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 NHK教育テレビの今年度新番組の中で、楽しみな番組のひとつが「デザイン あ」。子ども向け番組と言うよりは、家族そろって楽しめる番組です。NHK教育=子ども向け、ではないと私は考えています。大人も子どもも、皆で一緒に楽しめるのが、NHK教育(Eテレ)なんだ、と。

 昨年、「デザイン あ」は試作段階で一度放送されました。レギュラー化したことで、試作版とは随分と変わりました。
・試作版の時の感想:”デザイン”って何?”デザイン”を考えよう! 「デザイン あ」

 今年度からのレギュラー版では、身近にあるモノから「デザインとは何か、何のためにこのような形をしているのか」についてじっくりと観ることに焦点を当てているのかなと思います。上下左右、切ってみたり、動かしてみたり、そのモノが何かに使うモノであれば(例えば第1回のしょうゆさし)実際に使ってみて、使う上でどのようにデザインが工夫されているのか確かめてみたり。本は何故あんな形でページがあるのか、電話のコードが何故ばねのようにぐるぐる巻きになっているのか。もし違う形だったら…を想像してみて、「この形だから便利に使えるんだ!」という答えを、試行錯誤しながら出していく「はせる」のコーナーも面白いです。

 また、人によってモノを見る眼・視点は異なる。よって、デザインも異なってくるという考え方が表れているコーナーもあって面白い。「デッサン あ」では、老若男女がひとつのものを、違う方向から(その対象物を取り囲むようにして)デッサンする。方向も違うし、描く人も違うので、同じモノでも違って見える。しかし、皆デッサンがうまいです。私…ここまで描けるかしら…と不安になりつつ観ていましたw
 もうひとつ、「デザインの人」。活躍中のデザイナーさんにインタビューするコーナー。これまで、深澤直人さん、柴田文江さんにインタビュー。お二方とも、日本を代表するデザイナーさんです。「好きなデザインは?」「デザインするときいつも大切にしていることは何?」「デザインの心をみがくアドバイスを」と3つの質問をするのですが、その答えになるほどと思うばかり。

 「デザイン」とは、ただお洒落なだけ、美しいだけではない。そのモノを作った人、デザインした人はどんな気持ちで、それを作ったのだろうか。どんな思いを、願いを込めたのだろうか。ワクワクするような気持ち、人や自然を思いやる気持ち、日常のふとしたヒトコマからの発見…十人十色ならぬ、十モノ十色だと思います。そして、自分ならどんなモノを作りたいだろう?そんな気持ちに火をつけてくれる番組だと思います。

 土曜朝から凄い番組です…。試作版の方が親しみやすかったかなとも思いますが、現在のこの濃さもたまりません。ちなみに、土曜の放送の前は「大科学実験」。私をどうしたいのですか…NHK教育さん!そういえば、ブログでは「大科学実験」のことは書いていなかったので、近日中に書きます(twitterでは時々ツイートしてます)。こちらも大好きな番組です。

NHK:デザイン あ
公式サイトはまだまだ製作途中のようです。コンテンツが増えるのが楽しみです。
by halca-kaukana057 | 2011-04-20 23:04 | Eテレ・NHK教育テレビ

スポンジワイプ再び

 かなり前に記事にした、ヨーロッパ諸国で使われているコットンとセルロースからできた紙のようなふきん・スポンジワイプで素敵なデザインのものを見つけました。

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 スウェーデンのマリア・ホルマー・ダールグレンデザインのもの。フィンランド・ヘルシンキの街がデザインされています。とてもはっきりとした、カラフルなデザイン。ヘルシンキの名所の数々に、さりげない説明の文字。中には「フィンランド魂」…不屈の、決して妥協しない、粘り強く諦めないフィンランド人の国民性を表す言葉である「SISU」も。残念ながら私の行ったお店には置いてなかったのだが、スウェーデン・ストックホルム版もあるそうだ。
 あまりにも鮮やかでビビットなデザインなので、ふきんとして使うよりも飾っておきたい。小さいながらも、お部屋のアクセントになりそう。勿論ふきんとして台所で使ってもアクセントになる。身の回りのちょっとしたものにも、観ていて楽しくなる、生活を彩ってくれるデザインがあると嬉しくなります。

