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可愛らしさの匂い

 先日読んだ「小説 日本婦道記」に関連して(?)読んだ本。

可愛らしさの匂い
光野桃/新潮社・新潮文庫/2001(単行本は「男と女 装いの向こうに」1998講談社)

 光野さんの著作は、以前「実りを待つ季節」というエッセイを読んで以来、気になっている方です。ファッション誌の編集を担当し、その後イタリアへ。帰国後、ファッションや生き方に関するエッセイなどの執筆をされている方です。本当にきれいな、柔らかな文章を書く方だなと感じています。

 私は、ファッション、おしゃれに自信がない。ファッション誌を書店や美容室で見ても、自分とは遠い世界の、それこそきれいで可愛いモデルさんたちだけの世界のものだと感じてしまって、買うことはまずない(そして買うのは科学雑誌やこのブログに挙げているような本だったりするw)。でも、身だしなみは大事だと思うし、自分も雑誌のモデルさんのようにはなれないけど、おしゃれにはなりたいと思う。自分に合うファッションを見つけたい。でも、似合う服やスタイルが未だにわからず、無難な服を着ている。また、女性らしさをストレートに主張するのも苦手だ。かといって、化粧や服に無頓着なわけではない。自分には何が似合うのだろう…。思考錯誤が続いている。

 そんな私にとって、この本は苦手な本かもしれない…と思ったが、すんなりと読めた。うんうんと頷き、共感する部分が多くあった。光野さんにとってのおしゃれとは、その人の価値観を表すもの。何を大切にして生きていきたいのか、その人の心を表すものだと。他者から「可愛い」「美しい」と評価されるため、「人からどう見られるか」を考えておしゃれをするのではない。自分自身を表すものなのだと。

 職場や街中で、心から「可愛いな」「素敵だな」と思う人に出会うことがある。朗らかな笑顔と声で応対してくれる店員さん。ハキハキと応対し、テキパキと仕事をこなす上司。さりげない、可愛らしい笑顔で「ありがとう」と返してくれる取引先の方。彼らのようになりたいと思う。笑顔で、素直に、思いやりを持って人と接することが出来たら…。でも、私はちょっとしたことでイライラして、無表情で、どうでもいいような声で仕事をしている。そんな時、自分のスタイルや価値観にもいい加減になってしまっている。自分のスタイル、価値観、そして「可愛らしさ」「素敵」であることを保つのは、なんと難しいことか。

 また、光野さんはこの本で、女性にも男性のようなたくましさや力強さ、女性のような繊細さや柔らかさなどが同居していると書いている。勿論、男性にも。
「女としての魅力と人間としての魅力は、本来、別々のものではないはずなのに、なぜ、それを一致させることが困難なことに思えるのだろう―――」
(41~42ページ)

この言葉にその通りだと思った。そして、その後にこう書かれている。
女という生き物の中に、男性的なところも、童女のようなところもいろいろあって、その割合は年齢や環境と共に変化し続けるのかもしれない。が、その様々な要素を否定することなく、すべて愛しい自分自身として受け入れて生きる。
(43ページ)

 「可愛い」「素敵だ」と思う人は、自分自身が持っている様々な要素を受け入れ、認めているから素敵なのかもしれない。人間は、多面的な生き物だ。男らしい、女らしいの二元論だけでは語れない。多面的な、様々な要素には、弱さやコンプレックスも含まれる。否定しないで、受け入れる。難しいけれども、それは真に自分自身と向き合い、自分のスタイルを大切にすることにつながるのだ。

 年齢を重ねることに関しても、光野さんはマイナスではなく、年齢を重ねたからこそできるおしゃれがあると書いている。そして、年齢を重ねたからこそわかることがある、と。私も、年齢を重ねるのが怖いと思う年齢になってきた。昔は嬉しかった誕生日も、数年前からまた老けた、また歳をとってしまったと憂鬱になる。ただ老いること、衰えることが怖いのではなく、精神的に年相応の人間になれているか、不安なのだ。その「弱さ」も、いつか許し、受け入れられるようになるだろうか…。そうなれたら嬉しい。そうなりたい。

