タグ:ベートーヴェン ( 17 ) タグの人気記事

フィンランド人指揮者でベートーヴェン+α N響演奏会に行ってきた

 久々にオーケストラのコンサートが近場であったので行ってきました。オケはお馴染みN響。久々の国内プロオケ。N響は2008年に一度行った以来。
・その時の記事:悲愴交響曲の重さ
 ↑N響と一言も書きませんでしたが、N響だったんです。

【プログラム】
・ベートーヴェン:「エグモント」序曲 op.84
ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 op.37
交響曲第5番 ハ短調 <運命> op.67
 ピアノ:アリス・紗良・オット
 ヨーン・ストルゴーズ指揮NHK交響楽団

 指揮のヨーン・ストルゴーズ(John Storgårds)さん。何も知らずにチケットを取り、北欧っぽいお名前だけどどこの方だろう?と後から調べたら、なんとフィンランドのご出身。シベリウス音楽院指揮科ヨルマ・パヌラ門下です。なんと…!スウェーデン語のお名前でしたか。ついにフィンランドの指揮者の演奏を聴く機会に恵まれた!プロフィールを読むと、エサ=ペッカ・サロネンの元でスウェーデン放送交響楽団のコンマスを務めていた。その後指揮に転向したとのこと。そういえば、サロネンの指揮でデビューした演奏家ってそれなりに多い気がする。パヌラ門下生が更に新しい指揮者や演奏家を発掘・育成している。フィンランドの指揮者・音楽家が引き継がれていっているのだなぁ。嬉しいことです。
音楽事務所 ジャパン・アーツ:アーティスト情報:ヨーン・ストルゴーズ(指揮)
 ↑ストルゴーズさんプロフィール。検索すると「ストゥールゴーズ」との表記も。スウェーデン語も難しい…。
BBC Proms 2015:Prom 5: Haydn, HK Gruber & Stravinsky
 今年のプロムスにも、BBCフィルハーモニックを指揮していました。動画はこちら(「ペトルーシュカ」)

 私の席は2階の後ろのほう。開演前から、楽団員さんの何人かは舞台で音出ししていたり、舞台裏からも金管楽器の練習している音が聴こえてきました。コンサート開演前のこの雰囲気が好きです。そして開演。N響の皆さんが登場。コンサートマスターは「まろさん」篠崎史紀さん。おお!いつもテレビで観ているまろさんがコンマスとは嬉しい!N響はFMでの定期演奏会生中継や、Eテレ「クラシック音楽館」の放送もよく観ているので、団員さんもそれなりにお名前は覚えている。しかし…私の席からはお顔が判別できない…。木管もどなたが乗っているのかわからないぞ…。いつもはオーケストラ全体を見渡せて、音の響きもいいなら後ろの席でも構わない、と思ってきたのですが…今回は団員さんたちのお顔、表情が確認できる席を取ればよかったとちょっと後悔。または双眼鏡持ってくればよかった。

 指揮のストルゴーズさんが登場して、1曲目、「エグモント」序曲。有名だけど、私はあまり聴いたことがありませんでした。配置は左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ。この曲ではトロンボーンはなし。最初の音から、N響の音の厚みに驚きました。普段ラジオやテレビでよく接しているオーケストラのはずなのに、生の音は違う。これから壮大なドラマが始まると予感させるドラマティックな音楽。刻む弦が印象的。最後は長調で終わるのは5番交響曲に通じるところがある。好きな曲だなと思いました。
 そして、ストルゴーズさんの指揮が熱い。身体全体でダイナミックな指揮。フィンランドの指揮者はスマートでクール(でも熱い時は熱い)、キリッとした指揮をするイメージがありました。キリッとしているのだけれども、動きが大きくて、熱い。でも熱過ぎる、暑苦しい感じはしない。フィンランド人指揮者の個性の幅、そして層の厚さに感心しました。拍手拍手。

 ピアノをセッティングして、2曲目、ピアノ協奏曲第3番。ベートーヴェンのピアノ協奏曲の中でも一番好きな作品です。アリス・紗良・オットさん、明るい緑のドレスが素敵です。アリスさんの演奏も初めて聴きます。後から知ったのですが、アリスさんはコンサートではいつも靴を履かず裸足なのだそう。このコンサートでもそうでした。ロングスカートで、私の席からは確認できなかった。確かに、靴によってペダリングも微妙に変わってしまうし、女性ならヒールの高い靴だと尚更。合理的だな、と感じました。
 いつもCDで聴いている曲ですが、生で聴かないとわからないことが沢山ありました。編成が小さい。ホルンは2管。やっぱりトロンボーンはいない。大きなホールで聴くとちょっと地味なようにも感じました。ピアノの音域が広い。オーケストラとの掛け合いが何度もあり、お互いを引き立てたり、競い合ったり、一緒に渾身の演奏をしたり…オケもピアノもとても楽しい。
 大きなホールで聴くとちょっと地味?と書きましたが…演奏はピアノもオーケストラもダイナミック、迫力があり、華麗でした。第1楽章のカデンツァの華麗さ、難しさも見て聴かないとわからない。アリスさん、難しい箇所も華麗に弾いてしまう。細いのに力強くて、凄いなと見ていました。第2楽章の弱音もきれい。ピアノもオケも魅力的な曲だと再確認。ますます好きになりました。
 演奏後、大きな拍手にこたえてアンコール。
・ショパン:ワルツ イ短調 遺作
 ベートーヴェンとは打って変わって、愛らしくやさしい演奏。本当に弱音がきれい。この曲は私もかつて弾いてみたいなと思っていた曲。ピアノを弾く人ならよく知っている曲ほど、プロが演奏するのは難しいと思うのですが、魅力的な演奏でした。アリスさん、ありがとうございました!

 休憩を挟んで、後半は交響曲第5番。トロンボーンも出てきて、ヴィオラとコントラバスも人数が増えていた。ホルンも4管に戻りました。第1楽章、速い!テンポはかなり速めです。でもN響の音色は相変わらず厚いし、乱れない。暗く悲劇的なイメージの強い第1楽章ですが、そんなに悲劇という感じがしない。疾風怒濤という感じ。繰り返しもきっちり演奏してます。ストルゴーズさんの指揮はやっぱり動きが大きく熱いのですが、「エグモント」序曲と同じく、熱過ぎず暑苦しくない。速いけど速過ぎない。重過ぎず、軽すぎず。第2楽章以降はそんなに速めには感じませんでした。2・3楽章はヴィオラとチェロのみせどころ。ここで、チェロの首席が藤森さんだったことに気がつきました。動きが大きく、活き活きと演奏されてました。ヴィオラもいい音が出ていて、ヴィオラ好きとして嬉しい。第4楽章は、ベートーヴェン5番ではここでしか出番のないトロンボーンを自然と応援してしまいます。全体を通して、明るく迫力があって、活き活きとして、希望を感じさせる5番でした。第4楽章を聴きながら、楽しいな、かっこいいな、でももうすぐ終わっちゃうのが寂しいな…と感じていました。フィナーレは圧巻でした。会場大拍手。私も手が痛くなるまで拍手していました。ストルゴーズさん、何度もお辞儀をして、コンマスのまろさんや首席の皆さんと握手したり、各パートを立たせて挨拶したり。演奏後のこのカーテンコール、挨拶も好きです。N響の皆さん、ありがとう!ストルゴーズさん、Kiitos!(せっかくなのでフィンランド語で)と心の中で叫んでいました。

