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 この本が出版されると知って、絶対読もうと思いました。
 このブログでも、フィンランドの話になるとよく出てくるフィンランドの言葉「Sisu(シス)」についての本です。でも、「シス」が「幸せメソッド」?北欧の幸せになる考え方といえば、デンマークの「ヒュッゲ(Hygge)」が有名。「シス」はちょっと違うんじゃないの?と思いながら読み始めました。


フィンランドの幸せメソッド SISU(シス)
カトヤ・パンツァル:著、柳澤はるか:訳 / 方丈社 / 2018

 原題は、「Finding Sisu: In Search of Courage, Strength and Happiness the Finnish Way」
 著者のパンツァルさんは、両親はフィンランド人、フィンランド生まれだが、両親がカナダに移住し育ちはカナダ。カナダでは、マスコミの仕事をしていたが、20代の時にうつ病と診断される。元々健康には無頓着、生活習慣も食生活も乱れ気味で、運動や自然に触れることはほとんどしなかった。ダイエットをしようとすると「話題の○○ダイエット法」「セレブに人気の美容法」などを探した。アメリカのテレビドラマや映画のような、モノに囲まれ、キラキラした生活を望む一方で、
「どんなに痩せても、どんなにきれいになっても、どんなにお金持ちになっても、永遠に満足できないのではないか―――。」(19ページ)
そんな不安を抱えていた。
 そんなパンツァルさんは、フィンランドでの仕事を見つけ、ルーツであるフィンランドで暮らすことになる。そこで出会ったのが、「SISU」という言葉、考え方。さらに、雪の降る冬の初めに、ヘルシンキでバスローブを羽織った青年たちが海に向かって走り、その海で泳ごうをするのを見る。寒い冬の海で泳ぐなんて信じられないと思ったパンツァルさん。しかし、「SISU」とフィンランドの人々が日常楽しんでいる様々な行動に関係があると思い始める。パンツァルさんはこの本で、「SISU」について様々な人、友人や各方面の専門家に話を聞いて、「SISU」とは何か探ります。

 「SISU(シス)」とは、逆境から立ち直る力「レジリエンス」や困難に直面してもくじけない「強い心」を意味する。「大和魂」のように「フィンランド魂」と日本では説明されている。フィンランドの歴史は、「SISU」の連続だった。帝政ロシアからの独立運動、小国のフィンランドが大国ソ連と戦うことになってしまった冬戦争、第二次世界大戦で敗戦後の暗い時代と復興。現代では、福祉大国、教育大国と呼ばれる。それも、戦後の復興期、資源が少ない国であるフィンランドにとって最大の資源は「人」であるという考えに基づいてのことだった。ここにも「SISU」が感じられる。そんな国の歴史や制度といった大きいところだけでなく、先述した冬の海や湖でも泳ぐ「アイススイミング」やサウナ、森の中を歩くこと、食事や運動、まずは何でも自分でやってみること、シンプルとミニマリズムなどフィンランドの日常生活の中にある「SISU」を見つけ、「SISU」について考えています。

 「SISU」は我慢強さとも考えられますが、日本での「我慢強さ」…どんなに困難でも気合や根性を持ってじっと我慢する、また、それを人にも強要する(「がんばれ」「我慢しなさい」などの言葉のような)ものとは違うのだそうだ。例えば、フルマラソンを完走するためにトレーニングを積んで、完走するのも「SISU」だし、健康のために毎日歩く時間を10分でも増やすのも「SISU」。壊れたものを自分で修理しようとやってみるのも「SISU」。程度は関係なく些細なことでいい。自分でこれをやろうと思ってやり遂げることが「SISU」。困ったら人に助けを求めてもいい。不安を人と共有するのも「レジリエンス(立ち直る力)」であり「SISU」。今の状況がもし不幸だとしたら、勇気を持って手放すのも「SISU」。自分で決めること、逆境でもやりとげること、心身の状態や健康、ウェルビーイング(心身の充足感)に気を配ること、シンプルであることが「SISU」なのだそう。特に、ウェルビーイングに気を配ること、シンプルさ、持続可能であることはどの項目においても共通していると思います。

 食生活と運動、健康については、よく食べてよく運動するという考え方がシンプル、潔くていいなと思った。フィンランドにもジムはありますが、それ以前にフィンランドの人々はとにかく歩く、または自転車に乗るらしい。ここがポイントなのだが、どんなに悪天候でも。アイススイミングだって冬の海や湖で泳ぐ。自然の厳しいフィンランドだからこそ、悪天候は存在しないのだそうだ。雨や雪が降っているなら、服装をそれに合わせたものにすればいい、と。フィンランドほどではないが雪の多い寒い地域に住んでいる私にとって、冬になると雪が多いし寒いからあまり外は歩きたくないと思っている。下手すると街中でもホワイトアウトに遭うし、除雪が行き届いていない道は歩きにくいし…と不満ばかりである。一方フィンランドでは、冬でも道路の整備が行き届いているという点があるが、子どもの頃からどんなに寒くても外へ出るのだそうだ。冬は日照時間が短く暗いところから、リフレクター(反射板)も生まれた。厳しい環境でも、くじけないし工夫をして適応していると思う。

 「SISU」は育てられるものである。また、精神的なものだけでなく、肉体的なものでもある。心身が繋がっているという考え方だろう。読書も困難や逆境を乗り越え解決するための力になるので、「SISU」につながり、「SISU」を育てるものなのだそうだ。
 
