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タグ:人形劇 シャーロックホームズ ( 34 ) タグの人気記事

 もう14話…全18話なので、あと4話のNHK人形劇「シャーロックホームズ」です。第14話「百匹のおたまじゃくしの冒険」。原作は「海軍条約文書事件」(「思い出」収録)。今回は公式さんの発表まで、全く原作が予想出来ませんでした。しかし、「おたまじゃくし」がキーワードでした…原作読み返したらなるほど!と。「ホームズ」の世界、まだまだ広くて深いです。
 ちなみに、私は「海軍条約文書事件」は第18話「本当に困った校長先生の冒険」と予想していました。外れた…。となると、あれかな、これかな…?キリがないので感想へ。

 朝の221B。ワトソンが必死で数学の宿題をやっている。昨日のうちにできなかった、と。結構真面目でしっかりしているワトソンが珍しい。一方のホームズは、悠長にピロピロ笛を吹いている。宿題はやってない。最初からやる気はない。ホームズ曰く、宿題をやる苦痛を10とすると、叱られる苦痛は6、とのこと。…ホームズ君、それを世の中では屁理屈と言うのだよ…wロイロット先生がいたらなんと言うことやら…。そこへドアをノックする人が。ハドソン夫人かと思ったホームズ。朝は忙しいから、と断ろうとしたが、ノックの主は、アイリーン・アドラー先生。ホームズ君に話があるの。アドラー先生の声に、ホームズの態度が一変wワトソンに部屋を片付けろ!と指示。大急ぎで散らかった部屋を片付ける2人。
 ホームズが、自分から部屋を片付ける…だと…!!?いつも散らかしっぱなし、片付けることなど考えたこともないだろうホームズが!!大爆笑しましたwその片付ける動作が、とても滑らかで自然。人形劇?操演?そんなことを思わせない動き。机の上の実験道具を片付けるホームズ。本を立てて並べるワトソン。ハタキをかけ、ソファのクッションも位置を整える。途中はNHKお得意(?)の速回しでしたが(この演出がまた笑いを誘うw)、それでもぎこちなさがない、無駄のない動き。笑いつつも、操演の皆様に拍手喝采でした!

 しかも、アドラー先生が221Bに入ってくると、クールにすましたホームズ。アドラー先生の話とは、クーパー寮のバーニコットが倒れて保健室に運ばれた。目を覚ましたら、「ホームズ君を呼んでくれ」と。お昼休みでもいいから、来てくれないかな?ホームズ、断る訳がありません。

 保健室。ホームズが来てくれたことを喜ぶバーニコット。バーニコットは事件の顛末を語る。昨日の夜、美術筆で絵を描いていた。「おたまじゃくし絵画コンクール」に出品する作品。「おたまじゃくし絵画コンクール」は、毎年、各寮の代表がおたまじゃくしがテーマの絵を描いて競い合うコンクール。ビートン校の創設者・パーシー・フェルプス卿の子どもの頃のあだ名がおたまじゃくしだったことに由来している。バーニコットは今年のコンクールのクーパー寮代表に選ばれ、徹夜で絵を描いていた。「おたまじゃくし百匹」のタイトルで、99匹まで描いたところで休憩。しかし、戻ってきたら絵が無くなっていた!!そこで、扉の閉まる音。誰かが逃げてゆく。バーニコットは必死で追いかけたが、見失い、ショックで気を失ってしまった。絵の締め切りは明日。絵を見つけて欲しいとホームズに懇願するバーニコット。ホームズも依頼を受けることに。
 パーシー・フェルプスが原作では依頼人なのですが、ビートン校の創設者にしちゃいましたか!どの位前の設定にしてあるんだろう?
 バーニコットの描いていた「おたまじゃくし百匹」、凄い絵です。バーニコット、巧いなぁ。未完成、後一歩のところで盗まれるとは…。

 ここで、アドラー先生がバーニコットにお薬を。スプーンで、「あーん」と飲ませる。それをじーっと見ているホームズ…羨ましそうw
 さて、何故絵を盗んだのか。バーニコットに優勝して欲しくない。でも、破いていないから、その絵が必要なのだ、と。破くつもりだったが、よく出来た絵だったので、自分の作品としてコンクールに出すことにしたのでは。盗んだ絵で優勝したってしょうがないじゃないか、とのワトソンの問いに、そう思わない人間もいる、とホームズの答え。各寮の代表を調べてみよう。
 そこに、アドラー先生の言うことを真似て出てきたのは…マイクロフト!バーニコットの隣のベッドで寝ていた!しかも、マイクロフト、シャーロックがアドラー先生に好意を抱いているのを見抜いていた。アドラー先生に、弟が女性に興味を示すなんて珍しいことなのでよろしくお願いします、と。焦るシャーロック。マイクロフトはお腹をこわして保健室に。薬を飲んだら良くなった、と言って行ってしまった。マイクロフトは仮病(生徒会長が仮病っていいのか)。薬もはちみつ。仮病…。引っかかる。
 アドラー先生は、これまで2人が兄弟かもしれないと思っていたが、知らなかった。寮も違うのは何故?とアドラー先生に聞かれても、「その話はやめましょう」さすがのアドラー先生にも話せない程のことなんだな…。

 保健室にまた生徒が。7話「イヌ語通訳」でネアンデルタール人の骨を盗み、シャーマンを誘拐して犬のソフィに奪われた骨を捜していた、あのウィルスン・ケンプ。バーニコットに親しそうに話しかけ、お見舞いのお花を。ホームズを見るなり、態度が変わり、保健室を出て行く。ケンプとはどういう関係?とバーニコットに尋ねると、知り合いじゃない、今初めて話した、会ったことがなかった、と。怪しい!しかし、バーニコット、人がいいなぁ。

 ワトソンメモの、「おたまじゃくし百匹」の再現絵がめちゃくちゃ巧いのですが…ワトソン、美術部に入ったらどうだ?本格的に絵の勉強をしたほうがいいんじゃないのか?

 放課後。再び保健室へ。絵画コンクールの出場者リストを持ってきたラングデール・パイク。でもタダじゃ見せてくれない。ホームズ、ワトソンに指示して、2ペンスを払う。メモには、アーチャー寮:スタンフォード、ベイカー寮:ダンカン・ロス、クーパー寮:バーニコット、ディーラー寮:ウィルスン・ケンプ…!!絵はバーニコットとケンプがまだ提出していない。この3年間、ディーラー寮からは優勝者が出ていないから、ディーラー寮はケンプにかなり期待している、とのこと。いちいち追加料金を払うワトソン…。
 アドラー先生から、バーニコットは保健室の前で倒れていた、と聞いて、バーニコットを起こす「カバ!起きろ、カバ!!」ホームズ、また迷言をwバーニコットには部屋に帰るよう言い、ホームズとワトソンはアドラー先生に許可を貰い一晩保健室に張り込みをすることに。しかも、保健室は随分前に鍵をなくしてしまって夜も開いたまま。ホームズの推理がつながった模様。
 この許可を貰うくだりで、「私、理屈に合わないことって大好き」と笑みを浮かべるアドラー先生…さすがです。

 夜、保健室に潜むホームズとワトソン。待っている間にホームズが推理を話す。ケンプは絵を盗んで、鍵がかかっていない保健室にたまたまたどり着いた。ケンプは保健室に絵を隠して、授業の前に取りに来る予定だったが、バーニコットがいる。ケンプは絵を回収できず、まだ絵の提出も出来ていない。そして足音。ドアが開き、入ってきたのはやぱりケンプ。ベッドの下から絵を取り出し…ここで御用!ワトソンが飛びかかり、ケンプを捕まえる。力で元ラグビー部員のワトソンに敵うはずもない。絵を奪い取ったが、ケンプは逃げてしまった。
 ケンプを捕まえたワトソン。これまで、ノベライズや推理クイズブックでは、ワトソンがラグビーで鍛えた得意の高速タックルについての言及がありました。足は怪我しているけど、近距離からの素早いタックルなら得意。ノベライズ、推理クイズブックともに、これまで成功したことはなかったのですが、ついに人形劇本編で出てきました!しかも成功しました!!とても嬉しい。

 次の日の朝。221Bにはバーニコットも一緒にいる。ハドソン夫人が特製特大オムレツを作ってきてくれた。絵は?まだ食べる気になれない…。とりあえず開けて見て、と言う2人に促されて蓋を開けてみると…絵が!お礼を言うバーニコットだが…「これは僕の絵じゃない」!?「僕はこんに下手じゃない」確かに下手…。まさか、と驚く2人。ここにサインが、とよく見ると、M・H。…マイクロフト・ホームズ!やられた…!!ケンプがディーラー寮代表であることを知っていたマイクロフトは、犯人がケンプであることをすぐに分かった。仮病を使って保健室に忍び込み、バーニコットが寝ている隙に絵をすり替えた。ディーラー寮を優勝させるために。バーニコットはまだ絵を完成させていなかったから、サインはしていない。おそらく、ケンプは最後の一匹を描いて、サインをして、提出するだろう…。なんという無念。
 マイクロフトの絵…本当に下手です。ホームズ兄弟は美術が苦手なのか?ピーナッツカバといい…。

 バーニコットに謝るホームズ。でもバーニコットは絵が無事ならそれでいい、と。ケンプが優勝しても悔しくない。寧ろ嬉しい。あの絵が優勝する。描いたのは僕だと、僕は知っている。それで十分だ、と。ワトソン「見かけよりもずっと立派なカバだね」と冗談を言って、笑い合う3人。
 バーニコット…本当にいい奴だ。絵が盗まれようと、他人名義で出品されようとも、描いたのは自分自身。人が優勝するんじゃない、絵が優勝するのだから。バーニコットはその真実を知っている。真実は自分の中にある。揺らぐことなく。バーニコット、見た目も話す口調もおっとりしているけれども、確固たる信念を持った芸術家だったんだね。本当に凄い子だ。

 コンクールは、バーニコットの絵は優勝せず、ベイカー寮のダンカン・ロスの絵が優勝した。「赤毛」回の絵も素晴らしかったしなぁ。さすがダンカン・ロス。タイトルは、「赤いおたまじゃくし」。ロス、赤毛のかつらもかぶって…それもう必要なかったんじゃないの!?wもう赤毛になる必要ないだろwしかも絵も赤w「赤毛」回以降のロスが何をしていたのか気になります…。

 最後、ナレーションワトソンは「今回のホームズはいいとこ無しだ」と言うが…。ホームズはショックだったのか、仮病なのか、保健室に。寝ているホームズに、アドラー先生は栄養剤とはちみつを飲ませる。「あーん」とスプーンで。照れながらはちみつを口にするホームズ、可愛いw
 いいとこ無し、だったけど、最後には美味しいところがあったね。栄養剤になってるよ、心の。アドラー先生が飲ませてくれたはちみつで、また元気になれるよ。めげるな、ホームズ。今回はホームズを応援したくなる回でした。

 しかし、マイクロフト、またしても…。ケンプも…。マイクロフトはケンプと最初から共謀してたのかも。しかもシャーロックがアドラー先生に好意を抱いていることを知って、それも利用した。ホームズ、やられてしまいました…。バーニコットは立派だけど、やっぱり無念。しかし、ディーラー寮のケンプは絵は実際どうなんだろう。アーチャー寮のスタンフォードは「赤毛」回で美術部員だったから、絵は得意のはず。スタンフォードの絵も観たかった。ケンプは?まさか、それもマイクロフトの仕業だったというのは、深読みのし過ぎだな、多分。もう、マイクロフトは一体何なんだ!しかも、今回もホームズ兄弟の謎は明かされず。これは相当根が深いぞ。

 しかし、モリアーティ教頭が全然出てこない。全ての黒幕がマイクロフトに思えてきた…と、今は思わせているのだよね…?モリアーティ教頭の出番がないなんて…。確かに正典では、「最後の事件」と「恐怖の谷」で少し出てくる程度ですが…。

 今回のシャーロッQ!はハドソン夫人の料理から。怒ったハドソン夫人のイラストが…ハドソン夫人の紹介が酷いw

 さて、明日のBSプレミアム「ザ・プロファイラー」は、「ホームズ」の作者、アーサー・コナン・ドイルですよ。本当にNHKはとことん徹底的に「ホームズ」やってるなぁ!
NHK:ザ・プロファイラー~夢と野望の人生~

 
by halca-kaukana057 | 2015-01-20 23:18 | Eテレ・NHK教育テレビ
 人形劇本編の感想に続けて、人形劇ノベライズ3巻の感想を。人形劇「ホームズ」三昧です(正典、他の映像作品も楽しんでますよ。ちなみに後日書きますが、正典全60編読了しました!)

・1巻(1~3話収録)感想:[NHK人形劇小説版]少年シャーロック ホームズ 15歳の名探偵!! +NHK人形劇版
・2巻(4・5話収録)感想:[NHK人形劇ノベライズ]少年シャーロックホームズ 赤毛クラブの謎

【3巻収録の人形劇本編感想】
・6話「生真面目な証人の冒険」:ホームズを観察せよ、もしくはホームズ操作術 人形劇「シャーロックホームズ」第6話
・7話「イヌ語通訳の冒険」:論理的事実か幻想か 人形劇「シャーロックホームズ」第7話
・8・9話「愉快な四人組の冒険」
 恋するワトソンは前途多難? 人形劇「シャーロックホームズ」第8話
 事件に流れる不協和音、調和の終止? 人形劇「シャーロックホームズ」第9話

少年シャーロックホームズ 消えた生徒たち
アーサー・コナン・ドイル:原作/三谷幸喜:番組脚本 / 時海結以:著/千葉:絵/集英社・集英社みらい文庫/2015

 表紙はホームズ、ワトソン(ようやくワトソンのカラーイラストが!)、トビィ。可愛い。
 上記の通り、6話「生真面目な証人の冒険」、7話「イヌ語通訳の冒険」、8・9話「愉快な四人組の冒険」を収録しています。「愉快な四人組」は前後編なので入るかな?と思っていたのですが入りました。
 以前も書いた通り、人形劇本編とあらすじは同じです。でも、ノベライズは正典と同じくワトソンが執筆・語り手で完全ワトソン視点。人形劇本編にはない追加シーンや、詳しい描写も加えられています。

 人形劇本編は1話20分(実質それより少ない)。なので、どうしてもカットせざるを得ない描写や台詞、シーンが出てきてしまう。それを補うかのようなノベライズ。しかも、正典(原作)と同じようにワトソンが執筆・語り手の小説・物語であるところがいい。正典「白面の兵士」(「事件簿」収録)で、ワトスン(正典表記はこちらで)の小説的描写が気に食わないと言ったホームズに対して、ワトスンは「だったら自分で書けよ!(意訳)」と怒ってしまった。そこでホームズが自分で書いてみるのだがうまくいかない、やっぱりワトスンでないと…というのがあります(詳しくは正典で)。話はそれましたが、設定が15歳の学園もの、しかも人形劇の「ホームズ」でも、やっぱり執筆・語り手はワトソンだからこそ「ホームズ」なんだな、と感じます。

