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星戀 (ほしこい)

 昨日は「伝統的七夕(旧暦の七夕)」。新暦の七夕では織姫・彦星、天の川は夜遅くならないと南中しない。また、梅雨の真っ只中で雨のことも多い。満月で星があまり見えないこともある。ということで、旧暦の七夕であれば、織姫も彦星も天の川も夜の早い時間から楽しむことが出来るし、月は上弦の月で星見に邪魔しない。ということで、国立天文台がはじめとなって、普及しつつあります。でも、昨日は雲が多く星見できませんでした。今日は快晴、上弦の月も、木星、土星、火星も見えています。火星は日没の時間から南東の空に明るく輝いて、すぐにわかりました。そんなに明るいんです。
 そんな、星見の気分をさらに上げてくれる本がこちら。

星戀
野尻 抱影 / 山口 誓子/中央公論新社、中公文庫/2017

 「星の文人」「天文学者(てん ぶんがくしゃ)」の野尻抱影のエッセイに、山口誓子の星の俳句を組み合わせた本。出版された時、こんな本があったのか!!と思いました。
 戦後、真っ暗な気分を星で晴らそうと星や天文の随筆を書き続けた野尻抱影。そのうち、山口誓子の星の句を借りられないかと思うようになったそうだ。すると、山口誓子は快く応じ、発表済みの星の句だけでなく、未発表作まで寄せてくれた。山口誓子から星の句が届くと、それに対照した随筆を書いていったそうだ。1954年に出版された。今回の版では、追加した部分もある。再出版して下さってありがとう中公文庫さんと伝えたい。

 「星戀」…星に恋する、なんと素敵な、ロマンティックな響きだろう。野尻抱影は「やや気恥ずかしい」と書いているが、これ以上ないタイトルだと思う。2人とも、星に魅了され、星に憧れ、星と文学を融合させた。エッセイ、俳句という形で、星への憧れ、想いを表現する。俳句も、エッセイも、星への愛情に満ちたものになっている。

 冬の憧れの星であるカノープス(南極老人星)だが、イギリスでは秋の唯一の一等星・みなみのうお座のフォーマルハウト(北落師門)が、高度8度ほどにぽつんと光っていて、南の空への憧れと鳴っているそうだ。秋の星空のにぽつんと明るく(といっても、他の一等星よりは暗め)輝くフォーマルハウトを見つけて、上へ登っていくとみずがめ座にたどり着く。虫の音を聴きながら、そんな秋の星空を楽しむ…といったところなのだが、イギリスでは日本と違うことに、言われてみればそうだけど、驚いた。確かに北欧へ行けば北極星は真上だし…。
 野尻抱影は日本だけでなく、世界の民間に伝えられている星の名前や独特の星座を蒐集した。日本は東西南北に長い国なので、北海道と沖縄では見える星が違う=呼び名なども異なる。世界へ広げればその土地に根ざした呼び名になる。星がその土地の文化や民俗そのものを表している。それは今までの野尻抱影の本を読んできて思ったが、星にまつわる文学も、その国、その土地から見える星が元になっており、その土地の文化などを表現しているのだなと思った。

 俳句はエッセイのように詳しく書けない。でも、限られた中での表現は、想像力をかきたてる。言葉数少ないからこそ、伝わってくるものもある。山口誓子の俳句は今まであまり読んだことがなかったが、楽しく読んだ。こんなに沢山の星や宇宙に関する俳句を書いていたのは知らなかった。2人の、2つの表現方法で、また星の見方が広がった。

 こういう本がもしまだ眠っているのなら、再出版をお願いしたい。
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by halca-kaukana057 | 2018-08-18 21:42 | 本・読書

秘密の花園 /『秘密の花園』ノート

 プロムス開催中(読み終えたのは開幕前ですが)だからというわけではないのですが、イギリス文学が読みたくなります。


秘密の花園 (新訳)
フランシス・ホジソン・バーネット:著/畔柳和代:訳/新潮社、新潮文庫/2016

 インドで生まれ育ったメアリ・レノックスは、痩せていて不機嫌そうな10歳になる少女。両親はメアリのことは乳母(アーヤ)やインド人の召使いに任せっきり。メアリもアーヤに何でもやってもらっていた。そんな中、屋敷でコレラが流行し、両親も、アーヤも、数多くの召使いたちも死んでしまった。メアリは部屋に閉じこもっていたところを発見される。メアリは叔父のアーチボルト・クレイヴンに引き取られる。本国イギリスに渡ったメアリは、クレイヴンの家政婦のミセス・メドロックに連れられ、ムアにあるクレイヴンの屋敷・ミセルスウェイト邸にやって来る。メアリには女中のマーサがつくことになった。ヨークシャ訛りで、インドのアーヤや召使いたちとは全く性格も態度も異なるマーサに悪態をつくが、次第に心を開いていく。メアリは天気のいい日は屋敷の庭で遊ぶようになる。庭には老庭師のベン・ウェザースタッフがいて、口数は少ないが、メアリに植物のことを教えてくれた。さらに、マーサの弟・ディコンは動植物が大好きな少年で、メアリの友達になった。メアリは、屋敷に10年も閉ざされた庭があることを知る。更に、屋敷の中を歩いていると、どこからか子どもの泣き声がする。メアリは閉ざされた庭の鍵と入り口を見つけ、その泣いていた少年、クレイヴンの息子、メアリの従兄弟のコリンと仲良くなる。コリンは身体が弱く、ミセス・メドロックやマーサもその存在を隠していた。メアリはディコンと閉ざされた庭の手入れをこっそり始め、コリンもメアリと話すようになってから精神的に落ち着いてくる…