 「できない」と思わず、「できる」と信じて踏み出してみる。できたらもう一歩進んでみる。
 今までの北欧の幸せになる方法は、シンプルな衣食住環境やライフスタイルを整える、ゆったりと暮らす(何年か前に流行った「スローライフ」のような)、かつ、おしゃれである、だったと思う。この本でもそれらはある(おしゃれは除く。おしゃれ、というよりは、ウェルビーイング、快適さ、実用面を重視している。北欧のものは、日本から見ると「おしゃれ」に見える)。プラス、「SISU」。この本に書いてあることは、日本でできることもあるし、難しいこともある。冬の海で泳ぐのはちょっと…。森へ行くのが難しいなら、緑に触れられる近くの公園でもいい。自分にとって、乗り越えて気持ちよくなりたいものが「SISU」なのだ。

 この本を読んで、今まで運動を増やしたいとか、心身のストレスを減らしたいとか、住環境を心地よいものにしたいなどと思ってきました。休みの日に公園でウォーキングをしたり、スナック菓子を減らしたりしています。アイススイミングはできないけど、お風呂に入ったら、冷たいシャワーを浴びるのもやってみています。最初は冷たいのだが、徐々に気持ちよくなる。パンツァルさんやフィンランドのアイススイミング愛好家の気持ちってこれか?と思ってみたり。今はまだいいが、これから冬になって、真冬でもやれるか。冷たいシャワーの後は、湯船に入ってあたたまります。今度温泉に行ったら、サウナにも入りたいな。今、日本でもフィンランド式のサウナが増えてきています。フィンランド式のサウナ愛好家も増えているんだとか。

 ウェルビーイングに気を配り、「今」に目を向けるのは「マインドフルネス」の考え方にも繋がっているなと感じました。「SISU」もマインドフルネスかもしれない。

 この本はパンツァルさんの体験を元に書かれていますが、会った各方面の専門家の話や参考文献も多い。「SISU」をただの「幸せメソッド」としてではなく、学術的な面からもアプローチした自分をよい状態にしてくれるものと考えているのがいいです。

 パンツァルさんのインタビューがありました:ハフポスト:フィンランドにも「根性論」があった。世界一幸せな国で「頑張る」ことの意味とは


 これも、「SISU」?:クーリエ・ジャポン:フィンランド発の新たなるマインドフルネス「パンツ一丁で飲酒」が幸せを呼ぶ


【関連過去記事】
物語 フィンランドの歴史 北欧先進国「バルト海の乙女」の800年
 フィンランドの「SISU」な歴史を読みたいならこれ。

マッティは今日も憂鬱 フィンランド人の不思議
マッティ、旅に出る。 やっぱり今日も憂鬱 FINNISH NIGHTMARES 2
 内気でシャイ、無口な典型的なフィンランド人・マッティにとっての憂鬱な出来事、「フィンランド人あるある」を描いたコミック。どんなに憂鬱なことが続いても、くじけないマッティにも「SISU」がある…?訳者は同じ柳澤さん。

 そういえば、この本では「ムーミン」の物語や作者のトーベ・ヤンソンの暮らしにも「SISU」が感じられるとあります。フィンランドの民族叙事詩「カレワラ」にも「SISU」なところがあるなぁ。「SISU」は1500年前からあるそうです。あと、フィンランドが舞台のアニメ「牧場の少女カトリ」のカトリも、「SISU」を持っているなぁ。働いているお屋敷でどんなことがあってもめげないし、学校に行けないので独学で「カレワラ」を読めるようになるし。
 シベリウスが「『シス』とは、不可能を可能に変える力をくれる、強心剤のようなもの」と言っていたそうなのですが、初めて聞きました。シベリウスの「SISU」…作曲家人生は「SISU」の連続だし、健康と仕事のために静かなヤルヴェンパーの「アイノラ」に引っ越したのも、悪い環境を断ち切る「SISU」だなぁ。
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by halca-kaukana057 | 2018-11-03 23:27 | フィンランド・Suomi/北欧
 毎年恒例、ラハティのシベリウスホールにて、9月6日から9月9日まで、シベリウス音楽祭(Sibelius Festival/Lahden Sibelius-festivaali)が開催されました。シベリウスだけの音楽祭。ラハティ交響楽団がホストオーケストラ。今年は、エストニア独立100年を記念して、ネーメ・ヤルヴィ指揮 エストニア国立交響楽団も参加しました。既にフィンランド国営放送(YLE)では演奏会の録音が放送され、オンデマンド配信されています。また、ラハティ響の演奏会動画を中心にアップしているサイトにも、後で動画がアップされる、かもしれません(まだ断言できません。例年通りであれば、アップされます)。まとめます。

◇9/6 SIBELIUS HALL : Sibelius Festival Concert
 ・序曲 イ短調 JS144:動画
 ・ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 op.47:動画
 ・組曲「白鳥姫」 op.54:動画
 ・アンコール:ペレアスとメリザンド op.46 第1曲:城門にて
  / バイバ・スクリデ(ヴァイオリン)、ディーマ・スロボデニューク:指揮、ラハティ交響楽団
◇YLE Areena radio : Lahden Sibelius-festivaali 2018: Sinfonia Lahden konsertti