 6話から9話までは、新たな主要登場人物も登場し、ビートン校をめぐる物語の世界がまた深くなります。
 6話、レストレードとベインズ。思えば、レストレードは1・2話で登場した後、この6話まで登場していなかった。ノベライズ1巻では真面目で成績優秀な生徒が選ばれるという生活委員のレストレードが、ユーモラスな面もあり、数学のテストが5点だった…というのについてもワトソンのフォローが入ります。そしてベインズ。ベインズに対して、ホームズがどんな態度、心境でいたのかワトソン視点で語られます。ホームズの表情、視線、態度をよく観ています。観察することが大事、とホームズは言っている、特にこの3巻の6・7話では強調されることですが、ワトソンはホームズをとてもよく観察している。僅かな眼の動きも見逃していない。ワトソンも観察することを大事にしている、というわけだ。人形劇本編ではコミカルな演出になったベインズの推理劇場も、文章で書かれるとまた違う味わいになる。ラストは本編とは少し変えてあります。追加されたワトソンの想いが、今後を物語っているな、と感じます。
(遠くから観察しているよりも、直接関わるほうが、人間がわかることだって、あると思うな。ホームズは、いろんな感情を、知ったほうがいいのかもしれないよね)
(59ページより)

 しかも、観察することにかけてある。

 7話はマイクロフト。本編でもマイクロフトとシャーロック、ホームズ兄弟の仲、マイクロフトがしたことが強調され、暗い影を落とす回になりましたが、ノベライズではホームズ兄弟の心の溝、確執がより際立って描かれています。マイクロフトに対して、かなりよそよそしかったシャーロック。ここでもワトソンのホームズの僅かな変化もしっかり観察し捉え記録する力が発揮されています。そして、イヌ語を話せる人間など存在しないという事実から、事件をもみ消すマイクロフト。あがなえないシャーロック。事件後、シャーマンの飼育小屋の前でのシャーロックの言葉に本編を観た後で絶句したのですが、同じように絶句したワトソンに対してのシャーロックの反応が…本編以上に辛い。親友のワトソンにもどうにもできないものを、シャーロックは抱えている。だからこそ、その後のシーンは爽快でした。
 7話の本編の感想で、目隠しされて連れ去られても脅えたりか弱く振る舞ったりしないシャーマンを肝が据わっていると書いたのですが、実際のシャーマンは怖かった。怖いけど、強く振る舞っていたのか…。こんな心境が読めるのもノベライズのいいところ。

 8・9話は歌が鍵となる回なので、音楽が流れない本はちょっと不利?いいえ、本だからこそできる表現、そして聴覚からの情報は無くても、想像力でカバーすることだって出来ます。本編は視覚聴覚で、本は文章で、表現できるものがあります。8話のあるシーンが前袖にカラーのイラストがあります。可愛い。
 8・9話は依頼人のメアリーに一目惚れして、かっこよく見せたいけれども空回りしているワトソンを応援したくなりますが、屋根から落ちるシーン(ワトソンだけでなく)やラングデール・パイクから買った塗り薬などの詳しい描写に、本編だけではわからなかったことになるほど!と思いながら読んでいました。アドラー先生再登場のシーンでも、何かをかじっていたのは本編でわかったのですが、はっきりと何かはわからなかった。明記されています。
 自白のシーンでも、ホームズのこの台詞が気になっていたのですが、
「ボクらは敵じゃない。あなたがどんなにくやしい思いをしたか、だいたいわかっているつもりです」
(190ページ)

この「くやしい思い」がどれほどのものか…本だとじっくりと味わえます。そして、「あなたは宝物」の本当の意味、メアリー宛の差出人不明の絵葉書の謎の解決…これは、ワトソンにとってはショックだったんじゃないのか、と思っていたのですが、本編でもワトソンは微笑んでいた。ノベライズでは更に詳しい心境が語られています。ワトソン、本当に君はいい子だ…なんて優しくて素直で寛大なんだ…!
 その後のシーンは…その余韻ぶち壊しの本編では爆笑のシーンでしたが、文章で読んでも酷かったw「もはや、暴力だ!」これを読めて嬉しいですwしかも、ワトソンがこんなところで元ラガーマンスキルを発動していたり、ホームズが本編とはちょっと違う行動をしていたり、今日も平和な?221Bな描写でした。
 あと、ジョニーが見事なテノールの持ち主、と表記されていて、声楽をやっている身としては嬉しい表記でした。

 正典の特徴がもうひとつありました。物語の冒頭では、221Bでのホームズとワトスンの何気ない会話や行動が描かれることが少なくないのですが、人形劇ノベライズでも各物語の冒頭は、221Bの何気ない情景が描かれます。ワトソンは宿題や勉強をしている。一方、ホームズは相変わらず奇妙な実験をしている。化学実験に限らないところが面白い。「愉快な四人組」冒頭の実験は、わかっていても、文章で書かれると余計どんなシーンかは想像するしか無く、怪しい雰囲気で…大丈夫です。児童書ですから、すぐにネタばらしされます。

 ノベライズのお楽しみはイラスト。パペットのキャラデザを周到しつつ、アニメ調で子どもたちや若い子たちにも親しみやすく。レストレード、シャーマン、メアリーのイラストは見たかった。ベインズ、マイクロフト、ショルトー兄弟はどうなるかなと思っていましたが、うまいことアレンジしているなぁ。ロイロット先生も。
 2巻までにはあった巻末の人形劇本編の説明は無くなりました。井上文太さんのスケッチ画も載っていたのですが、3巻からはそれも無くなってしまった。残念です。

 ちなみに、この3巻は発売日は1月5日だったのですが、年末年始の書店の入荷の関係で、12月末に入手することが出来ました。twitter経由で教えていただきました。ありがとうございます。
 4巻は来月、2月5日発売です!

少年シャーロック ホームズ こわい先生たちのヒミツ (集英社みらい文庫)

コナン・ドイル / 集英社


 月一発売ですかwもう表紙も公開されています。メアリーとアガサが可愛い!
10話「失礼な似顔絵」、11話「まだらのひも」、12・13話「バスカーヴィル君と犬」の3話を収録とのこと。おお、4巻も前後編のバスカヴィル回を入れてくれるのか。嬉しいなぁ。ノベライズはおそらく全6巻になりそうです。
by halca-kaukana057 | 2015-01-15 22:24 | 本・読書
 毎週恒例、NHK人形劇「シャーロックホームズ」感想です。第13話「バスカーヴィル君と犬の冒険」(後編)。原作は引き続き「バスカヴィル家の犬」と「踊る人形」(「帰還」収録)
・12話・前編感想:どちらが本当?どちらが嘘?ワトソンの冒険 人形劇「シャーロックホームズ」第12話

 再びヘンリー・バスカーヴィルとメアリー・モースタンの前に現れたモンスタードッグ。張り込みをしていて、ワトソンとシャーマンも見た。しかも、シャーマンのイヌ語が通じない。シャーマンもモンスタードッグの言葉がわからない。

 そんな状況に、ホームズがようやく動き出しました。現場検証をするホームズ。「やっぱり君がいてくれないとだめだ」ワトソン、単独推理はやはり厳しかった。「あんな犬がこの世にいるとは思えない」とのワトソンの意見に、ホームズも「妄想ではない、でもモンスターでもない」。一体何なのか…そこでシャーマンが足跡を発見。動物の足跡だけど、イヌじゃない。ホームズも、後ろ足のほうが深い、下半身に重心がかかっている、と観察し推理。さらに、後ろ足だけで立っている足跡も。膝で立った跡もある。不思議だ。
 足跡を観察するホームズとシャーマンの一方で、ワトソンはバスカーヴィルとメアリーのもとへ。2度目も大の苦手のイヌを前に逃げ出してしまったバスカーヴィル、言い訳をw「いいんですけど、ちょっと残念です」メアリー、ズバリと言いますwそこへ再び、メアリーの幼馴染のジャック・ステイプルトンが。また化石発掘にやってきた模様。戻ってきたホームズに、ステイプルトンを紹介。ステイプルトン、ホームズを見るなり、「いい頭蓋骨をしていますね~特にこの前頭葉が僕好みだ…」とまたしても頭蓋骨マニアっぷりをwさすがのホームズも反応に困ってるw

 ステイプルトンが頭蓋骨マニアというのは、原作「バスカヴィル家の犬」では別の登場人物でのこと。ホームズを見るなり、同じようにマニアックな発言をw人物設定は変わってしまいましたが、原作を読んで、どこか不気味で奇妙だけれどもユーモラスでもあるこの頭蓋骨マニアを面白いなと思っていました。人形劇でも出てきて嬉しいですw

 ステイプルトンに会うなり、バスカーヴィル「君のせいで僕はえらい目に遭った」と。バスカーヴィルがメアリーとここに再び来たのは、メアリーの離れた心を取り戻すにはそれしかない、とステイプルトンに助言されたから。ステイプルトンを責めるバスカーヴィル。その時、何か臭い、とメアリー。何だろう…メアリーのバッグから、バスカーヴィルが探していた靴下が。バスカーヴィル、大ショック「もうだめだああああ~」と行ってしまう…あーあ…。「ひとつの恋が終わったな」ワトソン、その発言はちょっと腹黒さを感じるんですが…wあの心優しい、寛大なワトソンが…w
 そんなワトソンに、ステイプルトンが奇妙な質問を「何か苦手なものがあるの?」と。ワトソン「バナナ」えっ、意外。子どもの頃、バナナの倉庫に閉じ込められたことがあり、3日間バナナだけ食べてしのいでいた。それ以来、トラウマなんだと。バナナ…意外。それを聞いたステイプルトン
「人間って、いろんな問題を抱えて生きてるんだね」

 意味深な言葉です。

 221Bに戻ったホームズ、ワトソン、シャーマン。シャーマンが読んでいるのは、ロイロット先生が置いていった動物図鑑!!勿論、シャーマンはロイロット先生からの贈り物だとは知りません…。
 あれ、そういえばアガサがいない。アガサのことを話すと苛立つホームズ。そのホームズに、モンスタードッグが出る前に、山の向こうに人影を見たことを話すワトソンとシャーマン。そう言えば、ホームズに似てた…それは僕だ。あれ、ホームズは暗号のことでレストレードに会ったのではなかったの?ここで、その時の顛末を話すホームズ。
 暗号を前に、レストレードと話し合うホームズ。そこへ、アガサがハドソン夫人がお茶を淹れてくれたとやって来る。でも、まだ暗号が解けていない。あとちょっとで解けそうなのに…と粘るホームズ。暗号の気になる部分について考えている。しかも、最後の6文字は強い筆跡で書かれている、思い入れが強いもの…人の名前とか。そこへ割り込むアガサ「わかった、わかっちゃった!」そして解読。まさか!と書き込むホームズ…合ってる!何故読めた?と質問するも、じっと眺めていたら急に読めちゃった。前も、何とか博物館の何とかストーンを見ていたら急に読めちゃったことがある。ミルヴァートン先生もびっくりしていた、と。
 …ちょっと待った!!アガサ、天才ですかあなたは!しかも、何とか博物館の何とかストーン…大英博物館のロゼッタストーンですよねそれ!…アガサ、今すぐエジプト考古学、ヒエログリフを勉強しなさい。19世紀末イギリスではヒエログリフの研究も進んでいるから。そしてエジプトに行って遺跡や発掘した王墓のヒエログリフを読んできなさい!!と興奮気味で真剣に思ってしまったエジプト考古学好きがここに一名。…話がずれました。

 解読された暗号。それが、これ。
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 はい、前編の時点で解けましたよ。

 そしてやって来たベインズ。「ようやくたどり着いてくれましたね。私の尊敬するホームズさんなら、きっと解いてくれると思っていました」と。暗号は昔アメリカのシカゴでギャングをやっていた祖父が使っていたものを教えてもらった、と。暗号表をホームズに手渡す。ホームズに解いてほしかったのに、残念だなぁ~とまたネチネチと…。ホームズ、ベインズに2敗目…。惜しかったと言いつつ、笑いながら去ってゆくベインズ。悔しがるホームズ。アガサはマイペースで、解けたのを誉めてと言うが、ホームズの怒り、悔しさを逆撫で。暗号表を破り捨て、「君がいなければ僕にも解けたんだ。もう少しだったんだ。君さえいなければ、お願いだから僕の前から姿を消してくれ!」アガサ、悲しそうに去ってゆく…。
 ホームズが現場近くにいたのは、アガサに辛く当たってしまったから?言葉では名言されていませんが、そういうことなんでしょう。

 この暗号なのですが、疑問が。上の通り、解けたのですが、Vのところに「B?」と書いています。
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 正典「踊る人形」に出てくる文字と異なるんです!なので、最初あれ?と思ったのですが、文脈からBではなくVだとわかり、解けました。でも、まだ謎です。この正典とは違う暗号は一体どこから出てきたの!?
 検索したら、こんなサイトが。
踊る人形一覧表
桃仙堂:【落書】踊る人形の暗号一覧【ホムズ】

 「ホームズ」シリーズは既に著作権が切れているので、ネット上には自分で訳してみたものがたくさんあります。
コンプリート・シャーロック・ホームズ:踊る人形
 この訳でも、正典と同じ「踊る人形」暗号が。上の2つ、そして人形劇本編で使われた別の暗号は、一体どこから出てきたんだ!?検索して調べていますが、さっぱりわかりません。謎は解けてない!!

