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明日は、いずこの空の下

 上橋菜穂子さんの作品も積読があるのですが、今日は新しく出たエッセイを。

明日は、いずこの空の下
上橋菜穂子 / 講談社、講談社文庫 / 2017

 作家であり、文化人類学者の上橋さん。フィールドワークや、作品の取材も兼ねて、世界のあちこちを旅する。そんな旅のルーツは高校生の頃。旅は母と一緒のことも多い。世界各地で体当たりの旅のエッセイ集です。

 「精霊の守り人」をはじめとする「守り人」シリーズ、「獣の奏者」シリーズなどでお馴染みの上橋さん。物語の舞台となる、リアリティのある異世界の設定にはいつも驚かされます。土地だけでなく、気候や民俗風習、言語、食べ物、政治、経済…その異世界全部。モデルの場所はあるのだろうかなどと思ったことも。作家であると同時に、文化人類学者として、オーストラリアのアボリジニの研究もされている。フィールドワークで現地へは何度も足を運んでいる。そんな上橋さんは旅上手なんだろうな…と思いきや、そうでもない。身体が弱く、体調を崩しやすい。方向音痴。語学も苦手。子どもの頃から世界のファンタジー文学を読みふけり、その世界に憧れても、家でぬくぬく寝て、本を読んでいる方がいい…。美味しいものがあれば尚更…。「ホビットの冒険」のビルボのように。何だか笑えてしまいます。上橋さんのお気持ちがよくわかる。私も家にいる方がいい。

 でも、作家になるためなら何でもやってやる。上橋さんの背中を押すのは、そんな気持ちと旺盛な好奇心。女子高生時代の、イギリス研修旅行がその原点。「グリーン・ノウの子どもたち」の作者、ルーシー・M・ボストンさんに会ったエピソードは、上橋さんの今に繋がる大きな力なったんだなぁと思います。

 多いのが、食べ物の話。とにかく食べ物が美味しそうな上橋作品ですが、普段から様々な文化の暮らしの中にある食べ物に注目しているからこそ、あんな美味しそうな料理が次々と出てくるのだなぁと。でも、上橋さんが読んできたファンタジー文学でも、食べ物、料理の表現を大事にしている作品もある。そんな作品のよいところを、しっかりと引き継いでいるのですね。上橋さんの作品も、このエッセイも、お腹が空いている時(しかもすぐにご飯にありつけない時)に読むのは危険かも知れません…。

 上橋さん以上にアクティヴなお母様との旅のエピソードも面白い。タフでどんどん飛び込んでいくお母様にすごいなぁと思っていました。私も、家でごろごろしている方が好きなのに、旅に出るとアクティヴになれる。旅に出ることで、また違う自分の一面を引き出している、違う自分に会えている気がする。

 上橋さんが旅先で思った様々なことが、上橋作品に投影されている。ファンタジー文学というものに、上橋さんは何を考えているのか。何を表現したいのか。上橋作品をますます面白く読めるエッセイだと思います。もちろん、いち作家の旅のエッセイとしても面白い。読んでいると旅に出たくなります。
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by halca-kaukana057 | 2018-04-06 22:08 | 本・読書

仙台駅で風景印

 日曜、仙台に行ってきました。コンサートに行ってきました。その記事は次の記事でじっくり書きたいと思います。

 仙台駅や駅ビルのエスパルをぶらぶらと歩いていたら、仙台駅内郵便局にたどり着きました。日曜日だけど開いている。ここ、風景印ある?調べてみたらある。念のため、局員さんに今日も風景印の押印はできますか?と聞いてみたら、やっているとのこと。よし、風景印を押印してもらおう!切手などを購入して、いつもの特印、風景印用の台紙を手帳に挟んでおいているので(こんなこともあろうかと!)それに切手を貼って、押印してもらいました。

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切手は「和の文様シリーズ」第4集。買っていなかったので。
風景印の図案は、仙台駅とケヤキ並木。仙台のケヤキ並木はきれいですね。

狙っていたわけではないのに(日曜日だから大きな郵便局以外は閉まっているだろうから、風景印は諦めていました)思わぬ幸運でゲットできました。郵便局を見つけたのも本当に偶然。嬉しいです。いいお土産になりました。
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by halca-kaukana057 | 2018-03-05 22:06 | 旅・お出かけ

イギリスだより カレル・チャペック旅行記コレクション

 前回、カレル・チャペックのデンマーク、スウェーデン、ノルウェー旅行記「北欧の旅」を読んだのが2014年。思ったより前だった。この本を読んでいたのは去年ではあるのだが。チャペックの旅行記、今度はイギリスです。



ギリスだより カレル・チャペック旅行記コレクション
カレル・チャペック:著、飯島周:訳 / 筑摩書房 ちくま文庫 / 2007

1924年5月から7月まで、イギリスを旅行したチャペックは、イギリスに魅了される。大都市ロンドンに圧倒され、公園の緑の美しさに惹かれる。博覧会や博物館を観て、"大英帝国"のことを考える。スコットランドではイングランドとは違う風景や文化に触れ、さらに北ウェールズ、アイルランドへ。「北欧の旅」と同じように、チャペック自身によるイラストも満載です。

