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星戀 (ほしこい)

 昨日は「伝統的七夕(旧暦の七夕)」。新暦の七夕では織姫・彦星、天の川は夜遅くならないと南中しない。また、梅雨の真っ只中で雨のことも多い。満月で星があまり見えないこともある。ということで、旧暦の七夕であれば、織姫も彦星も天の川も夜の早い時間から楽しむことが出来るし、月は上弦の月で星見に邪魔しない。ということで、国立天文台がはじめとなって、普及しつつあります。でも、昨日は雲が多く星見できませんでした。今日は快晴、上弦の月も、木星、土星、火星も見えています。火星は日没の時間から南東の空に明るく輝いて、すぐにわかりました。そんなに明るいんです。
 そんな、星見の気分をさらに上げてくれる本がこちら。

星戀
野尻 抱影 / 山口 誓子/中央公論新社、中公文庫/2017

 「星の文人」「天文学者(てん ぶんがくしゃ)」の野尻抱影のエッセイに、山口誓子の星の俳句を組み合わせた本。出版された時、こんな本があったのか!!と思いました。
 戦後、真っ暗な気分を星で晴らそうと星や天文の随筆を書き続けた野尻抱影。そのうち、山口誓子の星の句を借りられないかと思うようになったそうだ。すると、山口誓子は快く応じ、発表済みの星の句だけでなく、未発表作まで寄せてくれた。山口誓子から星の句が届くと、それに対照した随筆を書いていったそうだ。1954年に出版された。今回の版では、追加した部分もある。再出版して下さってありがとう中公文庫さんと伝えたい。

 「星戀」…星に恋する、なんと素敵な、ロマンティックな響きだろう。野尻抱影は「やや気恥ずかしい」と書いているが、これ以上ないタイトルだと思う。2人とも、星に魅了され、星に憧れ、星と文学を融合させた。エッセイ、俳句という形で、星への憧れ、想いを表現する。俳句も、エッセイも、星への愛情に満ちたものになっている。

 冬の憧れの星であるカノープス(南極老人星)だが、イギリスでは秋の唯一の一等星・みなみのうお座のフォーマルハウト(北落師門)が、高度8度ほどにぽつんと光っていて、南の空への憧れと鳴っているそうだ。秋の星空のにぽつんと明るく(といっても、他の一等星よりは暗め)輝くフォーマルハウトを見つけて、上へ登っていくとみずがめ座にたどり着く。虫の音を聴きながら、そんな秋の星空を楽しむ…といったところなのだが、イギリスでは日本と違うことに、言われてみればそうだけど、驚いた。確かに北欧へ行けば北極星は真上だし…。
 野尻抱影は日本だけでなく、世界の民間に伝えられている星の名前や独特の星座を蒐集した。日本は東西南北に長い国なので、北海道と沖縄では見える星が違う=呼び名なども異なる。世界へ広げればその土地に根ざした呼び名になる。星がその土地の文化や民俗そのものを表している。それは今までの野尻抱影の本を読んできて思ったが、星にまつわる文学も、その国、その土地から見える星が元になっており、その土地の文化などを表現しているのだなと思った。

 俳句はエッセイのように詳しく書けない。でも、限られた中での表現は、想像力をかきたてる。言葉数少ないからこそ、伝わってくるものもある。山口誓子の俳句は今まであまり読んだことがなかったが、楽しく読んだ。こんなに沢山の星や宇宙に関する俳句を書いていたのは知らなかった。2人の、2つの表現方法で、また星の見方が広がった。

 こういう本がもしまだ眠っているのなら、再出版をお願いしたい。
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by halca-kaukana057 | 2018-08-18 21:42 | 本・読書

ペルセウス座流星群を見たい 2018

 今年もやって来ました。ペルセウス座流星群(ペルセ群)の季節です。

アストロアーツ:【特集】ペルセウス座流星群 2018
国立天文台:夏の夜、流れ星を数えよう 2018 ~ペルセウス座流星群を眺めて、みんなで報告しよう
 ↑今年もやってます、国立天文台の報告サイト。

