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 先日、青森県立美術館「めがねと旅する美術展」について書いたのですが、この夏はもう1回青森県美に行ってきました。シャガールの背景画「アレコ」を展示しているホール・アレコホールで定期演奏会を開いています。その演奏会に行ってきました。
(去年も行ったのですが、記事を書けず。いいコンサートだったんですが、文章力気力その他諸々不足+スランプのため。
演奏会はこれ→アレコホール定期演奏会2017「Incontro」)

青森県立美術館:アレコホール定期演奏会2018「Attitude~2台の弦楽器とピアノで紡ぐ音の絵~」

 弦楽器2台とありますが、チェロの数え方は「挺」だよなぁ…?

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 演奏会は夜。夕方、青森県美へ。ライトアップされていて、昼間とは雰囲気が違う。

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 開演前。アレコ背景画は今なら撮影可です。改装中のフィラデルフィア美術館から長期貸与されている第3幕を背景に、ピアノとチェロの椅子が置かれていました。

 プログラムはこちら。
・ハイドン:バリトン二重奏曲 ト長調 Hob.XII:4
・マルティヌー:ロッシーニの主題による変奏曲
・ガスパール・カサド:無伴奏チェロ組曲 第1曲 Prelude - Fantasia
・ヴィヴァルディ:2台のチェロのための協奏曲 ト短調 RV531
・ダーヴィト・ポッパー:2台のチェロのための組曲 op.16 より第1,4曲
・ドビュッシー:アラベスク 第1番 ホ長調
       :水の反映
・ヘンデル:2台のチェロとピアノのためのソナタ ト短調 op.2-8
  / 藤沢俊樹、村上智美(チェロ)、村田恵理(ピアノ)

 ドビュッシーはピアノソロ。ハイドンはチェロ2艇。マルティヌーはピアノとチェロ1挺。カサドはチェロソロ。後はピアノとチェロ2挺でした。この編成の演奏会には行ったことが無い。ネットラジオやCDでも聴いたことがない。ドビュッシー以外は知らない作品ばかりで、この作曲家がこんな作品を書いていたのかと感心するばかりでした。

 ハイドンの「バリトン」とは、声楽のバリトンではなく、弦楽器のバリトン。ヴィオール属の古楽器。「ヴィオラ・ディ・ボルドーネ」とも言うそうです。ハイドンのパトロンだったエステルハージ候がバリトン奏者で、ハイドンに作曲させたとのこと。今はとても珍しい楽器で、演奏するのもとても難しい。楽器のバリトン、見て聴いてみたいなぁ。ハイドンの作品だとすぐわかる、楽しい作品でした。

 チェロ2艇を、作品の中でどう扱うか。チェロはソロでも聴かせるし、オーケストラでも、室内楽でも欠かせない存在。そんなチェロが室内楽で2艇あったらどうするか。片方が演奏していたメロディーを、今度はもう片方が弾いている。同じメロディーを一緒に演奏すると、普段の室内楽とは違う厚みがある。そんなチェロ同士の受け渡しが楽しく感じました。同じチェロでも、演奏者が違うから音色、音の食管が微妙に違うのもいい。チェロは、明るい音もいいし、短調の暗い箇所、哀愁漂う箇所はチェロが合う。艶のある音、落ち着きのある音、寂れた音。チェロの様々な面を聴けました。
 ピアノも、チェロを引き立て、ピアノならではの澄んだ音で引っ張る。ソロのドビュッシーも、きらきらと揺らめきうつろう音色を楽しめました。

 アンコールはこちら。
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 順序はシューベルトの方が先でした。シューベルトはチェロ2艇とピアノ。ジャン・バリエールはチェロ2艇。バリエールは、検索するとこのタイトルではいくつかの作品がヒットしてしまう。私の記憶では、多分第4番のト長調のソナタだと思います(自信はない)

 青森県美の演奏会については、以前も聴きに行ったのを書いたのがあります。
美術館でコンサート
 この時は、聴衆席は椅子を並べただけで、後ろの席だと演奏者が見えない状態だった。現在は、ひな壇を用意して、そこに椅子を並べているので、後ろに座っていても演奏者は見えます。ひな壇は結構大きいです。その大きなひな壇を設置できるアレコホールの大きさを感じました。
 この時は、BBCプロムスの真っ最中。毎日オンデマンド音源を聴いていましたが、生音は違いますね。室内楽というのもよかった。

その見ているものは何なのか 「めがねと旅する美術展」
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by halca-kaukana057 | 2018-09-08 22:25 | 音楽

