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 前回の記事から間が空いてしまいました。その間、色々聴いてました。最近気になっている近代フランスの作曲家、ガブリエル・フォーレの作品を聴こうシリーズ、続きです。
・第1回:フォーレを聴こう その1「シシリエンヌ」

 今回は、合唱曲「ラシーヌ雅歌」(Cantique de Jean Racine)op.11.「ラシーヌ賛歌」「ラシーヌ讃歌」とも表記されます(何故こんなことになったんだ?)。歌詞は、17世紀フランスのジャン・ラシーヌの詩より。キリスト教の聖歌です。
ラシーヌ雅歌
 ↑フランス語歌詞と和訳があります
Cantique de Jean Racine :Fauré with Lyrics ラシーヌ讃歌:フォーレ

 ↑フランス語歌詞付き動画

 フォーレは宗教曲を数多く書いています。代表は「レクイエム」op.48.「ラシーヌ雅歌」もそのひとつ。フォーレが20歳の時(1865年)、音楽学校の卒業作品として書いたもの。演奏時間約5分。フォーレのデビュー作と言ってもいい作品です。これがデビュー作なのか…。

 現在、私がフォーレを聴くきっかけになったのが、この「ラシーヌ雅歌」でした。聴いて一言、「美しい」。オルガン(管弦楽版もある)と、人間の歌声の調和で、こんな美しい音楽になるんだ…。最初は歌詞を知らずに聴いたのですが、それでも厳かな気持ちになります。

 私はクリスチャンではありませんが、寺院仏閣、神社、教会、歴史ある場所、人の手があまり入っていない自然…そんなところを、この曲を聴いていると思い浮かべます。それらは、遠く、自分とは関係ないものではなく、自分の周りのどこかにあって見守ってくれている。場所、というより空気・存在(形がないとしても)なんだろうなぁと思います。

 録音は色々と聴いていますが、オルガン伴奏が多いです。静かに聴き入りたい作品です。
by halca-kaukana057 | 2014-07-03 22:36 | 音楽
 本当は「みんなのうた」で放送している4・5月の間に書きたかった…。

歌声は風にのって

風LaLa合唱団/ キングレコード



 4・5月の「みんなのうた」で放送された「歌声は風にのって」(新井鷗子:作詞、長山善洋:作曲)。様々な想いをのせて、歌は自然から生まれ駆け巡る…。のびのびとした曲に、心の奥底から湧き出て響く様々な感情が浄化されるような詩と合唱。美しくも、切ないうたです。聴いていて、歌うことと感情を持つこと・表現することの楽しさ、切なさ、苦しさ…それでも、美しい。そんなことを感じました。
 歌う「風LaLa合唱団」は若手女性声楽家で結成された女声合唱団。作詞の新井鷗子さんは、「コンチェルタンテⅡ」の構成担当、以前も書きましたが作曲の長山善洋さんは「クインテット」の音楽補佐(…あれ、何か共通点が)。ピアノ演奏は国府弘子さん。映像も美しかった。

 普段であれば、シングルCDで出るのですが、今回は「みんなのうた」が昨年50周年を迎えた記念に、これまでの「みんなのうた」の名曲を合唱曲としてこの風LaLa合唱団が歌うアルバムになりました。原曲は合唱曲ではないので、女声合唱に編曲されたのですが…編曲陣が豪華過ぎます。服部克久、小六禮次郎、渡辺俊幸、宮川彬良、千住明。あのー…豪華です。本当に豪華です。

 収録曲は、「大きな古時計」「夕日が背中を押してくる」「空がこんなに青いとは」「赤い花 白い花」「ありがとう さようなら」と今も歌い継がれている有名曲から、私の生まれる前に放送されていた知らなかった歌も。知っている歌は、アレンジや合唱曲としての魅力を再発見し、知らない歌も「みんなのうた」にはこんな歌もあったのか、これは聴けてよかったと思う。いいアルバムです。

 面白いなと思ったのが「大きな古時計」。服部克久さんの編曲。平井堅さんの歌のような、静かな、しっとりとした歌のイメージが強いのですが、服部さんの編曲は、時計の秒針の音をイメージした明るめの曲に。驚きました。明るく歌っても、「大きな古時計」に変わりはなかった。従来のイメージがおじいさんの死と動かなくなった時計にスポットライトを当てているとすれば、今回のイメージはおじいさんと時計の生涯の思い出を愛おしく振り返っているような感じ。明るいからこそ「今はもう動かない」の部分が重く強調されている。

