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ヴィンランド・サガ 5

 ヴィン・サガ5巻出ましたよ。

ヴィンランド・サガ 5
幸村 誠/講談社アフタヌーンKC/2007

 クヌート王子を救出したものの、雪で道を阻まれてしまったアシェラッドたち。彼らはマーシア伯領の村を襲い、冬の間そこに潜伏することにした。一方、アシェラッドたちを追うトルケルたちもマーシア伯領内の村にいた。そしてアシェラッドたちが襲った村の唯一の生存者・アンの話から、アシェラッドたちの行方をかぎつける。見つかったことの話で、アシェラッドに呼ばれたラグナルだったが…。


 4巻でようやく内面が見えてきたアシェラッド。それなのになんですかこの展開は…。4巻の感想で、アシェラッドたちの大虐殺に「ドキドキした」と言っていたアンの今後の動向が気になると書いたのに、アンはアシェラッドたちのことを他言しただけ。そうですか…。

 これまで、アシェラッドはその明晰な頭脳と思い切りの良さでヴァイキングたちの信頼を集めてきた。しかし、ちょっとの困難でその関係が崩れてしまう。ヴァイキングたちの主従関係がよく見える。日本の主従関係のように何があっても主についてゆくのではなく、裏切りや下克上は当たり前。実力だけがものを言う関係だったのか。アシェラッドも
「オレもオレの主を選ぶ。オレの主はオレがついていきたくなるような男であるべきだ」(84ページ)
と言っている。多くの者が裏切っても、アシェラッドの下で動くビョルンとトルフィン。ビョルンは日本的な主従関係のようなところを持っているように感じる。トルフィンの場合、父・トールズの敵討ちのためその前に死んでしまっては困るという理由だが、ある意味トルフィンはアシェラッドのことを良く見ているし、アシェラッドもトルフィンをいい戦士と認めているんだろうな。2人とも口には出さないが。

 一方、成長し続けるクヌート王子。これまで何も語らず、ただ黙っているだけの王子だったが個性・思想が一気に見えはじめる。クリスチャンとしての考え、父であるデンマーク王・スヴェン王に対して思っていること、ラグナルに対して思っていること…。口数が少ないため、その内面を慮るのに苦労するキャラでもある。今回ラグナルとの突然の別れを経て、今後どう化けるか。しかし、料理が得意だったとは驚いた。

 トルフィンも口数が少なく、その内面を慮るのに苦労する。言葉よりも戦闘で物事・感情を言うところもあるかも知れない。そんなトルフィンとトルケルのリターン・マッチ。楽しみです。

 しかし5巻は残虐シーンが多くて…読むのがきつかった。この漫画は本当に面白いんだけど、残虐シーンはまだまだ苦手です。最後に一言。アシェラッド、死ぬな…!



 ヴィンサガから話はずれますが、帯に大変なことが書いてあった。幸村先生の前作「プラネテス」の小説版が来月出ます!!11月15日、小説は常盤陽さん。漫画・アニメとはまた別の「プラネテス」が味わえるようでとても嬉しい。発売を楽しみに待ちます!

 一応ご存じない方のために簡単に解説。
プラネテス (1)
幸村 誠 /講談社・モーニングKC
 時は2070年代。使用済みになった人工衛星や宇宙船の部品などが宇宙空間に散らばり、「宇宙ゴミ(スペースデブリ)」の問題が深刻化した時代(現在でも大きな問題です)。スペースデブリ回収業者の星野八郎太(通称:ハチマキ)、ハチマキの上司で女船長のフィー、ハチマキの同僚のロシア人・ユーリ、後輩で「愛」が口癖の日本人女性・タナベの4人を中心に、宇宙で繰り広げられる人間ドラマ。人間の感情がリアルに伝わってくる、とても面白いマンガです。




