人気ブログランキング |

タグ:歴史 ( 120 ) タグの人気記事

北欧神話を読む

 「ヴィンランド・サガ」3巻の記事で参考資料にしようと思って読み出した北欧神話の本を読み終えた。今まで北欧神話は血なまぐさくて恐ろしいと思っていたが、結構楽しんで読めた(中学生向けの本だからかもしれない)。北欧神話の大体の概要と感想をまとめます。




「北欧神話」(パードリック・コラム著、尾崎義訳、岩波少年文庫550)

【北欧神話とは】
 スカンディナヴィア諸国に伝わる神話(同じ北欧でもフィンランドは別)。北欧神話の元となったのは「エッダ」という古ノルド語で書かれた歌謡集。また、13世紀にアイスランドの詩人スノッリ・ストゥルルソンによって書かれた「スノッリのエッダ」も元となり、9世紀頃から口伝えで伝えられた。スカンディナヴィア諸国の民族はゲルマン民族に属するが、キリスト教化する以前のゲルマン民族の神話は北欧神話のみが伝えられているため、ゲルマン神話とも呼ばれる。

【北欧神話の世界観】
 北欧神話の世界はその住む人々によって9つに分かれている。主なものを挙げると、神々の住む「アースガルド」、神々と対立する巨人族の住む「ヨーツンヘイム」、地下の国「ニヴルヘイム」、灼熱の国「ムスペルヘイム」、小人が住む「ニタヴェリール」、人間の国「ミッドガルド」など。その9つの国に根をはっているのが世界樹「ユグドラシル」。

 天地創造に関しては、詳しいことはウィキペディアの「北欧神話での天地創造」の項を読んだ方が分かりやすいと思いますが、主神オーディンが巨人の骨で造るあたりが面白い。神々の前に神々に対立する巨人が存在しているところが。


 もう少し詳しく解説したいところだが、まだ勉強不足なのでここまでにして本の感想を。北欧神話の神々は、とても人間らしく生き生きしている。主神とは言え知恵を得るために右目を犠牲にしたり、間違いも犯してしまうオージン。力の強いトール。いたずら好きのローキ。美人の女神だが物欲により夫と別れてしまったフレイヤ、若返りのりんごを守るお人よしの女神イズーナ。とにかく多くの神々が出てくる。どの神も絶対的・完全な存在ではなく、間違いも犯すしだまされることもある。巨人族との最終戦争「神々のたそがれ」を怖れ、不安を抱いている。最終的に「神々のたそがれ」で巨人族と共に死んでしまう神々だが、その後には再生が訪れる。北欧の厳しい自然を表しているかのように。

 やはりジュニア向けの物語なので、「神々のたそがれ」の壮絶さは余り感じられない。でも、とても良くまとまっていて読みやすかった。今まで北欧神話=神々のたそがれの壮絶さ→恐ろしい物語、と思っていたのだが、「神々のたそがれ」に至るまでの部分に面白いところがいくつもあると感じた。オージンが旅人に扮して世界中を旅する部分が特に面白い。

 また図書館から北欧神話解説に関する本を借りてきたので読んで理解を深めようと思います。また、比較対象として日本神話やギリシャ神話なども読んでみるつもり。そう言えば、ワーグナーの「ニーベルングの指輪」やトールキン「指輪物語」も北欧神話を元に作られたんだっけ。「指輪物語」原作はまだ読んでいなかったので、この際読んでみるかな。映画「ロード・オブ・ザ・リング」も時間があれば(第1作は少し観た)。


 まずは留衣さんオススメの「空色勾玉」(荻原規子作)シリーズで日本神話を。しばらくは神話ものを読みふけります。
by halca-kaukana057 | 2006-11-18 21:19 | フィンランド・Suomi/北欧

ヴィンランド・サガ 3



「ヴィンランド・サガ 3」(幸村誠、講談社アフタヌーンKC、2006)

 2巻までは「少年マガジン」で連載されてきた「ヴィンランド・サガ」。3巻からはアフタヌーンで連載。ストーリーもトルフィンがアシェラッドに仇討ちを誓い、行動を共にするようになった時(つまり1巻第1・2話の後の話)に戻ります。


