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 バレンタインデーです。バレンタインが近づくと、店頭に珍しいチョコレートが並び、チェックしに行ってしまいます。ずっと気になっていたのは、数年前から惑星のデザインのチョコレートが販売されていること。しかし、私の住んでいる地域、行動圏内では販売している店はなく。数年前に一度見つけたのですが、ほとんど売り切れ状態で買えず。惑星チョコを買えたらなぁと思っていました。

sorae:あなたはガイアを食せるか。注目の惑星チョコが美しすぎた

 今年、ついに買えました。上記リンク先でも紹介されている「Astronomy」(マイネローレン)。販売しているお店がありました。様々な種類があって悩みましたが、お手ごろな3個入りのにしました。
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 パッケージには馬頭星雲。きれいです。

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 箱の裏には入っているチョコレートの説明があります。金星がクランベリー。太陽(ハート型)はストロベリー。地球はラズベリー。

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 きれいです。完全な球体ではなく、半球です。でも地球や金星のグラデーションがきれい。太陽のハートはキラキラしています。

 ずっと眺めていてもいいのですが、せっかくなので食べます。太陽と地球はホワイトチョコレート。金星はミルクチョコレートが土台になっています。まず太陽。ストロベリーが甘いです。次に地球。ホワイトチョコの優しい甘さにラズベリーの甘酸っぱさが優しいアクセントになっています。最後に金星。太陽と地球とは違うミルクチョコレートの力強さにクランベリーの風味が活きます。美味しいです。ただ、3つともベリー系で似ている。3つとも違う感じでもよかったなぁと感じました。

 そういえば、山崎直子さんが以前宇宙のにおいはラズベリーっぽい甘酸っぱいにおいとインタビューで読みました。だから地球はラズベリーなんだろうか。

 6粒入り(太陽はなく、水星、火星、木星、土星)のもありました。こちらはソルトやキャラメル、ピーチにコーヒーとバリエーションが広がっています。こっちも食べたかった。惑星以外にも、彗星や星雲のチョコレートも入っているものもありました。

 宇宙関係では、「星の王子様」のチョコレートもありました。また来年も惑星チョコを食べられたらいいな。今年とは変わっているのかな。
by halca-kaukana057 | 2019-02-14 22:01 | 宇宙・天文
 この本は面白かった。

宇宙はなぜ「暗い」のか? オルバースのパラドックスと宇宙の姿
津村 耕司/ベレ出版/2017


 宇宙は何故暗いのか。夜空は何故暗いのか。え?太陽の光が当たってないから?宇宙は真空だから、光が大気で拡散しないから?星が沢山あるのに…星(恒星)はそんなに密集していないから…?宇宙は広過ぎるから…?違うの?この本を読み始めた時、そう思っていました。わからない。考えたこともない。当然じゃないの?と思っていたら、当然ではないらしい。宇宙はなぜ「暗い」のか?何だか、某テレビ番組でそのうち取り上げられそう、そして答えられない出演者が「叱られ」そうな…。

 この本のサブタイトルに、「オルバースのパラドックス」とある。「無限の空間に無限の恒星が一様に散らばっているとしたら、空は太陽面のように明るいはず」ちょっとよくわからない。この本では、森の中の木々に例えて説明している。森の中の木が全て同じ、同じ種類で同じ太さと仮定すると、手前の木は大きく見え、その木の間に奥の木が見えて、その奥の木の間には更に奥の木が見えて…どこまでも木々が、全ての方向に見える。宇宙も同じで、手前の星は明るく見えて、その間にその奥にある星が見え、その奥の星々の間にはさらに遠くの星が見えて、どこまでも、どの方向にも星が埋め尽くされているように見えるはず。
 でも、実際にはそうではない。これが「オルバースのパラドックス」。こういう謎があったのか。

 このオルバースのパラドックスを解明していくのですが、解明する途中で物理学や天文学の様々な法則や知識、歴史を用いて、宇宙や天文の仕組みをひとつひとつ学べるようになっている。これが面白かった。今まで私も学んできたことを確認しながら読みました。金星の満ち欠けが地動説の証拠になったというのは知らなかった。天動説での金星の満ち欠けと、地動説での金星の満ち欠けの仕方は違う。天動説での金星の満ち欠けがどのようなものか知らなかった(天動説でも金星は満ち欠けするという説自体はあったのに驚いた)。皆既・金環日食や金星の日面通過など、ここ数年の天文現象を振り返りながら解説があるのも興味深い。天文現象が何を意味するのか。天文現象を観測した先人はそこから何を見つけたのか。天文現象があると私も宇宙に生きているのだなと思うが、それだけでなく、天文現象の観測はは宇宙と地球の仕組みの解明の鍵になっている。観測にかける研究者の気持ちはいかばかりかと思う。

 オルバースのパラドックスの謎解きまで、近くの宇宙から遠くの宇宙の謎へと移っていくのも面白いが、可視光線や赤外線、紫外線、X線、電波など様々な波長の電磁波から解明していくのも面白い。人間が夜空や宇宙を見て「暗い」と思うのは可視光線だけだが、他の波長で「見たら」どうなるのか。その波長における仮説を解きながら、その波長で「見える」宇宙の姿も明らかにしていきます。その波長を観測できる人工衛星も登場します。

 「オルバースのパラドックス」を紐解く過程で、ブラックホールや重力波、ビッグバンまで出てくる。宇宙、天文学の1から10が学べてしまう。いくつもの謎解きを経て、ついに「オルバースのパラドックス」の謎が解ける箇所はそうだったのか!とスッキリしました。本の中では、結論を先に読みたい人のためにどこを読めばいいかも書いてありますが、最初からひとつひとつ謎解きしていって読むと達成感も味わえる。推理小説のようでもある。実際は、数学的に計算して求めることができるという。それを一般向けに分かりやすく、様々な天文学の知識も吸収しながら読めるのはありがたい。

