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 本屋で見つけて気になった本です。この頃、ハヤカワノンフィクションはよくチェックします。


羊飼いの暮らし イギリス湖水地方の四季
ジェイムズ・リーバンクス:著/濱野大道:訳/早川書房、ハヤカワ・ノンフィクション文庫/2018


 著者のジェイムズ・リーバンクス氏はイギリスのイングランド北西部、湖水地方で羊飼いをしている。家は、600年続く羊飼いの家系。物心つく頃には、祖父が営む農場の仕事を手伝っていた。父も農場で働いている。
 ジェイムズ氏にとって、農場と羊飼いの仕事が生活のすべてだった。しかし、年齢が上がるにつれて、現実が見えてくる。中等学校では、農場の家の子どもであることはバカにされる理由だった。学校の授業でも、湖水地方や羊飼いの歴史などには触れない。ジェイムズ氏は落ちこぼれ、学校から自ら去った。
 その後は農場の手伝いをしていたが、祖父が倒れ、他界した。祖父の農場を相続すると言うことは、借金など難しい問題を含んでいた。それで父と対立、ジェイムズ氏はそのころ読み始めた数々の本に惹かれ、学問の世界へ自ら向かうことになる。教育センターに通い、大学受験を目指す。それもオックスフォード。ジェイムズ氏はオックスフォード大学に入学する。


 タイトルと表紙カバー写真に惹かれて買った本だが、いい意味で期待を裏切られた。のどかな牧場で羊たちに囲まれ、のんびりとファーマーの生活とイギリスの湖水地方の美しい自然を楽しんでいる…という内容の本ではない。羊飼いの仕事はとてもハード。趣味で飼っているわけではない。生活の糧である。育て、競売に出し稼ぐ。出産シーズンは大変だ。羊飼いの仕事の現実を隠すことなく書かれている。口蹄疫の流行の惨劇もリアルに描かれるし、血が流れることもある。全てそのまま書いている。理想郷のような癒し系の文章よりも、現実をしっかりと受け止め正直に書いている内容に好感を持った。

 農場の男は、本を読むものではない、とこの本で出てくる。本を読むのは仕事を怠けている証拠。本を読む暇があったら働け。羊飼いの男に学問は必要ない、という考え方だ。ジェイムズ氏も、子どもの頃はそんな風に育った。しかし、祖父の死後、父と対立した頃、母方の祖父が遺した本を読み漁るようになる。その本の中に、ウィリアム・H・ハドソン「ある羊飼いの一生」という本があった。その本は、ジェイムズ氏にとってかけがえのない本になる。この本も、その「羊飼いの一生」を意識したのだろう。

 イギリスの湖水地方と言えば、「ピーター・ラビット」のビアトリクス・ポターによるナショナル・トラスト運動がある。学校で習ったのを覚えている。「ピーター・ラビット」などの絵本作家というよりも、ファーマーで自然を保護する活動をした人として知られているそうだ。農場のこともよく知っている。農場を舞台にした絵本も描いている。こんな一節がある
「ポターの作品がいまだ高い人気を誇るという日本では、スミット・マークなどのエピソードは読者にどう受け止められているのだろう?」(380ページ)
絵本よりも、ピーター・ラビットはキャラクターとして愛されている…という日本の現実を申し訳なく思った。
 他にもワーズワースなど湖水地方を描いた作家も登場する。文学方面からのアプローチも出来るのはありがたい。

 オックスフォード大学に進学しても、羊飼いの仕事から離れたわけではない。休みになると湖水地方に戻り、農場を手伝う。大学卒業後、農場に戻ったが、ユネスコ世界遺産センターの「エキスパート・アドバイザー」として観光が地元共同体に利益をもたらす仕組み作りの仕事もしている。インターネットの発達によって、農場の仕事と掛け持ちすることができるようになった。600年続く農場も、新しい変化を受け入れ、また続いていっている。

