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 昨日の記事:Hyvää itsenäisyyspäivää!
フィンランド独立記念日に、フィンランド国営放送・YLEのラジオ YLE Klassinenでフィンランドの作曲家の音楽特集をしていたのですが、その時、フィンランド国歌(Maame)と同じ歌詞なのに、定められているフィンランド国歌とは違うメロディーの歌が流れた、という話をしました。あれは何だったんだろう…調べました。

 まず、演奏者から当たってみる。昨日のYLE Klassinenの番組表。
YLE Areena:YLE Klassinen:Päiväklassinen
Isänmaallisia lauluja. (Polyteknikkojen Kuoro/Tapani Länsiö ja Kaartin Soittokunta/Elias Seppälä).
 この曲集です。「フィンランド愛国歌」(ポリテク合唱団、タパニ・ランシオ、 Kaartin Soittokunta,エリアス・セッパラ)。これはCDなのか?探してみました。

 案外、簡単に出てきました。
◇ポリテク合唱団の公式サイト:Polyteknikkojen Kuoro : Suomelle – isänmaallisia lauluja
Discogs : Polyteknikkojen Kuoro, Tapani Länsiö, Kaartin Soittokunta*, Elias Seppälä ‎– Suomelle - Isänmaallisia Lauluja
 CDの詳細について英語で書いてあります。ポリテク合唱団の自主レーベルのようです。
Spotify : Suomelle - Isänmaallisia Lauluja / Polyteknikkojen Kuoro
 Spotifyにあります。アカウントがあれば無料で聴くことができます。フィンランドの愛国歌を集めたCDです。シベリウスの「アテネ人の歌(Ateenalaisten Laulu)」op.31-3、「祖国に(Isänmaalle)」JS98a、「フィンランド狙撃兵行進曲(Jääkärimarssi)」op.91a、「フィンランディア賛歌」、オスカル・メリカントやトイヴォ・クーラの作品もあります。
 このCDの3曲目。「Maamme(我らの地)」という曲です。タイトルは、フィンランド国歌と同じ。作曲は、ユーハン・ルードヴィーグ・ルーネベリ(Johan Ludvig Runeberg)、フィンランド国歌の作詞者です。定められているフィンランド国歌の作曲者はフレデリック・パーシウス(Frederik Pacius)。

YouTubeにもありました。
Maamme (Runebergin sävelmällä)
 CDと同じ、ポリテク合唱団の歌です。パーシウスの方は高らかに、堂々とした感じがありますが、ルーネベリの曲はやさしい感じがする。パーシウス作曲のフィンランド国歌も好きですが、ルーネベリ作曲のもいい歌です。

 フィンランドで、ルーネベリ作曲の方はどう扱われているのだろうか。フィンランド第二の国歌と言われるのはシベリウスの「フィンランディア(讃歌)」。検索しても、圧倒的にパーシウスの方が出てきます。フィンランド語で検索できれば、もっと出てくるのかもしれない。

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by halca-kaukana057 | 2018-12-07 22:04 | フィンランド・Suomi/北欧
 よく、本屋で見かけて面白そうと思ったのに、手持ちがなかったとか様々な理由でその時はその本を買えず、そのまましばらく経ってしまった…ということがよくあります。この本もそう。


音楽嗜好症(ミュージコフィリア): 脳神経科医と音楽に憑かれた人々
オリヴァー・サックス:著 / 大田直子:訳 / 早川書房、ハヤカワ・ノンフィクション文庫 / 2014

 このブログに書いてある通り、私は音楽が好きだ。毎日のように、何かしら音楽を聴いている。聴きたいラジオやオンデマンドがあればそれを聴く。テレビのクラシック番組(主にEテレ「クラシック音楽館」)も観る、聴く。買ったばかりのCDや、何度も聴いてお気に入りのCD、音楽配信サービスも使っている。コンサートも興味のあるものがあれば行く。聴くだけじゃなくて、声楽のレッスンに通って歌っている。声楽を始める前は、子どもの頃中途半端に習ったピアノを弾いていた。クラシックだけでなく、様々なジャンルの音楽を聴いている。
 何故そんなに音楽が好きなのか。聴いてしまうのか。私自身にもわからない。別に家族が音楽好きで音楽に詳しかった、というわけでもない。むしろ音楽はあってもなくてもいい環境。子どもの頃から音楽は好きではあった。でも、ピアノは練習嫌いで苦手だったし、音楽の授業でも成績はすごくよかったというわけではない。ただ、音楽が好き、というだけだ。

 この本の著者のオリヴァー・サックスさんは、イギリス生まれのアメリカの脳神経科医。数多くの患者の中には、音楽に様々な反応をする人が少なからずいる。そんな患者たちの音楽との関係について、脳科学、脳神経学の面から書いた本…と書くと難しそうに思えます。実際、本を店頭でちょっとペラペラとめくってみた時には、文字もギッシリ、ページも多い、脳神経学って難しそう?と思いました。しかし、読んでみると面白い。どんどん読み進めてしまう。サックスさんの文章もユーモアたっぷりで面白いし、患者たちの様々な症例に頷いたり、驚いたり。冒頭で、アーサー・C・クラークのSF小説で、音楽と地球の人類について宇宙人が理解できないという話を出していたが、人間にとって音楽とは何なのだろうと、読んでいるうちにどんどん謎が深まってしまう。

 よく、音楽は心を癒す、という。私も音楽に癒される、慰められることはよくある。癒されたい時、慰められたい時はこの曲を聴く、と決まっている。この本でも、様々な病気は持っているけれども、癒されるどころではなく、音楽に助けられている患者の症例があげられている。脳の障害を持ってしまい、記憶することができない、記憶を失ってしまった人だが、バッハのピアノ曲を演奏することや、合唱で歌うことはできる、と。うまく話せない障害の人が、言葉にリズムやメロディーをつけるとうまく話せるようになる。言葉の意味はわからないが、その言葉を意味する歌なら歌える(例えば、クリスマスの意味はわからなくても、クリスマスソングは歌える)。音楽が言語のような役割を果たしている。

 一方で、音楽が生きる上で妨げになってしまうこともある。脳を怪我したり、脳卒中などの病気にかかったあと、それまで楽しめていた音楽が楽しめなくなってしまった、感動することがなくなってしまったという例がある。脳の病気で、元の音楽と音程がずれて聞こえてしまうようになってしまった人もいる。さらには、特定の音楽を聴くと、発作を起こして倒れてしまう、てんかんの発作が起きてしまうという非常に困った例もある。よく、特定の音楽が脳内エンドレスリピートしている、というのもよく聴くが、脳内でただ単に鳴っているのではなく幻聴として聞こえていて、それが止まらない、止められないことも困った一例だ。完全な失音楽症になると、音楽を音楽として認識できなくなる。どんなに簡単なメロディーでも、それを何度聞いても、その曲だと認識できないのだそうだ。こうなると怖くなってくる。
 音楽と脳の関係で、絶対音感や、共感覚のエピソードもある。更には、2000曲のオペラを正確に記憶しているという例もある。とてつもない。