おとの教室

 まだ感想を書いてない漫画がありました。久々のクラシック音楽漫画です。しかも、「天にひびき」のやまむらはじめ先生の新作です。


おとの教室
やまむらはじめ/バンブーコミックス MOMOセレクション・竹書房/2016

 武部都は音楽教室のチェロ講師。音大ではない普通大学の学生。生徒は様々な生徒がいる。アニメがきっかけの少年少女。弾きたい曲があるという人。また、同僚の講師たちも個性的。音楽教室の生徒達とのレッスンや発表会、演奏活動で出会う人々との日常の中で、彼女はどう音楽と向き合うか薄々と考えていた…


 やまむら先生、今度はチェロです。そして舞台は音楽教室。東京の大きな音楽教室だと、チェロや様々な楽器・コースがあるんだろうなぁ…こっちでチェロを習える教室なんてあまり見ないなぁ…(地方の小さな教室で声楽を習っている自分の視点)。

 しかも、この漫画は四コマ漫画誌に掲載されたもの。四コマ漫画は無理と普通の形式での連載になりましたが、1回12ページ。短いです。四コマ漫画誌ということで、ギャグ、笑いの要素は強めです。「天にひびき」でもコミカルなシーンは結構ありましたが、またそれとは違う感じ。この短さに収めるのは大変なんだろうなぁ。

 都は普通大学に在籍し、チェロを演奏している。音大・芸大に対してアレルギーを持っている。というのも、都の姉は音大で、優れたヴァイオリニストだった。将来も有望されていたが、卒業後、結婚すると音楽をきっぱりと辞めてしまった。都も元々はヴァイオリンを演奏していたが、姉と比べられるのを避けるためにチェロに変えられた。目標であり、立ちはだかる壁でもあった姉が音楽をやめてしまったことで目標も消えてしまい、これからの道をどうしようか悩む都。
いつまでもお姉さんと自分を比べるんじゃなくて 自分の喜びを自分で発見しなくちゃあ
(39ページ)

 都と姉の話を聞いた同僚・しおりの言葉。姉だけでなく、都が片想いで終わってしまった元同僚でヨーロッパへ留学に行ってしまった日乃原も、そんな存在。また、チェロを習いに来た女の子のきっかけとなった音楽学園アニメでも、学園内での腕前の序列が描かれる。一度意識すると呪縛のように取り付かれてしまう、音楽での「人と比べること」。以前、ピアノを弾いていた時、私も感じていた。また、プロの音楽の世界には根深くあるんだろうな…と思う。でもそれを本人が意識したらキリがない、音楽を見失ってしまうんじゃないかと思う。

 一方で、同僚(先輩?)の依光さんは、音楽教室の仕事の傍ら、同人活動をしている。同人誌の原稿の締め切り前の追い込みのシーンが描かれ、とてもコミカル。…と読んでいたのですが、もしかしたら、姉と比べて自分と音楽を見失いがちになる都とは対照的なのかなと思った。誰と比べるわけでも無く、同人誌で自分の「好き」「楽しい」を貫く。仲間と修羅場に追い込まれるも、活き活きと楽しんでいる。
 また、生徒のひとり、ゆちかちゃんはそんなに上手いわけではないが、レベル高めの選曲をし、ヨレヨレの演奏でも発表会で堂々と演奏している。都も問題は感じているが、その度胸や意識は都や他の生徒にも刺激になる。いい意味で「夢中になり」「自分を貫く」。これが自分と誰かを比較すること無く、成長の鍵になるのかなと思う。

 そして、都はある決意をする。チェロを探していたトリオに参加することに。やはり夢中になり比較せず自分を貫く。コミカルなようで、結構深い漫画だなぁと感じました。短い中に詰めたのは大変だったと思う、本当に。
 音楽教室の講師たちはこんなことを考えているのかとも思いました。発表会のシーンは、わかる、と思いました。

 ちなみに、あとがきに「天にひびき」のキャラクタを登場させたかった…と。それ見たかったです!ひびきや秋央、美月や波多野さんたちがちょこっと登場したりとか…見たかった。この物語はこの1冊で完結です。これはこれでいい終わり方だけど、もう少し読みたいな、せめてあと1巻、と思いました。

天にひびき 1
 ↑全10巻。こちらは音大が舞台。こちらも面白いので興味があれば是非。
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by halca-kaukana057 | 2016-07-18 22:26 | 本・読書
 先日、チェロとピアノの小規模なリサイタルに行ってきました。その時思ったことを。