 冒頭の「あいさつ」に興味深い文章があったので引用します。
 人は、それぞれの民族について、さまざまなことを考える。それらは、その民族が型にはめてみずからに与え、こうだと思い込んでいるようなものとは限らない。それでも、もはや強い習慣とさえなっているが、人は国や民族を、その政治、体制、政府、世論、またはそれについて一般に言われるものと、なんとなく同一視する。
 しかし、なにかちがうものを、その民族はある程度はっきりと示す。それは決して人が自分で考え出したり意図したりできないものだ。自分自身の見たもの、まったく偶然で日常的なものの思い出が、おのずから心の中に浮かんでくるものだ。
 なぜ、まさにその、ほかならぬ小さな経験がこんなにも強く記憶に残っているのかは、神のみぞ知る。ただ、たとえばイギリスのことを思い出すだけでも十分である。その瞬間に目に見えるのは――
 今ここで、あなたの目に何が見えるか、いったい何を想像されるかどうか、それはわたしにはわからない。わたしが思い浮かべるのは、ただ、ケントにある一軒の赤い小さな家である。なんの変哲もない家だった。(7~8ページ)
 どこかへ旅行に行く時、大体はガイドブックなどで現地の情報を得てから行く。何が有名か、どんな観光名所があるのか、どんな街か。行きたいところがあれば、交通機関を調べて行く。そんな風に事前に情報を得てから行っても、実際にその地に足を踏み入れて、歩いて旅をして、何が一番印象に残ったか…それは人それぞれだ。事前に調べて行った通りの印象を持つかもしれないし、このチャペックのように全く予想もしなかったものに惹かれることもある。どんな観光名所よりも、何の変哲もない一軒の家が、イギリスらしさを表現していた。素敵だなと思った。自分だけの、そういう景色、思い出を見つけたい。

 この本を読んで、私は異文化に身をおきたいと強く思うようになった。海外旅行の経験はないし、いつ行けるかもわからない。普通の国内旅行でもそんなに機会はない。実際に行かなくても、このように本を読んだり、テレビやネットで異文化に触れることは出来る。NHK「世界ふれあい街歩き」などの紀行番組は大好きだ。観る度に、更に、余計、実際に異文化に触れたいと思ってしまう。
 クラシック音楽を聴くのも異文化に触れることだ。でも、日本で聴くのと、現地で聴くのとは全然違うだろう。来日公演は、やはり「よそ行き」なのだろうから。

 チャペックがイギリスを訪れたのは1924年。その頃でも、ロンドンは大都市で、チェコからやって来たチャペックを大いに驚かせた。交通、街地、博物館。博物館では、大英帝国が支配した地域・国のものが飾られている。が、彼ら支配された人々が、ヨーロッパのためではなく、自分自身たちのために何をしているのかは展示されない。「最大の植民帝国が、ほんとうの民族学博物館を持たないとは……」(89ページ)これには鋭いと思った。

 厳しいことを書いているところもあるが、チャペックはイギリス、イギリス人を愛している。イギリスの皮肉なジョークのように、愛情は裏返しだ。チャペックがよく書いているのは、イギリス人の無口さ。ロンドンの閉鎖的な高級クラブでは、誰一人何も話さない。「シャーロック・ホームズ」に出てくる「ディオゲネス・クラブ」は本当に存在するんじゃないかと思った。その他の場所でも、イギリス人は無口で、自らのことを話そうとしない。話すのは当たり障りのないお天気のこと。イギリスで色んなゲームがあるのは、ゲームをしていれば話さなくていいから…。無口だが親切でもある。チェコ人はおしゃべりな方ではないと思うが、イギリスのこんなところは、同じく話すのが苦手な日本人の私にとって興味深い。フィンランド人も内向的で無口(「マッティは今日も憂鬱(Finnish Nightmares)」シリーズより)だが、それとはまた違う気がする。

 また、ロンドンを離れ、地方の田舎の風景にも惹かれる。スコットランドのヒースの荒野。湖水地方の牧場の牛、羊、馬たち。チャペックの賛辞がかわいらしい。イラストにも、イギリスへの愛情が込められていると思う。

 「シャーロック・ホームズ」好きとして、ホームズ関連のことが書いてあるのは興味深い。が、ロンドンのベイカー・ストリートにはホームズの面影もなかったそうだ。「バスカヴィル家の犬」の舞台となるダートモアも登場する。ダートモアは、惹かれる場所だ。

 最後に、チャペックがイギリスのことを一番褒めていると思われる箇所を引用します。
 イギリスでいちばん美しいのは、しかし、樹木、家畜の群れ、そして人びとである。それから、船もそうだ。古いイギリスは、あのばら色の肌をしたイギリスの老紳士たちで、この人たちは春から灰色のシルクハットをかぶり、夏にはゴルフ場で小さな球を追い、とても生き生きとして感じがよいので、私が八歳だったら、いっしょに遊びたいぐらいである。そして老婦人たちは、いつでも手に編み物を持ち、ばら色で美しく、そして親切で、熱いお湯を飲み、自分の病気のことはなにも話さないでいる。
 要するに、もっとも美しい子供と、もっとも生き生きした老人たちを作り出すことができた国は、涙の谷である現世の中で、もっともよいものを確かに持っているのだ。(195~197ページ)