 訳は沢山ありますが、今回は新訳の新潮文庫版で。岩波少年文庫版も持っています。

 昔、NHKで「秘密の花園」がアニメ化されたことがありました(あの「ふしぎの海のナディア」の後番組)。その頃は原作を読んだことはありませんでしたが、アニメの内容をおぼろげに覚えています。メアリはおてんばな娘というイメージがあったのですが、原作を読んでみると記憶違いかも?と思いました。

 メアリは「偏屈者」と呼ばれるほど、すぐに機嫌が悪くなる。ミセルスウェイト邸に来るまでのメアリは、正直に言って本当に可愛くない。でも、メアリは両親に育児放棄され、アーヤに身の回りのことは何でもやってもらい、召使いたちは恭順で何でも従う。愛情を注がれることもなく、友達もいない。メアリはとても孤独だ。人との心地よいコミュニケーションを学ぶ場は全くない。更に、その両親もアーヤも召使いたちもコレラで死んでしまう。ますます孤独になってしまった。

 そんなメアリにも救いはある。クレイヴンに引き取られ、イギリスにやって来る。ミセルスウェイト邸は大きなお屋敷で、クレイヴン氏は普段は屋敷にいない。またもメアリは孤独か…と思いきや、マーサやディコンがいる。庭にはベンがいて、メアリはその庭で遊び始め、鍵のかかった忘れられた庭を見つける。その庭を再生させる作業をディコンとするうちに、メアリはどんどん元気になっていく。よく食べるようになる。偏屈者と言われていたが、その不機嫌も徐々に収まっていく。

 一方、屋敷にはメアリと同じように身体が弱く、事あるごとに癇癪を起こし、泣きわめき、屋敷の者たちからは存在を隠されていた少年、コリンがいた。コリンを見つけ出したメアリは、インドの話などをして、コリンと仲良くなる。コリンも、メアリと会い、メアリから外の話を聞く度に、元気になっていく。

 この2人の回復していく様が、とても心に響く。この本を読んだ時、私も元気が無かった。私もこんな風に元気になれたらなと思いながら読んでいた。その2人の回復の糧になったのが、「秘密の花園」、10年鍵をかけられ、誰にも手をつけられなかった庭。メアリはディコンとこっそり庭の手入れを始め、そのことをコリンに話す。コリンもその庭に行ってみたいと、屋敷の外に出ることを目標とする。この庭の由来、何故鍵をかけられることになったのか…重く、かなしい10年だった。寂しく、暗く、心細い。孤独や病弱の辛さを知っているからこそ、再生や回復の過程の喜びは輝かしいものになる。喜びという感情が芽生えていくメアリやコリンは、本当にいきいきしている。2人は自立もしていく。途中、メアリとコリンが衝突する箇所があるのだが、そこもまた回復や再生の過程で通らなければならないものに思える。2人のやり取りが、実に2人らしい。この衝突で、2人は偏屈者の自分と別れることができたのだと思う。
 回復していったのはメアリとコリンだけではない。庭も、ミセルスウェイト邸そのものも、屋敷の人々も、ベンも、クレイヴン氏も、それぞれの「回復」「再生」をしていく。庭や屋敷は人ではないが、人と同じように元の有様を取り戻し、新鮮な空気が入ってきて、暗かった部分に光が当たる。子どもの再生や回復よりも、大人のほうは面倒臭い。なかなか変われず、現実を悲観し、感情に蓋をしてしまう。クレイヴン氏の場合、マーサの母が橋渡し役になって、クレイヴン氏の再生、回復に繋げていくのもとてもよかった。大人も再生、回復していくことができる希望。この辺りは大人の視点で読めます。
 徐々にマーサやミセルスウェイト邸の自然を好きになっていくメアリではありませんが、本当に好きな物語です。



 この「秘密の花園」の読解本があります。著者は梨木香歩さん。

『秘密の花園』ノート (岩波ブックレット)

梨木 香歩/岩波書店、岩波ブックレット773


 物語の隠された背景や、伏線に「そうだったのか!」と物語を読み直しながら読めます。インドというキーワード、屋敷の中と外の生き物、人物像…。イギリス文学が専門で、イギリスにも住んでいた梨木さんだからこその豆知識も。最後の箇所は、読書だけでなく、他のことでも当てはまると思う。「秘密の花園」を更に面白く読めます。