 ちなみに、もうひとつ。こちらはかなり前に買った物。
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 同じくスウェーデンのペングト&ロッタ(ペングト・リンドベリ&ロッタ・グラーベ夫妻のデザインチーム)によるもの。ネコがシンプルで可愛い。こちらは実際にふきんとして使ってみた。紙のような手触りなのに、水に濡らすと確かにふきん!絞っても大丈夫。本当にデザインだけじゃないんですね。驚きました。

 その他、さまざまなデザイナーによるスポンジワイプが出ているとのこと。色々集めたいなぁw
ecomarket:PRODUCTS(商品紹介)
 スポンジワイプはページ下のほうにあります。

【おまけ】
 Hobby商品紹介ページには、天文グッズも。うわぁ…これはいいなぁ!

・過去記事:スポンジワイプとは
 以前よりも多くのお店で、スポンジワイプを見かけるようになりました。じわじわと愛用者が増えているのかも。
by halca-kaukana057 | 2010-11-14 23:00 | フィンランド・Suomi/北欧
 そういえば、かなりのインパクトを受けた番組だったのに感想を書くのをすっかり忘れていた番組がありました。

 9月に教育テレビで放送された「デザイン あ」。15分の番組で、新番組でもない、でもこれ1回きりでもないらしい…。試作段階のようです。そういえば、現在は絶賛放送中の「みいつけた!」も試作段階での放送がありました(私は観れませんでしたが)。

 一言で番組を説明すると、「こども向けデザイン番組」。私たちの身の回りにあるモノから楽しいデザインを発見したり、身近な道具が何故このような形になったのか歴史を紐解いたり、子どもたちが様々なデザインに挑戦したり…。子ども向けのデザイン番組なんて、今までにありませんでした。まずそれに驚いた。ETVの番組はデザインが凝っている、インパクトがある番組が多い…いや、凝っている番組ばかりですが、デザインそのものをテーマとして取り上げる。「その発想は無かった」と言い切れます。

 確かに、私たちの生活の中には様々なモノがあり、その背景にはデザインがある。子ども達が日々手にするモノ、使っているモノがどうしてそんな形をしているのか。それにも理由がある。また、形ひとつ、色が少し違うだけで、感じ方も変わる。例えば番組では、事故防止のために立体的に見える道路の模様を紹介していたが、ちょっとした工夫で人間は平面の絵を立体的なものとして認知してしまう。それをうまく使って、事故防止につなげたい。デザインが人々の安全を守る役割も果たしている。大人でも驚きだが、子どもたちにとっても刺激になるのではないかと思う。

 また、子ども達が様々なモノを使ってデザインするコーナーも面白かった。一本の紐から何が作れるか…元が紐であることにとらわれない発想をしている子もいて、うまいな~とうなってしまいました。更に、海の風景を音とモノでデザイン。デザインはモノだけじゃない、音もデザインできるんだというところにまたうなる(そういえば、今年の「グッドデザイン賞」ベスト15に、あのアイドルグループも入ってますね。デザインするのはモノだけじゃない、人もデザイン出来るのか!と驚きました。…個人的には国際宇宙ステーション日本実験棟「きぼう」も入ったのが嬉しいです)。そして、最後はデザインの基本として、整理整頓が大事だと締める。確かに…。目からうろこ、うなってばかりの番組でした。

 ナイフとフォークの歴史も興味深かった。身の回りにあるモノの”デザイン”を通して、身の回りのモノや仕組みをより深く見つめ、考え、何かを作ってみようという気持ちにしてくれる。これは2回目の放送も楽しみです。来年度には本放送も始まるのでしょうか。本放送される際には、少し違うところも出てくるかもしれませんが、子ども向け教育番組にテーマとしてデザインを取り上げる…その挑戦を見守りたいです。