 「オルバースのパラドックス」がなく、夜空がもし星々で埋め尽くされ、明るかったら、星座も生まれなかっただろう。今の季節なら、オリオン座の雄姿やギラギラと輝くシリウスを楽しめるのは、宇宙が暗いおかげだったんだ。宇宙が暗いことによって、多種多様な恒星や、星雲、銀河の研究も進んだはず。私の中では、宇宙が暗くてよかったという結論になった。宇宙をいつもと違う方向から、一から学べる本です。

by halca-kaukana057 | 2019-01-26 21:59 | 本・読書

白河天体観測所

 数々の星座や天文の本を出版している藤井旭さん。その藤井さんたちが作った「白河天体観測所」という私設天文台がありました。所長の「天文犬」チロで有名でもあります。その50年を綴った本です。


白河天体観測所 : 日本中に星の美しさを伝えた、藤井旭と星仲間たちの天文台
藤井旭/誠文堂新光社/2015


 天文好きな美大卒の藤井さんは、雑誌のイラストを描いて生活しつつ、天文同好会の観測小屋で天体観測をする日々だった。しかし、天文写真を現像すると「光害」の影響で夜空が明るく写ってしまっていた。暗い夜空を求めて、藤井さんは福島の郡山へ。運よく就職先が見つかり、同じ頃、天文好きが集まる国立科学博物館の村山定男先生の研究室で、那須高原に山荘のような天文台を建てたいという話を聞く。口径30cmの反射望遠鏡のある天文台。星仲間たちも「光害」のないところで、観測できる場所を求めていた。村山先生と藤井さんたちアマチュア天文家が資金を出し合って、天文台作りが始まった。そして1969年、天文台は完成。その頃、偶然立ち寄ったデパートの犬の展示会で、北海道犬のメスの子犬を買うことになってしまった藤井さん。その犬を「チロ」と名づけ、観測には連れて行くようにしていた。観測所でも可愛がられたチロ。強く美しく成長したチロを、天文台の所長にしようと決めた。


 白河天体観測所と、チロのお話は「星になったチロ」「チロと星空」という藤井さんの著書にまとめられています。私もその本を読んでチロのことや白河天体観測所、後に始まったチロの星まつり「星空への招待」のことを知り、憧れていました。大きな望遠鏡があって自由に使えて、夜が遅くても観測所で寝泊りできるし、「アストロ鍋」のような美味しいものも食べられる。天文仲間もいるし、可愛いチロもいる。こんな天文台があるっていいなぁと思っていました。

 観測所での面白いエピソードも数多く綴られています。様々なお客さんや、チロや天文仲間たちの様々なエピソード、失敗談、山の中の自然のこと、観測所での困った出来事などなど。笑い話もあるし、「星見あるある」な話もあるし、不思議だなと感じる話も。観測所にやってきていた人たちにとっては、どれも大切な思い出話だろう。藤井さんの語り口調(文章)そのものが、それを物語っているよう。
 先述した「アストロ鍋」。星仲間たちはもちろん観測のために天文台にやってくるけれども、それ以上に、星仲間と集い、美味しいものを食べながらおしゃべりするのも楽しみ。星仲間の「たまり場」になっていた。観測所…「白河天体歓食所」名物の「アストロ鍋」は、やってきた星仲間たちが持ってきた各地の名産物など使ったり、なんでもありの鍋。本当に楽しそうだ。
 「歓食所」には海外の天文家もやって来る。さらには星新一他作家もやって来る。星新一のある独白には驚いた。さらに、天文家(後に博士号を取得)で宇宙飛行士の土井隆雄さんも、藤井さんの頼みでチロのステッカーを宇宙に持って行き、天文台に持って帰って来てくれた。そんなゲストたちの話も面白い。

 観測所はアマチュア天文家やプロの天文学者たちが集う天文台だったが、星見の楽しさを伝えようとしていく。会津磐梯山の山奥で、星好きたちが集まる星まつり「星空への招待」。1975年の夏から始まった。勿論チロは人気者。しかし、チロは1981年に亡くなってしまう。全国から、チロの死を悼む手紙や、香典までが届けられる。チロに会ったことがなくても、天文雑誌などで「星空への招待」のことや、チロのことを知り、私と同じようにいいなと思っていた星好き、星には興味がなかったがチロがきっかけで興味を持った人もいる。チロはまさに「天文犬」「アストロ犬」だったのだなと思う。

 その後もチロの遺志を引き継いでこうと、チロを記念した口径84cmの移動式の大望遠鏡を作ろうという計画が持ちあがる。私設天文台でのこの大きさはとても珍しい。科学館などの天文台でもこの大きさはなかなかない。しかし、チロのために、と星仲間たちは作ってしまう。必要なものの調達もうまい具合に進み、周囲の人々もいいタイミングで強力してくれる。星仲間もそれぞれの持っている技術で貢献する。白河天体観測所を作った時も、トラブルがあってもうまい具合に進んで行った。すごいなと思う。望遠鏡は無事に完成し、1986年のハレー彗星接近に合わせて、全国各地を走り回ることになった。さらには、南天の星空も観測しようと、オーストラリアに天文台建設の話が持ち上がる。「チロ天文台」と名づけられたその天文台でも、星仲間たちは美味しいものを食べて歓談し、観測しているという。