 「春を歌おう」(小林純一:作詞、中田喜直:作曲、千住明:編曲)は、知らなかった歌のひとつ。前半は「春が来た」のに静かで暗い…と思ったら、後半で明るく飛び跳ねるように。しかも、中国語、ハングル、ロシア語も出てくる。面白い歌です。

 「わたしの紙風船」(嶋岡晨:作詞、越部信義:作曲、宮川彬良:編曲)も面白い歌。紙風船を人の心にたとえている。しぼんでも、息を吹き込めばまた膨らむ。そしてポーンと舞い上がる。この曲も前半暗いのが、徐々に盛り上がり後半になって舞い上がり明るくなる。「地球の子ども」(まどみちお:作詞、山本直純:作曲、宮川彬良:編曲)はまずこの作詞作曲コンビに驚愕。豪華過ぎるだろ…。それを宮川彬良さん編曲って…!身の回りから、地球、宇宙と広がってゆく。壮大です。ちなみに、この2曲はピアノ演奏も宮川彬良さんです。アキラさんのピアノも堪能できます(目的はそこか)。

 「夕日が背中を押してくる」の作曲は山本直純さん、「空がこんなに青いとは」の作詞は岩谷時子さん、「ありがとう・さようなら」は井出隆夫:作詞、福田和禾子:作曲、「風の子守歌」は池辺晋一郎先生作曲。よく知っている歌でも、作詞作曲が誰なのかを初めて知った歌も。「みんなのうた」はすごい番組なのだなぁと再確認。そして、歌詞もかみ締める。昔の歌なのに、古いと感じない。今にも通じている。「夕日が背中を押してくる」のような風景はなかなか無いかもしれないけど、旅先などで体験できればいいなぁ。女声合唱なので、声変わり前の男子も歌えるかな。でも小学校での合唱には…ちょっとレベルが高いかな。女子だけでも、中学高校などでも歌ってみて欲しいなぁ。

 そんなこともあろうかと!(…オイw)、このCDでの編曲の楽譜を、ネットでも購入・ダウンロードできるようになっているぞ!以下サイトでどうぞ。
ぷりんと楽譜:歌声は風にのって
楽譜ダウンロードサイト @ELISE:歌声は風にのって

 さらに、楽譜集もあるよ!
東京ハッスルコピー:歌声は風にのって

HCC015 NHKみんなのうた 合唱する「みんなのうた」 歌声は風にのって

東京ハッスルコピー



 最後に、「歌声は風にのって」の曲が、ピアノ伴奏が本当にきれい。女声合唱なので、ピアノがバスやテノールのような低く深い音を出すところも。女声とはいえ、ピアノとアルトが低音・内声の深みを出し、かつ広がりもある。日本を代表する作曲家の名前がずらりと並ぶ中で、長山さんが頑張っている。これからの活躍、作曲作品も楽しみにしたいです。
by halca-kaukana057 | 2012-06-18 23:11 | 音楽
 かなり前に「合唱大国・フィンランドを堪能する」という記事でフィンランド(北欧・バルト諸国全体)の合唱がすごいという話をした。かなり間が開きましたが、今日はその続き。フィンランド・北欧音楽にとても詳しく、このブログでお世話になっているsuomestaさんのお薦め、タピオラ合唱団のフィンランド民謡集です。



「Sininen ja Valkoinen」
タピオラ合唱団/エルッキ・ポホヨラ(合唱指揮)
タピオラ・シンフォニエッタ/ヨルマ・パヌラ(オーケストラ指揮)/ONDINE
(リンク先で試聴可能。またはアメリカのタワーレコードのサイトで)



 タピオラ合唱団は小学校の音楽教師だったエルッキ・ポホヨラ氏(以前オラモ/バーミンガム市響のシベリウス交響曲全集の記事で触れたフィンランド屈指の音楽一家・ポホヨラ家出身。リーサ・ポホヨラは妹にあたる)が1960年代に創設した児童合唱団。初めは小学校内の合唱団だったが、そのうちフィンランド中から子どもたちが集まるようになった。世界中の合唱コンクールで何度も優勝し、国際的に活躍している。CDも数多く、そのうち一枚がこれ。以前紹介したカンドミノ合唱団は無伴奏合唱ですが、このCDではタピオラ・シンフォニエッタによるオーケストラ伴奏がついています。その指揮があのヨルマ・パヌラ。

