軽快で愛らしい。第3曲「ドリーの庭」、第5曲「やさしさ」の穏やかさ、優雅さ。フォーレの他のピアノ作品…後に書くかもしれませんが、夜想曲集などに通じるものがある。第6曲「スペイン風の踊り」の音の重なり、厚み、和音の響きとスピード感がとても気に入っています。これは連弾だからこそできる響き。ちなみに、アルフレッド・コルトーはピアノソロに編曲し、更に、管弦楽版もあるらしい。
Gabriel Fauré - Dolly Suite

 オーケストラ版もまたきれいだなぁ。

【過去記事】
・第1回:フォーレを聴こう その1「シシリエンヌ」
・第2回:フォーレを聴こう その2「ラシーヌ雅歌」
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by halca-kaukana057 | 2014-07-28 22:26 | 音楽

天にひびき 9

 相変わらず漫画を買って読んでから、感想を書くまでの間が長い…遅いです。「天にひびき」9巻、ようやく書きます。


天にひびき 9
やまむら はじめ/少年画報社・ヤングキングコミックス/2014

 文化祭で演奏するひびき指揮秋央コンマスのBオケの本番が近づいてきた。秋央から連絡を受け、美月と父・直昭も帰国、演奏を聴きに来る。直昭は、9年前、まだ小学生だったひびきが突然指揮をし、演奏をした時オケのコンマスを務めていた。それ以来のひびきの指揮。美月もひびきと秋央のリハを聴きに来る。そのリハの後、ひびきは美月に初めて演奏を聴いた感想を求める。そこで、ひびきは…。その言葉に美月も…。
 そんな中、ドイツからやってきているアウエルバッハがひびきを呼び出す。アウエルバッハがマネージャーを務めるバイエルン・フィルの指揮者・ローレンツが急病で来日できなくなった、ローレンツはその代役にひびきを指名している、と。バイエルン・フィルの練習場にひびきを連れてきたアウエルバッハ。そこでひびきは…


 物語がまた大きく動き出しました。秋央をめぐる人間関係も。秋央君、どこでそんなにもてるかねぇ…w波多野さんの反応も可愛いのですが、美月のいわゆる”ツンデレ”(でもまだデレてないか)な反応も可愛いのですw

 Bオケで、ひびきの指揮のもと、コンマスとして一生懸命やってきた秋央。ひびきの音楽を理解したい、ひびきの音楽を形にしたい、伝えたい!と頑張ってきました。しかし、ひびきには何かが「足りない」模様。
 コンサートマスターは、指揮者の意図をオーケストラのメンバー全員に伝え、音楽を形にするまとめ役。指揮者とオケの橋渡し役…と今まで考えてきたけれども、そうでもない?ひびきが感じている物足りなさ…ひびきの音楽、ひびきの意図をしっかりわかって伝えてくれているのに、何かが足りない。この9巻の山場で出てくるのですが、コンマスは指揮者の手兵じゃない、指揮者に従っていればいいってものでもない…?このあたり、オーケストラにとって、また指揮者にとってコンサートマスターという存在がどういう存在であるかがよくわからないので、わからない…。コンサートマスターも、ひとりの音楽家。個性を持った音楽家。オーケストラも、一人ひとり個性を持った音楽家の集団。2、3人だけの管楽器ならまだしも、10人はいる弦楽器では、個は個でも同じメロディーを揃えて演奏しなければならない。個と集団。その先頭にいるコンマス。コンマスの存在って何なのだろう…。

 8巻の如月先生と、かつてカルテットを組んでいた桂木さんの話。格段に巧い桂木さんに当たっているスポットライトを、如月先生はカルテットのメンバーとして一緒に浴びていただけと気がついた。一方でひびきと秋央も、ひびきに当たっているスポットライトを秋央も一緒に浴びたかったのではなく、秋央はひびきとオケ全体にスポットライトが当たるように、と感想で書いた。ひびきの音楽をオケが形にしていることをアピールするコンマスを目指してきた。須賀川先生とひびきが最初のコンマスについて話している場面からも、指揮者の意図を形にする、それだけでは足りない、のか…?足りない、のかもなぁ。