 今年は月は夕方に沈んでしまっているので、月明かりの影響は全くなし。絶好の条件です。
 ただ、お天気が良くなるかどうか…日中は曇っていたので、無理かなぁと思っていました。

 夜、薄い雲がちらほらとありますが、晴れました。部屋の窓から、夜11時ごろから1時間程度観測しました。天頂近くには秋の四辺形、ペガススの四辺形が。月明かりはなかったのに、ご近所さんの家の明かりが目に入ってきて残念。それでも、明るい流星は3個ほど、全部で5個程度見られました。

 何より、南の空でオレンジ色に明るく輝く火星が印象的でした。ギラギラと、禍々しい…。

 今日は雲が多い。見られたら見ます。
 観測した人、曇ってて観測できなかった人も、上記の国立天文台のキャンペーンサイトで報告してね。
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by halca-kaukana057 | 2018-08-13 21:50 | 宇宙・天文

天文の世界史

 火星の大接近と夏の夜の惑星祭り、ペルセウス座流星群と様々な天文現象があり、今年も何かと天文・宇宙は話題になっています。これまで、様々な天文・宇宙本を読んできましたが、その宇宙を人類はどのように見つめてきたのか。ルーツ、歴史を紐解いてみたいと思いません?ということでこの本。


天文の世界史
廣瀬 匠 / 集英社、集英社インターナショナル、インターナショナル新書 / 2017

 天文学の歴史というと、まずメソポタミアやエジプトと言った古代文明のもとで生まれた天文学に続いて、西洋の天文学の歴史について語られる。あと、アラビアの天文学。しかし、インドや中国といったアジア諸国でも天文学は進歩していった。古代マヤでも天文学は進んでいた。世界史は世界史でも、天文学の世界史、人類が宇宙をどう捉えていたのか、その歩みを辿る本です。
 著者の廣瀬さんは、アストロアーツで働いた後、天文学史の研究へ。古代・中世インドがご専門。ツイッターをやっていた時、フォロワーさんでした。何度か言葉を交わした方が本を出されている…不思議な世の中です。

 身近な太陽、月、地球に始まり、惑星、星座、流星や彗星、銀河などの記録や民俗、文化などなど。時間、年月日の概念と誕生、暦の作成…宇宙、太陽や月、星(星座)はそれらを生み出してくれた。運行に規則があって、一定である。そこから、権力者が変わり無く、絶え間なく、統治できるかという指針にもなった。動きが一定でない惑星や、彗星、超新星などは不吉とされた。星占いもそこから発展した。人類が宇宙の中で生きてきた、宇宙があって人間の生活や文化が生まれ変わっていったことの証でもある。現代人の多くの人は、天文現象があれば何だかんだと騒いで空を見上げるが、古の人々にとって宇宙は、もっと身近で、もっと見続けていたものなんだろうなと思った。昔は夜はこんなに明るくはないので、もっと星や月を見えたのもあるのかな、と。

 地域によって、星の見方も違う。メソポタミアの流れにある西洋の星座と、中国の星座は違う。でも、似ているところもある。星の並びが印象的なものだと、どこの地域でも結び方は同じになってしまう。星座だけでなく、太陽や月、暦、惑星などに関しても。インドについては今まであまり知らないことが多いので、興味深かった。

 近現代の天文学についても書かれています。望遠鏡の発達により、遠くの銀河や星雲なども観測できるようになった。天の川についても、銀河だったとわかる。さらには相対性理論、暗黒物質、ビッグバンと今現在も研究が続いている天文学、物理学に繋がる。遠くの宇宙が見えるようになれば、また謎が生まれる。新しい発見があれば謎も生まれる。天文学の歴史はその連続。今、研究している宇宙の謎が解けたら、また新しい謎が出てくるのだろうか。とても面白いです。