 プログラムはチェロソナタが3作品。「チェロソナタ」というからには、主役はチェロでピアノは伴奏。でも、この時の演奏では、「ピアノは伴奏」なんて言えない、と感じました。ピアノもソロの部分もあり、主張し、チェロを引っ張り、会話し、競い合う。ピアノにも魅せられました。普通、このような演奏会ではピアノのふたは閉じているのですが、ピアノソロのリサイタルと同じようにふたは開いていました。チェロの演奏がピアノに負けていない、とても力強いのにやわらかく、奥深い音色でした。

 特に素晴らしいなと思ったのが、ベートーヴェンのチェロソナタニ長調Op.102-2。協奏、競演、共奏…そんな言葉が浮かびました。3楽章のピアノのメロディーをチェロが追うのが面白い。引き立て合い、競い合っている。ピアニストさんがチェリストさんの動きをよく見ていて、呼吸もぴったり。いい演奏を聴けました。

 ピアノを演奏していた頃は、伴奏もメロディーも全てひとりで演奏していました。楽譜を読み込み、ここがメロディーパートで伴奏も内声と低音に分かれて…。きっとメロディーはこの楽器、伴奏はこの楽器なのかなと想像したり。でも、それを実際にピアノで、ひとりで演奏で表現するのはとても難しいことでした。

 今は声楽で、歌と伴奏ではっきり分かれています。そのピアノ伴奏を、私はどの程度と思ってきただろう?リサイタルの後、レッスンや練習のことを考えました。ただ歌を支えるものとしか思っていなかっただろうか。ピアノ伴奏もひとつのパート。合唱のピアノ伴奏は、歌の声部の他に存在するもうひとつのパートと捉えてきました。声楽、ソロだって同じ。歌だけが主役じゃない。ピアノ伴奏を聴いていて、純粋にいいピアノだなと感じます。この低音があるから歌が引き立つ、歌と競うような魅せ場がある、前奏や間奏はピアノの独壇場。これまで、自分が歌うことで必死でしたが、自分が歌うためにはもっとピアノをよく聴いて、ピアノの楽譜も弾けなくても読むぐらいはして、ピアノと一緒に奏でるように歌いたいと、このリサイタルを聴いて思いました。

 ひとりで演奏していたのではわからないことに出会えました。

・関連過去記事:音楽を共有すること
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by halca-kaukana057 | 2015-01-27 22:10 | 奏でること・うたうこと

チェロの木

 久しぶりに絵本です。

チェロの木
いせ ひでこ:著・イラスト/偕成社/2013

 「わたし」のおじいさんは、森の木を育てる仕事をしていた。とうさんはヴァイオリンやチェロをつくる職人。少年時代の「わたし」は、とうさんのつくったチェロを弾くチェリストに出会った。また、「わたし」はおじいさんが木を育てていた森に行くのが好きだった。そこで、森の音を聞くのが好きだった。

 表紙の絵で引き込まれました。そして、中を観てますます引き込まれました。透明でやわらかい絵から、音楽が聞こえてくるようです。

 触ったことはないのですが、ヴァイオリンやチェロ、ヴィオラ、コントラバスなどの弦楽器には憧れます。その形も美しいし、音色も煌びやかなヴァイオリンから、甘くあたたかいヴィオラ、渋く時につややかなチェロ、オーケストラをその低音で支えるコントラバス。クラシック音楽だけでなく、ジャズやポップス、民族音楽でも幅広く活躍する。そして、その音色の元となる、木の色、艶。ストラディヴァリウスのように、何百年経っても、むしろ時が経てば経つほどその音色に深みが出る。弦楽器の魅力です。チェロは、楽器を抱くように演奏するスタイルが、また魅力です。ピアノにはそこまでの「近さ」はないなぁ…。

 ヴァイオリンやチェロの職人である「わたし」の父。祖父は森で木を育てる人。そして、父がつくったチェロを演奏するチェリスト。「わたし」は、森に行き、森の木々や風の音、鳥の声などを聞く。そして、森は天候や四季でその表情を変える。そんな森で育った木が、加工されてヴァイオリンやチェロ等の楽器になる。楽器になって、森で聞いた音を歌っているのかもしれない…その部分でハッとしました。何百年経っても、音色に深みが出るのはそこなのかもしれない。樹齢の分聞いた音を、楽器になっても音色として歌い続けているのかもしれない。

 音楽は自然から生まれる。音楽の先生は自然。それは誰もが会うことができる。…これは、宮川彬良さんの言葉なのですが、これも思い浮かべました。
(参照過去記事」:音楽が生まれて、還るところ 「宮川彬良のショータイム」第8回(最終回)
 この最後「風のオリヴァストロ」の部分。「コンチェルタンテⅡ」のテーマ曲でもある「風のオリヴァストロ」。新日本フィルとのコンサートでは、森の演出の中でこの曲が演奏されます。生で聴きたい…!)