プラネテス 1
/ バンダイビジュアル
 2003年、NHKでアニメ化もされ、原作とはちょっと違った設定・ストーリーがまた面白かった。登場人物も増え、人間関係と彼らの内面がより複雑に。さらに真空の宇宙空間での音の伝わり方や宇宙服などの技術も原作以上にリアル。いいアニメ化でした。
by halca-kaukana057 | 2007-10-28 22:13 | 本・読書

時々、つれづれ思うこと

 昨日から雪が降り、ようやく北国も冬らしくなりました。これまでの天気は本当に異常です。冬は降り積もる雪がないと、冬を暮らした気持ちになりません。いくら雪かきが大変でも、通常の雪がどさどさ降る冬を過ごさないと春を迎える気持ちになりません。不思議です。


******

 なかなかピアノを弾くまとまった時間がとれずにいたのですが、ようやく時間を作ることが出来ました。土日にもまとまった時間が取れそうなので、「メヌエット」と「小さな嘆き」は録音できそうです。
 ただ、「せきれい」に未だ苦戦中。リベンジなのに苦戦中。メトロノームを使ってゆっくり弾こうとしてもうまくテンポが取れない。ゆっくり弾くと、曲のイメージがつかめない。ゆっくり弾くってなんなんだろう。ただスローテンポで弾けばいいってもんじゃない。本当に難しい曲だ。

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 感想を書きたいCDが溜まっています。ブログでお世話になっている方からお薦めしていただいたものとか、自分で興味を持って買ったものとか。クラシックの誘惑は怖いです。次から次へとどんどん聴きたくなってしまうから。もし宝くじが当たったら、3割はCDに使うかも(笑

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 今年、行きたいコンサートがいくつかあります。東京でやるものもあるし、地元でもひとつ。全部行くのは厳しいので、現在どれに行こうか考え中(クインテットの「ただいま考え中」を歌いつつ)。上京するとなったら、行きたいところが色々あります。表参道のマリメッコ直営店とか、ムーミンベーカリー&カフェとか、北欧・フィンランド関連であっちこっち。お台場の日本科学未来館もしばらく行っていないので行きたい。メガスター観たい。常設展示のGEO-COSMOSもぼーっと眺めていたいし、ISSに関する展示も出来たんだっけか。いいなぁ。

 田舎者丸出しだという突っ込みは無し。

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 明日も朝早いのでこれで終わりにする。
by halca-kaukana057 | 2007-03-08 22:18 | 日常/考えたこと

ヴィンランド・サガ4

 ヴィンサガ4巻が出ましたよ。


「ヴィンランド・サガ4」
(幸村誠、講談社アフタヌーンKC、2007)

 アシェラッドたちはトルケルにさらわれたクヌート王子を救出するため、山火事を起こし混乱させる。煙の中クヌート王子を探しに行ったトルフィンは王子を発見。トルケル側の相手をしている時、トルケルと再会する。トルケルはトルファンの父・トールズのことを知っていて、トルファンに父のことを話そうとした。しかし、山火事によってさえぎられ、トルファンは王子たちをアシェラッドのもとへ連れて行く。
 王子を取り戻しはしたが、スヴェン王がいる場所まで王子をお連れしなくてはならなくなった。しかもトルケルたちに追われながら。トルケルから逃れるため、アシェラッドはウェールズにあるモルガンクーグ王国の将軍・グラティアヌスに援軍を要請し、ウェールズへ逃げる。



 4巻の読みどころは、なんと言ってもアシェラッドの過去と秘密。ウェールズへ逃れることが出来たのも、アシェラッドのある過去があったから。5世紀あたりのイギリス史なんて全くわからなかったので、すぐに世界史の教科書・資料やそれ関係の本を引っ張り出してきた。3巻でアシェラッドがトルフィンにローマの興亡について話すシーンがあったが、それがこんなところで関係してくるとは。うーん、深い!ウェールズで出てくる、グラティアヌス将軍やブリケイニオグ王国のアッサー将軍も個性的で面白みのある人間。歴史にしろ政治・国防にしろどんどん深くなっていくよ、このマンガ。