 この本が面白いのは、その症例の場合、脳のどの部分がどのようなはたらきをしているかについて解説している。脳科学、脳神経医学に詳しくなくても、分かりやすく読みやすく書いている。音楽を感じるのは耳だが、それを処理するのは脳。人間の脳は、音楽にポジティヴにもネガティヴにも反応してしまう。音楽は脳から生まれたのか、脳があるから音楽が生まれたのか…ニワトリとたまごみたいな話も思ってしまう。脳の複雑さに驚き、音楽を聴くということも単純なことではないとこの本を読んで思う。音楽は芸術でもあるし、科学でもある。医学でもある。音楽と脳により興味を持つとともに、音楽というものがますますわからなくなる本でもある。
 もう一度書く。人間にとって、音楽とは何なのだろう。こうなると脳科学ではなく哲学になってしまう。でも、脳にとっても、音楽は単純なものではない。いつもは、何かしながら音楽を聴いていることも多いし、音楽を聴きながら眠ってしまうこともある。そんな適当な向き合い方ではなく、もっと音楽に正面から…正面だけで無く、様々な面から向き合おうという気になる。音楽が何なのか、謎は深まるばかりだが、音楽により魅了されることは確かである。私も「音楽に憑かれた人」のようだ。

 この本の中で、オリヴァー・サックスさんの他の著書も登場します。「火星の人類学者」「妻を帽子とまちがえた男」(どちらもハヤカワ・ノンフィクション文庫)など。他の著作も読みたくなりました。

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by halca-kaukana057 | 2018-09-18 22:09 | 本・読書
 今年のBBC Proms (プロムス)で、マーラー「交響曲第8番」が演奏されました(Prom11、トーマス・セナゴー:指揮、BBCウェールズ交響楽団 他)。マーラーの交響曲は、少しずつお近づきになっている途中。声楽・合唱付き作品は好きです(声楽なしの作品なら、1、5は好き。6,7番は少しずつ聴いている。9番以降はまだまだこれから)。が、8番はその規模の大きさゆえ、敬遠していました。「千人の交響曲」ってどんな曲だ?と、思っていたのですが、プロムスで演奏された8番を聴いて、声楽も合唱も、オーケストラもきれいな作品だなぁと感じました。これは思ったよりもお近づきになりやすいかも。プロムスの他にも、世界各地…というよりは北欧のオーケストラが立て続けに8番を演奏。オンデマンド配信もあります。これは聴くしかない。

 まずは、スウェーデン。ハーディング指揮、スウェーデン放送響。
Sverigesradio : P2 Live : Östersjöfestivalen: Mahlers åtta
タマラ・ウィルソン、イーダ・ファルク・ヴィンランド、Hanna Husáhr (ソプラノ)
カレン・カーギル(メゾソプラノ)、アンナ・ラーション(アルト)
サイモン・オニール(テノール)、クリストファー・モルトマン(バリトン)、 Shenyang(バス)
スウェーデン放送合唱団、エーリク・エーリクソン室内合唱団、ミカエリ室内合唱団、聖ヤコブ室内合唱団、
アードルフ・フレードリク・ユース合唱団
ダニエル・ハーディング指揮、スウェーデン放送交響楽団
(「Chorista samt Adolf Fredriks kyrkas diskantkör och ungdomskör」とあるのですが、訳しきれず、すみません。「アードルフ・フレードリク・ユース合唱団」の「Adolf Fredrik Ungdomskör」に、多分ボーイソプラノ?の合唱団が一緒になっている模様???スウェーデン語は詳しくない…。)
 9月22日ごろまでオンデマンド配信しています。

 次はお隣フィンランド。リントゥ指揮、フィンランド放送響。
◇ラジオ音声:YLE Areena : Konsertteja : "Tuhannen sinfonia" avaa RSO:n Mahler-sarjan
◇映像:YLE Areena :RSO Musiikkitalossa : RSO:n konsertti: Mahler-sarjan aloittaa Sinfonia nro 8
カミッラ・ニュルンド、アヌ・コムシ、ヘレナ・ユントゥネン(ソプラノ)
リリ・パーシキヴィ、Tuija Knihtilä(メゾソプラノ)
トゥオマス・カタヤラ(テノール)、スティーヴン・ガッド(バリトン)、ミカ・カレス(バス)
ヘルシンキ・ミュージックセンター合唱団、カンピン・ラウル室内合唱団、Spira Ensemble、タピオラ室内合唱団、
ヘルシンキ大聖堂少年合唱団(Cantores Minores)
ハンヌ・リントゥ:指揮、フィンランド放送交響楽団
 ラジオ音声は後10日、9月23日頃まで。映像はしばらくの間観られます。

 マーラー作品というと、どこかしら暗く陰鬱で、重苦しいかと思いきや、美しいメロディーがあったり、高らかなファンファーレに、壮大に鳴り響くというイメージ。ホルンをはじめとする管楽器はベルアップをして、鞭やハンマーも楽器になる。編成がとにかく大きい。そんなイメージ。8番も、冒頭はオルガンもあり、合唱とオーケストラが一斉に鳴り響く。とても華やか。だが、他の作品にある陰鬱さ、重苦しさが感じられない。空の高みをただ見ているような美しさ。声楽ソロも本当に美しい。マーラー作品の中で、8番はちょっと違うなと感じました。

 構成はというと、第1部はラテン語賛歌「来たれ、創造主たる聖霊よ」から歌詞が取られています。こっちの方が長い第2部はドイツ語で、ゲーテの「ファウスト」第二部から最後の場が取られています。キリストの救済、第2部では愛と浄化を歌っている。交響曲というよりは、オラトリオ、カンタータのよう。そこが、私にとって親しみやすかったのかもしれない。作曲した頃、マーラーはウィーン宮廷歌劇場の指揮者を辞任、愛娘が亡くなり、マーラーも心臓病の診断を受けるなど、辛い立場にあったが、少し年月を置いた初演は大成功。まだマーラーの伝記を読めていないので、もう少し詳しい背景はわからないままですが、6番や7番とは雰囲気が随分違うなと思います。音楽に何かを求めていたのかなぁ…?(推測です)

 スウェーデン放送響のほうは、さすが合唱大国スウェーデン。合唱がすごい。演奏後、曲名はわかりませんがアンコールらしき無伴奏合唱が入っています。フィンランド放送響の方は映像でも観られるのがありがたい。合唱団がいっぱいですね。第2部のラストをじっくりという感じ。どちらも、第2部のテノールのソロが印象に残りました。「マリア崇敬の博士」という役になっているらしい。