NHKデジタル教材ブログ:デザイン あ
by halca-kaukana057 | 2010-10-02 22:48 | Eテレ・NHK教育テレビ

iittala × ペプシNEX

 先日スーパーに行き、何気なくペットボトル飲料のコーナーへ。そこで、我が目を疑いました。ご存知フィンランドのデザインテーブルウェアブランド・iittala(イッタラ)。そのイッタラのグラス・カップのミニチュアが、ペプシについている…!!思わず手に取ってしまいました。

PEPSI:CAMPAIGN:iittala KITCHEN MAGNET COLLECTION

 澄んだガラスがシンプルだけれども美しい「Kartio(カルティオ)」、ソーサー付きの「Teema(ティーマ)」、ストライプ柄がおしゃれな「Origo(オリゴ)」の3つのブランドで、4種類の色違い。計12種類。…私の心をわしづかみにしましたね、ペプシさん…。

 とりあえず、1本買ってみた。Origoのブラック。Origoシリーズはまだ買ったことが無く、また、このブラックが最も引き締まったデザインに感じたので。
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こんな感じで袋に入ってます。

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こうやって見ると、本物そっくり。実物が手元に無く、大きさ比較できないのが残念。

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イッタラの製品には「i」のマークが入っていますが、Origoは底にありました。

 これまでOrigoはあまり気にしていなかったけど、このブラックのストライプの落ち着きがいいなぁ。何色も使っているストライプなのに、派手に感じない。実物を買って使うとしたら、湯のみみたいな感じかな?

 さて、残り11種ですが、ペプシはほとんど飲まないので、どうしようか考え中。気に入ったのだけ買おうか。この1本もまだ飲まずにあります…。炭酸飲料は嫌いではないのですが、最近は暑くて麦茶かスポーツドリンクばかり飲んでます。でも、このまま放置するわけにもいかない。ここはiittalaコラボだけに、今持っているアイノ・アアルトやカルティオのグラスで飲んだら、いいかもしれない。そうしよう。

 ちなみに、マグネットなので、ホワイトボードや冷蔵庫にくっつけて使えます。デスク周りや台所が、少しおしゃれになるかも。


【過去関連記事】
フィンランドデザイン製品の良さを自分で確かめる
 初めてイッタラ製品を買って、使ってみました。「Aino Aalto(アイノ・アアルト)」のグレー。勿論今も愛用しています。触った時、つかんだ時、手になじむんです。
イッタラ、買ったら…?
 今度は「Kartio(カルティオ)」のウルトラマリンブルー。こちらも愛用しています。透明な飲み物を入れると映えます。
北欧に学ぶ、冬を"楽しむ"方法
 北欧の人々の冬の捉え方、付き合い方について。プラス、「Gaissa」を入手。いかにも氷をイメージさせて、猛暑の日にこれで冷たい飲み物(出来ればアルコールw)をぐいっと飲むのにピッタリです。
フィンランドデザインと氷の関係
 アルヴァ・アアルトの「アアルト・ベース」の形をした製氷皿「アイスキューブモールド」で氷を作って、色々なものに入れてみた。氷もデザインするフィンランドデザイン。奥が深い。
by halca-kaukana057 | 2010-08-08 23:27 | フィンランド・Suomi/北欧

marimekko公式ムック発売

 有名ブランド製品やデザインプロダクト製品をおまけにつけて販売する本・ムックが流行っておりますが、ついにあのテキスタイルデザインも参戦しました…!!

marimekko 1951- 2010 (e-MOOK)

宝島社



marimekko公式サイト:公式ブランドムック「e-mook marimekko 1951-2010」発売

 マリメッコ公式のブランドムックです。フィンランドのマリメッコの工場、マリメッコデザイナーのインタビューなどの冊子と、付録はマリメッコのロゴ入りバッグ&ポーチ。これは買うかしかないでしょう!

