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ふたつのスピカ 10

 「ふたつのスピカ 10」(柳沼行、メディアファクトリー)

 スピカももう10巻。アスミたちは3年生になり、新年度が始まった。宇宙飛行士選抜試験を受けた秋を目当てにマスコミが入学式にやってくる。秋を一目見ようとする新入生もいる中、ケイはそのことが気に食わない。一方、喫茶店でアルバイトを始めたマリカ。慣れない接客業に困惑しつつも、少しずつ自分の可能性を広げていこうとする。また、かもめ寮にも新入生がやってきた。先輩としてしっかりしようとするアスミだが、その体型のせいかなかなか先輩としてみてもらえず悩んでいた。
 そんな中、宇宙学校に再び佐野がやって来る。


 まず、3年になって新たな展開が。ケイ→秋への想いはますますはっきりと。帰り道で秋のことを悪く噂する見知らぬ男子に向かって反論、ケンカになるあたり想いのまっすぐさが伝わってくる。ケイにとって秋は恋愛対象としてだけでなく尊敬の的でもある。ただの甘ったるい恋愛ものにさせない。そこが好きだ。

 そして、マリカ→府中野???ケイのマネをして「ふっちー」と呼ぶマリカ…。何だか面白くなってきました。府中野のアスミへの想いはどうなるんだ?いや、あれは恋心と言って良いのか???

 そして今巻一番の読みどころは佐野とアスミ父・トモロウの思い出話かと。先のケイと同じように、その想いがまっすぐ過ぎるからこそ起こしてしまった事件。なんとも切ない。そして明らかになっていく獅子号の闇…。出典を忘れてしまった上ににうろ覚えで申し訳ないのだが、こんな言葉を言った人がいた。「ロマンだけでは宇宙には行けないが、ロマン無しでは宇宙には行けない」 宇宙開発の現実と必要な技術と、その裏にうごめく様々な打算。それは一筋縄で解決できるものではない。でも、その基盤にあるのは宇宙を夢見る人々のまっすぐな思い。その思いがあるからこそ、その一筋縄でいかない現実を打破できるのだろうと感じた。


 最後に、最近どうも出番が少なくなってしまったライオンさんが、幼いアスミとの会話を回想するシーンの台詞を引用します。
「妥協っていうのはいつも夢の手前に置いてあってね
わりと手に入れやすいものなんだ
多くの人は生きていくために少しずつ少しずつ妥協を手にして
そして気づいた時には本当の夢からどんどん遠ざかってしまう」(146ページ)


 自分にとって妥協とは何だろう。自分の夢って何だったんだろう。自然と自問自答してしまった。


 で、同時発売のイラストブック。単行本を買った本屋には見当たらず、アマゾンでも在庫切れ。他を当たるか。それから、スピカには関係ないのだが宇宙飛行士関係の話題として、野口聡一さんの本がいつの間にか出版されたのだそうだ。しかもすでに3冊。自叙伝に飛行中の日記など。この出版の勢いは毛利さんや向井さんの旦那さん以上の勢いのはず。本屋で「スィート・スィート・ホーム」(木楽舎)は見かけて手にとって見たが、写真がもうたまらん。図書館に早く入らないかなぁ。
by halca-kaukana057 | 2006-03-25 21:46 | 本・読書

ふたつのスピカ 8

「ふたつのスピカ 8」(柳沼行、メディアファクトリー)


 私の大好きな漫画です。1巻が出たとき「ダ・ヴィンチ」で紹介されていて、ちょっと興味を持ったので読んでみたら、まさにツボにはまりました。一言でいうなら、「純情SFファンタジー」といったところでしょうか。NHK教育でアニメも放送されています。(まさかアニメ化されるとは思わなかった。)

 2010年、日本初の有人宇宙ロケット「獅子号」が打ち上げられるが、打ち上げ後に爆発、市街地に墜落して大惨事となる。その事故に巻き込まれ、母を亡くした少女・アスミは、ある日神社の境内でライオンの被り物をかぶった青年と出会う。彼は「獅子号」の乗組員で死亡した幽霊。「ライオンさん」と名乗り、アスミ以外には見えない。ライオンさんから宇宙の話を聞くうちに、アスミは宇宙飛行士になりたいという夢を持つ。
 中学を卒業したアスミは、宇宙飛行士の夢をかなえるために、厳しい試験を突破し東京宇宙学校に入学する。そこで出会った友達との友情、恋愛、そして宇宙への夢。訓練は厳しいが、アスミたちは助け合い、成長し、宇宙への道を歩んでいく。

 大体のあらすじはこんな感じ。この8巻では、突然の脱獄訓練や、アスミが気になっている高校生・桐生との関係、アスミの友達・ケイの恋心が中心。桐生君との関係にやきもきする幼なじみ・府中野や、宇宙飛行への推薦を受けたにもかかわらず困っている秋君も見逃せません。

 SFとはいっても、心が温まりやさしくなれるファンタジーの要素のほうが強いです。絵もほんわかしていて、本当に男性が描いたのかと思うほど。その一方で人間関係も巧妙に入り組んでいます。

 読んで損はない。本当にお勧め。ちなみに、スピカが好きなら「プラネテス」も好きなはず。もちろん私もその一人。
by halca-kaukana057 | 2005-05-24 22:35 | 本・読書

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


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