 話を人形劇本編に戻しまして、アガサのことはあとで何とかする、とホームズ。ホームズ、きつくあたってしまったことを反省している。仲直りしようとしている。…あのホームズが!!
 それよりも、モンスタードッグ。今度の日曜、ワトソンにメアリーをデートに誘え、と。はじめは照れているも、ホームズに言い諭されて、素直にデートに誘う、と決めるワトソン。がんばれ!場所は発掘現場。モンスタードッグではなく、もっと恐ろしいものをおびき出すため…。

 そしてデート当日。また霧が。怖くなんかない、とバスカーヴィルと同じく「森のくまさん」を歌うワトソン。あれ、普通にいい声、いい歌。あの9話「愉快な四人組」後編のラストの、「あなたは宝物」byワトソンバージョンの酷い歌声(ホームズ曰く「もはや暴力だ!!」)とは大違い。実は音痴でも何でもなかった、あの時はただ舞い上がっていただけだから?
 そこへ、「あれを見て!」出てきたのは…バナナ?モンスターバナナ!!?wなんじゃこりゃwww最初は驚き怖がるも、「来るなら来い!!」とメアリーの前に立ち、立ち向かうワトソン。バナナを投げられるも、「バナナ返し!!」と投げ返す。さすがは元ラグビー部員!ワトソンとモンスターバナナの闘いの途中、ホームズがやって来た!「もうその辺にしておけ、バナナ!」この台詞で吹きましたwバナナってwwwしかも正体はばれている、ステイプルトン!正体を暴かれ、逃げるステイプルトン…。

 ここから、ホームズの推理が明かされます。全てはステイプルトンが仕組んだこと。モンスタードッグも、シャーマンのイヌ語が通じなかった、理解できなかった、イヌじゃない。人間だった。足跡も、膝で立つところから人間が変装したものだと推理。バスカーヴィルをここにおびき寄せたのはステイプルトン。ステイプルトンは、メアリーを愛し慕っていたから。メアリーがバスカーヴィルとは付き合っていない、彼氏もいないと嘘をついたのは、そばにステイプルトンがいたから。ステイプルトンはメアリーに他の男を近寄らせたくなくて、バスカーヴィルが苦手な犬に変装、バスカーヴィルはそれを見て逃げ、バスカーヴィルの靴下を盗んでメアリーのバッグに入れておいた。メアリーがバスカーヴィルに幻滅するように。
 あれ、ということは、メアリーはバスカーヴィルに好意を抱いていたの?あら?ホームズ、またしても人の恋心を見抜きました。これで3回目か(ウィンディバンク、スモール、そしてステイプルトン)。
【加筆訂正】:ホームズが人の恋心を見抜いたのは4回目。ウィンディバンク、スモール、ロイロット先生、そしてステイプルトン。ご指摘ありがとうございます。
 
 メアリーは全てを知っていた。昔から、メアリーが男子と話していると、ステイプルトンは邪魔をしてきた。ボーイフレンドが出来れば、必ず横槍を入れる。
 ワトソンがメアリーに好意を抱いていたのも、メアリーもステイプルトンも知っていた。だから、バナナが苦手ということを聞き出し、モンスターバナナになって待ち伏せしていた。でも、ワトソンは逃げなかった。私を守ってくれた、立ち向かっていった。嬉しかった、と。ワトソンは無我夢中でよく覚えていない。とにかく、メアリーに何かあったらまずいから…ワトソン、紳士だよ。立派な勇敢な英国紳士だよ!!
 このメアリーがワトソンについて話すシーンで、9話で出てきたあのシロフォンのやさしい音楽。これはメアリーの恋のテーマなのかな。いい曲です。

 そこへ悲鳴が。ステイプルトンが、あの底なし沼にバナナの皮で滑って落ちてしまった。泥にはまって身動きできない。ホームズが指示して助けようとするも、アドバイスがお互いすれ違い、さらに沼に沈んでしまう。どうする!?ホームズ、論理的に一番いい方法を考える…と考える。そんなステイプルトンに訴えるメアリー。
私を大事に思ってくれる気持ちは嬉しいけど、お願いだからもう付きまとわないで!
私には私の人生があるの。
あなたは子どもの頃から仲良しだった。私にとっては大切な人だけど、恋人じゃない、ボーイフレンドでもない。
だってあなた、全然話を聞いてくれないじゃない!
でも、信じて。あなたは私の一番の友達よ

 このメアリーの切実な訴え…「私には私の人生がある」この言葉が特に印象に残っています。

 まだ助ける方法を思いつかないホームズ。考える考える…それを切り裂くワトソンの叫び声「僕の手につかまって!」近くにあった木をなぎ倒し、足場にして沼のステイプルトンに手を伸ばすワトソン。がんばれ!がんばって!!とステイプルトンに声をかけ励ます。そんなワトソンを「メアリー、この人は君が付き合った中で一番いい人だ」と、評価するステイプルトン。無事引き上げられたステイプルトン。ワトソン、よくやった!!メアリーもワトソンに駆け寄る。さすが元ラガーマン!ワトソンのポジションはフォワードでフッカーと1話でホームズに言われてしまいましたが、ラグビーでフッカー(背番号2)は、スクラムを組む際に一番前に位置する、がっしりとした体形で体力勝負のポジション。11話「まだら」回ではロイロット先生が捻じ曲げた火かき棒を元に戻すだけの力もある。考えるよりも、何とかしなきゃ。とにかく行動あるのみ!のワトソンの勇気ある行動。かっこいいよ、最高にかっこいいよワトソン!人形劇に限らず、正典、他の映像作品でもワトソン(正典はワトスン)好きとして嬉しいですよ!!ワトソン、本当にいい子だ。
 ステイプルトンが引き上げられてから「やはり人を呼ぶのが一番のようだ」とようやく結論を出したホームズ。…遅いよ。ホームズ、自分の世界に入ると周りのことが判らなくなるのは相変わらずです。

 221Bにはワトソンとメアリー。「大人だったらこんな時はワインで乾杯なんだろうけど」メアリー「楽しみは先に取っておきましょ」とミルクで乾杯。おお!!2人、とってもいい雰囲気!!「四つの署名」回「愉快な四人組」では報われなかったワトソンの恋、実ったか!?もう私も嬉しくて、この後牛乳で乾杯しましたw
 その一方で、ホームズが遅い、と。新しい助手を呼びに行った…と。
 ミルヴァートン先生の部屋。アガサはひとり黒いクマのぬいぐるみと一緒(あれ、このぬいぐるみ、いつ221Bから取り戻したんだろう?捜査から帰って来た後のシーンで221Bにあったよ?)。そこへ物音が。またいつものように悪い奴だったらどうしよう…と独り言を言いながら、ドアを開けると、誰もいない。壁にはあの暗号が。
AGATHA BE MY ASSISTANT SH
(アガサ 僕の助手になって SH)

 SH…シャーロック・ホームズ。喜ぶアガサ。それを見て頭をかくホームズ。照れて頭をかくホームズ!?いつもはワトソンがやることなのに!?何とまぁ…!アガサ、笑って嬉しそうにホームズの元へ。よかったね、仲直り、できたね。ホームズらしい仲直り方法です。しかもアガサだから通じる。

 221Bには、破った暗号表を張り合わせたものがありましたね。ホームズの心の成長がここまでくるとは!1話の時点では信じられませんでしたよ。自分から仲直りしようだなんて。ホームズがどんなことをしても、受け止め理解し、またホームズの足りないところを補ってくれる"親友"ワトソンと一緒に行動するようになった結果の変化なのだろうか。人間の心を、ただの心理としてもののように扱うのでは無く、自分の言動で喜んだり傷ついたりする、自分に関係のある友達の心として理解するようになって来た。ホームズがどんどん15歳の少年らしくなってゆく。これは最終回近くなったらどうなるんだろう。しかも、アガサを助手にした。アガサがホームズの推理にどう絡んでくるのかも楽しみです。一方のベインズ。このままネチネチとライバルとして挑戦し続けてくるのか?ホームズはベインズに勝てるのか?

 そういえば、前編で出てきたあの光る剛毛はなんだったのかね?回収してないよ?ノベライズを待ちましょう。多分書かれるはず。

 今回はワトソンメモは無し。シャーロッQ!はあります。今回もまた、どれもありそうな答えの選択肢。ブリキの缶詰が発明されたのは19世紀初頭だったんだ。しかも軍隊で用いられていた…昔からなんですね。それが、ピクニックにも使われるように。ホームズばりに缶詰ピクニック、春になったらやろうかねw

 次回はアドラー先生再登場!バーニコットが被害に。原作が何なのか、さっぱり見当がつきません。何だろう?

 最後に、今回は特にいいエンディングだったので、描かずにはいられなかった。
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 アガサは初描きです。髪型難しいなぁ。あと、アガサはウエストを絞ったキャラデザ。1年生ながら、スタイルいい。メアリーは少し可愛く描けるようになりました。メアリーは皆のアイドルですね。
 221Bにホームズとアガサが戻ってきた後、こんな感じだったのかな。ワトソンとメアリー…このまま両想いになれるかな、なれるよね?アガサは仲直りのちゅーをホームズに求めてそうwあり得るw
by halca-kaukana057 | 2015-01-13 23:46 | Eテレ・NHK教育テレビ
 お正月でもNHK人形劇「シャーロックホームズ」は平常運用、平常放送です。再び前後編「バスカーヴィル君と犬の冒険」(前編)。原作は「バスカヴィル家の犬」ともうひとつ、「踊る人形」(「帰還」収録)です。

 221Bに依頼人が。ディーラー寮のヘンリー・バスカーヴィル。裏山でモンスタードッグを見た、と。巨大で、目は赤く光り、巨大な口と牙、全身が青白い炎に包まれていた。この世のものとは思えない!と熱弁するも…ワトソンは聞いているが、ホームズは聞いていない。校舎の壁に書いてあった暗号を解くのに夢中になっている。ホームズの横にはアガサ。暗号解読はレストレードに頼まれた、と。ホームズ、一見すると落書きのようだが、ある一定のルールに従って書かれている。暗号をひとつ解読。その一方で、バスカーヴィルのモンスタードッグの話は、青く光る犬なんて存在しない、幻だとバッサリ。でも、バスカーヴィルは自分だけが見たのではない、もうひとり目撃者が…メアリー・モースタン。何故夜遅くメアリーも裏山に?バスカーヴィル曰く、デートをしていた、メアリーは僕の彼女だ、と。…メアリーに片想いしているワトソン、大ショック!!!
 ここで、メアリーが2年ということが判明しました。しかし、メアリーとバスカーヴィル…そんな設定、勿論原作(正典)にはありません!ジョナサン・スモールはどうした!?メアリー…一体どういうこと!?私もショックです…!!!

 ホームズは暗号解読に付きっきりなので、ワトソンが一人でバスカーヴィルの依頼を受けることに。ワトソン曰く、ホームズは意外と不器用、2つのことを同時にできないタイプ、と。そして、事件の半分は僕が解決しているようなものだから…ワトソン、話を盛ってる…。バスカーヴィルの部屋で話を聞くワトソン。メアリーとの馴れ初めを聞く。バスカーヴィルもメアリーに一目惚れ、初めてのデートだったのに…。恐竜の化石が見つかったと噂の場所にメアリーが行ってみたいと言ったので、2人でハイキングへ。帰り、すっかり暗くなってしまい、霧もでている。そこへ、例のモンスタードッグが。しかし、バスカーヴィルは大の犬嫌いで、メアリーを置いて逃げてしまった。メアリーを置いて逃げたことを非難するワトソン。でも、バスカーヴィルにとっては本当に怖かったのだ、と。
 バスカーヴィルが犬嫌いになった回想話が、かわいいイラストのアニメで描かれる。ホームズの推理の演出、ベインズの推理の演出とも違う、ユーモラスな演出。バスカーヴィルも、どこか間の抜けた、ネチネチした話し方の粘着質気質。ワトソンが振り回され気味。そのワトソンも話を盛る…依頼人を安心させようとして、気を張っているのだろうか。
 あと、バスカーヴィルの制服ですが、ベルトがチェーンだった。お金持ち、というよりは、ハードロック歌手みたいw

 では、メアリーの証言も聞いてみよう、とワトソン、メアリーに再会。メアリーにも、最近は僕一人で事件を解決することも多いんですよ、とまた話を盛る…。メアリーと会った中庭の壁にもあの暗号が。ワトソン、バスカーヴィルの証言をメアリーに間違いないか確認。メアリー「刑事さんみたい」と、ワトソンも「かっこよかった?」メアリー「ちょっと」…何だかいい雰囲気。メアリーの証言を聞こうとしたが、現場を見に行ったほうが早い、大丈夫、僕が付いている、と裏山へ。
 メアリーに確認しながら現場検証。そこに落ちていたのは、剛毛の動物の毛。そこへ、アーチャー寮の制服を着た男子生徒が。ジャック・ステイプルトン、メアリーの幼馴染で、恐竜の化石にとても詳しい。化石を探して発掘をしている。ワトソンの顔を見て、ユニークな顔をしている、頭蓋骨はどうなっているんだろう?と不思議な質問を。ここでも下膨れと言われてしまうワトソン。またですか!!ステイプルトンにもモンスタードッグの話をすると、聞いたことがある…この山には底なし沼があって、魔犬が住んでいるという…。僕は信じられない。でも、危ないから沼には近づかないほうがいい、と真剣に話す。
 ステイプルトン、話し方がとても奇妙な男子生徒です。変に笑いを抑えながら話したりもする。しかし、「沼には近づかないほうがいい」の部分は静かに、落ち着いて。何だろう…。
 メアリーがステイプルトンにワトソンを紹介する際、「ジョンでいいよ」と何度もファーストネームで呼ばせようとしたのには笑いました。メアリーと何とか距離を狭めたいワトソン。でも、今回も空回り…?

 ワトソン、再びメアリーに質問し、モンスタードッグはやはりバスカーヴィルの妄想だった、と。犬にトラウマがあった。メアリーも見たのに?それは好きな人の言った事は無条件に信じてしまうから。そして、そんなあなたを置いて逃げ出すような男らしくない奴のどこが好きなんですか?と。メアリーは、付き合っていないと否定。彼氏もいない、と。一安心するワトソンだが、メアリー、沈んだ声で「もうこの件には関わらないで欲しい。これ以上は聞かないで、首を突っ込まないで」と。いつになく強い口調のメアリー。一体何があったのだろう…?

 この時、ワトソンが、メアリーにホームズばりに言ったこの言葉
あり得ないことを全て除外していくとね、最後に残ったものがどんなにあり得ないことであったとしても、それが真実なんだよ

 これは、「緑柱石の宝冠」(「冒険」)のホームズの台詞
ありえないことを取り除くと、残ったものがどんなにありそうもないことでも、それが真実である
(Once you eliminate the impossible, whatever remains, no matter how improbable, must be the truth.)

 に由来していますね。ホームズの推理のモットーです。ちなみに、これに似た言葉は、「ブルース・パーティントン設計書」(「最後の挨拶」)、「白面の兵士」(「事件簿」)でも出てきます。

 再びバスカーヴィルに会って、メアリーの証言を話すも、バスカーヴィルはメアリーは僕の彼女だ、と言う。明日、またあの場所にデートに行くつもりだ、とも。その時、バスカーヴィルは靴下がない、と探している。

 221Bに戻ったワトソン。ホームズは暗号解読に集中。アガサもまだいる。バスカーヴィルとメアリーの、付き合っている・付き合っていないの証言が食い違うことに関して、「嘘をつく理由を持っている方が嘘をついている」、と。モンスタードッグがバスカーヴィルの妄想だ、というワトソンの推理に対しても、2人が同時に同じ妄想を見たというのは厳しい。それに、ワトソンが拾ってきた動物の毛が、青白く光っている…!!明日、バスカーヴィルがまた裏山に行くなら、ワトソンも一緒に行けばいい。ホームズは暗号のことでレストレードに会うので行けない。でも、動物のことならシャーマンがいる。シャーマンはイヌ語も話せる。
 ということで、シャーマンと一緒に裏山へ。シャーマンがどんな犬か、犬種を推理するも、情報不足。ワトソンを「使えない人だ」とバッサリ。山の向こうには人影が。誰だろうと気になるワトソン。そこへ、歌いながらやって来たバスカーヴィルとメアリー。霧も出てきて…本当にモンスタードッグが現れた!!やっぱり逃げるバスカーヴィル、立ち向かうワトソン、イヌ語で話し掛けるシャーマン…しかし、そのモンスタードッグの言葉がわからない…!?シャーマンのイヌ語が通じない、通訳出来ない。これは…犬、なのか…?
 歌いながらやって来るバスカーヴィルの歌声が、無駄にいい声でしたwトレジャーズに入れるんじゃないか?w

 さて、今回前編はワトソン回と言ってもいい回でした。色々な要素が出てきました。食い違う証言、どちらが嘘か、本当か。「嘘をつく理由」を持っているのはどちらか。また、メアリーが「この件には関わらないで欲しい」と強い口調で話したのが気になります。現場に行くシーンでも、メアリーはためらっていた。そんなメアリーの心の動きを捉えて欲しい、ワトソンに。ワトソンなら出来る…と思いたいのですが…。ひとりの捜査、推理、空回りしてしまっている…がんばれワトソン!そんなワトソンも話を盛って、嘘をついていた。ホームズがいなくても、ワトソンひとりでも依頼人には、そしてメアリーに頼りになると思わせなきゃ。これがワトソンの「嘘をつく理由」ですね。
 シャーマンがイヌ語が話せる、という設定が活きる回でもありました。原作にない展開が面白いです。

 一方のホームズは、暗号解読に熱中。「踊る人形」の暗号、私は解読できました。「踊る人形」を読めば、きっと読めます。是非チャレンジを!