 買ってきました。
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表紙はお馴染み真っ赤な「ウニッコ」。この表紙は非常に目立ちます。すぐわかりますw

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付録のバッグとポーチ。マリメッコのロゴの製品はあまり見たことがないのだが、可愛い。日常で使ってこその北欧デザインプロダクト。普段使いにしたいのですが、保存しておきたくもある。これはもう一冊買えと?w

 冊子の方は、フィンランドでマリメッコを愛用している人たちや、マリメッコユーザーがどんな風にマリメッコ製品を愛用しているかについて。フィンランドのマリメッコの工場の様子や、代表的なマリメッコのデザイナー、マイヤ・イソラのデザインと、娘であり同じくマリメッコデザイナーであるクリスティーナさんの仕事と暮らし。マリメッコデザイナーへのインタビュー。マリメッコの歴史と、製品紹介…などなど。冊子はそんなに厚くはないのですが、マリメッコの魅力が伝わってきます。

 フィンランドの人々の暮らしに、マリメッコ製品が浸透しているのが驚きでした。フィンランドにとってのマリメッコに対して、日本なら何を挙げられるだろう?地方各地に伝わる染物や織物だろうか。自分の身の回りを見回してみて、自分の地域の伝統工芸品はどれくらいあるだろうと数えてみたら、とても少なかった。マリメッコをはじめとする、フィンランド・北欧デザインプロダクトはとても素敵だ。マリメッコの大胆なデザイン、色づかいには心が躍る。その一方で、大胆なんだけどどこかシックなところもあり、心落ち着く。そして、印象的なデザインは一度見たら忘れられない(このムックを買った時、友人も一緒だったのですが、マリメッコを全く知らない友人も「この柄(ウニッコ)のバッグとか見たことあるよ」と言っていた)。でも、自分の身の回り、身近なところ、住んでいる地域にも、長い歴史の中で根付いてきたデザイン・工芸品がある。その地域での暮らしに役立つように作られているはずだ。それを見直し、北欧デザインプロダクトと同じように大事に使っていきたいと感じています。

 しかし、フィンランドの郵便局が羨まし過ぎる件。郵便物の封筒や箱が売られているのですが、マリメッコのデザイン。いいなぁ…。

 ちなみに、私のマリメッコ製品。
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 Maija Louekari(マイヤ・ロウエカリ)デザインの「AARRE(アアッレ)」クッションカバー。「AARRE」とは「宝物」の意。賑やかなのだけれど、白黒のため落ち着いている感じもする。お気に入りです。

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マイマリメッコ。増えたなぁ。あ、マリメッコも大きく取り上げている本「Finland×Fabric とっておきの布探し」を加えるのを忘れました…。
・過去記事:秋のフィンランド本まつり 「Finland×Fabric とっておきの布探し」
by halca-kaukana057 | 2010-04-23 21:36 | フィンランド・Suomi/北欧
 まだ片手キーボード中のです。まだ腕を動かすことは出来ませんが、上下の動き、つまり、肩の関節で腕を上下に動かすことは出来ます。むしろ、医師には「動かせ」と言われています。なので、三角巾を付けたまま腕を机の上に上げ、指は動かせるので(これも医師に「動かせ」と言われています)それでキーボードを叩いてみるのですが…肘が動かせないとキーボードを打つのも難しいのだと実感しました。肘関節の動きは、とても複雑で凄いですね。人間の骨格の仕組みに驚くばかりです。

 文字を打てないなら画像で…ということで、プロフィール画像を変えてみました。「ニュートン」ムック「月世界への旅」の付録に付いてきた月周回衛星「かぐや」の観測したデータで作成された月面精細地形図のポスターの上に、イッタラの「アイノ・アアルト」と、マリメッコ「ウニッコ」ブルーのマグネット。前回画像でも使ったヴィオラのミニチュアを配置してみました。宇宙、音楽、フィンランド(デザイン)。このブログを象徴する画像になりました。NHK教育関係のものも置きたかったのですが、カオスになるのでやめました(ブログはカオスですがw)。ETV関係のものがなくても、ETVを愛してます。
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 ついでに、twitterのアイコンも変えてみた。星図に、再びアイノ・アアルト、ト音記号のクリップに、メリッサ(レモンバーム)の葉っぱを置いてみました。twitterにアップすると、なぜかぼやけてしまう。仕様なのでしょうか。アイノ・アアルトのグラスを横に置いたのがポイントです。
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 という、暇つぶし(?)記事でした。そろそろ入院中に読んだ本のことを書きたいです。
by halca-kaukana057 | 2010-04-13 21:19 | 興味を持ったものいろいろ
 北欧デザイン・ライフスタイル専門雑誌「北欧スタイル」の最新号が出ました。特集は「なぜ?なに?北欧デザイン」。北欧デザインプロダクトや北欧諸国のライフスタイルが人気を集め、注目されているが、その理由は何なのだろう。"北欧デザイン"の根っこ・背景にはどんなものがあり、現在の形を支えているのだろうか。今号のまえがきで、創刊から7年間このことを伝えずにきたと書かれてあったが、私も考えたことがなかった。北欧デザインの根っこにあるものを、私も探ってみたい。