 記事の冒頭で、イギリス文学が読みたいと書いた。イギリス文学の特徴、個性を掴んでいるわけではないけれど、これまでも多く読んできた。庭を手入れしていくように、開拓していきたい。「ドリトル先生」シリーズもイギリス文学ですし、最近読んでいるカズオ・イシグロ作品もイギリス文学ですよね?「シャーロック・ホームズ」シリーズもそうですよね?文学だけでなく、音楽も開拓したい。
 イギリスだけでなく、北欧も…。こっちは音楽は開拓していっているけど、文学はなかなか進まない…(以上独り言)
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by halca-kaukana057 | 2018-07-16 22:57 | 本・読書

切手で絵本の世界

 切手と特印です。
日本郵便:特殊切手「絵本の世界シリーズ 第1集」の発行

 今度は絵本シリーズです。これは惹かれます。以前、「ぐりとぐら」の切手もありました。
「ぐりとぐら」を切手&特印で

 第1集は五味太郎さんの「きんぎょがにげた」。カラフルで可愛らしい絵は切手で映えますね。子どもの頃、読んでもらった、読んだ記憶は無く、学生時代に読み聞かせをしていた時に読みました。五味太郎さんの絵本は、「まどから おくりもの」や「わにさんどきっ はいしゃさんどきっ 」、「さる・るるる」も楽しいです。「ぼくのミックスジュース」の作詞も五味太郎さんですね。

 特印はこちら。
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 切手は、今回の切手のためのオリジナルの絵柄だそうです。大人もですが、お子さんへのお手紙に使ってもいいですね。

 今年の切手、特印はこれまで。年賀状を書かなくては。
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by halca-kaukana057 | 2017-12-20 21:55 | 興味を持ったものいろいろ

美しい月と音楽と

 昨日は中秋の名月(十五夜)。今日は十六夜。明日は満月。昨日も今日も、きれいな月が見えています。月にまつわる音楽は様々ありますが、今年は準備不足で探せなかった…と思ったら、つい最近聴いた曲にありました。BBCプロムス・ラストナイト(Last Night of the Proms)でやってました。
Proms(プロムス)2016 私選リスト その5 [9月]

 イギリスの作曲家・ヴォーン=ウィリアムズ「音楽へのセレナード」。プロムス私選リストの記事で、この曲について少し触れましたが、おさらいと追記でもう一度。プロムスを半世紀以上指揮し続けたヘンリー・ウッド(ステージ中央にウッドの銅像があります)のデビュー50周年のお祝いに作曲。シェイクスピアの「ヴェニスの商人」から歌詞を取っています。16人の声楽家による合唱と、それぞれ受け持つソロパートがあります。その後、混声合唱版にも編曲されたそうです。

 この歌詞となったシェイクスピア「ヴェニスの商人」。第5幕第1場から抜粋引用されています。この第5幕第1場では、ヴェニスの商人・アントニーオを敵対視する金貸し屋のシャイロックの娘・ジェシカと、その恋人ロレンゾーが月を見ながら、音楽を聴き、音楽について語り合います。

◇歌詞と日本語訳はこちら:梅丘歌曲会館「詩と音楽」:レイフ・ヴォーン=ウィリアムズ「音楽へのセレナーデ」詩: シェイクスピア(William Shakespeare)

Serenade to Music, Ralph Vaughan Williams


◇最新版!先日のラストナイトでの演奏:Vaughan Williams - Serenade to Music - Last Night of the Proms 2016

 16人の歌手たちの歌声も美しいのですが、オーケストラも、ヴァイオリンソロも美しい。歌詞もあいまって、音楽への愛おしさや、音楽と自然との調和、音楽を聴いている人々の心の平穏などを感じます。月が輝く美しい夜をすーっとイメージさせてくれます。なんていい曲なんだ!
 この初演の1938年、ラフマニノフも演奏会に登場し、自身のピアノ協奏曲第2番を演奏。その後の「音楽へのセレナード」の美しさに涙したという話。
 歌詞は抜粋してあるので、「ヴェニスの商人」での全文もどうぞ。より楽しめます。
◇英語での全文:The Merchant of Venice: Act 5, Scene 1
 日本語訳は出版されているものでどうぞ。

 調べてみると、月にまつわるクラシック音楽は結構多い。来年までまた準備しておきます(今年の十三夜という手もあるぞ)
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by halca-kaukana057 | 2016-09-16 22:38 | 音楽

少女ソフィアの夏

 「ムーミン」シリーズの作者・トーベ・ヤンソンのムーミン以外の作品をあまり読んだことがなかったので読んでみました。タイトルと、簡単なあらすじに惹かれました。


少女ソフィアの夏
トーベ・ヤンソン:作/渡部翠:訳/講談社/1991

 フィンランド湾には、たくさんの島がある。その島のひとつに、少女ソフィアとおばあさん、パパが4月から8月まで住む家があった。ソフィアは母親を亡くしたばかり。70も年齢が異なるソフィアとおばあさん。島には様々な人が訪れ、ソフィアとおばあさんも誰かを訪ねることもある。主に2人の島暮らしは続いてゆく。