 おしゃれは外見だけのものではない。内面を表すもの。内面を磨き、それを表現し、保ち続けるおしゃれをしていきたい。まだ自信はないけれど、自信はなくても、自分を認められるようになりたいと思う。

 自分がおしゃれについて書くなんて、くすぐったくて恥ずかしい…。書き終えて感じています。
by halca-kaukana057 | 2010-05-14 22:40 | 本・読書
 2007年に放送されたNHKスペシャル「世界里山紀行 フィンランド 森・妖精との対話」。実はこの番組には、原書があったのだそうだ。それの日本語版がこれ。



フィンランド・森の精霊と旅をする -Tree People-
リトヴァ・コヴァライネン、サンニ・セッポ/訳:柴田昌平/監修:上山美保子/プロダクション・エイシア/2009

 この本は、1997年フィンランドで「もっとも美しい本」賞に輝き、訳者の柴田氏がこの本を読み、ドキュメンタリー番組として製作することになったのだそう。写真家である著者の2人が、1990年からフィンランド各地に残る古い木とその歴史を調べてゆく。フィンランド人にとって、森とは、木とは何なのか。森や木にまつわる神話や慣習、信仰を美しい写真と共に紐解いていきます。

 フィンランドはご存知の通り、「森と湖の国」と呼ばれる。フィンランドの人々にとって、森は暮らしと切っても切れない関係。その森が誰の所有であれ、誰でも散歩したり、きのこやベリーを採取したりできる「すべての人の権利」という慣習がある。人々の生活のすぐそばにある森や木々。それにまつわる話もたくさんあります。「カレワラ」とはまた違う話もあり、とても興味深いです。「カレワラ」で「悪魔」や「死者の国」を意味する「ヒーシ(hiisi)」も、元は「聖なる森」という意味だったらしい。きっかけはキリスト教の伝来。森や木々に対する信仰から、キリスト教へと変わり、信仰の対象であった木は切り倒された。そして徐々に、かつては良きものとされた「ヒーシ」も、悪魔的なものに変わっていったのだそうだ。(と言うことは、カレワラはキリスト教の影響もあるのかも。実際、カレワラを編纂したエリアス・ロンリョートが聞き集めた話をまとめる際、創作・編集している部分もあるそうだ)

 この本に収められている木々の写真は、どれも印象的だ。どれも立派な木で、畏れ多くもある。森はいかにも静かで、写真を見ているだけなのに不思議な気持ちになる。日本で言えば、「御神木」や神社の森のよう。家々のそばには「守護の木」があり、子どもが生まれるとその子どもの「分身の木」を植える。そして代々その木を守り、後世へ伝えてゆく。また、死んだら「カルシッコ(karsikko)」という、松の木に生年と没年、イニシャルを木に刻み、死者の思い出を木に残す。木と人がつながり、共に生きている。木や森は畏れ多い存在でもあるが、身近な存在でもある。フィンランドの人々にとって、やはり木々や森は切っても切り離せない、大切な存在だと感じた。

 森や木と密接に暮らしてきたフィンランドでも、森林開発が問題になっているそうだ。自然は、環境の面、科学的な面からだけでなく、文化的な面や精神的な面からも語ることができる。人間も自然の中で、自然と共に、自然に学んで生きている。自然を大切にすることは、人間の文化や歴史、精神的なものも大切にすることができる。考え直さなければいけないことだなと感じた。

 フィンランドの人々の自然観がうかがえる、まさに「美しい本」です。ただ美しいだけではない、深く、力強い本でもあります。文章にも、写真にも引き込まれます。「読む」というよりはじっくり味わって、雰囲気に浸り、のまれる気分になります。

・以前の記事:NHKスペシャル 世界里山紀行 フィンランド(2007.8.26)
by halca-kaukana057 | 2009-08-02 22:02 | フィンランド・Suomi/北欧
 本屋でふらりと手にとって、そのまま何となく気になったので購入。「本に呼ばれる」ということがあるらしいが、今回、私はこの本に呼ばれたと読後感じている。

日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ
森下 典子/新潮社・新潮文庫/2008
(単行本は飛鳥新社/2002)