北欧スタイル 18
エイ出版社/エイムック1843/2009

 北欧デザインを支えているものは、やはりその厳しい自然環境。冬が長く、寒い。夏も短く、日照時間も短い。また、天然資源にも乏しい。スウェーデンはキルナなどに鉱山があり、ノルウェーは石油が産出し、石油輸出もしているが、それらを除けば北欧諸国には天然資源が少ない。あるのは森林、木材だった。

 また、北欧デザインの源流は、8世紀から世界各地へ進出していったヴァイキングにあるという。ヴァイキングはご存じのとおり、高度な航行術と圧倒的な強さでヨーロッパ全域を制圧、暴力で略奪していった海賊のイメージがある(私も愛読している漫画「ヴィンランド・サガ」でも描かれている通り)。しかし、ヴァイキングは略奪だけが能だったわけではない。航海のための頑丈な船を造るものづくりの技術にも長けていたし、貿易にも長けていた。その後ヴァイキングの勢力は衰え、18世紀半ばにイギリスが産業革命を起こし、ヨーロッパの勢力図は変化する。元々貧しく、厳しい自然環境に置かれた北欧諸国は産業革命に乗り遅れ、近代化にも乗り遅れた。しかし、この近代化に乗り遅れたのが、北欧独自の政治・産業の発展を促すことになった。19世紀に生まれた「国民民主主義」という考え方だ。貧しい暮らしの中でも、出来ること、身近にあるものを活用し、皆で協力していこうという思想だ。さらに第二次世界大戦後、経済復興をしようにも人口が少ないので労働力が足りない。そこで女性の社会進出が促され、家事は男女平等。その家事を支える食器や台所用品などの日用品は、機能的だけれども生活を彩るものであってほしいという視点で作られ、現在の"北欧デザインプロダクト"につながる製品が生み出された。

 また、これまでも書いてきたように、冬が長い=日照時間も短く、家の中で過ごすことが多いため、家の中での暮らしを豊かにしたいという人々の願いがあった。金銭的・物質的な豊かさではなく、精神的な豊かさを。長い夜を明るく、暖かく過ごすための照明。家族で食卓を囲む時に使う食器類。寒い冬にも耐えられる防寒用品。建物そのものにもそんな願いが求められた。モノの使い勝手や機能性、見た目も考慮して、日々の暮らしを豊かにする温かな様々なデザイン製品・建築が生まれた。

 これまで、北欧デザインプロダクトは、「美術品」ではなく、日常生活ですぐに使えるもの、人々の生活に根付くモノであることを本などで知り、このブログにも書き続けてきた。実際、その機会は少ないけれども自分でイッタラのグラスなど、北欧デザイン製品に触れ、使ってみて、私の生活にもなじむ、使いやすいモノだと実感した。製品の素材も、木材など身近にあるものを使う。そのデザインの背景には、北欧の厳しい自然環境があり、ヴァイキングの時代から続いているものづくりの技術・精神があった。そのものづくりの環境を支えているのは、国家やデザイナー、デザイナーを支える職人たちだけではない。「日用品」として使い続ける北欧諸国の人々は大きな存在だ。現在は勿論だが、戦後、アメリカで北欧デザイン製品がヒットしたそうなのだが、そのヒットを牽引したのが、19世紀にアメリカへ移住した北欧諸国の人々の末裔だったのだそうだ。祖先の祖国のモノを使う。モノがつなぐ歴史と国と縁。デザイン製品は人の心に訴えかける"何か"も持っているのだなと感じた。