 そして、アンコール。ストルゴーズさん、一言言って、指揮台に立ちます
・シベリウス:アンダンテ・フェスティーヴォ
 最初の音を聴いた瞬間、何の曲かわかりました。シベリウス!!アンダンテ・フェスティーヴォ!!!この曲を生で聴けるとは…もう胸がいっぱいになりました。プロオケでシベリウスの作品を生で聴くのは初めてです。しかも、「アンダンテ・フェスティーヴォ」とは!!嬉しくて嬉しくて…!澄んだ美しい、やさしくあたたかいけれども威厳もある弦楽合奏。N響の弦はいいなぁ。コントラバスの低音がまたいい。ヴィオラも普段は陰に隠れがちだけど、いい音が聴こえる。いとおしむように、耳に焼き付けるように聴いていました。涙腺攻撃容赦ないです。
 ストルゴーズさんがフィンランドのご出身と知って、ならばシベリウスが聴きたいなと思っていました。ベートーヴェンはピアノ協奏曲第3番はいいけど、メインはシベリウスの交響曲2番とか…せっかくの来日なのに、そして今年はシベリウス生誕150年のメモリアル・イヤーなのに。そんなことを思っていましたが、このアンコールで吹き飛びました。
 最後、ティンパニも入って最後の音…ここでストルゴーズさんが右手を上にふわりとあげる指揮を。音もふわりと広がって、曲が終わっても余韻が。この音がとてもきれいでした。その余韻をたっぷりと味わってから大拍手。ストルゴーズさん、Kiitos paljon!!(やっぱりフィンランド語が出てしまうw)最高に嬉しいアンコールでした。

 思えば、N響でシベリウス「アンダンテ・フェスティーヴォ」…思い出があります。昨年2月。東京へ旅行に行った時。ちょうどN響定期公演が、尾高忠明さん指揮のオール・シベリウス・プログラム。1曲目が「アンダンテ・フェスティーヴォ」で、これは行きたい!と同行の友人たちに説明して、でも私一人で行くことに。しかし、その日、東京は大雪。雪の中でシベリウス、いいじゃないか、雰囲気出るじゃないか、シベリウス日和じゃないか!と逆にテンションが上がるw雪国在住、雪なら任せろ!雪靴、コート、雪対策・防寒対策も完璧だ!…しかし、交通等の関係で、渋谷NHKホールまで行けませんでした…。その悔いを晴らしました。きっちりN響で。東京まで行かなくても晴らせたよ!しかもフィンランドの指揮者さんの演奏で!
・その時の記事:大雪の東京へ
・代わりにムーミンカフェでフィンランド成分補充?:雪降る街、ムーミンたちとお茶をしよう

 本当に楽しい演奏会でした。ホールから出ると、薄雲に半月が。やっぱりシベリウス「アンダンテ・フェスティーヴォ」の余韻に浸りつつ帰途へ。
 N響の皆さん、またいらしてくださいね。ツアーも明日が最後。盛況になりますように。ストルゴーズさんも、また来日してくださいね。Hyvää matkaa!(よい旅を!)
f0079085_23114185.jpg


 この秋から、N響の首席指揮者にはパーヴォ・ヤルヴィさんが就任します。今年の就任前のコンサートもよかった。パーヴォさんと更にレベルを上げたN響を聴きたいです。今度はパーヴォさんとの演奏も是非生で聴きたい。パーヴォさんと全国行脚してくださらないかな…。
[PR]
by halca-kaukana057 | 2015-08-30 23:21 | 音楽

運命と呼ばないで ベートーヴェン4コマ劇場

 クラシック音楽界で今話題沸騰中(多分…いや、きっと!!)の漫画です。


運命と呼ばないで ベートーヴェン4コマ劇場
NAXOS JAPAN:作/ IKE:画/学研パブリッシング/2014

 1801年、ウィーン。音楽家を志す少年・フェルディナント・リース、16歳。ドイツのボンの宮廷音楽家(ヴァイオリニスト)だった父がかつて弟子にしていた男の弟子になるために、ウィーンにやってきた。その男は、その父もリースの父と同じくボンの宮廷音楽家で、ヴァイオリンは苦手だったがピアノは得意。13歳にして、父に代わり宮廷音楽家となった。そして、今はウィーンでピアニストとして、作曲家として活躍していた…ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン。この時30歳。紆余曲折を経て、ベートーヴェンの弟子となったリース。父からベートーヴェンがどんな音楽家か聞いてはきたのだが、実際は…

 クラシック音楽レーベル・NAXOS JAPANが公式ウェブサイトで連載していたのが、この漫画「運命と呼ばないで」(略して「運よば」)。ベートーヴェンの4コマ漫画?よくわからないまま読んでみたら、面白い。ギャグコメディで、破天荒なベートーヴェンを、彼に振り回される弟子のリース君の視点で描いている。笑えるのだが、ベートーヴェンの伝記になっているし、読み進めていくうちに「そうだったんだ」という発見もあり。連載が終わった後に、「webで読めるけど、せっかくなら書籍化しないかな~」と思いました。ツイートもしました。そしたら本当に書籍化してしまいました!!喜んで買ったのは言うまでもありません。

NAXOS JAPAN:ベートーヴェン4コマ劇場「運命と呼ばないで」
 全話読めます!まずはここで読んでみてください。公式サントラもあります。
Twitter:NAXOS JAPAN ナクソスジャパン(@naxosjapan)
 ↑「運よば」全面推しの公式ツイッター。

 この作品の元になっているのが、この弟子のフェルディナント・リースとベートーヴェンの親友であるフランツ・ヴェーゲラーによる「ベートーヴェンに関する覚書」という著作。ベートーヴェンに関する思い出を書き残した本なのだが、ベートーヴェンの天才…破天荒な一面から、恋愛関係まで記されているという。「運よば」を読むまで、リースのことも、この「ベートーヴェンに関する覚書」のことも、この漫画に出てくる登場人物の多くのことも、そしてベートーヴェン自身のこともよく知らなかった。ベートーヴェンと言えば、9つの交響曲や多くのピアノソナタや室内楽を作曲し、怖そうな顔の肖像画が学校の音楽室に張ってあって、病気で耳が聞こえなくなり苦悩の人生を歩んだ孤高の作曲家…というイメージしかなかった。ベートーヴェンの作品は、色々と聴いてきたのに、ベートーヴェン自身や、ベートーヴェンの周りの人々について、ベートーヴェンが生きていた時代のヨーロッパ情勢については何も知らなかった…とこの本を読んでまず思った。ギャグマンガなのに。そう、ギャグマンガなのに…コメディなのに…いや、コメディでもあったのだ。

 この「運よば」で描かれるベートーヴェンは、実に人間味あふれる男。ピアニストとしても大活躍、ピアノバトルでは即興の超絶技巧を披露し勝利。何か頭に来るとギロチンチョップ(!?)をくらわせる。下の弟は薬局で大もうけしているのに、ベートーヴェンは貧乏金欠…。でも、恋人(弟子でもある)とはラブラブ。弟子のリースは、そんなベートーヴェンに振り回されてばかり…。リース君がんばれ!と何度思ったことか…。ベートーヴェンも破天荒ではあるけれども憎めない。友人で専属音楽家となったヴァイオリニストのシュパンツィヒや、年下の弟子チェルニー(あのピアノ練習曲のチェルニー。イメージが変わりました)、パトロンのリヒノフスキー侯爵(存在感半端ないw)など、個性的で愉快な仲間たち(?)も楽しい。ベートーヴェンは孤独、孤高の作曲家だったなんてイメージはどこからやってきたのだろう…?勿論、ギャグ4コマなので誇張表現はありますが、書籍化で追加された「楽屋裏トーク」や「リヒノフスキー侯爵の勝手に萌えレクチャー」コラムで史実や解説も。さらに、マニアックな作品もCD化しているNAXOSの強みを生かした曲解説・関連CD紹介も。読むだけじゃない、読んでいるとベートーヴェン作品は勿論、リースやチェルニーたちの作品も聴きたくなってきます。