 旅の間、所々でチャペックはチェコのことを思い出す。チェコと比べてみる。どちらがいいとは書いていない。チェコはこうで、イギリスはこう。自分の国を再発見するためにも、やはり異文化に触れたい。

・北欧編:北欧の旅 カレル・チャペック旅行記コレクション
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by halca-kaukana057 | 2018-01-10 22:26 | 本・読書

シャーロック・ホームズへの旅 2

 先日読んだ本の続編です。
・前作:シャーロック・ホームズへの旅

シャーロック・ホームズへの旅 2
小林司・東山あかね/東京書籍/1993

 河出文庫版正典の訳者のシャーロキアンのお二人の「シャーロック・ホームズ」シリーズゆかりの地を訪ねる旅行記続編。前作の翌年の1988年、再びイギリスへ。1991年は、「最後の事件」のホームズとモリアーティがライヘンバッハの滝で決闘してから100年。ちょうど建国700年記念のスイスで、ロンドンのシャーロック・ホームズ会によるスイス・ツアーに、お二人のお嬢さんも一緒に参加。更に、この続編ではアメリカへも。世界で一番古いシャーロキアン団体「ベイカー・ストリート・イレギュラーズ(BSI)」に招かれディナーに参加し、「緋色の研究」の悲劇の舞台となったソルトレイク・シティにも。「ホームズ」はイギリスの作品ではあるけれども、スイスや直接行ったわけではないがアメリカ、この本には出てこないがインドなど、国際色豊かな物語だったのだなぁと実感する。

 イギリス編では、ロンドンに行ったらまずはパブ「ザ・シャーロック・ホームズ」。観光地としても有名なので、世界各地からホームズ好き、シャーロキアンたちがやって来る。ベイカー街には「シャーロック・ホームズ・ホテル」があるが、名前だけになってしまい内装やアメニティは普通のホテル。更に、ホームズの格好をしたホテルマンが掃除している…シャーロキアンから見れば「ホームズに掃除させるとは何事か!」と遺憾、と…。
 ベイカー街221Bはどこか、という問題も。現在の221番には「アビ・ナショナル・ビルディング・ソサエティ」がある。ホームズ専用の秘書も置いてサービスしてきた。だが、1990年にそばに「シャーロック・ホームズ博物館」ができ、"本家"を名乗りだしている、と。この本によると、「ベイカー街は行くたびに様子が変わってしまうので、油断ができない」(22ページ)とのこと。今は更に変わってしまっているのだろうな。前作の感想の最後に、私はこう書いた。
今はかなり変わっているのだろうな…。変わってしまっていても、イギリスにはたくさんのホームジアンがいるだろうから、「ホームズ」を愛する人たちの力で守られているものもきっとあると思う。

 こうとは限らないようで…残念。

 この時、イギリスでは、グラナダテレビのドラマ「シャーロック・ホームズの冒険」のジェレミー・ブレットとエドワード・ハードウィックによるホームズとワトソンの2人芝居が上演されていたとのこと。その舞台を観に行った2人。英語で、渋い会話の2人芝居。お二人でも内容はよくわからなかったそうだが、ジェレミー・ブレットのホームズとエドワード・ハードウィックのワトソン、グラナダコンビの2人の舞台…観てみたかった!!生で、目の前で、かっこよくお茶目なジェレミー・ブレットのホームズと、温厚で頼りがいのあるエドワード・ハードウィックのワトソンの会話劇があっただなんて!!夢のようだ…。今回の旅でも、マンチェスターにあるグラナダテレビを訪問。グラナダ版のスタジオセット見学ツアーもあった。読んで、いいなぁいいなぁ!と連呼していました。

 アーサー・コナン・ドイルの墓や隠れ家、病気だった最初の妻を静養させるために建てた豪邸のホテルへも。コナン・ドイルがどんな作家・人間だったのか、ドイルにとって「ホームズ」は何だったのか。「ホームズ」好き、シャーロキアン以外の人々は、「ホームズ」やドイルについてどう思っているのか。後のスイス、アメリカでも、そんなことにも触れた旅でした。小林さんは医師でもありますが、その医師であることが役に立った場面も。

 「ホームズ」だけでなく、チャールズ・ディケンズに関しても出てきて、これまた面白い。「アベ農園」の舞台のひとつと考えられている町・ロチェスター。ディケンズにちなんだ名前のパブが多く、ディケンズ博物館もある。人形劇では、4話でワトソンがディケンズの「二都物語」を読んでいて、物語の鍵となっている。人形劇で「二都物語」を出したのは、4話の物語に関連するだけではないかもしれない…。