 クヌート王子と側近ラグナル(表紙の2人)の人となりも見えてきた。寡黙で引っ込み思案なクヌート、王子を常に心配するラグラル。確かにラグナルはちょっと過保護気味なのだが、トルフィンの一言でクヌートが少しずつ変わり始める。王を継ぐ者として、これからどう成長してゆくのかが楽しみ。

 基本は船乗りであるヴァイキングたちですが、イギリスの陸路は苦手な様子。モルガンクーグに着いたラグナルも何とか船を貸してくれないかと駄々をこねるし(この時のアシェラッドとのやり取りがオモシロイ)、アシェラッドの部下たちも船に乗りたい、船の乗り方を忘れてしまうと嘆く。ヴァイキングたちにとって船がどれだけ大切なものだったかよくわかる。

 第27話では修道士さんの愛の話。…「プラネテス」のタナベかと一瞬思ってしまったのは私だけではないはずだ。こうやってヴァイキングたちもキリスト教の話を聞きながら、キリスト教化していったのか。そう言えば、帯から「プラネテス」の文字がようやく消えた。「プラネテス」もとても面白かったけど、ヴィンサガもプラネテスには無かった歴史観や考え方があって面白い。

 最後、第28話で登場するイングランドの村娘・アンが今後トルフィンたちにどう関わってゆくのか、ちょっと気になります。アンの村を襲うシーンは正直怖かったです。はい。
by halca-kaukana057 | 2007-03-01 21:20 | 本・読書
 グリーグの「ペール・ギュント」を、これまで集中して聴いた事が無かった。「朝」や「ソルヴェイクの歌」は曲としてはとても好きなんだけど、劇のストーリーを考えながら聴いた事があまり無かった。劇自体わかりにくいストーリーだし…。と思っていたら、まぐさんのブログ「きゃべつ畑のかなた」にて興味深いCDを見つけた。それがちょうど図書館にもあったので聴いてみた。
「きゃべつ畑のかなた:グリーグ没後100周年 その1」

グリーグ:ペール・ギュント
サー・トーマス・ビーチャム指揮,ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団/東芝EMI

 私がこれまで聴いてきたのは組曲版だったのですが、これは劇音楽そのもの。組曲では削除されている合唱もあります。そのせいか、とても臨場感がある。「山の魔王の宮殿にて」は男声合唱の迫力がすごい。ペールを追いかけるトロルたちの怖さが普通じゃない。「ソルヴェイクの歌」「ソルヴェイクの子守唄」、「アラビアの踊り」は歌が入っているほうがよりしっくり来る。合唱や独唱は入らないが「朝」や「オーセの死」に至る流れも聴いているうちにだんだんと見えてきた。破天荒なペールや、そのペールを待ち続けるソルヴェイクにどうも共感はできないのですが「ペール・ギュント」がどんなお話なのか、ようやくイメージがつかめた。


グリーグ:ペール・ギュント(全曲) ネーメ・ヤルヴィ指揮, エーテボリ交響楽団/ユニバーサルクラシック

 こちらは劇の音楽だけでなく、役者の声も入った劇そのもののCD。ペールの波乱万丈の人生がよりリアルに伝わってくる。解説に劇の脚本が載っていて、それを読みながら聴いているのだが、なかなか理解しにくい…。

 劇音楽としての「ペール・ギュント」を聴いてから、組曲としての「ペール・ギュント」を聴いたらまた何か新しい発見があるかも。
by halca-kaukana057 | 2007-02-08 22:02 | 音楽

北欧神話を読む

 「ヴィンランド・サガ」3巻の記事で参考資料にしようと思って読み出した北欧神話の本を読み終えた。今まで北欧神話は血なまぐさくて恐ろしいと思っていたが、結構楽しんで読めた(中学生向けの本だからかもしれない)。北欧神話の大体の概要と感想をまとめます。