 そしてひびきに大きな転機が。バイエルン・フィルを1公演だけだが振るチャンスが。8巻冒頭で来日したドイツ人・アウエルバッハさんの来日の意図がわかりました。とは言え、代振りは想定外ですが(多分…まさかローレンツさん、最初からそのつもり…なわけないよねぇ…)。その公演と、Bオケの公演の日が被ってしまった…勿論、バイエルン・フィルを選んだひびき。その後の秋央…目標を完全に見失ってしまいました。そこへ美月が…!!美月かっこいい。
 一方、波多野さんも波多野さんなりに、秋央を励まし、文化祭では演奏で想いを表現。オケだけではなく…”音羽良の黒姫”ソロリサイタル。演奏曲は、勿論大好きなショスタコーヴィチ。波多野さんが演奏するショスタコーヴィチ、どんな音なんだろう。鋭利だけど情熱的、キレがあるけどつやつやした感じなんだろうか。あるけど実際には演奏を聴いたことがない人や、架空のこの人が演奏したらどうなる?というのを想像しながら、CDで聴くのも面白いですね。

 ひびきの大抜擢のショックは、秋央だけじゃない。Aオケで初指揮の梶原も、また引き離された…と。でも、Aオケでがんばるしかない。落ち込む秋央が南条君と話している時の会話が凄くよかった。8巻、桂木さんの演奏を聴いて、一生かかっても追いつけない…追いつけなくても続ける意味って何だろう、と尋ねる秋央にこの答え。
一生追いつけないってことは 一生努力できるって事でどう?
一生追いつけない事くらいでやめちゃえる程 チャチな目標を選んだ訳じゃないだろって事
 (秋央)それが自分の器じゃないとしても?
それは他人が決めればいい事だよ
(92~93ページ)

 さすがは南条君。南条君、本当にいい子だ。というわけで、秋央もめげてないでがんばれ!Aオケでは梶原、Bオケは須賀川先生の代振りで公演は盛況。秋央も、秋央なりの答えを見つけた模様。秋央が目指すものを見つけたか。ひびきとは異なるアプローチで。Bオケと同じ頃、ひびきも道を拓いた…本当にこの子はどこまで行ってしまうんだろう…梶原じゃないけど、そう思ってしまう。

 そしてそれぞれの道へ進み、秋央たちは4年に。それぞれ進路も決まり…秋央はまだ、という…。そこへ…。4年、もうすぐ卒業ということで、そろそろクライマックス?どうなるか、楽しみになってきました。

 恒例の吉松隆先生のクラシック音楽コラムは、クラシックがどう生き残るか。日本人が西洋音楽を演奏する・聴くことも含め、クラシック音楽と現代社会、人間の関わりについて。クラシック…古くて格式がある、敷居が高い…それがプラスになることもあるしマイナスに働くこともある。でも、CMや映画などで使われることもある。「クラシック」と特別扱いしてしまっているのかな、と思いました。分類すると便利、ですが…。

 そういえば、先日、こんな言葉を読んだので引用します。
調布音楽祭監修の鈴木雅明さんの言葉。「私も、クラシックは大の苦手です。なにしろ、『クラシック』という言葉は『もう聞き飽きて聞きたくもない話』のことだからです…バッハはもちろん、シューマンやドヴォルザークの名曲を、決して『クラシック』にしないために、この音楽祭は存在しています」
Twitter:NUKATANI, Sorahiko (@umui):2014年7月7日

 鈴木雅明さん、バッハ・コレギウム・ジャパンでおなじみ、古楽のエキスパートですね。だからこそ、「クラシック」=昔の音楽、ではなく、今も演奏され”生き続けている”音楽にしたい…と思ってらっしゃるのかもしれません。

 最後は漫画本編から脱線しましたw

・8巻感想:天にひびき 8
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by halca-kaukana057 | 2014-07-14 23:02 | 本・読書

フォーレを聴こう その2「ラシーヌ雅歌」

 前回の記事から間が空いてしまいました。その間、色々聴いてました。最近気になっている近代フランスの作曲家、ガブリエル・フォーレの作品を聴こうシリーズ、続きです。
・第1回:フォーレを聴こう その1「シシリエンヌ」