 羊飼いの仕事は厳しい。でも、羊飼いたちは品評会や競売で勝ち取った賞のプライドを持ち、厳しくも美しい自然の中で羊たちを育てている。オックスフォードで学んだことも、羊飼いの仕事も、自分で選んだ。自分で選んだからこそ、この本に書いてあることは力強い誇りに満ちている。大学を卒業し、戻ってきた時の箇所がいい。
 眼のまえにそびえる湖水地方のフェルを眺め、ついに家に戻ってきたのだと実感した。フェルが友達のように私を取り囲んでいるくれているような気がして、拳を宙に突き上げて叫んだ。「やっと帰ってきたぞ!」
(277ページ)
 目の前にあるものを受け入れ、果敢に人生に挑戦もする。そんな生き方に触れられる本です。文章もすっと入ってきます。

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by halca-kaukana057 | 2018-10-29 22:23 | 本・読書

秋の紫陽花

 アジサイは、梅雨、夏の花。秋になったら枯れるだけ、と思っていたのですが、道端でこんなアジサイに出会いました。
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 元の色は赤っぽい紫色だったのでしょうか。鮮やかな、渋い赤に惹かれました。濃い色のアジサイなら、枯れた時、違う表情を見せてくれているかもしれない。
 街路樹や公園の樹木はそれぞれの色に色づいています。ナナカマドの赤い実も鮮やかです。遠くの山は、晴れていれば紅葉しているのが確認できます。そんな秋の色が好きですが、素敵な秋の色に出会いました。

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by halca-kaukana057 | 2018-10-19 23:05 | 日常/考えたこと

北国の春 2018

 今年の桜は、早咲きになるかと思ったら、咲く直前で気温が低くなり、平年よりは早めだけどそれほど早咲きにならない…と思ったら、桜が咲いたら気温が上がって一気に満開になりました。ソメイヨシノに続くシダレザクラや八重桜も前倒し気味。よくわからない天気に振り回された今年の桜でした。

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まずはソメイヨシノ。のんびりとお花見をしました。

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シダレザクラ。風が強くて撮影が大変でした。(ソメイヨシノが長く楽しめなかったのは強風のせいもある。何故桜が咲くと、強風になるのか)

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八重桜。八重桜は少しの強風でもそんなに散らないので長く楽しめます。

 そろそろ、ライラックやナナカマドの花も咲き始めています。5月、春から夏への間の時期、一番好きな季節です。
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by halca-kaukana057 | 2018-05-10 22:17 | 日常/考えたこと

6月はばらの季節

 南の方は梅雨入りで、アジサイの季節ですが、こちらは6月なのに寒い日が続くこともあります。アジサイはまだ。こちらはばらの季節です。

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 この日、朝寒かったので、朝露がついています。とてもきれいでした。まだこれから咲くバラもあって、まだまだ楽しめそうです。

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 こちらはバラの仲間のハマナス。ハマナスも今が季節です。
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by halca-kaukana057 | 2017-06-12 22:49 | 日常/考えたこと
 写真は撮っているのですが、アップするのをよく忘れます。
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先日咲いていたライラック(リラ)です。今はもう枯れてしまいました。同じ頃、ナナカマドの白い花も咲いていましたが、撮影できず。そう言えば、春の菜の花も撮れずに終わりました。

 春から生活が変わって、まだ慣れません。今は、この生活のリズムに慣れることを優先したいです。読んだ本のこともブログに書きたい…「書きたい」のか…?変化で、色々と不安定です。
 ばたばたしがちな毎日ですが、、自然の移り変わりには目を向けていきたいです。
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by halca-kaukana057 | 2017-05-29 21:55 | 日常/考えたこと

北国の春 2017

 ゴールデンウィーク、皆様いかがお過ごしでしょうか。当地も20度越えの暑い連休です。もう南の方は初夏ですが…当地の春をお届けします。

 まずはソメイヨシノから。
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春は何故か晴れると風が強い。下の2枚は、風で花びらが散り始めていた頃でした。

 もうソメイヨシノは終わり。でも、しだれ桜や八重桜はこれからです。
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 しだれ桜は満開でした。青空に濃いめのピンクの花はとてもきれいです。