 筆者の森下さんは、大学生の時に茶道を習い始める。近所にお茶の先生がいて、母親に勧められて何となく始めた。お茶の世界はわけのわからないことばかり。がんじがらめの細かい作法に、意味のわからない動作。何回やっても間違えてばかりで、自然な動きが出来ない。それでも、森下さんは始めて以来25年、お茶を続けている。お稽古をサボりたくなる時もあるが、お稽古に行けば来て良かったと思う。人生の大きな転機で心が荒れたり悩んだりしていても、お茶に向かえば心が落ち着く。そんな森下さんが、お茶を通して感じたこと、学んだことを綴ったのがこのエッセイ。

 お茶は小学生の時、「お茶クラブ」に入ってほんの少しだけ作法を学んだことがある。帛紗(ふくさ:お茶に使う朱色のハンカチのような布)のたたみ方、お点前のいただき方ぐらい。お茶に対して、私は日本の伝統文化というイメージぐらいしか持っていない。しかし、この本を読んでイメージが変わった。

 と言っても、この本はお茶の入門書でも解説書でも無い。森下さんがお茶を通して、何かを習う・学ぶことや自然・季節を感じること、「生きる」ことそのものについて感じたことが綴られている。森下さんはお茶を
余分なものを削ぎ落とし「自分では見えない自分の成長」を実感させてくれるのが「お茶」だ。最初は自分が何をしているのかさっぱりわけがわからない。ある日を境に突然、視野が広がるところが、人生と重なるのだ。(8ページ)
と書いている。

 先日、物事・経験を積み重ねていくことについて考えたことの記事を書いた。
・先日の記事:積み重ねて繰り返して
 この本を読んで感じたのは、積み重ねと言うのものは、意識してするものじゃないのかもしれないということ。失敗ばかりしていたり、自分が何をしているのかわからないまま何かをしていても、知らない間に「何か」は自分の中に積み重なっている。それがある日意識上に出てきて、何かに気づいたり、出来なかったことが出来るようになる。ただ、そのためには長い時間が必要。長い目で見て、意識上に出てくるのを待つ。待っている間は続け、繰り返す。成長のあらわれや速さは人それぞれ。じっくりと自分と向き合って、付き合っていく。続け、繰り返す日々を大切にして。

 読んでいて、この本は自分が読みたいと思っていた本だと何度も思った。何度も何度も「同感!」と思いながら読んでいた。お茶は、私にとってはピアノに似ているなと感じたところもあった。細かい作法(=楽譜)はあるけれども、それ以外は自由。この「自由」とは何をやってもいいという意味とはちょっと違って…「競争」も理解する「制限時間」もない、「個人のあるがままを受けいれる」自由。

 うまく言葉に出来ないのだが、とにかく面白く、読後とても清々しい気持ちになった本でした。最後に、とても気に入っている部分を引用して終わりたいと思います。
「雨の日は、雨を聴きなさい。心も体もここにいなさい。あなたの五感を使って、今を一心に味わいなさい。そうすればわかるはずだ。自由になる道は、いつでも今ここにある」
 私たちはいつでも、過去を悔やんだり、まだ来てもいない未来を思い悩んでいる。どんなに悩んだところで、所詮、過ぎ去ってしまった日々へ駆け戻ることも、未来に先まわりして準備することも決してできないのに。
 過去や未来を思う限り、安心して生きることはできない。道は一つしかない。今を味わうことだ。過去も未来もなく、ただこの一瞬に没頭できた時、人間は自分がさえぎるもののない自由の中で生きていることに気づくのだ……。

 雨は、降りしきっていた。私は息づまるような感動の中に座っていた。
 雨の日は、雨を聴く。雪の日は、雪を見る。夏には、暑さを、冬には、身の切れるような寒さを味わう。……どんな日も、その日を思う存分味わう。
 お茶とは、そういう「生き方」なのだ。
 そうやって生きれば、人間はたとえ、まわりが「苦境」と呼ぶような事態に遭遇したとしても、その状況を楽しんで生きていけるのかもしれないのだ。(216~217ページ)

by halca-kaukana057 | 2009-03-26 22:45 | 本・読書
 毎号楽しみにしている「北欧スタイル」の最新号が出たのですが、その特集が「手ざわりのいい北欧デザイン」だった。ノルウェーの毛布会社・ロロスツイード社がある小さな町・ロロス(Røros)を取材、寒い北欧の冬には欠かせないブランケットを作る過程、そしてそのブランケットに込めるロロスの人々の想いが綴られている。