 スイスでは、前作と同じようにツアーの参加者は「ホームズ」シリーズに出てくる人物に扮装(今風に言えばコスプレ)している。偶然出会った他の日本人観光客たちからは、冷たい視線が。それ対して、日本人は遊び心がない、と。今なら、それほど冷たい視線で見られることはないと思う。一方の、本職がスコットランド・ヤードの警官さんは、警視庁から「ツアー一行を護衛せよ」と公務出張命令を貰って参加したとかw役は巡査役。楽しそうでいいなぁ。
 スイス建国700年にも当たっているので、スイス観光も。ウィリアム・テル、永世中立国…。永世中立国の厳しさには色々と考えてしまった。ホームズも、ウィリアム・テルも架空の人物?それとも?これも興味深い繋がり。
 マイリンゲンにあるホームズ像には、60の事件名が暗号で記されているという。筋金入りのシャーロキアンの小林さん・東山さんでも一つしかわからなかったというのは驚き。相当難しいに違いない…。

 アメリカ編では、ニューヨークでの「ベイカー・ストリート・イレギュラーズ(BSI)」に招かれた小林さん。なんと、SF作家のアイザック・アシモフも筋金入りのシャーロキアンだったそう。世界のシャーロキアンの輪は凄い。このアメリカ編で、ホームズの誕生日が1月6日の理由が判明。驚きの理由だったwちなみに、ワトスンの誕生日は様々説があって、決まっていないようなのですが…。7月7日説と8月7日説が有力らしいが、どちらを祝えばいいのでしょう…?もうすぐ7月7日なので…。
 「緋色の研究」の舞台となったソルトレイク・シティ。だが、実在の人物も登場しモルモン教への偏見を含む内容は、モルモン教の信者たちにとっては残念でならないもの。シャーロキアンとばれると憎まれるかもしれないので、隠して取材。世界的な名作の「ホームズ」シリーズも、別の視点から見ると…と思うとまた複雑。

 旅にはトラブルがつきもので、イギリスでは郵便局のストに巻き込まれたり、スイスでも持ち物を盗まれたり…。でも旅先での出会いは今回も楽しい。
 何より、「シャーロック・ホームズ」で世界中に友達ができて、「ホームズ」で扮装して、今で言う「聖地巡礼」的なツアーや、パーティーなどで盛り上がれる。いいなぁ、楽しそうだなぁ、と「ホームズ」入門者の私も思います。
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by halca-kaukana057 | 2015-06-28 23:16 | 本・読書

シャーロック・ホームズへの旅

 「ホームズ」関連本を読んでみた。正典の物語や映像化作品からちょっと離れて、こんな本を。

シャーロック・ホームズへの旅
小林司・東山あかね/東京書籍/1987

 世界中の人々を魅了している「シャーロック・ホームズ」シリーズ。正典を読んだり、映像化作品を観たりすると、その場に行ってみたくなるのがファンの心理。今で言う「聖地巡礼」は、今も昔も、どんな作品においても変わりないようです。
 河出文庫版の訳者の小林さんと東山さんご夫婦が、「ホームズ」ゆかりの地…ロンドンやホームズとワトスンが事件などで訪れたイギリス各地、アーサー・コナン・ドイルの故郷のエディンバラ。更に「最後の冒険」でホームズが歩いたコースをたどる旅に同行。その旅行記です。

 「ホームズ」正典や映像化作品を読んで、観ていると、確かにイギリス、ロンドンに行きたくなる。ベイカー街をはじめとして、ロンドンにはいたるところにホームズにちなんだ場所がある。「ホームズ」シリーズで出てきた場所が次々と出てくる。ここがあの場所なのか!の連続。ロンドンホームズ街歩きを実際にやるとこうなるのかと思いながら読みました。

 「ホームズ」シリーズで、何故ロンドン警視庁が「スコットランド・ヤード」と呼ばれているのが疑問に思っていた。調べないままだったのだが、この本に書いてあった。スコットランド国王や大使が宿泊していた屋敷が後に首都警察の本拠地になり、その裏通りが「ストッコランド・ヤード」と呼ばれ、ロンドン警視庁の呼び名になったのだそう。ホームズの時代のスコットランド・ヤードは、現在のロンドン警視庁とは別の位置にありロンドンの地元の人も、なんと警察に聞いてもわからないと…でも、「旧跡スコットランド・ヤード」のプレートはあるので探せばわかるらしい。

 正典だけでなく、映像化作品にも触れていて、アニメ「名探偵ホームズ」(通称:犬ホームズ)で、モリアーティ教授がビッグベンの鐘を盗む回があったが、それにも触れている。この回では、ビッグベンの鐘を盗んだモリアーティ教授が、鐘の換わりに鳴らしたものが…大爆笑の回。ビッグベンのイメージが…w
 現在なら、BBCのドラマ「SHERLOCK」も追加ですね。しかも「SHERLOCK」は現代が舞台なので、そのまま舞台めぐりを出来る。聖バーソロミュー病院は外せない場所ですね。

 ロンドンを離れて、イギリス各地の「ホームズ」ゆかりの地めぐりは、その土地の人々との出会いも楽しい。イギリス各地の風景は正典を読んでいても想像できますが、実際に行ってみるともっと面白い。「バスカヴィル家の犬」の舞台、ダートムアは実際は明るかったとか。そして、舞台となった建物がどれか探す…実際には存在しなくても、似たような建物があるはず。古い建築が残されているイギリスなら尚更。筋金入りのシャーロキアンのお二人の洞察力に感服しました。ロンドンを離れても、ホームズ関係のお土産があるのはさすが本国イギリス。また、B&Bなどの宿やレストランでのエピソードも読んでいて楽しい。ただ、食に関しては当たりはずれがあるようで…これは海外旅行でこそのものなんだろうな。