「北欧神話」(パードリック・コラム著、尾崎義訳、岩波少年文庫550)

【北欧神話とは】
 スカンディナヴィア諸国に伝わる神話(同じ北欧でもフィンランドは別)。北欧神話の元となったのは「エッダ」という古ノルド語で書かれた歌謡集。また、13世紀にアイスランドの詩人スノッリ・ストゥルルソンによって書かれた「スノッリのエッダ」も元となり、9世紀頃から口伝えで伝えられた。スカンディナヴィア諸国の民族はゲルマン民族に属するが、キリスト教化する以前のゲルマン民族の神話は北欧神話のみが伝えられているため、ゲルマン神話とも呼ばれる。

【北欧神話の世界観】
 北欧神話の世界はその住む人々によって9つに分かれている。主なものを挙げると、神々の住む「アースガルド」、神々と対立する巨人族の住む「ヨーツンヘイム」、地下の国「ニヴルヘイム」、灼熱の国「ムスペルヘイム」、小人が住む「ニタヴェリール」、人間の国「ミッドガルド」など。その9つの国に根をはっているのが世界樹「ユグドラシル」。

 天地創造に関しては、詳しいことはウィキペディアの「北欧神話での天地創造」の項を読んだ方が分かりやすいと思いますが、主神オーディンが巨人の骨で造るあたりが面白い。神々の前に神々に対立する巨人が存在しているところが。


 もう少し詳しく解説したいところだが、まだ勉強不足なのでここまでにして本の感想を。北欧神話の神々は、とても人間らしく生き生きしている。主神とは言え知恵を得るために右目を犠牲にしたり、間違いも犯してしまうオージン。力の強いトール。いたずら好きのローキ。美人の女神だが物欲により夫と別れてしまったフレイヤ、若返りのりんごを守るお人よしの女神イズーナ。とにかく多くの神々が出てくる。どの神も絶対的・完全な存在ではなく、間違いも犯すしだまされることもある。巨人族との最終戦争「神々のたそがれ」を怖れ、不安を抱いている。最終的に「神々のたそがれ」で巨人族と共に死んでしまう神々だが、その後には再生が訪れる。北欧の厳しい自然を表しているかのように。

 やはりジュニア向けの物語なので、「神々のたそがれ」の壮絶さは余り感じられない。でも、とても良くまとまっていて読みやすかった。今まで北欧神話=神々のたそがれの壮絶さ→恐ろしい物語、と思っていたのだが、「神々のたそがれ」に至るまでの部分に面白いところがいくつもあると感じた。オージンが旅人に扮して世界中を旅する部分が特に面白い。

 また図書館から北欧神話解説に関する本を借りてきたので読んで理解を深めようと思います。また、比較対象として日本神話やギリシャ神話なども読んでみるつもり。そう言えば、ワーグナーの「ニーベルングの指輪」やトールキン「指輪物語」も北欧神話を元に作られたんだっけ。「指輪物語」原作はまだ読んでいなかったので、この際読んでみるかな。映画「ロード・オブ・ザ・リング」も時間があれば(第1作は少し観た)。


 まずは留衣さんオススメの「空色勾玉」(荻原規子作)シリーズで日本神話を。しばらくは神話ものを読みふけります。
by halca-kaukana057 | 2006-11-18 21:19 | フィンランド・Suomi/北欧

ヴィンランド・サガ 3



「ヴィンランド・サガ 3」(幸村誠、講談社アフタヌーンKC、2006)

 2巻までは「少年マガジン」で連載されてきた「ヴィンランド・サガ」。3巻からはアフタヌーンで連載。ストーリーもトルフィンがアシェラッドに仇討ちを誓い、行動を共にするようになった時(つまり1巻第1・2話の後の話)に戻ります。


