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Im ~イム~ 9

 新刊として出たのは1月だったか…春になる前に感想を書きましょう。


Im ~イム~ 9
森下 真/ スクウェア・エニックス、ガンガンコミックス / 2018

 人間をマガイ化する黒アザの出る薬を仕込まれ、アメン神官団本部の街は大混乱に。それぞれが戦う中、イムは「記憶抹消大魔法(ダムナティオ・メモリアエ)」を使い、街もマガイ化した人々も元通りにする。イムを「救世主」と崇める人々たち。だが、その後イムは倒れ、眠り続けてしまう。再び目覚めたイムを待っていたのは、知らない間に元通りになった街と、イムを「救世主」と呼び讃える人々だった。イムは3000年前、ジェゼルを助けようとした際、「記憶抹消大魔法」を使ったが、それ以後は使わないと決心していた。イムが眠り、記憶を失っている間、何が起きたのか。イムが覚えているのは、九柱神(エネアド)のアトゥムの「器」と会っていたこと。イムは九柱神に会いに行く。そこで、世界創世の神話の真実を知ったイムは…


 9巻も展開が早く、次々と新しい情報が出てきます。一度読んだだけでは覚えきれない、過去のエピソードや伏線を、なんだったっけ…と思い出すのも必要。濃いです。

 イムのおかげで、街も人々も救われた。「何も無かった」ことになった。その結果はよいことですが、イムにとっては信じられない、納得できないこと。イムも覚えていない。記憶に無い。「記憶抹消大魔法」を使ったのは誰…?ということで、その謎解きの旅に。
 その前に、イムはその謎を陽乃芽に話す。もうひとりの自分がいて、それが「記憶抹消大魔法」を使ったのではないか。また、何かが起き、皆の記憶どころか、皆の存在も消されてしまったら…そんな不安を、陽乃芽が吹き飛ばし、背中を押します。大神官で、誰よりも賢く、誰よりも強いイムにも弱みや悩みがあって、それを信頼している人に話すことが出来るようになった。いい友情です(陽乃芽にとっては「友情」ではなく…?)。そして、イムの本心。ジェゼルと仲直りがしたい。これらについては、9巻終盤でも出てきます。

 九柱神と会ったイム。そこで語られるのは、九柱神以前の創世神話。「混沌の八柱神(オグドアド)」、その守護神アポフィスと「記録者」月の神トト。あのアポフィスも神なのか…。そして、「記憶抹消大魔法」の本当の使い道も明かされます。淡々と語るアトゥムに、「神」であるアトゥムに対して怒りをぶつけるイムの言葉がすごくいい。
 イムは今度はトト神に会いに月の宮殿へ。トト神のこれまでと、イムやファラオたちに宰相として仕えていた大神官たちが何なのかが明かされます。そう来たか…。トト神と、イムの対峙。トト神は、あくまで中立で、世界を記録する。しかし、イムホテプは、「親友」ジェゼル王のために、「記憶抹消大魔法」を使った。中立になりきれてなかった…。イムが「お祓い箱」と呼んでいる「月光の魔水晶」の秘密も明かされます。たくさんの謎が明かされるのに、更に新たな謎、情報が出てくる。すごいなぁこの創作世界…。
 再びアポフィス登場。アポフィスがトト神に語ったのは、トト神には信じられないこと。トト神は中立の立場とはいえ、人間と同じように、人格、感情を持っている。イムとジェゼル、トトとアポフィス。「友達」のための戦いが始まります。

 読んでいる側も、イムの真実に混乱しますが、イムの周囲の人々も大混乱。ユート君ですら理解しきれない…。稲羽くんの言う通りなら(これが真実なのですが)、どうやってアポフィスを倒すんだ…?何かアポフィスの弱点、バグでもあるのか?
 そして、上述した、イムの本心、ジェゼルと仲直りしたい、ということも伝えられます。しかし、マガイに肉親を殺された稲羽くんや晴吾たちにとって、それは許せることではない。いくらジェゼルではなくアポフィスの仕業だったとしても、ジェゼルもマガイに関係していた。稲羽くんにとってジェゼルは許すことのできる人ではない。でも、信頼しているイムのことも思うと…。反発しても、「仲間」というつながりがそれを超えていく。かつては晴吾と対立していたイムですが、稲羽くんとも対立し、理解し合えた。ひとりひとりと、こういうシーンがあるのがいいですね。

 ラスト、また非常事態発生。ついにあの人が…!!この人にも悲しい思いのまま終わってほしくない。どうするんだ。10巻を待ちます。ついに10巻まで来たんですねぇ。

・8巻:Im ~イム~ 8
 この9巻は、さらに遡らないとイムの真実や本心にたどり着けません。本当に9巻は濃いです。
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by halca-kaukana057 | 2018-03-23 22:27 | 本・読書

【アニメ コミカライズ】宇宙よりも遠い場所 1

 読んで、感想を書いていない本もたくさんあるのですが、アニメが絶賛放送中、後回しにしていたらアニメが終わってしまうので、こっちを先に書きます。
 現在放送中のアニメ「宇宙よりも遠い場所」(「宇宙」は「そら」と読みます。公式略称は「よりもい」)の漫画版です。このアニメは小説や漫画などの原作のないオリジナルアニメ。なので、この漫画の原作はアニメです。アニメが原作です。