 マンチェスターでは、グラナダ・テレビ局へ。そう、グラナダ版「シャーロック・ホームズの冒険」のグラナダ・テレビ局。この頃はグラナダ版はリアルタイムで制作、放送されていた時代。もっと昔の作品かと思っていたので驚いた。オープンセットを見せてもらって記念撮影。リアルタイムのあのグラナダ版…!ジェレミー・ブレットがまだ生きていた頃…!この頃、私は生まれてはいたけれど、「ホームズ」は全く知らなかった頃。アニメ「名探偵ホームズ」さえ観てなかった。この部分は衝撃的でした。

 第2部では、スイスへ。ロンドンのシャーロック・ホームズ会がスイス観光局の協力を得て実現した、「ホームズ」のスイスツアー。しかも、参加者(取材する記者たちも)は皆「ホームズ」シリーズに出てくる誰かに扮装しなければならない。つまりコスプレ…!日本人である小林さんと東山さんが選んだのは…なるほど。「ホームズ」でスイスと言えば「最後の事件」ですが、「フランシス・カーファックス姫の失踪」ではローザンヌが舞台になっている。参加者たちは時々寸劇も披露して、どっぷり「ホームズ」の世界に浸れる。シャーロキアンたちが集まって、皆それぞれ「ホームズ」の世界の人々になりきって楽しむ。ライヘンバッハの滝も勿論訪れる。本当に楽しそうだ。もし私が参加するなら、「まだらの紐」のヘレン・ストーナーがいいなぁ(人形劇のイメージもある。人形劇のストーナー先生は特に好きなキャラクタです)。ワトスンの妻になるメアリー・モースタンはハードル高いかなぁ…。アイリーン・アドラーはムリ、無理…w

 写真や地図も多く、読みやすいです。ただ、この本は1987年のもの。今はかなり変わっているのだろうな…。変わってしまっていても、イギリスにはたくさんのホームジアンがいるだろうから、「ホームズ」を愛する人たちの力で守られているものもきっとあると思う。

 この本、続編もあります。続編も読みます。
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by halca-kaukana057 | 2015-06-13 22:35 | 本・読書

旅から日常へシフトする時

 旅から帰ってきて2週間近く経ちました。今回の旅は、行く前に色々あり、不安なことも沢山あり…無事に出発できたこと、そして無事にやることもやって帰ってこられたこと。それだけでも十分、行くことができてよかったと思う旅でした。プラス、やってみたかった風景印めぐりや、その過程も楽しめた。私は頻繁に旅に出られる身ではない。今度はいつ、どこに行けるかもわからない。行きたいから予定を立てておく、というよりも、予定があってそれに行けるかどうか。遠距離なら尚更。

 今日、線路の近くを通り、電車が走っているのを見て、電車でどこかへ行きたいな…と思ってしまいました。約2週間前に東京まで行ったじゃないか。いや、新幹線と普通の電車は違う。近場の秋を探しに行きたいな、と。でも、思っているだけで終わる。今の私は近距離であれ、日帰りであれ、旅に出ている場合じゃない。もう日常、いつもの現実に戻ってきてしまった。

 やってみたかった風景印めぐりの過程も、予定が決まっていたその他の日程も、今の私にとっては"冒険"だった。不安なことがあって、実際やれるかどうかわからない、散々な結果になるかもしれないと思っていたから。でも、思う存分楽しめた。楽しんで、自分もここまで出来たんだな、出来るんだなという自信につながった。帰ってきても、その充実感や自信は続いていた。旅に出て、いいものを吸収して来ることができたと実感した。

 が、時間が経つと、どうしてこう薄れてくるものか。その充実感も、自信も、薄れてきている。帰って来たが、環境は何ひとつ変わっていない。現実の問題の数々にため息が出る。結局元通りか…。いや、いいものを吸収して帰って来たなら、その自分が変えていくしかない。でも、すぐにたくさんは変えられない。ひとつひとつ、やっていくしかない。

 充実感と自信を長続きさせる方法とか、無いのかなぁ…。そんな今日の独り言でした。
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by halca-kaukana057 | 2014-10-30 21:38 | 日常/考えたこと

東京風景印めぐり 東京駅周辺編

 前回の記事の続きです。風景印をめぐる冒険、場所を移しまして東京駅周辺の郵便局をまわります。
・前回の記事:東京風景印めぐり 渋谷編
・参照記事:旅に出てました 渋谷NHK編

 東京駅に着いて、まず向かったのが、八重洲地下街局。今まで東京駅に何度も来たけど、郵便局があったんだ。東京駅と繋がっているはず。ということで、八重洲方面に向かい、探すが…ない。わからない。こういう時は駅員さんに訊いてみよう。そしたら…
「無くなりましたよ。東京中央郵便局が新しくなったから」