◇9/7 SIBELIUS HALL : Sibelius Festival Concert
 ・弦楽のためのロマンス ハ長調 op.42:動画
 ・「クオレマ」より 「悲しきワルツ」op.44-1 , 「鶴のいる情景」op.44-2
 ・交響曲第3番 ハ長調 op.52
 ・交響曲第4番 イ短調 op.63:動画
 ・アンコール:アンダンテ・フェスティーヴォ
  / ネーメ・ヤルヴィ:指揮、エストニア国立交響楽団
◇YLE Areena radio : Lahden Sibelius-festivaali 2018: Viron kansallisen sinfoniaorkesterin konsertti

◇9/8 SIBELIUS HALL : Sibelius Festival Concert
 ・イン・メモリアム op.59:動画
 ・6つのユモレスク:動画
 ・交響曲第6番 ニ短調 op.104
 ・交響曲第7番 ハ長調 op.105:動画(6番、7番続けて)

 ・アンコール:2つの小品 op.111 第1番 イントラーダ(管弦楽版、編曲:Luukas Hiltunen):動画
        ↑シベリウスのオルガン曲、珍しい作品です。初めて聴きました。しかもオーケストラ編曲。
       :フィンランディア op.26:動画
        ↑シベリウス音楽祭の締めのアンコールといえば、フィンランディアです。 
  / バイバ・スクリデ(ヴァイオリン)、ディーマ・スロボデニューク:指揮、ラハティ交響楽団

 YLEのオンデマンドは放送から30日間。プレーヤーの上の砂時計マークの「○○pv」が残り日数です。期限が近くなると赤く表示されます。
 また追加されたら追記します。

【追記】
 ラハティ響の演奏動画をアップしているサイトに、今年のシベリウス音楽祭の動画が一部アップされました。リンクを貼っています。
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by halca-kaukana057 | 2018-09-11 22:43 | 音楽
 七夕は伝統的七夕も終わってしまいましたが、まだ夏の天の川を楽しめます。東の空にはやぎ座に始まる秋の星座たちが。夜も更けるとペガスス座やアンドロメダ座など、エチオピア王家の星座物語の星座たちによる、秋の星座絵巻が見えています。

 織姫星のこと座のベガ、彦星のわし座のアルタイル。この2つの星は、古くから対の星として見られてきました。アラビアでは、ベガとアルタイル、それぞれの両側の星も一緒に見て、ベガは翼を折りたたんで滑降しているワシに見立てて「落ちるワシ」、アルタイルは一直線に並んでいるので「飛んでいるワシ」。これら2つの呼び名は、アラビア語でベガとアルタイルの語源となっています。

 他の地域でもベガとアルタイルを対の星と見ている…最近知ったのですが、フィンランドでもそうらしいのです。調べていたら出てきました。
京都地主神社:世界の七夕伝説:フィンランドの七夕伝説
Yumi's Room:七夕と天の川銀河 Ⅱ

 こういうお話です。

 あるところに、ズラミスとサラミという仲の良い夫婦が暮らしていました。2人は死んだ後、それぞれ別々に天にのぼり、星となりました。2人の星はかなり離れていてもう会うことさえもできませんでしたが、お互い、死んだ後も一緒にいたいと思いました。そこで2人は、千年の時をかけて、空にただよう星くずを集めて光の星の橋を創りました。その光の星の橋が天の川。 両側からそれを渡った2人は、おおいぬ座のシリウスで出会い、そこで仲睦まじく寄り添うことができました。
 これは初耳。以前、フィンランドの天の川については、この記事で触れました。
土星堪能星見 + 今日は伝統的七夕
 フィンランド語で天の川は「Linnunrata(リンヌンラタ)」鳥の道という意味です。天の川銀河のことも差します。南に暖かな「鳥の住処」があって、そこに鳥が道を通って毎年移動するという古代フィンランドの伝説によるものです。

 先ほどのズラミス(Zulamith)とサラミ(Salami)の物語では、「Linnunrata」は出てきません。鳥の道ではなく、ズラミスとサラミが星を集めて作った光の橋です。こういうお話は色々な説があると思うのですが、どこから出てきた?さらに調べてみると、19世紀フィンランドの作家、歴史家のザクリス・トペリウス(Zachris Topelius)(ザカリアス Zacharias / サカリアスの表記もあり)にたどり着きました。どうやら、トペリウスの作品に、このズラミスとサラミの物語があるとのこと。
 それがこれ→Wikiaineisto:Linnunrata
 フィンランド語です。グーグル翻訳で、英訳するとなんとか読めるようになります。日本語訳すると、変な日本語になります。これがそのトペリウスのズラミスとサラミの物語。先述した物語と大体一緒です。でもタイトルは「Linnunrata」天の川…ですが鳥の道の神話は出てきません。

 この物語は、一体どこから出てきたのだろうか。フィンランドに伝わる民話なのか、トペリウスの創作なのか。あと、ズラミスとサラミ、どっちがベガでどっちがアルタイルなのか。これもわかりません。
 日本で読めるトペリウスの作品は、童話集「星のひとみ」(岩波少年文庫で復刊されました)と、「木いちごの王さま」。トペリウスの研究書…あるのか?あってもフィンランド語とか、スウェーデン語(トペリウスは名前の通り、スウェーデン語系フィンランド人)だと読めないぞ…。この問題、奥が深そう、答えにたどり着くのは容易なことではなさそうです。以上、今日はここまで。