 困ったのは、オンデマンド配信には、CDのトラックに当たるものがないので、どこを演奏しているのかの目印がないこと。CDを1枚買った方がいいなぁ。ナクソス・ミュージック・ライブラリーはトラック間に空白ができてしまう。Spotifyは空白はないけど、無料会員なのでPCじゃないとトラック順に聴けない(そのうち、ナクソス・ミュージック・ライブラリーとSpotifyのクラシックでの比較をやろうと思います)。
 聴かずに苦手意識を持っていた作品ですが、聴いてみたらよかった。まだまだわからないことがあるので、色々と聴いてみようと思います。

・プロムスの記事:BBC Proms ( プロムス ) 2018 私選リスト その1 [7月] [随時追記中]
 プロムスは既にオンデマンドは終わってしまったのが残念。
・過去関連記事:マーラーを語る 名指揮者29人へのインタビュー
 8番について語っている指揮者はいたかな?再読。
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by halca-kaukana057 | 2018-09-13 23:08 | 音楽
 先日、青森県立美術館「めがねと旅する美術展」について書いたのですが、この夏はもう1回青森県美に行ってきました。シャガールの背景画「アレコ」を展示しているホール・アレコホールで定期演奏会を開いています。その演奏会に行ってきました。
(去年も行ったのですが、記事を書けず。いいコンサートだったんですが、文章力気力その他諸々不足+スランプのため。
演奏会はこれ→アレコホール定期演奏会2017「Incontro」)

青森県立美術館:アレコホール定期演奏会2018「Attitude~2台の弦楽器とピアノで紡ぐ音の絵~」

 弦楽器2台とありますが、チェロの数え方は「挺」だよなぁ…?

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 演奏会は夜。夕方、青森県美へ。ライトアップされていて、昼間とは雰囲気が違う。

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 開演前。アレコ背景画は今なら撮影可です。改装中のフィラデルフィア美術館から長期貸与されている第3幕を背景に、ピアノとチェロの椅子が置かれていました。

 プログラムはこちら。
・ハイドン:バリトン二重奏曲 ト長調 Hob.XII:4
・マルティヌー:ロッシーニの主題による変奏曲
・ガスパール・カサド:無伴奏チェロ組曲 第1曲 Prelude - Fantasia
・ヴィヴァルディ:2台のチェロのための協奏曲 ト短調 RV531
・ダーヴィト・ポッパー:2台のチェロのための組曲 op.16 より第1,4曲
・ドビュッシー:アラベスク 第1番 ホ長調
       :水の反映
・ヘンデル:2台のチェロとピアノのためのソナタ ト短調 op.2-8
  / 藤沢俊樹、村上智美(チェロ)、村田恵理(ピアノ)

 ドビュッシーはピアノソロ。ハイドンはチェロ2艇。マルティヌーはピアノとチェロ1挺。カサドはチェロソロ。後はピアノとチェロ2挺でした。この編成の演奏会には行ったことが無い。ネットラジオやCDでも聴いたことがない。ドビュッシー以外は知らない作品ばかりで、この作曲家がこんな作品を書いていたのかと感心するばかりでした。

 ハイドンの「バリトン」とは、声楽のバリトンではなく、弦楽器のバリトン。ヴィオール属の古楽器。「ヴィオラ・ディ・ボルドーネ」とも言うそうです。ハイドンのパトロンだったエステルハージ候がバリトン奏者で、ハイドンに作曲させたとのこと。今はとても珍しい楽器で、演奏するのもとても難しい。楽器のバリトン、見て聴いてみたいなぁ。ハイドンの作品だとすぐわかる、楽しい作品でした。

 チェロ2艇を、作品の中でどう扱うか。チェロはソロでも聴かせるし、オーケストラでも、室内楽でも欠かせない存在。そんなチェロが室内楽で2艇あったらどうするか。片方が演奏していたメロディーを、今度はもう片方が弾いている。同じメロディーを一緒に演奏すると、普段の室内楽とは違う厚みがある。そんなチェロ同士の受け渡しが楽しく感じました。同じチェロでも、演奏者が違うから音色、音の食管が微妙に違うのもいい。チェロは、明るい音もいいし、短調の暗い箇所、哀愁漂う箇所はチェロが合う。艶のある音、落ち着きのある音、寂れた音。チェロの様々な面を聴けました。
 ピアノも、チェロを引き立て、ピアノならではの澄んだ音で引っ張る。ソロのドビュッシーも、きらきらと揺らめきうつろう音色を楽しめました。

 アンコールはこちら。
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 順序はシューベルトの方が先でした。シューベルトはチェロ2艇とピアノ。ジャン・バリエールはチェロ2艇。バリエールは、検索するとこのタイトルではいくつかの作品がヒットしてしまう。私の記憶では、多分第4番のト長調のソナタだと思います(自信はない)

 青森県美の演奏会については、以前も聴きに行ったのを書いたのがあります。
美術館でコンサート
 この時は、聴衆席は椅子を並べただけで、後ろの席だと演奏者が見えない状態だった。現在は、ひな壇を用意して、そこに椅子を並べているので、後ろに座っていても演奏者は見えます。ひな壇は結構大きいです。その大きなひな壇を設置できるアレコホールの大きさを感じました。
 この時は、BBCプロムスの真っ最中。毎日オンデマンド音源を聴いていましたが、生音は違いますね。室内楽というのもよかった。

その見ているものは何なのか 「めがねと旅する美術展」
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by halca-kaukana057 | 2018-09-08 22:25 | 音楽

無伴奏ソナタ [新訳版]

 あらすじを読んで気になって、しばらく前に買って、積読にしておいた本です。そろそろ読もうかなと。


無伴奏ソナタ 新訳版
オースン・スコット・カード:著、金子浩、金子司、山田和子:訳/早川書房、ハヤカワ文庫SF/2014


 異星人に攻撃されている地球。11歳のエンダー・ウィッギンズはバトル・スクールの指揮官。竜(ドラゴン)隊を率いている。指揮官たちの中では最年少だが、戦闘では連戦連勝、成績はずば抜けて優秀だった。そんなエンダーを、大人の大尉や中尉たちは…「エンダーのゲーム(短編版)」。
 生後6ヶ月でリズムと音程への才能を認められ、2歳で音楽性、創造性の天才と評されたクリスチャン・ハロルドセン。両親と離れ、森の中にある一軒家で、自然の音や鳥のさえずりだけを聴いて過ごし、「創り手(メイカー)」として特殊な「楽器」を使って作曲するようになった。何十年も経ったある日、クリスチャンの前にある男が現れ…「無伴奏ソナタ」他11編。