 そして、祖父、父、チェリスト、「わたし」と、森と木とチェロと音楽、そして人は、繋がって続いてゆく。後半の流れがいいなと何度も読み返しました。

 チェロが聴きたくなる、特にJ.S.バッハ「無伴奏チェロ組曲」が聴きたくなります。もしくは、森に行きたい。自然に触れたいです。
 少し前から波の音や、森の中の小川のせせらぎの音、小鳥のさえずり、雨の音など自然音を聴くのが多いのですが、この本を読んで、自然の音楽なんだなと感じています。
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by halca-kaukana057 | 2013-07-10 22:49 | 本・読書
 冬の寒さと暗さ(日照時間が非常に短い)、雪による閉塞感により、元気がない遼です…。心身共に冷え切っています。

 こんな冬の日には、やっぱりシベリウスですね。ということで、このBOXを…

The Essential SIBELIUS (15CD) [Import]

Lahti Symphony Orchestra 他/ BIS


HMV:シベリウス全集 ヴァンスカ、ヤルヴィ、他(15CD)
 ↑全曲リストがあります

 この14枚目、ヴァイオリンやチェロなどの器楽曲から
・「アンダンテ・カンタービレ」変ホ長調 JS30b(ピアノとハルモニウムのための)
  /フォルケ・グレースベク(ピアノ)、ハッリ・ヴィータネン(ハルモニウム)
 ハルモニウムとピアノというとても珍しい作品。ハルモニウムのあたたかい音色にほっとします。

・「メランコリー」(Malinconia)Op.20(ヴァイオリンとチェロのための)
  /トゥールレイフ・テデーエン(チェロ)、フォルケ・グレースベク(ピアノ)
 「憂鬱」というタイトルの作品。渋く重いチェロとピアノがまさに「憂鬱」。でも、「陰鬱」とは違うのがシベリウスだなと思います。時折明るくなることも。暗い気持ちの時には暗い曲を、といいますが、それにぴったりな曲だと思います。ピアノとチェロという編成の小ささも聴きやすい。でも、シベリウスの交響曲は、4番や6番、7番は暗い、落ち込んでいる時も聴ける、むしろ聴きたいと思ってしまう。自分が好きだからか。それとも?
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by halca-kaukana057 | 2013-01-15 22:58 | 音楽

モノラルの空気感

 色々なことがあって疲れている今日この頃。そんな今日にピッタリのCDを。

バッハ:無伴奏チェロ組曲(全曲)

カザルス(パブロ) / TOSHIBA-EMI LIMITED(TO)(M)



 バッハの無伴奏チェロ組曲を、カザルスの演奏で。先日、カザルスのホワイトハウス・コンサートのCDから書いたのですが、今度はバッハ。最近カザルスが気に入ってます。
 このCDを聴いて、気づいたのがモノラル録音の空気感。これまで、モノラル録音にはあまり親しめず、避けて通るような態度でいました(ごめんなさい)。ところが、このカザルスのバッハを聴いていると、むしろモノラルの方がいいんじゃないかと思えます。チェロの弦がこすれる音、うなるような深い低音。クリアーなステレオ録音もいいですが、ちょっと曇っているモノラル録音だからこそ伝えられるものもあるのではないかと感じました。チェロの音の温かみや、渋い音など。そして、この録音がされた1930年代という時代。時間や場所、空気を飛び越えて、今私の耳に流れてくる音楽に、聴けてよかったなと感じずにはいられません。古い録音でも、後世に残すことの出来る技術に感謝です。

 まだ1枚目の途中までしか聴いていないので、今日の感想はここまで。
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by halca-kaukana057 | 2010-03-25 22:00 | 音楽
 3月に入り、徐々に春めいてきましたがまだまだ寒い日が続きます。10度以上の暑い日(3月で10度以上は、私の地域では"暑い"です)が来たと思ったら、また氷点下の寒い日になったり…と気温の変化が激しい。雨が降ったり、雪になったり。でも、こうして寒暖と雨・雪を繰り返して春は来るのだなぁと思うと、もう少しの我慢です。