木いちごの王さま
 トペリウスの絵本です。とてもあたたかな、フィンランドらしさを感じられる絵本です。ちなみに、今年はトペリウス生誕100年。
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by halca-kaukana057 | 2018-08-29 21:43 | 宇宙・天文
 夏至も過ぎ、明日までフィンランドでは夏至祭(Juhannus ユハンヌス)です。短い夏を謳歌すべく、サウナで一汗かいたら湖に飛び込んで、湖のほとりではかがり火を燃やしたり、ソーセージ(Makkara マッカラ)でバーベキューをして、夜遅くまで楽しんでいるんだろうなぁ。

 そんな、フィンランドの気分になれるモノがある…?と、1ヶ月前ほど前から、探しているものがあります。

エステー:初夏の季節限定企画 Visit Finland (フィンランド政府観光局)監修の「北欧」デザインと香り! 「消臭力」4アイテムを新発売

 「北欧」、「フィンランド」を謳う製品は多いです。北欧の森の香り、とか、フィンランドの白夜、とか、いろんなモノにそんなキャッチフレーズがついています。そういうのを見ると、やっぱり釣られますw ですが、これはちょっと違う。フィンランド政府観光局が監修している、フィンランド政府観光局お墨付きの、フィンランドの香りの芳香剤。釣られます。これは手に入れなければ。そう思っています。

 が、ドラックストアやスーパーなどを探しても全然見つからない。普通の消臭力はあるけど、「フィンランド」消臭力はどこに行ってもない。やはり田舎…。

 探して、探して、ようやく見つけました。
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 トイレの消臭力、フィンランドベリーの香り。これしかありませんでした。フィンランドリーフも欲しかった!
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 ちゃんと、「フィンランド政府観光局 監修」とあります。パッケージのデザインも北欧風。

 あけると、ふわっと甘酸っぱい香り。やさしい、爽やかな甘さです。甘過ぎないです。ベリーのいい香りです。

 フィンランドリーフの香りも欲しいなぁ…。お取り寄せしようかなぁ…。
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by halca-kaukana057 | 2018-06-23 21:07 | フィンランド・Suomi/北欧
 今回はシリーズではありませんが、シベリウス「クレルヴォ(クッレルヴォ)」op.7の演奏会のオンデマンドがあります。

◇オンデマンドはこちらから:BBC Radio3 : BBC Scottish Symphony Orchestra
 放送後30日間の公開です。6月16日頃まで。
BBC Scottish Symphony Orchestra : Closing Night - Composer Roots 7: Sibelius’s ‘Kullervo’ + Post-Season Party

トーマス・ダウスゴー:指揮、BBCスコティッシュ交響楽団
ヘレナ・ユントゥネン (Helena Juntunen ソプラノ)
ベンジャミン・アップル (Benjamin Appl バリトン)
ルンド大学男性合唱団 (Lunds Studentsångare / Lund Male Choir)

 プログラムは「クレルヴォ」と「フィンランディア(フィンランド讃歌の部分)」なのですが、面白いのは冒頭。「Prelude with excerpts from Kullervo」と題して、「クレルヴォ」のメロディーと、フィンランド民謡などのメロディーをミックスした前奏曲(のようなもの?)が演奏されます。編曲は指揮のダウスゴーさんともう一方によるものだそうです。「クレルヴォ」の断片が出てきては消えて、フィンランド民謡(タイトルがわからない。聴いたことがあるような…)も出てきて、カンテレの音も聴こえる。でもすぐ消えて行く。不思議な音楽です。その後、「クレルヴォ」全曲が始まります。(17分から「クレルヴォ」です)

 「クレルヴォ」は、ゆったりとした演奏で、壮大な世界観にぴったりです。第3楽章の男声合唱、ソプラノ、バリトン、は暗めのトーン。ずっしり、というよりは、しっとりという感じ。ウェットな空気の暗い森の中のような。「クレルヴォの嘆き」の部分も落ち着いています。あと、金管の存在感が強いなと感じました。図太い。全体的に骨太な演奏だと感じました。

 まだまだ聴けるので、何度か聴き込みたいです。

【これまでの「クレルヴォ」シリーズ】
[シベリウス生誕150年記念]クレルヴォ交響曲を聴こう その1
 パーヴォ・ベルグルンド:指揮、ボーンマス響盤
[シベリウス生誕150年記念]クレルヴォ交響曲を聴こう その2 P.ヤルヴィ盤
 パーヴォ・ヤルヴィ:指揮、ロイヤル・ストックホルム・フィル盤
もうひとつの「クレルヴォ」
 番外編:レーヴィ・マデトヤの交響詩、アウリス・サッリネンのオペラ
[シベリウス生誕150年記念]クレルヴォ交響曲を聴こう その3 バレエのクレルヴォ?
 ユッカ=ペッカ・サラステ:指揮、フィンランド国立歌劇場管弦楽団、バレエ付き。
[シベリウス生誕150年記念]クレルヴォ交響曲を聴こう その4 ヴァンスカ盤
 オスモ・ヴァンスカ:指揮、ラハティ交響楽団
[シベリウス生誕150年記念]クレルヴォ交響曲を聴こう その5 N.ヤルヴィ盤
 ネーメ・ヤルヴィ:指揮、エーテボリ交響楽団
[シベリウス生誕150年記念]クレルヴォ交響曲を聴こう その6 パヌラ盤
 ヨルマ・パヌラ:指揮、トゥルク・フィルハーモニー管弦楽団
[シベリウス生誕150年記念]クレルヴォ交響曲を聴こう その7 ベルグルンド&ヘルシンキフィル盤
 パーヴォ・ベルグルンド:指揮、ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団