宇宙よりも遠い場所 1
よりもい:原作 / 宵町めめ:漫画 / KADOKAWA メディアファクトリー、MFコミックス アライブシリーズ / 2018

 高校2年生の小淵沢報瀬(こぶちざわ・しらせ)の母・貴子は南極観測隊員だが、報瀬が中学生の時、南極で行方不明になった。母のいる南極に行きたい。その一心で、南極に行くための資金稼ぎのバイトに明け暮れる毎日。クラスメイトたちからは、南極なんて行けるはずがないと嘲笑され、友達もおらず浮いていた。バイトでついに100万円を貯め、通帳からおろしたお金を落としてしまった報瀬。学校のトイレで泣いていたところに、いつの間にかいたのは同じ高校2年の玉木マリ(通称:キマリ)。キマリが100万円を拾って、報瀬を探し当ててくれた。キマリに南極のこと、母のことを話し、母の著書「宇宙よりも遠い場所」を手渡す。それを読んだキマリは報瀬の南極行きのことを応援すると言い出す。それなら、一緒に南極に行こうと言う報瀬。だが、これまで、南極のことに興味は持っても本気で行きたいという人はいなかった。だが、キマリは…


 アニメは序盤はキマリの視点が多かったのですが、コミカライズは報瀬の視点。「南極」と呼ばれ嘲笑されるシーンや、多少なりとも人間不信だった報瀬はアニメではそんなに描かれないので、これはこれで面白いです。あと、報瀬が目指す民間の南極観測隊に関する事前情報も(アニメの2話の部分)。でも、基本的にアニメと同じです。アニメは毎回テンポがとてもよく、そして泣かせてくる。青春っていいなぁ、何かに向かって一生懸命になれるってキラキラしていていいなぁと思い、泣けてくる。アニメはそのテンポで観られるので爽快ですが、じっくり味わいたいシーンもある。漫画なら、自分のペースで味わえるのでそこがいいなと。

 途中から、南極を目指す仲間が増えます。キマリが資金稼ぎのために始めたコンビニのバイトの先輩、だけど同じ16歳の日向。高校は中退したが、既に高認はとっており、大学入試の模試はA判定。アニメでも、陽気でとても賢い、人生経験豊富な女の子です。ただ、アニメの2話に当たる部分で、日向にとって大事なキーワードが語られていない…。
 もう1人が、北海道に住んでいるひとつ年下の結月。小さいころから子役として活躍し、今はCDデビューもしたタレント。しかし、本人はその歌を気に入っておらず、仕事でこれまで友達がまったくいなかったことをとても気にしている。高校に入って、友達になってとクラスメイトに声をかけたものの…。南極行きのキーパーソンになる子です。途中から、報瀬から結月に視点が変わります。確かに、アニメの3話は結月視点じゃないとできない。友達に憧れ、でも出来なくて苦しむ結月の姿は辛いです。

 この作品を観ていると、皆、何かしらネガティヴな部分、暗いもの、「負け組」なところを持っている。そんな状況にあるけど言いたい奴には言わせておいて、がんばって夢を叶えて、バカにしている奴らに「ざまーみろ!」と言うのが目標だったり、足りないもの、欠けているものを手に入れよう、そんな自分になりたいともがいたり。そんな姿が自分(過去も現在も)に重なるところがあって、そこでも泣けてしまう…。

 アニメを観る前、アニメが気になっているけど観そびれたという人には、ちょっと説明が必要なところがあります。後でアニメも観るなら問題ありません。アニメを観て、漫画の視点も楽しみたいという人向けのような気がします。漫画だけ、はちょっと厳しいかもしれません。

 ちなみに、何故南極が「宇宙よりも遠い場所」なのか。宇宙飛行士の毛利衛さんが南極に滞在した際、宇宙ならロケット(毛利さんの時はスペースシャトルですね)で数分あれば行けるのに、南極は何日もかかる、宇宙より遠い、という言葉に由来しています。あと、物語の舞台は群馬県館林市。アニメのOPでも出てくるのですが、同じく、宇宙飛行士の向井千秋さんの出身地です。宇宙好きにもたまりません、このアニメ。漫画では館林が舞台ということが全くわからないので残念です。

TVアニメ「宇宙よりも遠い場所」公式サイト
 アニメを観て、漫画で補完して、楽しもうと思います。本当、毎週楽しみなアニメです。

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by halca-kaukana057 | 2018-02-26 22:57 | 本・読書

ヴィンランド・サガ 20

 19巻の感想を、この20巻の発売日に書いて、その後すぐ20巻を買って読んだのですが…感想を書くのは遅くなってしまいます。



ヴィンランド・サガ 20
幸村誠 / 講談社 アフタヌーンKC / 2017

 ヨーム戦士団の内紛に介入せよと、トルケルにクヌート王の勅令が下った。しかし、トルケルはクヌート王の命令など関係無く、ただ戦争をしたいと言う。一方のフローキ側のヨーム戦士団。ガルムがトルフィンではなく、ヴァグンを殺害してしまったため、厄介な展開に。要塞の地下牢に捕らえられたガルムは、同じく捕らえられているレイフ、エイナル、グズリーズと再会する。
 トルフィンはレイフたちと待ち合わせをしているオーゼンセに到着。ギョロからレイフたちが人質になったこと、ガルムがヨムスホルグに来いという伝言を聞かされる。やはり戦うしかないのか…。どうしたらいいか分からず呆然とするトルフィンに、ギョロが思いをぶつける。
 ガルムがヴァグンを独断で殺害してしまったことを、フローキ側はトルケルに釈明するが、トルケルは交渉決裂、と退ける。そして、フローキ側から放り出されたガルムはトルケルを挑発。トルケルはガルムと一騎打ちをすることになる…。