 時は1013年。アシェラッドたちは、スヴェン・デンマーク国王が率いるデンマーク軍についてイングランドを攻撃していた。ヴァイキング(デーン人)たちはイングランドの多くの町で破壊・略奪を繰り返し、イングランド王はフランスに亡命してしまった。しかし、デンマーク軍はロンドンを破ることが出来ないでいた。ロンドン側には同じくヴァイキングのトルケルが付き、ロンドンの守りを固めていた。アシェラッドと共にスヴェン王側についているヨーム戦士団・フローキは デンマーク側につくようにトルケルを説得する。しかし、戦争好きのトルケルは弱いイングランド軍と戦うよりもデンマーク軍と戦う方が面白い。このままイングランド側についてデンマークと戦うことにすると攻撃を始める。そして、アシェラッドにトルケルを殺すように命じられたトルフィンは、トルケルが守りを固めるテムズ川のロンドン橋に一人飛び込んだ。


 巻頭の第17話で少ししみじみしたあとは迫力満点の戦闘シーンが続く。トルケル…またとんでもなく強いのが出てきました。しかも台詞がオモシロイ。
「どぉーしたスヴェン軍!!ちったァ工夫しろ!! お前らもっとやればデキる子だろーが!!」(第18話、80ページ)
「気に入った!!オジさんはりきっちゃうぞー!!」(第19話、96ページ)

結構濃い。

 今巻でもヴァイキングの思想を支える北欧神話にまつわるものがあちこちに出てくる。2巻でも少し出てきたヴァルハラに、ラグナロク(最終戦争)。さらに、北欧神話とキリスト教をヴァイキングたちが比べるシーンも。この頃、北欧神話を信仰していたヴァイキングたちも徐々にキリスト教に改宗するものが現れ、スカンジナヴィア諸国にも教会が建ち始めていた。そう言えば第5話(マガジン版単行本では2巻、アフタヌーン新装版では1巻に収録)で、レイフのおっちゃんが十字を切るシーンがあった。何故北欧神話から離れ、キリスト教に改宗したのだろう?ヴァルハラの考えに代表されるように戦うことを重要視しているヴァイキングの人々にとって北欧神話のほうが魅力的なはず。第21話でトルケル側のヴァイキングたちの会話でも、北欧神話の神々の方が強くてたくましく、かっこいいと言っている。ヴァイキングたちに何が起こったのか。調べてみよう。


 巻の後半で出てくるスヴェン王の息子・クヌート王子にも注目。このクヌートは北欧史でかなり重要な存在。高校の時の世界史の教科書を押入れから引っ張り出して確認したら、ちゃんと載っていました。このクヌート王子もキリスト教に改宗した一人。今後このクヌート王子がどう歴史を動かしてゆくのが注目です。


 巻末にはトールズが死に、トルフィンが行方不明になった後のユルヴァを描いた「特別編・はたらくユルヴァちゃん」。けなげで一生懸命で、しかも男よりも強くたくましいユルヴァちゃんの父亡き後の毎日。家族が死んだ後の暮らしや心の動きがよく描かれていると思う。

 あと読みどころは第20話のアシェラッドの意味深な台詞。アシェラッドの深いところがだんだんにじみ出てきた。ずる賢いだけじゃなさそうだ。



 
ついでなので新装版1・2巻についても少し。大きな変化はないですが、上でも少し触れたように第5話が1巻に収められたことと巻末のおまけが追加。1巻では待望(?)のユルヴァちゃん4コマ。たった2ページの短さですが、ユルヴァちゃん最強。ヴァイキングとはもともと略奪行為そのものを指し、ヴァイキングに出かけていたのは専門の海賊よりも普通の農民の方が多かった。それがイングランド攻撃ではちょっと意味合いは変わってくるが、ユルヴァちゃんもそんなヴァイキングの一人なのです。

 
2巻では幸村さんのアイスランド取材レポート。やっぱり北欧の女性はいろんな意味で「凄い」らしい。さらに設定資料もお見逃しなく。





 ちなみに、現在北欧史関連で読んでいる本
・「新版世界各国史21 北欧史」(百瀬宏・熊野聰・村井誠人編、山川出版社、1998)
 北欧史を古代から現代までまとめたもの。スカンジナヴィア諸国だけじゃなくフィンランド・アイスランドも含みます。(フィンランドは言語的にノルウェー・スウェーデン・デンマークのスカンディナヴィア諸国と異なる。北欧神話ではなく「カレワラ」が語り継がれてきた文化的な面でも違う。現在ではほとんど同じだが、地域・歴史で見るとスカンディナヴィア諸国とは分けられてしまう。)
・「岩波少年文庫550 北欧神話」(パードリック・コラム作、尾崎義訳、岩波書店、2001)
 ジュニア向けの北欧神話。北欧神話は怖いのだが、まずは一通り読んでみよう。
by halca-kaukana057 | 2006-11-07 17:43 | 本・読書
 先日読んだ川端裕人の小説「川の名前」。読んでいたら川にまつわる曲を聴きたくなった。川にまつわる曲といえばスメタナの「わが祖国」より「モルダウ」。とにかく好きな曲だ。川の流れと、その流域の人々の暮らし、文化、歴史。川と人間の物語そのものだ。で、私が好きな川の曲といえばもう一曲。シューマンの交響曲第3番「ライン」だ。