[フィンランド独立100年記念]続・シベリウス クレルヴォ交響曲を聴こう スロボデニューク&ラハティ響
 ディーマ・スロボデニューク:指揮、ラハティ交響楽団 (2017年 シベリウス音楽祭より)
[フィンランド独立100年記念]続・シベリウス クレルヴォ交響曲を聴こう ロウヴァリ&エーテボリ響
 サンットゥ=マティアス・ロウヴァリ:指揮、エーテボリ交響楽団 (2017年の演奏会より)
[フィンランド独立100年記念]続・シベリウス クレルヴォ交響曲を聴こう サロネン&ロスフィル
 エサ=ペッカ・サロネン:指揮、ロスアンジェルス・フィルハーモニック
[フィンランド独立100年記念]続・シベリウス クレルヴォ交響曲を聴こう オラモ&BBC響
 サカリ・オラモ:指揮、BBC交響楽団(2015年プロムスでのライヴ録音)
[フィンランド独立100年記念]続・シベリウス クレルヴォ交響曲を聴こう リントゥ&フィンランド放送響
 ハンヌ・リントゥ:指揮、フィンランド放送交響楽団(2017年、フィンランド放送響のフィンランド独立記念日コンサートより)
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by halca-kaukana057 | 2018-05-22 22:53 | 音楽
 フィンランドの児童文学を。以前読んだ「オンネリとアンネリのおうち」。この「オンネリとアンネリ」シリーズは全部で4作あるのですが、第2作も日本語訳が出ていました!素晴らしい!!
・第1作:オンネリとアンネリのおうち


オンネリとアンネリのふゆ
マリヤッタ・クレンニエミ:作/マイヤ・カルマ:絵/渡部翠:訳/福音館書店、世界傑作童話シリーズ/2016

 小学生の女の子、オンネリとアンネリはとても仲が良いお友達。薔薇横丁に薔薇乃木夫人から買った素敵なおうちを持っています。11月、2人のおうちの冬支度をしていた時のこと。鉄の門の下に、ふたつの光が現れやってきて、玄関先に止まった…。何かと思うと、とても小さな車。中から小さな紳士が出てきて、薔薇乃木夫人に会いたいとのこと。しかし、薔薇乃木夫人は次々と引越しをするので、どこにいるかわからない。2人のおうちの隣に住む、薔薇乃木夫人のいとこの姉妹・ノッポティーナさんとプクティーナさんも知らない。この紳士と、家族…プティッチャネン族のショーララ一家は、住んだ家を壊され、住む家を探していた。薔薇乃木夫人が住まい探しの名人だと聞いて、彼女を探しているとのこと。行く当てもなく、困っていたショーララ一家を、2人のおうちの人形の家に、薔薇乃木夫人の行方がわかるまで泊めることにした2人。ショーララ家の人々との暮らしは、とても楽しいものでした…。


 第1作「オンネリとアンネリのおうち」のあらすじを忘れかけていたので、薔薇横丁の人々について思い出すのに時間がかかりました。第2作も素敵なお話です。秘密基地のような2人の家。そこにやってきたこびとのようなショーララ家の人々。フィンランド語の原作では、きっと「プティッチャネン」や「ショーララ」、「ノッポティーナとプクティーナ」といった固有名詞は違うものになっている、日本語訳のは日本人にもわかりやすいようにアレンジしてあると思うのですが、フィンランド語の特徴はそのままというところがいい。フィンランド人の姓に多い「~ネン」「~ラ」、名前でも「~ティーナ」というのはよくある。「ネン」で終わる姓はほぼフィンランド人、もしくはフィンランドにルーツをもつ人だと言っていい。こんなところでフィンランドらしさを感じられるのはいいなと思いました。

 ショーララ家が何故、住む家を探すことになったのか…その顛末がかなしい。第1作でも登場人物のさみしさや心の傷、喪失を繊細に描いていたけれど、第2作もやっぱりうまい。家族それぞれ、その喪失とかなしみをそれぞれの言葉で表現する。ショーララ氏。やんちゃ坊主のプティ坊。おばあちゃま。そんなショーララ家にとって、オンネリとアンネリの家の人形の家は願ってもない家。家での暮らしを楽しむ一家。私も子どもの頃お人形遊びをしましたが、その家に本物のこびとが住んだら、どんなに楽しいだろう!

 第2作は冬のお話。フィンランドの冬と言えば、クリスマス。プティッチャネン族にはプティクリスマスがある。そのパーティーに呼ばれたオンネリ、アンネリ、薔薇横丁の人々。薔薇横丁の人々は秘密を守るので、ショーララ家のことは話しています。準備も楽しいし、プティクリスマスイヴのパーティでは楽しい驚いたことも起きる。とてもあたたかいクリスマスだ。住む家を失っても、2人の優しさで素敵なプティクリスマスを迎えることができたショーララ家に、よかったねと言いたくなります。オンネリとアンネリの、クリスマスの朝の出来事にも。

 薔薇乃木夫人からハガキは届くが、住所は書いていない。相変わらす居場所がわからない。冬の間、薔薇乃木夫人からのハガキを待ち続ける。そんな間に、ある事件が起きます。児童文学ですが、内容はなかなかハード。第1作でもファンタジーっぽさはあっても、ハードな、エゴむき出しのような事件だったような…。今回もそんな感じです。アンネリに対して、かなりひどいことをしています。でもここは薔薇横丁。不思議なことと奇跡が起きる場所。不思議と奇跡だけじゃない。両隣などの大人たちがしっかりしている。オンネリとアンネリは、建物が素敵なだけでない、ご近所さんも素敵な家を買ったのです。いいなぁ。
 ショーララ氏は本が好きで、家の図書館に入れるために、人間の本をプティッチャネン族が読めるように書き写しています。その本の中に、今話題のあの本も…。やっぱりフィンランドに根付いている本なんですよね。