 今回は、合唱曲「ラシーヌ雅歌」(Cantique de Jean Racine)op.11.「ラシーヌ賛歌」「ラシーヌ讃歌」とも表記されます(何故こんなことになったんだ?)。歌詞は、17世紀フランスのジャン・ラシーヌの詩より。キリスト教の聖歌です。
ラシーヌ雅歌
 ↑フランス語歌詞と和訳があります
Cantique de Jean Racine :Fauré with Lyrics ラシーヌ讃歌:フォーレ

 ↑フランス語歌詞付き動画

 フォーレは宗教曲を数多く書いています。代表は「レクイエム」op.48.「ラシーヌ雅歌」もそのひとつ。フォーレが20歳の時(1865年)、音楽学校の卒業作品として書いたもの。演奏時間約5分。フォーレのデビュー作と言ってもいい作品です。これがデビュー作なのか…。

 現在、私がフォーレを聴くきっかけになったのが、この「ラシーヌ雅歌」でした。聴いて一言、「美しい」。オルガン(管弦楽版もある)と、人間の歌声の調和で、こんな美しい音楽になるんだ…。最初は歌詞を知らずに聴いたのですが、それでも厳かな気持ちになります。

 私はクリスチャンではありませんが、寺院仏閣、神社、教会、歴史ある場所、人の手があまり入っていない自然…そんなところを、この曲を聴いていると思い浮かべます。それらは、遠く、自分とは関係ないものではなく、自分の周りのどこかにあって見守ってくれている。場所、というより空気・存在(形がないとしても)なんだろうなぁと思います。

 録音は色々と聴いていますが、オルガン伴奏が多いです。静かに聴き入りたい作品です。
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by halca-kaukana057 | 2014-07-03 22:36 | 音楽

音楽・舞台芸術をのこすこと

 昨日のNHK教育(Eテレ)「クラシック音楽館」は凄かった。
NHK交響楽団:第1780回 定期公演 Bプログラム(2014年4月23日/サントリーホール)
R.シュトラウス:祝典前奏曲 作品61
R.シュトラウス:紀元2600年祝典曲 作品84
R.シュトラウス:バレエ音楽「ヨセフの伝説」作品63
指揮:ネーメ・ヤルヴィ/NHK交響楽団


 先日生誕150年のお誕生日を迎えた、アニバーサリーイヤーのリヒャルト・シュトラウスだけを取り上げたプログラム。しかも、滅多に演奏されない曲ばかり。先日も記事に書いたとおり、これまで私はR.シュトラウスにはそんなに馴染みがない。ネーメ・ヤルヴィと言えば、シベリウスやグリーグをはじめとする北欧ものを真っ先に思い浮かべる。エーテボリ響とのシベリウスの交響曲・管弦楽曲集も愛聴している。と言うわけで、そんなパパヤルヴィのR.シュトラウス、しかも聴いたことがないマイナー曲とあって、観る・聴くのを楽しみにしていました。

 観て、たまげました。編成がとんでもなく大きい!!サントリーホールの舞台に、人がいっぱい。1曲目「祝典前奏曲」はパイプオルガンで派手にかっこよく始まる。ハープ4台、トロンボーン8本、チューバ2本…なんですかこれは!!更に、日本から依頼されて書いたという「紀元2600年祝典曲」では、お寺のお堂にある鐘が楽器になっている。こんな楽器になるとは思いもしなかった…。初演では、鐘(除夜の鐘でゴーンと鳴る大きい方?)が14個(!!?)も使われ、音程の合う鐘を探してくるのが大変だったそう…。今回だって、大きさは違えど音程の合う鐘を探してくるのは大変だったと思う。バレエ音楽「ヨセフの伝説」も、バレエ音楽とは思えない大編成。金管がバンバン鳴る豪華な演奏。これに、どんな踊りをつけるのだろう。どんなバレエになるんだろう。第一、こんな大編成がオケピットに入るのか?相当の大劇場じゃないと上演できないぞ?でも、観てみたいなぁ。音楽も、どんな踊りか想像つかなかったので、今年はアニバーサリーイヤーだし、どこかのバレエ団で上演してみてほしいなぁ。そんなことを思いながら聴いていました。