 本格的に戦争が始まりました。冒頭のクヌート王の言葉が印象的です。クヌート王も楽土建設のために何をするのか考え、動いているが、ヴァイキング、ノルドの戦士たちの考え方は変わらない。思う存分戦って死ぬ。ガルムも同じことを考えている。地下牢でガルムとグズリーズが会話していましたが、そのシーンにその考え方の違いがはっきりと表れていました。グズリーズにとっての「普通の生活」と、ガルムやノルドの戦士たちにとっての「普通の生活」とは何なのか。答えの出ない問題です。ただ、クヌート王は、王として、この方向に向けようとしています。トルフィンも目指す方向に向かいたい…けれども、トルフィンには足りないものが多い。まず、クヌート王のような権力がない(あれ?権力…?)。

 19巻の感想で、トルケルとガルムは似た者のように思えると書きましたが、全くの似た者同士でした。2人の一騎打ちはすごい。あのトルケルと互角に戦えるなんて。戦う前、ガルムはトルケルの年齢のことを言っていましたが、トルケルっていくつぐらいなんでしょう?ガルムはまだ10代?

 レイフさんたちが人質になったことを知らされたトルフィン。誰も殺さずに、レイフさん、エイナル、グズリーズを助けるなんて無理だ…と迷いますが、ギョロの言葉がはっきりと、でも重い言葉でした。理想は誰も殺さずに助けたい。でも、トルフィンやギョロにとって大事なのは誰か。助けなきゃいけないのは誰か。そして、助けられる力を持つのはトルフィンしかいない。過去を打ち消すのではなく、今自分が持つ「力」をどう使うのか、トルフィンにとってこれからの課題になりそうです。とはいえ、ヒルドさんが見張ってるんだよなぁ…。

 ヨムスホルグに捕らえられた3人に、味方が1人。トルフィンにとっても味方かもしれません。バルドル君も苦労する…。グズリーズはどうなってしまうのか。シグルドとトルフィンが再会…状況はこれはこれでよかったのかもしれない…。普通の状況だったら、シグルドは何をするか…。前向きなシグやん、「友達の多い」シグやん…重い展開の20巻で、こんなシグやんがいいキャラしています。グズリーズ、一気に大人になりましたね。美人さんになってきましたね。

 ヨムスホルグでの戦のシーン。ノルドの戦士たちの「普通の生活」と先述しましたが、ヨムスホルグのヨーム戦士団の兵士でも、トルケルやガルムとは少し違う人もいるのかもしれない。そんな描写がいくつか。戦争真っ只中の21巻でも、こんな描写があるかなぁ。

・19巻:ヴィンランド・サガ 19
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by halca-kaukana057 | 2018-02-18 15:53 | 本・読書

マッティ、旅に出る。 やっぱり今日も憂鬱 FINNISH NIGHTMARES 2

 夏に紹介した、フィンランドでベストセラーのコミックの日本語版「マッティは今日も憂鬱」。フィンランド本国では第2弾が出ている、第2弾も日本語版をよろしくお願いします!と書いたのですが、まさか年内に出るとは思わなかった。第2弾、日本語訳が出ました!



マッティ、旅に出る。やっぱり今日も憂鬱
カロリーナ・コルホネン:著、柳澤はるか:訳/方丈社/2017

 マッティは典型的なフィンランド人。目立つことが苦手。静かなのが好き。パーソナルスペースは大事。馴れ馴れしいのや雑談が苦手。人の平穏を乱したりするのもしたくない。そして照れ屋。
 第2弾では、フィンランドとフィンランド人の夏、旅行先にて、再び買い物にて、その他フィンランド人あるあるを取り上げています。やっぱり、今回も「わかる」「あるある!」「マッティ、もう友達になろうよ」と思ってばかりでした。マッティが相変らずかわいい。第2弾では、マッティの家族も出てきます。奥さんはアイノさん。フィンランド人の女性の名前ではポピュラーな名前です。そう、「カレワラ」に出てくるアイノ。シベリウス夫人もアイノ。

 そして今回も、日本、日本人と似ていると思うところがいくつも。旅行の飛行機での座席の話は、全くその通り。わかる。新幹線やバス、コンサートホールや映画館などでもあるあるです。道に迷った時の行動も。フィンランドに旅行に行った日本人が迷って困っているけれども、声をかけていいのかわからない…というフィンランド人の話をよく聞きます。助けてあげたいのだけれど、声をかけられない、と。フィンランド人と日本人が遭遇すると、やっぱり似た者同士なんだなと思います。
 他にも、人の性格だけでなく、習慣、文化の面でも似ているところが。チップの習慣がない、家には靴を脱いで入る。そうか、フィンランド人もチップの習慣のある国に行って、チップで困ることがあるのか…。私は海外に行ったことはないですが、もし行くならチップはどうしたらいいんだろう…?と思います。やっぱり行くならフィンランドか。