 時は1013年。アシェラッドたちは、スヴェン・デンマーク国王が率いるデンマーク軍についてイングランドを攻撃していた。ヴァイキング(デーン人)たちはイングランドの多くの町で破壊・略奪を繰り返し、イングランド王はフランスに亡命してしまった。しかし、デンマーク軍はロンドンを破ることが出来ないでいた。ロンドン側には同じくヴァイキングのトルケルが付き、ロンドンの守りを固めていた。アシェラッドと共にスヴェン王側についているヨーム戦士団・フローキは デンマーク側につくようにトルケルを説得する。しかし、戦争好きのトルケルは弱いイングランド軍と戦うよりもデンマーク軍と戦う方が面白い。このままイングランド側についてデンマークと戦うことにすると攻撃を始める。そして、アシェラッドにトルケルを殺すように命じられたトルフィンは、トルケルが守りを固めるテムズ川のロンドン橋に一人飛び込んだ。


 巻頭の第17話で少ししみじみしたあとは迫力満点の戦闘シーンが続く。トルケル…またとんでもなく強いのが出てきました。しかも台詞がオモシロイ。
「どぉーしたスヴェン軍!!ちったァ工夫しろ!! お前らもっとやればデキる子だろーが!!」(第18話、80ページ)
「気に入った!!オジさんはりきっちゃうぞー!!」(第19話、96ページ)

結構濃い。

 今巻でもヴァイキングの思想を支える北欧神話にまつわるものがあちこちに出てくる。2巻でも少し出てきたヴァルハラに、ラグナロク(最終戦争)。さらに、北欧神話とキリスト教をヴァイキングたちが比べるシーンも。この頃、北欧神話を信仰していたヴァイキングたちも徐々にキリスト教に改宗するものが現れ、スカンジナヴィア諸国にも教会が建ち始めていた。そう言えば第5話(マガジン版単行本では2巻、アフタヌーン新装版では1巻に収録)で、レイフのおっちゃんが十字を切るシーンがあった。何故北欧神話から離れ、キリスト教に改宗したのだろう?ヴァルハラの考えに代表されるように戦うことを重要視しているヴァイキングの人々にとって北欧神話のほうが魅力的なはず。第21話でトルケル側のヴァイキングたちの会話でも、北欧神話の神々の方が強くてたくましく、かっこいいと言っている。ヴァイキングたちに何が起こったのか。調べてみよう。


 巻の後半で出てくるスヴェン王の息子・クヌート王子にも注目。このクヌートは北欧史でかなり重要な存在。高校の時の世界史の教科書を押入れから引っ張り出して確認したら、ちゃんと載っていました。このクヌート王子もキリスト教に改宗した一人。今後このクヌート王子がどう歴史を動かしてゆくのが注目です。


 巻末にはトールズが死に、トルフィンが行方不明になった後のユルヴァを描いた「特別編・はたらくユルヴァちゃん」。けなげで一生懸命で、しかも男よりも強くたくましいユルヴァちゃんの父亡き後の毎日。家族が死んだ後の暮らしや心の動きがよく描かれていると思う。

 あと読みどころは第20話のアシェラッドの意味深な台詞。アシェラッドの深いところがだんだんにじみ出てきた。ずる賢いだけじゃなさそうだ。



 
ついでなので新装版1・2巻についても少し。大きな変化はないですが、上でも少し触れたように第5話が1巻に収められたことと巻末のおまけが追加。1巻では待望(?)のユルヴァちゃん4コマ。たった2ページの短さですが、ユルヴァちゃん最強。ヴァイキングとはもともと略奪行為そのものを指し、ヴァイキングに出かけていたのは専門の海賊よりも普通の農民の方が多かった。それがイングランド攻撃ではちょっと意味合いは変わってくるが、ユルヴァちゃんもそんなヴァイキングの一人なのです。