北欧スタイル14 (エイムック 1472)
/エイ出版社/2008


 ロロスツイードのブランケットに関して初めて知った。10ページの、人々がどうやってこのブランケットを使っているかについての文章が目に留まった。




ブランケットは、ただ室内でおとなしく"ひざ掛け"として使われるだけでなく、山へピクニックに行けば湿った地面に直接敷かれ、乳母車の中の赤ちゃんを優しく雨や雪から守り、公園でタフに子どもたちの玩具にもなる。とにかく生活道具の一部として、どこに行くにもブランケットを持参し、使い込む。「汚れたら洗えばいい」……デザインのよい上質のブランケットだが、決して"よそ行き"ではないのだ。

 人々の生活に根付き、使い込まれるブランケット。いいものだからともったいぶることなく、徹底的に使う。いいものだからこそ、徹底的に使って、そのよさを実感できるのだと思う。いいなぁ、この姿勢。デザインプロダクトと特別視していないのがいい。

 そんなロロスツイードのブランケットをはじめとして、今号では北欧の冬を彩り、生活には欠かせない暖かな小物が沢山紹介されていた(しかも全て日本で入手できるところがいい)。そんな特集を読んでいて、ふと思った。北欧の人々は、厳しい冬も楽しんでいるのだ、と。

 先日、私の地域のローカル番組で、豪雪地帯の人々の雪に対する考え方というのをある専門家が話しているのを観た。私の地域は、とにかく雪が多い。冬になると、人々の挨拶は決まって「よく降りますねぇ」。そんな地域で、雪に対する考え方が変わってきたらしい。

 昭和の中頃までは、豪雪は自然によるもの、どうしようもないものとして諦める「諦雪」という考えを人々は持っていた。それは同時に、雪を手なずけ共存する知恵を各地域で育てていったことでもあった。
 しかし、科学技術が進み、除雪機や道路が整備されると、今度は多い雪でも立ち向かおう、科学技術で何とかしようという「克雪」という考えが広まり始めた。これは雪はマイナスでしかないという考え方であり、雪・冬の厳しさに、人々は地域的な劣等感を持つようになったのだ。冬の寒さが厳しくても、温室で農業ができる。融雪で、雪かきの必要もなくなった。
 …だが、冬にも、雪にもいいところはあるのではないか。雪や冬の寒さを活用することもできるのではないか。冬を全否定するよりも、それを地域の特色と考えることも出来るのではないか。今そんな「親雪」という考えも広まり始めた。各地で「冬まつり」などのイベントを開催したり、「地吹雪体験ツアー」のように雪を観光名物にしてしまう取り組みもある。「諦雪」の時代と違うのは、「克雪」の経験も活かしていること。雪を排除し、活用するバランスをうまく保つこと。これが「親雪」の考え方だ。

 北欧では、この「諦雪」「親雪」に当たる考えが日本よりも早いうちに発達し、冬を有意義に楽しむ姿勢が受け継がれてきたのではないかと思う。例えば、フィンランドの「スキー休暇」もそのひとつに含まれるだろう。同じ"冬""寒い"と言っても、日本のものと北欧のものは異なる(雪の多さ、気温の低さなど)。ライフスタイル・生活様式に対する根本的な考え方の違いもあるだろう。だから一概に比べることはできないけれど、北欧の冬を楽しもうとする姿勢は、日本の「親雪」の考え方にとってヒントとなるものがあるんじゃないかと考えた。

 もうひとつ、厳しい寒さの環境を活かした(と思われる)例を。
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 イッタラ(iittala)の「Gaissa(ガイサ)」というシリーズのグラス。自分で買ったのではなく、友人からの頂き物なのですが、実はこのシリーズについて全く何も知らなかった。タピオ・ヴィルカラ(Tapio Wirkkala)デザインのこのグラス、底の部分にご注目。
f0079085_2259218.jpg