 そんな、白河天体観測所には、ある取り決めがあった。そして、2011年3月、東日本大震災。観測所は強い揺れを受け、望遠鏡は倒れ、建物も被害を受けた。さらに、原発事故の影響も受けてしまった。その取り決めと、震災でのダメージにより、白河天体観測所は2014年に閉鎖。何とも残念な最後になってしまった。自然の中で、宇宙という自然を観測してきた天文台が、地震という自然災害で被害を受けてしまう。天文台は人工の私設ではあるが、山の自然と共に観測を続けてきた。皮肉な最後でもある。

 白河天体観測所はなくなってしまった。しかし、「チロ」シリーズの本やこの本で、私設天文台のノウハウは伝えていける。日本の、世界のどこかに、星仲間が集う新しい天文台ができても不思議ではない。白河天体観測所のこと、チロのことをこの本が伝えていけばいいなと思う。チロと白河天体観測所は、今も私の憧れだ。
 「チロ」シリーズの本も再読しよう。
by halca-kaukana057 | 2019-01-13 22:35 | 本・読書
 本屋で偶然見つけて、面白そうと買った本です。


星の文学館 銀河も彗星も
和田博文:編集/筑摩書房、ちくま文庫/2018

 星、天文、宇宙に関する文学作品35編を集めたアンソロジーです。宮澤賢治「よだかの星」、谷川俊太郎「二十億光年の孤独」といった有名作品から、川端康成、三島由紀夫、江戸川乱歩、茨木のり子、大江健三郎など著名作家の星・天文に関する作品。山口誓子、稲垣足穂、小松左京といった宇宙・天文を得意とする作家。森繁久彌、中村紘子のような意外な方まで。ありとあらゆる方向から、様々な作家たちが星や宇宙を語っています。

 トップバッターは山口誓子。以前、野尻抱影との共著「星戀」で、数多くの星や宇宙に関する俳句や随筆を読みましたが、トップバッターにふさわしいと思う。
 それぞれの星や宇宙への視点が違っていて、表現も様々で面白い。この本で、初めて名前を知った作家、名前は知っているけど作品を読んだことのない作家も少なくありません。その中から、いいなと思える作品もたくさん。こういうアンソロジーもいいですね。

 宇宙や星、天文について語ると言っても、幅が広い。特定の星(月、太陽、惑星、恒星、彗星)や天体(銀河など)について語るのか、七夕のような星にまつわる文化について語るのか。はたまた広い広い宇宙について語るのか。また、内容も、天体観測の話もあるし、童話や神話もあり、宇宙や天文にまつわる小説だったり。SFもある。占星術もある。作家によって、全部違う。夜空に輝く数多の星のようだ。

 面白いと思ったのが、まず稲垣足穂。めくるめくファンタジーのような幻想的な世界で、輝く星。文章も魅せる。
 寺山修司の「コメット・イケヤ」も面白かった。星を見る、ということは、目が見える必要がある。残念ながら、星には音(火球、隕石なら運がよければ音はするが)も、においも味もない。遠くにあるので触れない。しかし、この「コメット・イケヤ」では、盲目の少女が出てくる。星を見たことはないけれど、彼女は彼女の星・星座を持っている。寺山修司のイマジネーションは、独特で不思議だ。面白かった。
 小松左京は身近な視点から、一気に遠くの宇宙まで飛ぶ。小松左京の魅力だなぁと思う。江戸川乱歩も、推理小説のイメージが強いが、SFのような作品もいいなと思った。三浦しをんの作品も取り上げられていて嬉しかった。ある経緯で星を観に行った話。星空は、人間の純粋な面を見せてくれると思う。私自身、星空観望会をやっていても思うことです。

 荒正人「火星を見る」は、今年の火星大接近を思い出させる。いつの時代も、天体現象は人間を惹き付ける。村山定男先生の名前が出てきて、おお!と思いました。1986年のハレー彗星に関する作品も多い。
 天体観測の話では、ピアニストの中村紘子さんのエッセイに驚いた。旦那様が天体観測に興味を持ち、赤道儀付きの天体望遠鏡(「バケツみたいな」とあるので、おそらくニュートン式かカセグレン式の反射望遠鏡)を購入し天体観測をするようになった、という。中村さんが天体観測を趣味にしていたと知って嬉しくなった。
 俳優の森繁久彌さんも、天体望遠鏡を買って、家の屋根を「天文台」と呼んでいる。その「天文台」で見ようとした「ムルコス彗星」は、おそらく「パーライン・ムルコス彗星」。1968年を最後に観測された彗星だそうだ。このような著名人も星に興味を持っていたんだなと思う。

 星や宇宙は、見上げればそこにある。広大に広がっていて、謎ばかりだ。簡単に近づけないから、こんな文学作品がうまれたのだと思う。どんな風に星を見て、どんなことを考えるかは自由だ。天体観測の決まった形もないし、文学となれば本当に自由だ。文学でも、人類は宇宙に近づけるんだなと感じました。寺山修司の作品で思いましたが、「星を見る」方法はひとつじゃない。目で観るだけが星や宇宙を「観る」方法ではない。人類の、宇宙や星に対する興味や想像力を実感する一冊でした。

 「星の文学館」の他に「月の文学館」もあるとのこと。そっちも読んでみたい。
by halca-kaukana057 | 2018-12-11 22:58 | 本・読書
 先日、目的地の小惑星「リュウグウ」に到着した、小惑星探査機「はやぶさ2」。
はじめまして、リュウグウ
 この記事でも書いたのですが、ローソンから、「はやぶさ2」のリュウグウ到着を記念した、リュウグウをイメージしたというデザートが発売されました。

ローソン:ローソン研究所:小惑星「リュウグウ」をイメージしたぷるるん水ゼリーがいよいよ登場!
ローソン:バタフライピーティーのぷるるん水ゼリー(レモン)