 あと、こんななかなか演奏されないマイナー曲を演奏したパパヤルヴィとN響とN響のスタッフの方々にも大きな拍手。N響は、時々演奏頻度の少ない曲を定期公演で演奏します。例えば、オルフ「カトゥリ・カルミナ」。歌詞が話題になった作品ですが、歌詞のネタ的意味ではなくて、その編成と演奏頻度。同じオルフの作品でも「カルミナ・ブラーナ」は有名だけど、「カトゥリ・カルミナ」の演奏は4台のピアノと打楽器というとても変わった編成。2人の独唱と合唱も、ちょっとしたオペラのようで面白かった。
 それから、私が行こうとして行けなかった(まだ言う)2月のオール・シベリウス・プログラムも、1曲目で「アンダンテ・フェスティーヴォ」。アンコールなどで演奏するオーケストラも少しずつ増えてきているみたいだが、まだそんなに知られていない、シベリウスの美しさがぎゅっと詰まった作品。後半も、普段は「トゥオネラの白鳥」ばかりが演奏される交響詩「四つの伝説」を全曲。CDでは全曲演奏のものを持っているけど、演奏会で全曲演奏するのはなかなかない。
 そんな演奏頻度の少ない曲を演奏し、しかもFMラジオの生中継でも、後日のテレビでも、全て放送できてしまうN響。N響の大きな強みです。どんどんマイナー曲を取り上げてほしいと思っています。

 演奏頻度の少ないマイナー曲。なかなか演奏が難しい大編成の作品。元々はバレエや劇のための音楽だった作品。音楽…舞台芸術をのこしてゆく、演奏・上演し続けることがいかに難しいか(音楽も舞台で演奏されるものと考えれば舞台芸術だと思う。室内楽やピアノやヴァイオリンなどの器楽曲、歌曲などの小さな編成の作品は別だろうか…?今回は別とします)。バレエ音楽、劇付随音楽も、後に作曲者が組曲にして、組曲ばかりが演奏されることも少なくありません。序曲や間奏曲だけがのこっている作品も。音楽だけでものこっていることは、貴重なのかもしれない。でも、時々珍しい原曲のCDを見つけて聴いてみたら、組曲では割愛されてしまった曲、歌や合唱に、こっちのほうが面白い!こういうバレエ・劇なんだ!と思う。先日、ハイライト版のCDを聴いてもよくわからず、生のオペラを観て「こういうお話でこういう歌だったんだ!!」とオペラの魅力を実感した「カルメン」のように。「カルメン」も組曲化されてましたね。
 逆に、組曲から入って、まずは音楽に親しむという方法もある。両方からアプローチ出来るんだよなぁ。それもひとつの方法。いいところ。
 でも、それでも、音楽と舞台芸術が融合しているのを観たいと思います。作品にもよりますが、オペラはまだいい方か?

 演奏頻度の少ない曲でも、演奏され続ければ徐々に知られ、広まり、じわじわとファンを集める曲になってゆくかもしれない。クラシック音楽にも”流行”はある。映画やドラマ、小説などで取り上げられたことがきっかけで、それまでそんなに注目されていなかった曲が一気に注目されることもある。演奏頻度が少ないからと言って、マニア向けとも限らない。逆に、何の予備知識がないからこそ、まっさらな状態で楽しめる。普段クラシックに馴染みのない人にとっては、大編成のオーケストラは迫力満点で、ロックのように聴こえ、新鮮に感じられるかもしれない(私もそう。大編成ものはそんなに聴かないので)。

 それから、現代作品。以前読んだベートーヴェンの四コマ漫画「運命と呼ばないで」で、ベートーヴェンの時代は音楽の転換期に合った。宮廷音楽家はリストラされ、音楽は貴族だけのものではなくなり、一般市民もピアノを習いはじめる。ベートーヴェンの音楽は、その時代の”現代音楽”だった。これまで、残ってきた作品はどのように演奏され続けてのこってきたのだろう。一方で、どれだけの作品が”消えて”いってしまったのだろう。今生まれている作品も、100年後にはどのくらい、残っているのだろうか。クラシックだけじゃなく、全ての音楽で。