 
2巻では幸村さんのアイスランド取材レポート。やっぱり北欧の女性はいろんな意味で「凄い」らしい。さらに設定資料もお見逃しなく。





 ちなみに、現在北欧史関連で読んでいる本
・「新版世界各国史21 北欧史」(百瀬宏・熊野聰・村井誠人編、山川出版社、1998)
 北欧史を古代から現代までまとめたもの。スカンジナヴィア諸国だけじゃなくフィンランド・アイスランドも含みます。(フィンランドは言語的にノルウェー・スウェーデン・デンマークのスカンディナヴィア諸国と異なる。北欧神話ではなく「カレワラ」が語り継がれてきた文化的な面でも違う。現在ではほとんど同じだが、地域・歴史で見るとスカンディナヴィア諸国とは分けられてしまう。)
・「岩波少年文庫550 北欧神話」(パードリック・コラム作、尾崎義訳、岩波書店、2001)
 ジュニア向けの北欧神話。北欧神話は怖いのだが、まずは一通り読んでみよう。
by halca-kaukana057 | 2006-11-07 17:43 | 本・読書
 先日こんなものを見つけました。

「Snu☆snu Blog:北欧好きが答える50の質問」

 北欧が好きな人のための50の質問。やりましょう。やってみましょう。

長いので続きはこちらから
by halca-kaukana057 | 2006-07-27 22:11 | フィンランド・Suomi/北欧

ヴィンランド・サガ2


「ヴィンランド・サガ 2」(幸村誠、講談社・少年マガジンコミックス)

 やっと2巻を読みました。

 イングランド北部で、ヴァイキング・デーン人がイングランド人の襲撃に遭う。その後、アイスランドのトルフィンたちの村に大きな軍船がやってくる。北海最強の軍団・ヨーム戦士団とフローキは戦士団首領の命令で、かつて大隊長だったトルフィンの父・トールズにイングランドとの戦争に加わるようにと伝えに来たのだ。トールズは戦の最中に脱走し、このアイスランドに逃げ隠れ暮らしていた。村の男たちは戦に興奮するが、トールズは村を巻き込んでしまったと落ち込んでしまう。再び逃げれば村が襲われる。逃げられないと覚悟し、トールズは戦に行くことを決心する。
 一方トルフィンは父の過去を知ってか、強くなろうと思いつめていた。子供同士の戦ごっこでも力いっぱい“戦い”、年上の子を骨折させるほどだった。そんな中トルフィンは家の中で短剣を見つける。おもちゃではない本物の刃に見とれるトルフィン。しかし、父トールズは「お前に敵などいない。傷つけてよい者などどこにもいない」と言い諭す。だがトルファンは父が人を殺しに行くことを知っていた。複雑な思いのトールズ。そして、トールズと村の男何人か、そして忍び込んだトルフィンも乗せ船は戦場へ出発した。トールズは途中で村の男たちは降ろし、ひとりで戦場に向かうつもりでいたが。
 そのトールズたちの船が一度立ち寄る予定の島にはフローキとヨーム戦士団、そしてアシェラッドの一味がいた。フローキはアシェラッドにトールズを暗殺するよう頼んでいたのだ。裏があると読みながら了承するアシェラッド。そしてトールズたちの船がその島に到着した。


 この巻でトールズの過去と死の謎、トルフィンとアシェラッドとの出会いが明かされる。とにかく、トールズが強い!!普段は穏やかなトールズの強さに圧倒された。しかし、そのトールズの「精神的な強さ」にさらに圧倒された。相手を殺すことで自分の強さを見せ付けるのではなく、それとは別な次元の「強さ」。戦士としての礼儀や磨かれた戦略、そして人間性。奥底には戦から逃げた過去の「弱さ」もあり、それがアシェラッドにチャンスを与えてしまう。それでも威厳あるトールズの死。…言うことなし。