 「シャーロッQ!」は、ヘンリーに届いた脅迫文からの問題。どれもありそうな選択肢でした。ホームズの観察眼と知識、本当にさすがです。

 以前メアリーのイラストを描いた時、髪型はショートカットで描いたのですが、正しくは短めのボブでしたね。ということで、また描いた。
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 似てないなぁ…。うーん…。しかし、メアリー、もてますね。ジョナサン・スモールは校外の人間だったからダメだったのか?

 イラストもうひとつ。人形劇からちょっと外れます。
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 1854年1月6日はホームズのお誕生日(と推測されています。あくまで一説で、公式設定ではありません。が、シャーロキアンたちの研究で、ほぼ有力となっています)。お誕生日おめでとうございます。人形劇ではなく、正典の挿絵を意識して描いてみた。無謀でした…。
 ちなみに、ワトソンの誕生日は、1852年7月7日、8月7日、9月18日…とはっきりしていません。海外では7月7日、日本では8月7日がよく出てくる。生まれ年も1842年の説も。こっちの方が謎だ!
by halca-kaukana057 | 2015-01-06 22:35 | Eテレ・NHK教育テレビ
 今日のNHK人形劇「シャーロックホームズ」は特別編。「シャーロックホームズ賞(アワード)」。キャラクターたちや製作スタッフを表彰しながら、番組の裏側も見せます。

 司会は、ホームズとワトソン…ワトソンは風邪でお休み。「中継:ベイカー寮」でまず笑ったwしかも、その風邪の原因が、ホームズが夜通ししていた実験のせい。夜中に風の抵抗がどうのこうの…と、かなり、迷惑そう。実験していた本人は元気で、巻き込まれたワトソンは風邪…ワトソン苦労人です…。と言うことで、ワトソンが代理に司会をお願いした、というのが、"Mr.マウント・テンプル"氏…バレバレですってwww

 今日の特別編。本放送直前特番でもそうでしたが、番組制作の舞台裏にスポットを当ててくれているのが嬉しい。
・本放送直前特番感想:NHK人形劇「シャーロックホームズ」本放送直前特番&「冒険ファンブック」

 まず、パペットの操演。操演という言葉は、人形劇業界用語…?でも、観ていると覚えますよね。何もしない、立ててあるだけの人形たちは黙っているのに、操演の方々が持つと、とたんに命が吹き込まれる。ワトソンを担当している友松さんが、ワトソンの操演について解説していたのですが、右手だけであの躍動的なワトソンの動きを表現出来るのが凄い。友松さんに命を吹き込まれたワトソンの動き、手や身体だけでなく、それに伴う服の動き、造形にも魅入ってしまいました。一方のホームズは眼の動きが重要。そしてしなやか。
 過去にも書きましたが、私は学生時代人形劇をやっていたことがありました。普段は読み聞かせなのですが、時々人形劇も。黒い服を着て、まさに今日の放送のように。本当に体力勝負。でも、実際はプロは全然違うなと感じました。

 次は音楽。待ってました!!作曲の平松加奈さん、指揮のダニエル・ハーディング氏、演奏のマーラー・チェンバー・オーケストラの演奏の様子が流れました!!テレビの前で、来た来た来た、これを観たかったんだ!と興奮していましたw
 毎回、流れる音楽には注目しています。人形に命を与えるのが操演者なら、物語に命を与えるのは音楽。音楽ひとつ違うだけで、シーンの雰囲気もガラリと変わります。そんな音楽に、マーラー・チェンバー・オーケストラという世界有数のオーケストラを起用したのは凄い。しかも、音楽監督のハーディング氏も一緒に。ハーディング氏はイギリス人、「ホームズ」のお国の方。番組内でハーディング氏のメッセージが流れたのが本当に嬉しかった。まさか日本が制作した、人形劇で学園もの、ホームズとワトソンは15歳…というこれまでにない設定の「ホームズ」に音楽で参加するとは思わなかっただろうなぁ。
 ちなみに、マーラー・チェンバー・オーケストラ(MCO)は、今年亡くなられた世界的指揮者・クラウディオ・アバドが若い演奏者を育てようと設立したオーケストラが基になっています。ハーディングもまだ若い、39歳。人形劇ホームズを観ている若い世代が、その音楽でオーケストラに親しんでくれたらいいなぁと、クラシック好きとして思います。その意味でも、若い指揮者と演奏者で構成されているオーケストラ、MCOが選ばれたのはいいなぁ、と。ハーディング氏はよく来日して、新日本フィルとの関係も深い。軽井沢大賀ホールの音楽監督もしている。MCOとの来日も多いので、今度の来日の際、機会があれば是非。

 音楽は、主題歌も忘れてはいけません。ナノさんの「Scarlet Story」。ナノさんの普通に話している声を初めて聞きました。タイトルの「Scarlet」…「緋色の研究」に絡めたミステリーの世界観に、10代の心の葛藤を加えた歌詞。2番の歌詞の一部とナノさんのコメントが出てきましたが、これは10代だけではなく、大人も頷きます。この物語を観ていて励まされることが多いのは、主題歌にも込められていたのかな。

 もう、何度も言いますが、早くサントラ聴きたいです。主題歌フル聴きたいです!

 そして、パペットデザイン。井上文太さんが、デザインについて語ってくださいました。ホームズの捜査に協力する犬・トビィのデザインについて。ただ、原作(正典)「四つの署名」に出てくる「トビー」を挿絵を元にデザインしたわけじゃなかった。脚本の三谷幸喜さんの愛犬が関係してくる。
 井上さんは子どもたちに絵を描く楽しさを伝える活動をしている。そこで、パペットのデザインも子どもたちが似顔絵を描いて親しみやすい、落描きしやすいデザインにした、と。以前このお話を聞いた時、いやいや難しいですよ!!と思ったのですが、井上さんの言葉になるほど、と思いました。
絵にうまいとか下手とかあんまないですからね。それよりもいっぱい描いてください

 何よりも絵を描いて楽しむこと。そうか…大人のうまく描こうとする気持ちよりも、まずは楽しむこと。黒板に落描きしているキャラクタたちが可愛い。ホームズも普段と違う雰囲気。可愛い。井上さん直伝のロイロット先生の描き方は面白かった。うん、ロイロット先生は楽しんで描ける。怖い先生なんだけど、憎めない。11話を観るとなおさら。あと、描く時のポイントは、顔のカタチ、目の位置、髪の色。

 これからの物語の予告も。次回12話は「バスカーヴィル君と犬の冒険」。勿論原作は「バスカヴィル家の犬」。原作の中でも特に好きな、スリリングなワクワクする物語です。第15話「青いシロクマの冒険」の原作も明らかに。そう来るか!!タイトルでそのまま予想したけど違ったか…。第16回「ダグラスさんのお屋敷の冒険」、原作は「恐怖の谷」。まだ原作読めてない…お正月中に読もう!まさかのあの人が声優に。どうなるんだろう…?
 ラストでも今後の展開がちょこちょこと出てきましたが、パイクが持ってたあのぬいぐるみは何だ?エイリアン?あのキャラクタは再登場が楽しみ。そして、モリアーティ教頭とマイクロフト…!?ホームズも、ワトソンが手をかけた瞬間…!!?どうなるんだこれは!?今後も楽しみです。

 笑いどころとしては、トビィやソフィ、ウィギンズ率いるベイカー寮遊撃隊の話していることを「字幕通訳:シャーマン」とあったのが笑ったw
 ワトソン、最後にもまた「中継:ベイカー寮」で登場するけど、風邪が…。「夜はちゃんとあったかくして寝てなきゃ駄目だ」と気遣うホームズ。いや、だからあなたのせいですから!「皆も風邪には気をつけてね、夜中に実験する奴にもね!」と言うワトソンwワトソン、次回は出たいと言うが、次回はあるんだろうか。かわいそうなワトソンのために第2弾を是非!
 ラストの山寺宏一さん無双www海外ドラマのエンディングみたいでしたw

 次回、12話「バスカーヴィル君と犬の冒険」(前編)は1月4日の放送です。予告で、まさかの、まさかの展開が…!!思わず「ワトソン!!」と叫んでしまった。どういうこと、どういうこと!?9話感想で書きましたが、三谷さん…それは無いですよ!!
 とにかく、お正月のうちに「バスカヴィル家の犬」、再読しておきます。
 今日の特別編再放送は1月3日(土)お昼12時30分からです。

 井上文太さんがどんどん描いてねと仰っていたので、今日も描いた。落描きです。
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 例のロイロット先生落描き。それをいぶかしげに観るロイロット先生初描き。ちょっとカッコよ過ぎになった?折角描き方覚えたのに、ロイロット先生いなくなっちゃったしなぁ…。
 開いたスペースにレストレードとシャーマンを。シャーマンのぷっくりぷにぷにほっぺを描けません…。
by halca-kaukana057 | 2014-12-28 23:37 | Eテレ・NHK教育テレビ
 人形劇本編は今年最後の放送(来週28日は年末特番)の、NHK人形劇「シャーロックホームズ」。第11話「まだらの紐の冒険」。先行放送の第6回です。原作は「まだらの紐」(「冒険」収録)と、本編に記述があるとおり「這う男」(「事件簿」収録)。

・先行放送第6回の感想含む過去記事:あと1週間,新発表続々 NHK人形劇「ホームズ」

 夜の221B。ホームズもワトソンも熟睡。そこへ、ドアを激しく叩く音が。目を覚ましたワトソンがドアを開けると、ハドソン夫人が叫びながら飛び込んできた。ドアを勢いよく開けたので、ワトソン、ドアに顔直撃してるw興奮したハドソン夫人絶叫。私、見ちゃったのよ!!まだらの紐~!!夜、ゴミ出しをしていたハドソン夫人が寮の外へ出た時、大きなヘビに遭遇した…と。
 この叫んだハドソン夫人、机の上の黒いものを放り投げていました。前回10話で、アガサが持ち歩いている黒いクマのぬいぐるみですね。
 翌朝、シャーマンにハドソン夫人が遭遇した大ヘビのことを話す。シャーマン、「沼毒蛇ですね」と即答。何とかして欲しいと言うハドソン夫人に、ミルクをあげてもなつかない、かまれたら10秒で死にます、と。そんな恐ろしいことをあっさりと…シャーマンはやはり肝が座っているのか。騒動を聞きつけてやって来たロイロット先生。ハドソン夫人はロイロット先生にも訴えるが、相手にしてもらえない。シャーマンに対しても、動物の鳴き声がうるさいと苦情が来ている、小屋を潰すぞ、と。そしてホームズのことも目の敵に。相変わらずです。ロイロット先生が行った後、うつむいたシャーマンは、ロイロット先生は最近何かと「小屋を潰すぞ」と言ってくる…。シャーマンにとって、動物たちは大切な友達。かなしいだろうなぁ。
 沼毒蛇はミルクをあげてもなつかない…原作(正典)「まだらの紐」に関係あるのですが、こんなあっさりと…w先行放送を観た時はまだ原作を読んだことがなかったので、さらっと流してしまいましたが、後で原作を読んで、そういうことか、と。人形劇、あっさり過ぎます!w

 場面は変わって、221B。教育実習生のヘレン・ストーナー先生が依頼にやって来た。か細く弱々しい声で、何かに脅えているよう。ストーナー先生は化学を専攻していて、ロイロット先生の指導を受け、教師になる勉強をしている。そのロイロット先生が、奇妙なのだ、と。夜、研究室で研究をしていたら、物音がして、廊下に出たら、ロイロット先生の部屋から怪しい動物が出てきた!よく見ると、ロイロット先生!?雄叫びをあげ、4本足で飛び跳ね走っている。その後、研究室をノックする音が。出てみるといつものロイロット先生。「もう寝なさい」と、ストーナー先生に告げ、行ってしまう…。
 「わけがわかりません!!」と叫び、脅え、怖がり、取り乱すストーナー先生。教育実習生で、ビートン校のこともよく知らない。ロイロット先生のことも。あのロイロット先生が奇妙な行動を?興味津々のホームズとワトソン。今夜、ストーナー先生の研究室で確かめることに。ベイカー寮を出て行くストーナー先生、とぼとぼとした歩き方。相当参ってますね。

 その直後、221Bにロイロット先生がやって来る。ストーナー先生がやって来ただろう、と問い詰めるが、はぐらかすホームズとワトソン。依頼人の秘密は守る。普段から目の敵のホームズにさらに怒ったロイロット先生、暖炉の火かき棒をぐいっと捻じ曲げてしまった!勿論、そんな脅しにはホームズは動じません。「僕たちを見くびってもらっては困ります」と、捻じ曲げられた火かき棒をワトソンに渡す。えっ、僕が?と戸惑いながらも、ワトソンも負けじと火かき棒をぐぐぐっと元に戻す。よくやった、ワトソン!!ロイロット先生、黙って221Bを出て行きます。221Bの2人。肉体労働は任せる、とワトソンにラグビーボールを投げて渡すホームズ。ワトソンも、ロイロット先生は異常だったね、と。ホームズ、ニヤリとして「今夜が楽しみだ…」。いい表情です。奇妙なことが大好きなホームズ。怖いという感情は無いのか…?そう言えば、今までも、ホームズが恐怖を表現したことは無かったような。
 原作では、このストーナーが依頼に来た後、ロイロットが221Bを訪れ2人を威嚇する。原作通りです。ホームズがはぐらかしたセリフまで原作通り。後で原作を読んで、「これかぁ!」と再び納得。「隙間風が~」のくだりも原作通りですが、人形劇だと10話とつながっていますね。なるほどこれはうまくつなげたな、と思ってしまった。でも、その後の火かき棒対決は変えてあります。15歳ホームズは細くて、動きは身軽いけれども腕力は無さそうですものね。ここは15歳ワトソンの出番。火かき棒を捻じ曲げるのは、実際かなりの力が無いと出来ないそうです。それを元に戻すのは、もっと困難なのだそう。大人のロイロット先生以上に腕力があるのか、15歳ワトソン…!!