 というわけで、私もローソンに行って買ってきました。
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 こんな丸いパッケージに入ってます。お値段180円。
 パッケージには、「はやぶさ2」とも、「リュウグウ」とも、「JAXA」とも書いていません。JAXAの了解は得ているのだろうけど、JAXAとコラボというわけではない模様。事前にネットで情報を得ないと、リュウグウをイメージしたデザートとわからない。ただの宇宙っぽいゼリーになってしまう。ローソンさん、宣伝を大々的にお願いします。

 蓋を開けると、ふわりと甘いいい香りが漂ってきました。
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 下手な画像ですみません。もっときれいに見えます。ただ均一に黒いわけじゃない。グラデーションがあって、金粉もきらきらしている。銀河だ。星雲だ。
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パッケージの黒いトレーを外して、白いお皿に乗せると、一気に雰囲気が変わります。薄紫のきれいなゼリーです。バタフライピー(チョウマメ)のお茶は元々は青い色。それに酸(この場合はレモン)を加えると、こんな薄紫に色が変わるんだそうです。

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 スプーンで掬おうとすると、弾力が強くてなかなかスプーンがはいらない。堅い。でも、ぷるぷるしています。スプーンを入れる際、「はやぶさ2」がリュウグウにインパクターを打ってクレーターを作るのをイメージしましたw
 金粉が入っているのが分かりやすくなりました。豪華な雰囲気。
 味は、レモンの爽やかさ(でもすっぱさはない)とさっぱりした甘さで美味しい。バタフライピーティーは飲んだことは無いのですが、こんな味なのかなぁ?これは美味しい。暑い日にキンキンに冷やして食べたい。

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 トレイはこんな宇宙柄です。

 「はやぶさ2」はリュウグウ上空で、本格的な探査に向けて準備中。順調だそうです。これを食べて応援します。いつぐらいまで販売しているんだろうなぁ。タッチダウンの秋にはもう終わってるかなぁ。売ってる間食べます。

【こちらもどうぞ】
Gigazine:金粉が輝く水ゼリーで「はやぶさ2」の目的地を表現したローソンの「バタフライピーティーのぷるるん水ゼリー(レモン)」を食べてみた
sorae:”そこ”に銀河が広がっていた。リュウグウをイメージした水ゼリー

by halca-kaukana057 | 2018-07-11 22:09 | 宇宙・天文

無伴奏ソナタ [新訳版]

 あらすじを読んで気になって、しばらく前に買って、積読にしておいた本です。そろそろ読もうかなと。


無伴奏ソナタ 新訳版
オースン・スコット・カード:著、金子浩、金子司、山田和子:訳/早川書房、ハヤカワ文庫SF/2014


 異星人に攻撃されている地球。11歳のエンダー・ウィッギンズはバトル・スクールの指揮官。竜(ドラゴン)隊を率いている。指揮官たちの中では最年少だが、戦闘では連戦連勝、成績はずば抜けて優秀だった。そんなエンダーを、大人の大尉や中尉たちは…「エンダーのゲーム(短編版)」。
 生後6ヶ月でリズムと音程への才能を認められ、2歳で音楽性、創造性の天才と評されたクリスチャン・ハロルドセン。両親と離れ、森の中にある一軒家で、自然の音や鳥のさえずりだけを聴いて過ごし、「創り手(メイカー)」として特殊な「楽器」を使って作曲するようになった。何十年も経ったある日、クリスチャンの前にある男が現れ…「無伴奏ソナタ」他11編。


 オースン・スコット・カードは著名なSF作家だそうですが、私は何も知らずに読みました。あらすじを読んで気になっていたのが、表題作の「無伴奏ソナタ」。音楽が題材の作品であることはあらすじからわかったのですが、読んで、まさかこんな作品だとは思いませんでした…いい意味です。私たちは生まれてから、様々な音に囲まれて暮らしているし、沢山の音楽も聴こうとしなくても耳に入って来る。それを、シャットダウンできたら…? これまでの歴史で、作曲家が他の作曲家に師事していたり、尊敬していたり、影響を受けたりするというのはいくらでもある。そういうのが一切なかったら?そして、音楽を創るな、演奏するな、歌うな、と禁止されたら?優れた音楽の才能がなくても、音楽がないのは退屈だ。演奏したり歌ったりできないのもつまらない。体調不良で一時そんな状態だったのですが、少しでもよくなってくると音楽を聴きたくなる。歌いたくなる。私のような凡人でさえもそうなのだから、優れた音楽の才能のあるクリスチャンにとっては、もっと自然なことだろう。クリスチャンが出会う街の人々もそうだ。ちょっと音程が外れていても、音楽を奏でずにはいられない。最後のギターで歌う少年たちのシーンがグッと来る。クリスチャンの音楽は、何があってもクリスチャンの音楽なのだと。

 11の短編集ですが、どれも面白かった。「エンダーのゲーム」はワクワクして、エンダーやビーンの成長が面白くてたまらない。のに、最後、そういう展開になるとは…!「王の食肉」「磁器のサラマンダー」は、最初、これもSF?と思ったが、見事にSFでした。不条理で、グロテスクな作品も少なくないので、そういう作品に慣れていない私には辛い表現もありましたが、面白い。「深呼吸」「四階共有トイレの悪夢」「解放の時」はホラーっぽくもある。「四階~」は完全にホラーですこれ。「死すべき神々」も面白かった。こういう異星人とのコンタクトがあっても面白い。