 それにしても、幸村さんの「人間のドラマ」の巧さがたまらない。「プラネテス」にも通じるのだけど、近未来の宇宙であれ11世紀の北欧であれ、人間の生活やその中での想いが伝わってくる。舞台はフィクションでも、人間はノンフィクションに近い現実感。「ヴィンランド・サガ」は「プラネテス」よりも難しいんじゃないかと思う。「プラネテス」の方が現代に近いし、人の考え方も近未来とは言えそれほど変わってはいない。だが今回はずっと時代をさかのぼり、さらに北欧のヴァイキングと民族も違う。それなのにキャラクターの感情や考え方に説得力がある。生きている、現実感のある人間らしさがある。物語の舞台の設定や背景に「負けて」いない。中身もしっかりと充実している。そこが幸村さんの物語のよさだと思う。

 最後に個人的な見所。冒頭のトルフィンたち子供同士の戦ごっこが可愛い。死んだふりをするトルフィンが「あーあ 戦場があっち行っちゃった」(8ページより)と言うところが特に。それから、ヴァイキングの人々が北欧神話の神々を信仰しているとわかるところ。先ほどの8ページでトルフィンの友達・ファクシの「天国にある戦士の館(ヴァルハラ:北欧神話の主神・オーディンの居城)では毎日お肉が食べ放題なんだってさ~~~」の台詞や、トールズがアシェラッドに決闘を申し込む時「全能のオーディンの名において貴様に決闘を申し込む」(174ページ)の台詞。ヴァイキングの人々にとって北欧神話はれっきとした宗教であったんだ。北欧神話はドロドロしていて怖いんだよなぁ…。巻末にある地図も北欧を知る手がかりになって興味深い。北欧の一つの側面としてこの漫画を読むのも面白い。


<追記>
 最初「少年マガジン」で連載されていたこの漫画、後に「アフタヌーン」に移籍したわけですが「アフタヌーン」と「少年マガジン」の単行本はサイズが違う。今後「アフタヌーン」のサイズの単行本で出したら1・2巻とサイズが合わないじゃないか…。ということで、「アフタヌーン」の単行本サイズで新装された1・2巻が8・9月に出るそうです。表紙も一新、さらにトルフィンの姉・ユルヴァがメインの4コマ「がんばれユルヴァちゃん」付き。…4コマ目当てで買います、マジで。あと、3巻は10月。楽しみ。

 もう一つ、この「ヴィンランド」というのは調べてみたらアメリカ大陸のことらしい。アイスランドの「サガ」の中にレイフおじさんのヴィンランド探検に関する記述があるそうだ。史実をもとにした漫画だったのね。面白そうだから調べてみる。
by halca-kaukana057 | 2006-06-27 20:48 | 本・読書

歓びを歌にのせて

 めったに映画は観ないのだが、この映画は観たかった。でも公開中に映画館に行けず、DVDレンタルが始まったので借りてきた。


「歓びを歌にのせて」(公式サイト)

 世界的に有名な指揮者ダニエル・ダレウスはコンサートの最中に倒れる。心臓の病気だった。疲れ果て、指揮を辞めたダニエルは少年時代を過ごしたスウェーデンの小さな村の廃校となった小学校の建物を買い、そこに住むことにした。音楽から一線を退くつもりだったが、村の教会の聖歌隊の指揮をしてくれないかと頼まれる。聖歌隊の歌や村のスーパーの店員・レナの歌のカセットを聴いたダニエルは指揮することを決意する。
 聖歌隊はそのレナ他10名程度の老若男女がメンバーだった。ダニエルはコーラスの指導をしたことはなかったが、それぞれの声の美しさとバランスを引き出そうと熱心に指導する。そのレクチャーにメンバーは初め戸惑ったが、次第に音楽の楽しさに惹かれ歌うことに熱心になってゆく。
 だが、その聖歌隊のメンバーたちはそれぞれ様々な問題を抱えていた。例えば以前付き合っていた男に裏切られ、誰にでも優しいけれども次々と恋人を変えるレナ。夫・コニーの暴力に悩むガブリエラ。彼らは歌う中でお互いの気持ちをぶつけ合い、新たな一歩を踏み出そうとしていた。
 聖歌隊は春にコンサートを開く予定だった。ダニエルはガブリエラの歌声に魅了され、彼女がソロで歌う歌を作曲した。ガブリエラが聖歌隊で歌うことをコニーはひどく嫌っている。聖歌隊にいるのを見つかれば暴力を受ける。ガブリエラはそのことを気にやんでソロを受け持つことを拒否したが、ダニエルは彼女を励ましコンサートに向けて練習を進める。