 新しいことだけではない。244ページの「「天文学の歴史」を疑うことこそ理解への第一歩」とあるように、天文学の歴史も諸説ある。ある概念が時間を経て、違う概念に変わってしまったことはよくある。過去も知ればまた謎や疑問、噛み合わないことが出てくる。専門家でない限りなかなか文献を探すのは大変だが、色々な説や文献に触れて、天文学の多様性を実感する。天文学の歴史の膨大さも、宇宙のように広がっているのだなと感じました。すごいね。

 宇宙天文についての基礎についても書かれているので、宇宙天文+天文学史の入門書になると思います。内容はちょっと難しいところもありますが、文章も親しみやすいと思います。


【過去関連記事】
天文学者の江戸時代 暦・宇宙観の大転換
カリスマ解説員の楽しい星空入門
「ブルームーン」とはそもそも何ぞや

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by halca-kaukana057 | 2018-08-11 22:22 | 本・読書

火星大接近の夜の星見

 今日は火星大接近の日。
・以前の記事:2018年の夏は惑星祭り! 火星を見よう


 5759万kmまで近づいた火星。前回の記事で、別に今日だけが観測出来る日ではないと書きました。その通りです。大接近、つまり「衝」の位置にある時は、南中は真夜中。8時ごろに南中を向かえる8月後半の方が観測しやすいです。
 しかし、せっかくの大接近の日。しかも晴れてる。火星だけじゃなくて木星や土星も見ごろ。記念に、望遠鏡を持って星見に行ってきました。
 ここで大事な忘れ物…カメラを忘れました。なので星見中の画像はなしです。

 まず、金星。半分に欠けているのが辛うじてわかるかな…という状態。
 木星。縞模様もガリレオ衛星もしっかり見えました。ああきれいだ。
 土星、今年の環の角度は絶妙ですね。はっきりと環とわかる。もう何時間でも観ていたいほど(「香川照之の昆虫すごいぜ!」のカマキリ先生風にw)
 そして、火星が見え始めました。オレンジ色の明るい星。望遠鏡を向けて観てみますが…やっぱりオレンジ色の光の点。模様ははっきりとはわからない。ぼんやりと、模様があるようなないような、見えるような見えないような…気はする…。うーん、やっぱりこれが限度か。
 火星は近いのに模様をはっきりと確認できない。木星と土星は遠いのに、模様や環をはっきりと確認できる。火星は小さいのだなと実感しました。木星と土星もいかに大きいかということも。

 途中、イリジウムフレアも見えました。とても明るかったです。久しぶりに見た!時間を調べて、ちゃんとカメラを持って来ればよかったなと。残念。

 観測場所では、花火をしている集団がちらほら。散歩をしている人も。ニュースでも火星大接近のことをやっているので、誰か話しかけてくるかな、と思ったのですが誰一人来ず。ひとり寂しい星見でした。いや、楽しかったですよ。
 もし、望遠鏡で観測している人がいて、見てみたい、声をかけてみたいけど邪魔なようで声をかけられない…という方。大丈夫です。私は歓迎です。人によりけりかも知れませんが…。質問しても答えてくれると思いますよ。機材にむやみに触らない、機材の周りで走り回ったりしない(機材にぶつかる、倒れる危険性があります)。これだけは守ってくれれば大丈夫ですよ。
 そんな火星大接近の日の星見でした。8月中にまた行こう。

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帰ってきてから撮った火星。火星の左側にうっすらとやぎ座の逆三角形が確認できます。月明かりで厳しい…。火星は月に負けずに輝いていました。




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by halca-kaukana057 | 2018-07-31 23:48 | 宇宙・天文

2018年の夏は惑星祭り! 火星を見よう

 毎日暑い日が続いていますね。そんな日は、夜は夜風に当たって少しは涼しくなりたい…いや、夜になっても30度以上の地域もありますので、どうぞ熱中症、特に夜間の熱中症には気をつけてくださいね。
 厚くて眠れない…そんな時は、晴れていれば星空を観るのはいかがでしょう?今年の夏は、惑星祭りです!!