 オースン・スコット・カードは著名なSF作家だそうですが、私は何も知らずに読みました。あらすじを読んで気になっていたのが、表題作の「無伴奏ソナタ」。音楽が題材の作品であることはあらすじからわかったのですが、読んで、まさかこんな作品だとは思いませんでした…いい意味です。私たちは生まれてから、様々な音に囲まれて暮らしているし、沢山の音楽も聴こうとしなくても耳に入って来る。それを、シャットダウンできたら…? これまでの歴史で、作曲家が他の作曲家に師事していたり、尊敬していたり、影響を受けたりするというのはいくらでもある。そういうのが一切なかったら?そして、音楽を創るな、演奏するな、歌うな、と禁止されたら?優れた音楽の才能がなくても、音楽がないのは退屈だ。演奏したり歌ったりできないのもつまらない。体調不良で一時そんな状態だったのですが、少しでもよくなってくると音楽を聴きたくなる。歌いたくなる。私のような凡人でさえもそうなのだから、優れた音楽の才能のあるクリスチャンにとっては、もっと自然なことだろう。クリスチャンが出会う街の人々もそうだ。ちょっと音程が外れていても、音楽を奏でずにはいられない。最後のギターで歌う少年たちのシーンがグッと来る。クリスチャンの音楽は、何があってもクリスチャンの音楽なのだと。

 11の短編集ですが、どれも面白かった。「エンダーのゲーム」はワクワクして、エンダーやビーンの成長が面白くてたまらない。のに、最後、そういう展開になるとは…!「王の食肉」「磁器のサラマンダー」は、最初、これもSF?と思ったが、見事にSFでした。不条理で、グロテスクな作品も少なくないので、そういう作品に慣れていない私には辛い表現もありましたが、面白い。「深呼吸」「四階共有トイレの悪夢」「解放の時」はホラーっぽくもある。「四階~」は完全にホラーですこれ。「死すべき神々」も面白かった。こういう異星人とのコンタクトがあっても面白い。

 どの物語も、面白いけれども、根底にかなしげな雰囲気が漂っている。「無伴奏ソナタ」の「シュガーの歌」のように。地球は、宇宙は、歴史は人間の力ではどうしようもできない。できないけれども、その時の人々が「よりよく」生きようと毎日を過ごしている。科学技術を駆使したり、宇宙へ出て行ったり、最悪な状況を避けようと逃げたり。人間はなんてちっぽけで、どんな優れた才能や能力を持っていて何かを成し遂げても、不条理なことが待っていたりする。それがわからなくても、わかっていても、毎日を生きる。人間は不思議な生き物だとも思う。

 こんな多彩な作品を創造するオースン・スコット・カードがSFの名手というのも納得できました。いいSFを読みました。
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by halca-kaukana057 | 2018-06-30 21:49 | 本・読書
 今日、12月6日はフィンランドの独立記念日。独立したのは1917年。今年で100年です。Hyvää itsenäisyyspäivää! 100年目の独立記念日おめでとうございます!!
 この後、日本時間22時(フィンランドは15時)からリントゥ指揮、フィンランド放送交響楽団の独立記念日コンサートがYLEで放送されます。後日オンデマンド配信もあるので、後でゆっくりでもどうぞ。
◇映像:YLE Areena:TV:RSO Musiikkitalossa
Itsenäisyyspäivän konsertti

◇ラジオ:前半:YLE Areena:Radio:Konsertteja Radion sinfoniaorkesterin itsenäisyyspäivän konsertti
後半:YLE Areena:Radio:Konsertteja Radion sinfoniaorkesterin itsenäisyyspäivän konsertti
 前半はロッタ・ヴェンナコスキ、マグヌス・リンドベルイの作品。後半はシベリウス:クッレルヴォです。

 フィンランド各地では、スオミブルーのライトアップがあちこちで行われています。昨日、5日からコーヒーで乾杯したり、6日は祝日でお店はお休み(100年記念でやっているところもあります)前に買い物をしたり…。100年に一度のお祭りです。
 フィンランドの様子は、フィンランドYLEの動画配信でも観られます。
YLE Areena:TV:Suomi Finland 100

 さて、私もフィンランド独立100年をお祝いします。今年に入ってから、こぎん刺しを始めました。津軽地方に伝わる伝統的な刺し子。教えてもらう機会があり、それ以来少しずつですが刺して、小物を作っています。無心で刺している間は楽しいです。
 こぎん刺しの本を見ていたら、フィンランド国旗のような図案があったので、それを刺してみました。
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 コースターです。でも、縦と横の比率が何か変…。違う…。
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 下を折るとちょうどいい…。
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 これじゃあんまりなので、もうひとつ作りました。ひもをつけてオーナメント。ピンクッションにもなります。こちらは縦の横の比率はおかしくないです。
 フィンランド国旗がシンプルなデザインでよかったです…。

 独立100年を記念して、こんな企画も。
Apocalyptica - 'The Symphony Of Extremes' (Official Video)
 フィンランド政府観光局が、フィンランド人のDNAをもとに、音楽をつくろうという企画をスタート。フィンランドは東西の境界線にあり、DNAも多様なのだとか。作曲はApocalyptica(アポカリプティカ)のエイッカ・トッピネン。アポカリプティカによる演奏、そしてこのビデオ。とてもカッコイイです。

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 ケーキを買ってきてお祝いしました。素晴らしい独立記念日になりますように!!

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by halca-kaukana057 | 2017-12-06 22:26 | フィンランド・Suomi/北欧
 8月も毎日絶賛開催中のBBC Proms(プロムス)。8月前半の演奏会(プロム)の私選リストです。
・7月:BBC Proms(プロムス)2017 私選リストその1 [7月]
・8月 前半:BBC Proms(プロムス)2017 私選リストその2 [8月 前半]

 今回も、各プロムのリンクはプロムス公式サイトを貼りますが、実際聴く時はBBC radio3のサイトの方が便利だと感じます。前回も書きましたが、昨年まであったプロムス公式と、radio3の放送回のリンクが今年はなくなってしまいました…。radio3の放送一覧のページを以下に貼っておきます。
BBC Radio3 : BBC Proms : Available now

 今年は高音質録音が昨年よりも増えています。radio3の各放送回にリンクがありますが、一覧もありますのでこちらもどうぞ。イヤホン、ヘッドホン(普通のヘッドホンで構いません)で、臨場感のある演奏をお楽しみください。
BBC : BBC Proms in Binaural Sound
◇詳しいことはこちら:BBC Taster : BBC Proms in Binaural Sound
 このページの「Inside Story」に高音質で配信予定のプロムの記述があります。