 今回は、フィンランドの文化や習慣について、さらに詳しく書かれています。サマーコテージは羨ましいなと感じます。湖のほとりの森の中で、静かに夏を過ごすことができたらどんなにいいだろう。バーベキューのソーセージ・マッカラ(Makkara)。フィンランド紀行番組を観るとよく出てきます。ソーセージを火であぶって焼いただけなのに、本当に美味しそう。食べたい。アイスクリームが大好きで、夏になると街中にアイスの屋台が出るそうです。

 第2弾を読んで、更にフィンランドが好きになる。第1弾では夏至の時に書きましたが、今度は独立記念日とクリスマス。100年目の独立記念日は、盛り上がっているのだそう。盛大にお祝いして、あたたかくクリスマスを迎える12月にも、フィンランドの人々に憂鬱なことが起こらないようにと祈るばかりです。

・第1弾:マッティは今日も憂鬱 フィンランド人の不思議
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by halca-kaukana057 | 2017-12-05 22:01 | 本・読書

Im ~イム~ 8

 11月はツタンカーメン王墓発掘月間(4日が最初の階段を見つけた、26日に最後の壁に穴を開けて王墓の中に入った)のためか、BSプレミアムで古代エジプト関連番組が続いています。面白い。盛り上がっているところで、先日、エジプトではかなしい事件がありました…。かなしいです。
 そんなエジプトのことを思いながら、エジプトが舞台のファンタジー「イム」8巻です。発売から2~3ヶ月…まだ許容範囲のはずw6巻と7巻は一緒に感想を書いてしまい、まとまりに欠けたので今度は8巻だけで書きます。


Im ~イム~ 8
森下真/スクウェア・エニックス、ガンガンコミックス/2017

 エジプトにあるアメン神官団の本部内で、人々が次々とマガイ化し、アメン神官団は大混乱。アメン神官団本部の結界の中に入りこみ、イムと会っているジェゼル…アポフィスは本部内のマガイ化した人々と陽乃芽、どちらを選ぶか迫るが、イムはどちらも助ける、そしてアポフィスを倒してジェゼルを助けると言い切る。「お祓い箱」魔水晶を使ってマガイを回収するイム。それを見た本部の神官たちは、イムがあの大罪人のイムホテプだと気づき、イムを攻撃、罵る。そこへ助けに来たのは…。神官たちに必死に説明するイムだが…。
 一方、陽乃芽は、ハピに連れ去られ、アゥシルに捕らえられていた。アゥシルはオシリス家の嫡男。神官団の中心となる一族で、死を恐れない思想で危険視されている。アゥシルとハピは、かつて失敗した「セクメト計画」を陽乃芽を使って実行しようとしていた。抵抗する陽乃芽。そこにやって来たのは…。


 7巻のラストで、今の悪者になっているジェゼルはジェゼル本人ではなく、地獄にいる原初の邪神アポフィスに乗っ取られていることがわかりました。7巻、8巻と、これまでの謎、伏線が一気に回収されていくのでついていくのに大変です。読み応えあります。

 まず、イム側。これまでイムは大罪人とされながらも、人間性やその力などで晴吾たちから信頼され、友と認められるようになった。それまでには衝突や誤解もあった。日本からエジプトに戻ってきて、アメン神官団の本部では…最初からやり直し。やはりイムは大罪人のイムホテプで、神官たちからは危険視されている。神官たちから憎まれ、罵られ、石を投げられる…。そんなイムを助けたのは晴吾。イムの過去と現在を知っている晴吾。
「三千年前とは違うだろ もう失敗したくないんじゃねぇのか!?頼れよ!!!」(21,22ページ)
イムも、マガイ化のシステムと課題を理解。7巻で出てきたヘシレさんと同じく、マガイ化してしまった人たちを救いたい、守りたい。それが出来るのはイムの「お払い箱」だけ。神官たちは何をすべきか。それを神官たちに熱弁。ひとりでなんとかしようとしてパニックになっていたイムと、晴吾が来てからのイムの落ち着きが違う。イムは今も昔も大神官だけど、支える人がいてこその大神官なのだと(かつてはジェゼルがイムを支える立場だった)。

 一方の陽乃芽、アゥシル側。アゥシルは7巻で少し出てきていました。アメン神官団の中でも最高位の一族のひとつ、オシリス家の嫡男。ハピはアゥシルの部下。セクメトの力を使えるようになった陽乃芽を利用して、「セクメト計画」を実行しようとしていた。
 ここでやってきたのがラトさん、ユート君。2人はオシリス家の者であり、アゥシルの妹・弟。オシリス家と、アゥシルと、ラトさん、ユート君の過去が語られます。オシリス家の「伝統」に対して、疑問を持たず素直に育ったアゥシル。疑問を持ち出て行ったラト。オシリス家の本当の嫡男の印を授かったユート。アゥシルの葛藤、憎しみと、その反動。オシリス家のやり方、アゥシルのやり方には同意共感できないけど、アゥシルは置かれた環境、置かれた立場でやることをやって来たんだな…と切なくなります。
 アゥシルのやり方に対して、徹底的に反抗する陽乃芽ちゃんが男前。かっこいい。陽乃芽ちゃん、本当に強い子。