 まず、金星。日没の頃の西の空に明るく輝いています。「宵の明星」です。

 次に、木星。てんびん座に位置しています。この辺りには他にとても明るい星はないので、見つけやすいと思います。しいて言うと、西に傾いたおとめ座のスピカが近くにありますが、スピカは白。木星は黄色~オレンジ色をしています。双眼鏡や望遠鏡を向けると、4つのガリレオ衛星や、縞模様が見えますよ。日によって(時間によっても)、ガリレオ衛星の位置が違うので観察してみてください。
アストロアーツ:【特集】木星とガリレオ衛星 2018年

 次に土星。いて座に位置していています。望遠鏡を向けると、環っかが確認出来ると思います。ずっと観ていても飽きない星です。
アストロアーツ:【特集】環のある星 土星 2018年

 そして、今年の主役は火星。今年は大接近の年です。
アストロアーツ:【特集】火星大接近 2018年7月31日地球最接近
国立天文台:火星大接近2018

 火星は、2年2ヶ月ごとに地球に近づきます。しかし、お互い楕円の軌道(火星の方がより楕円軌道)をしているので、軌道の位置によっては、接近しているけれども離れている、とても近いところで接近する、という差が出てしまいます。小接近、中接近、大接近と分けて呼ばれています(天文学的な正式な名称ではありません)。前回の大接近は2003年8月27日の5576万km。次の大接近は2035年9月11日の5691万km。今年は、7月31日に5759万kmまで近づきます。
 一番近づくのは7月31日ですが、観測するのはこの日だけでなくても構いません。7月31日は、真夜中に火星が南中(南の空の一番高いところに見える)します。むしろ、8月後半になるともっと早い時間から火星が見え始めるので、お子さんも観察しやすいです。一日だけとは言わず、何度でも観察して、動きを追ったり、口径10cm程度の天体望遠鏡があれば火星の模様を確認してみてください。

 さて、私も観測しました。口径8cmのマイ天体望遠鏡。前回の2003年の時は持っていませんでした。有効活用する時が来た!私の望遠鏡とアイピースの組み合わせでの、倍率の最大値は約100倍。見てみましたが…薄雲もあったせいだろうか?赤い点にしか見えませんでした…。観察の際は、大気の揺らぎがあるので、根気よく観察していると模様が見えやすくなるといいますが、やっぱりわからなかった。私の望遠鏡では限界か。月の明るさもあっただろうか。それでも、火星はとても明るく、はっきりと赤く輝いていました。この夏は火星も楽しみたいと思います。

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明後日満月の月と火星。何かぼやけてる?何回撮ってもこんな画像でした。月のせい?

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by halca-kaukana057 | 2018-07-26 23:01 | 宇宙・天文

6月の宵の三日月と金星

 今日は、西の空に金星と三日月が見えていました。日没の頃は雲があったのですが、後、雲が晴れて見られました。
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 三日月は相変らずきれいに撮れません。カメラの限界です。金星はとても明るかった。この2星の右に、ふたご座のカストルとポルックスが見えるはずなのですが、見られませんでした。

 昨夜、寝る前に外を見たら、満天の星空。天頂の近くには夏の大三角が。南の空にはさそり座。その東側に明るい星、土星です。いて座に位置しています。西側、てんびん座には木星が明るく輝いています。もう少し時間が遅くなれば、やぎ座に位置する火星も見られます。今年は火星大接近の年。寝る前にしばし星見しました。
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by halca-kaukana057 | 2018-06-16 21:04 | 宇宙・天文