 夜、ストーナー先生の研究室。実験器具、リトマス試験紙を興味深く見ているワトソンw子どものノリですw普段は実験器具は簡単に触れないですものね。ただ、221Bにはホームズの実験器具が沢山置いてあるし(でも触ったらホームズは怒るだろう)、ワトソンも医師の父の仕事場で見ているとは思うのですが…?
 そこへ、ドアをノックする音が。ロイロット先生。今夜も研究かね、とストーナー先生を気遣い、部屋から出ないように、と。その後、また物音と奇声が。脅えるストーナー先生。警戒し、身を寄せる3人の構図がいいシーンです。そして、大きな物音。廊下に出てみると、やはりロイロット先生が動物のように4本足で走り、跳び、暴れている。ホームズの指示でロイロット先生を追いかけるワトソン。でも、見失ってしまいました。だから、ワトソンは足の怪我で走るのがきついんじゃ…。スピード勝負の時はホームズが走ったほうが速そうなのに。

 ロイロット先生の部屋は、引っかき傷があちらこちらに付き、カーテンも破れ、本や家具も散らばり、ひどい有様。部屋には動物の図鑑が何冊も。ダンベルもある。そして、小さなはさみと毛、手鏡…鼻毛の手入れをした跡。ダンベルで筋肉を鍛え、身なりを整え、ストーナー先生の話では香水の匂いがきつくなった、と。ホームズの推理…ロイロット先生は、恋をしている、のだと。誰に…?ストーナー先生ではない。動物図鑑、動物の真似をしている、動物と言えば…シャーマン。シャーマンに事あるごとに「小屋を潰すぞ」ときつく当たっていたのは、愛情の裏返し…。
 ストーナー先生が「まさか、私?」と言ったのに対して「残念です」と言うホームズが面白い…いやひどいwしかも、ストーナー先生がホームズの肩に手を置いたのを、サッと払ったでしょうホームズ…ひどい!w

 「そのくらいにしてくれ」と戻ってきたロイロット先生。ホームズの推理通り、ロイロット先生はシャーマンを好きになってしまった。教師が生徒に…あるまじき恋。動物のことを話しているシャーマンはとても愛らしく、癒される。わかります…シャーマン可愛い、とっても可愛い。ただ、ホームズの推理は間違っている、と。シャーマンの気を引くために動物になりきろうとしたのでは無く、シャーマンが心から愛する動物になりきれば、シャーマンと心を通わすことができるかもしれない、と思ったから。この後のホームズとロイロット先生
「君にはわからんだろうな」
「わかりませんね」
「だろうな。だからお前は駄目なんだ」

この会話、そして駄目と言われた後、無言でうつむくホームズ…普段と違います。一方、ロイロット先生の恋心を知ったワトソンとストーナー先生は、想いはシャーマンに伝わっているの?告白なさるのですか?と質問。勿論伝えられないし、伝えてはならない。「私はそこまで恥知らずではない!」と断言するロイロット先生。でも、恋心は止められないんですよね…。

 その時、悲鳴が。この声はシャーマン!中庭で、シャーマンが沼毒蛇に襲われている。さすがのシャーマンもこれは恐ろしい様子。ここで、動物…エジプトマングースになりきったロイロット先生が応戦。シャーマンを沼毒蛇から救い出し、ロイロット先生、立ち向かいます。襲われても、蛇を殺さないで!と叫ぶシャーマン。ロイロット先生、ヘビに攻撃、噛み付き、ヘビは逃げてゆく。ワトソン、そっとロイロット先生にもう大丈夫ですよ、と伝える。シャーマンを保護しているホームズの元に駆け寄るワトソンとストーナー先生。今のは一体…マングースみたいだったけど…と不思議がるシャーマン。ホームズ「通りすがりのマングースでいいんじゃないかな」それでいいのかwシャーマン、素直に「マングースさん、ありがとう!」と。シャーマンには、マングースだと伝わりましたね、ロイロット先生。
 ホームズ、ストーナー先生には冷たい態度だったのに、シャーマンに対しては、抱きとめるなど親切。普段お世話になっているから…か?
 原作では、この動物のように4本足で人間が走る…あたりは「這う男」から。でも、ストーナーとロイロットは「まだらの紐」の登場人物。勿論、シャーマンは出てきません。「まだらの紐」と「這う男」。読み比べると面白いです。

 そして、ロイロット先生は辞表を提出。学校を去る際、動物図鑑は、シャーマンの飼育小屋に気付かれないようにそっと置いてゆく。勿論、ロイロット先生だとはわからないシャーマン。なんて切ないんだ…。同じことを思うワトソン。愛とは深いねぇ…、とも。一方ホームズは平然とピロピロ笛を吹いている。「興味なし?おやすみ!」相変わらずの221Bです。
 そして、ロイロット先生から生徒指導を引き継いだのは、モリアーティ教頭!夜の校内見回りで、沼毒蛇に遭遇しても、威嚇し返して追い払っている。…さすがモリアーティ教頭。そういえば、モリアーティ教頭が登場するのは1話以来。6話でレストレードがモリアーティ送りになったことはありましたが、話に出てきただけ。直接出てきたのはこの11話のラストで2回目。今後、モリアーティ教頭がどう動くのか、楽しみです。ドキドキです。


 先行放送では第6回、第5話「赤毛」の次でした。本放送では11話に。その間、様々なことがありました。ホームズとワトソンの友情も深まり、15歳のノリで笑い合える親友として、学園の探偵と相棒として、名コンビになってきました。ホームズも、ライバルのベインズが登場し、兄マイクロフトとの確執もあらわになった。推理で負ける経験もした。ワトソンは依頼人のメアリーに恋をし、まさかのライバル?が登場し、1話で面倒を避けるために自分から折れるようなことはもうしない、相手の思いを酌みながら立ち向かうようになった。お互い、成長してきた。先行放送で観て、録画でも何度も観たけれども、本放送6~10話を経て、11話としての「まだらの紐の冒険」はまた少し違う風に感じられました。

 ホームズが恋愛感情を推理し暴いたのは2度目。9話「愉快な四人組」後編以来です。ホームズは人間の心理としての恋愛感情には興味はあるけど、実際の恋愛には興味が無い(アドラー先生に対しては、恋愛感情とはちょっと違うものと捉えています)。だから、4話のサザーランド嬢とウィンディバンクの謎を解いた後のことも、9話で再登場した時も、2人のその後には興味なし。8・9話でワトソンが恋をしても、その親友が惚れた相手にもう一人惚れている男がいることも、平気で推理し暴露してしまう。そして今回、上記引用したホームズとロイロット先生のやり取り。ロイロット先生は、ホームズの何を駄目だと言ったのか。ロイロット先生は、シャーマンと心を通わせたくて動物になりきろうとした。それを、「わからない」と言ったホームズ。想い、心を通わすことが、ホームズには足りないのだ、と。一方、ワトソンとストーナー先生はロイロット先生の想いがシャーマンに伝わっているかどうか、ロイロット先生とシャーマンが心を通わせているのかを気にしている。教師が生徒に恋心を抱くなんて許されないことだけれども…。

 ホームズにとって、人間の感情に深く立ち入ることは推理の妨げになる。誰かの感情で推理を左右されてはならない。3話、アドラー先生に負けたのは観察不足で先走ったのもあるけれども、アドラー先生の感情に惑わされたのもあるかもしれない。6話、ベインズとの推理勝負に負けたのは、何かとネチネチついて来るベインズの態度に多少なりともイライラしていたからかもしれない。感情よりも、わかっている事実を大事にする。想いを、心を通わすことには興味が無い。それを支えているのはワトソンで、ワトソンと一緒に行動するようになって、感情表現も表情も豊かになってきたように思えたのですが…。まだホームズは自己完結の人間だった。親友とは言え、肉体労働はワトソンに任せ、ワトソンにロイロット先生を追わせたり、とひどく言えば使い走らせているところも。ワトソンはそれを苦としない、素直に受け止めるのでいいのですが…。これから、15歳ホームズはどう変わり、どう成長し、どこへ向かうのだろう。そんなことが気になりました。

 今回の「シャーロッQ!」は、「まだらの紐」からの出題。本編は"「這う男」より"と表記していますが、「シャーロッQ!」は「まだらの紐」からの出題というのが面白いです。

 先行放送の際、「まだら」回のイラストは描いたのですが、もう一度。以前のイラストで、ストーナー先生の上着を普通のジャケットで描いていた。正しくは白衣です。ということで。
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 実験中のストーナー先生。好きです、ストーナー先生。「冒険ファンブック」に、「アドラー先生に対抗する大人の女性」と書かれていて、ますますストーナー先生が好きになりました。アドラー先生も素敵なのですが、ストーナー先生も美人さんで素敵な女性です。今回は脅えてばかり、弱々しい雰囲気ですが、事件が解決したら落ち着いて、こんな穏やかな表情で実験し、実習を続けてほしいなぁと思いながら描きました。教育実習生ということは、大体21~23歳ぐらい?アドラー先生は26・7あたりだろうか。ストーナー先生も再登場するかなぁ。してほしいなぁ。そして無事に実習を終えて、いい先生になってほしいなぁ。

 来週は年末特番「シャーロックホームズ・アワード」。ホームズと謎の男・"マウントテンプル氏"が人形劇「ホームズ」の各賞を決めるとのこと。”マウントテンプル”…バレバレじゃないですかwゲストにデザインの井上文太さんが登場。音楽・主題歌についても触れるとのこと。本編とはまた違って楽しみです!
by halca-kaukana057 | 2014-12-23 23:07 | Eテレ・NHK教育テレビ
 思えば、もう第10話まで来たんですね、NHK人形劇「シャーロックホームズ」(全18話)。
第10話「失礼な似顔絵の冒険」。原作は、「チャールズ・オーガスタス・ミルヴァートン」(「帰還」収録)。「犯人は二人」、「恐喝王ミルヴァートン」の邦題もあります。むしろ、「犯人は二人」の邦題が一般的。何故、この邦題に?それは、本編を観てわかりました…。

 今回は、オープニング前が長めだった。221Bにやって来たのは、1話の石膏像破事件の犯人、ベッポ(ベイカー寮2年)。転校してきたばかりで、偶然通りすがったワトソンに罪を着せようとした…。「その説はご迷惑をおかけしました」と謝って、「似顔絵を取り返して欲しい」と依頼を。ベッポが持っているのはスケッチブック。中には、先生たちの似顔絵が描かれている。オルムシュタイン校長、モリアーティ教頭…似てる。ページをめくると、ホームズの似顔絵も…これはひどいw爆笑しましたw鼻を強調し過ぎ、眼はとんがっても口もおかしい。福笑いみたい。爆笑するワトソン。おいおい、親友に対していくらなんでも笑い過ぎなんじゃないのか、ワトソン。ホームズは勿論憤慨。ワトソンが笑いながら、またページをめくると、これまたおかしな似顔絵が。「まぬけな下膨れのおじさん」と笑いが止まらないワトソンに、ベッポ「あんただよ」…ひどいw落描きレベルwしかも、ベッポ「自信作なんだ」wこれには笑うホームズ。仕返しのつもりか?wワトソンは言葉を失って似顔絵を凝視…。依頼なのに、何だろうこのワイワイ賑やかな雰囲気。

 さて、本題の似顔絵を取り返す相手は、学園一怖いと嫌われている、歴史のミルヴァートン先生。歴史の授業中、似顔絵を描いていたらミルヴァートン先生に見つかって、取り上げられてしまった。ホームズも授業は受けたことはないが、ミルヴァートン先生のことは噂で怖い、と感じている模様。似顔絵なんてまた描けばいいじゃないか、というワトソンに対して、ベッポはうまく描けた絵はそうなかなか無い、と。わかる。もう捨てちゃったのでは?という質問には、それならその場で見せしめにもなるので破り捨てているはず、とホームズ。似顔絵は、ミルヴァートン先生がまだ持っている可能性が高そうです。

 こういう時は、学園の情報通・ラングデール・パイクの出番。ミルヴァートン先生について聞き出すホームズたち。これまでの、生徒に対する怖い指導の噂を語るパイク。パイクは「あくまでも噂だけどね」と言っているが、生徒たちからは嫌われているのは事実の模様。今日は、モリアーティ教頭のところへ行くらしい。…ミルヴァートンとモリアーティが一緒…正典を読んだ人なら、恐れおののいたと思います…。モリアーティも怖い相手だが、ミルヴァートンはまた違う方向で怖い…。その留守の間を狙って、ミルヴァートン先生の部屋に侵入し、似顔絵を奪い返す。今回は強硬手段のホームズ。ワトソンも少し怖がりつつも、「ホームズ行くところ、ワトソンありだ!」と一緒に行くと言い切ります。怖いけどワクワクしてきた!
 今回のパイクへのお礼は、ベッポの描いた似顔絵。パイクもそっくりでうまい。どこか不満なワトソン…w
 正典では、ミルヴァートンの家に侵入するのに、ホームズとワトスンで話し合いをするのですが、人形劇ではすんなりと決まりましたね。

 夜。マスクをつけたホームズとワトソン。正典の挿絵でも同じようなマスクをつけているのですが…バレバレですよ…。ミルヴァートン先生の部屋の鍵を、針金を使って器用に開け、中に入って引き出しを開けようとするワトソンにこういう時の引き出しの開け方を指南するホームズ。「君は泥棒にもなれるね」多分、これまでも何度かやったことがあるのだろうな…。

 その時、ミルヴァートン先生の部屋に入ってきた女子生徒が。「誰かいる?…いないよねー」と明るく独り言を言いながら、部屋の中を歩き回り…2人を見つけてしまった。その女子生徒…アガサ・ライト(ベイカー寮1年)。最初は泥棒!と騒いでいるものの、ホームズの名前を聞くと、ホームズを凝視している。アガサは何をしているのか…引っ込み思案で周りに人がいると集中できないので、ミルヴァートン先生に言われて、ひとりで補習授業を受けている。さらに続けるアガサ。「ミルヴァートン先生は皆が思っているほど悪い人じゃないよ」と。今夜も、モリアーティ教頭のところに行ったのは、校舎が老朽化し、隙間風が入ってきて生徒たちがかわいそうなので改修のお願いをしに行ったのだ、と。意外や意外。アガサ、まだ続けます。ホームズのことを見たことがある、と。ホームズも、アガサを見たことがある、と回想。「雲は何で落っこちてこないんだ?」と何度もつぶやき、疑問に思うアガサの姿。それをベンチで興味深そうに聞いているホームズ。
 正典では、アガサはミルヴァートンのメイド。名前しか出てこない、ちょい役のちょい役です。名前もファーストネームなのか、ファミリーネームなのかわからない。ホームズは鉛管工に変装して、アガサと親しくなり、ミルヴァートンの情報を聞き出した。さらにアガサと婚約までしてしまった!!事件後、原作のアガサはどうなったのかわかりません…。そのアガサが、こんな可愛いお茶目な女の子に。お茶目に見えるけれども、人前にいるのが苦手。雲の疑問からも、独特の発想の持ち主と思われます。1年生が出てきたのも初めてですね。