 音楽、舞台芸術をのこす、演奏し続ける。そして私達聴衆も聴き続ける。両者がいなければ、成り立たない。のこすことが目的ではない、音楽を、舞台芸術をたのしむことが一番。でも、面白い作品なら、100年後も楽しめるようにしたい。出来るなら、音楽だけでなく、ひとつの舞台芸術作品として。そんなことを思った昨日の「クラシック音楽館」でした。

【過去関連記事】
R.シュトラウス生誕150年とばら
オペラ事始 その2 ビゼー「カルメン」(ハイライト)
オペラ事始 その4 生のオペラを観に行こう
運命と呼ばないで ベートーヴェン4コマ劇場
・2月のN響オール・シベリウスを聴きに行こうとしたが…:大雪の東京へ
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by halca-kaukana057 | 2014-06-16 22:16 | 音楽

R.シュトラウス生誕150年とばら

 今日は雨(でも小雨)。外を歩いていたら、公園のばらがきれいに咲いていました。雨に濡れて、みずみずしく、色鮮やかに、しっとりと美しい様に見とれてしまいました。

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 今日は、リヒャルト・シュトラウス生誕150年のお誕生日。ばらとR.シュトラウス…オペラ「ばらの騎士」。全曲はまだ聴いたことはないですが、二重唱や三重唱と抜粋では聴いたことがあります。オペラ強化年、「ばらの騎士」も気になります。

Richard Strauss: Der Rosenkavalier - Prêtre/WPh(2006Live)

 ジョルジュ・プレートル指揮ウィーンフィルの組曲版。組曲にもなっているのを今日初めて知りました。きれいです。

R.シュトラウス オーボエ協奏曲 ニ長調

 ローター・コッホ(オーボエ)、カラヤン指揮ベルリンフィル
 R.シュトラウスは、以前テレビで放送していたのを観たオーボエ協奏曲も好きです。華麗です。

 R.シュトラウスは普段あまり聴かない作曲家ですが、こんな機会にだからこそ聴きたい(じゃないと聴かない)。聴く音楽は、まだまだたくさんあります。
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by halca-kaukana057 | 2014-06-11 22:23 | 音楽

オペラ事始 その4 生のオペラを観に行こう

 今年はオペラ・声楽強化年。続きです。

 NHKBSプレミアムなどで、オペラ公演を収録した放送が結構あり、録画して観ています。しかし、いまいちピンと来ない。集中できず、途中で挫折してばかり。物語のあらすじが、登場人物と声域、誰がどのアリアを歌うのか、登場人物たちの関係が覚えられない!やはりオペラは長い、難しい、敷居が高い、のか。独特の台詞の言い回しも慣れない。ラジオでの全曲放送なら、全部聴けないことも無いのですが…。
 そんな私が、オペラを観に行くことにしました。ビゼーの「カルメン」。以前、ハイライト版を聴いたのですが、全部を観るのも聴くのも初めて。オペラを観に行くこと自体人生初めて。「カルメン」は前奏曲もアリアの数々も超有名曲ばかりですが、物語のあらすじを読むと「うーん」と思ってしまう。この物語を楽しめるのだろうか。集中して観ていられるだろうか…。そんな不安も抱きつつ、行ってきました。

・ビゼー作曲:歌劇「カルメン」(全4幕)
 スロヴェニア マリボール国立歌劇場
 ロリス・ヴォルトリーニ指揮、マリボール国立歌劇場管弦楽団/合唱団/バレエ団
 演出:フィリップ・アルロー

 舞台の両サイドに、字幕用の電光表示板が。舞台の下にオケピットが。これがオケピットか…と思いつつ、開演を待ちます。
 開演、マエストロの登場。そしてあの前奏曲。威勢のいい前奏曲を聴きながら、だんだんワクワクしてきました。

 全幕、飽きずに集中して観られました。終わって一言、「楽しかった!!」オペラって楽しい!凄い!これが音楽と舞台の総合芸術だ。実際の舞台では、台詞の言い回しも気にならなかった、自然だった。オペラという世界に引き込まれているからか。歌手の皆さんの歌も素晴らしい。広いホールに、自分の声だけで朗々と響かせて歌う。歌いながら、演技もする。演劇やミュージカルとは違う、音楽・歌でも魅せるオペラの手法にすごいなぁ、すごいなぁと思ってばかりでした。演出も、親しみやすかった。コミカルなシーンも所々にあって、クスリと笑えました。勿論、シリアスなシーン、カルメンが魅了するシーンも惹かれる。バレエも美しい。舞台セットや背景も物語を引き立てている。