重力波は歌う アインシュタイン最後の宿題に挑んだ科学者たち

 去年のノーベル賞受賞式の近辺に書きたかった記事です…。
 2017年のノーベル物理学賞は、マサチューセッツ工科大学(MIT)のライナー・ワイス(Rainer Weiss)博士、カリフォルニア工科大学のバリー・バリッシュ(Barry C. Barish)博士、キップ・ソーン(Kip S. Thorne)博士に授与されました。
Nobelprize.org : The Nobel Prize in Physics 2017

日経サイエンス:2017年ノーベル物理学賞:超大型干渉計「LIGO」を構築,宇宙から来る重力波を初めて観測した3氏に
 ↑LIGOの仕組みの解説もあり、わかりやすいです。
アストロアーツ:重力波検出に貢献した研究者3名、ノーベル物理学賞を受賞

 重力波を検出したレーザー干渉計型重力波検出器「LIGO」のプロジェクトに携わってきた3氏をはじめとする重力波観測と「LIGO」建設のノンフィクションです。


重力波は歌う――アインシュタイン最後の宿題に挑んだ科学者たち
ジャンナ ・レヴィン:著、田沢恭子、松井信彦:訳/早川書房、ハヤカワ文庫 NF/ 2017(単行本は2016)

 アインシュタインによる一般相対性理論で、存在すると言われていた重力波。しかし、重力波による空間のゆがみは非常に小さく、アインシュタイン自身も観測出来るかどうかには不可能と考えていた。だが、重力波は存在する、観測することができる、という科学者たちが、少しずつ観測装置を考え出し、観測に向けて動いていた。
 その中のひとり、ジョセフ・ウェーバーは重力波に共鳴して振動するという「ウェーバー・バー」を作った。また、ジョン・ホイーラーやロナルド・ドレーヴァーという科学者も重力波検出に乗り出した。「ウェーバー・バー」では重力波を検出することはできず、ウェーバーは責め立てられた…。ウェーバーの最期がまたかなしい。

 国籍、出身、ルーツも異なる科学者たち。彼らがどのように科学者人生を歩み始めたのか、どこで重力波の研究と出会ったのか、それらを読むのは面白い。皆個性的だ。だが、重力波を検出する機器はどうやったらできるのか、どう建設するのか。なかなかプロジェクトは進まない。レーザー干渉計型重力波検出器のプロトタイプは作られるが、複雑な仕組みで、コントロールするのが難しい。ひとつひとつ、問題を解決していき、一方で、プロジェクトが正式に認められ、予算が出るように尽力する。科学者は、実験や研究だけやっているわけではないというのは、他の宇宙・天文プロジェクトでも読んだ。政治家や役人たちにわかるようにプロジェクトを説明し、予算を得られるようにしないと、肝心の実験も機器の開発も研究もできない。未知の世界に乗り込んでいく科学者というのは、マルチな才能を持っているのだなと本当に思う。

 途中、「LIGO」ってどういう仕組みだったっけ…?と何度も思うことがあった。この本を読むために、もう1冊重力波と「LIGO」に関して解説した本が欲しいと思ったほどだ。
 ノーベル物理学賞を受賞した3氏の中で、バリー・バリッシュ博士は一番後、1990年代になって「LIGO」プロジェクトの統括責任者になった。受賞したのは3氏だが、ホイーラーやドレーヴァー、ウェーバーらたくさんの科学者が重力波観測を目指していた。志半ばで亡くなったのが残念だ。重力波を観測し、ノーベル賞も受賞したことを天国で喜んでいるだろうか。喜んでいてほしいと思う。この「LIGO」プロジェクトでも、志を引き継いでいくという熱いものに触れることができた。

 ノーベル賞を受賞するのは、その成果が出てからしばらく経ってから、というのが多い(スーパーカミオカンデの故・戸塚洋二博士を思い出さずにはいられない)。今回の受賞は、重力波検出の報せが出てすぐの受賞。本当によかったと思う。「LIGO」だけでなく、日本の「KAGURA」も含めて、重力波天文学はこれからますます盛り上がる。その黎明期を伝える本として、とてもいい本だと思います。