 どの物語も、面白いけれども、根底にかなしげな雰囲気が漂っている。「無伴奏ソナタ」の「シュガーの歌」のように。地球は、宇宙は、歴史は人間の力ではどうしようもできない。できないけれども、その時の人々が「よりよく」生きようと毎日を過ごしている。科学技術を駆使したり、宇宙へ出て行ったり、最悪な状況を避けようと逃げたり。人間はなんてちっぽけで、どんな優れた才能や能力を持っていて何かを成し遂げても、不条理なことが待っていたりする。それがわからなくても、わかっていても、毎日を生きる。人間は不思議な生き物だとも思う。

 こんな多彩な作品を創造するオースン・スコット・カードがSFの名手というのも納得できました。いいSFを読みました。
by halca-kaukana057 | 2018-06-30 21:49 | 本・読書
 去年のノーベル賞受賞式の近辺に書きたかった記事です…。
 2017年のノーベル物理学賞は、マサチューセッツ工科大学(MIT)のライナー・ワイス(Rainer Weiss)博士、カリフォルニア工科大学のバリー・バリッシュ(Barry C. Barish)博士、キップ・ソーン(Kip S. Thorne)博士に授与されました。
Nobelprize.org : The Nobel Prize in Physics 2017

日経サイエンス:2017年ノーベル物理学賞:超大型干渉計「LIGO」を構築,宇宙から来る重力波を初めて観測した3氏に
 ↑LIGOの仕組みの解説もあり、わかりやすいです。
アストロアーツ:重力波検出に貢献した研究者3名、ノーベル物理学賞を受賞

 重力波を検出したレーザー干渉計型重力波検出器「LIGO」のプロジェクトに携わってきた3氏をはじめとする重力波観測と「LIGO」建設のノンフィクションです。


重力波は歌う――アインシュタイン最後の宿題に挑んだ科学者たち
ジャンナ ・レヴィン:著、田沢恭子、松井信彦:訳/早川書房、ハヤカワ文庫 NF/ 2017(単行本は2016)

 アインシュタインによる一般相対性理論で、存在すると言われていた重力波。しかし、重力波による空間のゆがみは非常に小さく、アインシュタイン自身も観測出来るかどうかには不可能と考えていた。だが、重力波は存在する、観測することができる、という科学者たちが、少しずつ観測装置を考え出し、観測に向けて動いていた。
 その中のひとり、ジョセフ・ウェーバーは重力波に共鳴して振動するという「ウェーバー・バー」を作った。また、ジョン・ホイーラーやロナルド・ドレーヴァーという科学者も重力波検出に乗り出した。「ウェーバー・バー」では重力波を検出することはできず、ウェーバーは責め立てられた…。ウェーバーの最期がまたかなしい。

 国籍、出身、ルーツも異なる科学者たち。彼らがどのように科学者人生を歩み始めたのか、どこで重力波の研究と出会ったのか、それらを読むのは面白い。皆個性的だ。だが、重力波を検出する機器はどうやったらできるのか、どう建設するのか。なかなかプロジェクトは進まない。レーザー干渉計型重力波検出器のプロトタイプは作られるが、複雑な仕組みで、コントロールするのが難しい。ひとつひとつ、問題を解決していき、一方で、プロジェクトが正式に認められ、予算が出るように尽力する。科学者は、実験や研究だけやっているわけではないというのは、他の宇宙・天文プロジェクトでも読んだ。政治家や役人たちにわかるようにプロジェクトを説明し、予算を得られるようにしないと、肝心の実験も機器の開発も研究もできない。未知の世界に乗り込んでいく科学者というのは、マルチな才能を持っているのだなと本当に思う。

 途中、「LIGO」ってどういう仕組みだったっけ…?と何度も思うことがあった。この本を読むために、もう1冊重力波と「LIGO」に関して解説した本が欲しいと思ったほどだ。
 ノーベル物理学賞を受賞した3氏の中で、バリー・バリッシュ博士は一番後、1990年代になって「LIGO」プロジェクトの統括責任者になった。受賞したのは3氏だが、ホイーラーやドレーヴァー、ウェーバーらたくさんの科学者が重力波観測を目指していた。志半ばで亡くなったのが残念だ。重力波を観測し、ノーベル賞も受賞したことを天国で喜んでいるだろうか。喜んでいてほしいと思う。この「LIGO」プロジェクトでも、志を引き継いでいくという熱いものに触れることができた。

 ノーベル賞を受賞するのは、その成果が出てからしばらく経ってから、というのが多い(スーパーカミオカンデの故・戸塚洋二博士を思い出さずにはいられない)。今回の受賞は、重力波検出の報せが出てすぐの受賞。本当によかったと思う。「LIGO」だけでなく、日本の「KAGURA」も含めて、重力波天文学はこれからますます盛り上がる。その黎明期を伝える本として、とてもいい本だと思います。

 あと、先日亡くなられたスティーヴン・ホーキング博士についても少し出てきます。キップ・ソーン博士とは友人で、科学関係の賭けをするが、ホーキング博士は賭けに弱い、と。答えが出そうもない妙な賭けもしている。科学者同士のこんな話題も面白い。

・「LIGO」の重力波検出の際に書いた記事:重力波天文学が始まる
 重力波は「聞く」。この本にも込められています。

 ちなみに、この本を買ったは、ノーベル賞受賞直後。帯がこれでした。
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 もし、2017年に受賞しなかったらどうなっていたんだろう…。現在は「ノーベル賞受賞!」になってます。

by halca-kaukana057 | 2018-04-16 22:36 | 本・読書
 夏にNHKラジオ第1で放送している「夏休み子ども科学電話相談」。大人にも大人気で(むしろ大人が楽しんでいるような…わかる、すごくわかる)この冬は「冬休み」編も放送されたんだとか。その「宇宙・天文」分野の担当の先生のひとり、「コスモプラネタリウム渋谷」の解説員、永田美絵先生の星空入門の本です。