 そんな今日の音楽。シューマン生誕200年記念、シューマンを聴きまくるシリーズ。「アダージョとアレグロ」op.70。ピアノとホルンのために書かれた作品ですが、チェロ版やヴァイオリン版もあります。私が聞いたのはチェロ版。パブロ・カザルスのホワイトハウス・コンサートのライブ録音。原曲ホルン版も聴いてみましたが、チェロ版はまた心に染みる。Wikipedia「アダージョとアレグロ(シューマン)」の項によりますと、元は「ロマンスとアレグロ」というタイトルだったそう。冒頭のアダージョ部分がもの哀しく、哀しいロマンスと呼べばいいのだろうか。冬から春に移り変わる頃、こんな物悲しい気持ちになることがあります。ゆったりとしているのだけれど、チェロの歌が長調部分でも憂いを帯びている。カザルスがこのコンサートに込めた想いからだろうか。いや、CDのライナーノーツを読まずに聴いても、何かほの暗いものをこの演奏に感じます。

 後半、アレグロ部分はチェロもピアノも活き活きとしている。アダージョ部分の憂いは抜けきれていないのだが、のびのびと明るい歌を奏でる部分が増えてくる。暖かくなり、春を謳歌するような。でも、春は気候が変わりやすい季節。アダージョ部分の憂いもよぎる。

 シューマンの作品には交響曲第1番「春」や、「ユーゲントアルバム」の「美しい5月よ~」ほか、春を思わせる作品が多いと思う。日本の冬とはまた異なる、厳しい冬を乗り越えなければならないドイツに生まれたシューマンにとって、春はこの上なく喜ばしく待ち遠しいものだったのかもしれない。

鳥の歌-ホワイトハウス・コンサート

カザルス(パブロ) / SMJ(SME)(M)



・ホルン版はこちら:YouTube:R Schumann Adagio und Allegro
 ホルンでのこの作品は、かなりの難易度なのだそうです。速いパッセージは確かに大変そうだ。
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by halca-kaukana057 | 2010-03-15 22:30 | 音楽
 気が向くと描くイラスト。久々にチェリストさんです。

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 本当はオジサンのつもりで描いていたのだが、いつの間にか若いチェリストさんになってしまった。楽器を描くとなると、いつもチェロになってしまうのは何故だろう。今度は木管楽器を描いてみたいなぁ。ホルンやピアノは発狂するのでやめておきます。本当は描いてみたいのだが。
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by halca-kaukana057 | 2008-09-18 22:16 | イラスト・落描き

立体としての音楽

 このところ、演奏会に行くことのできるチャンスが増えてきた。オーケストラ、ピアノ、室内楽…さまざまな形態に触れてみようと思っているので嬉しい。今回行ったコンサートはチェロとピアノのデュオ。前回、舘野泉さんのコンサートでピアノだけのコンサートを初めて体験したが、今回の室内楽も初めて。オーケストラは沢山の楽器に、一度に触れられる。その音の重なりや規模の大きさを体感できる。ピアノだけの場合は、ピアノだけに集中できる。室内楽は楽器は少ないけど、それぞれの響きをじっくり味わえるし、少ない楽器だからこそ出来るかけ合いも聴ける。

 そのコンサートを聴いていて、思ったことを。まず、音楽って立体的なものなんだ、と。楽譜は平面、2次元に書かれている(現代音楽を除く)。それを演奏する時、その2次元のまま演奏しても、平坦な演奏になってしまう。楽譜に書かれてあることに、表現や解釈、響きや音の質感をプラスして、3次元にする必要があるんだ。そして、音楽は彫刻のようにずっとそこに形を保って、留まっているわけではない。演奏時間を過ぎると消えてしまう。演奏にも、テンポなど時間に関わる要素がある。だから、時間軸を足して4次元。目に見えないから形に表すことは出来ないけど、聴いて形をイメージできるように演奏したい。聴く時も、このことを意識して。

 今回のコンサートのピアノで、特にそんなことを感じた。プログラムはベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調<熱情>op.57」。嵐のような部分と、落ち着いた部分に2面性を感じた。それらは乖離しているけど、両方の要素があるからこの曲はそれぞれの部分を活かせるのではないか。ベートーヴェンのピアノ・ソナタはよく聴くが、「熱情」はあまり熱心に聴いたことがなかった。このコンサートで聴き所を見つけたので、家にあるCDをじっくり聴いてみよう。こういう発見が出来るのも、生の演奏のいいところだと思う。