 フィンランドの人々が、冬をどう過ごすのか、何が楽しみなのか。それが伝わってくるお話です。続編あと2作も読みたいです。
 あと、第1作はプチグラパブリッシング(絶版)ので読んだのですが、固有名詞の訳が変わってる気がする…?バラは漢字になっているし、お隣のリキネンさんの奥様の名前が違う気がする…。訳者は同じなのに。第1作を福音館書店版で読まなくては…

福音館書店:オンネリとアンネリのふゆ

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by halca-kaukana057 | 2018-01-22 22:35 | 本・読書
 今、話題になっているムーミン…。今回は切手の話なのでその話には触れないでおこうと思います。思うところは色々あるのですが…。ムーミンの切手が発行されたタイミングでこんな話題になるなんて…。

 先日郵頼した、「ムーミン」切手の押印機特印が届きました。
ムーミン切手再び +特印(手押し印)

日本郵便:グリーティング切手「ムーミン」の発行

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 ムーミンとスナフキンが木の上にいて…おしゃべりしているのでしょうか。スナフキンの旅の話を聞いているのでしょうか。ムーミンの手が、スナフキンを励ましているようにも見えます。孤高の旅人、スナフキンも、ムーミン谷に帰れば家族同然の仲間がいます。素敵な特印です。

 この画像だと、切手のエンボス加工がよくわかります。凸凹しています。今回のムーミン切手はいいデザインです。

 あと、82円切手をよく見たら、スズランのイラストが。62円は花(桜?)です。スズランはフィンランドの国花。桜は日本を象徴する花。フィンランドと日本の友好を込めたのでしょうか?日本郵便のサイトに記載がないので、真意はよくわかりません。
 ムーミンはムーミン谷が舞台の物語ですが、生まれたのはフィンランド。でも、ムーミン谷がフィンランドかどうかはわからない、ファンタジーですから。この点は強調しておきます(例の話題、結局話題にしてる…)。


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by halca-kaukana057 | 2018-01-17 22:01 | フィンランド・Suomi/北欧
 前回、「ムーミン」の切手が出たのは2015年。「ムーミン」シリーズ出版から70年の年でした。今年、再び「ムーミン」の切手が発行されました。今年は特にメモリアルイヤーではありません。去年、フィンランド独立100年だったことぐらい…?来年は日本・フィンランド国交樹立100年です。

グリーティング切手「ムーミン」の発行

 今回のムーミン切手は、62円(前回2015年は52円だった…)はムーミンたちが誰かのために何かをしているところ、82円がお手紙とムーミンたち。どちらも可愛いですが、切手シートをよく見てください。でこぼこになっている、エンボス加工されています。ツルツルではなくこの独特のでこぼこが、素朴な感じを表現していると思います。「星座シリーズ」(今度は「天体シリーズ」)のキラキラホログラム(隠し文字入り)も凄かったが、今回も凝っています。

 特印を貰って来ました。
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 手押し印は、リトル・ミィからお手紙を貰っているムーミン。ミィの表情がいかにもミィ。可愛い。切手のイラストは、82円の方がお気に入り。

 今回は押印機印も郵頼しました。届くのが楽しみです。届いたらまた書きます。
【追記】押印機印届きました:ムーミン切手再び +特印 (押印機印)

【2015年のムーミン切手】
ムーミンの魅力を切手で+特印(手押し印)
続・ムーミンの魅力を切手で+特印(押印機)
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by halca-kaukana057 | 2018-01-10 21:16 | フィンランド・Suomi/北欧
 シベリウス「クッレルヴォ」第2シリーズは今回が最後。第1シリーズの記事でも触れていたのですが、この演奏会に行きたかった。
都響:第842回 定期演奏会Aシリーズ
 東京都交響楽団の11月8日の演奏会。ハンヌ・リントゥ:指揮で「クッレルヴォ」。フィンランド独立100年記念です。男声合唱はポリテク合唱団。日本のプロオケが「クッレルヴォ」を演奏するなんて何十年ぶり?アンコールには「フィンランディア」の男声合唱つき!行きたかったのですが、都合が合わず行けませんでした。

 でも、オーケストラは違いますが聴けます。12月6日、フィンランド放送交響楽団の独立記念日コンサートで、声楽ソロ、男声合唱は同じで演奏されました。フィンランドYLEのオンデマンド配信で聴けます、観られます。
ハンヌ・リントゥ:指揮、フィンランド放送交響楽団
ニーナ・ケイテル(メゾソプラノ)、トゥオマス・プルシオ(バリトン)
ポリテク合唱団
◇音声のみ(1月6日ごろまで公開):YLE Areena:Radio:Konsertteja : RSO:n itsenäisyyspäivän konsertissa Sibeliuksen Kullervo sekä Wennäkosken ja Lindbergin teosten kantaesitykset
◇映像:YLE Areena:TV:RSO Musiikkitalossa : Itsenäisyyspäivän konsertti
 演奏会前半はフィンランドの現代作曲家、ロッタ・ヴェンナコスキとマグヌス・リンドベルイの作品。後半が「クッレルヴォ」です。最後は「フィンランディア」男声合唱つきもあります。独立100年の「フィンランディア」、感慨深いです。休憩時間には、「クッレルヴォ」の解説があります。フィンランド語で何を言っているのかわからないのが残念ですが、ピアノで「クッレルヴォ」を弾いているのは新鮮でした。「クッレルヴォ」ピアノ版を演奏、録音を出しているピアニストっていないのだろうか。大変だろうけど。
 「クッレルヴォ」演奏後、案内役のアナウンサーさんが都響に触れていました。