 ええええええ!!?そんなバカな!!!公式の郵便局検索でもちゃんと出てきますよ!?
日本郵政:八重洲地下街郵便局

 さてどうしようか…。この時お昼は既に過ぎて、お腹も空いていた。疲れてきたのでひと休みしたい。駅ナカの飲食店はどこも混んでいる。八重洲地下街局のことも、郵便局のことは郵便局で訊くのが一番いいかもしれない。次に行く予定の日本橋南局で訊いてみよう。その前に、お昼にしよう。ということで、駅の外に出て、お昼にしました。駅から出て、日本橋方面へ歩いている間、NHKBSプレミアム「世界ふれあい街歩き」をしているような気分に。観光客もいるし、お仕事中の人もいる。お店も様々なお店がある。八重洲口方面にはあまり来たことがなかったので新鮮でした。見知らぬ街を歩くのは、ワクワクします。

 お昼を食べ、休憩して、元気充電。では、日本橋南局を目指します。日本橋タカシマヤが目印。日本橋のデパートは、万年筆売り場が充実しているんだよなぁ…と思いつつ。日本橋南局到着。新しい、広い郵便局でした。

 中に入ると、フロアにご当地フォルムカードやオリジナルポストカードがたくさん。これは!!!知らず知らずのうちに、手が伸びていました…。東京の郵便局はこんなグッズも充実しているのか…。素晴らしい。
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 日本橋南局の風景印。日本橋が図案です。背景にあるのはオリジナルポストカード。
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 これも。シンプルなデザインが可愛い。
 さて、問題の八重洲地下街局について、局員さんに尋ねてみました。八重洲地下街局はあります!!無くなってなんていませんでした。局員さんが詳しく、丁寧に行き方を教えてくださいました。ご親切にありがとうございます。

 でも、次に目指すのは日本橋局。この日発行の「正倉院の宝物シリーズ」切手の特印も貰うのです。日本橋方面を初めて歩きました。地図で見た時は大した距離じゃない。すぐ着く。こんなすぐ近くに郵便局がいくつもあるの?と思っていたのですが、実際歩いてみると、意外と遠い。実際に歩かないとわからないこと、たくさんあるなぁ。

 日本橋局は、1階に集配所(?)があり、郵便局窓口は2階にあります。まず2階へ。風景印と特印の手押し印を貰いました。次に、1階の押印機特設会場で機械印を貰います。押印機を見るのは初めてです。集配所の片隅にひっそりとありました。押す位置を確認して、機械でガチャン。写真を撮れなかったのが残念。これが押印機か…とまじまじと見つめていました。

 まず、日本橋局風景印。
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 前島密(まえじま・ひそか)の銅像と日本橋が図案です。前島密氏は日本の近代郵便制度創設者の一人で「郵便制度の父」と呼ばれている方。「郵便」や「切手」、「葉書」という名称を定めたのもこの人。へぇ。
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 日本橋局には、「郵便発祥の地」とありました。便利な郵便は、ここから始まったのか。

 次に、正倉院の宝物特印。
日本郵便:特殊切手「正倉院の宝物シリーズ 第1集」の発行
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 左が押印機。右が手押し印。押印機は普段だと郵頼しないと入手できないので、自分で行って貰って来られたのが嬉しいです。正倉院切手は、切手そのものもきれいです。

 ここで、重要なことに気がついた。この時の時刻、4時過ぎ。郵便局の窓口受付は通常5時まで。駅に戻って、あの八重洲地下街局を探さねば!!早足で東京駅方面へ戻ります。

 東京駅の前にある、八重洲地下街へ入る階段を下りて、八重洲地下街へ。ここは今まで来たことが無かった。教えられた通りに進むと…ありました!!八重洲地下街局!新しい、きれいな郵便局でした。
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 東京駅と、新幹線と、この不思議な顔の像は何だ?調べたら、「ヤン・ヨーステン像」。オランダの航海士、ヤン・ヨーステン・ファン・ローデンスタインのことで、江戸時代、日本にやってきた。八重洲の地名は彼の名前から来ている、という説も。へぇ。なるほど。

 さて、時間が無いぞ。東京駅を通り抜け、丸の内方面へ。丸の内南口そばの東京中央局(KITTE)に。ここにも、オリジナル郵便局グッズがたくさんあり、また思わず手が…w
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 ミニクリアファイル付きのポストカードセット、マスキングテープをお土産に。可愛い。いいなぁ、東京の郵便局は充実してて…。
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 東京中央局風景印。丸の内駅舎と、KITTEの建物が図案です。風景印を頼んだら、ミニフォルムカードをいただきました。非売品です。ありがとうございます!

 ここで、5時。窓口終了の時間。限られた時間でしたが、結構まわれました。こんなに風景印を集められたのも初めて。各局の局員の皆さん、親切に対応してくださってありがとうございます。
 …今気付いたのだが、東京中央局の窓口は夜9時まで…?あれ…。千代田丸ノ内局にも行きたかったのだが、先にそっちに行って、東京中央局はあとでもよかった…?まぁいいか。また次の機会に。
 それに、自由行動時間もこのあたりまでだったので、これでよしとします。十分だよ!