 この「北欧スタイル」18号で、北欧デザインの背景にあるものについて知ることが出来ましたが、これはまだ大まかなものに過ぎない。私自身、北欧史をまだ把握・理解しきれていないところがある。スカンディナヴィア諸国(デンマーク・ノルウェー・スウェーデン)の関係は一筋縄ではいかないし、フィンランドはスウェーデンの属国であった期間が長いけれども、スカンディナヴィア諸国とはちょっと違う歴史を持つ。アイスランドもフィンランドよりはスカンディナヴィア諸国に近いけれども、同じくちょっと違う。"北欧"とひとまとめに括るのは難しいなぁと感じることもある。ただ、わかったことは、私が持っているイッタラのグラスや、お店で見て触ってみたアアルトのスツールなどには、様々な背景があるということ。ひとつひとつのデザイン製品に、長い歴史と北欧という地域の特色、環境、文化が繋がっているということ。北欧デザインはシンプルで使いやすくて可愛い、だけじゃない。もっと背景にあるものを知って、より北欧デザインプロダクトに「親しみたい」と感じました。いい特集でした。

 この特集を監修したのが、武蔵野美術大学名誉教授の島崎信先生。島崎先生はこれまで、北欧デザインに関する本も数多く執筆されているそうだ。北欧史の本と合わせて、島崎先生の本も読んでみよう。

一脚の椅子・その背景―モダンチェアはいかにして生まれたか

島崎 信 / 建築資料研究社



【関連記事】
北欧デザインを知る(2006.4.22)
この記事から、もっと北欧デザインを知りたいと思うようになったんだった。
フィンランドデザイン製品の良さを自分で確かめる(2006.5.23)
初めてのフィンランドデザイン製品、イッタラのアイノ・アアルトのグラス。今も大事に使っています。持った時のちょうどよい重さ・質感に、今も安心感を覚えます。そしてずっと触っていたくなる。やっぱり北欧デザイン製品の良さは、「親近感」だと思う。
by halca-kaukana057 | 2009-12-12 22:11 | フィンランド・Suomi/北欧
 以前「北欧に学ぶ、冬を"楽しむ"方法」の記事で、北欧デザインと冬の暮らし方について書いた。高緯度の厳しい冬と共に生き、楽しもうとする姿勢が見える北欧のデザインと、そのデザインプロダクトを使ったライフスタイル。そんな考え方が伺えるデザインプロダクトをまた見つけました。

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 これが何かと言いますと、フィンランドデザインの巨匠・アルヴァ・アアルトがデザインした花瓶アアルトベースと同じ形の製氷皿。そう、アアルトベースと同じ形の氷が出来るんです。なんということだ。
iittala(イッタラ):Aalto アイスキューブモールド
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iittalaのロゴ入りです。この青い色がいい。

 2006年、アアルトベース70周年を記念して作られたのだそうです。アアルトベースの形を氷にまでしてしまうなんて、氷に親しむフィンランド人ならではの発想?以前の記事でも取り上げたタピオ・ヴィルカラのgaissaも氷をモチーフとしていた。深読み&勝手な妄想のし過ぎ?

 何はともあれ、氷を作ってみよう。
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 アアルトベースの形がいっぱい。増殖器と呼ぶべきか。
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氷だけ拡大。
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アルヴァ・アアルトの妻であるアイノ・アアルトのグラスに入れてみた。
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夫婦コラボ?