カリスマ解説員の 楽しい星空入門
永田美絵:著/八板康麿:写真、矢吹浩:星座絵/筑摩書房 ちくま新書/2017

 「子ども科学電話相談」での永田先生のお話はとても好きです。小さな子にも分かりやすく宇宙や星のことを、ラジオなので音声だけで伝えるのはかなり難しい…プラネタリウムの解説員だからこそできることだと思います。一方、宇宙が大好きで自分なりに宇宙のことを学んでいる子にはその向学心を満足させ、さらに学びたくなるような話をする。これも、学校とは違うプラネタリウムで働く専門家だからこそ。また、宇宙は謎だらけ…宇宙はどうやってできたの?ブラックホールって何?宇宙が膨らんでいるって本当?宇宙は最後はどうなるの?最近はノーベル賞受賞もあって、重力波って何?という質問もあるかもしれない(全部聞いてないので実際にあったかどうかはわからないのですが…)つまるところ宇宙って何?そんな、誰しもふと思ってしまったことがある、でも説明するのはものすごく難しい質問にも、全力で答えてくれます。

 でも、私が知っているのは、そんな「子ども科学電話相談」での永田先生。「コスモプラネタリウム渋谷」には行ったことがなく、プラネタリウム解説員としての永田先生は知りません。この本を読んでいて、普段永田先生はこんな風にプラネタリウムで解説をしているのかなと感じました。

 星空観望の入門本…というのは、実は扱う範囲が広い。まず天球上の星や太陽、月などの動き(日周運動)の話をしないといけない。それから、公転により季節によって見える星座が違うことを理解してもらわないといけない。そして、メインとなるのが星座の話。星座の成り立ちやギリシア神話などの星座物語(何バージョンもあるのでどれを選ぶか悩む)、星座を形作る恒星で明るい星の名前や由来、エピソードなど。その星座にある星団、星雲、銀河などの天体。それらをどうやったら観ることが出来るか、双眼鏡や望遠鏡の解説。その次に月、惑星、彗星、小惑星など太陽系の天体。ここでは探査機の活躍にも触れるとその天体の詳しい姿を伝えることが出来る。話題になりやすい流星、流星群も忘れてはいけない。最近、天文学上の大発見があったら触れておきたい。
 大体このくらい。文章だけだとわかりにくいので、写真や星座絵で、ビジュアルから入れるようにする。この通り、入門本とは言えど、侮るなかれ。しかも、入門本なので、宇宙・天文・星空のことを、一から、わかりやすく書かないといけない。星空観望の入門本を書くのはとても大変なのです。
 というのは、以前、私も星仲間のサークルで作っていた「○月の星空」みたいなお知らせで、星座の話を書いていた。その月に見えやすい、代表的な星座をひとつ取り上げて、解説する。ひとつだけでも結構大変。紙面は限られているのであまり長々と書けない。上に書いた、星座物語がいくつもある星座はどれを書いたらいいか迷う。むしろ、こんなお話もありますし、こんなお話も伝わっていますと全部書きたい。星座物語はギリシア・ローマ神話だけとは限らない。野尻抱影の収集した日本や世界各地の星座物語や星・星座の呼び名も書きたい。厳選して、文章にして、何度も書き直して、編集を取りまとめている人に見てもらって…書く星座のことを調べて内容を考えるのは楽しかったけれども、正直大変でした。

 この本を読んで、プロは違うなと思う。きれいにまとめている。入門書だから、もっと知りたくなったらプラネタリウムに来てほしいし、もっと詳しい本もある。まずは、実際に星空を観ること。その観る上でのポイントがわかりやすくて、なるほど~と思いながら読んでいました。新書なので文章が多め。写真や図はそんなに多くはありません。でも、それが、プラネタリウムでの解説を聞いているようでいい。

 永田先生は、「五島プラネタリウム」の解説員でした。日本のプラネタリウムの代表となったプラネタリウム。2001年に閉館。閉館前、渋谷に行くことがあって、五島プラネタリウムのドームを外から眺めて通り過ぎ、その後閉館となってしまい、あの時行けばよかったと今でも思います。永田先生がどんな経緯でプラネタリウムで働くようになったのか。プラネタリウム解説員のお仕事はどんなお仕事か。失敗や苦労、思い出も語られます。プラネタリウムは、当然のことながら投影が始まると真っ暗。解説員はコンソール(解説台)に立ったら、全部一人でやり遂げないといけない。台本も暗記。機材の操作も一人で。もし機材などのトラブルがあっても、基本的には一人で対応しないといけない。投影を観にきているお客さんが星空を楽しめるように、トラブルがあっても臨機応変に。プラネタリウム解説員がこんなに大変な仕事をしているとは思いませんでした。機材の不調でとっさに取った行動が大ウケしたり、その日2回目のお客さんがいる場合は話す内容を変えたり。「夏休み子ども科学電話相談」で同じく宇宙・天文の担当で、五島プラネタリウムで永田先生の大先輩だった国司真先生の、伝説といえる投影。このエピソードにはすごいと思いました。国司先生のお話も大好きです。やっぱり五島プラネタリウムは凄かった…。勿論、今はその五島プラネタリウムで活躍した解説員さんたちが、あちこちのプラネタリウムでがんばっている。途絶えず、引き継がれています。

 冬は当地は夜は曇る、雪が降っていることが多いので、あまり星空を観られていません。雲間にオリオン座を観たぐらい。31日は皆既月食もありますし、冬の星座は煌びやかで見どころ満載。星空をとても観たくなりました。曇っているならプラネタリウム。しばらく行っていません。久しぶりに行けたらいいな…(投影時間と今の生活リズムが合わない)

by halca-kaukana057 | 2018-01-16 22:18 | 本・読書
 久しぶりに川端裕人さんの作品を読みました。最新作でいいんだっけ?しかも、宇宙ものです。