 ホームズとワトソンがミルヴァートン先生の部屋で探しものをしていることを知ったアガサ。力になれるかもしれない、と。似顔絵…見たことある、でも教えてあげる代わりに、交換条件。ホームズにキスを迫る!?「チューしたら教えてあげる」…大胆な子です…。ホームズ、勿論断固拒否。ワトソン「してあげなよ」おいwそんなドタバタの間に…ミルヴァートン先生が戻ってきた!うろたえるアガサ。一方ホームズは正気に戻って、ベッポの描いた似顔絵を取り返しに来た、と。ホームズ、ミルヴァートン先生にも全くひるみません。1話のモリアーティ教頭に対峙したシーンを思い出します。ミルヴァートン先生は、返して欲しければベッポ本人が来るべきだ、返さないが、と厳しい態度。さらに、ホームズとワトソンに留守の間を狙って忍び込んだな、と問い詰める。これには、アガサが慌ててフォロー。自習してたら、2人はノックをして入ってきた、と。アガサもがんばります。諦めたミルヴァートン先生、もう行け、と2人に言い放ち、おとなしく従うホームズの一方で…、今度はワトソンがミルヴァートン先生に立ち向かいます…!「何で、生徒に厳しく当たるんです?」「生徒は皆あなたを嫌っています」「あなたは本当は生徒思いの優しい先生だ」意外なワトソンの行動に、思わずえっ!?と声をあげてしまいました。

 ホームズは人や現場を観察し、推理してその人の心理を見抜く。それはワトソンには出来ない。だから、ワトソンは直接訊く。相手を怒らせないように、でも本音を引き出すように。今回、ミルヴァートン先生に対してはストレートに。この第10話で、最もドキドキしたシーンです。ワトソン…やるなぁ!
 この人形劇ではワトソンは15歳の学生。父が医師とは言え、原作ワトスンの医師スキルを15歳ワトソンは持っていません。でも、相手を思いやりながら問診するように、ホームズとも、レストレードやシャーマンたちとも、依頼人や犯人たちとも会話する。そして、ミルヴァートン先生とも。ミルヴァートン先生は本当は優しいとわかった。ならば、そのいいところを認めて引き出す。これがワトソンのやり方。

 ワトソンの問いに、ミルヴァートン先生は、それが仕事だからだ、と。学園生活は、規律を守ってこそ自由がある。それを生徒たちに教えるのが仕事。そのためなら嫌われたって構わない。実際、いますね。厳しいけれども、本当は生徒のことを思ってくれている先生。叱る時にはきちんと叱ってくれる先生。当時は嫌われ、煙たがられても、卒業し大人になると、そんな先生の存在が懐かしく、ありがたくも思います。
 でも引き下がらないワトソン「ものには限度があります!」いつになく勇敢。ミルヴァートン先生は「それが私のやり方なのだ!」とこちらも引き下がらない。まさかワトソンがミルヴァートンに立ち向かうとは思いませんでした、本当に。

 そこへ、部屋のドアを乱暴に叩き、怒鳴り声が。3人に隠れろと指示するミルヴァートン先生。やって来たのは、マスクをして棒を持ったディーラー寮の生徒2人…あの2人…バレバレですって。これまでミルヴァートン先生に厳しくされた仕返しに来た2人。ミルヴァートン先生、抵抗せず殴られる…ああ…。黙っていられない、出て行こうとしてホームズに止められるワトソン。怖がるアガサ。カーテンの隙間から、じっと見ているホームズ。2人の生徒が去った後、ミルヴァートン先生は頭に怪我をして血が。ミルヴァートン先生は、アガサにロイロット先生を呼んでくるように言いつける。残ったホームズとワトソンに再び「これが私のやり方なのだ」と言いながら、ベッポの描いた似顔絵を観る。やはり保管していた。保管していた理由…こんなにうまく描いてもらったのは初めてだ、一生の宝物にしたいところだ、と。ベッポにそう言えばいいのに、とまだ引き下がらないワトソン。しかし、ミルヴァートン先生は厳しい口調のまま、長年培ってきたイメージというものがあるのだ、と似顔絵も破いてしまう…。ああ…。このシーンで流れている音楽が、ミルヴァートン先生の心の奥を表現しているような音楽。楽器はツィターかな?ミルヴァートン先生の語りに合わせて、ぽつりぽつりと鳴ります。いい曲だ。

 殴った2人の生徒は必ず見つけ出して厳重に処罰すると言った一方で、ホームズとワトソンのことはアガサのために見逃す、と。アガサはとてもデリケートな生徒。アガサを巻き込みたくない。
 生徒に対して厳しく嫌われるミルヴァートン先生と、人前が苦手で引っ込み思案で独特の感性を持つアガサ。学園という"社会"から、孤立・疎外されている2人。だからこそ、ミルヴァートン先生はアガサのことを気にかけ補修授業もしているし、アガサもミルヴァートン先生の優しいところも知っている。お互いのことを理解し合えている。
 そう、学校は楽しいところとは限らない。現代ではアガサのように集団に馴染めない子は珍しくないですが、19世紀後半のイギリスの寄宿学校にもいたかもしれない。人形劇を観ている子どもにも、大人(親)にも、学校とは、集団生活とは、と問いかけ語りかけてくる。凄い、「犯人は二人」がこんな話になるなんて。
 だから、今回の原作の邦題を「チャールズ・オーガスタス・ミルヴァートン」にしたのか。「犯人は二人」でも、「恐喝王ミルヴァートン」でもなく。

 ミルヴァートン先生の部屋から出た2人…そこへ生活委員のレストレードと生活指導のロイロット先生が!レストレードが警部、というより、岡っ引きみたいw逃げる2人。ホームズは身軽に逃げるが、ワトソンは足の怪我のせいか、うまく走れない。追ってくるレストレードに物を投げ、命中!足は遅いけど、ラグビーで鍛えた腕は確かなようです。
 翌朝、221Bにレストレードが。頭に怪我をしている。昨夜逃げた2人のことを話す。もうひとりはどんくさくて、マスクをしてても下膨れで…ワトソン…今回も散々です…。ホームズに協力を求めるが、ホームズは拒否。相手がミルヴァートン先生なら仕方ない、自力でがんばると221Bを出て行くレストレード。がんばれレストレード。ミルヴァートン先生を殴ったあの2人を捕まえられるか…捕まえて欲しい。頼むぞレストレード。

 「今回は僕の負けだ」ホームズ、3敗目です…。絵は取り返せず、ミルヴァートン先生の心理も見抜けなかった。でも、落ち込んでいない。
「どうやら人間は僕が思っている以上に奇妙で複雑な生き物らしい。それがわかっただけでも収穫はあった」

 ホームズ、タフになりましたね。これから、さらに成長してゆくことを予感させます。そしてこの2人、いいコンビになってきましたね。お互いを補い合っている。15歳のノリで笑い合える親友としても。
 最初の頃は、「変わり者」「問題児」扱いされて、ホームズこそ学校という"社会"から疎外・孤立していた。それが今では親友も、友達も、助けてくれる人も、尊敬・敬愛している人もいる。ホームズのこれまでの成長にも目を見張るものがあります。

 そんな221Bに今度はハドソン夫人。朝ごはん…?やってきたのはアガサ!食堂で食べるのは苦手で、いつも部屋で食べている。ホームズとワトソンのことが気に入ったので、ここで食べる、と。拒否するホームズに、ミルヴァートン先生の部屋に忍び込んだことを見逃してもらったのは誰のおかげかな?とアガサ…「恐喝王ミルヴァートン」じゃなくて、「脅迫少女アガサ」じゃないですかこれでは!!w怒り、震えながら椅子を抱えるホームズ。「それは投げちゃダメでしょ」と抑えるワトソンwワトソン、お母さんですかw

 ミルヴァートン先生も学校に残っているし、アガサも今後221Bに頻繁にやってくることは確実。221Bに、アガサが持ち歩いている黒いクマのぬいぐるみがありましたね。この2人が、今後どう絡んでくるか楽しみです。ミルヴァートン先生をこのような人物に改変したからには、今後何かしらホームズとワトソンとまた会うことがありそうです。

 今回は「ワトソンメモ」も「シャーロッQ!」もあります。ワトソンメモのイラストは、ベッポの似顔絵を忠実に再現していた。ワトソンもかなりの絵の腕前である。あのひどいホームズとワトソンの似顔絵も。「僕はあんなまぬけな顔じゃない。だよね?だよね?誰かそうだと言ってくれ!」と視聴者に語りかけるのに吹きましたw今回のワトソンは、言動はマヌケじゃなかったですよ!
 今回の「シャーロッQ!」は原作を読めばわかります。でも、そこで終わる「シャーロッQ!」じゃない。そこからわかる19世紀後半のイギリス社会、文化の解説が興味深い。「シャーロッQ!」いいコーナーです。

 私もベッポに負けじと、ミルヴァートン先生描きました。
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 厳格さと優しさを同時に表現するのは難しいです…。

 次回は「まだらの紐の冒険」、先行放送第6回ですね。
by halca-kaukana057 | 2014-12-16 22:31 | Eテレ・NHK教育テレビ
 毎週日曜はNHK人形劇「シャーロックホームズ」の感想…と行きたいところですが、今日放送の10話の感想はまだ頭の中で練っている最中なので、関連本の感想をどうぞ。


NHKシャーロックホームズ 推理クイズブック
NHK「シャーロックホームズ」製作チーム:編/主婦と生活社/2014

 児童向けの推理クイズ本です。最初、児童向け、クイズ本ならいいや、とスルーしてました(ごめんなさい!)。しかし、出版社の主婦と生活社の公式ツイッターや、この本の制作に関わった方々のツイートを読んでいたら、面白そうだなと思って、読みたくなった。そして買ってしまいました。

 内容は、放送している人形劇本編では出てこない事件が20件あり、それをホームズとワトソンたちと一緒に推理して解いてゆく、というのもの。「ホームズ」原作(正典)や、人形劇ノベライズと同じように、ワトソンが語り手、ワトソン視点で書かれています(一応人形劇本編もワトソンがナレーションを務め、語り手になり、ワトソン視点ではあるのだが、映像になるとそれが薄れてしまう)。人形劇本編は「ホームズ」シリーズの物語に基づいて脚色・演出してありますが、この「推理クイズブック」は「ホームズ」シリーズそのものには基づいていない。人形劇本編のスピンオフ、「ホームズ」もののパスティーシュ(模倣)と捉えていいと思います。

 児童向け、と書きましたが、ナメてかかると痛い目に遭います。それぞれの事件、出題の執筆は、「刑事コロンボ」の研究家の町田暁雄さん、「エラリー・クイーン」シリーズの研究家の飯城勇三さん、ミステリー作家の誉田(ほんだ)龍一さん。「ホームズ」研究家で小説家の北原尚彦さんも解説で参加。ミステリー・推理小説の専門家の方々が集結。専門家が本気出して、子どもも大人も一緒に本気で解いて楽しめる推理クイズ本をつくってしまった…のがこの本。大人の本気いいぞもっとやれ!w

 初級編、中級編、上級編とどんどんレベルが上がっていきます。どのレベルでも言えるのは、本文をよく読むこと。絵があったらその絵をじっくりと観察すること。ただ見るだけではダメです(3話のアドラー先生の言葉を思い出して)。わからなかったら、紙に図などを書く。本文をよく読んで、観察して、わかったことからイメージする。落ち着いて、諦めずに。そうすれば、きっと解けます。帰納法と演繹法、論理的思考、算数・数学的思考が必要な問題もあります。でも大丈夫。落ち着いて解いてみてください。

 本文をちゃんと読まずに先走ると、3話のホームズ状態になります。痛い目に遭います。私は何度か痛い目に遭いました。アドラー先生に言い諭されて来ます…。
 あと、ここまでは考え方は合っているのに、最後の結論で間違えているというのもよくあった。「ここまでは解けたのに!!」と悔しくなる。そういえば、学生時代も数学などでそんなことがよくあったなぁ…。自分の思考の弱点に気付けます。解けた場合でも、解く上での論理の筋道が合っているかどうかに注目する。ただ解けた、正解しただけで終わらない。考える過程が大事。いい頭の体操になります。大人も全力で本気出して解きましょう!

