この夏、青森県立美術館に行ってきました(かなり前の話です…遅れて記事にする…)。これを観るためです。
青森県立美術館:めがねと旅する美術展
 ※現在、展覧会は終わっています。

 2010年「ロボットと美術展」、2014年「美少女と美術史展」のスタッフが三度終結。今度は「めがね」をテーマに、「見ること」について美術の面から迫ります。このシリーズ、好きです。この第3弾となる「めがねと旅する美術展」は最終章とのこと。楽しみにして行きました。

f0079085_21101817.jpg

f0079085_21102552.jpg

青森県立美術館の白い建築がお出迎えです。
f0079085_21102873.jpg

フライヤーにもなっているこのデザインのイラストが好きです。このイラストの中にあるものは、展示されているものでもあります。

 現在、シャガールの「アレコ」背景画は、4幕全部揃っています。しかも、写真撮影OKとのこと。フラッシュは禁止。個人的な利用のみ可能。画像を撮ろうとしたら、携帯を落としてしまい動作が不安定に…撮影できず(その後、電源入れなおして直りました)。撮影のことは考えず、展覧会に集中します。

 人類、文明の発展と技術進化の歴史は、見ることも広げてきました。はじめは、自分の目で見るしかなかった人間。自分の目の前にあるものしか見られません。それが、空から見たらどう見えるんだろう…高いところへ登ってみたり、高い塔を作ってみたり。遠くのものを見ようと双眼鏡や望遠鏡を作ったり。人工衛星や探査機を打ち上げて、宇宙から地球を見たり、他の星を見たり。人は見ることの出来る範囲を広げてきました。

 映像、VR(ヴァーチャルリアリティ)も、人間の見ることの可能性を広げてきました。その場その時で見られなくても、映像で撮っておけば後で観られる。VRで、行ったこともない場所に行った気分になれる。人間の「見る」ことへの情熱の強さを感じました。

 一方で、人間の眼(脳)は、だまされやすい。VRもひとつの錯覚。錯覚を起こす絵画でだまされる。アニメーションも、絵を連続して見せると動いて見える。見ることは、人間を知ることでもある。

 また、「見たい」という欲望は、どこまでもある。人々の生活、他者のこと、まだ見ぬ未来、現実にはないもの…そんな欲望を形にしたモノや、記録も。

 こんな多角的な面を、様々な美術品や現代作品、ポップカルチャーで紐解いていきます。見るものが細々していて、ちょっと疲れますが面白いです。これまでの他の展覧会で展示されていた作品もありました。観点を変えると、違う解釈や説明にもなる。興味深かったです。


 「美少女の美術史展」では、太宰治「女生徒」をアニメ化して上映していました。今回は江戸川乱歩「押絵ト旅スル男」。押絵とは、立体絵本のような紙芝居みたいなものです。ストーリーがダーク。見ること、現実と虚構の間、狂気の願望…世界観が好きです。10分ほどの短いアニメですが、印象が強い。作中で流れる歌も印象的です。

 展示には、JAXAの「かぐや」や、人工衛星「だいち」(初代です)が撮影した映像があったり、アニメーションでは、「名探偵ホームズ」(犬ホームズ)が出てきたり、好きなものがちょこちょこ出てきて嬉しかったです。 
 展覧会は、今後、島根県立石見美術館、静岡県立美術館でも開催します。
めがねと旅する美術展

【過去関連記事】
”人間”を投影する、機械以上の存在 「ロボットと美術」展
少女という文化と変遷を紐解いたら 「美少女の美術史」展に行ってきた
[PR]
by halca-kaukana057 | 2018-09-04 22:11 | 興味を持ったものいろいろ
 七夕は伝統的七夕も終わってしまいましたが、まだ夏の天の川を楽しめます。東の空にはやぎ座に始まる秋の星座たちが。夜も更けるとペガスス座やアンドロメダ座など、エチオピア王家の星座物語の星座たちによる、秋の星座絵巻が見えています。

 織姫星のこと座のベガ、彦星のわし座のアルタイル。この2つの星は、古くから対の星として見られてきました。アラビアでは、ベガとアルタイル、それぞれの両側の星も一緒に見て、ベガは翼を折りたたんで滑降しているワシに見立てて「落ちるワシ」、アルタイルは一直線に並んでいるので「飛んでいるワシ」。これら2つの呼び名は、アラビア語でベガとアルタイルの語源となっています。

 他の地域でもベガとアルタイルを対の星と見ている…最近知ったのですが、フィンランドでもそうらしいのです。調べていたら出てきました。
京都地主神社:世界の七夕伝説:フィンランドの七夕伝説
Yumi's Room:七夕と天の川銀河 Ⅱ

 こういうお話です。

 あるところに、ズラミスとサラミという仲の良い夫婦が暮らしていました。2人は死んだ後、それぞれ別々に天にのぼり、星となりました。2人の星はかなり離れていてもう会うことさえもできませんでしたが、お互い、死んだ後も一緒にいたいと思いました。そこで2人は、千年の時をかけて、空にただよう星くずを集めて光の星の橋を創りました。その光の星の橋が天の川。 両側からそれを渡った2人は、おおいぬ座のシリウスで出会い、そこで仲睦まじく寄り添うことができました。
 これは初耳。以前、フィンランドの天の川については、この記事で触れました。
土星堪能星見 + 今日は伝統的七夕
 フィンランド語で天の川は「Linnunrata(リンヌンラタ)」鳥の道という意味です。天の川銀河のことも差します。南に暖かな「鳥の住処」があって、そこに鳥が道を通って毎年移動するという古代フィンランドの伝説によるものです。