 トーベ・ヤンソンさんが、夏の間を過ごす島の話は何度も読んだことも、聞いたこともあります。岩の小さな島に、小さな家がある。そこでヤンソンさんは夏の間、海とともに過ごし、ムーミン物語もその暮らしの中から生まれることもあった、と。この「少女ソフィアの夏」は、ヤンソンさんの周囲に人々をモデルに描かれています。おばあさんはヤンソンさんの母。ソフィアのパパは、ヤンソンさんの弟ラルスさん。そしてソフィアはラスルさんの娘、ヤンソンさんの母の本当の孫娘なのだそうです。ラルスさん一家も、夏の間は島で暮らし、ヤンソンさんの島とも近かったので交流もあったようです。物語も、おばあさんとソフィアの間に実際に起こった出来事を、フィクションも交えて書かれたもの、と。

 まず読んでいて思うのが、ソフィアとおばあさんを取り巻く自然が豊かに描かれていること。ヤンソンさんが暮らしていた島は岩だらけのゴツゴツした、小さな島ですが、おばあちゃんとソフィアが暮らしていた島はある程度大きく、緑も多いとわかります。島の樹木や草花…フィンランドを思わせる白樺やナナカマド、コケモモ、キノコ。森。森に棲む鳥などの生き物。天候に左右される海。凪や嵐。その自然は豊かだが、厳しくもある。生き物も可愛いだけではない。野生の荒々しさを見せ付けられることもある。その豊かで厳しい自然の中で、ソフィアは成長する。おばあさんはさすが年の功、厳しさをわかっていて、自然を冷静に見つめ、なすがままに身をゆだねる。そんなおばあさんを見て、ソフィアは自然の中で生きることを学んでゆく。時にはソフィアが島の中を冒険することもある。それに付き合うおばあさんは、体力面では劣る。自然の中で人間がどう生きるのか。それをそのまま描写している。

 また、自然だけでなく、ボートのエンジンの音、夏至祭を祝うロケット花火の音など、音の描写もいい。物語が五感に語りかけてくる。

 そして、ソフィアとおばあさんの関係。母親を亡くしたばかりで、その死を改めて実感するシーンや、母親のことを思い出しながら、ごっこ遊びをするシーンもある。でも、母親についての言及はそれほど多くない。
 それよりも、おばあさんとソフィアの関係。祖母と孫…孫を可愛がり甘やかすなんて描写は一切ない。おばあさんもおばあさんで自己主張し、体力は衰えているが気はしっかりしている。寧ろ強い。ソフィアはまだまだ少女だけれども、彼女なりにおばあさんにぶつかっていく。また、島の暮らしはあまり他の人に会わないので、おばあさんはソフィアの社会性を心配する箇所もある。おばあさんのソフィアを見守る視線、姿勢、距離感。あたたかく思いやるが、冷静で、あまり深く干渉しない。個として、しっかりと立ち、助け合う時は助け合う。この生きる様はムーミン物語のムーミン谷の仲間たちにも通じるところがある。これが、ヤンソンさんの原風景、ヤンソンさんに見えていた風景と人々の姿なのだなと思う。
 パパはあまり出てこないが、パパのものが鍵になることもある。

 この本全体に流れる静けさや、どこかかなしい、寂しい雰囲気は何だろう。決して冷たい、冷徹ではないけれど、個が個であることを強調しているからだろうか。

 ヤンソンさんによるイラストもところどころに描かれています。この本は児童書扱いになっていますが、ムーミン物語と同じように、どんな人が読んでも、惹かれる部分があると思います。
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by halca-kaukana057 | 2016-02-22 22:59 | 本・読書

カエデ騎士団と月の精

 フィンランドの児童文学を読みました。図書館で探すと結構出てきます。翻訳が増えてきて嬉しいです。


カエデ騎士団と月の精
リーッカ・ヤンッティ(Riikka Jäntti):作・絵/末延弘子:訳/評論社/2010(フィンランド語原書は2005)

 リスのノコと兄のヴィリ、ハリネズミのトイヴォはカエデの木の家に住んでいる。大きなカエデの木にくっついて建っている。ヴィリは家のリフォームに、ネズミのイーリスをお手伝いに雇い、どこかへ行ってしまった。家に残った3匹は、掃除の途中、台所のオーブンが気になった。ヴィリが以前、オーブンを開けないようにとノコとトイヴォに強く言っていた。何故オーブンを開けてはいけないのか。でも、大掃除をするならオーブンも開けて掃除しようと3匹はオーブンを開ける。すると中には書類の包みがあり、さらに壁に小さな扉がついていてほら穴があった。3匹は調べてみようと秘密結社・カエデ騎士団を結成する。帰って来たヴィリは、ノコとトイヴォに明日はウサギおばさんの家に泊まるように告げる。誰かお客が来るらしい。隠してあった書類と何か関係があるはず。さらに、ウサギおばさんからカエデの木の過去とある秘密を聞く。3匹は再びカエデの木に行き、オーブンの中で見つけたほら穴に入り、ヴィリとお客の様子を伺う。お客はごろつきと噂のネズミやモグラだった。そして、彼らはドブネズミ主人の何かを狙っているらしい…。3匹もドブネズミ主人の屋敷へ行くことにした…。