 シューマンが生きたドイツの川といえばライン川。シューマンが住むことになったデュッセルドルフの町をライン川が流れていた。シューマンは川のそばをよく散歩していたようだ。同じくライン川が流れるケルンにも足を運び、ケルン大聖堂を見て作曲が始まったらしい。基本的に交響曲なので、交響詩の「モルダウ」とは違って川の様子そのものを描いた曲ではない。でも、第1楽章のあの雄大なメロディーはライン川そのものだ。聴いてすぐに好きになってしまった、「ひと聴き惚れ」の曲だ。この曲、ティンパニの使い方が印象的。普通の曲とはちょっと違うなと感じた。

 ドイツでは、ドナウ川を「母なるドナウ」と呼ぶ一方で、ライン川は「父なるライン」と呼んでいるのだそうだ。上流はドイツに位置し、東欧を流れて黒海に注ぐドナウ川。一方、フランクフルトやボン、ケルンなど大都市を流れオランダへ続き北海へ注ぐライン川。ボンより下流では流れは穏やかになるため、大型船が行き来し昔からドイツの産業を支えてきた。また、流れの急な中流のそばには沢山の城が建てられ、今では観光船から古城の風景を楽しむことが出来る。きっとその城に住んでいた貴族たちもライン川の流れを見て楽しんでいたのだろう。

 後で気づいたのだが、この「ライン」というタイトルをつけたのはシューマンではないらしい。でも、ライン川のそばで作曲された曲なのだからこの標題はぴったりなのではないかと言われている。雄大さ、荘厳さ(4・5楽章はケルン大聖堂で行われた式典からイメージしたそうだ)。川の名前がついていても不思議じゃない。

 ただその後、シューマンとライン川の関係はそれだけでは終わらなかった。精神病を患っていたシューマンは、晩年ライン川に飛び込んで自殺しようとする。運よく助かったけれどもその後精神病院に入院、そのまま病院で一生を終えることになる。何だか皮肉のような哀しさだ。とにかく切なくなってくる。

 

まだ一つの演奏しか聴いたことがないのだけれども(途中までなら2つ)、いいCDを見つけた。クーベリックとベルリン・フィルの演奏。クーベリックの指揮は結構好き。チェコ・フィルとの「わが祖国」(1990年ライブ盤)がお気に入り。



 ブルグミュラー生誕200年記念でブルグ25カップに参加していますが、シューマンも没後150年のメモリアルイヤー。これから何度かシューマンがらみの記事を書いていこうと思います。「楽しき農夫」演奏もアップできたら…いいなぁ。
by halca-kaukana057 | 2006-08-08 22:06 | 音楽
 先日、毎度お馴染みNHK教育テレビ「クインテット」の老チェリスト・スコアさんが歌う「今だから話そう」を聴いてふと思った。この「今だから話そう」、説明するとスコアさんが「ヤングマン諸君、自慢話をするわけじゃないが、今だから話そう!まぁ、聞いてくれたまえ!」と自分の昔話を始める。船乗りに始まり、大工、コック、猛獣使い、野球選手、横綱…と、本気なのか冗談なのか分からない経歴を披露する。その極め付けがこうだ。
「昔私が宇宙飛行士だった頃 楽しかったよロケットに100回も乗ったのさ
もう一度歩こう 月の上を」
(下山啓作詞・宮川彬良作曲「今だから話そう」より 歌詞は2バージョンあり、これは2つ目のほう。1つ目はCD「NHKクインテット・ソングス」参照のこと)


 スコアさん、アポロ計画にも関わっていたんですか…という長い前置きはここまでにして、実際にロケット・宇宙船に最も多く乗った人は誰なんだろう?と疑問が湧いた。早速調べてみることに。