 しかし、コメディだけではない。当時のヨーロッパはフランス革命の後、戦争の最中にあり、宮廷音楽家はリストラ。ベートーヴェンとリースの故郷であるボンは戦場となってしまった。音楽は貴族のもの、という時代は終わり、趣味でピアノ演奏する、ピアノを習う人々も増えていった。音楽に対しての考え方や、音楽家の立場が変わりつつあった時代。ああ、現代と変わらないのだな、同じなのだな…と思ってしまう。音楽とは何だろう。この「運よば」で描かれているベートーヴェンの時代も、音楽が貴族のものから一般市民へのものへ変わりつつあった。現代、ベートーヴェンの音楽というと「”崇高な”クラシック音楽」というイメージだが、当時にしてみればベートーヴェンの音楽も流行の音楽だったわけだ…。だから、この漫画が投げかけている「音楽」「音楽家」は、クラシックに限らず、全てのジャンルで言えることだと思う。

 そして、耳の病気を自覚していたベートーヴェン。ピアノはもう弾けなくなるかもしれない。作曲しても、その音・音楽は聴こえない…。ここでますます「音楽」「音楽家」とは何なのか、と思ってしまう。

 それらを経てのop.15、リースがピアノのソリストとして、「ピアノ協奏曲第3番」を演奏する、演奏会デビューする回。ピアノ協奏曲第3番は、ベートーヴェンのピアノ協奏曲の中で一番好きな作品。その3番に、こんなエピソードがあっただなんて…。

 「音楽家」と言っても、作曲家、指揮者、演奏者、指導者と分かれる。全部やっている人もいるし、演奏一筋、作曲一筋という人もいる。そして、師匠と弟子の関係もある。その中で、どう「音楽」をつくっていくか。どう演奏し、どう人々に届けるのか。どんな「音楽」を届けたい、表現したいのか。そんな葛藤を乗り越えてのリースの演奏は楽譜も残っていないけれど、頭の中でピアノ協奏曲第3番第1楽章を再生しながら、想いをめぐらせていました。このシーン、セリフもなく、絵もシンプル。しかも4コマなので、普通の漫画の表現とも異なる。シンプルな表現で、絵だけで音・音楽を、そして人々の心の動きを伝えようとしている。想像の余地もあり、シンプルだからこそ絵から音楽が伝わってくるようで…この回を読んだ後ツイッターにも書いたのですが、大好きなピアノ協奏曲第3番が、ますます好きになった。

 IKEさんの絵も、コミカルで可愛らしく、時にリアルで、うまいなと思いながら読んでました。「創作ノート」で、「運よば」が出来るまでが解説されています。漫画の描き方の部分に注目してしまいました。
 ちなみに、物語を考え、ネームを書いているNAXOSの担当さんは、元々ベートーヴェンの研究をされている方なのだそう。創作・誇張・ギャグと、史実をうまく織り交ぜられた理由は、ここにあったのか。この漫画、学校の図書室の、ベートーヴェンの伝記の横に置いても問題ないと思う。
Excite Bit コネタ:エキサイトニュース:ベートーヴェンの意外な素顔をマンガで楽しむ『運命と呼ばないで』
 ↑NAXOS担当さんへのインタビューや裏話などが読めます。

 いきいきとしたベートーヴェンやリースたちの音楽家として…いや、人間としての物語。オススメします。最後に、私のお気に入りキャラクタはシュパンツィヒさんですwチェルニーも、あのピアノ練習曲(「100番練習曲」を途中で挫折した)のイメージしかなかったのがイメージ変わりました。チェルニーがいたからこそ、ピアノも一般市民にここまで普及したのかな…。
 まずは、ベートーヴェン作品を聴きまくりたい…。リースの作品、特にピアノ協奏曲を聴きたい…。
[PR]
by halca-kaukana057 | 2014-05-08 22:49 | 本・読書

プラハの街と森より プラハ放送交響楽団日本ツアー

 なかなかプロのオーケストラ(管弦楽)のコンサートに行く機会が無い、行ける範囲でコンサートそのものがない…のですが、久しぶりに行ってきました。現在日本ツアー中のプラハ放送交響楽団。海外オケを聴くのは初めてです。海外オケを日本で、行ける範囲で聴けるのは嬉しいです。

【プログラム】
・スメタナ:連作交響詩「わが祖国」 より 第2曲「モルダウ」
・ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調 op.67 "運命"
・ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調 op95 「新世界より」
 オンドレイ・レナルト指揮/プラハ放送交響楽団

 席は後ろの方でしたが(大体いつも後ろの気がする…)、オケ全体を見渡せ、音もよく響いて届いたので問題なし。ホールに入って、最初に舞台を見たら、椅子の数が少ない。編成は小さめでした。トランペットは2本。弦セクションもそんなに人数は多くない。大丈夫なのかなと驚きましたが、問題ない。小さい編成でもホールいっぱいに豊かに音が響いていました。

 プラハ放送響の演奏を聴くのは初めてです。CDでも聴いたことが無い。チェコのオーケストラと言えばチェコ・フィル。大好きなオケのひとつです。チェコの音楽そのものが好きで、プログラムも「モルダウ」に「新世界より」とお国ものが。プラハ放送響もきっと本場の演奏なんだろうと楽しみにしていました。

 まずはスメタナ「モルダウ」。大好きな曲です。初めて通して聴いたのは中学の時、音楽の授業で。モルダウ川(ヴルダヴァ川)の流れと川のほとりの風景を描く音楽は、すぐに好きになりました。

 今回の演奏も、どの楽器も繊細かつ、きりっとしていて、雄大でもある。色彩豊かな演奏でした。この曲は、ヴィオラ泣かせの曲とも言われます。ヴァイオリンやチェロが主題のメロディーを奏でるのに対して、ヴィオラは複雑な伴奏を延々としなくてはならない。大変です。でも、この伴奏が無いと主題のメロディーが生きてこない。ヴィオラは無くてはならないパート・楽器だと痛感。金管パートの音もよかったなぁ。ホルンがいい味出してました。
 聴きながら、演奏している団員の皆さんは、普段はプラハでモルダウ川の流れを見て、モルダウ川と共に暮らしているのだろうと思いました。今演奏している「モルダウ」は、団員さんたちが普段見ているモルダウ川の姿なのかもしれない、と。スメタナの時代も、激動の歴史の時代も、そして今も。スメタナの時代の前も。流れ続けているモルダウ川。プラハ放送響の演奏が、今のプラハのモルダウ川の姿を描いているように聴こえました。音楽って凄い。

 続けてベートーヴェン5番「運命」。「ジャジャジャジャーン」も比較的軽めの、さらりとした演奏でした。3・4楽章は続けて演奏されるこの曲ですが、今回は全楽章続けて演奏していました。この曲でも、ホルンが印象的。あまり音を伸ばさないところにおっ、と思いました。そして、先ほどの「モルダウ」とメンバーはほぼ同じはずなのに、弦の響きが違う感じになっていて、驚きました。「モルダウ」は自然な感じだったのが、「運命」は厚みがある。人数が増えたわけでもないのに。指揮者も同じ。厚みはあるけど、重さはそれほどでもない。不思議です。2楽章のフルートをはじめとする木管の歌がきれいで、聞き惚れました。第4楽章は堂々と。この曲もヴィオラが伴奏でも時にメロディーでも大活躍ですね。

 休憩を挟んで、ドヴォルザーク9番「新世界より」。お国ものです。これまた大好きな曲。なんといっても第2楽章のイングリッシュホルン(コールアングレ)ソロ。木管パートがとにかくきれい。ドヴォルザークの音楽は、次から次へと魅力的なメロディーが出てきて、全部が聴きどころ。伴奏もいいなと思うところばかり。
 プラハからやってきた団員さんたちは、この曲を演奏しながら、日本からプラハを思っているのかもしれない。ドヴォルザークがアメリカから、チェコを思ってこの曲を書いたように。

 全体的にきりっと引き締まっていて、鮮やかでつややかな演奏でした。軽さと厚みをうまく切り替えている。「新世界より」の第4楽章の金管は大迫力で。トランペット2本でもあんな音が出るとは驚いた。編成が小さめだから、小回りが利く(?)のかもしれない。