 あと、先日亡くなられたスティーヴン・ホーキング博士についても少し出てきます。キップ・ソーン博士とは友人で、科学関係の賭けをするが、ホーキング博士は賭けに弱い、と。答えが出そうもない妙な賭けもしている。科学者同士のこんな話題も面白い。

・「LIGO」の重力波検出の際に書いた記事:重力波天文学が始まる
 重力波は「聞く」。この本にも込められています。

 ちなみに、この本を買ったは、ノーベル賞受賞直後。帯がこれでした。
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 もし、2017年に受賞しなかったらどうなっていたんだろう…。現在は「ノーベル賞受賞!」になってます。

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by halca-kaukana057 | 2018-04-16 22:36 | 本・読書

春分の宙

 今日は春分。当地は晴れ、そこまであたたかいわけではないですが、穏やかな一日でした。

 現在、夕空に金星と水星が見えています。なかなか見るのが難しいと言われている水星。夕暮れ時、西の空を観ると、金星が見えました。まだ空が明るかったせいか、薄雲のせいか、高度のせいか、そこまですごく明るくはありませんでした。水星は、空が明るくて見えず。もう少し暗くなってから再挑戦…金星と水星が見える位置にちょうど雲が出てきてしまいました。残念。

 なかなか夕方~日没後の時間、空を見る時間が取れず、この冬はあまり星見が出来ませんでした。しかも天気も悪かった。今日は、夜も晴れています。北の空に北斗七星が直立していて、春が来たんだなと感じます。冬の星座は西の空へ。長い冬が、ようやく終わろうとしています。

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 今シーズン初のオリオン座。
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by halca-kaukana057 | 2018-03-21 21:40 | 宇宙・天文

天文学者の江戸時代 暦・宇宙観の大転換

 大分前に読み終わったのに、感想を書かずにいる本のひとつです…。


天文学者たちの江戸時代: 暦・宇宙観の大転換
嘉数 次人 / 筑摩書房、ちくま新書 / 2016


 江戸時代。日本の天文学は、それまでの中国からのものに加え、西洋の天文学も取り入れ、変化していった。暦の作成、日食や月食の観測と予測、月やさまざまな惑星の観測、最新の宇宙論。江戸時代に活躍した天文学者を紹介しながら、江戸時代に日本の天文学がどのような方向に進んでいったのかを俯瞰できる本です。

 江戸時代の天文学者というと、「天地明察」で有名になった渋川春海。歩いて海岸線を測量し、正確な日本地図をつくった伊能忠敬。また、天文学を推し進めた将軍・徳川吉宗などが出てくる。でも、それだけじゃない。江戸時代、日本の天文学はこうなっていたのかと、興味深い内容の本です。

 渋川春海に関しても、「天地明察」の範囲でしか知りませんでした…。史実ではあるけれども小説なのでフィクション、脚色も勿論入っている。この本では、渋川春海がどのように「貞享暦(じょうきょうれき)」や「天文分野之図」などを作っていったのか、ざっと書いてある。中国の暦や星座を用いてきたが、それを日本の地理に合わせたものに作り変えた。事実だけ読んでも、渋川春海のすごさを実感する。

 江戸時代の天文学者が次々と出てきます。以前、このブログでも取り上げたことがある麻田剛立も勿論登場します。数々の業績も素晴らしいのですが、麻田剛立のすごいところは、研究スタイルをオープンにしたこと。当時の学問は閉鎖的で、師に入門すると、学んだことは他人にも家族にも話さない、同門の者にも話さない、師に無断で著作物を出さないなど、門下だけでひっそりと研究を進めていた。一方、麻田剛立は、全てをオープンにしたわけではなかったが、大坂や日本各地の研究者を交流、議論するなど自分の知識を門下以外の人にも伝えていた。月食を観測していた際にも、見物人にも望遠鏡や観測機器を公開して、一緒に観測していたという。今では当たり前のようなことだが、当時は珍しいことだった。