 先ほどのズラミス(Zulamith)とサラミ(Salami)の物語では、「Linnunrata」は出てきません。鳥の道ではなく、ズラミスとサラミが星を集めて作った光の橋です。こういうお話は色々な説があると思うのですが、どこから出てきた?さらに調べてみると、19世紀フィンランドの作家、歴史家のザクリス・トペリウス(Zachris Topelius)(ザカリアス Zacharias / サカリアスの表記もあり)にたどり着きました。どうやら、トペリウスの作品に、このズラミスとサラミの物語があるとのこと。
 それがこれ→Wikiaineisto:Linnunrata
 フィンランド語です。グーグル翻訳で、英訳するとなんとか読めるようになります。日本語訳すると、変な日本語になります。これがそのトペリウスのズラミスとサラミの物語。先述した物語と大体一緒です。でもタイトルは「Linnunrata」天の川…ですが鳥の道の神話は出てきません。

 この物語は、一体どこから出てきたのだろうか。フィンランドに伝わる民話なのか、トペリウスの創作なのか。あと、ズラミスとサラミ、どっちがベガでどっちがアルタイルなのか。これもわかりません。
 日本で読めるトペリウスの作品は、童話集「星のひとみ」(岩波少年文庫で復刊されました)と、「木いちごの王さま」。トペリウスの研究書…あるのか?あってもフィンランド語とか、スウェーデン語(トペリウスは名前の通り、スウェーデン語系フィンランド人)だと読めないぞ…。この問題、奥が深そう、答えにたどり着くのは容易なことではなさそうです。以上、今日はここまで。

木いちごの王さま
 トペリウスの絵本です。とてもあたたかな、フィンランドらしさを感じられる絵本です。ちなみに、今年はトペリウス生誕100年。
[PR]
by halca-kaukana057 | 2018-08-29 21:43 | 宇宙・天文

天文の世界史

 火星の大接近と夏の夜の惑星祭り、ペルセウス座流星群と様々な天文現象があり、今年も何かと天文・宇宙は話題になっています。これまで、様々な天文・宇宙本を読んできましたが、その宇宙を人類はどのように見つめてきたのか。ルーツ、歴史を紐解いてみたいと思いません?ということでこの本。


天文の世界史
廣瀬 匠 / 集英社、集英社インターナショナル、インターナショナル新書 / 2017

 天文学の歴史というと、まずメソポタミアやエジプトと言った古代文明のもとで生まれた天文学に続いて、西洋の天文学の歴史について語られる。あと、アラビアの天文学。しかし、インドや中国といったアジア諸国でも天文学は進歩していった。古代マヤでも天文学は進んでいた。世界史は世界史でも、天文学の世界史、人類が宇宙をどう捉えていたのか、その歩みを辿る本です。
 著者の廣瀬さんは、アストロアーツで働いた後、天文学史の研究へ。古代・中世インドがご専門。ツイッターをやっていた時、フォロワーさんでした。何度か言葉を交わした方が本を出されている…不思議な世の中です。

 身近な太陽、月、地球に始まり、惑星、星座、流星や彗星、銀河などの記録や民俗、文化などなど。時間、年月日の概念と誕生、暦の作成…宇宙、太陽や月、星(星座)はそれらを生み出してくれた。運行に規則があって、一定である。そこから、権力者が変わり無く、絶え間なく、統治できるかという指針にもなった。動きが一定でない惑星や、彗星、超新星などは不吉とされた。星占いもそこから発展した。人類が宇宙の中で生きてきた、宇宙があって人間の生活や文化が生まれ変わっていったことの証でもある。現代人の多くの人は、天文現象があれば何だかんだと騒いで空を見上げるが、古の人々にとって宇宙は、もっと身近で、もっと見続けていたものなんだろうなと思った。昔は夜はこんなに明るくはないので、もっと星や月を見えたのもあるのかな、と。

 地域によって、星の見方も違う。メソポタミアの流れにある西洋の星座と、中国の星座は違う。でも、似ているところもある。星の並びが印象的なものだと、どこの地域でも結び方は同じになってしまう。星座だけでなく、太陽や月、暦、惑星などに関しても。インドについては今まであまり知らないことが多いので、興味深かった。

 近現代の天文学についても書かれています。望遠鏡の発達により、遠くの銀河や星雲なども観測できるようになった。天の川についても、銀河だったとわかる。さらには相対性理論、暗黒物質、ビッグバンと今現在も研究が続いている天文学、物理学に繋がる。遠くの宇宙が見えるようになれば、また謎が生まれる。新しい発見があれば謎も生まれる。天文学の歴史はその連続。今、研究している宇宙の謎が解けたら、また新しい謎が出てくるのだろうか。とても面白いです。

 新しいことだけではない。244ページの「「天文学の歴史」を疑うことこそ理解への第一歩」とあるように、天文学の歴史も諸説ある。ある概念が時間を経て、違う概念に変わってしまったことはよくある。過去も知ればまた謎や疑問、噛み合わないことが出てくる。専門家でない限りなかなか文献を探すのは大変だが、色々な説や文献に触れて、天文学の多様性を実感する。天文学の歴史の膨大さも、宇宙のように広がっているのだなと感じました。すごいね。

 宇宙天文についての基礎についても書かれているので、宇宙天文+天文学史の入門書になると思います。内容はちょっと難しいところもありますが、文章も親しみやすいと思います。


【過去関連記事】
天文学者の江戸時代 暦・宇宙観の大転換
カリスマ解説員の楽しい星空入門
「ブルームーン」とはそもそも何ぞや

[PR]
by halca-kaukana057 | 2018-08-11 22:22 | 本・読書
 図書館でシャーロック・ホームズやシェイクスピアについて調べていたら、イギリスの文化や自然・風習のことも調べ始めて、この本を読んでいました。