 アンコールは、ドヴォルザーク:スラヴ舞曲第15番。ぐいぐいと勢いのある、迫力満点の演奏でした。弦楽器がちょっと楽しそうです。

 このプラハ放送響日本ツアーではプログラムがいくつかあるのですが、堤剛さんのドヴォルザーク・チェロ協奏曲のところも。それ聴きたかった…!ブーニンのショパン・ピアノ協奏曲第2番のところも…。でも、私が聴いたのもよかったですよ。定番曲は何回聴いても面白い。

プラハ放送交響楽団公式サイト
 チェコ語です。英語のページもあります。チェコ語は難しい…。
 そういえば、ホールに着いた時開場までまだ時間があったのですが、団員さんらしき方々がホールから出てきたりしていました。チェコ語で挨拶しようかと思ったが、チェコ語の挨拶は知らなかった…。
Wikitravel:チェコ語会話集
 発音も難しい…まず読めない…。


・過去関連記事:そんなヴィオラが大好きです スメタナ編
 「モルダウ」のヴィオラがいかに大変か…。
[PR]
by halca-kaukana057 | 2013-06-29 23:08 | 音楽

スコアさんの悠々な日々 今週の「クインテット」

 今朝の「ハピリーくらしっく」は凄かった…w「音鉄」なアキラさん。京急のいわゆる「ドレミファインバーター」も、アキラさんの手にかかると…凄い方向にwヴァイオリニストの奥様・由利子さん(「クインテット」の演奏にも関わってました。CDの演奏者リストを見てね)も参加して、どんどん”音楽”、更に「ムーンライト・セレナーデ」も混ざって…なんだこれ、凄い!朝から爆笑してましたw
 という、「クインテット」に関係あるんだか無いんだかな、今週の「クインテット」始まりです。


 ドラマパートは、シューベルト「ます」(堀内敬三訳:)。ピアノ五重奏曲として有名な楽曲ですが、元は歌曲。バリトンからソプラノまで、幅広く歌われています。ドイツ語でのものも、ドイツ語がわからなくてもその発音・響き・歌声に聴き入ります。色々な歌手で聴きたいな。でも、聴いているとドイツ語で歌ってみたいとも思うのです…。発音が怪しい…。
 日本語訳は堀内敬三訳のものが古くからありますが、新訳も色々出ているみたいです。スコアさんには、堀内敬三訳のが合いますね。
 普段はピアノで伴奏のこの歌曲ですが、「クインテット」編曲だと、ヴァイオリンやトランペット、チェロにクラリネットも加わってちょっと華やかです。ピアノが原曲の伴奏の、波打つようなメロディーを残しているところに注目ですね。

 いつものスタジオ。スコアさんが、今日はこの曲を演奏してくださいと楽譜を配っている。楽譜は「ます」。ます…豆まきで使う枡?いいえ、と「ます」を演奏。シューベルトの歌曲。スコアさんが歌います。歌った後で、「魚のマスか!」と皆納得。スコアさんは、明日マス釣りに行くのでこの曲を演奏したかった、と。皆さんも行きませんか?と誘うも…シャープ君は朝早起きして山まで行くのが大変だから、フラットさんは釣るよりも食べる方がいいから、アリアさんは釣ってきたマスをお料理します、と遠慮して行ってしまう。フラットさんとアリアさんは最後に「ます」と強調して。洒落ですなwアキラさんは…とっくにどこかへ行ってしまった。アキラさん、したたかですwひとり残されたスコアさん。釣りのたのしさを知らないなんて…とぼやき、釣りざおをえいっと振ると、何かがかかった!引いてみると…シャープ君でした。「ぼくはマスとは違います!」シャープ君までwこの時、釣りざおのリールの音は、アキラさんがラチェット(カチカチカチ…と鳴る工具)で。あれ、戻ってきた。

 翌日、シャープ君はマス釣りに連れて行かれたのかもしれない。シャープ君なら、面倒だ何だと言いながら、すぐに釣りのコツをつかんで、ハマってそう。いや、コツはつかんだけど、肝心のマスが釣れない可能性も。スコアさんの結果はいかに。

 そういえば、この歌が初登場した時、スコアさん役の斉藤晴彦さんは、同じくシューベルトの歌曲集「冬の旅」を日本語訳で歌うこともしていた…と書きました(「N響アワー」に斉藤さんがゲスト出演した時に話していました)。シューベルトの歌曲は、「冬の旅」より「菩提樹」もアリアさんが歌う回がありますね。
・その時の記事(2008.5.4)「おわびのスキャット」まつり開催中 今週のクインテット

 パート3はアニメ「おわびのスキャット」。まさに社会風刺なユーモアと皮肉に溢れた歌。爆笑しつつも、あーあ…とため息をつきたくなります。謝る時は心から謝ろうね。形だけ謝ろうとか問題外。

 コンサート前、スコアさんがモーツァルトの楽譜を読んでいる。黄緑のふちのメガネ。そこへやってきたアリアさん、そのメガネに気がついて、カッコイイですね、お似合いですねと褒める。この褒め方が上品で、さりげない。弦楽器コンビの2人は落ち着いていて、安定しています。その褒め言葉に、いえいえ見えればいいんです、とさりげない返事を返すスコアさん。勉強の邪魔をしてすみません、とアリアさんが去った後、鏡を見て「かっこいい?えへへ…」とひそかに喜ぶ。可愛い、とっても可愛いスコアさんw

 コンサートは、ベートーヴェン作曲「ピアノソナタハ短調作品13 「悲愴」」。ベートーヴェンの「悲愴」ソナタ、第2楽章です。第1楽章、第3楽章は短調の激しい曲ですが、この第2楽章はその激しさの中のつかの間の穏やかさを感じさせる曲。でも、やっぱりどこか寂しげ。フラットさんのクラリネットの音が穏やかであたたかくて、なぐさめてもらっているよう。アリアさんのスキャットも美しい。途中、アキラさんのピアノソロ部分の指アップを注目してしまいました…やっぱり。ピアノの音色も優しいなぁ。ヴァイオリンとトランペットも、主張し過ぎてないこのバランス。チェロもゆったりと支えている。いいなぁ。このアレンジ、大好きです。
 コンサート後、拍手は割愛。拍手があったほうがいいなぁ、コンサートらしくて。

 今日はスコアさん回。そしてシューベルトにベートーヴェン、スコアさんが持っていた楽譜はモーツァルトといつも以上にクラシック分多めの回でした。でも、お固くならないのが「クインテット」。その中で、異彩を放つ「おわびのスキャット」…破壊力がw対照的というかなんというかw

【追記】
 放送日ではないですが、11月19日はシューベルトの御命日。もしかしたら、これに合わせての「ます」だったのかも。

 あと、大事なことを書くのを忘れていました。来年2013年お正月、1月3日に宮川彬良&アンサンブル・ベガ・ニューイヤーコンサート(&大阪市音楽団 …!? なんですと!! 第1部はアンベガ、第2部でアンベガと市音が共演、しかも演目は「欲望と言う名の電車」…どうなるんだこれは!!!全く予想がつきません!)があるのですが、その会場・兵庫県立芸術文化センターのニュース紙に、公演記事が。その公演記事に、アンベガが「クインテット」の演奏を担当することになった顛末が書かれています。アンベガ結成の顛末も。
兵庫県立芸術文化センター:公演の詳細
 ↑日時の上にあるバナーをクリックすると、PDFファイルが開きます。そこで読めます。

 「クインテット」構想から、彬良さんがOKを出すまでの顛末はコンサートスコア集1に書かれていますが、ここに書かれているのはそのあたり、演奏をどうするか。CDを聴いた近藤康弘プロデューサーの表情…想像できますし、気持ちもわかる気がする。あの演奏を聴いたら、興奮しますよねぇ。はぁ、生で聴きたいな。…って、このニューイヤーコンサート、どうなるんだ…。気になって仕方ない!
[PR]
by halca-kaukana057 | 2012-11-17 22:07 | Eテレ・NHK教育テレビ