 8巻は、それぞれ全員が持てる力を振り絞って、誰かのために出来ることをしています。アヌビスも。あのかわいいアヌビスにこんな力があったなんて。アヌビスも神様なんだな、と。成長して、凛々しくなったアヌビスを想像するのはちょっと難しいですが…。

 イムも、力を使い…ここでハプニングが。イムが大変なことになってしまった。8巻、情報が多過ぎます…(面白いよ!)。一体何が起こったのかよくわからないまま、ラストも大変なことに…。イムがどうしてそうなった!?9巻はまた波乱が起きそう。イムがラストで言った通りになればよいのですが…。9巻を待ちます。

 最後に、アポフィス側。クレオパトラが復活してました。あまり登場しませんが、クレオパトラがアポフィスに聞いた言葉が気になりました。もしそうだとしたら…。何かの可能性も…。
 あと、コンスについての情報もまた増えました。コンスにフラグを立てないで…!!

Im ~イム~ 6・7
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by halca-kaukana057 | 2017-11-28 22:39 | 本・読書

ヴィンランド・サガ 19

 今日、11月22日、20巻が発売になったそうです(私の地域は何日か遅れるのでまだ本屋にはない)。19巻の感想をまだ書いてない…19巻の話をしないと20巻に進めないので、20巻の発売の日に19巻の感想を書きます。


ヴィンランド・サガ 19
幸村 誠 / 講談社・アフタヌーンコミックス / 2017


 トルフィンの暗殺に失敗したフローキ。フローキは孫のバルドルを次期団長にしたいと思っている。バルドル以上のよい血統を持ち、強さも申し分ないトルフィンを亡き者にしたかったが…。そのフローキのそばには、ある男がいた。
 一方のトルフィン。フローキと対立するヴァグンの駐屯地に連れて来られていた。ヴァグンは、トルフィンの父・トールズを殺した黒幕はフローキだと明かす。フローキがアシェラッドに命じて、トールズを殺したのだ。ヴァグンはトールズの仇を討てと言い、怒りに支配されそうになるトルフィン。何とか平静を取り戻し、戦わないことを決意する。そのヴァグンの駐屯地へ、トルケルが率いるフローキの一軍がやってきた。あることがきっかけで、トルフィンとヒルドはヴァグンの元から逃げ出す。その途中、トルフィンはある男と出会う…。


 19巻の表紙に、見慣れないキャラクターが。初登場のガルムです。19巻のキーパーソンのひとりです。18巻の感想でも書いたのですが、捨てたい、消したい過去がある、新しい自分に生まれ変わりたいと思っても、周りが許さない。そんなジレンマがトルフィンをまだまだ悩ませます。戦うこと、戦って死んだらヴァルハラに行く…と信じているヴァイキング、ヨーム戦士団の戦士たち。そこから一旦離れ、戦士とは異なる生活をしたトルフィンはヴァイキング、ヨーム戦士団とは違う考え方を持った。かつてアシェラッドの軍団にいて生き延び、ヴァグンに捕らえられ、トールズが殺された顛末について話したアトリも、家族のもとへ返して欲しいと言っていた。離れてわかることがある。どっちが正しいわけではない。ヨーム戦士団には独自のルールや考え方がある(とても残忍ではある、推奨できるものではないが)。トルフィンもアシェラッドと別れた後、独自の道を進むことになった。ただ、その違いをお互いが受け入れられない。トルフィンは何とか違う道を見つけ出したいと思っているが…。

 そんなトルフィンを阻むのがガルム。トルフィン並み、トルフィン以上に強い。やることに全く隙がない。頭もいい。徹底的に残忍。とにかく強いやつと戦いたい、という点はトルケルに似ているかもしれない。ガルムに追い詰められていくトルフィン。本当にトルフィンたちがこのヨーム戦士団から逃れて、ギリシアまで行けるのかますます心配になってきました。

 トルフィンが、ついに父・トールズの死の真相を知ることになりました。18巻の最後のようなことはしなかった。でも、自分は元はヴァイキングの戦士で、戦うことが日常だった。この過去を消すというよりは、受け入れて乗り越えるのでしょうか。

 トルケルが、相変らずのトルケルですw理由は何でもいい、戦えるならそれでいい…本当にトルケルも残忍なヤツなのに、どこか憎めないのはこのキャラのせいでしょうか…?

 続きは20巻、発売したばっかりです。早く読みたい!

・18巻:ヴィンランド・サガ 18

【関連リンク】
 幸村誠先生のインタビューがあったので、リンクを貼っておきます。「プラネテス」「ヴィンランド・サガ」の誕生物語、裏話など。
コミックDAYS 編集部ブログ:『プラネテス』は「原稿をなくしたから」生まれた!? 幸村誠インタビュー(1)
コミックDAYS 編集部ブログ:原稿の遅さが「売り」!? 幸村誠インタビュー(2)
コミックDAYS 編集部ブログ:お前の漫画を読みたい人なんて誰ひとりいない!? 幸村誠インタビュー(3)


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by halca-kaukana057 | 2017-11-22 22:56 | 本・読書

マッティは今日も憂鬱 フィンランド人の不思議

 夏至は21日でしたが、この週末は北欧では夏至祭。フィンランドもユハンヌス(Juhannus)です。いつもは夏至、夏至祭、白夜の季節に聴きたいフィンランド、北欧の音楽について書いてきましたが、今年は本を。