 昨年秋からこの春まで、大変なことが次々と起こってバタバタとしていました。ストレスフルな状況が続き、疲労困憊していました。ようやく落ち着き始めて、春の桜を愛でる余裕も出てきました。桜だけでなく、菜の花も咲いています。樹木の若葉も鮮やかです。
 これから、初夏に向けての季節が一番好きです。初夏に向けてのこの季節を楽しもうと思います。
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by halca-kaukana057 | 2017-05-04 21:21 | 日常/考えたこと
 図書館でシャーロック・ホームズやシェイクスピアについて調べていたら、イギリスの文化や自然・風習のことも調べ始めて、この本を読んでいました。

イギリス四季暦 春夏篇
出口保夫:文、出口雄大:イラスト/中央公論社・中公文庫/1997

 3月から8月が春夏篇、9月から2月が秋冬篇と2冊に分かれています。優しい色遣いのイラストと、イギリスの四季の自然やイギリスの人々の生活風景が書かれています。

 北欧、特にフィンランドに興味を持って、その自然や人々の暮らし、文化などに惹かれてきましたが、イギリスも惹かれる。イギリスも北欧とはまた違う(同じ北欧でも緯度の範囲は広いので、国・地域によって違いはあります)。日本よりも北にあり、北国に属するイギリス。北国生まれ北国育ちの私が惹かれないわけがなかった。日本の北国とは違いはありますが、季節の変わり方や植物などに共通点もあるなと感じました。

 ロンドンらしいのは、雨と霧。傘よりもレインコート。紅茶の話がよく出てきますが、雨が多く涼しいので、あたたかい紅茶文化が浸透しているのかなと思いました。あくまで予想です。北欧もコーヒー消費量が多い。読んでいると、あたたかいミルクティを飲みたくなります。ちゃんと淹れたものを(うまく淹れられない…)

 イギリスの文化や暮らし、季節の風習はキリスト教に基づいている。ここはやはりヨーロッパなんだなと感じた。クリスマスだけでなく、イースター(復活祭)や11月のハロウィンも。クリスマスとイースターは期間と規模が違います。

 自然では鳥のこともよく書かれています。ロンドンは大都市ですが、ハイド・パークなどの大きな公園もあり、緑も多い。人々の暮らしは主にロンドンのことが書かれていますが、スコットランドのことも。冷涼な荒野にヒースが茂る様を想像してしまいました。印象的だったのが、春夏篇では「ちいさな紳士の贈り物」、秋冬篇では「フォート・ウィリアムの宿」やはり人との触れ合いは心に残ります。

 薄めの文庫本なのでさらっと読めます。もう少しイギリスの文化についても書いてあったらいいのになと思いましたが、9月のところにプロムナード・コンサート、つまりBBCプロムスのラストナイトコンサートのことも書いてありました。今とは雰囲気や構成が違うような…?過去の映像を観ても今とそんなに変わらないと思うのだが、文章でしかないので何とも。

 イギリス文化入門書という感じです。やっぱり淹れたてのミルクティが飲みたいです。
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by halca-kaukana057 | 2016-09-28 23:08 | 本・読書
 今日は新しい祝日「山の日」。記念切手も昨日出ましたよ。
日本郵便:特殊切手「山の日制定」の発行

 この暑い夏は涼しいところに行きたくなりますね。山の朝のひんやりとした空気を思うと爽やかになれます。切手には、大雪山(旭岳)、岩手山、槍ヶ岳、大山、くじゅう連山がデザインされています。さらに、高山の植物や動物も。これも、夏のお便りに合う切手のように感じます。

 特印です。
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 今回の特印は16日までやってます。
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by halca-kaukana057 | 2016-08-11 22:31 | 興味を持ったものいろいろ

ばらの季節 2016

 今年もバラの季節がやって来ました。数日前から寒くて、咲いているかなぁ…と思いましたが、咲いていました。
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雨上がり、雨粒がついています。雨粒つきのばらはさらにきれいと感じます。雨の後でラッキーでした。