 その、麻田剛立の弟子として紹介されるのが、高橋至時(たかはし よしとき)、間重富(はざま しげとみ)。高橋至時は、伊能忠敬の師匠。寛政の改暦、「ラランデ暦書」の翻訳にあたる。江戸時代、どの科学分野でもネックになったのが、オランダ語からの翻訳だろう。「ラランデ暦書」の翻訳も難航した。
 また、この頃になると、地動説や、彗星の研究、天王星の観測もあった。

 江戸時代、鎖国のため、西洋の学問はなかなか入ってこない、そのため、日本での科学分野での研究もなかなか進まない…というイメージを持っていた。語学の壁もあったが、思った以上に江戸時代の天文学はいきいきしていた。限られた中でも、試行錯誤や工夫、想像力をもって宇宙に挑んでいった先人たちのことを知ることができてよかった。

【過去関連記事】
天地明察
 小説の方です。コミカライズの感想もあります。
月のえくぼ(クレーター)を見た男 麻田剛立
 麻田剛立の児童向けの伝記です。児童向けですが、大人でも楽しめます。この本と合わせてどうぞ。

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by halca-kaukana057 | 2018-03-14 22:05 | 本・読書

天体シリーズ切手第1集 手押し&押印機 特印

 これまで、星座の切手は2シリーズ発行されていました。第2シリーズ「星の物語」の次は、「天体シリーズ」です!

日本郵便:特殊切手「天体シリーズ 第1集」の発行
 全4集の予定とのことです。
 今度のシリーズも、ホログラムできらきらしています。今回は隠し文字はない模様?どう見ても確認できませんでした。
 今回は天体ということで、太陽、惑星から彗星、星雲と幅が広いです。冬の発行にあわせたのででしょうか。オリオン座にある星雲や星形成領域が多い。

 ということで、特印。まず手押し印。
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 切手シートのロゴの土星と太陽。ハト印が太陽で焼かれているようにも見えます…。切手はヘール・ボップ彗星を選びました。ヘール・ボップ彗星、懐かしいです。またこのクラスの彗星が北半球から見られないものか。南半球ではあるんですがねぇ。

 押印機も郵頼しました。
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 オリオン座にある馬頭星雲が図案です。押印機ならではのグラデーションです。切手はオリオン座イオタ(ι)星付近を選びました。オリオン座イオタ星は、オリオンのベルトの下に縦に3つに並んでいる小三ツ星の一番下の3等星です。この付近にはオリオン座大星雲(M42)がありますが、それとは別に、イオタ星の付近に「イオタ星星団」もあります。
アストロアーツ:オリオン座大星雲の手前にもう1つの大星団

 切手も楽しみですし、特印の図案に何が来るのかも楽しみです。第2集を待ちます。今度は何の天体だろう?


【これまでの星座切手 特印】
<第1シリーズ>
・第1集・夏の星座:切手で星座を楽しもう
・第2集・秋の星座:切手で星座を楽しもう 第2シーズン
・第3集・春の星座:切手で星座を楽しもう 第3シーズン
・第4集・冬の星座:切手で星座を楽しもう 第4シーズン +実際の星空も

<第2シリーズ 「星の物語」>
星座切手新シリーズ「星の物語」第1集&特印 その1
星座切手新シリーズ「星の物語」第1集&特印 その2・機械印編
星座と名月を切手で 「星の物語」第2集&特印
冬の星座と明星、進化する切手 「星の物語」第3集&特印
星型切手 「星の物語」第3集 続編:押印機特印
惑星と秋の星座 「星の物語」切手第4集&特印
「星の物語」切手第4集 押印機特印
「星の物語」切手 第5集 押印機特印


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by halca-kaukana057 | 2018-02-10 22:22 | 宇宙・天文


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