イギリス四季暦 春夏篇
出口保夫:文、出口雄大:イラスト/中央公論社・中公文庫/1997

 3月から8月が春夏篇、9月から2月が秋冬篇と2冊に分かれています。優しい色遣いのイラストと、イギリスの四季の自然やイギリスの人々の生活風景が書かれています。

 北欧、特にフィンランドに興味を持って、その自然や人々の暮らし、文化などに惹かれてきましたが、イギリスも惹かれる。イギリスも北欧とはまた違う(同じ北欧でも緯度の範囲は広いので、国・地域によって違いはあります)。日本よりも北にあり、北国に属するイギリス。北国生まれ北国育ちの私が惹かれないわけがなかった。日本の北国とは違いはありますが、季節の変わり方や植物などに共通点もあるなと感じました。

 ロンドンらしいのは、雨と霧。傘よりもレインコート。紅茶の話がよく出てきますが、雨が多く涼しいので、あたたかい紅茶文化が浸透しているのかなと思いました。あくまで予想です。北欧もコーヒー消費量が多い。読んでいると、あたたかいミルクティを飲みたくなります。ちゃんと淹れたものを(うまく淹れられない…)

 イギリスの文化や暮らし、季節の風習はキリスト教に基づいている。ここはやはりヨーロッパなんだなと感じた。クリスマスだけでなく、イースター(復活祭)や11月のハロウィンも。クリスマスとイースターは期間と規模が違います。

 自然では鳥のこともよく書かれています。ロンドンは大都市ですが、ハイド・パークなどの大きな公園もあり、緑も多い。人々の暮らしは主にロンドンのことが書かれていますが、スコットランドのことも。冷涼な荒野にヒースが茂る様を想像してしまいました。印象的だったのが、春夏篇では「ちいさな紳士の贈り物」、秋冬篇では「フォート・ウィリアムの宿」やはり人との触れ合いは心に残ります。

 薄めの文庫本なのでさらっと読めます。もう少しイギリスの文化についても書いてあったらいいのになと思いましたが、9月のところにプロムナード・コンサート、つまりBBCプロムスのラストナイトコンサートのことも書いてありました。今とは雰囲気や構成が違うような…?過去の映像を観ても今とそんなに変わらないと思うのだが、文章でしかないので何とも。

 イギリス文化入門書という感じです。やっぱり淹れたてのミルクティが飲みたいです。
[PR]
by halca-kaukana057 | 2016-09-28 23:08 | 本・読書

切手で日本の色

 巷ではポケモンGOが流行ですが(ダウンロードしようとしたら、Androidのバージョンが足りなくて対応してなかった…)、私は郵便局で切手と特印を集めています。今日は「伝統色」

日本郵便:グリーティング切手「グリーティング(ライフ・伝統色)」の発行
 これ、グリーティング切手なんですね。確かに、挨拶やお祝い事にも使えそうな切手もある。

 日本の伝統色を切手にしました。とにかく色がきれい。今回は青系、緑系です(シリーズ化するのか?)。どれも好きな色ばかりで、保存用と使う用を揃えたくなります。
◇伝統色については、このサイトも詳しいです:日本の伝統色 和色大辞典

 特印はこれです。
f0079085_2224357.jpg

 特印はいつもの鳶色(とびいろ)です。
[PR]
by halca-kaukana057 | 2016-08-05 22:04 | 興味を持ったものいろいろ
 久々にフィンランドの児童文学を読みたくなりました。

オンネリとアンネリのおうち
マリヤッタ・クレンニエミ:作/マイヤ・カルマ:絵/渡部翠:訳/プチグラパブリッシング/2005

 小学生の女の子、オンネリとアンネリはとても仲が良いお友達。オンネリの両親は別々に暮らし、アンネリは9人きょうだいの5番目。夏休みに入った朝、2人がバラ横町の道を歩いていると、「正直なひろいぬしさんにさしあげます。」と書かれた封筒を拾う。交番に持って行き、中を見るとたくさんのお金が。おまわりさんは封筒に書いてある通り、このお金は2人のものだと言って手渡すが、困った2人は元あったところに戻すことに。封筒が置いてあった家の門の前に、こっそりと置こうとすると、家の主・バラの木夫人がその家に「売家」の張り紙を。2人に気付いたバラの木夫人は2人を呼び、この家は「ふたりの小さな女の子」が住む家として建てられてしまったものだと説明する。2人も、お金の入った封筒のことを話すと、そのお金でこの家が買える。この家が欲しくない?と聞かれてしまう。2人は家を買うことにする。2人だけで住むお家は、とても素敵なお家だった…

 物語の内容からずれるのだが、フィンランドには「レイキモッキ(Leikkimokki:「レイッキモッキ」の方がフィンランド語の発音に近い?)」というものがある。日曜大工で子どものために庭に作ってあげる小さな家のこと。主にお父さんが娘に作ってあげるらしく、男の子は自分で隠れ家を作るそうだ。そこに子どもたちで集まって、おやつを食べておしゃべりをしたり、パーティを開いたり…。子どもたちは自分で家の中を装飾する。私も子どもの頃、友達と秘密基地を作ったことがあるが、フィンランドでは親公認だけど子どもたちのプライバシーが守られる隠れ家がある。これを知った時、いいなぁと感じました。
All About:フィンランド発!子どものための家「レイキモッキ」