青い海の宇宙港 春夏篇
川端裕人 / 早川書房 / 2016










青い海の宇宙港 秋冬篇
川端裕人 / 早川書房 / 2016










 時は2020年代。小学6年生の天羽駆(あもう・かける)は「宇宙遊学生」として、東京を離れ宇宙港のある多根島で1年間暮らすことになった。「宇宙遊学生」と言っても、駆はあまり宇宙には興味が無く、生き物が好きで、島の生き物に興味を持っていた。同じく「宇宙遊学生」の小学6年、北海道出身の本郷周太は宇宙が大好き。小学5年の「宇宙遊学生」橘ルノートル萌奈美は母親がフランス人、父が日本人で、フランスからやって来た。そして地元の小学6年大日向希実の4人で、「宇宙探検隊」を結成。ロケットの打ち上げを見たり、夏休みに小型のロケットを作って飛ばすロケット競技会に参加したり…。さらに、島の自然、島の大人たちに囲まれて、駆たちは成長してゆく…


 川端裕人さん知ったのは、小説「夏のロケット」。この本を読んだ時のワクワク、興奮を、今も覚えています。前代未聞のロケット作り、ロケット開発の光と影。ロケットについて、よりよく知った本でもありました。この「青い海の宇宙港」は、その「夏のロケット」の後の時代のお話。多根島は、名前の通り種子島をモデルとした想像上の島。現在は、種子島宇宙センターはJAXAの、国の施設ですが、この物語、2020年代では打ち上げ施設は民間宇宙港となり、民間のロケットもここから打ち上げられる。実在の民間の宇宙ベンチャー企業をモデルとした企業も登場します。実在する人工衛星・探査機をモデルにしたものも。私が気に入ったのは、宇宙マイクロ波背景放射探査機。実在する宇宙機では「WMAP」「プランク」を引き継いでいる。日本もそんな観測のできる探査機を上げている未来が来るといいなと思う。それだけじゃなくて、この作品に出てくる宇宙機がある、宇宙港がある、そんな未来にあと10年、20年後になっていればいいなと思った。

 駆、周太、希実、萌奈美の4人が、学校の授業・行事や、放課後や休みの活動で、宇宙、宇宙開発を学び、主体的に関わっていく。最初は宇宙はそれほど興味のなかった駆も、徐々に宇宙に興味を持っていく。周太は大の宇宙好き、とりわけ深宇宙が大好きというだけでなく、宇宙工学に詳しい父の影響で、父が開発したプログラムで軌道計算もこなしてしまうツワモノ。萌奈美が「宇宙遊学生」になって日本、多根島に来たのには、ある理由があった。地元民の希実は、これまで当たり前のように宇宙港がある島で宇宙に接し、暮らしてきたけれど、駆たちが来たことで、自分の将来に真剣に向き合い、やりたいことを形にしていく。
 1年の間に、かなしい出来事、辛い出来事もある。それでも、4人はロケットのように道を切り拓いてゆく。周太が言い出した「宇宙探検隊」は秋冬篇で、あるプロジェクトを立ち上げる。それぞれの願い、想いを胸に、島の人たちを巻き込んで、大プロジェクトはどうなるのか…読んでのお楽しみです。

 島の大人たちもいい。「宇宙遊学生」は島の家庭に預けられ、生活する。「里親さん」だが本当の家族同然だ。学校の先生、宇宙機関の職員・エンジニアたち。島に住み着いた外国人もいる。彼らがあたたかく、時には厳しく、変に子ども扱いしていないのがいい。守るべき時は守るけれども、子どもだからと見下さない。怒る時はちゃんと理由があるし、教え諭す時もある。大人が子どもたちに引っ張られることもある。川端裕人さんは学校と地域が連携して教育に携わることや、PTAについても以前から詳しく取材し、著書もあります。川端さんだからこそ、多根島の地域社会、コミュニティが活きている作品になっていると思う。

 島では、宇宙だけでなく、歴史や民俗・風習についても触れられます。駆は島の自然、生き物にも魅せられる。その代表が、「ガオウ」と呼ばれる神聖な場所。神様が降りてきた場所と言われているが、謎は多い。その謎も、徐々に明かされていくのが興味深い。

 私は、常々、宇宙がもっと身近になればいいと考えている。地上の延長線に宇宙があって、その延長線がどんどん短く、宇宙を身近に感じられるものになればいいと思っている。多根島は、宇宙港があるだけでなはく、様々な面で宇宙を身近に感じられる場所だ。地上と宇宙の延長線が短い。それに駆が気づくところがいい。学校の標語に、「ガッカチチウ(学校・家庭・地域・地球・宇宙の略)」と出てくるが、まさにすべてが宇宙と繋がっていると感じられる。多根島だからだろうか。多根島はより強く、より身近に感じられるだろうが、日本のどこでも、身近に感じられるようになればいいと思った。

 読んでいて、こんな未来が来ればいいのに。こんな未来を作ることができればいいのにと何度も思った。私も何か出来るだろうか。日本の宇宙開発の未来が明るいものであるように…。

 「夏のロケット」に影響を受けた、あさりよしとお先生の漫画「なつのロケット」も少し関連してきます。そのシーンを使うとは…卑怯です…!