 挿絵がとてもきれいだったのが、この本を手に取ったきっかけです。薄めの本ですが、物語はそれなりにボリュームがあります。森に住んでいる動物たち。秘密があるらしいカエデの木の家。湖のそばのウサギおばさんの家。ベリーが沢山採れる川辺の茂み。フィンランドの自然を感じられます。

 物語はどんどん大きくなっていきます。3匹がたどり着いたのは、「ヒーリヴオリ伝説」という村に伝わる伝説。ウサギのおばさん、ドブネズミ主人が真相を知っている。その伝説に関して、ヴィリはごろつきたちと悪だくみをしている。3匹は、伝説が悪だくみに使われないように奔走する。可愛い絵の、最初はのんびりとした雰囲気の物語が、一気にスリリングなファンタジーに。ドブネズミ主人が伝説にどんな関わりがあるのか。さらに物語は急展開。この急展開が、とても辛い。本当に急過ぎて…。3匹にもピンチが。「伝説」は本当に起こるのか…。最後まで手に汗握るように読みました。

 「伝説」という本当にあるのかないのか不可解なもの、見えないものを信じること。自分にとって何が大事なのか。大切な人たちのために何が出来るのか。「伝説」は心に問いかける。私欲に走らず、皆の、大切な人たちとの幸せを大事にする。自己犠牲のようにも読めます。フィンランドにも人のためなら自分のことは犠牲にする、自己犠牲の精神はあるのだろうか。日本の自己犠牲とはちょっと違うのだろうな。もっと、ちょっと失うものはあるけど自分は幸せ、皆も幸せという意味なんだろうな。

 児童文学ではありますが、深いです。多分、子どもが考えながら読むお話なんだろうかなぁ。自分で考えることを大事にするフィンランドの教育のような。

 この本は、フィンランドでは「カエデの木の仲間たち」というシリーズになっているそうです。これが1作目なのかな?翻訳されていたら読みたいです。
 あと、ウサギおばさんの家でパイを食べた…とあるのですが、挿絵ではカレリアパイが描かれています。フィンランドの伝統的なパイ・カレリアンピーラッカ(karjalan piirakka)のこと。ミルクかゆ(お米を使います)のパイ。ミルクでお米を炊くって美味しいのだろうか…といつも思ってしまいます。フィンランドらしいレモンケーキやベリーのパイも出てきます。

 少し前から、フィンランド語を少しは読めるようになりたいと思っているのですが、なかなかわからない。単語すら覚えられない。もっと簡単なフィンランド語の絵本を英語のリーダー教材のように和訳して読んでみたい(出来れば日本語訳も出ている本がいい)のですが、フィンランド語の絵本の原書はなかなかないですね。「カレワラ」はフィンランド語、日本語訳(岩波文庫の。またはシベリウスのカレワラ由来の声楽作品の対訳付きのもの)もありますが、難し過ぎる…。「牧場の少女カトリ」で、カトリが「カレワラ」で読み書きを学んだ(しかも独学!)のを思い出します。フィンランド語ネイティヴとはいえ、凄いよカトリ…。
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by halca-kaukana057 | 2016-02-05 22:28 | 本・読書

新編 あいたくて

 秋になると、詩を読みたくなります。(夏の昼下がり、風が心地いい窓際や、冬の夜などにも合いますが)

新編 あいたくて
工藤直子:詩/佐野洋子:絵/新潮社・新潮文庫/2011

 工藤直子さんといえば、「のはらうた」シリーズ。ユーモアたっぷりの動物・虫たちの本音や声を描いた詩はいつ読んでも楽しくて、とても好きです。読み聞かせをしていた頃、「のはらうた」を朗読したこともありました。Eテレ(NHK教育)「おはなしのくに」のように、その動物・虫たちになりきって、表情豊かに。最初は照れもあるのですが、子どもたちの反応も楽しくて、だんだんノリノリで一緒に楽しんで読みました。普通に読んでも、朗読しても、本当に面白い、楽しい。

 その工藤直子さんの代表作といば、この詩集「あいたくて」も外せません。数年前、この新編が文庫で出ました。「あいたくて」は平原綾香さんが歌っているのもあります。綾香さんの歌声と、曲で、この詩に込められているであろう想いがより強く、やさしく、やわらかく、じわじわと感じられます。
 何かに「あいたくて」…そんな想いから発展してゆく詩が、どれもいい。思わず共感してしまう詩、自分ではうまく表現できなかった気持ちを代弁してもらったような詩、思ったこともないような発見を感じた詩、心の奥底を覗くような詩…。何度も読み返します。