 読んでいて、その「レイキモッキ」を思い浮かべました。自宅の庭に小さな家…ではなくちゃんとした一戸建てですが。フィンランドは家族を大事にする…とはいえ離婚率も高い(日本とは考え方が違う)。オンネリの両親は別居中ということなのだろう…。アンネリも家に居場所がない。そんな2人が買ってしまった家。家の中も、2人が住むことを予想?して何もかも用意されている。バラの木夫人は魔法使いか何かなんだろうか…と思ってしまう。素敵なおばあさんです。
 家に帰っても、アンネリの両親はそれぞれ旅行に行ってしまったし、オンネリの家は相変わらずきょうだいがたくさんで、オンネリはその中に馴染めない。夏休みの間、2人は自分たちの「家」で暮らし、様々なご近所さんに出会う。このご近所さんたちがいい。

 冒頭で出てきたおまわりさんも再登場し、かなり重要な登場人物になります。お隣さんのロシナおばさん…児童文学で、こんな細やかに心の傷と喪失、再生を描くなんて、とても素敵なお話だなと読んでいてやさしい気持ちになりました。そして何よりも、最後が…。やっぱり「家族」なんですね…。

 まだ小学生ですが、オンネリとアンネリは料理もうまいようで、食事も自分たちでつくります。フィンランドの料理が次々と出てくるので、フィンランドの食文化の雰囲気を味わえる物語でもあります。

 この「オンネリとアンネリのおうち(Onnelin ja Annelin talo)」には続編があるということ。「オンネリとアンネリの冬(Onnelin ja Annelin talvi)」、「オンネリとアンネリとみなし子たち(Onneli, Anneli ja orpolapset」、「オンネリとアンネリと眠り時計(Onneli, Annelin ja nukutuskello)」と全4作あるとのこと。読みたいと思って探したら、ない。日本語訳なんて出てない。この「オンネリとアンネリのおうち」も絶版。とても残念です…。

【追記】
 この本も絶版…と思ったら、復刊されてました!!
福音館書店:オンネリとアンネリのおうち
 せっかくなので、全4作日本語訳出版を希望します!続編も読んでみたい。
[PR]
by halca-kaukana057 | 2015-11-15 23:09 | 本・読書
 今日は満月。7月2日も満月で、1ヶ月に満月が2回。この2回目の満月のことを、通称「ブルームーン」と呼ぶのが広まっているようです。私も過去に記事を書いていた。
今夜は"ブルームーン"(2010.1.30)

 今朝のNHKラジオ第一「夏休み子ども科学電話相談」にも、小学2年生の子から「ブルームーンは月が青く見えるの?」という質問がありました。私も聴いていたのですが、来たな、と。この子はお母さんから聞いたそう。先生は、「青く見えると思う?」と逆質問しつつ、「多分青くは見えないんじゃないかな~」と、丁寧に説明されていました。小学2年生に、音声だけで太陰暦を含む月の満ち欠けや皆既月食について説明するのはとても難しいと聞いていて感じました。皆既月食は図を使っても難しい。皆既月食の際に、太陽からの光の中の青い光が地球の大気の中を通過して、多少青く見える可能性はある、とのこと。4月の皆既月食を見ていたらなぁ…とも思いました。この子、よく電話してくれたな。誤解が解けてよかった。

 天文を身近にしたい気持ちはわかるけど、紛らわしい命名、誤解を生じやすい表現を安易に広めるのは逆効果だと思う…と、「ブルームーン」という言葉を目にする度にもやもやしていました。一体いつからこんな言葉が広まったんだ。勿論、天文用語ではありません。

 そしたら、解説しているサイトがありました!
All About:宇宙・天体:ブルームーンにまつわる誤解と真相
プラス、
ウィキペディア:ブルームーン
 これによると、
 ネイティヴ・アメリカンが各月の満月に、季節に応じてそれぞれの満月に名称をつけた。暦のようなものだったらしい。
 それが、アメリカに移住してきたヨーロッパ人に広まり、英語の名称に変わった。
         ↓
 太陰暦ではないので、月の満ち欠けとカレンダーが一致しない。1年に13回満月がある年がある。名称が足りない!
        ↓
 19世紀、メイン州の農民年間に、「3ヵ月(1つの季節)に4回ある満月のうちの3度目の満月」を「Blue Moon」と呼んでいた。3ヶ月に通常は3回満月になる。が、3ヶ月に4回満月がある時、3回目の満月が「ブルームーン」だった。満月の名称を時節(暦)どおりにするために挿入されたものだった。
        ↓
 1946年、アメリカの天文誌「SKY & TELESCOPE」がこれを誤解してしまい、「1ヵ月中の2度目の満月のことをブルームーンと呼ぶ」と掲載。その後訂正したが、広まってしまった。
        ↓
 1980年、更にラジオ番組がこの「1ヵ月中の2度目の満月のことをブルームーンと呼ぶ」のを紹介してしまい、更に広まった

 という歴史のようです。以前書いた記事と随分違うじゃないか…。

 また、「1ヵ月中の2度目の満月」の「ブルームーン」は、世界共通ではありません。時差、タイムゾーンがあるからです。満月になる瞬間は世界共通。しかし、タイムゾーンが異なるので、例えば日本標準時で1ヶ月に2度目の満月でも、他の国・地域では翌月になってしまい、満月が1ヶ月に2回ないこともあります。「1ヵ月中の2度目の満月」は世界共通とは限らない。アメリカのようにタイムゾーンがいくつもある国だと、ある地域とない地域に分かれることもあるそうです。

 ようやく「ブルームーン」について、何が発端なのか、そもそも「ブルームーン」とは何なのか、ということがわかりました。旧暦と現在のカレンダーの関係のようでもあります。7月7日は七夕、も、現行のカレンダーと、旧暦の「伝統的七夕」では異なる(「伝統的七夕」なら、梅雨の時期にぶつからないし、七夕に満月が当たることはありません)。一方、十五夜、十三夜は旧暦のものを現行のカレンダーではいつ…となっている。天文と暦、慣習・民俗と人々の暮らし…密接に繋がっているのだなと感じます。それは日本だけでなく、海外でも同じであることも。