シャープ&フラットの凸凹友情物語・ほのぼの原点編 今週の「クインテット」

 今週は土曜日のうちに書きます。

 ドラマパートは「シャツとパンツ」。オリジナルミニミュージカル「シャツとパンツ」の第1作です。昨年度最後に続編の「帰ってきたシャツとパンツ」を放送していました。その原点がこれです。
・「帰ってきたシャツとパンツ」の回:シャープ&フラットの凸凹友情物語 今週の「クインテット」+この1年を振り返って

 お天気のよいある日。スタジオではアキラさんはいつものようにピアノの前で作曲をして、スコアさんはロッキングチェアでうたた寝をしている。おひさまポカポカ、気持ちがいい。アリアさんもご機嫌です。しかし、シャープ君とフラットさんがいない。何しているのかしら?とアリアさん。
 場面は変わってシャープ君とフラットさん。2人は洗濯物を干している。フラットさんがシャツを干し、シャープ君がパンツを干している。干す場所取りでけんかに。「またけんかしてる」アリアさんも呆れ気味。そして、フラットさんがシャツ、シャープ君がパンツで「シャツとパンツ」。途中でアリアさんも入り、仲介をするように歌う。最後は「僕たち、コンビでーす!」と仲直り。爽やかなフィナーレです。

 前も書いたけど、シャープ君とフラットさんは、よくけんかもするけど本当に仲が良いのだなぁと思う。管楽器コンビでもあるし、シャープ(♯)・フラット(♭)の音楽記号も裏を返せば同じ。「シャツとパンツ」はその2人の友情・心の動きをシンプルだけどストレートに捉えた、シャープ君とフラットさんらしさが出ている歌・ドラマだと思うのです。その原点であるこの回。和みます。

 ドラマの最後、スコアさんが「変な夢を見た」と言ってましたが…スコアさんの夢オチなの…?

 パート3は「クインテットショッピング」。ト音記号を、音符を引っ張る機関車に見立てた「トオンキ号」の回。あれ、今週も鉄道ネタが入ってる。10月14日の鉄道の日に合わせて、13日の放送で出来なかったので分割してやっているのだろうか…?
 トオンキ号があれば、音楽の旅を楽しめる。家にいても、音楽を聴けば・演奏すれば、外国も見知らぬ土地も、宇宙へも空想の世界にも行けてしまう。その作曲家が生きた時代へも。時空をも飛び越えて旅を出来る音楽。その音楽の全てが詰まった楽譜。その楽譜の音符たちを引っ張るト音記号。こう考えると、楽譜のト音記号も見方が変わる。
 姉妹品にはヘ音記号の「ヘオンキ号」も。ならば、ヴィオラで使うハ音記号の「ハオンキ号」もありますよね?

 アイキャッチもト音記号でした。このアイキャッチが好きです。

 コンサート前、アリアさんが楽譜を読んでいる。しかし、蚊がうるさい。蚊…ちょっと季節はずれですね。アリアさん、あまりのうるささに「あっち行って!!」と叫ぶ。すると、映像は蚊の目線に。アリアさんから離れた蚊は、隣のフラットさんへ。カップラーメンを食べようと待っているフラットさん。持っている箸で…パシン!
 フラットさんの超絶技巧…。アリアさんもびっくり…。フラットさんは平然とした顔をしている。フラットさんが、スナイパー…。
 しかしフラットさん、そのお箸はちゃんと洗いましょうよ!

 コンサートは、ベートーヴェン「交響曲第5番 運命」。先週のワーグナー「ニュルンベルクのマイスタージンガー 前奏曲」もですが、オーケストラでドーン!と演奏する曲を、6~7人の室内楽編成にしてしまうこの発想、そして編曲が凄い。アキラさんがピアノを演奏中、髪をバサッ!と後ろに振り上げる様がかっこいい。「ラヴァーズコンチェルト」でもあります。かっこいい。バサッ!と思い切り振っても、ちゃんと元に戻るサラツヤ髪…憧れますね(何

 ところで、この「クインテット」の前に、ラジオ・文化放送「玉川美沙ハピリー」内の、アキラさん・宮川彬良さんのレギュラーコーナー「ハピリーくらしっく」を聴いたのですが…「運命」ネタが(「どれみふぁワンダーランド」の「音楽の深読み」「運命」回の「下がるぞー」のアレ)。「クインテット」も「運命」。なにこれ!「ハピリーくらしっく」で、アキラさんの「運命」の”深読み”に大爆笑して(「どれワン」のよりも、歌詞がちょっとグレードアップしてた)、まだその余韻が残っている時に、「クインテット」で再び「運命」。狙った訳じゃないよね?wあの歌詞で歌いそうになって、困りましたw

 更に、夜18:30からはBS朝日「題名のない音楽会」アキラさんと大阪市音楽団(アキラさんとの時は「大阪市音楽Dahhhhhn!」。読み方も「だーん!」ですw)の2回目再放送。「ゲバゲバ90分」、「スーダラ節」、「私のお気に入り」、そして「大ラッパ供養」。日曜の放送を観て、録画もあるのに観てしまいました。何回でも観たい、聴きたい楽しさ。市音の皆さんの表情もいい。「私のお気に入り」の編曲も何度聴いてもカッコイイ(でも演奏するのはかなり難しいらしい)。金管楽器の寿命の話(弦楽器は古くなれば古くなるほど価値が上がるが、金管楽器は金属疲労で寿命を迎えてしまう…)に、金管楽器のはかなさや、大切なパートナーである楽器を大切にしようという演奏者の想いに胸を打たれつつ、「大ラッパ供養」でノリノリ。楽しい。
 という、アキラさんデーでございましたw
(この10月、そして11月も何かとアキラさんのテレビ・ラジオ出演とか、コンサートとか、CD発売とか、色々あるんだよなぁ…。何故か集中している。しかも、NHKより民放の方が多い気が…どうしたNHK!)
[PR]
by halca-kaukana057 | 2012-10-27 22:30 | Eテレ・NHK教育テレビ

時間は進む、止まる、戻る? 今週の「クインテット」

 まず、金曜放送の先週放送分再放送。「聖者の行進」といい、「フィガロの結婚」といい、シャープ君のトランペットが爽やかな回でした。私事ですが、この前の夜(木曜)、風邪で熱を出しまして、朝、熱が下がった後に聴いた「クインテット」の音楽は、とても爽やかでした。雑唱団「美しき青きドナウ」のハイテンション全力の歌も、愉快で楽しい。病み上がりにも「クインテット」です。


 さて、今日のクインテット。ドラマパートは「早起き時計」。新しい目覚まし時計の音を聴きたいと、時計よりも早起きしたシャープ君。しかも、その音を皆に聞かせたいとメンバーも巻き込んだ。アキラさんが非常に眠たそうな目でピアノを演奏している(それなのに、あの軽やかな演奏である)。眠い、迷惑な、とぼやいていたアリア・スコア・フラットの3人も、いつの間にか着替えて演奏している。本当にいつの間に、というぐらいの間だったwチーボーはウッドブロックで、「シンコペーテッド・クロック」みたい。さて、もうすぐ8時、時計は鳴るのはまだか…と思ったら、時計が止まっていた。あーあ…。
 シャープ君の歌の魅力が全開の回ですね。輪唱の3人も、最初は眠たいのに無理矢理起こされて投げやりな感じなのに、徐々に普段のコーラスに戻るよう。ただ、歌うんじゃない。「演技」の中に、「歌」も入ってる。