 オマケ。この後、ディズニーランドへ行きました。夜のシンデレラ城のショーがきれいでした。ディズニーランド内のポストに投函すると、オリジナルスタンプ(風景印、つまり消印ではない)が押されて届く、という話を聞いたので、やってみました。
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 えっ…何故こんなところに押されてるの…?見た瞬間、喜びよりも驚きが大きかった。切手のそばに押されると思って、切手のそばを空けておいたのですが、スタンプが大きくて押せなかったのかな…?きれいなスタンプを欲しかったのですが…残念です。ディズニーなんて滅多に行かないのに…(中学の修学旅行以来

 オマケがちょっと後味の悪い終わりになってしまいました。が、風景印めぐりそのものはとても楽しかったです。また旅先でやりたいです。
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by halca-kaukana057 | 2014-10-24 22:33 | 旅・お出かけ

東京風景印めぐり 渋谷編

 週末、東京に行ってきました。
・参照記事:旅に出てました 渋谷NHK編

 土日は所用。金曜は自由行動時間。
 この日、「正倉院の宝物シリーズ」切手の発行日でした。
日本郵便:特殊切手「正倉院の宝物シリーズ 第1集」の発行
 いつもなら、いつも行く郵便局に行って購入して、特印を貰って…なのですが、地元にいない。東京にいる。いや、東京にいても郵便局に行けば買えるし、特印はいつもの手押し印だけでなく、押印機もあるぞ!!それならば、この正倉院切手の特印を2種類もらうのに合わせて、東京風景印めぐりをしよう!!郵便局が開いている平日だからこそできることをやってみよう!

 というわけで、風景印めぐりの冒険にでることにしました。出発前、行く郵便局を決めて、地図をプリントアウトして(スマートフォンでも確認出来るけど、さっと出せる紙・アナログの方が私はわかりやすい)、距離や時間を計算して…。そして台紙も用意。準備万端で出発しました。

 新幹線で東京に着いて、まず向かったのが渋谷。渋谷神南局と、NHK放送センター内局を目指します。ついでに、NHKスタジオパークも見学しよう。NHKスタジオパークでのことは、上記記事に書きました。

 渋谷駅、ハチ公口を出て、スクランブル交差点を渡り、坂を登ります…渋谷の坂はきつい…。神南局は、小ぢんまりとした郵便局でした。
 中に入ると、混んでいる。さすが渋谷。まず、切手が無いので切手を買うために並び、その後台紙に切手を貼ってまた並び…結構時間がかかりました。混雑している中、風景印は時間がかかるかなぁ…と思ったのですが、引き返すわけにも行かない。今度いつ来られるかもわからない。黙って並びます。
 待って、貰えました。
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 ハチ公像に、代々木体育館が図案になっています。ハチ公が可愛い!

 神南局を出て、更に坂を登り、NHKへ。NHKスタジオパークを見学後、放送センター内局へ。放送センター南側の、渋谷税務署に面した道を歩いていくと、NHKへの入り口があり、その横に郵便局がありました。ここも小さな郵便局です。
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 代々木体育館にNHK放送センター。スタジオパーク内のガシャポンで出てきたどーもくんピンバッヂも一緒に。
 切手は、NHKのキャラクターものとかがあればよかったんだけどなぁ。何も無かった。

 歩くのに疲れたので、渋谷駅へはNHKから出ているバスで戻ります。再び山手線に乗って東京駅へ(NHK教育「クインテット」の「鉄道唱歌山手線」を心の中で歌いながら、駅を確認。山手線に乗るとついつい出てきてしまいます。いや、これで山手線の駅名と順番を覚えられた…偉大です)。正倉院の宝物切手の特印がある日本橋局をメインに、東京駅周辺の郵便局をめぐります。

 次回に続く!

 郵便局の画像を撮っておけばよかったなぁ…(今気付いた
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by halca-kaukana057 | 2014-10-22 21:42 | 旅・お出かけ

旅に出てました 渋谷NHK編

 前回のエントリ以後、おとなしくしていた遼です。というのも、所用で東京に行っていました。1日目は半日自由行動、2日目は今回の上京の本題。そして今日帰ってきました。3日間、お天気にも恵まれ、楽しい旅になりました。

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 いつ観てもこの丸の内駅舎はきれいですね。気に入っています。東京に来たら、これを見ないと気が済まないw

 その自由行動の間に、やってみたいと思っていたことをやって来ました。ちょっとした冒険です。ツイッターには少し書いているのですが、後日書こうと思います。

 その途中で立ち寄った…いや、ちゃんと目的があって行ったNHK渋谷放送センター・NHKスタジオパーク。
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 渋谷の坂を登り、来ましたよ。奥にNHKホールが。2月に上京した時、行きたかったところですよ!!尾高忠明さん指揮のオール・シベリウス・プログラムを聴きに来たかったNHKホールですよ!まさかの大雪に阻まれてたどり着けなかったのですよ…(涙)しかも、雪には慣れている雪国人なのに…←まだ言ってる

・その時の記事:大雪の東京へ
 でも、渋谷の坂を登っていて、いくら雪に慣れていてもこの坂を歩くのは危険だなと感じました。あの夜の雪は吹雪くように降っていましたし、ビル風も怖い。