 「ブルームーン」について、結構最近出てきた言葉なのかなと思っていましたが、思った以上に昔からある言葉だと知って驚きました。ただ、それがインターネットやSNSで広まりやすくなったことが、現在更に広まっている原因になっているようです。また、「極めて稀なこと」「決してあり得ないこと」を意味する"once in a blue moon"から来ているという説もあります。よって、特別なものとみなしている。

 暦は人間がつくり、決めたもの。月は変わらず地球の周りを回り、満ち欠けを繰り返しています。そんな中にいつもと違う何かを見つけ、「特別なもの」と意味づける…。それはそれで面白いかな、と思います。紛らわしい言葉だけど、由来が広まれば、目くじらを立てるものでもないかな、と…。
 そういえば、七夕の時にも似たようなことを思いました。国立天文台は「伝統的七夕」を推奨している。一部には、現行のカレンダー(新暦)の7月7日の七夕は七夕じゃない、という人も。月遅れで8月7日に行う地域も少なくない。細かいことはいいんだよ!全部やればいいんだよ!という人も。そんなそれぞれの主張にうんざりしていました。私は、別に全部やってもいいじゃないか、と。今回の「ブルームーン」は、私が細かいことを気にしていました。我ながら、滑稽だなぁ…。

 以上、「ブルームーン」についてあれこれでした。
[PR]
by halca-kaukana057 | 2015-07-31 23:45 | 宇宙・天文
 このブログでも今まで何度か取り上げたことがある、占いライターの石井ゆかりさん。HPでの毎年、毎週の星占い、ツイッターでの毎日の星占いはついつい読んでしまいます。一般的な星占いと違って、曖昧なんだけれどもそれが逆にイメージをかきたてる。様々なとらえ方が出来る。人々が占いに求めるであろうラッキーとアンラッキー、幸運と不運、幸せと不幸…そんな二元論で語られない文章が好きです。

 石井さんが出した「3年の星占い 2015-2017」という本のプロローグには、短い小説のような文章が載っています。それを12人の漫画家さんたちがそれぞれイメージを膨らませて、漫画化したのがこの本です(ちなみに、石井さんとは何の打ち合わせなども無く、漫画家さんたちがそれぞれ自由に描いたとのこと)。
WAVE出版公式サイト:石井ゆかり12星座シリーズ:3年の星占い
 ↑特設サイト。各星座のプロローグの解説もあります。


星の恋物語
石井ゆかり:原作/
山田デイジー、谷川史子、日坂水柯、天乃咲哉、海野つなみ、稚野鳥子、種村有菜、糸井のぞ、ウラモトユウコ、志村貴子、藤原薫、天堂 きりん:漫画
/幻冬舎・バーズコミックススペシャル/2015

 「3年の星占い」は、山羊座のため、山羊座のしか読んでいません。なので、まず志村貴子さんの山羊座の物語「秘密」から読みました。「3年の星占い」のプロローグでも、過去と現在と未来、そして「秘密」とは何かということが短い物語になって書かれています。「3年の星占い」の方では、主人公は男性のように私は読めたのですが、漫画では女性になっている。そして、「秘密」の内容も掘り下げている。その主人公が抱える「秘密」にドキリとした。「秘密」にどう向き合うか…。隠し続け、向き合うのが怖くもあり、でも向きあってみた過去。誰にも言えない「秘密」に向き合った最後の部分「あれはわたしのラブレターだったのか 抗議だったのか」(154ページ)その気持ちがわかる、と思った。この漫画で、「3年の星占い」の元の物語もさらに深まったように読めた。

 他の星座は「3年の星占い」の元の物語を読んでいないので、漫画だけ。12人の漫画家さんそれぞれの個性がこの1冊の漫画で一気に味わえる。舞台も現代だったり、どこか遠い国のファンタジーの世界だったり。双子座の「こわいひと」は日坂水柯さん。「数学ガール」コミカライズの方だ!と独特の絵を見てすぐにわかった。漫画も、最初は女性が主人公なのかと思いきや、男性が主人公の視点でも読める。凄い。どの作品でも、石井さんの占いのように「これが幸せ、これが不幸」と決め付けてないのが面白い。この漫画のあとがきに、石井さんはこう書いている。
日々は「いいこと」「わるいこと」という枠組みにはまりきらない、もっとたくさんの色のもので溢れています。(中略)明日という日が「いい日」でも「悪い日」でもない、「かけがえのない大切な日」だということに気づいて頂けるだろうと思いました。
(181ページ)

 舞台や主人公たちの設定が変わっても、この12の漫画では、皆それぞれその日、その時を懸命に生きている。その中で、様々なことがある。学業や仕事で色々あったり、誰かと出会ったり、話したり。皆それぞれの強さ、たくましさ、優しさ、ひたむきさがあっていいなと思った。どんな日でも、「かけがえのない大切な日」と生きていけたら、と思う。

 ちなみに、12の漫画はどれも好きなとこが合って選べないのですが、特に好きな作品を選ぶなら、牡牛座、双子座、蟹座、蠍座、射手座、魚座かな(選んでも多い。山羊座は自分の星座なので別です)。