 次にチェロ。チェロの独奏を生で聴くのも初めて。J.S.バッハの「無伴奏チェロ組曲第3番」だったのだが、チェロって繊細な音がする。渋い低い音にどっしりとした力強さを感じるが、壊れやすい。咳はもちろんのこと、プログラムの紙のカサコソという音、つばを飲み込む音でさえも出すのが怖い。出したら、ぴんと張り詰めた音・曲を壊したようで申し訳なくなってしまった。

 そうかと言って、ピアノと一緒に演奏したらチェロがかすんでしまう…わけではない。相乗効果でどちらも活きる。ベートーヴェン「チェロソナタ第3番イ長調 op.69」では、ピアノの旋律をチェロが引き継いで発展させたり、チェロがピアノの伴奏をしたり。さすがはベートーヴェン。

 アンコールはサン=サーンス「白鳥(「動物の謝肉祭」より)」と、「エリーゼのために」。プロの演奏家にとって、定番過ぎる2曲。定番だからと言っておろそかにしちゃいけない。「エリーゼ」なんて初級レベルの曲だけど、プロが演奏しても映える。「弾ける」ことが大事なのではない、「演奏する」「表現する」ことが大事なんだ。それは、どんな曲であっても。シューマンの「音楽の座右銘」にあるこの言葉を思い出した。
やさしい曲を、上手に、美しくひくように努力しなさい。


 音楽について、じっくり考えることの出来たコンサートでした。とても楽しかった。最後にプログラムをメモしておく。

・ハイドン(ピアティゴルスキー編曲):「ディヴェルティメント」より アダージョ・アレグロ
・J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第3番ハ長調 BWV1009
・ベートーヴェン:ピアノソナタ第23番 ヘ短調<熱情> op.57
・ベートーヴェン:チェロソナタ第3番 イ長調 op.69
・ホッパー:ハンガリー狂詩曲
服部誠(Vc),干野宜大(p)
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by halca-kaukana057 | 2008-05-11 22:15 | 音楽
 先日、チェリストで指揮者でもあったロストロポーヴィチ氏の追悼記事を書いたのだが、garjyuさんのブログ「一年365枚 ver.2.0」にて「勝手にロストロポーヴィチの日」という面白い企画を見つけたので参加してみることにします。


 
 その前回の記事「ありがとう、ロストロポーヴィチ」の記事で、ドヴォルザークのチェロ協奏曲を取り上げた際、ロスロトポーヴィチと仲がよかった小澤征爾との共演も聴いてみたいと書いた。で、聴きました。私にとってロストロポーヴィチのチェロ演奏と言えばドヴォルザークの協奏曲なんです。

ドヴォルザーク:チェロ協奏曲
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(Vc)/小澤征爾(指揮)/ボストン交響楽団/ワーナーミュージック・ジャパン

 これまで何度と無くこの曲を録音してきたロストロポーヴィチ。このドヴォルザークの協奏曲に関しては、この小澤さんとの共演を最後の録音にすると決めたのだそうだ。ドヴォルザークのチェロ協奏曲に関しては最後の録音。
 ジュリーニ盤と比べて、音が暗く、より陰影が強くなっていると感じた。チェロの音域と関係して、この曲は暗さが木を彫るようにくっきり・ざっくりと出やすい思っているのだけれども、小澤さんとの演奏はその暗さが余計濃く・くっきりとしていると感じた。だからこそ、第1楽章の半ばあたりの長調に転調するあたりとか、第2楽章がより哀愁を帯びて、じんわりと響いてくる。

 個人的なツボはティンパニ。チェロと同じように強めに響く音が印象的です。この曲、もっと色々な演奏で聴いてみたい。

 こうやって同じ曲を何度も録音し、その演奏者の変化・成長を聴いていけることは、とても面白いと感じる。演奏者がその時にどんなことを考えて演奏したんだろうと考えながら聞き比べている。ロストロポーヴィチはどうだったのか、そんな話をもっと聞きたかったなと思う。

 一緒に収められているのが、チャイコフスキーの「ロココ風の主題による変奏曲」。チェロの音がのびのびとしていて、ドヴォルザークとは違った印象。チェロが活躍するいい曲をまた見つけられました。

 私の感想は以上。企画に参加している方の記事のまとめは、以下リンク先へ。
クラシックブログ共同企画「勝手に**の日」:5月15日「勝手にロストロポーヴィチの日」
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by halca-kaukana057 | 2007-05-15 21:55 | 音楽

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)
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