 まず、聖歌隊のメンバーたちの気持ちのぶつけ合いについて。お互いを理解しあわずに歌ってもハーモニーは生まれない。それをダニエルに見破られてしまう。そこで胸に押し込めているものをメンバーたちが吐くのだが、その激しいこと。嫉妬、確執、非難、思い込み…。でも、それを乗り越えて声を、そして心を合わせようとするメンバーたちの成長振りが素晴らしい。何と言ってもコンサートでのガブリエラの歌。映画やドラマではめったに泣いた事がないのに、その歌を聴いて涙してしまいました。

 ダニエルの登場で村は変わる。それを好ましくないと思うものもいる。牧師のスティッグや聖歌隊メンバーのシヴ、ガブリエラの夫コニー。盛り上がる聖歌隊の一方で、私はこの3人の位置に後味を悪く感じた。ただ単にダニエルたちに嫉妬しているとしても、村八分状態というか疎外された状態に何か嫌なものを感じた。自由を感じることが出来ない・自分を解放できない者は輪に入れないというような…。

 最後のハーモニーのシーンは印象的。ダニエルの夢である「音楽を通じて、人の心を開く」ことが叶う。しかし、ダニエルが遅れてくることになった理由がよく分からない。あれでは自業自得では…?

 ガブリエラ役のヘレン・ヒョホルムはスウェーデンでは有名なミュージカル歌手らしい。とにかくその歌声に注目です。スウェーデンの映画なので言語はもちろんスウェーデン語。原題は「Så som i himmelen」。英語に近いみたい。英語のような発音がある。出来ればスウェーデン語の字幕もつけて欲しかった。スウェーデン語は分からないけれども、字幕で追えたら面白いだろうなと思って。スウェーデン語を勉強している人にとってはいいテキストになると思う。7月にはフィンランド映画「ヘイフラワーとキルトシュー」がDVDで出るのですが、そっちはフィンランド語字幕を…無理か。


 Trackback for:
「スウェーデン不定期通信でした:歓びを歌にのせて」 
 スウェーデンに留学している方が、現地での評判や現地ならではの視点で感想を述べています。
by halca-kaukana057 | 2006-06-23 21:45 | 興味を持ったものいろいろ

スポンジワイプとは?

 先日、こんなものを見つけた。
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 レーナ・M・カールソンというスウェーデンのテキスタイルデザイナーがデザインしたスポンジワイプです。いつもはフィンランドのデザインに注目していますが、同じ北欧諸国ということで。スポンジワイプ、あまり聞き慣れない名前。何だろうと調べてみた。ここによると、コットンとセルロース、つまり植物繊維から出来た紙のような布。要するに台ふきん。スポンジと布のよさをうまく取り入れている。しかも自然素材から出来ているので自然に優しい。さすがは環境先進国。それにこの可愛いデザイン。たまらん。

 しかし、ちょっと使うのも勿体無いな…と貧乏くさいことを考える私。こんな可愛いのだし…。そう思ってこんな風にしてみた。

f0079085_21104352.jpg


 はい、壁に飾ってみました。こういう使い方もなかなかいいかも…。そのうち台ふきんとして使ってみようかな。しばらくはこうしておこうかな。


Trackback for:「馨しの北欧プロダクツ:万能布巾?!スポンジワイプ」
素敵な北欧デザイン製品がいっぱいあります。
by halca-kaukana057 | 2006-06-01 21:21 | フィンランド・Suomi/北欧

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)
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