 フィンランド放送響は、弦の高音がスカッと軽やかなのが印象的なオーケストラ。今回の「クッレルヴォ」では、重厚な音を出しています。高音はスカッと響かせるのですが、低音部はずっしりと太く重い。フィンランドの100年の節目の演奏会。気合や想いがこもらずにはいられません。管もバリバリ吹いていて、聴いていて気持ちがいいです。

 男声合唱のポリテク合唱団。映像を観て驚いた。随分多い。日本に来たのはもっと少ない人数だったらしいけど…。これがフルメンバーなのでしょうか。やわらかく、ハーモニーが心地いいです。今回のクッレルヴォの妹役、ケイテルさんはメゾソプラノ。ソプラノ音域もきれいで、メゾソプラノならではの低音もしっかりしている。クッレルヴォの妹だと明かす部分は、ソプラノとメゾのバランスがいい。不穏なオケに合います。バリトンのプルシオさんは、やわらかめの、テノール寄りな感じ。「クッレルヴォの嘆き」の部分はその前までのクッレルヴォの様子と打って変わって、ゆっくりと、ずっしりと重いです。「クッレルヴォの嘆き」に入る前、かなり休符を取りました。シベリウスは静寂を大事にしたという話が残っていますが、そんな静寂であり、嘆きへの緊張感が湧き上がる静寂だと思います。
 ケイテルさんもプルシオさんも初めて聴きました。また若い「クッレルヴォ」歌いが増えました。
 合唱と声楽ソロは、映像を観ると、歌詞の字幕が入っています。「Kullervo Kalervon poika」と最初は一緒に口ずさんでしまうのですが、この歌詞字幕を見ながら歌えませんでした。フィンランド語難しい!

 第4楽章、金管が大活躍、バリバリとものすごい勢いで吹いています。これ息大変だろう…音程を当てるのも大変だろう…すごいなと聴いていました。弦も負けてはいない。まさに、狂ったように戦に赴くクッレルヴォです。途中、かなしげな部分があるのを、印象的に聴かせています。

 第5楽章、徐々に感情を込めて盛り上がる男声合唱が心を打ちます。いい演奏です。生で聴きたくなるなぁ…。
 フィンランド放送響には日本人楽団員が4人いますが、映像で観ると活躍しているのがわかります。フィンランド独立100年のお祝い演奏会に、日本人も参加できたのは嬉しいことです。都響での公演と同じく、「フィンランディア」も是非聴いてくださいね。

 「クッレルヴォ」は、救いようのない悲劇で、シベリウスは好きでもずっと敬遠していました。でも、そんな悲劇だからこそ伝えられるものがある。そう思いました。
 出来るだけ、色々な指揮者やオーケストラで聴こうと思ってシリーズにしてきましたが、やはりフィンランドがメインになってしまった(フィンランド指揮者が多過ぎる!w)これからも、色々な演奏を聴いていこうと思います。ということで、第2シリーズはこれまで。


【これまでのの「クレルヴォ」特集まとめ】
[シベリウス生誕150年記念]クレルヴォ交響曲を聴こう その1
 パーヴォ・ベルグルンド:指揮、ボーンマス響盤
[シベリウス生誕150年記念]クレルヴォ交響曲を聴こう その2 P.ヤルヴィ盤
 パーヴォ・ヤルヴィ:指揮、ロイヤル・ストックホルム・フィル盤
もうひとつの「クレルヴォ」
 番外編:レーヴィ・マデトヤの交響詩、アウリス・サッリネンのオペラ
[シベリウス生誕150年記念]クレルヴォ交響曲を聴こう その3 バレエのクレルヴォ?
 ユッカ=ペッカ・サラステ:指揮、フィンランド国立歌劇場管弦楽団、バレエ付き。
[シベリウス生誕150年記念]クレルヴォ交響曲を聴こう その4 ヴァンスカ盤
 オスモ・ヴァンスカ:指揮、ラハティ交響楽団
[シベリウス生誕150年記念]クレルヴォ交響曲を聴こう その5 N.ヤルヴィ盤
 ネーメ・ヤルヴィ:指揮、エーテボリ交響楽団
[シベリウス生誕150年記念]クレルヴォ交響曲を聴こう その6 パヌラ盤
 ヨルマ・パヌラ:指揮、トゥルク・フィルハーモニー管弦楽団
[シベリウス生誕150年記念]クレルヴォ交響曲を聴こう その7 ベルグルンド&ヘルシンキフィル盤
 パーヴォ・ベルグルンド:指揮、ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団

[フィンランド独立100年記念]続・シベリウス クレルヴォ交響曲を聴こう スロボデニューク&ラハティ響
 ディーマ・スロボデニューク:指揮、ラハティ交響楽団 (2017年 シベリウス音楽祭より)
[フィンランド独立100年記念]続・シベリウス クレルヴォ交響曲を聴こう ロウヴァリ&エーテボリ響
 サンットゥ=マティアス・ロウヴァリ:指揮、エーテボリ交響楽団 (2017年の演奏会より)
[フィンランド独立100年記念]続・シベリウス クレルヴォ交響曲を聴こう サロネン&ロスフィル
 エサ=ペッカ・サロネン:指揮、ロスアンジェルス・フィルハーモニック
[フィンランド独立100年記念]続・シベリウス クレルヴォ交響曲を聴こう オラモ&BBC響
 サカリ・オラモ:指揮、BBC交響楽団(2015年プロムスでのライヴ録音)