 写真は撮れませんでしたが、バラの仲間のハマナスも咲いていました。初夏、梅雨の前(当地はまだです)の色鮮やかな季節です。
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by halca-kaukana057 | 2016-06-05 22:03 | 日常/考えたこと

海とドリトル 4 [最終巻]

 これまた何月に買って読んだんだっけ…という漫画の感想を…。


海とドリトル 4 <完>
磯谷友紀/講談社・KC KISS/2016

 大学4年の夏。烏丸研は毎年恒例のフィールドワークへ。その前に、七海はクジラにロガーを付ける時の捧を改良したいと考えていた。ロガーを付ける際に過って海へ落ちてしまった経験から、安全に確実にロガーをつけられるようにしたいと棒や吸盤を研究室に入りびたりで試していた。そんな七海を研究者向きだと見ていた烏丸。そして、卒論前の小笠原でのフィールドワークが始まった。七海はあのマッコウクジラに出会いたいと願っていた…。


 いよいよクライマックスです。七海の大学生としての研究もクライマックス。卒論へ向けて、フィールドワークが始まります。ロガーを安全に効率よくクジラにつける方法・仕組みを考え、試していた七海。研究者は調べるための道具も作らなければなりません。でも、それも楽しいと取り組む七海。烏丸先生が研究者向きだと思うのも頷けます。改良ロガー付け捧も見事完成。大活躍です。

 一方、七海と戌飼の関係…こうなりましたか…。離れてしまっては、恋よりも研究。2人にとってはこれでよかったのかもしれません。その後の七海ですが、ネタバレになるので書けません。そう来るか!そう来たか!?驚きでした。4巻はそれが大きな柱となってくるのですが、ネタバレになるので書けません。

 烏丸先生の子どもの頃の回想が興味深かった。研究の第一歩は、相手を知りたい、それが何なのか知りたいという気持ちから始まるのだろう。

 海洋生物研究の道に進んだ七海。烏丸先生や陸男さん、戌飼さんも。海洋生物研究は「観察すること」が第一。普段は見えないものを見たい。より詳しく観察するために、クジラや海鳥にロガーをつけ、ウミガメを飼育する。じっくりと見て、その生物が何をしているのか、何のためにそのような行動をとっているのか、観察するうちにその生物に思い入れも出てくる。七海が出会ったあの大きなマッコウクジラのように。観察することに感情は必要か。必要かもしれないし、余計な思い入れは必要ないのかもしれない。でも、長く見ていくうちに思い入れも出てくる。その生物の行動がよりわかった時、愛着も沸くかもしれない。その生物を面白いと思って見ている時点で既に、何らかの感情を持っているのかもしれない。例えば、研究対象のクジラが恋人というように。

 その観察したい、よく見たい、よく知りたいという感情は、人間が相手でも当てはまるのだろう。面白いヤツだと興味を持って、その人の行動を見ているうちに、どんどん気になり、「好き」になっている。恋愛感情に繋がることもある。恋愛感情も、相手をよく知りたい、ずっと見ていたいという感情が働く。そして、その人の新たな面や、好きだと思っている面を見て、より愛しいと思う。行動生物学と恋愛感情は似ているのかもしれない。

 卒論も無事に提出し卒業、そして更なる研究者への道へ進んだ七海。1巻で落ち込んで、行き場を見失っていた七海が、自分の道を見出した。物語は終わってしまうが、七海や陸男さんのように研究者の道を進んでいる学生さんは沢山いる。彼らの学問の道が喜びあふれるものであればと思う。

 番外編は川名さんと陸男さんのお話。川名さんの父は厳しい研究者の道をあきらめてしまった。川名さんはそんな父のことを見ているので、七海たちとは立ち位置が違う。でも、親子で新しい道を見出したよう。陸男さんは烏丸研のお母さん的存在だと思っていたら、そんな面があったのですか…。これも面白い。

 海洋生物研究を舞台にした、面白い漫画でした。ありがとうございました!

・3巻:海とドリトル 3
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by halca-kaukana057 | 2016-05-10 22:05 | 本・読書

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)
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