 私は、何かを言葉で表現しようとする時、文章が長くなる(苦笑)。あれこれ細かく説明して、長くなってしまう。一文も長いし、単語も多いし、その割には語彙のバリエーションが貧弱、表現が下手くそで…。読みにくいなぁ、これじゃわかりにくいじゃないかと、以前書いたこのブログ記事やノートに書き続けている日記を読み返しては思います(この一文も長い)。
 詩は、短い文章、シンプルな言葉で、その内面に込められているものを伝える。読むのは好きですが、書くのは難しい(学生時代こっそりと書いていた経験あり)。それも今読み返すと、「これは詩か?」と思う。とにかく詩は難しい。むしろ、子どもたちがそれぞれ思っていることや日常のことをストレートに書いたものの方がわかりやすい、伝わりやすい。

 だから、この詩集は何度でも読み返します。よくわかっていない何か、誰か、自分の中の気付いていない部分に「会いたい」。佐野洋子さんの絵も味わい深い。

 文庫版のためのあとがきは、詩ではなく「あとがき」なのですが、そこにも共感しました。工藤さんが30代の頃、何故自分は生まれてきたのか、この世に何の用があるのだろうか…と悩み、申し訳なく思いジタバタしていた、と。そこにも重なるものがあって、工藤さんにもそう思ったことがあったのか…。そんな工藤さんに、ご友人がかけた言葉にハッとした。凄い視点、考え方だなと思った。それが「会いたい」という感情なのだろう。

 小説も、ノンフィクションも、エッセイも、漫画も好きです。でも、詩はまた言葉と表現、そして人間という生き物の可能性を感じさせてくれて、とても好きです。
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by halca-kaukana057 | 2015-10-04 21:25 | 本・読書

二都物語

 NHK人形劇「シャーロックホームズ」第4話「消えたボーイフレンドの冒険」で、ワトソンが読んでいた小説がこの「二都物語」(A Tale of Two Cities)。この小説が、人形劇本編の物語に関係がある…というので読んだ。ディケンズを読むのは「クリスマス・キャロル」以来2作目です。
クリスマス・キャロル(原作&NHKFM・青春アドベンチャー)


二都物語
チャールズ・ディケンズ:著/加賀山卓朗:訳/新潮社・新潮文庫/(加賀山訳は新訳版、2014)

 1775年、イギリス。ドーヴァーに向かっていた郵便馬車に乗っていたテルソン銀行の銀行員・ジャーヴィス・ローリーはある手紙を受け取る。「ドーヴァーにて令嬢を待て」。ローリーは「人生に甦った」という返事を出す。そしてドーヴァーに到着すると、銀行から手紙を貰いロンドンからやって来た若い女性・ルーシー・マネットと会う。幼い頃死んだとされていた父で医師のアレクサンドル・マネットがバスティーユ牢獄から解放されたというのだ。18年間の投獄生活で記憶も曖昧、パリで酒場を営むドファルジュ夫妻に保護されていたマネット医師だが、娘と再会し共にロンドンに向かい、一緒に住み始める。
 5年後、マネット医師はすっかり回復し、ロンドンで暮らしていた。ローリーとマネット父娘がイギリスに向かう船に一緒に乗っていたフランス人・チャールズ・ダーネイがスパイ容疑で裁判にかけられていた。ローリーとルーシーは証人として出廷し、無実を証言していた。その法廷には、チャールズの弁護士・ストライヴァーと、ストライヴァーの同僚の弁護士のシドニー・カートンもいた。チャールズとシドニーはとてもよく似ていた。無実で釈放されたチャールズ、そしてシドニーはルーシーに恋をする。シドニーは弁護士ではあるが、普段は酒びたりの生活を送っていた。また、チャールズにはある隠された過去があった…

 読んでいて、舞台を観ているような気持ちになっていました。主要人物のルーシー、マネット医師、チャールズ、シドニー、ローリー、ドファルジュ夫妻だけでなく、ちょい役の登場人物たちも実に活き活きとしていて、物語に彩りを添えている。「クリスマス・キャロル」も庶民を描いた人間味溢れる作品だったが、「二都物語」も極平凡な庶民の生活の中にあるルーシーたちの運命が、イギリスらしい皮肉や庶民の目線から描かれている。読んでいて、それぞれの登場人物の言動が個性豊かで、面白かった。

 「人生に甦る」という不思議な言葉で始まる物語。「人生に甦る」のは牢獄生活から解放されたマネット医師のことでもあるし、過去にある秘密を抱えたチャールズのことでもある。また、弁護士なのに酒びたりの生活を送っていて、自分でもどうしようもないと思っているシドニーのことでもある。彼らの「人生に甦る」鍵になるのがルーシー。理想的なヒロインである。そのヒロインに恋するチャールズとシドニー。2人が顔がよく似ているというのがまた鍵になる。様々な鍵、パズルのピースが散りばめられていて、後からそれが伏線だったとわかる。最後の怒涛の伏線回収が凄い。