マッティは今日も憂鬱 フィンランド人の不思議
カロリーナ・コルホネン:著、柳澤はるか:訳 / 方丈社 / 2017

 フィンランドで大人気、ベストセラーのコミック「FINNISH NIGHTMARES」の日本語版です。これまで、何度も海外向けのフィンランドの情報ツイッターアカウントで紹介されていて、気になっていました。日本語訳出版が決まった時はとても嬉しかったです。これ絶対買う、と。

 この本の主人公、マッティは典型的なフィンランド人男性。そんなマッティが日々遭遇する「苦手なこと」「避けたいこと」「憂鬱なこと」「フィンランド人あるある」をコミカルに、時に自虐的ジョークを交えて書かれています。マッティが可愛いです。シンプルな、愛らしいキャラクターです。フィンランドのキャラクターはムーミンだけじゃない!?これからはマッティもよろしく!

 帯に、「なぜか日本人にそっくり!?」とあるのですが、読んでいると、「わかる」「あるある」「マッティ、君は私か」と思うところばかり。これまで、他の本やメディアでも、フィンランド人の性格・国民性と日本人のそれは似ていると言われてきました。この本は日本向けに書かれたものではありません。フィンランド人のコルホネンさんが、フィンランド人を紹介するために書きました。それが、日本でも、日本人に似ているんじゃないかと受け入れられている。それが不思議ですし、嬉しくもあります。

 平穏と静けさと個人的領域(パーソナルスペース、他者と自分との距離。フィンランド人は広め)を大事にしているマッティ。シャイで、照れ屋で、目立つのが苦手。自己主張するのも苦手。多くは書きません。是非ともこの本を手にとって、読んでください。「あるある」「わかる」の意味がわかると思います(多分)

 フィンランド本国で出版されている本も、本文は英語です。でも、サウナやクリスマスのミルク粥など、フィンランドの文化も出てきます。あと、フィンランドのバスの乗り方や、フィンランド人と信号、ハロウィンなど、フィンランドに旅行する際、住む際に注意したほうがいいことも書かれているので、フィンランドに行く予定がある方には是非オススメします。

 森と湖の民と呼ばれるスオミ(Suomi)の民。湖のほとりの森の中で暮らしている(都市で生活している人も休みになれば質素なサマーハウスで暮らす)人々の由縁がわかる気がします。ユハンヌスは、湖のほとりでかがり火を燃やし、なかなか暗くならない、すぐに明ける夜を謳歌します。短い夏を存分に楽しもうと。ユハンヌスのフィンランドの人たちには、この本にある「憂鬱なこと」が起きないで楽しく過ごせるよう、願うばかりです。

 フィンランド本国では第2弾も出版されたそうです。第2弾も日本語訳の出版、よろしくお願いします!
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by halca-kaukana057 | 2017-06-23 22:49 | 本・読書

Im ~イム~ 6・7

 漫画を読んでも感想を書けずにいたので、何巻かたまってしまった作品もあり…。まとめて書きます。エジプト神話をモチーフにしたマンガ「イム」の6巻と7巻です。この2巻は続いている部分が多いので、まとめて書いてもいいかもしれない。

Im~イム~(6)

森下 真 / スクウェア・エニックス、ガンガンコミックス/2017



 支部長を助け出したイムたち。羽羽方家でパーティーを開くことに。陽乃芽はイムがエジプトに帰ってしまう前の送別会だと思っていたが、パーティーで、羽羽方父がアメン神官団に事務員として入団することになったこと、それに伴い、陽乃芽も夏休みはエジプトに行くことが決まった。
 そしてエジプトにやって来た一行たち。観光している間、荷物を盗まれ、盗んだ男を追うと、晴吾の攻撃に対して人間離れした能力を使い逃げようとした。そして、蛇のような黒いアザが体中に現れ、死んでしまった。イムは、かつて大神官として"地獄の番人"をしていた時、負の感情に飲まれた者たちにそのアザが現れていたのを何度も見たことがあった。そのアザに何があるのか、コンスが本部から呼んだ、ラトの弟であるワジトユートと共に、黒アザの原因を探りに街へ出たが…

Im~イム~(7)

森下 真 / スクウェア・エニックス、ガンガンコミックス/2017



 8年間もとり憑き、イムによって離れた"マガイ・セクメト"を、精霊(カー)として自分の中に戻した陽乃芽。イムを助けるため、その力で戦うも、魔力を制御しきれず倒れてしまう。ひとまず停戦し、去る新たな敵・ラムセス2世。陽乃芽が何故マガイ・セクメトを精霊(カー)に出来たのか。それには、陽乃芽の母・ひまわりが関係していた。羽羽方父は、ひまわりと出会った時のことをイムたちに語りだす…。


 この6・7巻で急展開です。舞台はエジプトへ。支部長誘拐事件で、浮かび上がったいくつかの謎。支部長にとり憑いていたマガイには、「創世九柱神(エネアド)」が関係している…?エネアドたちは何を考えている…?何かを隠している…?それらの謎を解きに、エジプトへ向かいます。
 エジプトに行くことに関して、イムは故郷を皆に見せられること、羽羽方パパは妻・ひまわりと出会った国を陽乃芽に見せられることを喜んでいる。そんな2人がいい感じです。

 エジプトでは、新キャラも登場。そのひとりが、ラトさんの弟というワジトユート君。上位神官です。まだ少年ながら、かなりの力を持っています(その理由は7巻で明らかになります)。そして、敵方はラムセス2世。クレオパトラの次はラムセス2世!強いけれども、ちょっと変わったところもある敵です。

 一方、ユート君の登場で、陽乃芽にある事実が発覚します。その事実をユート君に突きつけられた6巻の144ページからの陽乃芽の自分を責める気持ちが苦しい。そこからの、陽乃芽の本心が、7巻へと続きます。7巻では陽乃芽ちゃんが表紙。しかもカッコイイ!本編でも強くてカッコイイ!