 推理クイズだけでなく、それぞれの事件も、ひとつの物語として楽しめます。誕生日ネタ、さらにラブレターネタが多くてニヤニヤしてしまったwホームズに匿名で挑戦状が来たり、ベインズも挑戦してきます。ワトソンのアクションシーン(!!)に、ワトソンが犯人になってしまった事件も!レストレードは正典の警部のように、生活委員として学園内の不正を取り締まり、事件が起これば容疑者に事情聴取し、結構活躍しています。アドラー先生も依頼に来ますし、人形劇本編ではホームズを目の敵にしているロイロット先生やノートン先生も依頼に来ます。ノートン先生の依頼は少し切ないなぁ。オルムシュタイン校長の「大人の事情」に笑い、モリアーティ教頭からの出題には思わず「意地悪!それはずるい!!」と叫んでしまいました…。祝日には制服ではなく私服も!?残念ながらイラストは無いので、読んで各々イメージしてください。事件後のホームズの言動は、まさに正典のホームズ。そうだよ、この雰囲気だよ!と思ってしまった。

 各問題の物語を読んで、「ホームズ」の世界の広さと深さを実感しています。元々人形劇で、しかもホームズとワトソンが15歳の学園ものという異例の「ホームズ」が成り立っていることが凄いのですが、その人形劇「ホームズ」の世界はもっと広かった!「ホームズ」の世界そのものは、人形劇「ホームズ」の世界も含み包み混んでいる。これが、「ホームズ」の世界の魅力なんだろうな。それに魅せられて、ホームジアン、シャーロキアンも世界中に増え、100年以上も前の作品でも今も愛され続けているのだろう。

 推理クイズの他にも、本の中にあるパラパラ漫画や、本の内容からのクロスワードパズルもあります。パラパラ漫画のパズルは、解いて感激しました…!素敵!クロスワードパズルは、感激すると共に思わずニヤリ。本そのものに仕組まれた仕掛けが巧い。巧くつくってあります。

 人形劇本編、さらに公式ガイド「冒険ファンブック」で明かされなかったビートン校の校舎についての説明も。アーサー・コナン・ドイルや「ホームズ」正典について、舞台となる19世紀後半のイギリスの社会・文化についての解説コラムもあります。「ホームズ」正典、ならびに映像化作品の入門書にもなります。児童向けなので、オススメしている正典は、講談社青い鳥文庫の児童文庫版。
 これは、子どもたちをシャーロキアンにする気満々ですね…。大人も勿論。

 登場するキャラクターは、6話と先行放送第6回(本放送11話)まで。人形劇本編では、さらに今後も活躍するであろう重要キャラクターが出てきているので、そのキャラクターたちのエピソード・事件も読みたいなぁ。第2弾希望です。
by halca-kaukana057 | 2014-12-14 22:44 | 本・読書
 今週のNHK人形劇「シャーロックホームズ」は、先週の続き。第9話「愉快な四人組の冒険」(後編)。原作は引き続き「四つの署名」。

・「愉快な四人組の冒険」前編 感想:恋するワトソンは前途多難? 人形劇「シャーロックホームズ」第8話

 冒頭はナレーションワトソンによる前編のおさらい。事件の経緯を語るワトソン。そして、勿論一目惚れしてしまった依頼人・メアリー・モースタンのことも。…とここでおさらい映像が映写機のようなスクリーンに映されていて、ホームズが「一言多いんじゃないか?」えっ、ホームズが割り込んできた!「うるさいっ!」と照れながら反発するワトソン。ナレーションワトソンにホームズが割り込んでくる、こんな演出は初めて。冒頭から笑ってしまいました。

 夜の寮。複数の人が怒鳴り合い、叫び、殴り合い、物が割れる音がする(誰が誰だかわかってしまう文字放送…いえいえ、文字放送は助かりますよ、本当に。台詞などを正確に確認できるので。)。翌朝早く、ディーラー寮に駆け込んできたホームズとワトソン。寮の入り口には生活委員のレストレードが立っている。立ち入りを規制している。原作(正典)のレストレード警部そのもの。レストレードの話だと、生徒が2人血を流して倒れていた、と。…ショルトー兄弟か!今は保健室にいると聞いて、今度は保健室へ。保健室…アドラー先生再登場です!中に入ると、ロイロット先生が事情聴取中。ホームズ、ロイロット先生に構わずショルトー兄弟に犯人のことを聞くが、双子はそっぽを向いて、ホームズとワトソンによそよそしい態度。そんなの知らない。兄弟げんかをして怪我をしただけだ、と。えっ?何故嘘をつくんだ!?と食って掛かるワトソンだが、双子は更に怒るばかり。保健室を出る2人。…ショルトー兄弟、何か隠そうとしている?

 保健室の外、渡り廊下でアドラー先生から双子の怪我のことを聞くが、兄弟げんかで殴り合って出来たような傷じゃない、2人とも爪は伸びていなかった。さすが、アドラー先生、見抜いています。勿論ホームズも敬服。そんなホームズに、アドラー先生が質問。事件が解決した後、謝礼は貰っているの?と。貰っていない、事件そのものが報酬だ、と。アドラー先生に鼻をちょんとつつかれて、こちらも「素敵」敬服の姿勢。照れ、それを隠そうとするホームズを「カッコつけちゃって」とからかうワトソン。ホームズ、ワトソンを「うるさい!」と思いっきり突き飛ばした!ひどい!wでも、冒頭のやり取りといい、このシーンでも、2人の仲が15歳のノリでいい。
 ちなみに、正典でも、ホームズはほとんどの場合謝礼は貰わず、ただ事件を解決することだけを"楽しみ"にしている。人形劇の学生の設定でも、「仕事」と言うのだから面白い。
 ところで、保健室の前にいたアドラー先生。何かをかじっていたようだけど、何だろう?最初、たばこかと思ったのですが、カリカリとかじっている音が。棒状のビスケット?

 再びディーラー寮へ。現場を見たい、が、やっぱりレストレードが立って規制している。でもそんなのお構いなし。5を数える間だけ…ワトソンのカウントダウンが笑える。ショルトー兄弟の部屋は乱闘の後で散らかった状態(やっぱりショルトー兄弟の部屋のシーンのBGMは、J.S.バッハ「トッカータとフーガニ短調」)。あのワトソンがパイクから買った塗り薬に、アーサーの部屋の屋根にあったあの小さな足跡が。何故犯人はショルトー兄弟の部屋に夜の間に侵入したのか。襲うだけなら夜じゃなくても、部屋にいなくても出来る。部屋の中にある、何かを探している…昼間は持ち歩いていて、部屋には無いだろうもの…楽譜。トレジャーズの合唱曲「アグラの宝物」の楽譜。部屋にはサディアスのパート譜が他の楽譜の中に隠してあった。バーソロミューの楽譜は犯人が持っているだろうが、サディアスの楽譜はここにある。犯人はこの楽譜も狙って、まだ校内に潜んでいるはず。しかも、犯人のひとりはあのにおいのきつい塗り薬に触ってしまっている。そうです、あの子の出番です!

 ワトソンはメアリーを連れて動物小屋へ。7話で登場した犬、トビィの出番です。「四つの署名」ならトビィの出番。勿論貸してくれるのはシャーマン(原作ではおじいさんですが…)。ショルトー兄弟の部屋のにおいをかがせ、トビィと一緒に犯人捜索開始!
 このショルトー兄弟の部屋のシーンでのレストレードが散々でした…。レストレード、今回は許してね…。いや、今後も校内で事件が起きれば、レストレードは生活委員としての使命として現場にいるだろう。そこでまた同じように、ホームズとワトソンと会うことになるかもしれない。ホームズとワトソンが事件を追っていることはわかっているけど、生活委員としての立場が…レストレード、胃薬必要か…?wつらい立場だなぁ…。

 においを追って校内を走るトビィと、ついて行くホームズ、ワトソン、メアリー。ワトソンがメアリーさん、と呼ぶと…呼んだ?と出てきたのは、メアリー・サザーランド嬢。4話「消えたボーイフレンドの冒険」の依頼人。しかも、ウィンディバンクも一緒に。あの後、仲直りしてうまくやっている様子。よかった。また事件?がんばってね!と応援してくれる2人。更に走ると、今度はジェイベズ・ウィルソンが。5話「赤毛クラブの冒険」の依頼人。ウィルソンの髪を見てメアリー、「トマトみたい」…それ言っちゃダメ!!案の定、落ち込むウィルソン…。でも、捜索は続きます。
 メアリー・サザーランドとメアリー・モースタン。2人のメアリー。原作で共演することはありません。ウィルソンも「赤毛連盟」以外で出てくることは無い。舞台が学園という設定だからこそ出来る共演、演出です。
 この捜索シーンで流れている音楽は、2話のスタンガスンの部屋に行くシーンでも使われていましたね。お気に入りの曲です。事件を追うという重さより、冒険に出ているワクワク感が伝わってくる音楽。

 そしてたどり着いたのは、アーチャー寮。ある部屋の前に来たトビィ。その部屋(222A)は…メアリーの部屋。メアリーを部屋の前で待っている間、ワトソンが自分の塗り薬を傷に塗っていたのでした…。ああ…。

 「僕の責任だ」と詫びるワトソン。いや、今のを犯人は見ているだろう。逃げるとすれば、犬が登れない屋根…。ここでホームズ「いよいよ、ベイカー寮遊撃隊の力を借りる時が来たようだ…」えっ?シャーマンが呼んだのは「ウィギンズ」…ネズミ?リーダーのウィギンズ率いる、ベイカー寮遊撃隊、ホームズの部下だと!!?ホームズは犯人の特徴を伝え、遊撃隊出動!
 ベイカー寮遊撃隊、正典では「ベイカー街遊撃隊(ベイカー・ストリート・イレギュラーズ)」。「イレギュラーズ」とよく呼ばれます。ホームズがウィギンズはじめ貧しい子どもたちに賃金を与え、スパイとして犯人捜索をさせていた。まさかイレギュラーズが出てくるとは思わなかった!しかも、ネズミとは!!…ベイカー寮は関係ないんじゃないのか…?(細かいことは気にするなw)ホームズの言葉を理解しているし、シャーマンが通訳をする。7話でマイクロフトに丸め込まれそうになりましたが、シャーロックは自分自身でシャーマンが動物と会話が出来る、と確かめた。実に爽快なシーンです。しかも、シャーマン、「そんなこともあろうかと」と言った!どこの真田さん、もしくは小惑星探査機(初代)ですか!wもう笑い転げましたw

 ウィギンズたちが捜索している間、メアリーはホームズさんはどんな事件でも解決できるの?と、もうひとつの奇妙なことを語り出す。この学校に入る前、家に毎週、絵葉書が届いていた。誰からかはわからない。いつも同じ郵便局の消印で。世界中のきれいな風景の絵葉書だった、と…。
 原作での、メアリーに送られてくる真珠は絵葉書に改変なのですね。このメアリーが語るシーンでの音楽も良かった。シロフォンの音色が優しい。あと、メアリーが語り始める前、朝霧の中で、屋根を見上げるホームズの横顔がとてもきれいだった。後編はこのシーンだけで無く、他のシーンでも朝霧が幻想的な雰囲気を演出している。

 ここで、遊撃隊(イレギュラーズ)が犯人を見つけた!屋根から落ちる犯人…ジョナサン・スモール。そして、スモールの自白。最初は怒るスモールに、
「僕らは敵じゃない」
「あなたがどんなに悔しい想いをしたか、大体わかっているつもりです」
とホームズ。意外だった。スモールの犯行を咎めるわけではないこと、そして、ホームズがスモールの心の内に寄り添おうとしていることが。ホームズは、何故スモールがアーサーやショルトー兄弟の部屋に侵入したか、わかっているからそう言えるのだろう。わかっているから、寄り添おうとする。私にはこの台詞の時までわかりませんでした。

 スモールは郵便配達員。でも、アーサーの家に郵便を届けたことから親しくなり、歌が得意だったのでトレジャーズに入れてもらった。曲を作ったスモール。スモールは作曲は出来るが、譜面が書けない。アーサーが譜面に起こしてくれた。そして出来たオリジナル曲「あなたは宝物」はトレジャーズのメンバーもお気に入り、聴衆にも好評で、学校対抗合唱コンクールに推薦された。でも、スモールはビートン校の学生ではない。スモールが出られないなら、コンクールは諦めようと、アーサーは言ってくれたのに…。アーサーたちは「アグラの宝物」と改作して、コンクールに出ようとした。アーサーたちは裏切った…!それを知ったスモールは怒り、「アグラの宝物」の楽譜を奪おうと事件を起こした。サル(?)のトンガを天窓から侵入させ、ドアのチェーンを外させて、部屋に入り楽譜を奪おうとしたところに、アーサーが起きてきたので殴った、と。
 スモールは作曲は出来るけど譜面を書けず、アーサーが書いた。その曲をアーサーは改作し、自分の曲だ、これでコンクールに出ると言った…某ゴーストライター騒動を思い出します。スモールは何歳ぐらいなんだろう。音楽の才能はあるけど譜面に書けないのは、音楽教育を受けていないから。スモールは学校へ、しかもビートン校のような名門校に入ることが出来ず、働いている、のか?17、8歳ぐらい?

 ワトソンの、楽譜を盗んでも、何回でも書き直せるのに?というスモールへの質問もよかった。楽譜よりも大事なのは、この曲がスモールの曲であること。「アグラの宝物」じゃない、「あなたは宝物」。「あなたは宝物」の歌詞に「誰にも渡さない」とありますが、スモールにとってもこの曲は誰にも渡せないもの。スモールの強い口調。憤りと悔しさ。ここで、病院から戻ってきたアーサーが登場。保健室に移動して、ショルトー兄弟も一緒に。アーサーも反省して、コンクールには出ない、曲はスモールに返す、と。謝り合って、事件解決。謝り合うシーンもコーラスで。「いつものあれ」と言っていたので、これがトレジャーズのやり方なのだろう。きれいなハーモニー。コンクールに出ることよりも大事な仲間。トレジャーズに流れていた不協和音が、調和へ、きれいなハーモニーに揃いました。ハーモニーはメンバーの心が揃うこと。

 ここでホームズがもうひとつ質問。「あなたは宝物」の「あなた」って誰?ホームズのもうひとつの推理…スモールの鞄から落ちた一枚の絵葉書。届かなかった絵葉書。メアリーへの…。

 …えええええええっ!!!?ちょ、ちょっと待ってください!!スモールがメアリーに片想いしていた!?そんなの勿論原作にはありません!!って、メアリーはワトソンと…えええええええ!!!!
 絵葉書がスモールからのものだったと知るメアリー。ここでワトソンの方を向くホームズ。ワトソンは、いつもの笑顔で頷く…メアリーのもうひとつの謎が解けたのを喜んでいるのかな…って、ほのぼのしてる場合じゃないですよワトソン!!メアリーへの恋、破れる…?いや、まだメアリーとスモールが両想いになったわけじゃない、付き合い始めたわけじゃない、よね、ですよね?メアリーは校内にいるから、ワトソンにはまだチャンスがある。この恋はまだ終わってない、はず!!後編では、ワトソンがメアリーのそばにずっといて、事あるごとにメアリーを支えていたし…。
 「冒険ファンブック」のワトソン役・高木渉さんのインタビューで、これから後半、ワトソンがどんどん男前になっていく、と仰っていたのできっと男前になって、メアリーの心を掴むんですよね。そうであって欲しい!原作ではワトスンとメアリーの馴れ初めだった「四つの署名」。それが楽しみで観ていたのに!とんだどんでん返しです…。最後まで15歳ワトソンとメアリーが結ばれなかったら、三谷幸喜さん…そんなのないですよ…!