 パート3は「クインテットショッピング」ダ・カーポ編。私もダ・カーポで、人生をやり直したい…。冗談じゃなく、切実に。
 話を元に戻して、スコアさんの体験談が語られていましたが、「今だから話そう」の経歴は、「ダ・カーポ」のおかげですかねw
 「クインテットショッピング」や、アイキャッチで音楽記号を視覚・アニメで学べるのはとてもいいなと思います。今回はダル・セーニョセットもあるとありましたが、その説明もあればよかったなぁ。

 コンサート前は、チーボーのグラスで音階チャレンジ・成功編。影から見守っている4人が微笑ましい。

 コンサートはベートーヴェン「ピアノソナタ ハ短調 作品13 ”悲愴”」。ベートーヴェンの「悲愴」ソナタです。またしても今年度2度目の登場。
・前回・10月29日:食欲の秋警報 今週の「クインテット」

 今日のプログラムは、「早起き時計」で、進んでいた時計と、止まってしまった時計。クインテットショッピングで時間を巻き戻すこと、未来へジャンプすること。時間が鍵になっている回だと感じました。その最後を締めくくる「悲愴」ソナタ。止まったり、戻ったり、進んだり(通常は先へ進むのみですが)…、こんがらがった時間を少しだけ止めてくれる、ゆっくりにしてくれるような、穏やかな演奏・編曲だなと感じました。コンサートでは「悲愴」ソナタの第2楽章部分を演奏していますが、第1・3楽章は暗く激しい。しかも、ベートーヴェン作品にとって、重要なハ短調(交響曲第5番「運命」、、ピアノ協奏曲第3番、弦楽四重奏曲第4番、ヴァイオリンソナタ第7番、ピアノソナタ第32番など)。第2楽章だけは変イ長調。まさに、時をちょっとだけ止めているかのよう。
 あ、いつの間にか深読みしてましたw(いつものことだw

 あと、アキラさんのピアノアップ部分で、顔が見切れてしまっている。鍵盤の指・手からゆっくりと引いていく部分。「クインテット」は、4:3のままで終了してしまったのですが、これを16:9で見たら、違うのだろうなと感じました。ああ、16:9で撮影した「クインテット」を観たかった…うううぅぅぅぅ…。

*****

 この、「クインテット」放送終了後、NHK総合「ニュース深読み」を観ていたのですが、今日の特集・由紀さおりさんと”初音ミク”に見る日本の歌姫・世界進出の秘密で、アキラさんが登場!!面白そうなテーマだなと思って、特集の部分だけ録画していたのですが、録画してよかった!!アキラさんが由紀さおりさんのアメリカでのヒットの理由を、メロディー、調性(短調or長調)にあると分析。短調の曲を受け入れるようになったアメリカの”変化”について語っていました。いやはや、驚きました。
NHK:週刊 ニュース深読み
[PR]
by halca-kaukana057 | 2012-02-04 22:59 | Eテレ・NHK教育テレビ

食欲の秋警報 今週の「クインテット」

 先日の号外で書いたとおり、11月30日、アキラさん&クインテット声優陣によるライブが実現します!
・号外:【号外・速報】夢の”ゆうがたクインテット”ライブ、実現します!
 限定100席とのことでしたが、もう売り切れちゃったかな?行こうか考えている方は、詳しくは会場にお問い合わせを。

 では、私は平常運転の今日の放送を。
 ドラマパートは「食べすぎたのね」「おなかのへるうた」。…フラットさんも平常運用です。今日は夕方、帰宅後録画で観たのですが、その時お菓子を食べていた私。思わず食べる手を止めてしまいました…。食欲の秋、美味しいものがたくさん。更に、身体が冬に向けて栄養も蓄えようとしている。でも、蓄えすぎにはご注意!!この「食べすきたのね」、思わずたくさん食べてしまいそうな時に聴けば、食べすぎ抑制の効果があるかもしれません。私も注意報発令中です。
 食べ過ぎて、食べ物の話は聞きたくない!とひとりになるフラットさん。でも、アリア・スコア・シャープの3人の食べ物話をついつい聞きに行ってしまう…wわかるw
 あと、これから寝ようと思っている時に、twitter経由で美味しそうなデザートの画像が流れてきたり…。やめてください…
♪あ~あ~あ~涙の食いしん坊~…

 パート3は「楽器の動物園」。このテーマ曲、結構好きです。今日はたぬきのコントラバス。演奏するは、サン=サーンス「動物の謝肉祭」より「象」。コンバスソロの曲といえば、やっぱりコレですね。でも、前回のテューバで「亜麻色の髪の乙女」(ドビュッシー)みたいに、意外なところも聴いてみたいな。

 コンサート前、部屋が散らかっているのに怒っているアリアさん。お掃除当番は誰!…アリアさんでした。あるあるw

 コンサートは、ベートーヴェン作曲ピアノソナタ第8番「悲愴」より、第2楽章。ピアノで演奏したい、演奏してみたい、演奏できたら素敵だろうなと思う作品です。が、私の腕前では到底届きそうにありません。ですが、この「クインテット」版「悲愴」第2楽章を聴いていると、一緒に演奏したいなぁ…と思います。”一緒に”がポイントなんだと思います、きっと。演奏することを、心から楽しんでいるから、かなぁ。「悲愴」ソナタ第2楽章の穏やかな旋律が、じんわりと優しく心に届きます。アリアさんの美声も堪能です。
 聴くのは大好きですよ。「悲愴」ソナタ。どの演奏もいいなと思いますが、ヴィルヘルム・ケンプ盤は譲れません。

大阪フィル POPS オーケストラアルバム 第3集 エリーゼのために

宮川彬良 大阪フィルハーモニー交響楽団 BGM集コロムビアミュージックエンタテインメント


 ↑大阪フィルポップスコンサート版もあるよ!オーケストラとピアノの協演、心に沁みます。


 今週の+αは、号外を先に出したのでありません。ですが、ひとつ書かせてください。11月以降の変更後の、「宮川彬良のショータイム」の放送日がよくわかりません…。公式サイトに書かれているのですが、さっぱり追いつけていません…。とにかく、番組表をしっかりチェックしよう。
[PR]
by halca-kaukana057 | 2011-10-29 22:10 | Eテレ・NHK教育テレビ

熱血ベートーヴェン リターンズ!

 ここ数年、プロのフルオーケストラのコンサートに行く機会がありませんでした。近場でコンサートが開かれなかった。アマチュアの小編成オーケストラや、室内楽のコンサートは結構あったのですが…。ようやく、プロのフルオケのコンサートに行く機会があり、行ってきました。しかも、オーケストラは日本フィル。指揮は”炎のコバケン”こと小林研一郎さん。そう、あの熱血ベートーヴェン第7番のコンビです。コバケン&日フィル、再び!!

・前回のコバケン&日フィル:熱血ベートーヴェン

【曲目】
・グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 op.16
・ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調 op.67 「運命」

ピアノ:小林亜矢乃
小林研一郎指揮日本フィルハーモニー交響楽団

 今回のコンサートでは、協奏曲前に序曲や交響詩などの演奏がありませんでした。いきなりグリーグのピアノ協奏曲からです。なので、コンマスさんはピアノで「A(ラ)」の音を出してチューニング。このチューニングの音を聴くと、いよいよ始まるのだ…とワクワクします。何年ぶりだろう、このワクワク感。