 7巻では、これまでの伏線、謎が一気に解けます。展開が早くて、読み返さないと理解しきれない。古代エジプトの神々をうまく創作に当てはめていて、面白いです。7巻の読みどころは、若き羽羽方父と妻となるひまわりとの出会い。羽羽方パパがカッコイイ、なかなかのハンサムで、心意気も男前です。陽乃芽を産む時のひまわりさんの決意が、とても強くて…、陽乃芽は強い両親から、強いもの、強い心を受け継いでいるんだなと感じました。

 7巻ではついにアメン神官団の本部へ。更に新キャラが登場します。精霊(カー)を診察する医師の神官・ヘシレさんがなかなかいいキャラです。黒アザを発症するメカニズムも解明されます。エジプト神話を題材にしたファンタジーですが、普通の人間の心理に通じるものがあります。そして本部でまさかのあの人が登場。怒涛の展開でした。8巻が待ち遠しい。陽乃芽ちゃんが…どうなってしまうのか!

 謎めいた部分を持つコンスに関しても、徐々に明らかになっていきます。あのシーンのあれはそういうことだったのか…。よくわからないところが多いけれども、コンスの言うことは筋が通っているし、人間的でもある。イムを思いやってもいる。ただ、これからコンスが無茶をしないか…心配です。

 2巻一緒に書くと、まとまりに欠けます。細かい部分も欠けます。どう書いていいかわからない。下手するとネタバレになってしまう…。漫画の感想は溜めないほうがいいね。負の感情もね。そんな6・7巻でした。

Im ~イム~ 5
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by halca-kaukana057 | 2017-06-12 22:43 | 本・読書

星の案内人 4 [完結]

 ずっと読んだ本の感想書いていませんね…。少しずつ書いていけたらと思います(諦めてない)。

 プラネタリウム天文漫画「星の案内人」、3巻の発売から随分経ってからの4巻が出ました。そして、完結です…。なんと…。


星の案内人 4
上村五十鈴 / 芳文社・芳文社コミックス/2016

 ある日、トキオは不思議な雰囲気の青年と出会う。旅人のような雰囲気で、カメラを持っていた。おじいさんのプラネタリウム「小宇宙」にいると、その青年・チハルが訪ねてくる。チハルはカメラマンで、かつておじいさんの家・小宇宙に居候していたことがある。チハルはおじいさんと出会った頃、チハルの世界は真っ暗だった。


 4巻で登場し、4巻の鍵となる人物、チハルさんの登場です。子どもの頃、心優しく優秀な兄を不慮の事故で亡くしてしまう。事故と兄の死は自分のせいだ、自分が死ねばよかったと、自分を責めるチハル。学生時代はグレた生活をしていたが、そのグループで違和感を覚え、さまよい、おじいさんに出会った。何も聞かず、食事や寝床、服やお風呂を用意してくれたおじいさん。おじいさんの心のあたたかさに触れ、おじいさんと生活することに。そして、おじいさんとの天文や自然に関する会話から、自分が生きていていいと思うようになる。

 チハルさんは、「ムーミン」のスナフキンのような人。でも、過去にとても重いものを背負い、おじいさんに救われた。いや、おじいさんはひとつのきっかけであって、チハルさんの「生きたい」という気持ちを引き出したのかな。スナフキンのような言動は、おじいさんの影響です。おじいさんがもっと若くて、もう少し静かな人なら、チハルさんのようになったかもしれない…。

 このチハルさんが、トキオくんを動かします。27・28話、トキオくんも、おじいさんの心のあたたかさに触れ、おじいさんとの交流や星の話から、自分自身を認められるようになった。でも、もしおじいさんがいなくなったら…。生きること、死ぬこととはどういうことか。ひとりになるとはどういうことか。トキオくんの不安を、おじいさんのプラネタリウムと星の話、そしてチハルさんが優しく支えます。

 24話のトキオくんやコータのクラスメイトのスエツグくん、25話の謎の美女、26話のナノハちゃんの友達のしのちゃん。初期のオムニバスが戻ってきたようなこのあたりでも、チハルさんとトキオくんの話でも、そして最終話でも、この漫画は宇宙と人間の関わりを、科学の側からも、神話や文学・芸術の側からも教えてくれる。どちらも、人間が「宇宙のことをもっと知りたい、宇宙にもっと近づきたい」と思って、観測や研究を重ね、歴史の中で物語や作品がつくられてきた。プラネタリウムもそのひとつと言える。宇宙や星の姿や謎が少しずつ解明されるなかで、人は同時に宇宙に生きることとは何かという問いを映す。どう生きたらいいのか。辛いことや悩みがあって、ふと夜空を見上げて星空に見入ってしまうのも、そんな思いの投影だろう。