 NHKの入り口にあった、NHK放送60年の歩みという大きなパネル。
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 「クインテット」があるのを見つけて、大喜びで撮影しました!ちゃんとあるよ、歴史に残ってますよ「クインテット」!!
 その上には「リトル・チャロ」。隣のストレッチマンの存在感が半端無いw
 ちなみに、この画像のフラットさんをよく見てください。口ばかりで、顔があまり写ってない…wさすがのフラットさん。こんなところでも、いつものフラットさんですw「どうして!?どうして私だけこんな写りなの!!?」なんて言ってそうです…w


 スタジオパーク内では、連続テレビ小説「マッサン」展もやってました。はい、観てます。エリーがけなげで可愛い。でも、覚悟を決めて家族と別れ祖国・スコットランドを離れ日本にやってきた。その強さにも魅入ってしまいます。政春の国産初のウィスキーにかける情熱もいい。そしていつもラブラブなこの2人…もう可愛いよ!w
 1話冒頭で出てきたウィスキーのボトルや、エリーとの結婚を許さない早苗さん(泉ピン子)からの手紙、さらに、エリー役のシャーロット・ケイト・フォックスさん用の台本が展示されていました。日本語、英語とローマ字で書かれた台本に、たくさんの書き込みがありました。フォックスさんの努力が伺えます。エリーと同じく、けなげで頑張り屋さんなんですね。これからドラマを観るのがますます楽しみになりました。
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 番組ポスターデザインのポストカードももらえました。このポストカードは、スタジオパークだけでなく、全国各地のNHKにも置いてありますよ。

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 このNHK時計…いいですよね。見学コース内の、自販機がある休憩コーナーにありました。

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 どーもくん。朝のニュースのお天気コーナーで見かけます。

 ということで、前振り的な記事でした。

 日曜恒例、人形劇「シャーロックホームズ」第2話の感想記事も、明日以降書きます(もう第2話は書きたいことがたくさんで…!!後で、ちゃんと落ち着いてから書きたい)。ツイッターには載せてますが、このNHKで素敵なものを見つけてきました。

 以上、疲れているので寝ます。
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by halca-kaukana057 | 2014-10-19 21:49 | 旅・お出かけ

北欧の旅 カレル・チャペック旅行記コレクション

 そろそろ夏至ですね。ということで、北欧旅行記を。「ロボット」という言葉を世に出した「R.U.R」のカレル・チャペックによる旅行記です。


北欧の旅 カレル・チャペック旅行記コレクション
カレル・チャペック:著/飯島周:訳/筑摩書房・ちくま文庫/2009

 1936年7月、チャペックは妻と妻の兄とともにデンマーク、スウェーデン、ノルウェーの旅に出る。北欧とあるので、フィンランドも入っているかと思ったら無かった(残念)。その旅のことを、チャペック自身によるイラストとともに書き綴ったのがこの本。

 冒頭「北への旅」で、チャペックは北欧諸国(フィンランドは抜けているのでスカンディナヴィア3国)への想いを書いている。同じヨーロッパでも、北は少し違う、と。しなやかで厳しい自然、深い森。そんな北をひたすら目指したい、巡礼したい、と。

 皆が皆ではないが、北という地はどうしてこれほど人を惹きつけるのだろう。私も北国に住んでいるのに、更に北に惹かれている。今住んでいる北国でも、季節が巡るごとに発見すること、再確認・再認識することが多い。これまで様々な北欧に関する本を読んできたが、文章でその北国の魅力を豊かに描いている。チャペックの可愛らしいイラストも一緒に楽しめる。チャペックはこんなに絵を描く人だったんだ。

 自然の描写は、読んでいるだけで北欧の自然を思い描ける。色彩豊かな文章に惹かれる。深い森、トウヒやモミの木、白樺。シダやベリー。南の方とは表情が異なる太陽、陽の光。白夜。北へ行けば行くほど、無駄なものはそぎ落とされてゆく。船でノルウェーのヨーロッパ最北の地・ノールカップを目指す。黒い断崖絶壁がそびえるその地を、チャペックはこう記している。
ここはヨーロッパの終点ではない。これはヨーロッパの始発点なのだ。ヨーロッパの終点は、あの南のほうの、人々の間の、あの、この上なく忙しい場所だ――。
(230ページ)

 何もない、この北の地が始まり…納得できる。

 出会った人々の描写もあたたかく、ユーモラスだ。現地の人々の民族性に心惹かれたチャペック。人々が住む街も、人々も、無駄がそぎ落とされているように読める。一方で、アメリカから布教のために来た教団に対しては、皮肉たっぷりに語っている。そのユーモアに、思わずニヤリとしてしまった。ただ、アルコール販売に制限があることだけは、チャペックにとって困り事だったようだ。

 チャペックがデンマーク、スウェーデン、ノルウェーを旅したのは、1936年。第2次世界大戦への流れが表われてきた頃。この後、この3国も戦争に巻き込まれてしまうのかと思うと心が痛む。現在は様々な面で注目されている北欧諸国だが、約70年前の北欧諸国の空気を味わうのにもいい本です。

 ただ、私としては、やはりフィンランドが無いのが残念です…。
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by halca-kaukana057 | 2014-06-07 22:15 | 本・読書


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