 ピアノの小林亜矢乃さんは、コバケンの長女。なんと父娘共演です。可愛らしいお嬢さんでした。さて、グリーグのピアノ協奏曲を生で聴くのは2回目。冒頭のティンパニから、ピアノが決然と和音を奏でる。第1楽章のこの緊迫した雰囲気が好きです。緊迫しているのだけれども、木管や弦、内省的なピアノの深い音色に穏やかな暖かさも感じます。草原でそよ風に吹かれているような感じでした。ピアノも、いい意味で「協奏曲っぽくない」。突出せず、オーケストラと協同でひとつの音楽を奏でているような感じでした。そんな風に演奏に惹き込まれていたら、カデンツァでやられました。内に込めた感情・情熱をじわりじわりと外へ出し、打って変わって情熱的な演奏に。これは驚きました。もしかしたら、最初のあたりは緊張していたのかな?そのまま第2楽章へ。のどかな歌の途中に、また見え隠れする内に秘めた情熱。第3楽章はあの舞曲のような不思議なリズムの中で、ピアノも伸びやかに飛び跳ねる。オケ全部とピアノソロが全力のフィナーレでは、満天の星空の下にいるような感覚になりました。とにかく煌びやか。これはCDでは味わえない。オーケストラの生の演奏だからこそ感じられること。空気を伝わって響き渡る音に、心も震えていました。

 演奏終了後、拍手の中で、亜矢乃さんはコンマスさん達楽団員に何度もお辞儀をして握手。そして、父・研一郎さんと抱き合う一幕も。親子愛だ…微笑ましい一幕でした。若い演奏家に、もっともっと伸びていって欲しい。そう感じた演奏でした。


 休憩の後、メインのベト5「運命」。休憩時間に舞台端に片付けられていたピアノが、舞台中央に。小林さんがひとりで登場。ベートーヴェンについての解説タイムです。以前も演奏前にベト7の解説があったのですが、今回は楽団員はまだ出てきておらず、ピアノもしっかり用意。更にマイクも用意。準備万端です。
 ベートーヴェンが難聴に悩まされながらも、この「交響曲第5番」を書いたこと。ベートーヴェンとゲーテにまつわるエピソード。会うまではお互いを尊敬しあっていたのに、ゲーテとベートーヴェンの出会いは、最悪なものだった。そして、絶交にまで至ってしまう。ベートーヴェンの死後、メンデルスゾーンがゲーテの前で、交響曲第5番をピアノで演奏した。最悪の出会いで、絶交にまで至ってしまったベートーヴェンとゲーテの関係を、少しでも良くしようと思ったのだが…。結局、ゲーテはベートーヴェンに対しての考えを変えることは無かった…。かなしい話だなぁ。そんな話を、ピアノ演奏も交えながら解説。なるほどなー、と聞いていました。

 解説の後、いよいよ演奏へ。第1楽章、「ジャジャジャジャーン!」で始まる超有名曲。今回、超有名曲、定番中の定番曲だからこそ、生でオケで聴こうと思っていました。その考えは、大正解でした。第1楽章、主題の「ジャジャジャジャーン」が様々に形を変えて奏でられる。ソナチネを練習しているためか、楽曲の構造(ソナタ形式)も読み取れた。この第1楽章はベートーヴェンの「苦悩」を表現しているといわれますが、今回の演奏では、「苦悩」しているのだけれども、内に向かうような苦悩に感じられました。
 第2・3楽章は、私の大好きなヴィオラが活躍します。第2楽章では、のんびりとしたメロディーが奏でられますが、ここでヴィオラがいい味を出してます。チェロと一緒なのがちょっと残念でもありましたが…。第3楽章で、コンバス&チェロの奏でたメロディーをヴィオラが引き継ぎ、その後ヴァイオリンも一緒に奏でるあたりもヴィオラの音色がいい味出してた。ベートーヴェンやブラームス、ドヴォルザークでは、ヴィオラに美味しいメロディーが用意されていて、嬉しくなります。
 第3楽章から途切れずに第4楽章、フィナーレは凄い勢いでした。でも、全楽章を通して、弱音とパワーのバランスが絶妙。迫力はあるけれども、力で圧倒する迫力とは違う。包み込み、導いてくれるような音色、演奏でした。以前も、生で7番交響曲を聴いて印象が変わりましたが、今回も生で聴いて、5番交響曲の魅力に更に浸れました。

 ところで、この第5交響曲「運命」。トロンボーンのパートがあるのですが、出てくるのは第4楽章になってから。1~3楽章の間は、じっと待っているトロンボーンさん3人。第4楽章では待ってましたとばかりに演奏。演奏後、3人で握手したり、肩をたたきあったり、互いの健闘を称えあっていました。仲が良く微笑ましいwトロンボーンの音色も素晴らしかったよ!そして、フルート首席さんがとにかく、きれいな音色で聴き惚れました。うまいなぁ。ホルンさん4人もGJでした。アマオケでシベリウス「フィンランディア」を聞いた時、ホルンはなんて難しい楽器なんだと思いましたが、うまかった。ホルンの”職人”という感じでした。

 演奏後は拍手とブラボーの大喝采。待ってましたアンコール!
【アンコール】
・アイルランド民謡:ダニーボーイ(ロンドンデリーの歌):弦楽合奏
・ブラームス:ハンガリー舞曲第1番

 「ダニーボーイ」も「ハンガリー舞曲」もおなじみの作品。「ダニーボーイ」は「クインテット」(NHK教育・今日から「Eテレ」)版で聴き慣れていますが、弦楽合奏版もいい。心に訴えかけてくる演奏でした。「ハンガリー舞曲第1番」はバレエのような踊りをイメージした演奏でした。

 演奏後、楽団員と起立して、一礼。楽団員退場…の一方で、再びピアノが舞台中央に運ばれてくる。何がはじまるのですか…?残ったコバケンと、ヴァイオリンさん(コンマスさんのはず。2階の後ろの席だったので、よくわからず)。なんと、これから2人でもう1曲アンコールをしてくださるとのこと!大サービスです!

【アンコールその2】
・ヴィットーリオ・モンティ:チャールダーシュ(ヴァイオリンとピアノのデュオ)

 ピアノの伴奏から始まり、暗い重い音色を奏でるヴァイオリン。しかし、後半以降、非常に速いパッセージが。その技巧に魅了されました。オーケストラを聴きに来たのに、まさか器楽曲まで聴けるなんて。お得すぎます。ヴァイオリンって、あんな小さな楽器なのに、大きなホールでも全体へ音を響かせることが出来る…。凄い。演奏後、ブラボーまで飛び出すアンコールでした。

 2階の後ろの席だったため、コバケン名物の唸りは聴けませんでしたが、オケ全体と指揮を見渡せる位置だったので、どこでどの楽器が演奏しているのか、目で観て、耳と体全体で響きを受け止めることが出来ました。生のフルオケを堪能した演奏会でした。

 演奏会って、いいものですね。(しみじみ
[PR]
by halca-kaukana057 | 2011-06-01 23:23 | 音楽

ハ短調の重さと穏やかさ ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番

 先日、運転中にFMから流れてきた音楽。重厚で暗いけれども、溌剌としたオーケストラとピアノに心を奪われました。その作品は、ベートーヴェンの「ピアノ協奏曲第3番 ハ短調」op.37でした。放送されていたのは、エミール・ギレリスのピアノで、ジョージ・セル指揮ウィーン・フィルの演奏でした。

 ベートーヴェンのピアノ協奏曲の中で、この作品だけが短調。しかも、交響曲第5番「運命」やピアノソナタ第8番「悲愴」、第32番、弦楽四重奏曲第4番と同じ"ハ短調"。モーツァルトにとって重要な調性が交響曲第25番、第40番、弦楽五重奏曲第4番などの"ト短調"だったように、ベートーヴェンにとって重要な調性がハ短調。重厚で陰鬱、感情の激しさを思わせる。この「ピアノ協奏曲第3番」の第1楽章も言葉で表すとしたらそんな感じなのだが、疾風怒濤の中にいる…というわけでもない。ピアノパートからはしっとりとした落ち着きと、溌剌さのバランスを感じるし、何度も長調に転調するあたりものびのびとしていて、ゆったりと聴ける。

 第2楽章のホ長調のラルゴは、穏やかで瞑想するかのようなピアノの優しい歌にますますゆったり。第3楽章は再びハ短調…なのだが、中間部でハ長調に転調。ロンド楽章なので、主題がどう繰り返されているのかを考えながら聴いている。ハ短調の重さを振り切ったかのようなフィナーレにも圧巻。ベートーヴェンは暗から明への変容がうまいなぁとつくづく思う。