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by halca-kaukana057 | 2017-12-20 22:51 | 音楽
 今日、12月8日はシベリウスのお誕生日。今年で152年目です。150年から2年経ったんだな。去年は何を書いたっけと過去記事を見てみたら、書いてなかった。去年は忙しくて聴いて記事を書けなかった。聴いてはいた。今年は聴いている。そして書こう。お誕生日おめでとうございます!! Hyvää syntymäpäivää !!

 「クレルヴォ(クッレルヴォ)」を聴こうシリーズを続けます。今日はCD。
エサ=ペッカ・サロネン:指揮、ロスアンジェルス・フィルハーモニック
マリアンネ・ローホルム(Marianne Rörholm)(ソプラノ)、ヨルマ・ヒュンニネン(バリトン)
ヘルシンキ大学合唱団

 1992年の録音です。ジャケットのサロネンが若いです。来年還暦の今も若々しいです。

 テンポは全体的に速め。重厚にクッレルヴォの物語を語るというよりも、次々とクッレルヴォを襲うかのような過酷な運命を鋭く突き刺すように提示していきます。でも、ここぞというところで溜める。ここぞというところで弱音にする。その力加減が絶妙だなと思いました。クッレルヴォの運命を重々しく語ることも出来るし、サスペンスドラマのようにショッキングに語ることもできる。

 第3楽章、ヘルシンキ大学合唱団による男声合唱はソフトな印象です。第5楽章も。合唱は「カレワラ」のクッレルヴォの章を歌詞にして歌っていますが、少し離れた位置からナレーションのような合唱なのかなと思いました。盛り上がる部分は熱っぽく歌っています。朗読するような合唱もあるし、オペラのように役者として演じているような合唱もある。ヒュンニネンによる「クッレルヴォの嘆き」の部分は重々しい。バスかと思うぐらいの低さ、重さです。クッレルヴォが犯してしまった罪を劇的に歌っています。

 ロスアンジェルス・フィル(ロサンゼルス、ロサンジェルス、LA…有名だけれども表記に悩む地名です)の演奏も巧み。これまで、このシリーズではフィンランドと北欧のオーケストラばかり取り上げていたことに気がつきました。アメリカのオーケストラは初めて。サロネンといい関係だったんだなと思えます。ティンパニの響きが印象的です。
 サロネンのシベリウスの録音は少ない(実演は多いです)ので、この録音が残っていてよかったなと思いました。

 ちなみに、シベリウスの誕生日の12月8日は、フィンランドでは「フィンランド音楽の日」とされています。フィンランドYLEのクラシック専門ラジオ YLE Klassinen では一日中フィンランド作曲家の作品を放送しています。初めて聴く曲も多いので楽しいです。何か音楽を聴きたいけど何を聴くか決まっていない方は、是非どうぞ。
YLE Klassinen ←リンクに飛ぶと、再生が始まります。


【これまでのの「クレルヴォ」特集まとめ】
[シベリウス生誕150年記念]クレルヴォ交響曲を聴こう その1
 パーヴォ・ベルグルンド:指揮、ボーンマス響盤
[シベリウス生誕150年記念]クレルヴォ交響曲を聴こう その2 P.ヤルヴィ盤
 パーヴォ・ヤルヴィ:指揮、ロイヤル・ストックホルム・フィル盤
もうひとつの「クレルヴォ」
 番外編:レーヴィ・マデトヤの交響詩、アウリス・サッリネンのオペラ
[シベリウス生誕150年記念]クレルヴォ交響曲を聴こう その3 バレエのクレルヴォ?
 ユッカ=ペッカ・サラステ:指揮、フィンランド国立歌劇場管弦楽団、バレエ付き。
[シベリウス生誕150年記念]クレルヴォ交響曲を聴こう その4 ヴァンスカ盤
 オスモ・ヴァンスカ:指揮、ラハティ交響楽団
[シベリウス生誕150年記念]クレルヴォ交響曲を聴こう その5 N.ヤルヴィ盤
 ネーメ・ヤルヴィ:指揮、エーテボリ交響楽団
[シベリウス生誕150年記念]クレルヴォ交響曲を聴こう その6 パヌラ盤
 ヨルマ・パヌラ:指揮、トゥルク・フィルハーモニー管弦楽団
[シベリウス生誕150年記念]クレルヴォ交響曲を聴こう その7 ベルグルンド&ヘルシンキフィル盤
 パーヴォ・ベルグルンド:指揮、ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団

[フィンランド独立100年記念]続・シベリウス クレルヴォ交響曲を聴こう スロボデニューク&ラハティ響
 ディーマ・スロボデニューク:指揮、ラハティ交響楽団 (2017年 シベリウス音楽祭より)
[フィンランド独立100年記念]続・シベリウス クレルヴォ交響曲を聴こう ロウヴァリ&エーテボリ響
 サンットゥ=マティアス・ロウヴァリ:指揮、エーテボリ交響楽団 (2017年の演奏会より)

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by halca-kaukana057 | 2017-12-08 22:14 | 音楽

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