 あらすじ、ハイライト版では分からない物語の全容もようやく理解しました。ああ、「カルメン」ってこういうお話だったんだ。ここでこの登場人物がこんな台詞を言って、こんな風に歌に入って…生で観ないとわからないことばかりでした。字幕で台詞や歌詞が出るので、追いやすい。ただ、字幕を観て、舞台の歌手を観て、背景や舞台演出を観て…目が忙しい。目が疲れました(苦笑

 真面目な衛兵のドン・ホセ、ホセの婚約者のミカエラ。ホセは田舎の母親のことを心配し、結婚を誓い合う幸せな2人だったのに…自由奔放な恋愛を楽しむカルメンの登場で、ホセは変わってしまう。カルメンに気に入られたホセ。ホセも婚約者がいるのに、カルメンに惹かれ、恋に落ちてしまう。そして、ホセの人生も堕ちてゆく…。ホセの視点でずっと観ていて、終わった時の感想が、「ホセ、かわいそう…」。カルメンに出会わなければ、ミカエラと幸せに結婚し、親孝行も出来たのに…。
 とは言え、カルメンも「魔性の女」であるけど、何故か憎めない。相手のことを考えない、自由奔放過ぎる、でも、心は自由だとうたい、今を生き、そのためなら死をも恐れない。カルメンにとっての「自由」とは何だろう?と考える。未練がましくない。強いなぁと思う。カルメンが死を悟るシーン、そしてラストシーンは息をのみました。

 数々のアリア、二重唱、合唱にも魅了されました。カルメンのハバネラ、ホセの「花の歌」、闘牛士・エスカミーリョの「闘牛士の歌」は心の中で「来たー!」と叫んでました。どの歌も好きです。オペラは、アリアの後に拍手をする。この雰囲気もよかった。カーテンコールは拍手しまくりました。

 第1幕の「子供たちの合唱」は、地元の小学生が歌っていました。元気よく舞台に出てきて(翻弄される大人たちw)、元気よく歌う姿が可愛かった。プロのオペラ歌手と共演、オペラの舞台で歌えるなんて凄いなぁ、いい経験だなぁ。この日のために、フランス語の歌詞を覚えて練習したんだろうなぁ。第2幕の後、子どもたちが先にカーテンコール。可愛かった。
 親御さんと一緒に観に来ている小学生もちらほらと。「カルメン」の物語は子どもにはちょっと…と思ったが、こんな美しい舞台、豊かな歌・音楽のオペラを小学生の頃から観せてもらえるなんて羨ましいなぁ…とも。制服姿の高校生も。どう観るんだろうなぁ。

 オペラは生で観てこそその魅力がわかる、と実感した夜でした。ようやく、オペラの魅力がわかった。これまで、台詞などの面で、何故オペラはこんな表現方法を使うのだろう。クラシック音楽には音楽劇もたくさんありますが、音楽劇じゃダメなのか、とよく思っていました。しかし、音楽と舞台の総合芸術であるオペラだからこそ表現できるものがあるんだ、とようやくわかった気がします。本当に楽しかった!また、様々なオペラを生で観たいです(東京などに遠征しないと観られないですが…)。

 ということで、たまっているオペラ番組の録画を消化せねば…。

 
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・過去関連記事:ハイライト版を聴いてみた:オペラ事始 その2 ビゼー「カルメン」(ハイライト)
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by halca-kaukana057 | 2014-06-10 23:11 | 音楽

フォーレを聴こう その1「シシリエンヌ」

 最近、よくフォーレを聴いています。最近気になっている作曲家です。これまで、フランス近代ものはあまり聴いてきませんでした。どうもフランス近代もの、とりわけドビュッシーに苦手意識があったから。しかし、以前、サン=サーンスやプーランクに興味を持ち、聴いて少しずつその苦手意識も無くなってきました。最近、またプーランクも聴いているのですが、同時に気になっているのがフォーレ。合唱曲や歌曲(今年はオペラ・声楽強化中ということで)、室内楽、ピアノ・器楽曲を中心に聴いています。が、これまでの持っているCDや図書館から借りたCDを調べてみたら、ほとんどフォーレが出てこない…!有名な曲はいろいろあるのに、全く眼中に無かった…。自分でも驚くほどでした…。