 CDタイトルの「Sininen ja Valkoinen」とは、フィンランド語で「青と白」(「sininen(シニネン)」が青、「valkoinen(ヴァルコイネン)」は白の意。「ja(ヤ)」はandのこと)。つまり、フィンランド国旗の色でありフィンランドを象徴する色。このCDにも「Taivas on Sininen ja Valkoinen」(空は青く、そして白い)という民謡がある。フィンランドの民謡には、自分たちの土地、国を称える歌がかなり多く、この歌もそのひとつ。

 このCD、そんなフィンランドの方々のフィンランド愛が強く表れています。何と言っても1曲目の「Maamme(我が祖国)」。フィンランド国歌です。25曲目、トリを飾るのは「Finlandia-Hymni」…「第2の国歌」とも呼ばれるシベリウスの「フィンランディア」に歌詞を付けた「フィンランディア賛歌」。フィンランド愛国CDと言ってもいいぐらい、フィンランド(スオミ)愛が強いCDです。

 少年少女で結成されているタピオラ合唱団ですが、声が澄み切っている。世界中の合唱コンクールで優勝しまくる理由も分かる。男声合唱の低い声が基本的に私は好きなのですが、この柔らかく透明な声も好きだ。児童合唱団だからこそ出せる声。合唱もいいが、時々出てくるソロパートでも見事な腕前。特に「Taivas on Sininen ja Valkoinen」と「Orvon Huokas(夕暮れの歌:ここでひとり私は歌う)」のソロはとても美しい。オケの伴奏も合唱に負けじととてもきれいです。

 あと、以前のカンドミノ合唱団のCDではブックレットに日本語訳の歌詞しか載っておらず、フィンランド語の歌詞が読みたいと思っていたのですがこのCDにはちゃんとありました(訳は英語)。声の美しさもそうですが、フィンランド語特有の発音・響きも堪能したい。やっぱりフィンランド語は響きが面白い。合唱・歌に何故かしっくり来る。

 タピオラ合唱団のこと、ポホヨラ氏自身のことについては「世界をつなぐ歌の橋 -タピオラ合唱団の音楽教育」(エルッキ・ポホヨラ著、松原千振訳、音楽の友社、1994)という本で詳しく書かれています。合唱で、音楽で大事にすることとは何かについてかなり深く書かれています。合唱団の子どもたちもかなりハードな練習をしているそうですが、この歌声はその賜物。合唱曲を作曲した現代フィンランドの作曲家のことも多く書かれていて興味深い。

 フィンランドの合唱はやっぱり凄い。民謡だけじゃなくて、シベリウス以降の作曲家の合唱曲(合唱入り管弦楽曲も含む)も。その辺はまだ聴いている最中。
by halca-kaukana057 | 2007-03-16 21:38 | フィンランド・Suomi/北欧
 前に聴いていたのに感想が書けなかったCDについて。フィンランドは合唱大国といわれるらしい。とにかく合唱がさかんで、しかも声がきれいなのだという。それを証明するかのようなCDを2枚。

 
まず、「フィンランドの讃美歌集」(FINLANDIA)フィンランド語での賛美歌を集めたCD(そのまんま)。私はクリスチャンではないので、賛美歌のことはよくわからない。でも、普通に音楽として楽しめる。また、歌詞や題名に自然を愛するフィンランドらしいところが表れているのもいい。長い冬に耐え、春を待ち望む。バッハやシベリウスが作曲した歌もあって興味深い。歌詞でフィンランド語の勉強をするのにもいいかもしれない。生で聴いてみたいけど、音楽聴くだけのために教会って行っていいのだろうか…。


 
もうひとつ。「フィンランド民謡の花束」(これもFINLANDIA)フィンランドの民謡なんて勿論知らなかったのだが、ロッテのキシリトールガムのCMに使われているので興味を持った。(そのCMの曲はここで聴くこともできます。ロッテのページより音がいいと感じる。左側上から7番目。斜め下にはロゼミント味のCM曲も。これは民謡ではないけどフィンランド語で歌われているオリジナル曲らしい。)

 民謡ということで、まさにフィンランド人の心を表現していると言えばいいのかなぁ。祖国、自然、家族、恋人や友達を愛する心。CMに使われている「私たちもまた価値ある民」の歌詞なんて、前向きな肯定の言葉が爽やか。また、「森の王」他「カレワラ」が題材になっている歌も多い。


 どちらも声、ハーモニーが本当にきれい。自分の耳で確かめたけど、本当でした。伴奏が無い合唱はあまり聴いたことがないのだけれど、人の声だけを堪能できるのもいいなぁと思う。とにかく歌詞だけ、歌だけでもフィンランドの美しさに浸れる。たまらん。
by halca-kaukana057 | 2006-01-25 20:29 | フィンランド・Suomi/北欧

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)
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