【過去関連記事】
星をさがす
都会の星
 これまで読んだ石井ゆかりさんの本。

[コミック版]数学ガール 上
[コミック版]数学ガール 下
 双子座の漫画を描いた日坂水柯による漫画「数学ガール」。「数学ガール」シリーズの原作は第3作まで読んだが、その後読めてない…。読むのにかなり時間がかかるので敬遠してしまっています…。
[PR]
by halca-kaukana057 | 2015-06-26 22:22 | 本・読書
 もう常連の青森県立美術館。今年度の展示を見てきました。現在、開催されている特別展は「成田亨 美術/特撮/怪獣」展。青森にゆかりがあり、「ウルトラマン」シリーズの怪獣などのデザインを手がけた成田亨(なりた・とおる)。青森市内には、青森県立美術館への案内看板にウルトラマンシリーズのウルトラマンや怪獣が描かれています(開館の際、著作権の関係で色々あって、少しの間ビニルシートを被せられ公開されなかったことがありました…)。常設展でも、成田亨の怪獣スケッチの展示があり、常設展を観る度に目にしてきました。
 とは言え、私はウルトラマンシリーズはほとんど観たことがない。リアルタイム世代でもない、いわゆる「懐かしのテレビ番組特集」みたいなものでウルトラマンが怪獣と戦うシーンぐらいしか観たことがない。怪獣はバルタン星人やカネゴンぐらいは知っている…。あと、常設展で観てきたスケッチ程度。その程度ですが、この「成田亨」展の青森県美さんの宣伝がかなり力が入っていて、よくわからないけど面白そうだな、と思い前売りを買っていたのでした…。

青森県立美術館:成田亨 美術/特撮/怪獣

 普通、チラシ(フライヤー)は1種類、あっても2種類程度ぐらいだと思うのですが、
f0079085_21425792.jpg

 6種類も出している。ここがまず普通じゃない。さらに、
f0079085_21432961.jpg

 前売りで買うとシークレットフライヤーとステッカーがもらえる。さらに、会場内限定のフライヤーもある。前8種。尋常じゃない。ちなみに、ミュージアムショップにはこのフライヤーのデザインのポスターも売ってました。力の入れようがこのフライヤーを見てもわかります。

 ということで、行ってきました。
f0079085_21462696.jpg

 いつものこの白い建物。桜は満開を過ぎ散っていたのですが、新緑が爽やかな青森の春です。
f0079085_21472473.jpg

 エントランスのこの曲線もやっぱりいいなぁ…おや、何かある。
f0079085_2147575.jpg

 「ウルトラセブン」に出てくるポインター。かっこいい!

f0079085_21492622.jpg

f0079085_21494151.jpg

 写真撮影可能なエントランス部分。青森県美のオリジナルフォントが、近未来的な雰囲気に合ってます。

 展示を観て…まずそのスケールと展示の多さに圧倒されました。スケッチや絵画が多く、どれも濃い。最初の展示室は成田亨初期の作品。彫刻「八咫」とそのスケッチの力強さ、勢いのある線にまず惹かれました。その次に、「ウルトラ」シリーズや特撮の仕事をしながら進めていた「モンスター大図鑑」「ナリタ・モンストロ・ヒストリカ」。古今東西の神話や伝承に出てくる神・化け物・妖怪・妖精…モンスターを描き、雑誌に掲載されたもの。成田亨自身のコメントも付いていて、絵にも、コメントもじっくり観ていました。「モンストロ・ヒストリカ」には、メソポタミア文明の神々や、古代エジプトの神々(ホルス神、アヌビス神、バステト神ほか)も。古代エジプトの絵は他の絵よりもじっくり魅入ってしまっていました。古代エジプト好きです。成田亨がホルス神を描くとこうなる、コメントからこんなことも考えていたのか…と。そして、それ以上に惹かれたのが、様々な鬼の絵や彫刻。日本のモンスターということで鬼の作品も数多く描き、彫刻にしていた。その鬼の描写が、やはり力強く、躍動感があり、肉体は美しくたくましい。でも、かなしさやさみしさ、暗さや強さで隠した弱さも感じられる。人間が持つ暗の部分が鬼に投影されていたと思うのですが、成田作品から、うめき声のような、心の叫びのようなものが感じられました。もしかしたら、これが怪獣へと繋がっていくのかな、と。怪獣もただ地球を襲いに来た悪役ではないから…。

 展示の途中のところどころに、著書やインタビューからの成田亨の言葉も掲げられていたのですが、それを読むと、仕事としてデザインしつつも、芸術とは何かと追究しようとしていたこと、様々な想いも込められていることが感じられました。

 それらを経て、「ウルトラ」シリーズや他のヒーローシリーズのデザイン画の展示へ。未発表の怪獣のスケッチ、企画案だけで終わってしまったもの、視聴率が振るわず録画も存在しない(家庭用録画機も無い時代だったが…テレビ局に何故残ってない!?)作品も。でも、有名な「ウルトラ」シリーズであろうと、そのような企画案だけで終わったもの・視聴率が振るわなかったものだろうと、成田亨の怪獣やヒーロー、メカニックの造形・デザインは「芸術」なのだなと感じました。ウルトラマンのカラータイマーには否定的だったこと、テレビ番組のためだけど商業だけを考えているわけではなかったこと…。「ウルトラ」シリーズの展示室の外に、ウルトラマンの墓と「鎮魂歌」があり、それを読んで葛藤しながらの制作だったのかな、と考えてしまいました。