 聴いたのは3つの演奏。
・フリードリヒ・グルダのピアノでホルスト・シュタイン指揮ウィーンフィル
 ピアノ・マスターワークス(50CD)に収められていた演奏。ただ、録音が古いのが、ノイズが入っているのが残念。
・ウラディミール・アシュケナージのピアノ&指揮で、クリーヴランド管
 ベートーヴェンで弾き振りって出来るものなんだ…。溌剌としています。
・ティル・フェルナーのピアノでサー・ネヴィル・マリナー指揮アカデミー管弦楽団
 ピアニストのことはよく知らないが、優しい音を出すなぁと感じました。

 ラジオで聴いたギレリスの演奏も、もう一度ちゃんと聴きたいな。あと、グールドのピアノでカラヤン&ベルリン・フィルの盤もあるらしい。シベリウスの5番をカップリングで。どういう組み合わせなのだろう?聴いてみたいかもだ…。
[PR]
by halca-kaukana057 | 2010-02-25 22:37 | 音楽

ヴァイオリンの発見 ヤンネ・舘野コンサートに行ってきた

 去年、舘野泉さんのコンサートに行ってきたのですが、今年は舘野さんのご長男のヴァイオリニスト、ヤンネ・舘野さんのコンサートに行く機会に恵まれました。ヤンネさんと言うと、舘野泉さんが脳溢血で倒れた後、左手のピアノ曲を探してきてお父様に差し出し、ピアニストとして復帰するきっかけを作った方…という話が有名です。ヴァイオリンのコンサートも去年に続き2回目です。

・以前の記事
ピアノの可能性 舘野泉コンサートに行ってきた
ヴァイオリンはどんな音色?

 プログラムは以下。
・ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第5番ヘ長調op.24 「春」
・石田一郎:黄昏の林檎畑 遠い祭り(ピアノソロ:平原あゆみ)
       ヴァイオリン・ソナタ 第2番
・グリーグ:ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ハ短調op.45
・ラヴェル:ツィガーヌ
 ヤンネ・舘野(ヴァイオリン)/平原あゆみ(ピアノ)

 まずベートーヴェンの「春」のソナタ。実はこれまで、この曲をちゃんと聴いたことがなかった。第1楽章冒頭の朗らかなメロディーから惹きこまれた。この明るい曲想から「春」と呼ばれるようになったそうだが、なるほどその通りだと感じた。ヤンネさんのヴァイオリンは、音がとても豊かで、柔らかく美しく流れる。特に高音。ヤンネさんのヴァイオリンはとても小さく見えたのだが、そんな小さなヴァイオリンから多様な音が流れてくる。大きな音も、小さな音も、高い音も、低い音も。ヴァイオリンって魅力的な楽器だな、ヴァイオリンの音色っていいなと心から思った。第2楽章もゆったりと流れる音楽に、聴き入っていた。第3・4楽章は溌剌と、活き活きと。舘野泉さんの唯一のお弟子さんである平原さんのピアノとの絡みも楽しい。ベートーヴェンの「春」のソナタ、好きになりました。

 そのヴェートーヴェンもよかったのだが、それ以上に惹かれたのがグリーグのヴァイオリン・ソナタ第3番。CDで聴いて、好きな曲だったのですが生で演奏を聴いてますます好きになりました。グリーグの作品の魅力って何?と聴かれたら、雄大だけど繊細、力強いけれども優しい。澄んでいるけれども芯があると答えます。これがいわゆる、グリーグの叙情性なんだろうか。聴いていると、自然の中にいるように感じる。そんなグリーグの作品の魅力を堪能した演奏でした。音楽を聴いて考えるというよりも、聴いているだけでいい。音楽が自分の目の前で流れていて、それに心をゆだねている。それだけで充分。それ以外、何も要らない。そんな気持ちになりました。

 ラヴェルの「ツィガーヌ」は超絶技巧のオンパレード。ヴァイオリンのソロから始まって、しばらくしてからピアノも入りますがどちらも迫力満点の演奏。ヤンネさんも平原さんも巧い。高速のパッセージに目の覚めるようなグリッサンド。とにかく巧い。凄い凄いと圧倒されてばかりいました。

 演目を終えて拍手をしていると、ヤンネさんに連れられてなんと舘野泉さんが登場!!舘野さんも一緒に会場にいらっしゃっていたのです。会場は勿論拍手喝采。と言うわけで、親子でアンコール。

・ピアソラ:忘却
 ヤンネ・舘野(ヴァイオリン)/舘野泉(ピアノ)
・カッチーニ(吉松隆編曲):アヴェ・マリア
 舘野泉(ピアノ)

 ピアソラの「忘却」は暗く重い曲想。暗く重く寂しげなのだけれども、どこか温かさが感じられた。舘野さん親子の絆だろうか。本当に美しかった。遠い昔を懐かしんでいるような感じで、切なくなった。そして舘野さんのソロで「アヴェ・マリア」。CDでも、去年のコンサートでも聴いたが、何度聴いても美しい。また今年も聴けるなんて。嬉しくてたまらない。舘野さんもお元気そうで、本当に良かった。この2曲を聴いていたら、目頭が熱くなりました。

 ヴァイオリンという楽器が、ますます好きになったコンサートでした。とにかく、あんな小さな楽器からどうやったら多彩で豊かな音が出るのか、それが不思議でならない。ピアノとは全く違う。ヤンネさんの奏でる高音ののびのびとした美しさは忘れられません。また、今回のコンサートはこれまで聴いたことがない作品が多く、それらを楽しめたこともよかった。こうやって、好きな曲、思い入れの強い曲が増えていったら楽しいな。また舘野さん親子の演奏を聴きにいけたらいいな。
[PR]
by halca-kaukana057 | 2009-04-27 22:42 | 音楽


好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)

プロフィールを見る

S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

お知らせ・別サイト

管理人HN:(はるか)
 熱しやすく冷めにくい、何が好きになるかわからない好奇心のかたまり。このブログでは好きなものを、好き放題に語ってます。

プロフィール
*2014.9.5:更新
はてなプロフィール:遼(halca-kaukana)



web拍手を送る


ブログランキングならblogram


はてなブックマーク
Mielenkiintoinen!

気になること、関心のある記事や参考にしたサイトなどのブックマーク集。コメント多め。

◆ピアノ録音置きブログ:Satellite HALCA

☆「はやぶさ2」、小惑星リュウグウ到着!!☆
管理人・遼も小惑星探査機「はやぶさ2」を応援しています。



あかつき特設サイト
JAXA:金星探査機「あかつき」特設サイト

☆祝!「あかつき」は金星の衛星になりました☆
金星軌道上で観測中!

最新の記事

秘密の花園 /『秘密の花園..
at 2018-07-16 22:57
夏の宇宙ゼリー ローソンのリ..
at 2018-07-11 22:09
BBC Proms (プロム..
at 2018-07-10 21:41
ウドウロク
at 2018-07-06 23:07
獣の奏者 外伝 刹那
at 2018-07-03 22:05
無伴奏ソナタ [新訳版]
at 2018-06-30 21:49
はじめまして、リュウグウ 「..
at 2018-06-29 22:14
これがフィンランドの香り? ..
at 2018-06-23 21:07
わたしを離さないで
at 2018-06-16 22:04
6月の宵の三日月と金星
at 2018-06-16 21:04

カテゴリ

はじめにお読みください
プロフィール
本・読書
宇宙・天文
音楽
奏でること・うたうこと
Eテレ・NHK教育テレビ
フィンランド・Suomi/北欧
イラスト・落描き
日常/考えたこと
興味を持ったものいろいろ
旅・お出かけ
information

タグ

以前の記事

2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 09月
more...

検索