 とりあえずこういう記録なら「ギネスブック」にあるだろう。見てみると、ロシアの記録とアメリカの記録がある。やっぱり…。ロシアの方はVladimir DzhanibekovとGennadiy Strekalov(読めないのでカタカナ表記不能。だれか読み方を教えてください…)の5回。一方アメリカはジェリー・ロス(Jerry Ross)とフランクリン・チャン=ディアス(Franklin Chang-Dìaz)による7回。ロスに関してはJAXAのNASAステータスレポートにもあった。純粋に数だけ数えればロスとチャン=ディアスの7回が最高記録か。

 ついでに宇宙に滞在した時間の最高記録も調べてみる。同じくギネスによると、ロシアのSergei Krikalevによる803日9時間39分が最高記録。これは一回の飛行で803日ではなく、何回かの飛行の日数を合わせての記録らしい。一回の飛行での最高滞在日数は書いていない。そっちはどうなんだ?ISSなら、シャトルの不調のおかげ(?)で記録が伸びていそうな気がする。ソユーズもあるけど。

 7月1日(日本時間では2日)、スペースシャトル・ディスカバリー(STS-121)が打ち上げられる。(JAXAによる解説ページ)NASAのはここから。安全性もまだ全て解決しているわけじゃないらしいが…。前回の飛行で問題になった耐熱パネル落下の危険がまだ残っているのだそうだ。うーん、どうなるんだ。
by halca-kaukana057 | 2006-06-28 21:47 | 宇宙・天文

ヴィンランド・サガ2


「ヴィンランド・サガ 2」(幸村誠、講談社・少年マガジンコミックス)

 やっと2巻を読みました。

 イングランド北部で、ヴァイキング・デーン人がイングランド人の襲撃に遭う。その後、アイスランドのトルフィンたちの村に大きな軍船がやってくる。北海最強の軍団・ヨーム戦士団とフローキは戦士団首領の命令で、かつて大隊長だったトルフィンの父・トールズにイングランドとの戦争に加わるようにと伝えに来たのだ。トールズは戦の最中に脱走し、このアイスランドに逃げ隠れ暮らしていた。村の男たちは戦に興奮するが、トールズは村を巻き込んでしまったと落ち込んでしまう。再び逃げれば村が襲われる。逃げられないと覚悟し、トールズは戦に行くことを決心する。
 一方トルフィンは父の過去を知ってか、強くなろうと思いつめていた。子供同士の戦ごっこでも力いっぱい“戦い”、年上の子を骨折させるほどだった。そんな中トルフィンは家の中で短剣を見つける。おもちゃではない本物の刃に見とれるトルフィン。しかし、父トールズは「お前に敵などいない。傷つけてよい者などどこにもいない」と言い諭す。だがトルファンは父が人を殺しに行くことを知っていた。複雑な思いのトールズ。そして、トールズと村の男何人か、そして忍び込んだトルフィンも乗せ船は戦場へ出発した。トールズは途中で村の男たちは降ろし、ひとりで戦場に向かうつもりでいたが。
 そのトールズたちの船が一度立ち寄る予定の島にはフローキとヨーム戦士団、そしてアシェラッドの一味がいた。フローキはアシェラッドにトールズを暗殺するよう頼んでいたのだ。裏があると読みながら了承するアシェラッド。そしてトールズたちの船がその島に到着した。


 この巻でトールズの過去と死の謎、トルフィンとアシェラッドとの出会いが明かされる。とにかく、トールズが強い!!普段は穏やかなトールズの強さに圧倒された。しかし、そのトールズの「精神的な強さ」にさらに圧倒された。相手を殺すことで自分の強さを見せ付けるのではなく、それとは別な次元の「強さ」。戦士としての礼儀や磨かれた戦略、そして人間性。奥底には戦から逃げた過去の「弱さ」もあり、それがアシェラッドにチャンスを与えてしまう。それでも威厳あるトールズの死。…言うことなし。

 それにしても、幸村さんの「人間のドラマ」の巧さがたまらない。「プラネテス」にも通じるのだけど、近未来の宇宙であれ11世紀の北欧であれ、人間の生活やその中での想いが伝わってくる。舞台はフィクションでも、人間はノンフィクションに近い現実感。「ヴィンランド・サガ」は「プラネテス」よりも難しいんじゃないかと思う。「プラネテス」の方が現代に近いし、人の考え方も近未来とは言えそれほど変わってはいない。だが今回はずっと時代をさかのぼり、さらに北欧のヴァイキングと民族も違う。それなのにキャラクターの感情や考え方に説得力がある。生きている、現実感のある人間らしさがある。物語の舞台の設定や背景に「負けて」いない。中身もしっかりと充実している。そこが幸村さんの物語のよさだと思う。