底の部分をひっくり返して撮影。透明なガラスが氷のように見える。フィンランド・ラップランドの山々に由来しているのだそうだ。厳しい寒さ、人を寄せ付けない冷たさと同時に、澄んだ美しさ、デザインの温かさも感じる。厳しい冬の地域だからこそ生まれたデザインだと思う。

 私の住む地域は、今日も雪。北欧の寒さもまだまだ緩まないだろう。辛い季節ではあるけれども、それをどう活かし、どう楽しむか。北欧の暮らしに、そんなヒントを見つけた気持ちになりました。

諦雪・克雪・親雪については、以下のサイトも参考にどうぞ。
克雪・利雪・親雪
今週の本棚『雪国学 地域づくりに活かす雪国の知恵』を読んで


*「Gaissa」の読み、「ガイサ」で良いんだろうか。「ガイッサ」?
by halca-kaukana057 | 2008-02-01 23:09 | フィンランド・Suomi/北欧
 「NHKスペシャル」は中学生の頃から好きな番組で、特に科学系大型シリーズ(「人体」シリーズとか、「生命 40億年はるかな旅」とか「海」とか、「宇宙 未知への大紀行」とか「地球大進化」とか…。)は見逃せないものばかり。「映像の世紀」も忘れてはいけません。

 …って、Nスペの思い出ばかり語っていないで本題。先週(今週再放送)放送された「世界里山紀行」シリーズのフィンランド編。以前ハイビジョンで放送されたものをNスペ枠に持ってきて地上波でも放送。ハイビジョンが観られない環境にいるのでありがたい。さすがはNHK。でも、ハイビジョンでは90分だったのが、地上波Nスペでは50分。カットするとは…。ナンテコッタイ。

 フィンランドはご存知のとおり森林が国土の70%を占める森の国。フィンランドの人々はずっと森と暮らしてきたのです。意外だったのが、フィンランドには手付かずの原生林がほとんど存在しないこと。人々は森を育て、森を利用して暮らしてきたのだ。松からタールを作ったり、家の木材を切ったり。しかし、フィンランドの人々はただ森を利用するだけじゃない。森への畏敬と感謝を忘れずにいる。木を切る時も、木の精霊に合図してから切る。夏至には家の中にも白樺などの木の枝を飾り、樹木の生命力の恩恵を受けようとする。サウナにもサウナの精霊がいて、自然と関わっている。日本の八百万の神みたいだな。フィンランドは他のヨーロッパ諸国と同じくキリスト教。しかし、「カレワラ」が語り継がれてきた国。人々の信仰の根底には、今もカレワラや自然の神・精霊を大切にする感情があるんだろうな。

 そんなフィンランドには不思議な習慣がある。「カルシッコ(karsikko)」という木に人の名前と生没年を記すもの。フィンランド語の綴りがわからなかったのだが、適当に検索してみたら簡単に出てきた。さすが、フィンランド語の綴りは覚えやすい。
フィンランドのウィキペディアの「カルシッコ」解説
 はい、読めません(オイ。番組に出てきたおじさんは、もう自分の木を決めていて死んだらその木に名前と生没年を刻んでもらうように頼んでいるのだそうだ。まさに木と共に生き、死後も木と共にいる。フィンランドの人々の森・自然との結びつきは、相当強固なものなんだね。

 ヒグマが森の王(タピオ)と呼ばれている、というのは初耳。タピオ(tapio)って、ヒグマのことだったの?森の神だから、全然別のものを想像していたんだが…。そのヒグマ猟のシーンも印象的。捕ったヒグマの骨を木にかけ、クマを天国へ送るのだそうだ。日本的に言うと、供養と言うわけか。


 番組のBGMのカンテレがまさにフィンランド。音楽を担当している梶浦由記さんは、アニメの曲などで活躍されているらしい。公式サイトを見ていたら、石川智晶(以前は「千亜紀」)さんとのユニット「See-Saw」として活動されていたとのこと。石川智晶さんと言えば、アニメ「ぼくらの」OP「アンインストール」。「アンインストール」がすっかり気に入ってしまったので、アルバムも買おうかと思っていたところ(はい、シングルは買いました)。See-Saw時代の音楽にも興味が出てきた。意外な所で興味の糸がつながった!