 25話で、おじいさんの奥さんについて語られたり、29話でおじいさんがどんな風にプラネタリウムをつくっていったか簡単な説明があったけれど、おじいさんはかなり苦労してきたんだと思う。でも、そう思わせない。表に出さない。全て肯定している。やって来た人は誰であれ拒まず、おじいさん流に心あたたかく迎え入れる。そんなおじいさんだからこそ語ることのできる星の話があり、このプラネタリウム「小宇宙」はおじいさんで生を受けているのだと思う。

 最終話(前後編)。トキオくんも、アスカちゃんも、皆、またひとつ成長します。トキオくんのラスト、志村さんに言った言葉がかっこよかった。でも、その後、「小宇宙」に来ていた人たちがどうなったかは語られません。でもプラネタリウム「小宇宙」はある。中に入れば、おじいさんが食べ物や飲み物とともに迎え入れてくれて、プラネタリウムを見せて星の話をしてくれる。そんな場所が、日本のどこかにあって欲しいなぁと思うラストでした。

 登場する人々が、色んな過去・現在を抱えていたり(過去や現在に問題を抱えていない人なんていないと思う)、最初は反発していたり。でも、心の奥底にはあたたかいものを持っている。それを引き出してくれるおじいさんとプラネタリウム。宇宙のことも学べて、心もあたたかくなる、素敵な漫画でした。ありがとうございました!!
 また好きな天文漫画が終わってしまった…(涙

 カバーを外した表紙のおまけマンガで、トキオくんがヴァイオリンで演奏していた曲のひとつが判明しました。クライスラー:作曲、「プニャーニの様式による前奏曲とアレグロ」のアレグロ。この曲です。
Itzhak Perlman-Pugnani Kreisler-Preludium and Allegro
 パールマンのヴァイオリンでどうぞ。この曲の後半部分、2分24秒辺りからです。トキオくん、こんな曲を弾けるんだ…!!すごい。この曲、知りませんでした。作者の上村先生はクラシックがお好きなのかなぁ?

・3巻感想:星の案内人 3
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by halca-kaukana057 | 2017-03-07 22:30 | 本・読書

Im ~イム~ 5

 10月はあまりブログを書けなかったので、今月は少し増やしていきたいです。まずは読んで感想を書いてない漫画がまた増えたのでそれを…


Im ~イム~ 5
森下真/スクウェア・エニックス、ガンガンコミックス/2016

 クレオパトラにさらわれた八咫黒烏(やた・くろう)支部長を助けるため、船に突撃するイムや晴吾たち。そんな時、コンスから連絡が入る。支部長は15年前、マガイに憑りつかれていて、そのマガイをクレオパトラやジェゼルは狙っているという。15年前…晴吾の家・御空神社での事件。支部長の中にいるのは、御空神社で祀っていたマガイだった。15年前、御空神社で本当に起こったことは何だったのか。支部長は何をして、何故そのマガイが支部長の中にいるのか。そしてそのマガイは何のマガイなのか…。


 話がどんどん壮大になっていきます。古代エジプト神話の創世神話も出てきます。古代エジプト神話をおさらいし直しました。神話と、古代エジプト史と、熱い友情とバトル。5巻はそれらが全部詰まってます。

 晴吾の過去にもようやく決着がつきました。かつての支部長と、晴吾の父の過去。15年前、本当は何が起こったのか。晴吾たちを育て見守ってきた支部長の思い、晴吾たちの思い。とにかく熱いです。これまで、こういうタイプの友情とバトルの少年マンガはあまり読んだことがないので、新鮮で面白いです。支部長に引き取られた子どもたちから浮いていた晴吾、御空神社の息子ということで敬遠してた子どもたち。でも、本当は仲良くなりたかった。そんなわだかまりが4巻で解けましたが、5巻では更に晴吾たちの友情が強くなります。熱いです。支部長の意外な過去にも驚きつつも、やっぱり優しくて強い人なんだなぁと。

 マガイ戦は迫力満点です。イムが月神トトを召喚できるのはラトさんも知らなかったのか。イムは強いけど、イムだけではこのマガイは倒せない。強いチームワークでこそ戦える。いいですね、こういうの。

 イムがクレオパトラと対峙するシーン
俺達古代人(過去の人間)が<現代>(いま)を脅かす権利はない!
(60ページ)

に対してクレオパトラ
妾にだって<現代>(いま)があった!!!
(62ページ)

 この部分が印象に残りました。イムは過去から甦った人間。所々で回想がありますが、クレオパトラの運命も辛いもので…。それ、その時を取り戻したいという気持ちは切ないです。

 マガイを倒して一件落着と思いきや…また混乱が。また話が壮大になりました。そんな相手でも、怖気づかない晴吾。強くなったというか、怖いもの知らずというか…(汗

 一方のコンス。今回の件は、支部の上層部が絡んでいたことを突き止める。支部の中には何があるんだ?倒したマガイがイムに言っていたことと、 コンスの身体にあったもの…あれは何だ?コンスは本当に何者なんだ?そしてラストシーン、え?コンスとあの人が?えええ…!?続きが気になります。

 晴吾編が終わったので、6巻からはまた新しい展開がはじまります。楽しみです。

・4巻:Im ~イム~ 4
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by halca-kaukana057 | 2016-11-08 22:08 | 本・読書


好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)

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