 最後に個人的な見所。冒頭のトルフィンたち子供同士の戦ごっこが可愛い。死んだふりをするトルフィンが「あーあ 戦場があっち行っちゃった」(8ページより)と言うところが特に。それから、ヴァイキングの人々が北欧神話の神々を信仰しているとわかるところ。先ほどの8ページでトルフィンの友達・ファクシの「天国にある戦士の館(ヴァルハラ:北欧神話の主神・オーディンの居城)では毎日お肉が食べ放題なんだってさ~~~」の台詞や、トールズがアシェラッドに決闘を申し込む時「全能のオーディンの名において貴様に決闘を申し込む」(174ページ)の台詞。ヴァイキングの人々にとって北欧神話はれっきとした宗教であったんだ。北欧神話はドロドロしていて怖いんだよなぁ…。巻末にある地図も北欧を知る手がかりになって興味深い。北欧の一つの側面としてこの漫画を読むのも面白い。


<追記>
 最初「少年マガジン」で連載されていたこの漫画、後に「アフタヌーン」に移籍したわけですが「アフタヌーン」と「少年マガジン」の単行本はサイズが違う。今後「アフタヌーン」のサイズの単行本で出したら1・2巻とサイズが合わないじゃないか…。ということで、「アフタヌーン」の単行本サイズで新装された1・2巻が8・9月に出るそうです。表紙も一新、さらにトルフィンの姉・ユルヴァがメインの4コマ「がんばれユルヴァちゃん」付き。…4コマ目当てで買います、マジで。あと、3巻は10月。楽しみ。

 もう一つ、この「ヴィンランド」というのは調べてみたらアメリカ大陸のことらしい。アイスランドの「サガ」の中にレイフおじさんのヴィンランド探検に関する記述があるそうだ。史実をもとにした漫画だったのね。面白そうだから調べてみる。
by halca-kaukana057 | 2006-06-27 20:48 | 本・読書
 「牧場の少女カトリ」DVDを少しずつ観ています。なかなか面白い。何と言ってもアニメでフィンランドの人々の暮らしや文化を楽しむことが出来るのだから。原作も読んでみようかと思ったが、どこを探しても見当たらないのでアニメのみを観てゆくことにします。アニメのいいところは「フィンランディア」他シベリウスの音楽を堪能できるところ。最高だわ。

 以下、各巻のあらすじと感想まとめ。

<2巻 6話「主人」~9話「愛情」>
 ライッコラ屋敷で働くことになったカトリ。ライッコラ屋敷には主人のテーム、テームの妻のウッラ、テームの叔父エスコと雇い人のアンネリたちが暮らしていた。ウッラは数年前に娘を亡くして以来心を病んでしまっていた。サウナ小屋でパンケーキを焼くのが楽しみであるウッラを見てカトリは驚き、気の毒に思う。
 カトリの家畜番としての仕事は順調に始まった。しかし、危険な崖のある北の牧場でウッラに頼まれたおつかいに行っている間、牛たちが崖の下に行ってしまう。隣の屋敷の家畜番であるペッカと共に牛たちを救出する。牛たちから目を離したことでテームは厳しくカトリを叱ったが、おつかいの真相を知って驚く。
 その後、カトリは風邪を引いてしまう。具合が悪いのを我慢して仕事をするが集中できない。そこへマルティと彼のいとこのヘレナがやってくる。カトリの様子を見て心配するマルティ。そしてマルティは明日はカトリを休ませ、代わりに自分が家畜番をすると言い出す。テームはマルティの申し出を受け、カトリを休ませる。具合の悪いカトリと死んだ娘の姿を重ねたウッラは、カトリのためにパンケーキを焼く。

○牛たちの名前をすぐに覚え、さらに牛を歩かせる距離をいとも簡単に計算してしまったカトリ。学校に行っていないのにすごすぎる。
○ウッラの病気に対して、当時はどうしようもなかったのだろうなぁ。
○ウッラに頼まれた「フィンかぶら」って何だ?
 調べてみると、別名「スウェーデンかぶ」「ルタバガ」というかぶ。フィンランド語では「lanttu」。こういうものらしい。シチューや煮込み料理に向いているらしい。
○牛たちが崖の下に行ってしまい、救出する時の音楽が「フィンランディア」の闘争のテーマ。カッコイイったらありゃしない。
○カトリ達が雨の中を必死に牛たちを救出している時、ウッラ「やっぱり雨が降ったわね」…奥様、何を企んで?
○マルティ、本当にいい奴だ。