 最後の展示室。90年代以降、晩年の作品です。画家になりたいと美術を志し、後に彫刻の方向へ。それが特撮美術の仕事に結びつき、数多くの怪獣やヒーローを生み出してきた。が、それらの仕事から解放され、彫刻とは何か、芸術・美術とは何か、と葛藤し始める。芸術はただの自己満足なのか。デザイナーと芸術家は違う。でも、テレビ番組のためのデザインの仕事もしてきた。そんな中、成田亨は町ですれ違った子どもが「ウルトラ」シリーズの怪獣の人形を大事そうに持っているのを見て、グッと来たのだそう。それから、それまで生み出してきた怪獣やヒーローたち、メカニックを題材にした油彩や彫刻を制作し始める。ヒーローと怪獣は、テレビ番組のように戦うことはない。ただ、そのヒーローや怪獣、メカニックそのものを描きたいように、表現したいように表現している。それらの作品を観て、葛藤はしていただろうけれども、成田亨にとって怪獣やヒーローたちは、成田亨の芸術だったのだなと感じました。精巧なメカニック。想像力の賜物である怪獣の造形、個性。ヒーローたちの肉体美、たくましさ、強さ、躍動感。それらの作品を観ていて、絵が描きたくて仕方なかった。私の描く絵はしょぼいですが…。身体の各部分の骨格や筋肉のつき方、動き。メカニックや細々した建物・風景を描くのは苦手だが、こんな風に精巧に描けたらな、と。凄い作品に圧倒され、いつしか憧れていました。

 ただかっこいいだけでも、怖いだけでもない。上述の通り、「ウルトラ」シリーズも、その他の作品もほとんど知らなかった私が、展示を観終わった時にはすっかり魅了されていました。気がついたら、ミュージアムショップで、怪獣やヒーローのポストカードを買いこんでいました…。

 開館時間直後に入ったのですが、特別展を観終わったのは2時間半ぐらい後。その後、常設展へ。常設展でも、成田亨関連の展示や、青森県美らしい個性的な芸術家達の作品を取り上げていました。絵本「11ぴきのねこ」シリーズで知られる馬場のぼるの展示も。青森出身です。以前、馬場のぼる特別展もあり、行きました(感想記事書いてなかった)。「11ぴきのねこ」シリーズは、以前読み聞かせをしていた頃、お世話になりました。大好きな絵本です。今回は展示は少なかったですが、絵本原画とその物語、漫画が展示されていました。展示を観ながら、物語を心の中で読み聞かせしていました。漫画はねことその飼い主の奥さんの四コマ漫画なのですが、馬場のぼるらしいユーモアたっぷりで、ねこが可愛い漫画。展示室に私一人でよかった。きっとニヤニヤしながら観ていたと思いますw棟方志功は鷹の絵。成田亨とタイプは違うけれども、躍動感あふれる力強い線に共通するようなものを感じました。

 この常設展を観終わって、トータル3時間半。もうお昼でした。これから行く方は、時間に十分余裕を持ってお出かけください。

 青森県美の展示は、作品との距離が近い。成田亨作品の息遣いが感じられる距離で、じっくりと観ることができて本当に楽しかった。完全に魅了されました。本当に凄い展覧会。青森県美のスタッフの方々に猛烈にお礼が言いたいです。本当にありがとうございます。凄いものを観られました。あの躍動感が、眼に、心に焼き付いています。

 最後に、ミュージアムショップには缶バッヂガシャポンもあります。オリジナルグッズもたくさんです。
f0079085_234477.jpg

 ヒューマン1号・2号が出ました。
 あと、成田亨のサインは「Tohl NARITA」の表記なんですね。絵のサインを観て、いちいちカッコイイサインだー!と思っていました。
[PR]
by halca-kaukana057 | 2015-04-28 23:09 | 興味を持ったものいろいろ
 10月、待ってました…!!三谷幸喜さん脚本のNHK人形劇「シャーロックホームズ」。12日から、NHK教育テレビ(Eテレ)にて、レギュラー本放送開始です!!先行放送された第1話「最初の冒険(前編)」、最初からやります!

NHK:シャーロックホームズ
◇もうひとつの公式サイト:シャーロック学園
 ↑twitter,FBの投稿にも注目です。

 さて、12日からのレギュラー放送を前に、昨日5日は直前特番。観ました。そして、本放送前にこれも出たので読みました。

シャーロックホームズ 冒険ファンブック: NHKパペットエンターテインメント (ワンダーライフスペシャル)

三谷 幸喜 / 小学館


 公式ガイドです。

 直前特番と、「冒険ファンブック」。合わせると物凄い情報量です。人形劇、全寮制の学園もの、ホームズやワトソンは学生…そんなこれまでと一味違った「ホームズ」の世界の紹介、案内になってます。関わっているスタッフや出演者、人形劇の操演の方々などのインタビューや舞台裏もじっくりと紹介。更に、原作(正典)の紹介と、各話の元になった正典の解説。

 直前特番ではロンドンでロケをして、ホームズのファン(イギリスでは「ホームジアン」、アメリカ・日本では「シャーロッキアン」)の皆さんに「ホームズ」の魅力を語ってもらったり、人形劇の「ホームズ」を見せてみた…なんてことも。「ホームズ」ものと言えば、BBC「SHERLOCK」も大人気ですが、そのシャーロックとジョンのコスプレをしたホームジアンのお姉さんへの取材までw素敵なお姉さんたちでした。正典から、ドラマまで、「ホームズ」の世界はとてつもなく広くて深い…そして本国イギリスは凄い…そう実感しました。100年以上も昔の作品なのに、こんなに愛され続けている。日本でも、日本語訳は何種類もある(原作を読もう!と思った時、で、どれを読めばいいんだ…どの訳がいいんだ…とかなり迷いました…)。古典だからこそ、深読み(ちゃんとした「ホームズ」研究家の先生方もいらっしゃる)したり、小説や映像作品などにリメイクしたり…作品の幅が広くて深いのだなぁ。今、せっせと正典を読んでいますが、私もそう感じます。何回同じ話を読んでも面白い。だから、この人形劇版のような大胆なアレンジをしても(どうアレンジするかでも違いますが…三谷さん、スタッフの皆さん、楽しみにしてますよ!)、面白く、「ホームズ」の世界がまた広く、深まっていくのだな。