 フィンランドから話が全然違う方向にずれてしまった…。フィンランドの自然を存分に堪能できる50分でした。90分ハイビジョン版もぜひ観てみたい。9月に再放送があるらしいです。観たいなぁ…ハイビジョン観られないけど。

 最後に一言。エンディングのクレジット、フィンランド人の名前ばっかりで驚いた。当然か。
by halca-kaukana057 | 2007-08-26 21:50 | フィンランド・Suomi/北欧
 今年はグリーグ&シベリウスメモリアルイヤーってことで、この2人の作曲家を特集する雑誌が増えている。その雑誌の中から気になったものを。

スカンジナビアンスタイル vol.11 2007 winter
北欧スタイル研究会/イーストリーム/2007


 この雑誌は北欧のライフスタイルをテーマにした雑誌。それでシベリウスとグリーグ等北欧の音楽家の家を特集している。
 シベリウスは「アイノラ」はじめハメーンリナの生家やトゥルクのシベリウス博物館、ヴァーニアの別荘など。様々な本でアイノラの写真は見てきたが、この本は量が半端じゃない。しかも普段は公開されていない妻アイノさんの部屋の写真まで。これは初めて見た。11ページ、フィンランド政府から贈られたラジオとその側に置かれた椅子、そして壁いっぱいの本棚とびっしり詰まった本の写真を眺めていると、晩年はこの椅子に座って自分の曲を楽しんでいたのかなぁ…と想像できて楽しい。アイノさんの部屋も落ち着いていてきれい。アイノラは何が何でも行きたい場所だ。

 そのアイノラがあるヤルヴェンパーに、同じくフィンランドの作曲家・ヨーナス・コッコネンの家もある。コッコネンは戦後フィンランドで活躍した作曲家の一人。この「ヴィラ・コッコネン」と呼ばれるコッコネンの家、なんとあのアルヴァ・アアルトの設計。写真を見ると、シンプルで洗練されたあのアアルトのデザインに眼を奪われる。家の中にはアアルトのデザインした椅子やティートロリーが当然のように置かれている。このコッコネンの家は、まずグランドピアノの場所を決め、それを中心に設計されたと言う。コッコネンもピアノの上で楽譜を書いていたそうだ。
 この家を作ってもらったお礼に、コッコネンはアアルトにチェロ協奏曲を作曲してプレゼントしたのだそうだ。これまでコッコネンの曲はあまり聴いたことが無かったのだが、とても興味あり。アイノラに行ったらヴィラ・コッコネンも是非訪れてみたい。

 ヴィラ・コッコネンとチェロ協奏曲に関しては、suomestaさんのブログ記事が詳しいので、参考としてリンクさせていただきます。
「スオミ・フィンランドの音楽&民族文化:コッコネンのチェロ協奏曲」

 フィンランド人は家での暮らしを大切にすると聞く。家で家族と暮らすことが大切なのだそうだ。だからインテリアやデザインにも凝るし、その分野も発達する。家での暮らし大切にするのは作曲家も同じ。家を見ることで、作曲家たちの素顔が見えた気分になった。



 ついでに、フィンランド関連で話題となっているのがプロジェクト・フィンランド。フィンランド大使館による、子どもたちがフィンランドについて学習する際に使用することを目的とした学習支援サイト。フィンランドが誇る永遠のアイドル・ムーミンが教育、産業、自然、国のことなど、フィンランドについて楽しく教えてくれます。クイズに正解するとムーミンのビデオやバッヂを集められるオマケ付き。私も見てみたのだが、とても面白い。今後は歴史や文化面も充実させていってくれればと思う。さすがフィンランド、やることが違う…。
by halca-kaukana057 | 2007-06-04 22:53 | フィンランド・Suomi/北欧

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)
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