<3巻 10話「約束」~13話「素敵な贈物」>
 カトリの代わりに家畜番を務めるマルティ。しかし、ヘレナは気に食わない。家畜番をしていることをマルティの両親に言うと脅す。しかしマルティはカトリが良くなるまで家畜番を続けるつもりだった。翌日、マルティは寝坊、大急ぎでボートをこぎライッコラ屋敷に向かう。カトリたちが心配する中やっと到着。一方ウッラは気分がよくバターを作り始める。
 マルティが家畜番をしている間、雨が降ってきた。雷が鳴り、牛たちはパニックになって森の奥へ逃げ込んでしまう。と、そこへペッカがやってくる。喧嘩を始めた2人。おびえた牛たちはまた森の奥へ逃げてしまう。喧嘩をやめて牛を追いかけるが、雨が止んだ牧場に今度はマルティの父親がやってきた。ヘレナから家畜番をしていると聞いて確かめに来たのだ。マルティのような身分の高い家の者が家畜番をするなんてもってのほか。父はマルティを叱るが、マルティはカトリのために家畜番をやりたいのだと主張。ペッカもマルティの仕事ぶりを評価し、父親も家畜番をすることを承諾した。
 カトリの風邪はすっかり良くなり、仕事に復帰した。カトリのために魚を釣ってきたマルティと再び喧嘩になるペッカ。しかし、喧嘩をするなら2人とは友達ではないとカトリは言い切る。そのカトリの言葉に動揺した2人は仲直りをする。その日、カトリの母から手紙が届いた。手紙は1年も前にドイツから出されたものだった。カトリに会いたいという内容の手紙に涙を流す。
 家畜番の仕事に余裕も出てきたので本を読みたいとカトリは思う。しかし、カトリが持っている本は聖書のみ。そこで、マルティに本を貸して欲しいと頼む。、マルティはヘレナの部屋からこっそり「カレヴァラ」を持っていった。その頃、牧場ではカトリはサウナに使う白樺の小枝を束ねた「ヴィヒタ」を作っていた。そこへ学生のアッキがやってくる。アッキはヴィヒタを持ったカトリを見て「カレヴァラ」の一節を言う。アッキの話を聞いて「カレヴァラ」を読みたいと思うカトリ。そこへマルティが「カレヴァラ」の本を持ってきた。喜んで夢中で読むカトリ。しかし、ヘレナがその本を取り返しに来た。ヘレナはカトリに本を絶対に貸そうとしない。それをみたアッキは自分の「カレヴァラ」をカトリにプレゼントする。


○夏至が近づくフィンランド。美しい。
○サウナに限界まで入って、湖に飛び込むマルティ。やはりフィンランド人。
○必死にボートをこぐマルティ。やはりスオミの男。
○友達のために身分など関係なく家畜番をするマルティもカッコイイが、ついさっきまで喧嘩をしていたのにマルティのことを誉めるペッカもカッコイイ。二人とも男だ。
○だが、カトリの事となるととたんに仲が悪くなる二人…。カトリが二人の想いに気付くのはいつ?
○アッキが言ったカレヴァラ(カレワラ)の一節がたまらん。
「乙女よ 余人のためではなく我がために珠の連なる首飾りを巻き 十字架を胸にかけよ
乙女よ 我がためにその美しき髪を編み 柔らかきリボンを結べ」

 ワイナモイネンがアイノに出会った時に言った言葉なんだそうだ。あれ?「十字架」って、カレワラの世界ではまだキリスト教はフィンランドには無かったはずでは?(最後、キリスト教がフィンランドにやってきて、ワイナモイネンはフィンランドを去る) はて…?
○アッキさん素敵。

 「カトリ」でも出てくるカレワラ。完全訳を読みたいです。あと、YouTubeでオープニング映像を見つけたのでどうぞ
by halca-kaukana057 | 2006-06-18 21:21 | フィンランド・Suomi/北欧
 フィンランドが好きだといっておきながら、手を付けずにいたフィンランドの歴史。世界史の参考書を引っ張り出してきても、フィンランドのことなんて少しも書いていない。書いてあっても年表に「1917年 独立」ぐらい…。図書館で関係のありそうな本を開いては見たけど、何故か読む気がしない。これではいかん。という訳で、まずは以下の2冊から。