 では、8月後半の公演を見ていきましょう。

◇8/16 Prom 42: Les Siècles and François-Xavier Roth
 ・サン=サーンス:黄色い王女(La princesse jaune)序曲
 ・レオ・ドリーブ(Léo Delibes):ラクメ(Lakmé)のバレエ音楽
 ・サン=サーンス:ピアノ協奏曲 第5番 ヘ長調 op.103「エジプト風」
 ・フランク:ジン(鬼神)(Les Djinns)
 ・ラロ:ナムーナ(Namouna) 第1組曲、第2組曲
 ・サン=サーンス:サムソンとデリラ より バッカナール
 /セドリック・ティベルギアン(P)、フランソワ=グザヴィエ・ロト:指揮、レ・シエクル(Les Siecles)
 フランストリオによる、フランスプログラムです。サン=サーンスが多めです。ピアノ協奏曲以外はバレエ音楽です。聴いたことがあるのは、サン=サーンスのピアノ協奏曲のみ…。他はどんな音楽なんだろう。
 ピアノのティベルギアンさんは秋に来日予定のだそうですね。
【追記】1曲目の「黄色い王女」とは、日本人のことらしいです。

◇8/17 Prom 43: Saint-Saëns – ‘Organ’ Symphony
 ・ファリャ:恋は魔術師
 ・ラロ:スペイン交響曲(ヴァイオリン協奏曲 第2番) op.21
 ・サン=サーンス:交響曲第3番 ハ短調 op.78 「オルガン付き」
 /ステファニー・ドゥストラック(Stephanie d' Oustrac)(メゾソプラノ)、ジョシュア・ベル(Vn)、キャメロン・カーペンター(オルガン)、シャルル・デュトワ:指揮、ロイヤル・フィルハーモニック管弦楽団
 今度は前半がスペインもの、後半はまたサン=サーンス。ラロのスペイン交響曲、名前に惑わされて、そう言えばヴァイオリン協奏曲だった…といつも思い出します(紛らわしい)。指揮はデュトワさん。サン=サーンスのオルガン交響曲は、いつか生で聴いてみたい曲です。オルガンを聴きたい。

◇8/18 Prom 45: Mahler – ‘Resurrection’ Symphony
 ・マーラー:交響曲第2番 ハ短調 「復活」
 /エリザベス・ワッツ(ソプラノ)、エリザベート・クールマン(メゾソプラノ)、The Bach Choir、BBCシンフォニーコーラス、サカリ・オラモ:指揮、BBC交響楽団
今年はファーストナイトを振らなかったBBC響首席指揮者のオラモさんが今年のプロムス初登場です。マーラー2番、印象的な歌詞の独唱と合唱が楽しみです。頻繁には聴かない(長くて敬遠する(汗)徐々にマーラーにお近づきになってきているので、さらに親しみたいです。
 オラモさんとBBC響、来年3月の来日が決定しました。
【追記】この演奏を、5月に亡くなられたBBC響前首席指揮者、イルジー・ビエロフラーヴェクさんに捧げるとのこと。演奏前に、オラモさんの追悼スピーチがあります。Prom54のフルシャさんのチェコプログラムとともに、ビエロフラーヴェクさんの思い出があちこちで…(涙

◇8/20 Prom 49: Bach’s St John Passion
 ・J.S.バッハ:ヨハネ受難曲 BWV245
 /ニコラス・マルロイ(エヴァンゲリスト)、マシュー・ブルック(イエス)、ソフィー・ベヴァン(ソプラノ)、ティム・ミード(カウンターテナー)、アンドリュー・トーティス(テノール)、コンスタンティン・ヴォルフ(バス)、ジョン・バット(ハープシコード、指揮)、ダンディン・コンソート(Dunedin Consort)
 「Proms Reformation Day」の3つ目の公演です。今年は、ルターにはじまる宗教改革から500年。ルターは信仰を身近にしようと、ドイツ語の賛美歌をつくります。バッハのカンタータや受難曲、ミサ曲もその流れにあるもの…西欧音楽とキリスト教の歴史、カトリックかプロテスタントかは切っても切れない話。ちゃんと理解できていないこともありますが、少しでも理解して、聴く…ただ癒される、敬虔な気持ちになる、だけでは足りないのかな…とルターとバッハについて調べながら考えました。普段声楽曲、宗教曲を聴く時は、歌詞を見ない、見てもどこを歌っているのかわからないので見ても仕方ないと思っているのですが、聴く前に大体どんな歌詞なのかは頭に入れておこうと思います。

◇8/21 Prom 50: Beethoven, Stravinsky and Gerald Barry
 ・ベートーヴェン:レオノーレ序曲第3番 op.72b
 ・ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ調(ニ長調)
 ・ジェラルド・バリー:Canada (世界初演)
 ・ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調 op.67
 / リーラ・ジョゼフォヴィッツ(Vn)、アラン・クレイトン(テノール)、ミルガ・グラジニーテ=ティーラ:指揮、バーミンガム市交響楽団
 昨年新首席指揮者にグラジニーテ=ティーラさんを迎えたバーミンガム市響の登場です。ストラヴィンスキーと世界初演作品をベートーヴェンで挟んでいます。
 昨年のミルガさんとバーミンガム市響のプロムが、BSプレミアムで放送されていて観たのですが、小柄な身体いっぱい使って表情豊かに指揮するミルガさんがかっこいい、可愛い。バーミンガム市響の楽団員さんともいい感じでした。アンコールの後、ミルガさんが「バーミンガムで会いましょう!」と挨拶するのも粋でした。すっかりファンになりました。今年の公演も楽しみです。

◇8/22 Prom 51: Sibelius, Saint-Saens and Elgar–Payne
 ・シベリウス:組曲「歴史的情景」 第1番 op.25
 ・サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番 ト短調 op.22
 ・エルガー(ペイン:補筆):交響曲第3番 ハ短調 op.88
 / ハヴィエル・ペリアネス(P)、サカリ・オラモ:指揮、BBC交響楽団
 1曲目のシベリウスは、元は「『報道の日』祝典のための音楽」。この中から3曲が「歴史的情景」第1番、終曲「フィンランドは目覚める」が「フィンランディア」になりました。何度も書いていますが、今年はフィンランド独立100年。フィンランドのはじまりを知り、聴く作品です。サン=サーンスのピアノ協奏曲第2番は、先日N響の演奏会で演奏され、「クラシック音楽館」で放送されたのを観ました。なかなか難しい曲です。ピアノのペリアネスさんは、グリーグの協奏曲で、オラモ&BBC響と共演したCDが出ていますね。メインはエルガーの3番。1,2番はバレンボイム&シュターツカペレ・ベルリンが演奏しましたが、3番もあります。未完のままでしたが、BBCがペインに補筆を以来。1997年に完成し、演奏されるようになりました。3番はなかなか聴かないので、楽しみです。

◇8/23 Prom 52: Beyond the Score®: Dvořák’s New World Symphony
 ・ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調 op.95 「新世界より」
 / サー・マーク・エルダー:指揮、ハレ管弦楽団
 ドヴォルザークの9番1曲のみですが、面白い演奏会です。 コンサート前半は、プロジェクションや俳優のダンス、曲の歴史などのプレゼンテーションがあり、後半は全曲演奏します。こういう演奏会はラジオで聴くだけだと楽しみが半減するなぁ。ダンスを観たい。