 まず、取り上げるのがフォーレの超有名代表作「シシリエンヌ(Sicilienne)」。「シチリア舞曲」、「シシリアーノ(シチリアーノ)」とも表記されます。「シシリエンヌ」だとフランス語表記ですね。劇付随音楽「ペレアスとメリザンド」op.80の第3曲(声楽つきの「メリザンドの歌」が入る場合だと第4曲)。「ペレアス~」は様々な作曲家によって音楽がつけられたり、オペラにもなった戯曲。これまで、シベリウスの「ペレアス~」ばかり聴いてきました。フォーレのは、もともとはチェロとピアノのために書かれた曲(op.78)でした。

 あまりにも有名で、これまで、オーケストラの小品、アンコールピース程度にしか思っていませんでした…ごめんなさい…!集中してよく聴いてみると、とても美しい。とにかく美しい。オーケストラ版は、フルートのソロにハープや管弦楽がやさしく呼応する。この曲はト短調。そういえば短調だった。しかもト短調は荘厳で少し重めの調性。モーツァルトにとっては特別な調性として有名です。モーツァルト(交響曲第25番、第40番、弦楽五重奏第4番)だと重く暗く響くのに、フォーレだと雰囲気が違う。これは面白い。

 もともとのチェロとピアノでの演奏は、チェロの落ち着いた内面を押さえた音が深い。ピアノも静かに寄り添っている。オーケストラでも、チェロとピアノでの演奏でも、4分程度の短い小ロンド形式の曲なのに、ひとつの物語になっているように感じる。聴いているとじわりとこみ上げてくることもある(疲れているのか…?)。ちなみに、聴いたのはフレデリック・ロデオン(Vc)、ジャン・フィリップ・コラール(P)盤。

 この曲は様々な楽器で編曲されて演奏されていますが、どんな楽器で演奏してもいい。ミカラ・ペトリのリコーダー版は、フルートとはまた異なる笛の音。フルートよりも素朴であたたかい。今日、偶然ラジオでN響オーボエ奏者の池田昭子さんのオーボエ版も聴いたが、これもきれい。オーボエの透き通る音色が爽やか。
 動画サイトでピアノソロ版も聴いたのですが、しっとりと、どこか憂いがある。他にも様々…。オーケストラ版もたくさんあるので、聴き比べが楽しそう。今後も様々な版で聴いてみようと思っています。

 これまで、ほとんど気にしてこなかった、軽く聞き流していた曲なのに、あらためて聴いてみると惹きこまれることがある。フォーレの「シシリエンヌ」は、私にとってそんな存在の曲になりました。「ペレアスとメリザンド」全曲もまだちゃんと聴いていないので、こちらも。
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by halca-kaukana057 | 2014-05-30 22:37 | 音楽

オペラ事始 その3 序曲・前奏曲は楽しい水先案内人

 クラシックは好きだけどオペラは全くの入門者が、今年はオペラを聴いてみる。ゆっくりとですが、オペラに親しむ道を歩んでいます…。

【これまでの歩み】
オペラ事始 その1 オムニバスから始めてみる
オペラ事始 その2 ビゼー「カルメン」(ハイライト)
オペラ事始・番外編 オペラ歌手が本気で歌のたのしみを伝える声楽アンサンブル

 この他にも、その1では男声のオムニバスを聴きましたが、女声(ソプラノ・メゾソプラノ)のオムニバスも聴きました。ソプラノ、と一言で言っても、繊細で優雅な高音もあるし、情感たっぷりにふくよかな高音もある。女声の高音は凄いけど、何だか苦手だなぁ…と思ってきたのですが、そんな声の"色合い"にも注目して聴くと、声楽はとても面白いなぁと感じます。

 オペラはアリアもいいですが、舞台が始まる前の序曲、前奏曲も魅力。その作品の主題も入って、物語の世界にいざなってくれる存在。そんな序曲・前奏曲のオムニバスを聴きました。またしてもオムニバス。全曲を聴こうとしても、まだ慣れない、途中で集中が切れてしまうんだよなぁ…。