「戦う北欧」(武田龍夫、高木書房、1981)
「白夜の国ぐに 米ソ対立の谷間で」(武田龍夫、中公新書、1985)


 どちらも古いが、近現代史入門にはちょうどいいかも。とにかく、ソ連・フィンランド戦争、いわゆる「冬戦争」と「継続戦争」がドラマチック。ナチスドイツが勢力を増す中、ソ連もポーランド東半分やバルト三国に軍を駐留させ、さらにフィンランドに手を伸ばそうとしていた。ソ連の要求をなんとか平和的に退け、中立の姿勢を保ちたいフィンランド政府に対してソ連はひるまず。1939年11月、「冬戦争」が始まる。大国ソ連に対してフィンランドは小国。ソ連側もすぐに占領できると思っていたら、フィンランド軍の大反撃。ここからがすごい。カレリアの森をスキーで移動するフィンランド軍はソ連軍戦車を破壊しまくり、武器や食料も奪ってしぶとく戦う。…これがフィンランド魂“sisu”か。すごい…。

 休戦後、ソ連を侵略しようとするナチスドイツに加担してしまうフィンランド。この経緯が未だよくわかっていないらしい。でも、冬戦争の「継続戦争」であることは確か。失った国土を回復するための戦争であることには変わりないらしい。

 フィンランド近・現代史のもうひとつのヤマは力のある指導者がいたこと。冬戦争では元帥として軍を率い、のちに大統領となったマンネルヘイム。ナチスドイツに加担したと戦争犯罪者となってしまったが、苦しい戦況の中でソ連と和平を結ぼうとしたリーチ大統領。戦後、ソ連に同調を強いられる中半世紀にもわたって大統領を務めたケッコネン。大国に挟まれて苦労が絶えないにも関わらず、指導者に恵まれたのは本当に幸い。

 フィンランド近現代史からみると、私が今まで見てきたフィンランドは歴史のほんの一部なんだと感じる。まさに悲劇の国。とは言えまだまだ入門程度。他にも色々本を見つけてきているので、徐々に読み込んでいくことにする。
by halca-kaukana057 | 2006-03-23 21:37 | フィンランド・Suomi/北欧
 今日、借りていたCDをTSUTAYAに返し、何気なく店内をうろうろしていたら「牧場の少女カトリ」のDVDを発見。実は今まで一度も観たことがない。フィンランドが舞台ということだけしか知らなかったけど、フィンランドファンとして観るしかあるまい。まずは1巻を借りて観た。

 1巻は1~5話まで。冒頭から何ですか母子の再会と別れという感動的なシーンの連続は!!しかも「フィンランディア」の中間部がさらに雰囲気を盛り上げている。たまらん…。けなげで優しいカトリに元気付けられました。本当に、マルティが自分を「情けない」というのに同感。でも、マルティっていい奴だ。お坊ちゃんなのに偉そうにしていないし、カトリの役に立とうと頑張っている。しかも、カトリがマルティの家で働きたいと聞いた時に、友達を召使扱いしたくないというあたりも。年代も1910年代とあって、のどかなようで戦争の影がひしひしと伝わってくるあたり、大人でも十分楽しめる。

 フィンランドファンの視点としては、カトリのおじいさんとマルティの“スオミの男”ぶりに注目。おじいさんが熊に襲われて怪我をしているのにサウナに入って汗を流しているあたりとか、嵐の中ボートをこぐあたり。あと、カトリが働きに出る途中で悪がきたちに勇敢に立ち向かうマルティ。まさにカレワラに出てくるような“スオミの男”だ!!古いアニメとはいえ、白樺や樅の木の森や湖も見逃せない。「フィンランディア」の他「カレリア組曲」のバラードや「トゥオネラの白鳥」等々シベリウスの音楽も使われているし。ワルツ調の「フィンランディア」が気に入った。

 これはもう全部観るしかないでしょう。原作本もあるようなので探してみる。あと、こんなファンサイトもあったので参考にしてみる。



<関係ないがフィンランド@トリノオリンピック>
 はぁ…。ジャンプラージヒル残念無念。ハウタマキまで伸びない。アホネンもマンニネンと同様、五輪には縁がないのか…?今晩の団体だけでも大ジャンプが見たいです。
 あと、意外なところで男子カーリングが健闘していたり。女子の日本もいい感じ。
by halca-kaukana057 | 2006-02-20 20:51 | フィンランド・Suomi/北欧