◇8/25 Prom 54: La Scala Philharmonic and Riccardo Chailly
 ・ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.77
 ・レスピーギ:ローマの噴水 , ローマの松
 / レオニダス・カヴァコス(Vn)、リッカルド・シャイー:指揮、ミラノ・スカラ座フィルハーモニー管弦楽団
 シャイー&スカラ座フィルの登場です!カヴァコスさんのヴァイオリンのブラームス。カヴァコスさんというと、ヴァンスカ&ラハティ響とのシベリウスを真っ先に思い浮かべるのですが、もうかなり前ですね。後半はレスピーギでイタリアプログラム。「噴水」も「松」も好きです。

◇8/26 Prom 56: The Bohemian Reformation
 ・フス派の賛美歌「汝ら、神の戦士よ」
 ・スメタナ:連作交響詩「我が祖国」より 第5曲:ターボル、第6曲:ブラニーク
 ・マルティヌー:野外のミサ H.279
 ・ドヴォルザーク:序曲「フス教徒」 B.132 op.67
 ・ヤナーチェク:ブロウチェク氏の旅 より フスの歌
 ・スーク:交響詩「プラハ」 op.26
  / スヴァトプラク・セム(バリトン)、BBCシンガーズ(男声合唱)、ヤクブ・フルシャ:指揮、BBC交響楽団
 プロテスタントの先駆けとなった、チェコのフス教徒。そのフス教徒と彼らの闘い、改革に関する作品が並びます。最初にチェコの作曲家たちが影響を受けたフス派の賛美歌「汝ら、神の戦士よ」が歌われます。この「汝ら、神の戦士よ」は、「我が祖国」の「ターボル」「ブラニーク」、ドヴォルザーク「フス教徒」にも出てきます。このプロムに出てくる音楽が、チェコの歴史であり、チェコの人々の中に流れているのだなと感じます。指揮はチェコ出身のフルシャ。先日、来日してましたね。BBC響が演奏しますが、今年春に亡くなられた、前代首席指揮者のビエロフラーヴェクさんと、様々なチェコプログラムを取り上げてきました。フルシャさんはビエロフラーヴェクさんのお弟子さんでもあり…ビエロフラーヴェクさんのことを考えてしまいます。
 このプロムで、もう一度、チェコのフス教徒たちの歴史を学びなおそうと思います。

◇8/29 Prom 60: Stravinsky, Rachmaninov and Shostakovich
 ・ストラヴィンスキー:火の鳥 組曲(1911年版)
 ・ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第4番 ト短調 op.40
 ・ショスタコーヴィチ:交響曲 第12番 ニ短調 「1917年」 op.112
 / レイフ・オヴェ・アンスネス(P)、ヴァシリー・ペトレンコ:指揮、オスロ・フィルハーモニー管弦楽団
 この回と次の回、2日連続で、北欧のオーケストラの登場です。まずは、オスロ・フィル。再び、ロシアもの、ロシア革命に関するプログラムのプロムです。ラフマニノフの番号つきのピアノ協奏曲は全曲演奏することにようやく気がつきました。4番は、同じくノルウェーのアンスネスさん。4番が合うと感じます。メインはショスタコーヴィチ12番。10月革命を扱った作品です。

◇8/30 Prom 61: Renée Fleming sings Strauss
 ・アンドレア・タッローディ:Liguria (イギリス初演)
 ・バーバー:ノックスヴィル 1915年の夏 op.24
 ・R.シュトラウス:「ダフネ」 より 「ch komme – ich komme」
 ・ニールセン:交響曲第2番 ロ短調 「四つの気質」 op.16 FS.29
 / ルネ・フレミング(ソプラノ)、サカリ・オラモ:指揮、ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団
 北欧のオーケストラ2日目は、スウェーデン。オラモさんはこの日はBBC響ではなくロイヤル・ストックホルム・フィル。かつて、ラストナイトにも登場したソプラノ、フレミングさんと登場です。このトリオでCD出してましたね。タッローディはスウェーデンの作曲家。バーバーとR.シュトラウスはフレミングさんの十八番です。メインはニールセン(ニルセン)の2番。第1楽章の溌剌としたメロディーを聴くとワクワクしてきます。表情に富んでいて、好きな作品です。

◇8/31 Prom 63: Taneyev, Rachmaninov and Tchaikovsky
 ・タネーエフ:歌劇「オレステイア」 op.6 序曲
 ・ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第1番 嬰ヘ短調 op.1
 ・チャイコフスキー:マンフレッド交響曲 (バイロンの劇詩による4つの音画の交響曲「マンフレッド」ロ短調) op.58
  / キリル・ゲルシュタイン(P)、セミヨン・ビシュコフ:指揮、BBC交響楽団
 ラフマニノフのピアノ協奏曲がこれで4番まで揃いました。それまでにも作品は書いていましたが、ピアノ協奏曲第1番は作品番号1なんですね。タネーエフは聴いたことがない。ビシュコフさんのチャイコフスキー、今回はマンフレッド交響曲…あまり聴きなれてないので聴きます。

 以上、8月後半でした。そろそろ最初の公演のオンデマンド期限が切れ始めています。聞き逃しがないかチェックと、演奏されたばかりの回を聴くのと、両方は大変です。9月は大曲も控えているのに…。
NHKFMで、ラストナイトが終わった後、9月11日から5日間、プロムスの公演をセレクションで放送予定です。
9月に続きます。

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by halca-kaukana057 | 2017-08-18 23:48 | 音楽
 先日予告した通り、「クインテット」クリスマス回を再編成した「クインテット クリスマス・スペシャル」が放送されました!

【予告】「クインテット」のクリスマス再び! 祝・再放送(再構成版)決定!