 直前特番では、人形劇の収録現場・舞台裏にも潜入。まだ登場していないキャラクターも出てきて、これは誰だ、どの回で出て来るんだ?とワクワク。各キャラクターの人形を操演する人は、役者や声優と同じように決まっている。ただ、人形を脚本どおりに操作、動かしているわけじゃない。その操演の人が、その役を「人形を通して演じている」。仕草、眼の動き・視線、無言の表現…。しかも、人形劇業界は後継者不足…。若い操演者も加わり、後継者となってくれれば…という話が印象的でした。

 私は学生時代、メインは読み聞かせや朗読でしたが、人形劇にも関わったことがあります。学生のサークル活動。物語、脚本を作って、人形も手作り。やっていてとても面白いのですが、操演と声を一緒にやるのがなかなかハードでした。ただ、卒業してしまえばほとんどは人形劇から離れてしまう。一方、こちらはテレビで人形劇番組を担当するプロ。人形劇「ホームズ」や他の人形劇を観て、人形劇をやってみたいという子どもたち、若い人が増えればいいなぁと感じました。アニメや俳優とは異なる「演じる」魅力がある。テレビで人形劇をやってるのはNHKだけだものなぁ…。重要任務ですよNHKさん。

 「冒険ファンブック」は全部見どころなのですが、特に注目したのが美術・小道具。舞台となるビートン校のセットやそのデザイン、キャラクターたちの持ち物や衣装について詳細に書かれていて、こんなに細かく設定し作ってるのか!と驚きました。19世紀後半のイギリスの全寮制学校の雰囲気、たたずまい。そこに、和紙や染め方など、日本の伝統的な技術も応用する。日本だから表現できる、19世紀イギリスの世界…とても不思議ですが、この世界観が大好きです。これらの設定については、イラストを描く時の資料にもなります。ああ、素晴らしい!貴重です。

 声優・出演者の皆さんへのインタビューも興味深い。特にワトソン・高木渉さん。ホームズは美少年なのに、ワトソンの見た目が…という話を時々見かけます。いやいや、1話から観てるとワトソン株がどんどん上がっていきますよ!特に2話、そして4話!ノベライズ(集英社みらい文庫、2巻まで出てます)も一緒に読むと、もっと魅力的ですよ。そんなワトソンを演じた高木さんに、三谷さんから届いたメールの話がとてもいい話。そして、後半になると更にワトソンが男前になるとのこと…!!楽しみにしてます!!
 思えば、正典でも、BBC「SHERLOCK」でも、BSプレミアムでデジタルリマスター版を放送しているグラナダ版「シャーロック・ホームズの冒険」でも、ワトソン(ワトスン)に惹かれてます…w人形劇も。いやいや、ホームズもかっこよく、頭の回転のキレや速さ、変わり者だけど冷徹ではない…とても魅力的ですよ。

 今後の各回あらすじも。レストレード君今後出番増えるのね!アドラー先生もまだまだ絡んでくるのね!これまで登場したキャラクターも再登場するのね!!どんどん楽しみになって来ました。

 直前特番で残念だったのが、音楽演奏を担当しているダニエル・ハーディング指揮マーラー・チェンバー・オーケストラ(MCO)についての取材がなかったこと。演奏・収録の模様を観たかった…。「冒険ファンブック」でも、少しだけ触れています。もっと注目していいところだと思うんだけどなぁ…。サントラ、いつ出るかなぁ…。

 主題歌、ナノ「Scarlet Story」ですが、「冒険ファンブック」にテレビサイズの歌詞が載っていました!!やはり全部英語です。日本語訳も載ってます。様々な方向に読める歌詞です。そして、通常バージョンだけでなく、アコースティックバージョンも録音してあるとか。MCOの演奏が活きるアレンジになっているらしい。それ聴きたいです!!どちらにしろ、フルは来年のナノさんのアルバムに収録…それまで待てない…サントラが先かやはり…。せっかくだから、シングルCD出しませんか?通常バージョンと、そのアコースティックバージョンを入れて。

 というわけで、「冒険ファンブック」の怒涛の情報量に驚くとともに、12日からの放送が楽しみです。5話までは先行放送で観てますが、この間も書きましたが、観る度に発見があるのがNHK人形劇の面白いところ。では、2月まで全18話、楽しみますか!

 「ホームズ」記事を書く度に、イラストを描いて挙げている気がする…またしても描いたwレギュラー放送開始記念。
f0079085_21385979.jpg

 ハドソン夫人初描き!記念にいつもより多めにクッキーを焼いてくれました。…多いよ、多過ぎだよwクッキーを塗るので気がおかしくなるかとwその一方で、描いている間、クッキー食べたいなぁ…と思ってましたw
 描きながら思ったのが、ハドソン夫人って一体いくつだ?人形デザインでも、それほどおばさんというほどでもない感じだけど、学生たちから見ればおばさん…。いつもの通りの自分キャラデザですが、このハドソン夫人の年齢をどうするかで悩みました。40~50代ぐらい?

・前回の事前情報まとめ記事:あと1週間,新発表続々 NHK人形劇「ホームズ」


 最後に一言。
 こんな舞台裏、スタッフの方々の裏話、公式ガイドブック…「クインテット」にもあればよかったのに…!!(涙)
[PR]
by halca-kaukana057 | 2014-10-06 22:05 | Eテレ・NHK教育テレビ

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30