 1年間を描いていますが、やはりロケットは夏のイメージがあります。夏の読書に是非どうぞ。

【過去関連記事】
夏のロケット(川端裕人)
なつのロケット(あさりよしとお)
by halca-kaukana057 | 2017-07-10 22:58 | 本・読書

重力波天文学が始まる

 報道から数日経ってしまいましたが、これを書かないわけにはいかない。

国立天文台:LIGOによる重力波の直接検出について
アストロアーツ:アインシュタインの予測から100年、重力波を直接検出
ナショナルジオグラフィック 日本版:重力波、世紀の発見をもたらした壮大な物語 ノーベル賞級発見の手法と意義、天文学の新たな広がりを詳しく解説

東京大学宇宙線研究所:【コメント】LIGO-Virgoの重力波発見に関するKAGRAグループからのコメント
 ノーベル物理学賞を受賞された梶田隆章先生が計画代表をされています。梶田先生の先輩・恩師である故・戸塚洋二先生も喜んでいらっしゃるに違いない…。

 何か大きな発表があるとあり、もしかして重力波を観測したのでは?と噂されていたはちらりと耳にしたのですが、本当でした。マジでした。驚いた。こんなに早く重力波を観測できたなんて!!もっと先のことだろうと予想してました…。

 「重力波」とは、アインシュタインの一般相対性理論で予測された「時空のゆがみの伝播」。質量を持った物質が存在・運動すると時空にゆがみができ、光の速さで広がっていく。ブラックホールや超新星爆発、中性子星の連星の合体などから発生すると考えられてきたが、直接の観測例は無かった。
 アメリカの重力波観測所「LIGO(ライゴ)」で、昨年、約13億年前に起こったブラックホールの合体によって放出された重力波を観測。人類初の観測例となりました。

 100年も前に発表されたアインシュタインの一般相対性理論が、実際の宇宙での光の動き、天体の動き、時空で本当に有効だったことが証明されました。計算と理論だけで、遠く広い宇宙での目に見えない重力と時空の関係について、計算と理論だけで予測していた。本当に凄い。

 重力波を観測することは今後の天文学の課題とされてきました。今回の観測はアメリカの「LIGO」だけでしたが、ヨーロッパや、日本でも「KAGRA(かぐら)」がこれから稼動・観測を始めます。今回は1つの観測所だけだったので、そのブラックホールの詳しい方向を調べることはできませんでした。これが、複数の観測所で観測できれば、詳しい方向、位置を特定できます。重力波の観測はこれから、今スタートしたばかりなのです。そんな瞬間に立ち会えた…感激です。

 これまで、人類は様々な方法を使って宇宙を観測してきました。可視光の天体望遠鏡。X線、赤外線、紫外線、電波などの様々な波長。さらに、望遠鏡や観測装置を宇宙に打ち上げ、空気が邪魔をしない、より鮮明で精密な観測を目指してきました。でも、それらの波長を使っても、観測できないものがありました。ブラックホールはX線や電波で観測はしていましたが、説明しきれないものがありました。ところが、重力波は、ブラックホールから直接発せられたもの。重力波の観測で、これまで説明できなかったものが説明できるようになりましたし、ブラックホールのことがより詳しくわかるようになりました。重力波を観測することは、新たな天文観測のはじまりです。望遠鏡には見えませんが、重力波観測装置は、「宇宙のさざ波」を観測する望遠鏡です。その装置も有効であることも証明されました。もう一気に沢山のことが証明され、スタートしました。興奮せずにはいられません!!

 この発表があった日、2月12日は、日本の電波天文衛星「はるか」(MUSES-B)が打ち上げられた日でした。電波望遠鏡のパラボラアンテナは、組み合わせるとその距離分の直径の仮想の電波望遠鏡で観測しているのと同じデータを得ることができます(「干渉計」といいます)。地球上の電波望遠鏡を組み合わせても、宇宙は広く、電波を発する天体は遠い。精度が足りない…。そこで考え出されたのが、電波望遠鏡を宇宙に飛ばして、地球よりも大きな干渉計をつくろう!という壮大な計画でした。その技術を実証するため「はるか」は打ち上げられ、地球上の電波望遠鏡と一緒に、電波を発するブラックホールなどの天体を観測し、実際に出来ると証明しました。スペースVLBI、「VSOP」のはじまり、新しい天文観測の方法がスタートしました。しかし、本番となる「はるか」の後継機(ASTRO-G)は、目標とする精度を達成できるアンテナをつくることができず、予算も足りず、計画中止になってしまいました。現在はロシアの「スペクトルR」・「ラジオアストロン」計画で進められています。

 また、X線では、新しい日本のX線天文衛星「ASTRO-H」が水曜に打ち上げ予定。本当はこの12日だったのですが、天候不良で延期になりました(重力波検出で大騒ぎになっている時に打ち上げられていたら正直追いきれない…延期でよかったとちょっと思っています…)。X線天文学は日本のお家芸。重力波を観測できるようになりましたが、電波観測やX線観測も宇宙の謎を解くために重要な手段です。

 そして始まった「重力波天文学」。「宇宙のさざ波」は「観る」、というより「聴く」という言葉が合うでしょうか。時空がゆがんで、それが波のように伝わってくる。それをキャッチすれば、大元の天体のことがわかる。考えただけでワクワクします。重力波を観測することで、また新しい謎も出てくると思います。教科書も図鑑も一気に書き変わる。それがたまらなくワクワクします。

129. 重力波検出の意義と今後の進展(2016/2/12)
 今回の観測がどういうものなのか、わかりやすく解説しているサイトがありました(でもちょっと難しいです。2,3回読んでみてください)。「太陽質量」という単位がある。初めて知りました。質量が大きいものほど観測されやすいが、地上では地震などの「ノイズ」があり影響を受けてしまうので、あまり巨大過ぎると検出できない、というのがまた面白い。
by halca-kaukana057 | 2016-02-15 22:27 | 宇宙・天文

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


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