NHK:Eテレ:お願い!編集長:再放送決定!「リトルドラマーボーイ」(クインテット)

 放送された内容は以下です。
・2008年12月24日放送回
 明日は月の上で/フラットさんの口笛・ホワイトクリスマス/クラリネット・ポルカ
・2005年12月15日放送回
 聖夜/チョップスティックス
・2004年12月14日放送回
 もみの木・肩たたき/アキラさんのピアノ・クリスマスメドレー
・2004年12月17日放送回
 サンタさんへの手紙/ブラームスのワルツ


 テーマ曲は、最初に新テーマ、最後に冬テーマ。冬テーマのアニメは、後期でお蔵入りになってしまった赤い雪だるま入りのものです。テーマ曲を聴いた途端、ああ、クインテットだ!クインテットにまた会えた!!嬉しくなりました。

 「明日は月の上で」これもクリスマス回でしたね。すっかり忘れてました。クリスマスプレゼントに本物のロケットをお願いするとは、さすがシャープ君wフラットさんの口笛シリーズのクリスマスバージョン「ホワイトクリスマス」は、結構楽しみにしてました。コンサート前には、「ハッチポッチステーション」のジャーニー君がサンタで登場するシーンも。コンサート前のシルエットなど、クインテットとハッチポッチのコラボを見つけるのが楽しみでした。コンサートは「クラリネット・ポルカ」、フラットさんのクラリネットと、他のパートの掛け合いが楽しい曲です。

 「聖夜」(「きよしこの夜」)、CDにも収められていますね。でも、映像で観たことがある人はもしかして少ない…?(放送3年目)厳かにクリスマスを過ごそうと言ってるのに、結局賑やかなアレンジでノリノリ、大はしゃぎする5人wこの楽しさですよ、クインテットのよさは。テープでピアノが大変なことにw掃除するの、大変だったんだろうなぁ…(そこかいw コンサートは、アキラさんとチーボーの連弾「チョップスティックス」。チーボーが幕の外に飛ばされたバージョンが観たかったなぁ。

 「もみの木」はドイツ民謡のあの曲です。シベリウスのピアノ曲じゃありません(それを思うのはお前だけだ)。シベリウスの作品、「クインテット」で聴きたかったなぁ…。「樅の木」もアレンジし甲斐のある作品だと思ったのに。そこから、肩こり、肩もみ、肩たたき…この強引な、支離滅裂さも好きですwこのあと、再登場することは多分なかった回のような気がします、多分。次に待っていたのは、クリスマスといえばこれ。Wアキラさんのピアノでクリスマスメドレー!!これを観ないとクリスマスが始まりません!今年は放送されて嬉しいです。初年度から登場したこの曲。最初観た時はビックリしたのを覚えています。

 オリジナルソングも。「サンタさんへの手紙」心優しいフラットさんの、可愛らしい歌です。手紙を書いているフラットさん、何気に万年筆で書いています。万年筆好きとして気になりました。以前は気にしなかった点も、時が経つと変化するものですね。そして無限に楽しめる。コンサート前は、来年のカレンダーに年賀状…一気に年末にwコンサートはブラームスのワルツ(op.39-15)。ゆったりとしていて、心休まります。

 以上、30分の放送で、約4本放送でした。

 あれ…あの…本来のリクエストの、「リトルドラマーボーイ」が放送されてないじゃないですか!!?これじゃリクエストに応えてない!?ええー…。クインテットの5人+チーボーの絆、「いつも5人は一緒だよ(You gotta Quintet)」のメッセージを強く、優しく感じられる素晴らしい回なのに…。NHKさん、Eテレさん、やり直し!来年も「クインテット クリスマス・スペシャル」をやりましょう!今度こそ「リトルドラマーボーイ」も放送で!
 クリスマススペシャルなのに、コンサート曲がクリスマスらしい曲がなかったのもちょっと残念。再編成なので、もっとフレキシブルな編成が出来たはずなのに…。

 とにかく、再放送されたことは嬉しいです。スコアさんの斉藤晴彦さんは鬼籍に、スコアさんの歌声が聴けるのも嬉しい。DVDに収録されていない初期回も観られました。「クインテット」は4:3、ハイビジョン画質ではありませんが、今のHDDで保存できたのもありがたいです。今回再放送を観て、もっと「クインテット」を観たいという方が増えればと思います。

 あと、毎回ツリーのデザインがお洒落です。さすがは藤枝リュウジさん。音符のデザインは「クインテット」らしいです。
 
 クリスマスもですが、やっぱりまた毎週、毎日「クインテット」を観たい。やっぱり「クインテット」が大好きです。
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by halca-kaukana057 | 2016-12-24 21:50 | Eテレ・NHK教育テレビ

音楽の旅・絵の旅

 涼しくなってきたので、読書にも集中できるようになってきました。読むのにかなりの時間がかかった本です。


音楽の旅・絵の旅 吉田秀和コレクション
吉田秀和/筑摩書房・ちくま文庫/2010

 音楽評論家の吉田秀和さんが、1976年にバイロイト音楽祭を聴きにドイツをはじめヨーロッパ各地を旅行した日記と、「音楽の光と翳」という短いエッセイ集の2部に分かれている本です。

 前半のバイロイト音楽祭。ワーグナー「ニーベルングの指輪」四部作の完全上演100年にあたる1976年。演出はシェロー、指揮はブーレーズ。このバイロイトでの演奏会の記録・日記は、私にとっては読むのは大変なことでした。ワーグナーのオペラ(楽劇)はあまり馴染みがない。序曲やアリアの抜粋ならいくつかは聴いているけれども、オペラを通して聴いたことはなく(長い、物語が難しそう、壮大過ぎる、という先入観で…すみませんワーグナーファンの皆様…)、バイロイト音楽祭も馴染みがない。NHKFMで年末に放送されていますが、聴いたことがない。
 それでも、吉田さんがどれだけワーグナーのオペラに惹かれていて、魅力的な部分をスコアつきで語るのは、半分よくわからないけど、ひきつけられるものがありました。吉田さんはプロの音楽評論家。スコア(ワーグナーのオペラはポケットスコアでも分厚いのでピアノ版のスコア)を確認しながら聴いている。音楽理論・楽典の裏づけから、あるシーンの曲の魅力を語っているのを読んでいると凄いな、と思う。そんな吉田さんですら、こんなことを書いているので驚いた。
だが、そうしてみると、今度は私の和声学の知識が不十分であり、穴があることに気づく。若い時、もっと勉強しておくのだった。だが、そういってもいられない。手もとにある武器や弾薬が不足とわかっていても、私はまだまだ、前進したい。たとえ一歩でも半歩でも。
 こう書いたら、いつか新聞でよんだ貴ノ花の言葉というのを思い出した。「もっと立合いを鋭くして、一歩踏みこまなければいけない」という解説者の註文をきいた時、この軽量の大関は「そんなことをいっても、相撲では一歩はおろか、半歩前に進むんだって、本当に大変なんだ。相手だって前に出てくるんだから」といったというのである。私の相手は音楽。それがだんだんやさしくなるどころか、これまでそう思わなかったことまで、むずかしくなるのだ。
(109ページより)

 今、私はバイロイト音楽祭ではなく、ロンドンの夏の風物詩、プロムスの各公演を手当たり次第ネットのオンデマンドで聴いている。様々な作品がある。現代作品も多い。初めて聴く作品も、今まで全く知らなかった作品、苦手だと思っている作品もある。好きな作品もあるが、指揮者やオーケストラも様々。聴いていてそれまで気がつかなかったことに気づいたり、疑問も出てきたり、余計わからなくなることもある。プロムスに限らず、普段聴く音楽でもそうだ。なので、吉田さんの仰っていることがよくわかるとも思う。それでも、音楽にもっと近づきたい。プロムスを聴き、この本を読んで、もっと音楽を楽しく聴くにはどうしたらいいのだろう?と思うようになった。知識や聴く作品を増やせばいいのだろうか。それもひとつのやり方だ。でもそれだけじゃ足りない、全てではない気がする。私の音楽の旅も、まだまだこれからだ。