注目の漫画2選

 今日は最近注目している漫画の話。立ち読みで前から気になっていた作品の単行本を、先日古本で買って読みました。どちらも面白かったので感想を。


「IS-男でも女でもない性」(六花チヨ、講談社kiss連載)


「IS」とは、“インターセクシャル”のこと。つまり、男性でも女性でもない性の事を指します。この作品はフィクションですが、実際にISの方に取材してその話を基に作られているそうなのでノンフィクションといってもいいかもしれない。IS当事者とその家族、友人、恋人が差別や無理解、ISをとりまく現実に向き合い、悩み、葛藤しつつ理解を得ようと奮闘する姿を描いています。

 ISとして生まれる確率は2000人に一人。生まれてISだと分かると、社会的偏見等を恐れて手術でどちらかに振り分けてしまう。でも、それでいいのか。ISはこの社会では生きてゆけないのか。ISとして生まれた意味があるはず。主人公たちの性に対する問いの鋭さにはっとします。特に2巻からの主人公・春の強さと優しさには胸を打たれます。




 もうひとつ。「ヴィンランド・サガ」(幸村誠、講談社アフタヌーン連載:以前は少年マガジン連載)


 「プラネテス」の作者の連載第2作。てっきりSF漫画家だと思っていたのですが、今作はヴァイキングの物語。
 世界各地で大暴れした男たち、後にヴァイキングと呼ばれる民族の中にトルフィンという少年がいた。彼は幼い頃耳にした伝説の大陸・ヴィンランドに思いを馳せる一方で、その男たちの中でも最強の戦士・アシェラッドに父の仇を討つことを誓う。

 1巻を読んだだけではちょっと分かりにくいかもしれない。でも、トルフィンの幼少時代の話で何となく方向が分かってきた。装備は短剣だけで俊敏に戦う勇ましさの裏で、亡き父への細やかな想いを持つトルフィンの心理に注目。戦闘シーンも細かいところまで迫力満点。普段こういう作品は読まないのですが、人間くさいところがいい。ヴァイキングの歴史として読むのも面白い。世界史は好きなので。


 どちらも堅い、重い内容だけれども深くて面白い。今後にも期待です。のんびりと単行本を追って読むことにします。特に「ヴィンランド~」は「プラネテス」と同じく、ゆっくり進むだろうからなぁ。じっくり作品を練っているから、展開が遅くても気になりません。むしろ急かさないで欲しい…。

 ちなみに、「のだめ」の最新刊が出たらしいですが買っていません。何と言ったらいいか…私の考える方向と、これからこの作品が向かうであろう方向が一致しないのです。要するに好みの問題。大ブームで冷めてしまったのもある。読めば面白いのですが、読んだ後に残るものがない。そのうちまた読みたくなるのかもしれませんが。
by halca-kaukana057 | 2006-01-28 22:26 | 本・読書

翼のある言葉


「翼のある言葉」(紀田順一郎・新潮新書)

 この本はいわば名言集です。著者が読書の途中で見つけた名言をノートに書き写し、それが本になりました。名言だけでなく、その背景や言った人の経歴も詳しく記されていて、思わず「へぇー」と言ってしまいました。

 心に残る言葉がいくつもあったのですが、その中から少し紹介したいと思います。
まず、アウシュビッツに送られた精神医学者、V・E・フランクルの『夜と霧 新版』より

 
気持ちが萎え、時に涙することもあった。だが、涙を恥じることはない。この涙は苦しむ勇気をもっていることの証だからだ。


 この言葉を読んだとき、まさに今の私自身だと思いました。

 もうひとつ、中国の小説家魯迅の『故郷』より、

 
思うに、希望とはもともとあるものだともいえぬし、ないものだともいえない。それは地上の道のようなものである。もともと地上には、道はない。歩く人が多くなれば、それが道になるのだ。


 私がこの言葉に出会ったのは、中学生のころ教科書で『故郷』をやったときでした。今読み返してみて、もともとないものだから、もってなくてもいいじゃないか。希望は人が作っているものだから、いつか作れるだろうと思いました。

 悩んだとき、またこの本を手にしたいです
by halca-kaukana057 | 2005-03-08 21:10 | 本・読書

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31