ヴェルディ:序曲・前奏曲集

クラウディオ・アバド:指揮/ベルリン・フィル/ ユニバーサル ミュージック クラシック


 オペラと言えばアバド、という感じになってきています。数々のオペラをのこしたヴェルディの作品の序曲・前奏曲を集めました。ヴェルディ…「アイーダ」や「椿姫」、「リゴレット」などなど、全曲は聴いたことはなくても、有名なアリアや劇中曲が沢山。そして物語もドラマティック。序曲や前奏曲もドラマティックです。序曲・前奏曲だけで、もうこれだけでも十分魅力的、と思ってしまいます(物語はここからだぞ!)。曲の終わり方が、ジャーン!ジャジャン!と壮大な終わり方をするのも、そのせい?
 ヴェルディのオペラには、歴史上の実話を基にしたものも多く、大河ドラマと考えればいいのかな。と言うことは、序曲・前奏曲は大河ドラマのテーマ曲と考えればいいのかな…(当たってるのか違うのか…どうなんだろうこの解釈…)


名序曲集

オムニバス(クラシック) / ユニバーサル ミュージック クラシック


 こちらはバロック・古典から現代作品まで、様々な序曲・前奏曲を集めたオムニバス。オペラだけじゃなくて、バーンスタインのミュージカル「キャンディード」序曲や、メンデルスゾーンの劇音楽「真夏の夜の夢」序曲、ブラームス「大学祝典序曲」にガーシュウィン「キューバ序曲」も入ってます。
 ビゼー「カルメン」前奏曲に、オッフェンバック「天国と地獄」序曲、ヨハン・シュトラウス2世「こうもり」序曲、スッペ「軽騎兵」序曲、ワーグナー「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲、モーツァルト「フィガロの結婚」序曲と、超有名曲も入ってて、楽しくなります。作曲家によって、作品によって、時代によって、国(言語)によって…と聴き比べも出来る。ここから、またアリアのオムニバスや、ハイライトに進んでいけばいいのだろう。序曲・前奏曲は、オペラの世界への水先案内人のようにも思えます。
 しかし、あまりにも有名な曲ばかりで、テレビのテーマ曲やCM曲になっていて、聴くとそれを思い出したり(「キャンディード」序曲を聴くと日曜朝9時かと思う、とかw)、私にとっては「クインテット」のコンサートで演奏されたものを思い出したり。超有名曲でも、出だししか知らないものもあるし、超有名な部分しか知らないのもあるので、全曲はこんな曲だったんだ!聴き直すことも出来ます。

 あと、もうひとつ。こちらはCDでは聴いてない、しかもオペラではないのですが、声楽ものなので入れておきます。
Marc-Antoine Charpentier - Te Deum Prelude

 フランスバロックの作曲家・マルカントワーヌ・シャルパンティエの「デ・テウム」ニ長調 前奏曲。聴き覚えがある…ウィーンフィル・ニューイヤーコンサートの生中継のオープニングで流れる曲がこれでした!この曲だったんだ!!全曲聴いても30分ほど。古楽と声楽の美しさに浸れる曲です。

シャルパンティエ「テ・デウム」前奏曲聴き比べ

 バロック作品なので、演奏によって大分雰囲気が異なる。ということでこの聴き比べも楽しいです。こんなに違うのか…。


 オペラだけでなく、声楽全般、合唱から宗教曲、歌曲と幅広く聴いていくのがあっているかなと感じています。しかも、バロックの方が入りやすそう…とも感じています。
 あと、声楽はCDで音楽・歌だけ聴くよりも、映像で歌手の表情を観ながら聴くほうがわかりやすいとも思いました。歌曲でも、CD・音楽だけだと聞き流してしまうことが多い。言語・歌詞がわからない(対訳を読んでいても終えなくなってしまうこと多し…)ので、表情から読み取るような。
 声楽は歌曲だろうとオペラだろうと、合唱だろうと、宗教曲だろうと、”舞台”なんだなと感じます。歌って、何かの役を演じている。たとえ歌曲・歌だけだったとしても。

 以上、オペラ事始と言うより、声楽全般事始になってきました。
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by halca-kaukana057 | 2014-04-17 22:37 | 音楽


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