 バイロイト音楽祭だけではなく、カラヤン指揮ベルリンフィルの演奏会や、黛敏郎のオペラ「金閣寺」、ポリーニのシューマン、若き日のサー・エリオット・ガーディナーの合唱つき作品の演奏会も出てくる。現代作品も出てくる。現代作品に対しての視点が興味深い。音楽だけではない。タイトルの「絵の旅」とあるとおり、美術館で絵画作品を分析しながら鑑賞している。その分析方法が本格的で、吉田秀和さんは絵画にも造詣が深かったのか!と驚かされた。音楽は総合芸術。他の分野とも繋がりが深い。美術にも通じるものがあるのだろう。

 旅はイギリス経由で、ロンドンでも美術館などをめぐる。そこでこう書かれている。
いかにイギリスという国が、イギリス人のものであると同時に、世界中の人たちの前に開放されたものであるかということが、もう一度、頭に浮かぶ。この美術館だって、いつかかよった大英博物館だって、世界中の人に無料で解放されているのだ。どんなに貧乏しようと、金をとろうとしない。それもイギリス人に対してだけでなく、世界中のどんな人に対しても同じなのだ。こういうのを見ていると、将来、もしイギリスの没落という事態が起こったとすれば、それはイギリス人にとってというだけでなく、世界中にとっての損失を意味するだろうという気がしてくる。
(197ページ)

 ここを読んで、イギリスのEU離脱への顛末を思い浮かべずにいられなかった。EUから離脱したからといって、大英博物館などが有料になるわけではないだろうが、イギリスという国の大きさを思い知る。やはり世界の「大英帝国」なんだなぁ、と。吉田さんが想像した没落、損失がないことを祈るばかりである。

 後半のエッセイ集、「音楽の光と翳」は短く、吉田さんの身近なところにある音楽から思ったことが書かれていて、読みやすかった。前半が難しいなと思ったら後半から入るのも手かも知れない。どちらにしても、吉田さんの優しく、音楽への愛情の深い文章は素敵だ。私の知らない音楽の世界を、この本で垣間見れた。音楽の世界は広いなぁ。
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by halca-kaukana057 | 2016-09-02 23:32 | 本・読書

おとの教室

 まだ感想を書いてない漫画がありました。久々のクラシック音楽漫画です。しかも、「天にひびき」のやまむらはじめ先生の新作です。


おとの教室
やまむらはじめ/バンブーコミックス MOMOセレクション・竹書房/2016

 武部都は音楽教室のチェロ講師。音大ではない普通大学の学生。生徒は様々な生徒がいる。アニメがきっかけの少年少女。弾きたい曲があるという人。また、同僚の講師たちも個性的。音楽教室の生徒達とのレッスンや発表会、演奏活動で出会う人々との日常の中で、彼女はどう音楽と向き合うか薄々と考えていた…


 やまむら先生、今度はチェロです。そして舞台は音楽教室。東京の大きな音楽教室だと、チェロや様々な楽器・コースがあるんだろうなぁ…こっちでチェロを習える教室なんてあまり見ないなぁ…(地方の小さな教室で声楽を習っている自分の視点)。

 しかも、この漫画は四コマ漫画誌に掲載されたもの。四コマ漫画は無理と普通の形式での連載になりましたが、1回12ページ。短いです。四コマ漫画誌ということで、ギャグ、笑いの要素は強めです。「天にひびき」でもコミカルなシーンは結構ありましたが、またそれとは違う感じ。この短さに収めるのは大変なんだろうなぁ。

 都は普通大学に在籍し、チェロを演奏している。音大・芸大に対してアレルギーを持っている。というのも、都の姉は音大で、優れたヴァイオリニストだった。将来も有望されていたが、卒業後、結婚すると音楽をきっぱりと辞めてしまった。都も元々はヴァイオリンを演奏していたが、姉と比べられるのを避けるためにチェロに変えられた。目標であり、立ちはだかる壁でもあった姉が音楽をやめてしまったことで目標も消えてしまい、これからの道をどうしようか悩む都。
いつまでもお姉さんと自分を比べるんじゃなくて 自分の喜びを自分で発見しなくちゃあ
(39ページ)

 都と姉の話を聞いた同僚・しおりの言葉。姉だけでなく、都が片想いで終わってしまった元同僚でヨーロッパへ留学に行ってしまった日乃原も、そんな存在。また、チェロを習いに来た女の子のきっかけとなった音楽学園アニメでも、学園内での腕前の序列が描かれる。一度意識すると呪縛のように取り付かれてしまう、音楽での「人と比べること」。以前、ピアノを弾いていた時、私も感じていた。また、プロの音楽の世界には根深くあるんだろうな…と思う。でもそれを本人が意識したらキリがない、音楽を見失ってしまうんじゃないかと思う。

 一方で、同僚(先輩?)の依光さんは、音楽教室の仕事の傍ら、同人活動をしている。同人誌の原稿の締め切り前の追い込みのシーンが描かれ、とてもコミカル。…と読んでいたのですが、もしかしたら、姉と比べて自分と音楽を見失いがちになる都とは対照的なのかなと思った。誰と比べるわけでも無く、同人誌で自分の「好き」「楽しい」を貫く。仲間と修羅場に追い込まれるも、活き活きと楽しんでいる。
 また、生徒のひとり、ゆちかちゃんはそんなに上手いわけではないが、レベル高めの選曲をし、ヨレヨレの演奏でも発表会で堂々と演奏している。都も問題は感じているが、その度胸や意識は都や他の生徒にも刺激になる。いい意味で「夢中になり」「自分を貫く」。これが自分と誰かを比較すること無く、成長の鍵になるのかなと思う。

 そして、都はある決意をする。チェロを探していたトリオに参加することに。やはり夢中になり比較せず自分を貫く。コミカルなようで、結構深い漫画だなぁと感じました。短い中に詰めたのは大変だったと思う、本当に。
 音楽教室の講師たちはこんなことを考えているのかとも思いました。発表会のシーンは、わかる、と思いました。

 ちなみに、あとがきに「天にひびき」のキャラクタを登場させたかった…と。それ見たかったです!ひびきや秋央、美月や波多野さんたちがちょこっと登場したりとか…見たかった。この物語はこの1冊で完結です。これはこれでいい終わり方だけど、もう少し読みたいな、せめてあと1巻、と思いました。

天にひびき 1
 ↑全10巻。こちらは音大が舞台。こちらも面白いので興味があれば是非。
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by halca-kaukana057 | 2016-07-18 22:26 | 本・読書

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)
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