 堕落した人生を送っているシドニー。ルーシーのことは愛しているけれども、この自分は変えられそうにない…と嘆くシーンが何とも言えない。そんなシドニーに希望ある未来を願うルーシー…それなのに…。シドニーの境遇が辛いが、一方のチャールズも辛い立場にある。そして、それが明るみになる…フランス革命が、彼らを運命の渦に巻き込んでゆく。

 2回読み返しましたが、どの登場人物からも目が離せない。最後のまさかの展開に、人間という生き物の不思議さを覚えます。最初に書きましたが、小説、文章だけ(挿絵はあります)なのに、舞台を観ているみたいです。

 訳は、現在入手しやすいのがこの新潮文庫の新訳版のみ。宝塚歌劇団や、他にも舞台化、映画化された作品なのに、訳がこれしかないというのは残念。他の出版社からも出て、他の訳でも読んでみたい。あと、他のディケンズ作品も。長編がほとんどですが…。


 ちなみに、冒頭で人形劇「ホームズ」がきっかけで読んだ…と書きましたが、ノベライズ版ではこの「二都物語」のあらすじが物語の鍵になっている。2人の男が1人の女を愛する物語。しかし、共通点、鍵はそれだけではなかったことが読んでわかりました。脚本の三谷幸喜さんはそれをわかってワトソンが「二都物語」を読んでいる、というのを入れたのだろうか…。
 あと、最初手にした時は結構ボリュームがある本を、15歳のワトソンが愛読しているとは…と思いましたが、読んでみてわかる気がしました。
・詳しくは:[NHK人形劇ノベライズ]少年シャーロックホームズ 赤毛クラブの謎
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by halca-kaukana057 | 2015-04-23 23:12 | 本・読書

まだ続く・「ホームズ」踊る人形暗号の謎:グラナダ版はどっちだ?

 「シャーロック・ホームズ」シリーズで以前気付き、疑問に思っていた「踊る人形」(「帰還」収録)の暗号が2種類ある、という話。以前の記事でひとまずの謎は解けたのですが、まだ続きがありました。「ホームズ」ある限り、まだ続いています。

【これまでのまとめ】
・事の発端::すれ違う想いの着地点+踊る人形暗号の謎 人形劇「シャーロックホームズ」第13話
 NHK人形劇「シャーロックホームズ」で踊る人形暗号が出てきた時、私が読んだ正典(河出文庫)と暗号の一部が違うことに気付く。
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 「B」と「V」が違う。人形劇で使われた暗号は、他にも新潮文庫や創元推理文庫、講談社青い鳥文庫で使われていた。どうやら2種類の踊る人形暗号があるらしい。…何故?いつどこで変わったの?どっちが先?謎は深まるばかり。
・手当たり次第様々な出版社・訳の正典を調べてみた:続・「ホームズ」踊る人形暗号の謎
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 この2種類が存在するのです…。

・更に調べる。そして…:続々・「ホームズ」踊る人形暗号の謎 訳者が同じでも?そして解決?
 
『バスカーヴィル君と犬の冒険』でベインズが使用した「踊る人形」の暗号表は、英国で1924年に出版されたJohn Murray版の単行本に基づいています。ストランド誌初出時に指摘された暗号表の矛盾に修正が施された版として知られています。 #パペットホームズ
・Twitter:シャーロック学園 (@sherlockgakuen):2015.2.5 20:05

 人形劇「ホームズ」公式アカウントさんのこのツイートで、修正されたのがバージョンBだと判明。そして、2種類存在するのだと。

 ここまでがこれまでの経過。

 さて、動画配信サイト「GYAO!」で、この番組の無料配信がスタートしました!
無料動画 GYAO!:ドラマ:シャーロック・ホームズの冒険
 グラナダ・テレビ版、ジェレミー・ブレット演じるホームズのグラナダ版です!昨年度までNHKBSプレミアムで放送していましたが、新年度になり、終わってしまいました…。毎週楽しみに観ていました。新年度になり放送がなくなって寂しい…と思っていたらGYAOで配信。なんと!ただ、このGYAOで配信されているものは日本語字幕版。吹き替え版ではありません。露口茂さんのジェレミー・ホームズの声が印象的だったので、最初観た時は「あれ?」と思ってしまいました。聴きやすい英語なので、実際の俳優さんの声で楽しむのもいいものです(ただし、現在不調に付き、全部観られていません…)。