 今度はgaissaに入れてみる。
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入れたのはお酒ではありません。某ぶどう味の炭酸飲料です。

 これまで飲み物に入れる氷に関しては、あまり考えたことが無かった。しかし、デザインプロダクトは飾っておくだけでは意味が無い。使ってこそのデザインプロダクト。イッタラのグラスは、飲み物を入れた時のガラスの透明度がさらに映えると感じるのだが、氷を入れるとまた変わる。違う表情を見せる。グラスは勿論、中の飲み物も氷も全てデザイン・表現の一部。使った時に初めて、ひとつのデザイン・表現として完成されるのかもしれない。だとすると、氷だってデザインしたい。そんなことを、この氷を見て感じました。

 氷だけでなく、ゼリーやシャーベットを作っても楽しそう。ゼリーの場合、この製氷皿がゴム製で曲がりやすいので、ゼリー液をこぼさないように注意が必要。固めのほうがよさそう。あと、羊羹を作ってしまった人もいるらしい。アアルトベース型の羊羹…。和洋折衷ならぬ、和芬折衷?

 フィンランド・北欧デザインにはこんな面白いものもあったのか。まだまだ奥が深い。
by halca-kaukana057 | 2008-08-21 23:04 | フィンランド・Suomi/北欧
 毎号楽しみにしている「北欧スタイル」の最新号が出たのですが、その特集が「手ざわりのいい北欧デザイン」だった。ノルウェーの毛布会社・ロロスツイード社がある小さな町・ロロス(Røros)を取材、寒い北欧の冬には欠かせないブランケットを作る過程、そしてそのブランケットに込めるロロスの人々の想いが綴られている。

北欧スタイル14 (エイムック 1472)
/エイ出版社/2008


 ロロスツイードのブランケットに関して初めて知った。10ページの、人々がどうやってこのブランケットを使っているかについての文章が目に留まった。




ブランケットは、ただ室内でおとなしく"ひざ掛け"として使われるだけでなく、山へピクニックに行けば湿った地面に直接敷かれ、乳母車の中の赤ちゃんを優しく雨や雪から守り、公園でタフに子どもたちの玩具にもなる。とにかく生活道具の一部として、どこに行くにもブランケットを持参し、使い込む。「汚れたら洗えばいい」……デザインのよい上質のブランケットだが、決して"よそ行き"ではないのだ。

 人々の生活に根付き、使い込まれるブランケット。いいものだからともったいぶることなく、徹底的に使う。いいものだからこそ、徹底的に使って、そのよさを実感できるのだと思う。いいなぁ、この姿勢。デザインプロダクトと特別視していないのがいい。

 そんなロロスツイードのブランケットをはじめとして、今号では北欧の冬を彩り、生活には欠かせない暖かな小物が沢山紹介されていた(しかも全て日本で入手できるところがいい)。そんな特集を読んでいて、ふと思った。北欧の人々は、厳しい冬も楽しんでいるのだ、と。

 先日、私の地域のローカル番組で、豪雪地帯の人々の雪に対する考え方というのをある専門家が話しているのを観た。私の地域は、とにかく雪が多い。冬になると、人々の挨拶は決まって「よく降りますねぇ」。そんな地域で、雪に対する考え方が変わってきたらしい。

 昭和の中頃までは、豪雪は自然によるもの、どうしようもないものとして諦める「諦雪」という考えを人々は持っていた。それは同時に、雪を手なずけ共存する知恵を各地域で育てていったことでもあった。
 しかし、科学技術が進み、除雪機や道路が整備されると、今度は多い雪でも立ち向かおう、科学技術で何とかしようという「克雪」という考えが広まり始めた。これは雪はマイナスでしかないという考え方であり、雪・冬の厳しさに、人々は地域的な劣等感を持つようになったのだ。冬の寒さが厳しくても、温室で農業ができる。融雪で、雪かきの必要もなくなった。
 …だが、冬にも、雪にもいいところはあるのではないか。雪や冬の寒さを活用することもできるのではないか。冬を全否定するよりも、それを地域の特色と考えることも出来るのではないか。今そんな「親雪」という考えも広まり始めた。各地で「冬まつり」などのイベントを開催したり、「地吹雪体験ツアー」のように雪を観光名物にしてしまう取り組みもある。「諦雪」の時代と違うのは、「克雪」の経験も活かしていること。雪を排除し、活用するバランスをうまく保つこと。これが「親雪」の考え方だ。