 221Bに戻ったホームズとワトソン。ワトソンは「あなたは宝物」はメアリーのことを歌った歌だったのかと浮かれている。一方ホームズは興味なし、と再びシャボン玉の実験へ(原作のコカイン…。普段ならピロピロ笛=パイプでしょうが、原作に合わせてシャボン玉)。また会いたいな…とまだまだベタ惚れのワトソン。後編は前編のベタ惚れから抜けて、メアリーの前でもいつものホームズと一緒に事件を追うワトソンだったのに。「あなたは宝物」を歌うが、ひどい。酷い。これはひどい。15歳ワトソン、音楽は苦手なのね……。ホームズ、ワトソンの酷い歌に耐えられず「もはや暴力だ!!」ワトソン…あらゆる意味でがんばれワトソン。
 1話で、ホームズと同室になった生徒は、ノイローゼになって3日で部屋を変えて欲しいと頼む、とスタンフォードが言っていましたが、ワトソンならホームズをノイローゼにさせることができるかも。ある意味強いw


 今回はトレジャーズの仲間割れから起きた悲劇もありつつも、楽しい、笑ってばかりの回でした。原作ネタも前編と変わらず豊富。やっぱり原作読んでたほうが楽しめますよ。4人の署名も原作では違いますし。トンガもうまいこと変えたなぁ。以下他にも気付いた点を。

・今回はホームズがすんなりと事件を解きました。6・7話が一筋縄でいかなかった分、今回は事件を追う間も爽快感がありました。
・前編でトレジャーズが歌を披露しているシーンで、サザーランド嬢が出てきていましたが、後編ではウィンディバンクも一緒に。ウィンディバンクと仲直りしたことも意味していますし、サザーランド嬢にとってウィンディバンクが「宝物」なんでしょうね。
・トレジャーズは最初はスコットランド民謡を歌っていた、とありました。「グリーンスリーヴス」を歌っていましたが、NHKは今期、Eテレでもスコットランド推しですね。それなら、他にも「蛍の光(Auld Lang Syne)」や「故郷の空(Comin Thro' The Rye)」、「The Water Is Wide」も歌って欲しいですね。
 「あなたは宝物」「グリースリーヴス」トレジャーズの歌をサントラに入れてください!勿論フルサイズで!
・OPのキャストクレジットが凄いことになっていた。豪華ってレベルじゃない。後編にハドソン夫人がいなかったのが残念。
・7話でも山寺宏一さんは動物の声など何役もやられていたそうですが、今回も動物たちの声はやっぱり山寺さん。主役なのに!
・そういえば、今回は「ワトソンメモ」が無かった。珍しい。「シャーロッQ!」もありませんでした。イレギュラーズのこととか出して欲しかったのにな。
・「冒険ファンブック」ではミュージカル回と予告されていたのですが、そんなにミュージカルには感じませんでした。もっと歌うシーンが多ければ。

 最後に、今回も描いた。
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 ジョナサン・スモール。今回ワトソンメモがあったらこんな風に描かれるだろう。ボトムが生徒たちの制服のスカートのような感じに見えたのですが、普通のズボンで描いた。スモールは初めての校外の人物ですね。今後も出てくるのだろうか。どう関わってくるのだろうか。ワトソンよりも肌の色が焼けているのは、原作通りの設定からですね。ダンカン・ロスよりもハンサムだなぁ。このスモールと恋敵になるのか、ワトソン。とにかく、スモールとメアリーとワトソンの三角関係(?)がどうなるのか気になります!
by halca-kaukana057 | 2014-12-08 23:16 | Eテレ・NHK教育テレビ
 今週は日曜、放送日に書けます。NHK人形劇「シャーロックホームズ」第8話「愉快な四人組の冒険」(前編)。前後編です。原作は勿論「四つの署名」。

 今回は、最初に一言言わせてください。原作(正典)読みましょう!是非!!次から次へと原作のネタが出てきて、しかも「そう来るか!」というアレンジに唸ってばかりでした。原作を読んでいなくても勿論楽しめますが、読んで元ネタ知ってたほうがもっと楽しめる!
 原作まだ読んだことない…難しそう…と思っている方へはまた後ほど書きます。

 冒頭、ビーカーの液体をじっと見つめるホームズ。注射器で吸い上げ…ま、まさか!!15歳ホームズまで…まさか!!とハラハラしたのは私だけではない、絶対に。その注射器をパイプのようなものに刺し、膨らます…?ここでロフトから降りてきたワトソン。寝巻でナイトキャップもしている、寝起き。夜通しその実験してたの?身体壊すよ?と心配する。その実験していたものとは…大きなシャボン玉。ここで笑うと共に、胸をなでおろしました。よかった…。
 原作のホームズはパイプでタバコもよく吸う…現代で言えばヘビースモーカー並みですが、モルヒネやコカインにも手を出していました。19世紀末のイギリスでは法には触れません。が、勿論身体にはよくない。一時的には活動的になれるけど、切れた後は廃人。原作ワトスンは医師の立場からも、ホームズに忠告します。が、受け入れず…。
 人形劇ではホームズはパイプの代わりにピロピロ笛を吹く。「四つの署名」ではコカインの話が出てくるので、どうするのかなぁ…と思ったらこう改変してきましたか。ホームズの奇妙な実験のひとつに。うまい。人形劇15歳ワトソンも、徹夜の面でホームズの身体を心配しています。

 そんな221Bに、いきなりやってきたハドソン夫人。朗らかに歌っている。何事!?しかももうひとり誰かいる!郵便配達のジョナサンさん。221Bで突撃リサイタルですかw出て行った2人、顔を見合わせ呆然とするホームズとワトソン…。何ですか今回は。冒頭から飛ばし過ぎです!w

 さて、今回の依頼人はアーチャー寮の女子生徒、メアリー・モースタン(学年不明、だが2年以下)。兄のアーサー(アーチャー寮3年)が夜中、突然部屋で殴られ負傷、今は病院にいる。そんなメアリーを見つめるワトソンは…一目惚れしてしまいましたwメアリーのことを語るナレーションワトソンが、原作のワトスンそのままだったw

 このメアリー、前回の感想と予告イラストのとおり、大きな青い目が印象的な可愛らしい女の子。でも、ホームズを最初警戒したり、ホームズが現場検証出来るように兄・アーサーの部屋を事件後のままにしておいたり、手がかりを探そうと屋根に登るホームズを追って屋根に登ったり。221Bから帰る時も、ワトソンの「送りましょうか?」の言葉にも「結構です」とピシャリ。気の強いところもある、しっかりとした、賢く勇気のある子です。再登場のラングデール・パイクの依頼料の代わりの商談にも、思い切りよく「買います」と。
 
 一方のワトソンが…メアリーにベタ惚れで、いいところを見せようとがんばるけれども、メアリーの方がホームズの相棒になれそうなぐらいだ…。屋根に登るシーンでも、ただ「メアリーさん、危ないよ!」と言うばかり。屋根に登ろうとしない。どうしたスポーツマン。鍛えてるんだから屋根に登るぐらい平気でしょう!!と思ったら、公式さんによると高所恐怖症らしい…(公式FBより)。そしてその結果が予告でも出てきたあのシーン。無事でよかった。

 221Bに戻って、メアリーに手当てをしてもらうワトソン。あと、パイクから買った塗り薬。このあたりで、人形劇15歳ワトソンは医師の息子で、医学に少しは詳しいだろうところを見せて欲しかった。ノベライズではそんな表現が少々あるのですが、人形劇本編では、ワトソンが医師の息子と出てきたのは1話冒頭、スタンフォードに医師の父がロンドンで開業して、オーストラリアから戻ってきた、というシーンだけ。何だか寂しいなぁ。
 …いや、ワトソンが医者(医学の知識のある・なし)じゃなくても、ホームズの親友であり相棒である。職業(学生なので関係ありませんが)、過去の経歴、学歴、社会的立場、専門分野…そんなものは関係無く、ホームズとワトソンは親友で、ホームズは事件を推理し、ワトソンは被害者・加害者の心理を察してサポートする。人形劇での2人の関係はそんな関係にしたいのかな?
 でも、この8話のワトソンでは、メアリーの心をつかむのは難しそう…。ワトソンの恋、どうなる。心配になってきました。

 アーサーの部屋に残された、破かれた厚紙。アーサーを含む、4人の名前がサインしてあった。ホームズの推理とパイクの調査でわかったあとの3人のうちの2人…双子のバーソロミュー(サインではBart:バート)・ショルトーとサディアス(サインではThady:サディ)・ショルトー(ディーラー寮3年。原作どおりなら確かにディーラー寮)。弟のサディアスが語る、その4人で結成していたコーラスグループ「トレジャーズ」の話。アーサーは作曲の才能もあり、4人で歌った歌「アグラの宝物」は校内でも大評判。校外でも知られていた。が、そのコーラスグループで困ったことが。全国学生合唱コンクールに出るこになったのだが、ひとりビートン校の学生じゃないメンバーがいる。話し合い、そのメンバーは脱退。歌はうまいのに残念だった…。アーサーの事件はそいつが犯人だ、と。次に狙われるのは、僕らショルトー兄弟。兄のバーソロミューはホームズたちを威嚇し、部屋から追い出してしまう。脱退したメンバーについて聞こうとしても、怒るばかり。そのメンバーがいたら「コンクールには出られない!」この台詞に、これは何かあるなと思いました。

 ショルトー兄弟は6話、ホームズとベインズとの推理対決で出てきた子です(双子…どっちだ?)。ショルトー兄弟の部屋にはグランドピアノがある。さすがディーラー寮。そして2人のBGMが、J.S.バッハの「トッカータとフーガニ短調」。冒頭の有名な部分ですね。何か不吉な雰囲気です…。
 「アグラの宝物」も、こう改変して来たか!また唸りました。4人のコーラスもとてもきれい。歌詞が謎、不思議な内容です。
 あと、ワトソンが渋々パイクから買った塗り薬を、かゆみにも効くからと貰い、塗った弟サディアス。匂いがきつく、行く先々で臭い、匂うと言われてしまうワトソン…不憫。このきつい匂いの塗り薬を塗ったサディアス、後半で何かありそうです。

 その4人目の、脱退したメンバー…ジョニー。冒頭のドタバタ劇が伏線だったとは!!夜、ディーラー寮を渡り廊下からうかがうその男、ジョニー…ジョナサン・スモール。このシーンのBGMにとても惹きつけられました。後編に続きます!
 観る前までは、ワトソン大活躍回か?と思っていたのに、残念な役回りばかり…。後編ではがんばれワトソン。ただ、ショルトー兄弟の部屋から帰って来たシーンでは、ワトソンとメアリーは少し打ち解けた雰囲気。ワトソンの恋の行方はいかに。いつまでもベタ惚れしてないで、4話のサザーランド嬢とウィンディバンクをうまくフォローしたみたいに、ビシッと、ワトソンらしく優しく、決めてくださいよ!

 次回予告では、アドラー先生も再登場!トビィも出番です。「グリーンスリーヴス」を見事なハーモニーで歌う「トレジャーズ」の4人。4人はどうなる?「愉快な四人組」とタイトルにありますが、今の状況では愉快とは言えない。何が起こるのだろう?
 そして…ワトソン、活躍するチャンスはあるのだろうか…次回予告を観る限り、あまりなさそうな…本当に心配です。 

 個人的に、バーソロミューの言動、「アグラの宝物」が歌という点で、ちょっと結末がわかった気がします。原作の筋に沿って行くならば。

 今回は前後編なのであるかな?と思った「シャーロッQ!」。ありました。メアリーに惚れたワトスン、一方何とも思わないホームズ。そのホームズに対してワトスンが言った言葉からクイズ。ワトスンの台詞から出題されたのは初めて。答えのワトスンの台詞の朗読は、勿論15歳ワトソン役の高木渉さんですよね?15歳ワトソンとは全く雰囲気が違う声、話し方。これまではホームズの台詞だけが取り上げられ、朗読はホームズ役山寺宏一さん。声の若さは違うけど、15歳でも原作でも話し方の雰囲気は似ているので、それほど驚かなかったのですが、今回のワトスンは驚いた。カウントダウンアニメも、ホームズとワトソンの一騒動バージョン。カウントダウンアニメは3種類?まだ別バージョンが出てくるかな?
 この「シャーロッQ!」、原作の解説だけで無く、19世紀後半のヨーロッパ、イギリスの社会や文化、科学などの歴史についての解説がとても興味深いです。アーサー・コナン・ドイルがどんな社会・時代背景の中、「ホームズ」シリーズを書いていたのか。それが物語の中でどう反映されているのか。面白い。このコーナー凄い。これまでのクイズも、訳によっては書かれていない、言及されていない内容もあり、物語から一歩踏み込んだ読解が出来るような出題。視聴者をシャーロキアンにする気満々ですね。



 最初でも書きましたが、今回は原作ネタがたっぷり出てきました。立場や職業は改変されていますが、登場人物の性格や言動もほぼ原作通り。まだ読んでいないという方は、「四つの署名」(訳によっては「四つのサイン」「四人の署名」)を読むことをオススメします。
 原作は難しそう…しかも訳が沢山あってどれがいいのかわからない…。わかります。私もそうでした。でも、人形劇である程度予習しているので、きっとついて行けます。勿論学園ものに改変しているので、違うところは沢山あります。そんな違いも、元ネタも探しながら読んでみてください。
 訳ですが、私もまだ正典入門中のため、細かくどれがどうと詳しく解説できません。これ!と断言出来ません。ただ、大まかに分類すると
・新潮文庫:格調ある訳。19世紀英国紳士の雰囲気を堪能できます。挿絵はなし。脚注少なめ。
・河出文庫:訳はやわらかめ。初版での挿絵を全て掲載。解説もとても詳しい。私が今通して読んでいるのがこれ
・光文社文庫、創元推理文庫:訳はこちらもやわらかめ。挿絵あり、脚注もある。
・角川文庫:訳はよりやわらかめ。挿絵なし。脚注は確認してませんすみません…。
・講談社青い鳥文庫:児童文庫なので読みやすい。イラストはアニメ調で親しみやすい。最初と最後に解説あり。
 本当に大まかです…。書店で手にとって読んでみて、読みやすいなと思ったものを読んでみてください。検索すると、もっと詳しいシャーロキアンさんの比較が出てくると思うので、それも参考にしてみてください。

 この人形劇から入った入門者の私が言うのもなんですが…人形劇で面白いと思ったら、是非原作も読んで見て欲しいです。全部は無理でも人形劇で取り上げられたエピソードだけでも。
 映像化作品も沢山あるので、他の「ホームズ」も見て欲しいなぁ。どれも面白い。あと、音楽もいい。
 古典だから、こんなに色々な形で楽しめるのだろうな。訳も同じく。本国ではなく、日本だから、こんなに多様な訳で楽しめる。ホームズ沼は広くて底なしです…。



 今週は先週予告イラスト描いたので、本編とは全く関係の無いイラストを。
 前回、マイクロフトに制服が違うから明らかに転校生…と言われていたワトソン。もうビートン校に大分馴染んでいるし、いつまでも転校生扱いなのがかわいそうに思えたので描いた。ベイカー寮制服ワトソン。
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 スケッチ画。結構似合うかも?タイは前の学校のものを使うことにした。前の学校の茶色の制服もちょっと分析しています。
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 ペン入れして色鉛筆でカラー版。なかなか似合うじゃないか!本編ではずっとあの茶色の制服だろうけど、最終回の最後あたりで着ていたら嬉しい。
 あと、何故茶色の制服のままなのか。ホームズも紺色の制服で、2人同じ色だと映えないから?あの茶色の制服はあれで似合っていて好きです。

 最後に、いよいよ始まりました、渋谷のNHKスタジオパークで人形劇ホームズ展。ビートン校の廊下や221Bなどの舞台の再現、小道具の実物展示が観たい!人形劇実演ワークショップも毎週日曜に開催。いいなぁ、10月だったらNHKスタジオパーク、行ったのに!!
 詳しくは以下公式サイトで確認してくださいね。12月28日まで。
NHKスタジオパーク:イベント情報:NHKパペットエンターテインメントシャーロックホームズ展
by halca-kaukana057 | 2014-12-01 00:15 | Eテレ・NHK教育テレビ

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


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