 ちなみに、GYAOは3月までアニメ「名探偵ホームズ」も配信していました。GYAOさん、もしかして、わかってる…!!?
・参考:その時の記事:メカ満載アクション満載ホームズ アニメ「名探偵ホームズ」
 10話「ドーバー海峡の大空中戦」ハドソンさんに惚れましたw空飛ぶ勇敢な女性…さすが宮崎駿さん(この回はコンテ・演出担当)。そして、この配信中にモリアーティ教授役の大塚周夫さんが亡くなられました。リアルタイムではなかったけれど、このタイミングで「名探偵ホームズ」に出会えて本当によかったです。


 話が大いにずれました。戻します。
 このグラナダ版では「踊る人形」は2話。グラナダ版ではどちらを使っているのか。確かめました。
f0079085_21445245.png
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 「B」と「V」の暗号が出てくるシーン。ネタバレになるので、どれとは言いません。上述したバージョンだと、バージョンA、つまり最初にストランド誌に掲載されたバージョンのものを使っています。ただ、「V」が微妙に違う。腕がついてます。…これは…?まだ違うバージョンがあるということなのか…?
 2種類の暗号が合って、一つは修正されたもの、と知らないままだったら、これを観てさらに混乱したと思いますw
 最後に一言…暗号のポーズをするジェレミー・ホームズに吹きましたwお茶目w
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by halca-kaukana057 | 2015-04-17 22:01 | 本・読書

ムーミン谷の名言集

 昨年は「ムーミン」の作者・トーヴェ・ヤンソン生誕100年。今年は「ムーミン」シリーズ第1作「小さなトロールと大きな洪水」が出版されてから70年。2年続けてのムーミンメモリアルイヤーです。全国各地でトーヴェ・ヤンソンやムーミン関連の展覧会が開催されていたり、フィンランド発の新作映画「劇場版 ムーミン 南の海で楽しいバカンス」が公開されたりと、ムーミン尽くしです(映画は上映館があまりにも遠いため、観にいけていません…DVD待ち…)。
 そんな「ムーミン」の物語のエッセンスをぎゅっと集めたのがこの本。



ムーミン谷の名言集
トーベ・ヤンソン:文・絵/ユッカ・パルッキネン:編/渡部翠:訳/講談社・講談社文庫/2014

 タイトルの通りの「ムーミン」シリーズからの名言集です。文庫本なので、机のすぐ手に取れるところに置いておいて、ちょっとした時間にパラパラと読んでいます。「ムーミン」シリーズの小説全9作だけでなく、漫画「ムーミン・コミックス」、絵本と、「ムーミン」の世界からキャラクターたちの言葉を選りすぐりで掲載しています。ただ選んで載せているわけではなく、なるべく作品をつなげて物語の流れがわかるようにもなっています。ヤンソンによるイラストも一緒に。「ムーミン」シリーズには、ヤンソンの絵は欠かせません。

 この本が面白いところは、元はフィンランド語だったところ。「ムーミン」シリーズは、元々スウェーデン語で書かれています。ヤンソンがスウェーデン系フィンランド人だったため。しかし、この本は、フィンランド語訳の「ムーミン」から日本語訳にしてあります。なので、原語のスウェーデン語から訳した日本語訳の物語の文とはちょっと表現が異なるところがあると思います。本のタイトル、並びに各章のタイトルもフィンランド語というのが面白い。

 この、「ムーミン」とヤンソンとスウェーデン、フィンランドの関係について、以前、「ほぼ日刊イトイ新聞」にて、「ムーミン」とヤンソンについての特集がありました。
ほぼ日刊イトイ新聞:トーベ・ヤンソンの人生を、ぼくたちはもう一度生きる。
 「ムーミン」研究者の森下圭子さんに、作家の重松清さんがお話を聴いています。
 これを読んで、フィンランドにおけるスウェーデン系の人々とはどんな立場に置かれているのかを知りました。シベリウスだってスウェーデン系。スウェーデン系と言うより、「スウェーデン語系」という表現にはなるほどと思いました。

 そんな細かい話はさておき、「ムーミン」の物語の言葉は、人に寄り添う言葉だなぁ、と読んでいて感じます。読みながら、付箋をつけたり、書き出したいところがたくさんあります。その時の気分、心の状態によっても違います。「ムーミン」の世界は不思議な世界。そこで、ムーミンたちは不思議な世界の自然や動きに合わせて、その時を生きて、暮らしている。憂鬱なこと、心配なこと、困ったこと、嘆きや悲しみもあるけれど、流れに任せている。その一方で、果敢に出る時は"冒険"する。そんな「ムーミン」の世界の物語は、何度読んでも面白い。

 名言集とまとめてあるのを読んでいると、実際に自分が「ムーミン」シリーズの物語から好きな言葉、気になった言葉(センテンス)を選ぶとしたら、どれを選ぶだろう?とも思いました。しかし、小説9作でも結構あるのに、絵本と「ムーミン・コミックス」は読んだことがなく、まとめるのは大変だろうなぁ…。「ムーミン」の世界の広大さも実感する一冊です。選ぶのに、迷っただろうなぁ…。
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by halca-kaukana057 | 2015-04-08 22:44 | 本・読書


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