 北欧では、この「諦雪」「親雪」に当たる考えが日本よりも早いうちに発達し、冬を有意義に楽しむ姿勢が受け継がれてきたのではないかと思う。例えば、フィンランドの「スキー休暇」もそのひとつに含まれるだろう。同じ"冬""寒い"と言っても、日本のものと北欧のものは異なる(雪の多さ、気温の低さなど)。ライフスタイル・生活様式に対する根本的な考え方の違いもあるだろう。だから一概に比べることはできないけれど、北欧の冬を楽しもうとする姿勢は、日本の「親雪」の考え方にとってヒントとなるものがあるんじゃないかと考えた。

 もうひとつ、厳しい寒さの環境を活かした(と思われる)例を。
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 イッタラ(iittala)の「Gaissa(ガイサ)」というシリーズのグラス。自分で買ったのではなく、友人からの頂き物なのですが、実はこのシリーズについて全く何も知らなかった。タピオ・ヴィルカラ(Tapio Wirkkala)デザインのこのグラス、底の部分にご注目。
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底の部分をひっくり返して撮影。透明なガラスが氷のように見える。フィンランド・ラップランドの山々に由来しているのだそうだ。厳しい寒さ、人を寄せ付けない冷たさと同時に、澄んだ美しさ、デザインの温かさも感じる。厳しい冬の地域だからこそ生まれたデザインだと思う。

 私の住む地域は、今日も雪。北欧の寒さもまだまだ緩まないだろう。辛い季節ではあるけれども、それをどう活かし、どう楽しむか。北欧の暮らしに、そんなヒントを見つけた気持ちになりました。

諦雪・克雪・親雪については、以下のサイトも参考にどうぞ。
克雪・利雪・親雪
今週の本棚『雪国学 地域づくりに活かす雪国の知恵』を読んで


*「Gaissa」の読み、「ガイサ」で良いんだろうか。「ガイッサ」?
by halca-kaukana057 | 2008-02-01 23:09 | フィンランド・Suomi/北欧

イッタラ、買ったら…?

 先日、探している物があって時々行くデザインプロダクトショップへ。その探している物は残念ながら無かったのだが、その代わりに「おや?」と思うものを見つけた。iittalaのグラス・Kartioなのだが…色が違う?この色は見たことが無い。そう言えば新色が出たんだっけ?scopeのkartioのページによりますと、ウルトラマリンブルーとサンドが新色。ウルトラマリンブルーの深い青…まさにフィンランドの(私の勝手な)イメージカラー!欲しいなぁ。これは買っておいた方がいいだろうか。いつもこのお店は覗くしかしていないから、何か買わないと悪いかなぁ…。それに、いつも欲しい欲しいと言っているのに、いつも「また今度」と買わないじゃないか。ただの口だけのヘタレか、私は?


 ということで、ゲットしてきました。
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この深い青、いいなぁ。

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イッタラロゴアップ。

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底には「KAJ FRANCK IITTALA」の文字が。ああ憧れのカイ・フランク!!

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飲み物を入れてみた。いかにも涼しげ。

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以前購入した「AINO AALTO」と並べてみた。カルティオは背が低かった。

 以前と同じく、私の部屋は北欧デザインのシンプルな部屋とは程遠いカオス状態なのですが、そんな部屋にも馴染む。凛とした空気を漂わせている。カルティオは、アイノ・アアルトよりももっとシンプルなデザイン。ここまでか!という位に無駄な装飾が無い。極限までシンプル。装飾がないけれども、グラスの重さや質感、色、形でそれとはっきりとわかる。最低限のデザインで自己主張をし、どんなライフスタイルにも似合う。フィンランドデザインの実力をまたもやひしひしと感じてしまいました。

 壊れにくい上に、ずっと飽きずに使えるというのもポイント。きっとこれからの人生の伴侶となってくれることでしょう。

以前の記事:フィンランドデザイン製品の良さを自分で確かめる
by halca-kaukana057 | 2007-07-18 22:40 | フィンランド・Suomi/北欧

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)
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